ゲスト
(ka0000)
妨げられた眠り
マスター:ラムレーズン

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/05/19 22:00
- 完成日
- 2015/05/23 22:21
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
とある地方の農村で、暗い顔をした人々が列を成し歩いていく。先頭を歩くのはハンカチで涙を拭う女性。肩を支えて隣を歩く男性はその夫だろうか? 列の中央に目をやれば、人間大の木箱を運ぶ別の村人達の姿が見える。
一行は村をで20分ほど歩き洞窟まで辿り着くと、明かりの準備をし洞窟へと入っていく。
村近くにあるこの洞窟は、農村の共同墓地として使われている。
そう、これは村の葬式で、村人達が運んでいたのは棺桶なのだ……。
現在使われている埋葬場所は洞窟から100mも進めば辿り着く場所で、そこには十人前後の村人の亡骸が眠りについている。
しかし、埋葬場所へ向かった一行を出迎えたのは、静謐なる寝室ではなく蠢く雑魔だった……。
「今回の依頼は、この農村に現れたスケルトンタイプの雑魔討伐がメインとなります」
どうやら共同墓地として利用していた洞窟に、いつの間にか雑魔が沸いてしまったらしい。1ヶ月ほど前に墓参りをした村人がいたことから、出現は最近だろう。
「村の方々が逃げ切れる相手ですし、状況からして自然発生した弱い個体だと思われます」
戦闘方法も特別なものが予想される根拠は無く、肉弾戦や骨が飛んでくる、少し気合をいれても近くの2、3人を一気に殴るのがせいぜいで、火や光属性に弱いといったところだろう。
ただし、全部が同じ場所にいるとは限らないため、暗がりからの不意打ちや増援が来ないかなどは注意しておきたいポイントだ。
「詳しい数は不明ですが、村の記録によれば13人分の亡骸が埋められていたとのことです」
倒した敵がこれより少ない場合、許可は得ているので墓所を掘り返して亡骸の数を確認してほしい。洞窟の安全を確認次第、無事な亡骸は村人達で移送する予定だという。
「後は……。埋められていたのは13人分ですが、亡骸自体はもう1体あります」
村人達が逃げ出す際に棺桶を連れて逃げる余裕があるはずもなく、埋葬予定の棺桶が洞窟の道すがらに取り残されているのだ。こちらはまだ雑魔化していないと思うが、念のために状態を確認してほしい。
「父親の死に加えこの事件。娘様が非常にショックを受けられていると聞いております……。万が一のことがなければよいのですが……」
しかし、その万が一があればこれも討伐しなければならない。そのためのハンターだ。
「情報は以上で、現地までの地図はこちらです。光源が必要な環境ですので、道具の申請がある方はお願いします」
最後に一礼すると、受付嬢は別の依頼説明へと向かう……。
ここからは先は、ハンター達の仕事だ。
一行は村をで20分ほど歩き洞窟まで辿り着くと、明かりの準備をし洞窟へと入っていく。
村近くにあるこの洞窟は、農村の共同墓地として使われている。
そう、これは村の葬式で、村人達が運んでいたのは棺桶なのだ……。
現在使われている埋葬場所は洞窟から100mも進めば辿り着く場所で、そこには十人前後の村人の亡骸が眠りについている。
しかし、埋葬場所へ向かった一行を出迎えたのは、静謐なる寝室ではなく蠢く雑魔だった……。
「今回の依頼は、この農村に現れたスケルトンタイプの雑魔討伐がメインとなります」
どうやら共同墓地として利用していた洞窟に、いつの間にか雑魔が沸いてしまったらしい。1ヶ月ほど前に墓参りをした村人がいたことから、出現は最近だろう。
「村の方々が逃げ切れる相手ですし、状況からして自然発生した弱い個体だと思われます」
