ゲスト
(ka0000)
【不動】漢と砦と偵察任務
マスター:近藤豊

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 不明
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 4日
- 締切
- 2015/03/16 12:00
- 完成日
- 2015/03/17 06:43
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
ナナミ川の激戦から数日。
未だ人類は勝利の余韻に浸り、戦勝気分が抜けきれずに居た。
あれだけ南下に固執していた怠惰もマギア砦付近まで撤退。要塞ノアーラ・クンタウ付近で不穏な動きは察知されているものの、CAM稼働実験場付近は静けさを取り戻していた。
「…………静かだ」
オイマト族のバタルトゥ・オイマト(kz0023)は、この静けさに一抹の不安を感じていた。
人類に危険を及ぼす歪虚の動きが鈍い事は喜ばしいのだが、あまりにも静かすぎる。
マギア砦付近に怠惰の軍が防備を固めている様子も無ければ、再度の南下を試みる様子も見られない。要するにバタルトゥは、怠惰の動きが気がかりなのだ。
「なんだ? 何一人で難しい顔してやがるんだ?」
バタルトゥが懸念する横で、空気を読まないドワーフ王のヨアキム(kz0011)がエールの注がれたジョッキを一気飲みしている。
昼間から酒を飲んじゃう辺りが駄目な大人なのだが、ヨアキムだから仕方ない。
「湿っぽい空気を出している場合じゃねぇ! お前ぇもこっちへ来て飲め!」
「…………」
正直、口数が少ないバタルトゥはヨアキムが苦手だった。
人の心に土足で上がり込む上に、空気を読まずドンドン入り込んでいく。
バタルトゥはヨアキムの無遠慮さに接しづらさを感じていた。
「ああ、すいません。ヨアキム様は早くも酔っておられるようでして」
慌てて執事のキュジィが割って入る。
キュジィはこれでもヨアキムとバタルトゥの関係に気を配っていた。
「なんだ、給仕! 邪魔するのか!
さっさとこいつの分のエールも持ってこい!」
「私は給仕じゃありません。執事のキュジィです。それにバタルトゥさんの邪魔をしては迷惑ですよ」
「…………」
キュジィがフォローを入れるものの、周辺は一気に騒がしくなる。
考えをうまくまとめる事ができない
その事が、バタルトゥの機嫌を一気に悪化させていく。
「……昼間から酒とは良い身分だな」
「なに?」
「……こうしている間にも……怠惰はマギア砦から……侵攻するかもしれないのだ。今攻められたらどうするのだ? ……酔ったまま戦うつもりか?」
バタルトゥの中に漠然とあった不安。
それが口からこぼれ落ちる。
今、敵が再侵攻を開始すればCAM稼働実験場は再び危険になる。
現在の防衛戦力で本当に守り切れるのか。それが何よりも気になっていた。
「そうか。お前ぇ、そんなに敵の事が不安だったのか。
分かった。おい、給仕!」
「はい、なんでしょう。とーっても嫌な予感がしますけど」
「こいつの不安を取り除く為に、敵の様子を詳しく調べなきゃならねぇ。
ワシ自らマギア砦を偵察する」
「え?」
「……!?」
ヨアキムから『偵察』という言葉が出た瞬間、キュジィとバタルトゥは驚嘆した。
何処にいても目立ってしまう馬鹿の代表が、偵察をするというのだ。目立ちたがり屋のスナイパー並に危険な香りが漂ってくる。
同時にキュジィは、動き出したヨアキムが言い出したら聞かない事も理解していた。
キュジィは、大きくため息をついた。
「わ、分かりました。すぐにハンターへ依頼の打診します。
マギア砦の偵察と……ヨアキム様の護衛を」
未だ人類は勝利の余韻に浸り、戦勝気分が抜けきれずに居た。
あれだけ南下に固執していた怠惰もマギア砦付近まで撤退。要塞ノアーラ・クンタウ付近で不穏な動きは察知されているものの、CAM稼働実験場付近は静けさを取り戻していた。
「…………静かだ」
オイマト族のバタルトゥ・オイマト(kz0023)は、この静けさに一抹の不安を感じていた。
人類に危険を及ぼす歪虚の動きが鈍い事は喜ばしいのだが、あまりにも静かすぎる。
マギア砦付近に怠惰の軍が防備を固めている様子も無ければ、再度の南下を試みる様子も見られない。要するにバタルトゥは、怠惰の動きが気がかりなのだ。
「なんだ? 何一人で難しい顔してやがるんだ?」
バタルトゥが懸念する横で、空気を読まないドワーフ王のヨアキム(kz0011)がエールの注がれたジョッキを一気飲みしている。
昼間から酒を飲んじゃう辺りが駄目な大人なのだが、ヨアキムだから仕方ない。
「湿っぽい空気を出している場合じゃねぇ! お前ぇもこっちへ来て飲め!」
「…………」
正直、口数が少ないバタルトゥはヨアキムが苦手だった。
人の心に土足で上がり込む上に、空気を読まずドンドン入り込んでいく。
バタルトゥはヨアキムの無遠慮さに接しづらさを感じていた。
「ああ、すいません。ヨアキム様は早くも酔っておられるようでして」
慌てて執事のキュジィが割って入る。
キュジィはこれでもヨアキムとバタルトゥの関係に気を配っていた。
「なんだ、給仕! 邪魔するのか!
