板金姫と呼ばないで!

マスター:御影堂

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2015/06/04 09:00
完成日
2015/06/06 03:30

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 乙女には、やらねばならぬ、時がある!
 
 ここは、鉱山の町ガレット。
 その街をプレートアーマーを身につけ歩く少女が一人いた。
「お、板金姫。今日も訓練かい?」
「板金姫様は頑張り屋だなぁ」
「新しい剣が手に入ったんだが、板金姫も後で試し切りしないか?」
 街中から板金姫の名前で愛される少女の名は、ミシェル・ローランドという。
 笑顔で街人たちに手を振ったり応えながら、彼女は訓練場へ赴く。
「くっ!」
 入るなり歯を噛み締めて、苦々しく声を出した。
 そっと胸元のアーマープレートを撫でる。
 そのプレートは、平坦であった。
「どうしました、板金姫?」
「……」
 聞いてきたのは副隊長であった。
 ぐっと睨みをきかせると、副隊長はさすがに苦笑いを浮かべる。
「いい愛称じゃないですか。姫ですよ、姫?」
「その前になんで板金ってつけるのだ!」
「この街で、プレートアーマーなんて付けてればそう呼ばれますよ」
「本当に、それだけか?」
 副隊長に詰め寄る。
 そっと目をそらし、口を紡がれた。
「おい、副隊長?」
 肩に手を置いて、問い詰めようとした時だ。
 後ろから、不意に答えが返ってきた。
「そりゃあ、無骨さの象徴でしょうよ」
「おい、お前。本当のことを!」
「何いってんすか、副隊長。隊長も自分を振り返る機会でしょう」
 ぐっと振り上げた腕を下げ、ミシェルはやり場のない怒りに震えた。
 軽薄そうに会話に割り込んできたのは、最近自警団に入隊した男だった。
「隊長。おりゃ、最近入った身だからどういう経緯かは実際、知りゃあしません」
 前置きを置いて、男は続ける。
「ですが、隊長から乙女らしさは感じられませんよ。姫ってのも、顔立ちからでしょうし」
「乙女らしさって何よ」
「料理作れます?」
 ミシェルに30ポイントのダメージ。
 踏ん張り、「できないが」と絞りだすように応える。
「剣と花なら、どっちがほしいですか?」
「剣だ」とミシェルは即答する。
 副隊長は、片手で顔を覆った。
 なにかおかしいこといっただろうかという顔のミシェルに、男は告げる。
「隊長は、自警団を率いてますからねぇ。大いに結構ですが」
「何だ? 言いたいことがあるならはっきり言え」
「女の子は、剣がほしいと即答しませんよ」
「そうなのか?」
 副隊長を見る。副隊長は目をそらした。
 ミシェルに22ポイントのダメージ!
「ぬいぐるみとかは好きですか」
「ぬい……ぐるみ?」
「あんまりこの街じゃ、置いてねぇさ」
 ここは副団長が助け舟を出す。
 そうだったと男も肩をすくめた。
「この街じゃ、乙女になるのは難しいかもしれませんね……」
「いや、宿屋のアイスちゃんとか。アクセ作りしてるレイちゃんとか」
「……ガフッ」
「団長、大丈夫ですか?」
「……」
 ミシェルは瀕死の状態だ。
 が、ここで唐突に笑い声を上げた。
「ハッハッハ、いいだろう。そこまでいうなら、目にもの見せてやる!」
 ビシッと男と副団長を指さして、ミシェルは告げる。
「私は、乙女になる! とりあえず、近くの大きな街でかわいいものを見つけてくるぞ!」
 いうやいなや、訓練所を飛び出していった。
 ミシェルの背中を見送り、男は告げる。
「案外、かわいいところありますね」
「お前なぁ」
「ところで、乙女チックになるかどうか、賭けませんか?」
 コインを見せつけて、副団長に尋ねる。
 副団長は男の手を下げさせて、問い返す。
「賭けになると思うか?」
「……やめときましょう」

 こうして、ミシェルの二泊三日乙女修行の旅が始まったのだった!

