屋根より高い、アレ

マスター:黒木茨

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2015/05/15 22:00
完成日
2015/05/24 02:07

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●空を泳ぐアレ
「わー、たかーい!」
 爽やかに香る風のもと、子供たちは笑みを浮かべて町を走っていた。
 町の家々には鯉幟が飾られている。それらは風に揺られ、気持ち良さそうに空を泳いでいた。
「このいぼりー!」
「こいのぼりよ坊や」
 間違えた子供をにこやかに嗜めた夫人は、皿の上の柏餅にナイフを差込み、フォークを使って礼儀正しく食べていた。
「柏餅というスイーツもおいしいですわね」
「ああ、ブルーの文化と聞いていたが恐れることもなかったな」
 夫人の隣でのんびりとカップに口をつけるのは、彼女の夫である男だ。
「マーマ、パーパー!」
「あらあら、どうしたの坊や、そんなに泣いちゃって」
 ふと、泣きべそをかく子供が戻ってきた。なにがあったのだろう。
 夫人は子供の目から流れる涙をハンカチで拭いながら、そう問うた。
「こいぼのりがムキムキの大男になっちゃったよー!」
「こいのぼりよ坊や」
「はっはっは、そんなことあるわけないだろう」
 涙ながらの報告を夫婦は信じない、がしかし。
「ホントだよう! ほら見て!」
 子供が指差した先には、黒々と長い鯉幟……
 の頭を持ったイイ男たちの姿があった!
 そのイイ男の体は鍛え上げられ、その逞しさたるやどこぞの特殊部隊に紛れていても違和感はないだろう。
 流れる汗が太陽の光を受けてキラリと輝き、まるで金剛石のようである。

「な、なんだってー!!」

「これは大変だ! 急いで討伐命令と住民への避難指示を!」
「神よ……もしこの事態を治めてくれるのであれば『誰でも構いません』、いくらでも対価は払いましょう。早くあの悪魔が除かれますよう……」
 声を揃えて叫んだ夫婦は、暫くの間を置いて判断を下した。夫人は十字を切り、両の手を合わせ祈り始めている。

●救世主は誰だ
「な、なんだってェーッ!? そいつァ本当かい奥さんよぉ!」
 なんと! 偶然にもその祈りの声を聞き届けた戦士がいた!
「は?」
 呆然としつつも、戦士たちの声が上がった方向に顔を向ける夫人。
「あ……あんたらは六兄弟!」
 戦士改めゴロツキに対して、男が縮み上がり叫ぶ。
 名は右からジョン、ヨハン、ジャン、フアン、ヤーノシュ、ヤン!
 血は繋がっていないが兄弟のように仲がよい悪がき集団であることで昔から評判があった!
「事態を治めるなら誰でもって言ったよなァ?」
「いくらでも対価は払うって言ったよなァ?」
 夫人の顔を覗き込みながらフアンとヤンがにやりと笑う。
「え、あ、はい……でも」
 言い終わる前に、夫人の声は野太い歓声に掻き消された。
「こういう時って何が来るんだ? 軍隊か?」
「まあ軍もあるが、その前にハンターだろうな」
 疑問を口にした六兄弟の一人、ジョンにヤーノシュが冷静に答える。
 「ハンターか……」とぼんやり呟いて、強く頷くジョン。
「よし、ハンター連中に先越されてたまるか!」
 それに続いて、ヨハンが叫んだ。
「報酬は俺たちのものだ!」
 六人は合図なのか、謎のポーズをとり、
「うおおーッ!」
 決意を胸に武器の調達に走っていった。

