ゲスト
(ka0000)
庭と寺院の手入れのお願い
マスター:秋月雅哉

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~15人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/05/16 19:00
- 完成日
- 2015/05/17 01:50
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●リアルブルーからの転移体
少しばかり早い初夏の日差しの中、色とりどりの鞠のような紫陽花が咲き始める。
そばにはリアルブルーで時折見かける寺院のような建造物。
クリムゾンウェストに元からある建物ではなく、随分と昔にリアルブルーから人と一緒に転移してきた建物だ。
宗教としてはあまりなじみのない建物で、管理していた、リアルブルーでいう住職が亡くなってから寺院は荒れ気味。
クリムゾンウェストとしても、管理地であるこの場所を綺麗に保っておきたいのはやまやまだがなかなか人手が足りない。
加えて書院や仏像、建物自体もリアルブルーの文化を調べる手掛かりとなる。
一種の遺跡とも言えるため迂闊に手が出せないのだがこのままでは寺院が荒れ果ててしまう。
紫陽花も最近は手入れをしてくれるものがいないのか雑草が蔓延り景観的にあまりよくない事態が発生していた。
こういう荒れ果てた家屋は盗賊たちのねぐらにもなりかねない。
何度も言うがこの寺院はある意味遺跡でもある。盗賊に居座られるのは困る。ただし人手は足りない。
そんなわけで今回もハンターオフィス経由でハンターたちに声がかかったのだった。
●ミッションはリアルブルーの風景をクリムゾンウェストで取り戻すこと
「暑かったり寒かったり体調を崩す人も多い天候が続くけど君たち、オフィスに来たって事は仕事ができる程度には元気で手も空いてるんだよね?
リアルブルーから人ごと転移してきた寺院と、周りの紫陽花畑の手入れをお願いしたいんだ。
荒れた場所って言うのは雨風しのげれば盗賊たちの格好のねぐらだからね。
仮にも神……じゃなくて仏って言うんだっけ。とにかく信仰心のある人の寄り辺にならず者がいたんじゃ話にならない。
クリムゾンウェストの皆にとってはあまりなじみのない建造物で興味がわくかもしれないし、リアルブルーの皆にとっては懐かしい光景が見られるかもしれない。
紫陽花も手入れをすれば立派に異国情緒あふれる庭園になる規模だからね。
僕も手伝うし、掃除にいこうか。……なんか変態依頼が続いたあとはこういう細々した仕事が増えてる気もするけれど、平和なのはいいことだよね」
ルカ・シュバルツエンド(kz0073)は仕事の斡旋を任せる上司に向かってか、やれやれと肩をすくめると寺院の場所を示した地図を配り始めたのだった。
少しばかり早い初夏の日差しの中、色とりどりの鞠のような紫陽花が咲き始める。
そばにはリアルブルーで時折見かける寺院のような建造物。
クリムゾンウェストに元からある建物ではなく、随分と昔にリアルブルーから人と一緒に転移してきた建物だ。
宗教としてはあまりなじみのない建物で、管理していた、リアルブルーでいう住職が亡くなってから寺院は荒れ気味。
クリムゾンウェストとしても、管理地であるこの場所を綺麗に保っておきたいのはやまやまだがなかなか人手が足りない。
加えて書院や仏像、建物自体もリアルブルーの文化を調べる手掛かりとなる。
一種の遺跡とも言えるため迂闊に手が出せないのだがこのままでは寺院が荒れ果ててしまう。
紫陽花も最近は手入れをしてくれるものがいないのか雑草が蔓延り景観的にあまりよくない事態が発生していた。
こういう荒れ果てた家屋は盗賊たちのねぐらにもなりかねない。
何度も言うがこの寺院はある意味遺跡でもある。盗賊に居座られるのは困る。ただし人手は足りない。
そんなわけで今回もハンターオフィス経由でハンターたちに声がかかったのだった。
●ミッションはリアルブルーの風景をクリムゾンウェストで取り戻すこと
「暑かったり寒かったり体調を崩す人も多い天候が続くけど君たち、オフィスに来たって事は仕事ができる程度には元気で手も空いてるんだよね?