戦闘方法も特別なものが予想される根拠は無く、肉弾戦や骨が飛んでくる、少し気合をいれても近くの2、3人を一気に殴るのがせいぜいで、火や光属性に弱いといったところだろう。
ただし、全部が同じ場所にいるとは限らないため、暗がりからの不意打ちや増援が来ないかなどは注意しておきたいポイントだ。
「詳しい数は不明ですが、村の記録によれば13人分の亡骸が埋められていたとのことです」
倒した敵がこれより少ない場合、許可は得ているので墓所を掘り返して亡骸の数を確認してほしい。洞窟の安全を確認次第、無事な亡骸は村人達で移送する予定だという。
「後は……。埋められていたのは13人分ですが、亡骸自体はもう1体あります」
村人達が逃げ出す際に棺桶を連れて逃げる余裕があるはずもなく、埋葬予定の棺桶が洞窟の道すがらに取り残されているのだ。こちらはまだ雑魔化していないと思うが、念のために状態を確認してほしい。
「父親の死に加えこの事件。娘様が非常にショックを受けられていると聞いております……。万が一のことがなければよいのですが……」
しかし、その万が一があればこれも討伐しなければならない。そのためのハンターだ。
「情報は以上で、現地までの地図はこちらです。光源が必要な環境ですので、道具の申請がある方はお願いします」
最後に一礼すると、受付嬢は別の依頼説明へと向かう……。
ここからは先は、ハンター達の仕事だ。
リプレイ本文
●崩されし寝所
照明器具や採掘道具をソサエティより借り受けたハンター達は、転移門や依頼主である村を経由し、共同墓地と雑魔を抱える洞窟前まで辿り着いていた。
「共同墓地に雑魔ですか……。やりきれませんね」
「最後の安らかな眠りさえも妨げようとは、悲しい事です……。エクラ教の使徒の端くれとして、力の及ぶ限り精一杯務めさせていただきます」
洞窟入口の天井を見上げながらアクセル・ランパード(ka0448)が呟く隣では、Hollow(ka4450)が信ずる神と犠牲者へ祈りを捧げている。
「死を冒涜するなんて……許すことはできません」
また、その後ろでは自らも大切な人を失ったことがある身として、死者を正しい眠りに導くべく戦うとアニス・エリダヌス(ka2491)が決意を新たにしていた。
一方その頃、ウル=ガ(ka3593)は入口周辺の足跡を確認していた。
「どうやら、洞窟の外に出た個体はいないようだな」
もしそうであれば追跡が必要なところだったが、確認できた足跡は村人や野生動物のものばかりだ。埋葬した遺体に靴を履かせてでもいない限り、雑魔は全て中にいるということになる。
そして、ここで確認すべきことは済んだと、ハンター達は洞窟へ入る準備を始める。
「ランプは……、足元にも気を付けたいし腰にしておこうかな」
「転んだら大変でシュからね、全く骨の折れるお仕事でシュよ」
自前のランプを腰に括りつけるレイ・アレス(ka4097)に、シュマ・グラシア(ka1907)が相手がスケルトンだけに……な冗談を返す。
「よし、準備はいいな? 死んだ奴らもその家族もこれじゃああんまりだ。さっさと解放してやろうぜ」
そうこうしている内に準備は終わり、全員の準備完了を確認した岩井崎 旭(ka0234)が声をかける。
「そうだな……。それに、もしかしたら無事な遺体が残っているかもしれない。そちらは何とか新しい墓地へ移送できるようにしないとな……」
1体でも多く無事であればと願うNo.0(ka4640)を先頭に、ハンター達は共同墓地を目指し洞窟の中へと入っていく……。
●骨が骨を呼ぶ
雑魔を警戒し慎重に歩みを進めるハンター達の中、Hollowは1枚の紙を取り出した。
「村の方に描いていただいた地図によれば、途中に枝道が1つありそこで奇襲の可能性があります。順路は一番広い道を進めばよいので、迷うことはなさそうですね」