さっさとこいつの分のエールも持ってこい!」
「私は給仕じゃありません。執事のキュジィです。それにバタルトゥさんの邪魔をしては迷惑ですよ」
「…………」
キュジィがフォローを入れるものの、周辺は一気に騒がしくなる。
考えをうまくまとめる事ができない
その事が、バタルトゥの機嫌を一気に悪化させていく。
「……昼間から酒とは良い身分だな」
「なに?」
「……こうしている間にも……怠惰はマギア砦から……侵攻するかもしれないのだ。今攻められたらどうするのだ? ……酔ったまま戦うつもりか?」
バタルトゥの中に漠然とあった不安。
それが口からこぼれ落ちる。
今、敵が再侵攻を開始すればCAM稼働実験場は再び危険になる。
現在の防衛戦力で本当に守り切れるのか。それが何よりも気になっていた。
「そうか。お前ぇ、そんなに敵の事が不安だったのか。
分かった。おい、給仕!」
「はい、なんでしょう。とーっても嫌な予感がしますけど」
「こいつの不安を取り除く為に、敵の様子を詳しく調べなきゃならねぇ。
ワシ自らマギア砦を偵察する」
「え?」
「……!?」
ヨアキムから『偵察』という言葉が出た瞬間、キュジィとバタルトゥは驚嘆した。
何処にいても目立ってしまう馬鹿の代表が、偵察をするというのだ。目立ちたがり屋のスナイパー並に危険な香りが漂ってくる。
同時にキュジィは、動き出したヨアキムが言い出したら聞かない事も理解していた。
キュジィは、大きくため息をついた。
「わ、分かりました。すぐにハンターへ依頼の打診します。
マギア砦の偵察と……ヨアキム様の護衛を」
リプレイ本文
「敵地に潜入か。気を引き締めていかないとね」
ピオス・シルワ(ka0987)は、小声でテラ・C・ウェントゥス(ka3420)へ話し掛ける。
彼らが現在いる場所は、ナナミ川を渡った先にあるマギア砦へと続く道。
そう、ここは怠惰の支配地域に他ならない。
彼らがリスクを背負ってこの場所を訪れたのは、斥候としてマギア砦付近の状況を調べる為だ。
「物陰に隠れてこそこそって性に合わないんだけどね」
そう言いながら、テラは先頭に立ってマギア砦へ隠れながら進んでいく。
普段は豪快な性格のテラではあるが、今は斥候。気配を抑えて物陰に隠れながら前進。時折周囲に気を配りながら敵の存在を確認している。
「えっと、今は地図で言うと……ちょうどこの辺りだね」
ピオスはテラの後ろで地図を広げた。
今回、ハンター達は班を分けてそれぞれ違う場所をルートに沿って偵察する事にしていた。合流地点だけを決め、万一の際は早々に撤退する手筈となっている。もし、下手に怠惰の巨人達に囲まれようものなら、その命は幾らあっても足りない。
「なるほどね。じゃあ、予定通り海岸を目指すとしようか」
ピオスとテラの索敵A班が担当するのはマギア砦の東側。
マギア砦で籠城戦を仕掛けた際に、砦から海岸へ出る抜け道を調べる事を目的としている。人類側がマギア砦を攻める展開となった場合、この抜け道が再び活用できるかを把握する為だ。
「幸いにも障害物は多くて助かるね。これなら海岸へ近付けるはずだよ」
テラは壁の代わりに身を隠した鉄の塊に手を置いた。
マギア砦へ続く道は、怠惰の巨人達が身につけていた鎧や棍棒が転がっていた。
戦いに敗れて倒れていった巨人の所有物だろうが、身を隠すにはちょうど良い存在だ。
テラとピオスは自分達の足音にも細心の注意を払いながら、移動を開始する。
少しでも重要な情報を入手する為に。
●
一方、索敵B班はA班と違った調査を試みる。
「こちらエルディラ。そちらの状況どうじゃ?」
『異常ありません。調査を継続しますわ』
エルディラ(ka3982)とBridget・B(ka3117)は、魔導短伝話でお互いの状況を確認し合っていた。
索敵B班はBridgetからの提案で、一人一人バラバラに動いて広範囲の探索を行う事にしていた。この為、エルディラとBridgetはお互い単独でマギア砦東側を進んでいく。
『油断するでないぞ。可能な限りリスクは回避するのじゃ』
エルディラは、そう言いつつ魔導短伝話の通信を切り上げた。
索敵A班と比較して索敵B班の方がマギア砦近くへと接近している。単独での移動だからこそのスピードだが、反面的に遭遇すれば生命の危機に陥りやすい。エルディラは街道から少し外れた岩場に身を隠しながら北上していく。
(下手に連中を刺激しては面倒な事になる。とにかく発見されないようにせねば……)
『あー、エルディラ? そっちは大丈夫?』
周囲を警戒していたエルディラに、ピオスからの魔導短伝話が飛び込んでくる。