リアルブルーから人ごと転移してきた寺院と、周りの紫陽花畑の手入れをお願いしたいんだ。
荒れた場所って言うのは雨風しのげれば盗賊たちの格好のねぐらだからね。
仮にも神……じゃなくて仏って言うんだっけ。とにかく信仰心のある人の寄り辺にならず者がいたんじゃ話にならない。
クリムゾンウェストの皆にとってはあまりなじみのない建造物で興味がわくかもしれないし、リアルブルーの皆にとっては懐かしい光景が見られるかもしれない。
紫陽花も手入れをすれば立派に異国情緒あふれる庭園になる規模だからね。
僕も手伝うし、掃除にいこうか。……なんか変態依頼が続いたあとはこういう細々した仕事が増えてる気もするけれど、平和なのはいいことだよね」
ルカ・シュバルツエンド(kz0073)は仕事の斡旋を任せる上司に向かってか、やれやれと肩をすくめると寺院の場所を示した地図を配り始めたのだった。
リプレイ本文
●青の世界の御霊宿る場所を掃除しよう
「……懐かしいですね。まさか、こちらに来て、元の世界の本物の寺院に巡り合えるとは。
これも神仏の導きと言えるのかもしれませんね」
榊 刑部(ka4727)は感嘆と幾ばくかの郷愁の混じる息を吐く。
仏像の細かいところにたまった埃をはたきではたいて舞い上がらせると共に、金箔などが剥がれ落ちないように丁寧に拭っていく。
「……こうしていると、少年時代に師匠と共に過ごした修行の日々を思い出しますね」
位牌堂では一つ一つを丁寧に扱い、清掃終了後に再び整頓して並べた後、般若心経をあげて慰霊の気持ちを示す。
「……どういう経緯で転移したかは分かりませんが、ご遺族の方はさぞやびっくりしたでしょうね。
わたしなどでは代わりにもなりませんが、お経の一つもあげさせていただきましょう」
そういって木魚をそっと撫でるのだった。
この地では珍しく、また懐かしいものを見たと素直に感嘆したのは弥勒 明影(ka0189)、造詣が深いと自負するほどではないが祖国にも普及する概念のため、疎かにしているわけでも決してない。
ひたすらに黙々と掃除を開始する。
雑談しながら交流を深める意味でも、と斡旋人のルカ・シュバルツエンド(kz0073)は言っていたがこれはある程度本腰を入れて掃除しないと終わる気配がないように思えたのだ。
どこの地から転移してきたのか、リアルブルーでの歴史は、いつ転移したのか、一緒に転移してきた住職はどんな人だったのか、と興味はあるし調べてみたくないと言えば嘘になるが、根が真面目なのか掃除が片手間になるような真似はしない。
「……凄まじい埃だな」
教会ほどではない気もするが十分に高い天井から埃や蜘蛛の巣を落としながらそんなぼやきは漏れたもののしっかりと掃除に励む明影。
本堂や書院の後片付けが済んだら今度は庭の手入れも、と考えるとやはり彼としてはお喋りより掃除を優先したくなるようだ。
……それになにより。
今この場で口を開けば埃にむせることは想像に難くなかったので。
出身がクリムゾンウェストで、仏教系の宗教建造物にあまりなじみのなかったフィリテ・ノート(ka0810)は掃除を始める前に確認しておきたいことがある、と新しい管理者を捕まえて話を聞いていた。
「えっと。掃除に取り掛かる前に聞きたいことがあるの」
「この建物についてですか?」
「そうそう」
「私はクリムゾンウェストの人間なので詳しいことは分かりませんがそれでも良ければ」
「寺院なんだけど、空気の入れ替えしても問題ない? 埃を外に出したいの」
「今日は天気もいいですから大丈夫だと思いますよ。窓がついてますし……」
いまいち自信のなさそうな管理者は此処の掃除と手入れが終わったら調査団に調査を依頼するつもりだ、と語った。
「あとは本堂とかの神域で高僧以外は立ち入っちゃ駄目な場所があるって聞いたんだけど……」
「前の……えぇと、ご住職ですか。その方は見たい人には本堂も解放していたそうですよ。もっとも信頼のおける、死者の魂の尊厳を守る方に限定はしていたようですが。
荒らさなければ自由に入ってください」
「そっか。有難うございます」
「いえ、奇妙な依頼をしてしまって済みませんね。また何かあったら声をかけてください」
必要な事柄を聞き終えて掃除に取り掛かるフィリテ。
「さて。始めるわ♪」
三角巾と手袋を装着するとはたきで手の届く範囲の誇りを落とす。
「ごほ。……思ってたよりも埃が……こほ、多い……」
腕まくりして、埃にむせながら掃除を続ける。先に寺院の掃除を始めたメンバーと分担箇所を決めて取りかかったものの、広い寺院は仲間がどこにいるか分からない程だった。
たまに聞こえてくる誇りにむせる咳の音が辛うじて仲間がいることを教えてくれる。
フィリテはそう大柄でも仲たので建造物の下部や床などの手の届く範囲の埃を叩き落としていく。
壊れやすいものが多そうで、装飾が浮き彫りにされた場所などもあるので力を入れずに、けれど極力丁寧に。
高いところの埃も落とせる範囲で自分より背の高い仲間に落としてもらって、箒で床を清めた後は水拭き。
「何度拭いても綺麗になってる気がしないわ。これ、本当に綺麗になってるのかしら」
床を傷めないように雑巾を固く絞って汚れがなくなるまで何度も雑巾掛けする。
水を何度か取り替えて、ようやくそれなりに綺麗になった、と及第を与えられる程度になったが雑巾はすっかりボロボロだ。
新しい雑巾で今度は乾拭きの作業が待っている。
水拭きの時の水分を取りながら、水拭きの後が残らないように丁寧に拭きあげた。
水拭きも乾拭きも力を入れすぎて周囲の物を壊さないように注意して根気よく行ったため肉体的疲労以上に精神的疲労が大きい気がする。
「ここまで荒れる前に人を雇って掃除をすればよかったのに……管理人が中々決まらなかったのか、それとも放置しておくつもりだった方針が変わったのか……清掃業者が信用できないなら、今回みたいにハンターに頼めばよかったでしょうに。