「どうやって乙女チックになろう」
 前途多難な彼女が真っ先に思いついたのは、ハンターオフィスに行くというものであったという。
 これにはハンターオフィスのスタッフも、苦笑いを浮かべたという……。

リプレイ本文


 晴れ渡る空の下、鉱山の街ガレットの近く、賑やかな都市を一人の少女が歩いていた。
 少女の名は、ミシェル。
 板金姫という呪縛から抜け出すべく、ミシェルはここに立っていた。
「さぁ、行きますわよ」
 そういってCelestine(ka0107)は、ミシェルを先導する。
 だが、ミシェルはもじもじとして動かない。
「いや、でも……」
 周りが気になるのか、視線を巡らすミシェルに咲魔 詩乃(ka4990)が告げる。
「んっふっふ、美少女が連れ立って歩いていたら、そりゃあ殿方は見逃せませんなぁ」
 いざ出発、と押しやるがミシェルはすぐ動けない。
 今、板金姫ミシェルはロマンチックなワンピースを身に纏っていた。
 化粧も、ばっちりとピンク系の愛らしいもので決めていた。
 慣れないミシェルを見て、エル・ネル(ka5036)が横の男に尋ねる。
「こんにちは、MCのエルなのです。さて、街に着きましたがミシェル選手の様子はどう思われますか?」
「いいんじゃないかな、初々しくて」
 答えているのは、壬生 義明(ka3397)である。
 エルは通りすがりのホストを探したが、地方に野生のホストはいなかった。
 とりあえず、同行していた義明を解説役として巻き込んだのだ。
「鎧を着て闊歩する女性というのも、おっさんは魅力的だと思うけどねぇ」
 義明の解説に、エルはそういう意見もありますかと答えていた。


 さて、時を遡ること数時間前。
「ようこそ、お嬢様。お初にお目にかかれ、光栄だよ」
 物腰柔らかくミシェルを街で出迎えたのは、ハッド(ka5000)だった。
「僕はバアル・ハッドゥ・イル・バルカ三世、王子なのだよ」
という自己紹介に面食らうミシェルへ、続けて告げる。
「明日はぼくがエスコートするから、楽しみにしてるのだよ?」
 ハッドはそういうと、お膳立てのため一度別れる。
 続けて、ミシェルたちはホテルの一室にて「乙女座学」を始めるのだった。

「こんにちは、MCのエルなのです。まず、最初の質問をします。そんな装備で大丈夫か?」
「いや、出かけるのであれば万全を期さなければ」
 そう回答するミシェルは、愛用のプレートアーマーをいつものごとく身に纏っていた。
 エルは淡々と、義明やゼカライン=ニッケル(ka0266)へ尋ねる。
「では、解説のお二方。今のミシェル選手の回答、どう思われますか」
「どうっていわれてもねぇ」とは義明。
「鋼はかわいいぞー? すべすべしてるし、打てば響くというだろう? ああいう感じだ」
 唐突に語り出すのが、ゼカライン。
 ゼカラインは集合時、
「板金姫ってのはどれだ? いやぁ、久しぶりの未知の素材と聞いて昨日寝れなかったわ」
と斜め上の発想を披露していた。
「姫ってつくぐらいだから、面が美しいのか? どう加工してやるか愉しみだな!」
 加工といえば、加工の依頼であるが。
 真実を知ったゼカラインは、
「あん? ……なんだって? 鋼じゃ……ない?」と気を落とした。