突然の通信に身を奮わせるエルディラ。
「こら、いきなり話し掛けるでない。こちらは異常なしじゃ」
『危なくなったら呼んでね! すぐに駆けつけるよ!』
「分かった分かった。ピオスは心配性じゃのう。大丈夫じゃ、無理をするつもりはない」
エルディラは通信を終えると周囲を警戒した。
今の所、敵影はなし。
マギア砦へ接近すれば敵影も増えて危険も増加する。頃合いを見計らって撤退するべきなのだろうが、この見極めが難しい。
『こちらBridget。人影を発見しましたわ』
ここで先行するBridgetからの通信が入る。
どうやら誰かを発見したようだ。
「なんだ、巨人か?」
『いえ、サイズは普通の人間ですわ。辺境の方でしょうか。でも、衣装は妙にボロボロなのが気になります』
衣装がボロボロ。これは一体、何を意味するのだろうか。
だが、Bridgetが敵の近くまで接近したのは間違いない。
エルディラは警戒を強めるよう促す。
「怪しい点は近づいてはならん。十分に注意するのじゃ」
『了解ですわ』
通信は、そこで切れた。
エルディラは一抹の不安を抱きながらも、北上を再開した。
●
索敵A班、索敵B班が一生懸命に情報収集をする最中。
もう一つ重要な役割を担った者達が居た。
「王様は、王様オーラで目立ってしまいますからぁ。念入りに隠さないと、ダメですぅ」
エリセル・ゼノル・グールドーラ(ka2087)は、マギア砦から遠く離れた場所でヨアキム(kz0011)の顔面に泥を塗りたくっていた。
「おお、確かに。早速、ワシの顔面に塗りたくって……うっぷ」
「塗っている間に喋っちゃダメですぅ」
ヨアキムの鼻や口にもガンガン泥を塗りたくるエリセル。
別に歪虚の支配地域で泥パックに勤しんでいる訳ではない。
斥候を言い出したのはヨアキムであるが、これ程斥候に向かない人材はいない。前に突き進む事しか考えない馬鹿に身を隠すように言っても隠すのは股間ぐらいだろう。そこでエリセルは馬鹿を『斥候させたつもり』にしてその場でマギア砦へ接近させない手段に打って出たという訳だ。
顔面に泥を塗っているのも、ヨアキムが自然に溶け込んで隠れている雰囲気を出す為に他ならない。
「しかし、ここでじっとせねばならんのか。斥候とは辛いのう」
「小父殿。動いてはいかんのだ」
ミルフルール・アタガルティス(ka3422)が動こうとするヨアキムを一喝する。
ミルフルールの方は砦周辺を背景としてヨアキムをモデルにスケッチを行っていた。
10分程度でサラサラと描いていく辺り、ミルフルールも手慣れたものだ。モデルのヨアキムがどういう訳かスケッチの隅っこで見切れている。この時点でモデルは存在しなくても良いぐらいなのだが、馬鹿はまったく気付かない。
「おお、すまん。ところで、このお面はなんだ?」
ヨアキムの頭には先日倒したMrs.ホージーを劇画調に描いたお面が鎮座していた。
「小父殿は有名人だから。変装していた方が良いのじゃ」
どうやらお面は変装のつもりで装着させたようだ。
結果お面を付けて上半身裸の愚か者が、ボロ布被って泥まみれでドヤ顔を決めている。
画的にかなりシュールな状況だ。
「これで何とか誤魔化せそうですぅ」
「ん? 何を誤魔化すって?」
一息ついたエリセルに反応するヨアキム。
しなくても良いところで超反応を見せる辺りがヨアキムらしい。
「いや、誤魔化すなんて言ってない……あれ? 通信が来たですぅ」
ちょうど良いタイミングでエリセルのトランシーバーが通信をキャッチした。
話を逸らす意味合いも込めて、エリセルは早々にトランシーバーを手にする。
「はいはーい。王様お守り班ですぅ」
『こちら索敵A班。海岸付近で部族の戦士らしき人影を発見。力無くゆっくり徘徊していて普通じゃない様子だよ』
通信の相手はテラのようだ。
テラの話によれば、部族の戦士らしき人影が多数徘徊している為に砂浜へ近づく事もできないらしい。マギア砦は既に怠惰の手に落ちている為、普通に考えて部族の戦士が徘徊している時点でおかしいのだが……。
「おい、その部族の衣装を詳しく聞いてくれ。何か特徴的なものが分かれば何処の部族か分かるかもしれねぇ」
ミルフルールのモデルを務めている為、身動きを取れないヨアキムが口を挟んできた。
エリセルは促されるままにヨアキムの言葉をテラへ伝える。
『え、ヨアムキンが部族の特徴を教えろって? うーん、みんな一緒じゃないんだけど。近くを歩いている戦士は動物の皮のようなものを身につけて……あ、頭には大きな赤い鳥の羽根飾りを付けているよ』
「なに? 大きな羽根飾りだとぉ?