折角神聖な場所なのにこんなに埃だらけにしたら可哀想だわ」
軽く肩を回して凝りをほぐしながら思わず愚痴がこぼれた。
「素晴らしい、これが蒼の世界の転移建造物ですか……!」
興奮気味に少し遅れて掃除の輪に加わったのはGacrux(ka2726)だ。
彼は寺院に詳しい関係者を探し出して調度品や掃除の仕方を聞いていたらしい。
リアルブルーに関心があるため掃除が主な任務内容でも目がキラキラと輝いている。
「この建物は確か、蒼世界の日本の文化圏でしたか?」
リアルブルーで世界三大仏教とされているため寺院と言ってもあちこちに建てられているがお国柄というか国によって仏教でも建物の特色が随分分違うのは興味深い事だろう。
Gacruxは一通りすべての部屋の状況を見て回り、リアルブルー出身の仲間には作業の邪魔をしない程度にこの寺院について分かる事を質問したり会話に耳を傾けたりする。
「堂内は靴を脱ぐのでしたね……汚れがひどいので足の裏が汚れそうですね……。
こちらは位牌堂ですか。どのような目的の間でしょうか。なにか、たくさん並んでいますね。
薄暗く不気味です……」
「位牌堂は小さな仏壇と位牌を安置する場所だ。
位牌というのは……そうだな、個人の魂が宿るもの、といったところか。
リアルブルーでは祖霊が帰ってくるといわれる日があってな」
明影が通りかかり際説明するとGacruxはなるほど、と納得した後明影に礼を言い、一人になってから位牌堂に安置されている位牌と仏壇に薄暗くて不気味だと感想を漏らしたことを詫びたのだった。
「おや……これは、香ですか?」
保存の状態がよかったのか、まだ辛うじて香りの残っている線香をみて興味を示すがまずは掃除。
襖や障子を開け放ち空気を入れ替え、堂内の目に届きにくい場所を担当する。
部屋の隅や障子の桟を壊さないように注意しながらふき取り、お供のパルムに布を巻いて奥まった場所に侵入させて埃をとるという斬新な掃除方法を編み出した。
書院の掃除をしながら古文書や日誌をみかければ手袋をして埃を払い、丁寧な扱いでひも解いて日本の風土記や信仰、季節行事についてのメモを取り終わった後は本を片付ける。
通りかかったルカにこの書物は借りられるのか、と問いかけるとルカは少し考えてから口を開いた。
「掃除を終えてから今の管理人さんに聞いてみた方が早いんじゃないかな。僕が頼まれたのはあくまで掃除に手を貸してくれる人の斡旋だからね。
管理人さんも今日は様子見に来てるみたいだし、報酬の一環として貸してくれるかもしれないよ。
そのためにはかなり念入りに掃除しないと駄目だろうけどね」
「分かりました、最善を尽くします」
ジェニファー・ラングストン(ka4564)は懐かしいリアルブルーの建築物に故郷を思い出していた。
「掃除してこの地における集会場にでもすればよかろうて。
人のいない建物は傷むのが早いと聞くし、リアルブルーからの転移者とクリムゾンウェストの人、双方違った見方もできる場所じゃ」
猫の着ぐるみを着て、フィリテとは別の廊下を雑巾がけ。
「寺院や庭園のそうじするから「お庭番」たるニンニンの仕事なのじゃ!
張り切ってねこの着ぐるみを着てさんかするのにゃ。
……そう、おにゃあ番じゃ」
シリアスなニンジャ間諜もクリムゾンウェストでは変わるものよの~と自分の作った冗談の出来に満足げな顔をしたが周りに人がいなかったため渾身のギャグは誰の耳にも届かなかった。
「……さて、きりきり働くのにゃ~」
気を取り直して、壊れそうなものは慎重に隔離して掃除。
廊下を綺麗にした後は仏像を丁寧に拭く作業に。
「国宝級があるかもしれんからのう……慎重に……」
うっかり頭をもぎそうになって慌てた後、それまでより更に慎重に作業に取り掛かる。
それが済んだら屋根裏や手の届かない場所の掃除とせわしなく動くジェニファーだった。
「これが、リアルブルーの建物なんですね」
物心がつく前に転移したため、リアルブルー出身者ではあるものの向こうの文化について詳しくない三宮ひかり(ka4595)はリアルブルーの文化と建築物に興味を持って参加した。
クリムゾンウェスト出身でこの依頼に参加した仲間に注意するところはあるのか、と聞かれぶんぶんと首を振る。
「日本人名してますけど、ここのこととか聞かれても分かりませんから! むしろ教えて!」
Gacruxが聞いてきた話と刑部、から即席の寺院講座を受けた後掃除開始。
はたきと雑巾を使って、丁寧に物を壊さないようにと気を配りながら掃除する。
宗教的に大事なもの、神聖なものは教わっていたので特に丁寧に慎重に。
「はー……これが噂の神社やね。掃除が終わったら『お参り』せな!」
と、土足で中に入ろうとした北条・C・レラージュ(ka4697)は管理人に神社ではなく寺院であることとリアルブルーの、日本の建物は靴を脱いではいるのだと血相を変えて止められていた。
「私は謎オブジェの掃除担当! ……と、いいたいところやけど、まずは足の踏み場位は確保せな……拭き掃除から、ちょっと手伝おうかなー」
そう言って拭き掃除を済ませてから順番に物を運び出して掃除。
「壁や床に傷をつけたらアカンし壊れたら困るから持ってきた毛布を使って運ぼっか!」
備品の埃は隅々までたまっていたので綺麗になり始めた寺院内に埃を落として二度手間にしないように外でとり行うことに。
「……んー……あんまりコッチでは見たことないモンばっかりやねー……これが神様の像なんかな? あ、仏様やっけ。依頼受ける時なんか言い直してたなぁ、そういえば。どっちにせよ信仰の対象なんやねぇ」
仏像を眺めながらそんなことを呟き、タオルを借りて口元を覆って埃をはたく。
細かなところにたまったものも処理して、あがった埃は太陽の下で自然処理。
「とにかくまずは埃おとそ! 磨くんはそのあとで!