洞窟の地形を把握できればと、村人に作図を頼んだのが役に立ったようだ。
「あっ、あの奥……。右下の方に何か見えませんか?」
レイの声に従い明かりを向けてみると、そこには1つの棺桶が寝かされていた。おそらくこれが埋葬予定だったという父親のものだろう。見たところ蓋が開いた様子は無いのだが……。
「亡骸を確認……するのは後になりそうだな」
「まあ、ここにコレがあるということは、そういうことでシュよね」
ウル=ガやシュマが嘆息し視線を送る先……、棺桶の奥に照らし出されるスケルトンを確認すると、ハンター達は覚醒し戦闘態勢をとる。見える範囲には3体だが、戦闘音がすれば他の個体も集まってくるだろうことは想像に難くない。
「出て来たか……。今、楽にしてやるからな」
スキルで身の軽さを増した旭が攻撃を引き付けようと接敵し、隣ではウル=ガが別のスケルトンへ向かい剣を振り下ろす。
「もう1体は俺が行こう。相手が骸骨なら、砕けばいい……」
「援護します。これで攻撃が通りやすくなるはずです」
3体目のスケルトンに向かおうとするNo.0の鉄球へ、アニスが光の精霊力を纏わせる。迫り来る輝く鉄球を何とか剣で受け止めたスケルトンだが、その体には大分ひびが入っている。
「少し動きを鈍らせましょうか。さぁ、眠りなさい、もう一度……」
アクセルが前に出て奏でるレクイエムは1体には抵抗されたものの、他2体の動きを格段に鈍らせる。そして、抵抗した1体と対峙している仲間へはHollowが防性強化のスキルをかける。
動きの鈍ったスケルトン達には、シュマのファイアアローやレイのホーリーライトが突き刺さり内1体が崩れ去るも、洞窟の奥から追加で2体のスケルトンが現れる。
既にいるスケルトンの反撃は前衛陣が軽く凌いだが、他のスケルトンが後衛に攻撃してこないとは限らない。防御が不得手な者にとっては少しでも早く数を減らしたいところだろう。
●妨げられなかった者達
スケルトン達は大体2回も攻撃を当てれば倒れる程度の実力のためそれ程苦戦している印象は無いが、倒した以上に増えると言うのは気持ちのいいものではない。
「後ろへは行かせん……。この距離ならばこれでどうだ……」
距離を詰めてくるスケルトンへ機導剣で斬り付けるNo.0だったが、流石にノーダメージから一撃とはいかない。
「トドメはこちらで。属性攻撃の出来る方は他の敵をお願いします」
「まかせるでシュよー!」
ダメージの残る敵へヘッドショットを決めるHollowに続き、シュマのファイアアローが再び洞窟の闇を切り裂き敵を焼く。
一方スケルトン達は、身軽だったり硬かったりする前衛ではなく、中距離から後衛を狙おうと骨を構えだす。
「やらせません!」
が、ここでアクセルが射線に体を割り込ませ攻撃を引き受ける。例え盾が間に合わなかろうと、女性や子供ばかりの後衛に攻撃は通させない覚悟だった。
「き、傷の手当は任せてください」
そして、守った後衛からはすかさず回復がかけられる。特にレイはヒーラー寄りのスキル構成をしており、継戦能力の底上げに貢献していた。
(だがそれも有限。そろそろ押し切る、か……)
とはいえ戦いは長引かせて良いものではない。ウル=ガは使えるスキルを全て乗せ、切り結んでいたスケルトンへ渾身の一撃を打ち込み体を砕く。これで残りは後2体。
「片方はわたしが。……眩き大気テナティエル、彷徨えるもの達を正しき安息へ導きたまえ……」
アニスのホーリーライトが宣言通りスケルトンを残り1体とし、
「……眠れよ、今度こそな」
マテリアルを溜めこんだ旭のクラッシュブロウが、最後のスケルトンを土に還したのだった……。
戦闘を終えたハンター達は、棺桶に入っている遺体の無事を確認すると、警戒を緩めず洞窟を進む。途中の枝道でスケルトン2体に挟まれるものの難なく撃破し、共同墓地となっている空間へと辿り着いた。
●依頼ではないけれど