そいつはカアキゲ族じゃねぇか。赤い鳥の恩恵を受けた勇敢な部族だ」
珍しくヨアキムの知識が役立った。
ヨアキムによればカアキゲ族は伝説の赤い鳥の加護を受けた戦士の部族らしい。一説によれば赤い鳥とは太陽の使いとされ、戦いに倒れた戦士を太陽まで連れて行ってくれると信じられているそうだ。
ヨアキムの口からアルコール臭さえしなければ、今までで一番役立ったのに。
「でも、おかしいぞ。連中はとっくの昔に歪虚に滅ぼされて誰も生き残っていないはずだ」
『ええ? 滅んだ? じゃあ、目の前で歩いているのは誰?』
ヨアキムの言葉をエリセル経由で聞いていたテラ。
そこへ話を聞いていた索敵B班のエルディラが介入してきた。
『もしかして、歪虚に呑まれた戦士を怠惰が使役しているのではないか?
連中は相当な面倒臭がりと聞いておる。面倒事を他の者にやらせていてもおかしくはないぞ』
エルディラが口にした一つの可能性。
怠惰はナナミ川で戦力を大幅に減らしていた。この戦力の穴を短期間で埋める為には、早期に増員する他ない。おそらく、倒れた部族の戦士達を操ってこの穴を埋めているのだろう。
これにはヨアキムも激怒する。
「なんだと!? 倒れた戦士はそれぞれ誇りを賭けて戦ったんだ。それを奴らは自然に還る事も許さず、こき使うたぁ許せねぇ!」
怒りに打ち震えるヨアキム。
先程までモデルをしていたが、ヨアキムは怒りで筋肉が引き締まり血管が浮き出てくる。まるで血が沸騰せんが勢いだ。
「もう我慢出来ねぇ! こうなりゃ一気に突撃を……」
「小父殿」
怒り狂うヨアキムへ声をかけたのは、スケッチを終えたばかりのミルフルールだった。
「あん? 今は腹が立って……」
ヨアキムが振り返る寸前、鳩尾目掛けてミルフルールの拳が放たれる。
突き刺さる一撃。
さらにエリセルの右フックがヨアキムの顎を捉える。
「ごふっ。……ん~、気持ちいいぃ……」
「勝手に突撃しちゃダメですぅ。今日は斥候だけなので、突撃するなら体張って止めるですぅ」
どうやらエリセルの提案でヨアキムが行動を起こそうとした場合には強引に止める手筈だったようだ。
言葉で説明するエリセルだったが、既にヨアキムは快楽の海へと旅立っているようだ。
「スケッチも大方描き終えた。後で分析すればよかろう」
ミルフルールは、スケッチで砦の様子を描き終えたようだ。遠巻きではあるが砦周辺の情報を他の者に伝えられるはずだ。
だが、敵も甘くはない。
テラのトランシーバーを借りたピオスが無念そうな声で話す。
『くっ、Bridgetから入電。敵に発見されたみたい。みんな、撤退を開始して』
●
時間は少し前に遡る。
Bridgetは単身マギア砦近くで身を隠していた。徘徊する部族戦士の数は多かったが、その隙をついて前進していく。
そしてついには、肉眼でマギア砦を捉える位置にまで移動する事に成功していた。
「隠れる場所が多い事が幸いしていましたわ。さて、マギア砦の様子は如何でしょう」
砦を見据えるBridget。
砦外壁は一部崩れているものの籠城時と大きく変わらない。
変わっているのは外壁付近に巨人が存在している事だ。外壁上部にも砦を守る部族戦士が配されている。籠城していた砦を、今度はBridgetがどうやって攻め落とそうか悩んでいるのだから不思議なものだ。
「……あれは?」
目を凝らして見ると外壁上部に部族とは異なる衣装に身を包む存在がいる。
その衣装、Bridgetには――見覚えがある。
あれはサルバトーレ・ロッソにいる軍人の制服だ。しかし、どう考えてみてもサルヴァトーレ・ロッソにいる軍人がマギア砦にいるはずがない。
考えられる事は、ただ一つ。
「ガエル・ソト。確か……災厄の十三魔の一人でしたわね」
『尸位素餐』ガエル・ソト。
ハンターズソサエティ内でブラックリストに指定された歪虚。強い英雄願望を持って各地に災厄を振りまく凶人であり、今回ヤクシーと共にCAM稼働実験場を襲撃した存在だ。マギア砦で怠惰の指揮を執っているのはガエルと見て間違いないだろう。
「厄介な相手ですわ。ここは一度退いて……」
そう言い掛けて振り返ろうとするBridget。
次の瞬間、視界に入ったのは青白い顔色をした部族の戦士。Bridgetに向かって剣を振り下ろそうとしていた。
――ガチンっ!