さ、どんどんやろー!!」
と、最初は威勢の良かったレラージュだったが掃除しても掃除してもわいてくる埃と壊したら大惨事という精神的疲労にやられ始め、最後の方ではノイローゼのようになっていた。
「帰りたい……お風呂入りたい……」
埃まみれになりながらまだまだ埃と格闘の時間は続く。
一方こちらは庭園担当者たち。
「建物ごとの転移……ですか? そんな事も、あるのですね。
でも……突然、建物ごとなくなるようなことがあれば……話題になっていても、おかしくなかったと思うんですけれど?」
首を傾げながら天央 観智(ka0896)は紫陽花に関する、少々うろ覚えの知識を頼りに紫陽花園の手入れをしつつ、寺院を見て回る。
景観のこともあるので、一応全体を見て、調和を取るためだ。
「日本の庭園っぽく、自然を生かした少ない手入れで景観を保つ手法もとりいれるようにしないと……ずっと……こまめに保存に人を……なんて事が、できるとも思えませんしね」
全体を見るついでに、寺院についても個人的に可能な限りで調査をする。
「……転移してから年数があるせいでしょうか……ごく自然に根付いているように見えます、ね。
空間単位で切り取られるようなことならその痕跡があるはずですけど見当たらないということは……転移の法則には他の何かが作用しているのでしょうか。
物体を連続した一つの物として、認識して……行う者なら、その区分……何処までがつながった一連の物……と認識しているのでしょう。
モノに年月で宿るマテリアルの作用……でしょうか」
しばらく掃除の手を止め寺院の周りを巡っていたが敷地全体が綺麗にクリムゾンウェストの空き地に転移したのか、不自然な切れなどはない。
転移の条件に対して疑問を抱えながら観智は庭の手入れに戻っていった。
「リアルブルーの建物と庭園か、興味深いな。是非綺麗に保っておきたいところだ。
花や庭は特に興味深い。どんな感じかな」
ステラ・エイシェント(ka2492)はそんなことを呟きながら庭に回って額を抑えた。
雑草が勢いよく蔓延っている光景が見るに堪えなかったらしい。
「これは、やりがいがありそうだな。すっきりさせないと」
ゴミを纏める袋と手袋、エプロンやはさみ、箒など必要なものを準備した後はせっせと雑草を抜き始める。
草むしりした後は紫陽花の手入れについて多少知識がある様子の観智などに聞いたり、近所で世話の仕方を知っている人がいないかと手土産のアイスボックスクッキーを片手に聞いて回る。
近所の人へは住職がどのように手入れをしていたか、時期や、住職と寺院についての思い出話などを目的としての聞き込みだ。
紫陽花の剪定は今は時期ではいそうだと聞いて庭園を整えている仲間たちに伝えて回る。
他には病気になっている個所がないか見て回り、病気にかかって悪くなっているところを取り除いたりと仕事は尽きない。
「うわぁ! これがリアルブルーの建物……っ! 凄い、すごーいっ!!
エティ、こんなの見たことないよ。ああ……リアルブルーってどんなところなのかなぁ?
わくわくする……♪
なんだか壊れちゃいそうな細かい意匠とかもあって、リアルブルー人ってこっちの人たちとは別の意味でも凄いんだね~♪」
折角のリアルブルーの建物だから、綺麗にして残しておき、それを見に来たリアルブルーの人と話してみたいと夢想するエティ・メルヴィル(ka3732)も庭園を担当していた。
雑草を抜きながら視界に入る紫陽花に興味津々。
「このお花、綺麗……いろんな色があって、まるで手鞠みたいで……。ルカちゃんはこういうお花って好き? それともやっぱり薔薇みたいな方が好き?」
「僕は生きるのに一生懸命な花なら何でも好きだよ」
近くで雑草取りをしていたルカが答えている間にエティはアブラムシを見つけたようだ。
「えと……何だっけ、これ……他の植物さんにも出るんだよね。……そうそう、アブラムシ!