「ああ……なんということを約束してしまったのでしょう……」
「……そう気に病むな、なんとかなるさ」
 自らの言葉を悔やむ夫人の肩に、男の手がそっと添えられた。

リプレイ本文

●甍の波と雲の波
 大きい真鯉はお父さんで、小さい緋鯉は子供たち……童謡にある鯉幟たちも、今やタンクトップを纏った強靭な肉体を見せ付ける三人のムキムキマッチョメンだ。
「親子揃って悪しきビルドアップに染まるとは……不憫な……」
 藤堂研司(ka0569)は負けじと魅せ筋を煌かせ対峙する。
「俺の正しきビルドアップをもって、この筋肉最終戦争に終止符を打つ!」
 研司は己が筋肉にぐぐっと力を込めた。
「しかし! 俺もビルドアップをせねば対抗できん……! 覚醒!」
 覚醒によって服の下で筋肉大移動を行い、魅せ筋を実用的な筋肉へと変質させる。
「鯉幟雑魔が3体って聞いたら、ゴロツキ型モヒカン肩パッド雑魔が半ダースも増えてるじゃないか!?」
 この状況への驚きを言葉にするのは、テンシ・アガート(ka0589)。
「ゴロツキ型モヒカン肩パッド雑魔とは聞き捨てならん! 俺たちは!」
 それに、十字を描くフォーメーションの先鋒に立つヤンが反応した。彼らは順に、
「ジョン!」
「ヨハン!」
「ジャン!」
「フアン!」
「ヤーノシュ!」
「ヤンだ!!」
 と自らをアピールする! が、しかしそれも……
「どうでもいいねぇ」
 という鵤(ka3319)の声で一蹴される。
 その隙を狙って、鯉幟男のコブシが六兄弟に叩き込まれた!
「ぐわーっ!」
「うわ、何あれー。きもちわるー。マッチョだ」
 地響きと共に吹っ飛ばされる六兄弟を横目に、メオ・C・ウィスタリア(ka3988)が鯉幟男たちを指差して言う。
「うーわ、マジで魚頭とかキモっ! マジキモッ!」
 その指差す先を見てしまった鵤はドン引きである。
 鯉幟男はその二人にも、自慢の肉体を見せ付けるようにポージング。
「鵤ちゃん、ちょっと並んできてよ。写真撮りたい」
「冗談じゃないねぇ」
 メオの暢気な言葉に鵤は嘯いた。

「こいのぼりって、男の子の立身出世と武運長久を祈るものだったよねー」
 と言うのは、コリーヌ・エヴァンズ(ka0828)。
「あんなマッチョになったのって、武運長久の部分の影響……なのかなー?」
 彼女は鯉幟男を見て、ぽつりと漏らす。
「普通に原型のままで良いのに何で筋肉男なんだ……」
 そんな彼女と組むシン・コウガ(ka0344)は困惑しつつもアサルトライフルを構え、コリーヌの支援にあたる。
「それじゃ、私が前に出るねー……ふふーん、久々の格闘戦なんだよ。思いっきり暴れちゃおうかなー!」
 コリーヌは気合充分。鯉幟男もそのやる気に応えるように、その巨体を動かして構えた。
 男と女、性別は違えど、熱き肉体言語の予感を感じているのだろう。

「くそ……この鯉幟が使う武術は何だ……!」
 所変わって、吹き飛ばされた六兄弟の一人ジャンが棍棒を杖代わりにゆらりと立ち上がる。
「これは……カラテだ」
「カラテ!? 知っているのかヤーノシュ!」
 ヤーノシュは鍋の蓋で身を守りながら、フアンの追求に答えた。
「詳しくはない……しかし東方の密偵が使うと聞いたことがある」
「東方の……密偵……!」
 六兄弟は又聞きの情報を元に、知りもしない遠くの存在に想像を巡らしつつ、もう一度十字を形作る。

「カラテ使い! ならば俺のクレイモア・カラテで勝負だ!」
 六兄弟の会話から、鯉幟男の攻撃のカラクリを読んだテンシはクレイモアを抜く。
「そして! 熱い筋肉の迸りから生み出される……レイターコールドショットォ!」
 と同時に研司の声が聞こえる。
「後は牽制射撃で支援する! テンシさん、熱い一撃ぶちかましてやってくれぃ!」
 研司はレイターコールドショットによる冷気の弾丸で、鯉幟男一人の動きを止めた。
 弾丸を受けた鯉幟男は、芸術的ともいえるポーズで静止している。
 テンシは頷き、クレイモアを両手で構え鯉幟男の一人、ビルに挑む!
「イヤーッ!」
 テンシのクレイモア・カラテ第一の技は高く構えたクレイモアを振り下ろす、タテ・キリ!
「イヤーッ!」
 第二の技は、ヨコ・キリ! 名の通り横一文字に剣先を走らせ、斬る!