 だが、今は板金姫ミシェルの鎧を打ち直すことで自身の仕事をこなそうとしていた。
「じぶんの魂の一部のように感じる。愛してやれば愛してやるほど返ってくる」
 剣技と一緒だとゼカラインは締める。
 反応に困っているミシェルへ、鎧を渡すように告げた。
「今日明日は外すんだろ? 打ち直してやるよ」
 一瞬迷ったが、外しましょうとCelestineに促された。
 鎧を預け、質素な服になった所でゾファル・G・初火(ka4407)が「で」と呟く。
「で、板金姫ちゃんは男に媚びたいのかー?」
「媚びっ!?」
 ミシェルとしては、否定したいところなのだろうか。
 だが、反論できるほどでもない。
「そういう言い方もありますが、乙女らしくしたいというのは悪いことではありませんよ」
 ルネッタ・アイリス(ka4609)がやんわりとゾファルを窘めつつ、話を前に進める。
「まずは、どういたしましょう」
「質問攻めして、色々確認するじゃん」
 意気揚々とゾファルはあれやこれやと聞きまくる。
「料理は作るのが好きか? 食べる方か?」
「た、食べる方が」
「私服はどんなものを着ている」
「簡素なものが一番だ」
 といった質問を始め、動物や酒が好きかどうか(結果はお察し)。
 結婚したら子供は何人ほしいというきわどい質問まで、様々に出していく。
「うん」
 ひとしきり終えた所で、ゾファルは頷いた。
「思った通りの回答じゃん。今さら趣味嗜好を矯正するのは無理じゃねーの?」
 ミシェルはがーんという表情を見事にしていた。
 気を取り直させるように、ゾファルは一つ咳払いをして続ける。
「ここはギャップ萌えだぜ」
 聞きなれない単語に小首を傾げるミシェルへゾファルは教える。
 曰く、職場に花を持っていったり、可愛い系のワンポイントアクセを用いたり……。
「後は敵に敗れてエロいことされそうになったら、「くっ殺せ」って言うとかどうよ?」
 最後のは理解されなかったが、
「アクセサリーはいいかもしれません」
とルネッタをはじめ、一同が同意した。
 早速、買い物へ行こうという話になる。
 ゾファルは「戻ってきたら「くっ殺」特訓だぜ?」と準備があるらしく待機した。
「出かけるのでしたら、きちんとしませんと」
 メイド服を提案しつつ、ミシェルを着飾る。
 服装は詩乃が決め、Celestineが用意してくれた。
「リアルブルーで流行りと聞きました」
 そう告げるルネッタに猫耳カチューシャを装着させられ、完成である。
「くっ……いっそ殺せ」
 自然と口から転げ落ちた言葉に、ゾファルがうんと頷く。
「適性はありそうじゃん」


「無駄遣いではないですよ? こうやってお金を使うから経済が回るのですわ」
 しれっといってのけるCelestineは、ミシェルが気に入ったものを買おうと提案してくる。
 ミシェルが先立つモノがという話を出すと、
「こういう時にお金を使わないと余ってしまって……」
 そう言い出し、ミシェルが慌てたところで冒頭のセリフである。
「どうです? 試しに着てみませんか」
「いや、しかし」
 ミシェルは断ろうとした。
「きっと素敵ですわよ」
 だが、ルネッタに回りこまれてしまった。
「せっかくなんだし、着ようよ」
 加えて詩乃が追い打ちをかける。
 諦めたミシェルを連れ、Celestineは試着室へ移動する。

「さて、どう思われますか」
「色々試すのは、いいことだよ。今のうちにね」
 しみじみと義明が告げる間に、中からミシェルの悲鳴があがってきた。
 向かうところ敵なしのミシェルだが……。
「これはどういう事態でしょうか。エルたちも真相解明に……」
「おいおい、お前ら何やってんの?」
 エルが入っていく後で義明が声をかける。
 返ってきたのは、「採寸」という言葉だった。
「あぁ、うん。ほどほどにな」