こいつには……コレなのーっ!!」
アブラムシに効果があると聞いた、植物性油と水と石鹸の混合液を噴霧する。
「コレが効く……って、確か聞いたことあるよ!
ほら、ルカちゃんも手伝って!! シューってスプレーみたいに撒くとイイみたいなの」
「わかったよ、噴霧器、予備あるかな……」
アブラムシの撃退が済むとルカは雑草取りに戻った。
その時聞こえてきたのはかたつむりを歌にしたものを歌う声。聞き覚えのあるその声に釣られて近づけば、雑草を抜いたり土を慣らしたり柵を均したり……しながらの食料集めをしているのはミネット・ベアール(ka3282)の姿が。
「すっごく遭遇率高いよね、ミネット君とは。毎回僕のところにくるのは君位だよ」
ミネットが毎回ルカの許を訪れるのは新しい味覚と出会うのに都合がいいからだろうか。
なにせダークマターの生成者である、食料は通常なのにできるものは奇天烈なものばかりというところがミネットは妙に気に入ってしまったらしい。
「で、さっきの歌は何なんだい?」
「いえ、リアルブルー出身の父も自国の言葉ではないそうで歌の大まかな意味しか知らないそうです。
なんでも『陸生巻貝全般における頭部及び視覚を司る機関の位置に関する観測』をテーマにした歌らしいですよ。
詳しい部分に関しては翻訳が待たれますねっ!」
ぐっと親指を立てていい笑顔のミネットの説明にルカは胡乱げな顔をした。
「牧歌的な響きの割に随分堅苦しいテーマだねぇ。リアルブルーの人に確認取った方がいいんじゃないかと言いたくなる位歌詞と説明が結びつかないよ」
「そうですか? この花はなんとなく毒があるんじゃないかと私の本能が言っています。
ルカさんが料理すれば食べられるものになるかもしれませんが」
「誰も食べないと思う、君以外」
そんな会話をしながら二人で地面は根からしっかり抜き、紫陽花に栄養が行きやすいように、そして景観が良くなるように草むしりを続ける。
そして見つけたカタツムリを捕獲し、皆がひかりの用意したお握りを食べている間にサクッと調理。
「抵抗のない方はこちらも是非」
答えは沈黙。食事と掃除を終えた一同は自由行動の後解散した。
「……懐かしいですね。まさか、こちらに来て、元の世界の本物の寺院に巡り合えるとは。
これも神仏の導きと言えるのかもしれませんね」
榊 刑部(ka4727)は感嘆と幾ばくかの郷愁の混じる息を吐く。
仏像の細かいところにたまった埃をはたきではたいて舞い上がらせると共に、金箔などが剥がれ落ちないように丁寧に拭っていく。
「……こうしていると、少年時代に師匠と共に過ごした修行の日々を思い出しますね」
位牌堂では一つ一つを丁寧に扱い、清掃終了後に再び整頓して並べた後、般若心経をあげて慰霊の気持ちを示す。
「……どういう経緯で転移したかは分かりませんが、ご遺族の方はさぞやびっくりしたでしょうね。
わたしなどでは代わりにもなりませんが、お経の一つもあげさせていただきましょう」
そういって木魚をそっと撫でるのだった。
この地では珍しく、また懐かしいものを見たと素直に感嘆したのは弥勒 明影(ka0189)、造詣が深いと自負するほどではないが祖国にも普及する概念のため、疎かにしているわけでも決してない。
ひたすらに黙々と掃除を開始する。
雑談しながら交流を深める意味でも、と斡旋人のルカ・シュバルツエンド(kz0073)は言っていたがこれはある程度本腰を入れて掃除しないと終わる気配がないように思えたのだ。
どこの地から転移してきたのか、リアルブルーでの歴史は、いつ転移したのか、一緒に転移してきた住職はどんな人だったのか、と興味はあるし調べてみたくないと言えば嘘になるが、根が真面目なのか掃除が片手間になるような真似はしない。
「……凄まじい埃だな」
教会ほどではない気もするが十分に高い天井から埃や蜘蛛の巣を落としながらそんなぼやきは漏れたもののしっかりと掃除に励む明影。
本堂や書院の後片付けが済んだら今度は庭の手入れも、と考えるとやはり彼としてはお喋りより掃除を優先したくなるようだ。
……それになにより。
今この場で口を開けば埃にむせることは想像に難くなかったので。
出身がクリムゾンウェストで、仏教系の宗教建造物にあまりなじみのなかったフィリテ・ノート(ka0810)は掃除を始める前に確認しておきたいことがある、と新しい管理者を捕まえて話を聞いていた。
「えっと。掃除に取り掛かる前に聞きたいことがあるの」
「この建物についてですか?」
「そうそう」
「私はクリムゾンウェストの人間なので詳しいことは分かりませんがそれでも良ければ」
「寺院なんだけど、空気の入れ替えしても問題ない? 埃を外に出したいの」
「今日は天気もいいですから大丈夫だと思いますよ。窓がついてますし……」
いまいち自信のなさそうな管理者は此処の掃除と手入れが終わったら調査団に調査を依頼するつもりだ、と語った。
「あとは本堂とかの神域で高僧以外は立ち入っちゃ駄目な場所があるって聞いたんだけど……」
「前の……えぇと、ご住職ですか。その方は見たい人には本堂も解放していたそうですよ。もっとも信頼のおける、死者の魂の尊厳を守る方に限定はしていたようですが。