剣はBridgetに回避され、地面にあった石と衝突。
金属音が周囲に響き渡る。
「見つかってしまいましたわ」
単身で探索を続けた結果、ガエルの存在を察知したまでは良かった。だが、マギア砦へ近づくにつれて敵の数も多くなってくる。発見されるリスクも増大してしまう。
仲間を呼び集めたのだろうか。こうしている間にも部族の戦士がBridgetの元へ向かって来る。
「ここらが潮時ですわね」
Bridgetは瞬脚でその場からの撤退を開始した。
●
「やはり来たか。英雄の読みに間違いはない」
マギア砦で斥候の報告にガエルは、満足そうな笑みを浮かべる。
先の大勝で勢いづいた人類がマギア砦をそのまま放置する訳がない。必ず何か仕掛けてくると考えていた。
「追撃部隊を編成。人間達を逃がすな。
だが、深追いはするな。
それからマギア砦の守備を強化。これ以上斥候などさせるな」
そう、深追いする必要は無い。
今は辺境の地で呑み込んだ部族を戦力として活用しているが、怠惰の増援があれば再び南下するチャンスがある。もう少し待てば人類を蹴散らす事など難しい話ではない。
「貴様等を討つのはエリート戦士であり英雄でもあるこの私だ」
ガエルはマギア砦から南の方角を見据えていた。
●
「そこで眠ってて!」
ピオスが追って来た部族の戦士へスリープクラウドを発動。
睡魔に襲われた部族は地面へ倒れ込むように眠っている。
幸い、ルートを事前に決めていた事から撤退は比較的スムーズに進んでいる。
「それっ!」
テラは適当な茂みに向かってグリントボウの遠射を放つ。
激しい音で追っ手の注意が一瞬だけ矢の方に向いてくれる。その間に迅速な撤退をしようという訳だ。
「ピオス、無事か!」
「エルディラ!」
索敵A班と索敵B班も合流に成功。
索敵B班はバラバラに動いていたようだが、撤退時にエルディラとBridgetも無事に合流できたようだ。
ちなみにヨアキム達は既に撤退完了。後は索敵部隊が帰還すれば任務は完了だ。
「大分深くまで探索していたようじゃが、おかげで収穫はあったようじゃぞ」
「収穫って?」
「マギア砦にはガエル・ソトの姿がございました。詳しいお話は後程」
ピオスの言葉にBridgetは、そう答えた。
マギア砦を襲撃するのであれば、ガエル・ソトを相手にしなければならない。
それは回避しようのない現実であろう。
「相手は災厄の十三魔……相手にとって不足なし! それに揺り起こされた戦士達を眠らせてあげないとね」
撤退しながらも、テラは再びこの地へ舞い戻ると決意する。
自然に還る事の許されない不憫な戦士達を深い眠りへと戻る為に――。
ピオス・シルワ(ka0987)は、小声でテラ・C・ウェントゥス(ka3420)へ話し掛ける。
彼らが現在いる場所は、ナナミ川を渡った先にあるマギア砦へと続く道。
そう、ここは怠惰の支配地域に他ならない。
彼らがリスクを背負ってこの場所を訪れたのは、斥候としてマギア砦付近の状況を調べる為だ。
「物陰に隠れてこそこそって性に合わないんだけどね」
そう言いながら、テラは先頭に立ってマギア砦へ隠れながら進んでいく。
普段は豪快な性格のテラではあるが、今は斥候。気配を抑えて物陰に隠れながら前進。時折周囲に気を配りながら敵の存在を確認している。
「えっと、今は地図で言うと……ちょうどこの辺りだね」
ピオスはテラの後ろで地図を広げた。
今回、ハンター達は班を分けてそれぞれ違う場所をルートに沿って偵察する事にしていた。合流地点だけを決め、万一の際は早々に撤退する手筈となっている。もし、下手に怠惰の巨人達に囲まれようものなら、その命は幾らあっても足りない。
「なるほどね。じゃあ、予定通り海岸を目指すとしようか」
ピオスとテラの索敵A班が担当するのはマギア砦の東側。
マギア砦で籠城戦を仕掛けた際に、砦から海岸へ出る抜け道を調べる事を目的としている。人類側がマギア砦を攻める展開となった場合、この抜け道が再び活用できるかを把握する為だ。
「幸いにも障害物は多くて助かるね。これなら海岸へ近付けるはずだよ」
テラは壁の代わりに身を隠した鉄の塊に手を置いた。
マギア砦へ続く道は、怠惰の巨人達が身につけていた鎧や棍棒が転がっていた。
戦いに敗れて倒れていった巨人の所有物だろうが、身を隠すにはちょうど良い存在だ。
テラとピオスは自分達の足音にも細心の注意を払いながら、移動を開始する。