掘り出す前にそれぞれの墓を見てみると、スケルトンが出てきたのであろう穴がいくつか開いている。
「倒したスケルトンは7体でシュから、穴の無いところにちゃんと遺体が6体あればピッタリでシュね」
「確認の際、遺品や副葬品が混ざらないよう注意しなくてはな」
シュマやウル=ガの言葉に軽く頷くと、ハンター達は借りてきた借りてきたスコップ等を準備し、
「皆様を守るためとはいえ、その眠りを一時妨げること、どうかお赦しください……」
アクセルが改めて死者達へ祈りを捧げ終えるのを待って作業を開始する。
そして数十分後、無事な遺体を6体確認したハンター達は、残っていた回復スキルで全快すると、もう使えないといえ荒れたままではというNo.0や、移送までの間に雑魔化しないようにという旭の提案で、掘り返した穴を埋め棺桶は洞窟の外まで運ぶことにする。後は村人に一連の報告を済ませれば依頼は完了だ。
しかし、ハンター達は村長への報告の最中、移送への手伝いも申し出ていた。
「ぼ、僕の母はエクラ教のシスターなんです。だからその……。よ、よければ皆様の供養を一緒にさせてもらえないでしょうか……?」
「そんな! 歪虚と戦っていただいた上にそこまでしていただくなんて……」
「歪虚のせいだとしても、死者に鞭打ったことに違いはないのですから……。自己満足かもしれませんが、何か出来ることがあればお手伝いしたいのです」
レイの提案に畏れ多いと首を振る村長に対し、Hollowは頭を下げて願い出る。
「その……、本当によろしいのですか?」
「ああ、無事な人達だけでも、今度こそ安らかに眠って欲しいしな」
「ありがとう……ございます……」
快諾する旭の言葉に、村長は涙を滲ませながらハンター達の手を取った。
当日は疲れているだろうと歓待を受けた翌日の朝、次の墓地となる丘へ遺体の移送が始まった。坂を上って棺桶を運び、それを埋める穴を掘る……。中々の重労働だったが、ハンター達の助力もあり夕方には作業を終えられた。
「この寝床では……、みんな静かに休めるといいな……」
「はい……。この地が歪虚に侵されぬよう、加護のあらんことを……」
埋め直した墓の前で死者の冥福を祈るNo.0とアニス。墓碑の傍らでは、アニスの供えたロザリオが夕日で紅く染まっていた……。
照明器具や採掘道具をソサエティより借り受けたハンター達は、転移門や依頼主である村を経由し、共同墓地と雑魔を抱える洞窟前まで辿り着いていた。
「共同墓地に雑魔ですか……。やりきれませんね」
「最後の安らかな眠りさえも妨げようとは、悲しい事です……。エクラ教の使徒の端くれとして、力の及ぶ限り精一杯務めさせていただきます」
洞窟入口の天井を見上げながらアクセル・ランパード(ka0448)が呟く隣では、Hollow(ka4450)が信ずる神と犠牲者へ祈りを捧げている。
「死を冒涜するなんて……許すことはできません」
また、その後ろでは自らも大切な人を失ったことがある身として、死者を正しい眠りに導くべく戦うとアニス・エリダヌス(ka2491)が決意を新たにしていた。
一方その頃、ウル=ガ(ka3593)は入口周辺の足跡を確認していた。
「どうやら、洞窟の外に出た個体はいないようだな」
もしそうであれば追跡が必要なところだったが、確認できた足跡は村人や野生動物のものばかりだ。埋葬した遺体に靴を履かせてでもいない限り、雑魔は全て中にいるということになる。
そして、ここで確認すべきことは済んだと、ハンター達は洞窟へ入る準備を始める。
「ランプは……、足元にも気を付けたいし腰にしておこうかな」
「転んだら大変でシュからね、全く骨の折れるお仕事でシュよ」
自前のランプを腰に括りつけるレイ・アレス(ka4097)に、シュマ・グラシア(ka1907)が相手がスケルトンだけに……な冗談を返す。