 新たな服に着替えさせられたミシェルを連れ、次の店へ移動する。
 可愛いぬいぐるみや小物を取り扱う店である。
 さっそく、詩乃が誘惑と戦っていた。
 ぬいぐるみとにらめっこをして固まっていたのだ。
 そこへ這いよるCelestine。
「せっかくなら、詩乃殿も買いませんと」
「べ、べべっ、べっ、別に、この子が欲しいとか、毎晩ぎゅーして寝たいとか、そんな事思ってないよ!?」
 慌てふためき赤面する詩乃の姿がそこにあった。
 思わずエルが解説を求める。
「あれが乙女でしょうか、解説役の義明さん」
「ノーコメント」
 義明は肩をすくめ、メインのミシェルの様子を見やる。
 ガラス細工で作られた剣の髪留めを食い入るように見ていたのだ。
「欲しいのかい?」
「え、いや、違うぞ。私はもっと乙女らしく……」
「それはそれで、乙女らしいと思うけどねぇ。個性が出ていいんじゃないのかい?」
「私も同意します。普段使いが出来る、いい髪留めかと」
 ルネッタがすかさずフォローへ入る。
 悩んでいると、Celestineがぬるりとやってきて、
「買いましょう」
と決定させられるのだった。その間、0.2秒。
「セレス様。お荷物をお持ちしますわ」
「いや、私が持つよ。力には自信があるし」
 乙女らしからぬことをいいながら持とうとするミシェルへ、ルネッタは首を振る。
「メイドですので」と力強く返すのだった。
「ところで、慣れないこと続きでお疲れでしょう。一度、休憩にいたしましょう」
「ボクが見つけたお店でいいよね?」
「さっき話していたところですか、そうしましょう」
 Celestineも同意し、そこへ行くことになった……のだが。


「もー、恥ずかしくないよぉ、姫ちゃんはかわいいよ?」
 詩乃がおしゃれな雰囲気に押されて、そわそわするミシェルへいう。
 腰を落ち着かせてすることといえば、そう、雑談だ。
「ボクはお料理はまあまあできるけど、お裁縫は苦手だな」
「私はメイドですので、全般にできますが。人それぞれでしょうね」
「うん。だからって、ボクが乙女じゃないって証明できるわけじゃない」
 乙女を乙女たらしめるのは、何か。
 詩乃は力強く、宣言する。
「乙女を乙女たらしめるのは、可愛くあろうとする心意気なんだよ」

 数十分後、巨大パフェにかかろうとする女子高生の姿があった。
「いいじゃない、いっぱい食べる乙女だってたまにはいるよぅ」
「そ、そうね」
 ミシェルも欲張ってケーキを3個頼んでいるのだから、似たようなものだ。
「ひとまず、今日はいかがでしたか」
「うーん。なんとも……ちょっと疲れました」
「私は無理をして乙女になられるよりは、ありのままのミシェル様で居られた方が魅力的だと思うのですが」
「そうかな?」
「どうなのでしょうか、かいせ」
「要は個性だよ。鎧を着たミシェルも、女の子らしくなったミシェルも別々の個性があって良いなってことさ」
 エルのセリフを止めて、義明がいう。
「個性」
 噛みしめるようにミシェルは口にするのだった。


「ここはひとつ。王の慈愛を示していかねばなるまいて」
 さわやかな笑顔を浮かべ、ハッドは呟く。
 二日目は、ミシェルの希望で鎧を見立てに行った後、ハッドが仕切りになっていた。
「おっと帰ってきたようじゃな」
 こほんと一つ咳払いをして、気持ちを切り替える。
 今日はキラキラな王子様として、ミシェルをサポートしていく構えなのだ。
「お帰り、お姉さん」
「ふぇ?」
「今日は幸せな時間を過ごしてね」
 手を取り、見上げながらハッドはくったくのない笑顔を浮かべる。
 ミシェルが何らかの感情を抱いたとしても、不思議ではない。
 どんな感情かは、判断をお任せしようと思う。
「まずは、ディナーだね」
 物腰柔らかくハッドはミシェルを先導する。
 先日、ルネッタから享受された足取りとマナーでぎこちなくミシェルは対応した。
 いま来ているものは、Celestineが採寸した結果得られたフォーマルドレスである。