少しでも重要な情報を入手する為に。
●
一方、索敵B班はA班と違った調査を試みる。
「こちらエルディラ。そちらの状況どうじゃ?」
『異常ありません。調査を継続しますわ』
エルディラ(ka3982)とBridget・B(ka3117)は、魔導短伝話でお互いの状況を確認し合っていた。
索敵B班はBridgetからの提案で、一人一人バラバラに動いて広範囲の探索を行う事にしていた。この為、エルディラとBridgetはお互い単独でマギア砦東側を進んでいく。
『油断するでないぞ。可能な限りリスクは回避するのじゃ』
エルディラは、そう言いつつ魔導短伝話の通信を切り上げた。
索敵A班と比較して索敵B班の方がマギア砦近くへと接近している。単独での移動だからこそのスピードだが、反面的に遭遇すれば生命の危機に陥りやすい。エルディラは街道から少し外れた岩場に身を隠しながら北上していく。
(下手に連中を刺激しては面倒な事になる。とにかく発見されないようにせねば……)
『あー、エルディラ? そっちは大丈夫?』
周囲を警戒していたエルディラに、ピオスからの魔導短伝話が飛び込んでくる。
突然の通信に身を奮わせるエルディラ。
「こら、いきなり話し掛けるでない。こちらは異常なしじゃ」
『危なくなったら呼んでね! すぐに駆けつけるよ!』
「分かった分かった。ピオスは心配性じゃのう。大丈夫じゃ、無理をするつもりはない」
エルディラは通信を終えると周囲を警戒した。
今の所、敵影はなし。
マギア砦へ接近すれば敵影も増えて危険も増加する。頃合いを見計らって撤退するべきなのだろうが、この見極めが難しい。
『こちらBridget。人影を発見しましたわ』
ここで先行するBridgetからの通信が入る。
どうやら誰かを発見したようだ。
「なんだ、巨人か?」
『いえ、サイズは普通の人間ですわ。辺境の方でしょうか。でも、衣装は妙にボロボロなのが気になります』
衣装がボロボロ。これは一体、何を意味するのだろうか。
だが、Bridgetが敵の近くまで接近したのは間違いない。
エルディラは警戒を強めるよう促す。
「怪しい点は近づいてはならん。十分に注意するのじゃ」
『了解ですわ』
通信は、そこで切れた。
エルディラは一抹の不安を抱きながらも、北上を再開した。
●
索敵A班、索敵B班が一生懸命に情報収集をする最中。
もう一つ重要な役割を担った者達が居た。
「王様は、王様オーラで目立ってしまいますからぁ。念入りに隠さないと、ダメですぅ」
エリセル・ゼノル・グールドーラ(ka2087)は、マギア砦から遠く離れた場所でヨアキム(kz0011)の顔面に泥を塗りたくっていた。
「おお、確かに。早速、ワシの顔面に塗りたくって……うっぷ」
「塗っている間に喋っちゃダメですぅ」
ヨアキムの鼻や口にもガンガン泥を塗りたくるエリセル。
別に歪虚の支配地域で泥パックに勤しんでいる訳ではない。
斥候を言い出したのはヨアキムであるが、これ程斥候に向かない人材はいない。前に突き進む事しか考えない馬鹿に身を隠すように言っても隠すのは股間ぐらいだろう。そこでエリセルは馬鹿を『斥候させたつもり』にしてその場でマギア砦へ接近させない手段に打って出たという訳だ。
顔面に泥を塗っているのも、ヨアキムが自然に溶け込んで隠れている雰囲気を出す為に他ならない。
「しかし、ここでじっとせねばならんのか。斥候とは辛いのう」
「小父殿。動いてはいかんのだ」
ミルフルール・アタガルティス(ka3422)が動こうとするヨアキムを一喝する。
ミルフルールの方は砦周辺を背景としてヨアキムをモデルにスケッチを行っていた。
10分程度でサラサラと描いていく辺り、ミルフルールも手慣れたものだ。モデルのヨアキムがどういう訳かスケッチの隅っこで見切れている。この時点でモデルは存在しなくても良いぐらいなのだが、馬鹿はまったく気付かない。
「おお、すまん。ところで、このお面はなんだ?」
ヨアキムの頭には先日倒したMrs.ホージーを劇画調に描いたお面が鎮座していた。
「小父殿は有名人だから。変装していた方が良いのじゃ」
どうやらお面は変装のつもりで装着させたようだ。
結果お面を付けて上半身裸の愚か者が、ボロ布被って泥まみれでドヤ顔を決めている。
画的にかなりシュールな状況だ。
「これで何とか誤魔化せそうですぅ」
「ん? 何を誤魔化すって?」