「よし、準備はいいな? 死んだ奴らもその家族もこれじゃああんまりだ。さっさと解放してやろうぜ」
そうこうしている内に準備は終わり、全員の準備完了を確認した岩井崎 旭(ka0234)が声をかける。
「そうだな……。それに、もしかしたら無事な遺体が残っているかもしれない。そちらは何とか新しい墓地へ移送できるようにしないとな……」
1体でも多く無事であればと願うNo.0(ka4640)を先頭に、ハンター達は共同墓地を目指し洞窟の中へと入っていく……。
●骨が骨を呼ぶ
雑魔を警戒し慎重に歩みを進めるハンター達の中、Hollowは1枚の紙を取り出した。
「村の方に描いていただいた地図によれば、途中に枝道が1つありそこで奇襲の可能性があります。順路は一番広い道を進めばよいので、迷うことはなさそうですね」
洞窟の地形を把握できればと、村人に作図を頼んだのが役に立ったようだ。
「あっ、あの奥……。右下の方に何か見えませんか?」
レイの声に従い明かりを向けてみると、そこには1つの棺桶が寝かされていた。おそらくこれが埋葬予定だったという父親のものだろう。見たところ蓋が開いた様子は無いのだが……。
「亡骸を確認……するのは後になりそうだな」
「まあ、ここにコレがあるということは、そういうことでシュよね」
ウル=ガやシュマが嘆息し視線を送る先……、棺桶の奥に照らし出されるスケルトンを確認すると、ハンター達は覚醒し戦闘態勢をとる。見える範囲には3体だが、戦闘音がすれば他の個体も集まってくるだろうことは想像に難くない。
「出て来たか……。今、楽にしてやるからな」
スキルで身の軽さを増した旭が攻撃を引き付けようと接敵し、隣ではウル=ガが別のスケルトンへ向かい剣を振り下ろす。
「もう1体は俺が行こう。相手が骸骨なら、砕けばいい……」
「援護します。これで攻撃が通りやすくなるはずです」
3体目のスケルトンに向かおうとするNo.0の鉄球へ、アニスが光の精霊力を纏わせる。迫り来る輝く鉄球を何とか剣で受け止めたスケルトンだが、その体には大分ひびが入っている。
「少し動きを鈍らせましょうか。さぁ、眠りなさい、もう一度……」
アクセルが前に出て奏でるレクイエムは1体には抵抗されたものの、他2体の動きを格段に鈍らせる。そして、抵抗した1体と対峙している仲間へはHollowが防性強化のスキルをかける。
動きの鈍ったスケルトン達には、シュマのファイアアローやレイのホーリーライトが突き刺さり内1体が崩れ去るも、洞窟の奥から追加で2体のスケルトンが現れる。
既にいるスケルトンの反撃は前衛陣が軽く凌いだが、他のスケルトンが後衛に攻撃してこないとは限らない。防御が不得手な者にとっては少しでも早く数を減らしたいところだろう。
●妨げられなかった者達
スケルトン達は大体2回も攻撃を当てれば倒れる程度の実力のためそれ程苦戦している印象は無いが、倒した以上に増えると言うのは気持ちのいいものではない。
「後ろへは行かせん……。この距離ならばこれでどうだ……」
距離を詰めてくるスケルトンへ機導剣で斬り付けるNo.0だったが、流石にノーダメージから一撃とはいかない。
「トドメはこちらで。属性攻撃の出来る方は他の敵をお願いします」
「まかせるでシュよー!」
ダメージの残る敵へヘッドショットを決めるHollowに続き、シュマのファイアアローが再び洞窟の闇を切り裂き敵を焼く。
一方スケルトン達は、身軽だったり硬かったりする前衛ではなく、中距離から後衛を狙おうと骨を構えだす。
「やらせません!」
が、ここでアクセルが射線に体を割り込ませ攻撃を引き受ける。例え盾が間に合わなかろうと、女性や子供ばかりの後衛に攻撃は通させない覚悟だった。
「き、傷の手当は任せてください」
そして、守った後衛からはすかさず回復がかけられる。特にレイはヒーラー寄りのスキル構成をしており、継戦能力の底上げに貢献していた。