荒らさなければ自由に入ってください」
「そっか。有難うございます」
「いえ、奇妙な依頼をしてしまって済みませんね。また何かあったら声をかけてください」
必要な事柄を聞き終えて掃除に取り掛かるフィリテ。
「さて。始めるわ♪」
三角巾と手袋を装着するとはたきで手の届く範囲の誇りを落とす。
「ごほ。……思ってたよりも埃が……こほ、多い……」
腕まくりして、埃にむせながら掃除を続ける。先に寺院の掃除を始めたメンバーと分担箇所を決めて取りかかったものの、広い寺院は仲間がどこにいるか分からない程だった。
たまに聞こえてくる誇りにむせる咳の音が辛うじて仲間がいることを教えてくれる。
フィリテはそう大柄でも仲たので建造物の下部や床などの手の届く範囲の埃を叩き落としていく。
壊れやすいものが多そうで、装飾が浮き彫りにされた場所などもあるので力を入れずに、けれど極力丁寧に。
高いところの埃も落とせる範囲で自分より背の高い仲間に落としてもらって、箒で床を清めた後は水拭き。
「何度拭いても綺麗になってる気がしないわ。これ、本当に綺麗になってるのかしら」
床を傷めないように雑巾を固く絞って汚れがなくなるまで何度も雑巾掛けする。
水を何度か取り替えて、ようやくそれなりに綺麗になった、と及第を与えられる程度になったが雑巾はすっかりボロボロだ。
新しい雑巾で今度は乾拭きの作業が待っている。
水拭きの時の水分を取りながら、水拭きの後が残らないように丁寧に拭きあげた。
水拭きも乾拭きも力を入れすぎて周囲の物を壊さないように注意して根気よく行ったため肉体的疲労以上に精神的疲労が大きい気がする。
「ここまで荒れる前に人を雇って掃除をすればよかったのに……管理人が中々決まらなかったのか、それとも放置しておくつもりだった方針が変わったのか……清掃業者が信用できないなら、今回みたいにハンターに頼めばよかったでしょうに。
折角神聖な場所なのにこんなに埃だらけにしたら可哀想だわ」
軽く肩を回して凝りをほぐしながら思わず愚痴がこぼれた。
「素晴らしい、これが蒼の世界の転移建造物ですか……!」
興奮気味に少し遅れて掃除の輪に加わったのはGacrux(ka2726)だ。
彼は寺院に詳しい関係者を探し出して調度品や掃除の仕方を聞いていたらしい。
リアルブルーに関心があるため掃除が主な任務内容でも目がキラキラと輝いている。
「この建物は確か、蒼世界の日本の文化圏でしたか?」
リアルブルーで世界三大仏教とされているため寺院と言ってもあちこちに建てられているがお国柄というか国によって仏教でも建物の特色が随分分違うのは興味深い事だろう。
Gacruxは一通りすべての部屋の状況を見て回り、リアルブルー出身の仲間には作業の邪魔をしない程度にこの寺院について分かる事を質問したり会話に耳を傾けたりする。
「堂内は靴を脱ぐのでしたね……汚れがひどいので足の裏が汚れそうですね……。
こちらは位牌堂ですか。どのような目的の間でしょうか。なにか、たくさん並んでいますね。
薄暗く不気味です……」
「位牌堂は小さな仏壇と位牌を安置する場所だ。
位牌というのは……そうだな、個人の魂が宿るもの、といったところか。
リアルブルーでは祖霊が帰ってくるといわれる日があってな」
明影が通りかかり際説明するとGacruxはなるほど、と納得した後明影に礼を言い、一人になってから位牌堂に安置されている位牌と仏壇に薄暗くて不気味だと感想を漏らしたことを詫びたのだった。
「おや……これは、香ですか?」
保存の状態がよかったのか、まだ辛うじて香りの残っている線香をみて興味を示すがまずは掃除。
襖や障子を開け放ち空気を入れ替え、堂内の目に届きにくい場所を担当する。
部屋の隅や障子の桟を壊さないように注意しながらふき取り、お供のパルムに布を巻いて奥まった場所に侵入させて埃をとるという斬新な掃除方法を編み出した。
書院の掃除をしながら古文書や日誌をみかければ手袋をして埃を払い、丁寧な扱いでひも解いて日本の風土記や信仰、季節行事についてのメモを取り終わった後は本を片付ける。
通りかかったルカにこの書物は借りられるのか、と問いかけるとルカは少し考えてから口を開いた。
「掃除を終えてから今の管理人さんに聞いてみた方が早いんじゃないかな。僕が頼まれたのはあくまで掃除に手を貸してくれる人の斡旋だからね。
管理人さんも今日は様子見に来てるみたいだし、報酬の一環として貸してくれるかもしれないよ。
そのためにはかなり念入りに掃除しないと駄目だろうけどね」
「分かりました、最善を尽くします」
ジェニファー・ラングストン(ka4564)は懐かしいリアルブルーの建築物に故郷を思い出していた。
「掃除してこの地における集会場にでもすればよかろうて。
人のいない建物は傷むのが早いと聞くし、リアルブルーからの転移者とクリムゾンウェストの人、双方違った見方もできる場所じゃ」
猫の着ぐるみを着て、フィリテとは別の廊下を雑巾がけ。
「寺院や庭園のそうじするから「お庭番」たるニンニンの仕事なのじゃ!