一息ついたエリセルに反応するヨアキム。
しなくても良いところで超反応を見せる辺りがヨアキムらしい。
「いや、誤魔化すなんて言ってない……あれ? 通信が来たですぅ」
ちょうど良いタイミングでエリセルのトランシーバーが通信をキャッチした。
話を逸らす意味合いも込めて、エリセルは早々にトランシーバーを手にする。
「はいはーい。王様お守り班ですぅ」
『こちら索敵A班。海岸付近で部族の戦士らしき人影を発見。力無くゆっくり徘徊していて普通じゃない様子だよ』
通信の相手はテラのようだ。
テラの話によれば、部族の戦士らしき人影が多数徘徊している為に砂浜へ近づく事もできないらしい。マギア砦は既に怠惰の手に落ちている為、普通に考えて部族の戦士が徘徊している時点でおかしいのだが……。
「おい、その部族の衣装を詳しく聞いてくれ。何か特徴的なものが分かれば何処の部族か分かるかもしれねぇ」
ミルフルールのモデルを務めている為、身動きを取れないヨアキムが口を挟んできた。
エリセルは促されるままにヨアキムの言葉をテラへ伝える。
『え、ヨアムキンが部族の特徴を教えろって? うーん、みんな一緒じゃないんだけど。近くを歩いている戦士は動物の皮のようなものを身につけて……あ、頭には大きな赤い鳥の羽根飾りを付けているよ』
「なに? 大きな羽根飾りだとぉ?
そいつはカアキゲ族じゃねぇか。赤い鳥の恩恵を受けた勇敢な部族だ」
珍しくヨアキムの知識が役立った。
ヨアキムによればカアキゲ族は伝説の赤い鳥の加護を受けた戦士の部族らしい。一説によれば赤い鳥とは太陽の使いとされ、戦いに倒れた戦士を太陽まで連れて行ってくれると信じられているそうだ。
ヨアキムの口からアルコール臭さえしなければ、今までで一番役立ったのに。
「でも、おかしいぞ。連中はとっくの昔に歪虚に滅ぼされて誰も生き残っていないはずだ」
『ええ? 滅んだ? じゃあ、目の前で歩いているのは誰?』
ヨアキムの言葉をエリセル経由で聞いていたテラ。
そこへ話を聞いていた索敵B班のエルディラが介入してきた。
『もしかして、歪虚に呑まれた戦士を怠惰が使役しているのではないか?
連中は相当な面倒臭がりと聞いておる。面倒事を他の者にやらせていてもおかしくはないぞ』
エルディラが口にした一つの可能性。
怠惰はナナミ川で戦力を大幅に減らしていた。この戦力の穴を短期間で埋める為には、早期に増員する他ない。おそらく、倒れた部族の戦士達を操ってこの穴を埋めているのだろう。
これにはヨアキムも激怒する。
「なんだと!? 倒れた戦士はそれぞれ誇りを賭けて戦ったんだ。それを奴らは自然に還る事も許さず、こき使うたぁ許せねぇ!」
怒りに打ち震えるヨアキム。
先程までモデルをしていたが、ヨアキムは怒りで筋肉が引き締まり血管が浮き出てくる。まるで血が沸騰せんが勢いだ。
「もう我慢出来ねぇ! こうなりゃ一気に突撃を……」
「小父殿」
怒り狂うヨアキムへ声をかけたのは、スケッチを終えたばかりのミルフルールだった。
「あん? 今は腹が立って……」
ヨアキムが振り返る寸前、鳩尾目掛けてミルフルールの拳が放たれる。
突き刺さる一撃。
さらにエリセルの右フックがヨアキムの顎を捉える。
「ごふっ。……ん~、気持ちいいぃ……」
「勝手に突撃しちゃダメですぅ。今日は斥候だけなので、突撃するなら体張って止めるですぅ」
どうやらエリセルの提案でヨアキムが行動を起こそうとした場合には強引に止める手筈だったようだ。
言葉で説明するエリセルだったが、既にヨアキムは快楽の海へと旅立っているようだ。
「スケッチも大方描き終えた。後で分析すればよかろう」
ミルフルールは、スケッチで砦の様子を描き終えたようだ。遠巻きではあるが砦周辺の情報を他の者に伝えられるはずだ。
だが、敵も甘くはない。
テラのトランシーバーを借りたピオスが無念そうな声で話す。
『くっ、Bridgetから入電。敵に発見されたみたい。みんな、撤退を開始して』
●
時間は少し前に遡る。
Bridgetは単身マギア砦近くで身を隠していた。徘徊する部族戦士の数は多かったが、その隙をついて前進していく。
そしてついには、肉眼でマギア砦を捉える位置にまで移動する事に成功していた。
「隠れる場所が多い事が幸いしていましたわ。さて、マギア砦の様子は如何でしょう」
砦を見据えるBridget。
砦外壁は一部崩れているものの籠城時と大きく変わらない。