 そんなクレイモア・カラテとカラテの攻防を目の当たりにしたコリーヌとシンのペアも負けてはいられない。
「助走をたっぷりつけてーのー……ぱーんち!!」
 コリーヌは鯉幟男のウィルに向かい、一気に接近。
 シンの射撃で動きを阻害されたウィルは、コリーヌのクラッシュブロウを用いたボディブローを叩き込まれる。
「ミスして当てたらシャレにならないな……、よし、そこだ……!」
 地を駆けるものにより能力を向上させたコリーヌの動きを阻害しないよう、慎重に牽制を行うシン。
 コリーヌもシンの射線を塞がないように、かつ小まめに動き回っている。
 二人の連携に、ウィルは身動きが取りづらいのか、動きが鈍い。
「肉体言語を使えるのは、男の子だけじゃないんだよー」
 相手のカラテをひらりとかわしながら、コリーヌはウィルの死角に回りこむ。
 そして、今度は敵の太ももに衝撃拳を一気に振りぬく。
 ウィルは呻きながらも、反撃のコブシを振り上げた。

「……そも肉体言語とか趣味じゃないしぃ? つーわけで、あと任せたぜ頭5歳児」
 鵤はへらへらとした調子でメオの肩をぽんと叩いて、
「ほらよ。さっさと殴ってきなぁ?」
 攻性強化を施した。
「ありがとー、鵤ちゃん」
 メオはホットドックと名付けられた馬に跨り、石畳の上を蹄の音を響かせて駆ける。
(じゃぱにーずカラテはやったことないけど)
 そしてメオは左手のパペット『たかし丸』をすっと外して、敵の鯉幟男その3、リアムに挑む!
(見よう見まねでやればできそーかなぁ?)
 今日のメオは斧ではなく、肉体言語を用いて戦うようだ。
「ふふー、どっちが力持ちか競争だよー」
 馬から下りたメオは、リアムのカラテを見様見真似で応戦する。
 体格差と慣れない戦法で最初は遅れをとるものの、次第に圧倒していく。
「さーて、俺は自分の仕事をしますかぁ」
 メオに鯉幟を任せている間、鵤は目の前に光で形作られた三角形を出現させた。デルタレイである。
 その光は、ゴロツキたちの目に留まるには充分であった。

●妨害とその結末
「見ろ! あっちにごつい銃持ってる男が居るぞ! あと、なんだ……科学者っぽい男もだ!」
「マジかよ! そいつを止めよう!」
 ヤーノシュとジョンはシンへ、ヤンとフアンは鵤の妨害へ走った。
 ジョンは自らの手に持つ斧を振り回し、威嚇する。
 シンは反撃のコブシに怯んだコリーヌの支援をするべく、強弾を繰り出すところだったのだが……
「いでででで!!」
「正直お前らの対処はお任せされてるからな……! 俺の場合は少し痛い目にあって貰うぜ……!」
 ぎりぎりと音を立ててジョンの関節が締め上げられる。シン、怒りの関節技である!
 その様子を見ていたヤーノシュはおたまでシンの腕を叩き、ジョンを解放させた。
「大丈夫か、ジョン!」
 ヤーノシュが解放されたジョンに声をかけている間に、シンは鯉幟男ウィルに強弾を撃ち込んだ。

「おいおーい、仕事の邪魔はよくないぜぇ?」
 一方では二人に対し、軽い調子で鵤が言う。
「な……!」
 ヤンとフアンはというと、見事鵤の罠にかかり研司の制圧射撃を受けた。
 強弾でないだけ、優しさが籠っているのだろう。
「お疲れ様ぁ、そんな感じでよろしく」
「あっ、また!」
 研司を労った鵤はまた、デルタレイを展開してさらにヤーノシュとジョンを釣り上げる。
「マッチョメンのせいでマッチョメンへの手数が! いっそがしいなチクショウ!!」
 弓と銃を持ち替え持ち替え、鯉幟と六兄弟を相手する研司はぼやいた。