張り切ってねこの着ぐるみを着てさんかするのにゃ。
……そう、おにゃあ番じゃ」
シリアスなニンジャ間諜もクリムゾンウェストでは変わるものよの~と自分の作った冗談の出来に満足げな顔をしたが周りに人がいなかったため渾身のギャグは誰の耳にも届かなかった。
「……さて、きりきり働くのにゃ~」
気を取り直して、壊れそうなものは慎重に隔離して掃除。
廊下を綺麗にした後は仏像を丁寧に拭く作業に。
「国宝級があるかもしれんからのう……慎重に……」
うっかり頭をもぎそうになって慌てた後、それまでより更に慎重に作業に取り掛かる。
それが済んだら屋根裏や手の届かない場所の掃除とせわしなく動くジェニファーだった。
「これが、リアルブルーの建物なんですね」
物心がつく前に転移したため、リアルブルー出身者ではあるものの向こうの文化について詳しくない三宮ひかり(ka4595)はリアルブルーの文化と建築物に興味を持って参加した。
クリムゾンウェスト出身でこの依頼に参加した仲間に注意するところはあるのか、と聞かれぶんぶんと首を振る。
「日本人名してますけど、ここのこととか聞かれても分かりませんから! むしろ教えて!」
Gacruxが聞いてきた話と刑部、から即席の寺院講座を受けた後掃除開始。
はたきと雑巾を使って、丁寧に物を壊さないようにと気を配りながら掃除する。
宗教的に大事なもの、神聖なものは教わっていたので特に丁寧に慎重に。
「はー……これが噂の神社やね。掃除が終わったら『お参り』せな!」
と、土足で中に入ろうとした北条・C・レラージュ(ka4697)は管理人に神社ではなく寺院であることとリアルブルーの、日本の建物は靴を脱いではいるのだと血相を変えて止められていた。
「私は謎オブジェの掃除担当! ……と、いいたいところやけど、まずは足の踏み場位は確保せな……拭き掃除から、ちょっと手伝おうかなー」
そう言って拭き掃除を済ませてから順番に物を運び出して掃除。
「壁や床に傷をつけたらアカンし壊れたら困るから持ってきた毛布を使って運ぼっか!」
備品の埃は隅々までたまっていたので綺麗になり始めた寺院内に埃を落として二度手間にしないように外でとり行うことに。
「……んー……あんまりコッチでは見たことないモンばっかりやねー……これが神様の像なんかな? あ、仏様やっけ。依頼受ける時なんか言い直してたなぁ、そういえば。どっちにせよ信仰の対象なんやねぇ」
仏像を眺めながらそんなことを呟き、タオルを借りて口元を覆って埃をはたく。
細かなところにたまったものも処理して、あがった埃は太陽の下で自然処理。
「とにかくまずは埃おとそ! 磨くんはそのあとで!