(だがそれも有限。そろそろ押し切る、か……)
とはいえ戦いは長引かせて良いものではない。ウル=ガは使えるスキルを全て乗せ、切り結んでいたスケルトンへ渾身の一撃を打ち込み体を砕く。これで残りは後2体。
「片方はわたしが。……眩き大気テナティエル、彷徨えるもの達を正しき安息へ導きたまえ……」
アニスのホーリーライトが宣言通りスケルトンを残り1体とし、
「……眠れよ、今度こそな」
マテリアルを溜めこんだ旭のクラッシュブロウが、最後のスケルトンを土に還したのだった……。
戦闘を終えたハンター達は、棺桶に入っている遺体の無事を確認すると、警戒を緩めず洞窟を進む。途中の枝道でスケルトン2体に挟まれるものの難なく撃破し、共同墓地となっている空間へと辿り着いた。
●依頼ではないけれど
掘り出す前にそれぞれの墓を見てみると、スケルトンが出てきたのであろう穴がいくつか開いている。
「倒したスケルトンは7体でシュから、穴の無いところにちゃんと遺体が6体あればピッタリでシュね」
「確認の際、遺品や副葬品が混ざらないよう注意しなくてはな」
シュマやウル=ガの言葉に軽く頷くと、ハンター達は借りてきた借りてきたスコップ等を準備し、
「皆様を守るためとはいえ、その眠りを一時妨げること、どうかお赦しください……」
アクセルが改めて死者達へ祈りを捧げ終えるのを待って作業を開始する。
そして数十分後、無事な遺体を6体確認したハンター達は、残っていた回復スキルで全快すると、もう使えないといえ荒れたままではというNo.0や、移送までの間に雑魔化しないようにという旭の提案で、掘り返した穴を埋め棺桶は洞窟の外まで運ぶことにする。後は村人に一連の報告を済ませれば依頼は完了だ。
しかし、ハンター達は村長への報告の最中、移送への手伝いも申し出ていた。
「ぼ、僕の母はエクラ教のシスターなんです。だからその……。よ、よければ皆様の供養を一緒にさせてもらえないでしょうか……?」
「そんな! 歪虚と戦っていただいた上にそこまでしていただくなんて……」
「歪虚のせいだとしても、死者に鞭打ったことに違いはないのですから……。自己満足かもしれませんが、何か出来ることがあればお手伝いしたいのです」
レイの提案に畏れ多いと首を振る村長に対し、Hollowは頭を下げて願い出る。
「その……、本当によろしいのですか?」
「ああ、無事な人達だけでも、今度こそ安らかに眠って欲しいしな」
「ありがとう……ございます……」
快諾する旭の言葉に、村長は涙を滲ませながらハンター達の手を取った。
当日は疲れているだろうと歓待を受けた翌日の朝、次の墓地となる丘へ遺体の移送が始まった。坂を上って棺桶を運び、それを埋める穴を掘る……。中々の重労働だったが、ハンター達の助力もあり夕方には作業を終えられた。
「この寝床では……、みんな静かに休めるといいな……」
「はい……。この地が歪虚に侵されぬよう、加護のあらんことを……」
埋め直した墓の前で死者の冥福を祈るNo.0とアニス。墓碑の傍らでは、アニスの供えたロザリオが夕日で紅く染まっていた……。
依頼結果
依頼成功度 | 成功 |
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MVP一覧
重体一覧
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 シュマ・グラシア(ka1907) 人間(クリムゾンウェスト)|10才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2015/05/19 13:42:26 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/16 15:47:34 |