「そしてトドメのヒサツ・ワザ! トビゲリ!」
 研司が連携を決めている間、テンシはビルへの一撃を飛ばすべく、勢い良く走り出した。
「ヒサツ・ワザ……必殺技だと!?」
「止めろ、止めろ!」
 返り討ちにあっていない残りの二人……ジャンとヨハンが慌ててテンシを追う。
「ちくしょう! あいつ……速くて追えねぇ! こうなったら……」
 がしかし、なかなか追いつけない。ジャンは咄嗟に腹部を露出させる。
「ホップ ステップ ジャン……うわっ!?」
 テンシの助走をつけ、障害物を踏み台にした俊敏で撹乱的な動き……しかし、ジャンの決死の腹踊りに集中力が乱れたのか、途中で足を滑らせて転倒してしまう。
「おのれ……みみっちいマッチョメンめ! せこい筋肉に堂々たる筋肉が負けると思うな!」
 度重なる妨害についに怒りを露にした研司。
「筋肉にせこいも堂々もない! ただ、筋肉あるのみ!」 
 その研司の言葉にヨハンは一言返した。そんな時、ちょうど転倒したテンシが復帰する。
「いてて……なぁんだ! 会話できるじゃない! っていうか人じゃないか! それなら話は早いね!」
 そう言ったテンシは持っているナッツを指に装着。
「誰に操られてるか知らないけれど! 俺のナッツ正(気)拳で! 今正気に戻してあげるよ!」
 そのままヨハンはテンシにぐっと肩を掴まれた後、その鼻の片穴に容赦なくナッツを突っ込まれる!
「ヨハーーン!!!」
 ワーオ! ホールインワン! そのあまりの衝撃にヨハンは正気に戻るどころか気絶した!
「……次の患者はどこかな!?」
 そして仲間が呆気なく散る様に圧倒され逃げ遅れたジャンもまた、ナッツ正(気)拳の犠牲となったのだ。
 テンシと研司の去った後には、気絶した二人が残された。

●空に躍るや、鯉のぼり
 シンの射撃により窮地を脱したコリーヌは、再度攻撃を開始した。
 しかし、何度も太股に攻撃を受けたウィルも学習したのか、足への攻撃に対する警戒を強める。
 それに気付いたコリーヌは、今度は左右に動いてフェイントを織り交ぜていく。
「あれ? 様子が可笑しいぬ?」
 怪しい動きをコリーヌが勘付いたところで突如、ウィルはコリーヌを振り払い、シンのところまで駆け抜けていく!
「女性の拳じゃ物足りないってか……!」
 シンはライフルを置き、両の手にトンファー……がなかったため、素手で近接戦を開始した!
「不利……だが、コリーヌさんが来るまで耐える!」
 男らしいシンの叫びに答えるが如く、ウィルは体勢を整え、蹴りを繰り出した!
 シンはそれを辛うじて受け流し、出来る限りの肉体言語で応じる。
「ふふん、このままKOしてあげるぬ!」
 追いついたコリーヌがふっと目配せしたのを見て、シンはライフルを拾い上げ、構えた。
「せーの!」
 シンの強弾と、コリーヌのクラッシュブロウ。二つの力が一つになって、ウィルを襲う。
 鯉幟男のウィル、撃破!

「しぶといなー」
 と言うのはメオ。
 カラテ、押し合いにも負けず肉体言語を繰り広げてきたものの、やはりこの体格差、長期戦では鯉幟男であるリアムが有利であろう。
 メオは馬に乗せていた斧の柄を掴み、一瞬の隙を狙って後ろに回りこんで……足を斬った。
「ずるくないよー? だってそっちの方が大きいのがいけないんだもん」
 リアムは地面に膝を付き、痛みに耐える。
「もう一回、肉体言語しよー」
 メオの蹴りをリアムは腕で器用に弾く。繰り出されたリアムのコブシを避けたメオは、敵の顔面へと右手でパンチ。
 布の感触を拳に感じながら、次は左手を叩き込んだ。
「女でも拳でわかりあえると思うんだぁ」
 リアムも一方的に攻撃を受けているだけではない。三度目の攻撃の前に、リアムはメオの足をつかみ、棒のように振り回した。
 そして、壁へと投げつける。
「やるじゃん」
 煉瓦に叩き付けられたメオは咳き込みつつも、体勢を立て直した。