変わっているのは外壁付近に巨人が存在している事だ。外壁上部にも砦を守る部族戦士が配されている。籠城していた砦を、今度はBridgetがどうやって攻め落とそうか悩んでいるのだから不思議なものだ。
「……あれは?」
目を凝らして見ると外壁上部に部族とは異なる衣装に身を包む存在がいる。
その衣装、Bridgetには――見覚えがある。
あれはサルバトーレ・ロッソにいる軍人の制服だ。しかし、どう考えてみてもサルヴァトーレ・ロッソにいる軍人がマギア砦にいるはずがない。
考えられる事は、ただ一つ。
「ガエル・ソト。確か……災厄の十三魔の一人でしたわね」
『尸位素餐』ガエル・ソト。
ハンターズソサエティ内でブラックリストに指定された歪虚。強い英雄願望を持って各地に災厄を振りまく凶人であり、今回ヤクシーと共にCAM稼働実験場を襲撃した存在だ。マギア砦で怠惰の指揮を執っているのはガエルと見て間違いないだろう。
「厄介な相手ですわ。ここは一度退いて……」
そう言い掛けて振り返ろうとするBridget。
次の瞬間、視界に入ったのは青白い顔色をした部族の戦士。Bridgetに向かって剣を振り下ろそうとしていた。
――ガチンっ!
剣はBridgetに回避され、地面にあった石と衝突。
金属音が周囲に響き渡る。
「見つかってしまいましたわ」
単身で探索を続けた結果、ガエルの存在を察知したまでは良かった。だが、マギア砦へ近づくにつれて敵の数も多くなってくる。発見されるリスクも増大してしまう。
仲間を呼び集めたのだろうか。こうしている間にも部族の戦士がBridgetの元へ向かって来る。
「ここらが潮時ですわね」
Bridgetは瞬脚でその場からの撤退を開始した。
●
「やはり来たか。英雄の読みに間違いはない」
マギア砦で斥候の報告にガエルは、満足そうな笑みを浮かべる。
先の大勝で勢いづいた人類がマギア砦をそのまま放置する訳がない。必ず何か仕掛けてくると考えていた。
「追撃部隊を編成。人間達を逃がすな。
だが、深追いはするな。
それからマギア砦の守備を強化。これ以上斥候などさせるな」
そう、深追いする必要は無い。
今は辺境の地で呑み込んだ部族を戦力として活用しているが、怠惰の増援があれば再び南下するチャンスがある。もう少し待てば人類を蹴散らす事など難しい話ではない。
「貴様等を討つのはエリート戦士であり英雄でもあるこの私だ」
ガエルはマギア砦から南の方角を見据えていた。
●
「そこで眠ってて!」
ピオスが追って来た部族の戦士へスリープクラウドを発動。
睡魔に襲われた部族は地面へ倒れ込むように眠っている。
幸い、ルートを事前に決めていた事から撤退は比較的スムーズに進んでいる。
「それっ!」
テラは適当な茂みに向かってグリントボウの遠射を放つ。
激しい音で追っ手の注意が一瞬だけ矢の方に向いてくれる。その間に迅速な撤退をしようという訳だ。
「ピオス、無事か!」
「エルディラ!」
索敵A班と索敵B班も合流に成功。
索敵B班はバラバラに動いていたようだが、撤退時にエルディラとBridgetも無事に合流できたようだ。
ちなみにヨアキム達は既に撤退完了。後は索敵部隊が帰還すれば任務は完了だ。
「大分深くまで探索していたようじゃが、おかげで収穫はあったようじゃぞ」
「収穫って?」
「マギア砦にはガエル・ソトの姿がございました。詳しいお話は後程」
ピオスの言葉にBridgetは、そう答えた。
マギア砦を襲撃するのであれば、ガエル・ソトを相手にしなければならない。
それは回避しようのない現実であろう。
「相手は災厄の十三魔……相手にとって不足なし! それに揺り起こされた戦士達を眠らせてあげないとね」
撤退しながらも、テラは再びこの地へ舞い戻ると決意する。
自然に還る事の許されない不憫な戦士達を深い眠りへと戻る為に――。
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相談卓 ピオス・シルワ(ka0987) エルフ|17才|男性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2015/03/16 01:07:25 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/03/13 23:26:05 |