さ、どんどんやろー!!」
と、最初は威勢の良かったレラージュだったが掃除しても掃除してもわいてくる埃と壊したら大惨事という精神的疲労にやられ始め、最後の方ではノイローゼのようになっていた。
「帰りたい……お風呂入りたい……」
埃まみれになりながらまだまだ埃と格闘の時間は続く。
一方こちらは庭園担当者たち。
「建物ごとの転移……ですか? そんな事も、あるのですね。
でも……突然、建物ごとなくなるようなことがあれば……話題になっていても、おかしくなかったと思うんですけれど?」
首を傾げながら天央 観智(ka0896)は紫陽花に関する、少々うろ覚えの知識を頼りに紫陽花園の手入れをしつつ、寺院を見て回る。
景観のこともあるので、一応全体を見て、調和を取るためだ。
「日本の庭園っぽく、自然を生かした少ない手入れで景観を保つ手法もとりいれるようにしないと……ずっと……こまめに保存に人を……なんて事が、できるとも思えませんしね」
全体を見るついでに、寺院についても個人的に可能な限りで調査をする。
「……転移してから年数があるせいでしょうか……ごく自然に根付いているように見えます、ね。
空間単位で切り取られるようなことならその痕跡があるはずですけど見当たらないということは……転移の法則には他の何かが作用しているのでしょうか。
物体を連続した一つの物として、認識して……行う者なら、その区分……何処までがつながった一連の物……と認識しているのでしょう。
モノに年月で宿るマテリアルの作用……でしょうか」
しばらく掃除の手を止め寺院の周りを巡っていたが敷地全体が綺麗にクリムゾンウェストの空き地に転移したのか、不自然な切れなどはない。
転移の条件に対して疑問を抱えながら観智は庭の手入れに戻っていった。
「リアルブルーの建物と庭園か、興味深いな。是非綺麗に保っておきたいところだ。
花や庭は特に興味深い。どんな感じかな」
ステラ・エイシェント(ka2492)はそんなことを呟きながら庭に回って額を抑えた。
雑草が勢いよく蔓延っている光景が見るに堪えなかったらしい。
「これは、やりがいがありそうだな。すっきりさせないと」
ゴミを纏める袋と手袋、エプロンやはさみ、箒など必要なものを準備した後はせっせと雑草を抜き始める。
草むしりした後は紫陽花の手入れについて多少知識がある様子の観智などに聞いたり、近所で世話の仕方を知っている人がいないかと手土産のアイスボックスクッキーを片手に聞いて回る。
近所の人へは住職がどのように手入れをしていたか、時期や、住職と寺院についての思い出話などを目的としての聞き込みだ。
紫陽花の剪定は今は時期ではいそうだと聞いて庭園を整えている仲間たちに伝えて回る。
他には病気になっている個所がないか見て回り、病気にかかって悪くなっているところを取り除いたりと仕事は尽きない。
「うわぁ! これがリアルブルーの建物……っ! 凄い、すごーいっ!!
エティ、こんなの見たことないよ。ああ……リアルブルーってどんなところなのかなぁ?
わくわくする……♪
なんだか壊れちゃいそうな細かい意匠とかもあって、リアルブルー人ってこっちの人たちとは別の意味でも凄いんだね~♪」
折角のリアルブルーの建物だから、綺麗にして残しておき、それを見に来たリアルブルーの人と話してみたいと夢想するエティ・メルヴィル(ka3732)も庭園を担当していた。
雑草を抜きながら視界に入る紫陽花に興味津々。
「このお花、綺麗……いろんな色があって、まるで手鞠みたいで……。ルカちゃんはこういうお花って好き? それともやっぱり薔薇みたいな方が好き?」
「僕は生きるのに一生懸命な花なら何でも好きだよ」
近くで雑草取りをしていたルカが答えている間にエティはアブラムシを見つけたようだ。
「えと……何だっけ、これ……他の植物さんにも出るんだよね。……そうそう、アブラムシ!
こいつには……コレなのーっ!!」
アブラムシに効果があると聞いた、植物性油と水と石鹸の混合液を噴霧する。
「コレが効く……って、確か聞いたことあるよ!
ほら、ルカちゃんも手伝って!! シューってスプレーみたいに撒くとイイみたいなの」
「わかったよ、噴霧器、予備あるかな……」
アブラムシの撃退が済むとルカは雑草取りに戻った。
その時聞こえてきたのはかたつむりを歌にしたものを歌う声。聞き覚えのあるその声に釣られて近づけば、雑草を抜いたり土を慣らしたり柵を均したり……しながらの食料集めをしているのはミネット・ベアール(ka3282)の姿が。
「すっごく遭遇率高いよね、ミネット君とは。毎回僕のところにくるのは君位だよ」
ミネットが毎回ルカの許を訪れるのは新しい味覚と出会うのに都合がいいからだろうか。
なにせダークマターの生成者である、食料は通常なのにできるものは奇天烈なものばかりというところがミネットは妙に気に入ってしまったらしい。
「で、さっきの歌は何なんだい?」
「いえ、リアルブルー出身の父も自国の言葉ではないそうで歌の大まかな意味しか知らないそうです。
なんでも『陸生巻貝全般における頭部及び視覚を司る機関の位置に関する観測』をテーマにした歌らしいですよ。
詳しい部分に関しては翻訳が待たれますねっ!」
ぐっと親指を立てていい笑顔のミネットの説明にルカは胡乱げな顔をした。
「牧歌的な響きの割に随分堅苦しいテーマだねぇ。リアルブルーの人に確認取った方がいいんじゃないかと言いたくなる位歌詞と説明が結びつかないよ」
「そうですか? この花はなんとなく毒があるんじゃないかと私の本能が言っています。
ルカさんが料理すれば食べられるものになるかもしれませんが」
「誰も食べないと思う、君以外」
そんな会話をしながら二人で地面は根からしっかり抜き、紫陽花に栄養が行きやすいように、そして景観が良くなるように草むしりを続ける。
そして見つけたカタツムリを捕獲し、皆がひかりの用意したお握りを食べている間にサクッと調理。
「抵抗のない方はこちらも是非」
答えは沈黙。食事と掃除を終えた一同は自由行動の後解散した。
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相談 フィリテ・ノート(ka0810) 人間(クリムゾンウェスト)|14才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2015/05/15 23:14:54 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/16 15:37:30 |