「公務執行妨害って知ってますぅ?」
 と言ったのは鵤だ。
「あ!?」
 同じくして、メオが相手する鯉幟男に向かって投擲されたフアンの斧が防御障壁で弾かれる。
「ああコッチじゃ流行ってないかねぇ? つまり、邪魔するなら容赦しない的なぁ?」
「てめえ!」
 鵤の挑発に乗ったヤンは棍棒を振り上げる。その瞬間、ヤンの顔に一筋の傷が生まれた。
 何が起こったのかわからないまま、制圧射撃に巻き込まれる六兄弟、の残りの四人。
「この科学者、銃持ってやがる! 気をつけろ!」
 傷の原因をヤーノシュから聞かされた時にはもう遅く、ヤンは両膝に二発の銃弾を受け取っていた。
 一方、研司は。
「ぐがぁぁぁ! まだるっこしぃ!」
 弓、銃、弓、銃、弓……。
 六兄弟と鯉幟、用途に合わせて持ち替えを続けていた研司はとうとう弓と銃を捨て、徒手空拳の戦いに身を乗り出した!
「最後に物を言うのはカラテだ! カラテなんだ!!」
 そう言う研司の向かった先は、テンシのクレイモア・カラテで消耗した、ビル!
 行動不能のヤンとビルを追ったヤーノシュを除いて、混乱している残りの二人は鵤のデルタレイ阻止にかかってしまった。
「人の誕生日とダダ被った思い出の記念日の象徴を筋肉しやがって!!」
 研司は叫び猛り、ビルを殴る。
 ヤーノシュのおたまはビルの筋肉に拉げ、使い物にならなくなった。それ故に諦め、事の成り行きを見つめる。
「猟撃士必殺のナックルアローを受けて、地獄に落ちろぉぉぉ!」
 こうしてビルがヤーノシュを吹き飛ばした隙に、研司が鬼神のような勢いで組み付く。
 ジョンとフアンが慌てて駆けつけようとするも、二度の銃声のもと膝を撃ちぬかれ動くことが出来なくなった。
「ったくこれだから漁夫の利狙いの屑どもはぁ。大人しく報酬を根こそぎ取られるのを黙って見てなさいよぉ」
 けらけらと笑い、銃をしまう鵤。
「てぇーい」
 メオもリアムの喉仏を足で突き、蹴り飛ばす。
 それと組み付いた研司がビルを殴り飛ばすのも、同時のことで……
 鯉幟男、ビル、リアム……撃破!
「楽しかったぜー。えーと、名前知らないけど」
 充実した殴り愛に満足したメオは、消えゆく敵に手を振った。

●鯉のマッチョよ永遠に
 三人の鯉幟男が消滅した後、六兄弟は集められ捕らえられた。
「あのタンクトップに染み渡っていた筋肉への熱い思いが、時を経て歪み雑魔と化してしまったのかもしれないな……さて」
 シンはしみじみと語って、六兄弟へ向き直る。
「お前たち……正直今回に関しては邪魔以外の何物でもなかった……!」
「ハイ……」
 正座して固まっている六兄弟に対してシンの説教が始まった。
「こんな目に遭いたくないなら真面目に働け……! リアルブルーだったら牢屋送りか拷問処刑に二択だ……! 大体お前らは……」
「すみません……」
 その凄まじいオーラに、暴れていた六兄弟も縮み頭を下げるばかりだ。
「もし貴方達が勝っていたら、どんな報酬を貰うつもりだったのん?」
 コリーヌがふと、疑問を口にすると六兄弟は目をきらりと輝かせ、
「金銀財宝!」
「綺麗な女!」
 と希望を語った。
「普通だぬ」
 コリーヌは頷きながら、六兄弟の言葉を聞いていた。

「……あれ? 吹き流し型は? 無いの?」
 六兄弟も運ばれて静かになった戦場で、テンシの拍子抜けした声が響き渡った。

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MVP一覧

  • 遥かなる未来
    テンシ・アガートka0589
  • は た ら け
    ka3319

重体一覧

参加者一覧

  • 山猫団を更生させる者
    シン・コウガ(ka0344
    人間(蒼)|18才|男性|猟撃士
  • 龍盟の戦士
    藤堂研司(ka0569
    人間(蒼)|26才|男性|猟撃士
  • 遥かなる未来
    テンシ・アガート(ka0589
    人間(蒼)|18才|男性|霊闘士
  • 蝶のように舞う
    コリーヌ・エヴァンズ(ka0828
    エルフ|17才|女性|霊闘士
  • は た ら け
    鵤(ka3319
    人間(蒼)|44才|男性|機導師
  • たかし丸といっしょ
    メオ・C・ウィスタリア(ka3988
    人間(蒼)|23才|女性|闘狩人

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン そーだーん。
メオ・C・ウィスタリア(ka3988
人間(リアルブルー)|23才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2015/05/13 22:35:23
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/05/12 21:48:36