 ちなみに採寸の際、
「ところで、私の姉妹になってくださいませんか?」
 唐突にCelestineがそんなことを聞いてきた。
 ミシェルの返答は、
「義姉妹ということか? そうだな、一緒に戦うことがあればいいかもしれないが」
というものだった。
 では、騎士団では如何でしょうかという問いには自警団があるからと断りを入れた。
 会ったばかりだから、とミシェルはいう。
「解りましたわ。しつこく迫るつもりはありません。今は、この話は忘れてくださいまし」
 もし、機会があれば……と思うCelestineであった。

「一曲、踊ろうよ?」
「え、でも」
「大丈夫! ぼくがリードしてあげるから」
 手慣れた手つきでミシェルを舞踏場にハッドは誘う。
「そうそう、そんな感じ」
 ぎこちないミシェルをフォローするように、動きを助ける。
 もちろん、褒めるのも忘れない。
「はじめにしては、お姉さん、上手だよ」
「そ、そうか」
とまんざらでもなさそうな、ミシェルだった。
 傍から見ていたエルは、
「面白そうな匂いがしやがるのです。ねぇ、ガウルン?」
 狼のぬいぐるみガウルンに答えてもらうのだった。
 なお、義明はゼカラインの工場へ様子を見に行って不在であった。
「……ある種のギャップ萌えじゃないの?」
「解説役のゾファルさん。ありがとうございます」
 ふと感想を漏らしたゾファルの声を、エルはすかさず拾うのだった。

 夢の時間は、過ぎるのも早いもの。
「そろそろお別れだよ、お姉さん」
「え、あ、うん」
 夢見心地気味だったミシェルが覚醒する。
「恋でもすれば、だれでも自然と乙女になるものだよ」
 片膝をたて、ハッドはミシェルの手をとった。
 固まるミシェルの手の甲へ、そっとくちづけを一つ。
「~~っ」
「機会があったら、また会おうね」
 恥ずかしげにする乙女の姿が、そこに確かにあったのだった。


「ほれ、これで板金とは言われんだろ。まだのびしろ……あるかもしれんしな」
 ゼカラインが打ちなおした鎧は、胸の部分が少し膨らんでいた。
 微妙な顔で受け取るミシェルへ、ゼカラインはぽつぽつと説く。
「女らしさっていうのが欠けているからかわいいもん着けたり、お洒落を磨く……」
 まっすぐミシェルと視線を交わす。
「着飾りゃあ乙女になるってんなら、世の中、乙女で溢れかえってるだろ」
 ぐっと息を呑む。
「何がいいたいか分かるか? 見た目だけに惑わされんなってことだ」
 じゃないとからっぽだ、と鎧の胸部分を叩く。
「ワシが加工した鎧の胸みたいにな」
「……そうだな」
「からっぽは楽だ。ぬいぐるみ持って、かわいい服を着てれば何も考えてなくても見た目は乙女で居られるもんな」
 もう一度胸の部分を叩く。
「本当に大切な事を見失ってねぇか? 笑えよ、それだけで十分だろ」
「まぁー」
 ゼカラインの言葉を引き継いで、義明がいう。
「今のミシェルでも魅力的だという人もいる。その上で……」
 義明はイヤリングを手渡す。
「鎧を着ていても魅力的だけど、更に女の子らしくなれるように」
「それに鎧だからってお洒落が出来ないわけではないですわ」
 昨日、Celestineが連れて行った店を思い出す。
 多種多様な鎧が飾られていたのだ。
 同じ鎧でもここまで違うものかと思わされた。
「……お願いがある」
「おう、なんだ?」


 ミシェルが、ガレットの街に戻って数日後。
「おう、鈴蘭姫。今日も鍛錬か?」
「えぇ」
「今日も鈴蘭、持ってくかい?」
「いただいていくわ」
 そんな会話を交わすミシェルの姿があった。
 彼女のプレートアーマーは、平坦であった。
 結局、もとに打ち直してもらったのだ。
 しかし、彼女はもうひとつお願いをしていた。
 鈴蘭を想起させる文様を入れてもらったのだ。
 そして、鈴蘭の花を訓練場に持っていくようになっていた。
「雰囲気変わったよな」
「あぁ」
 ミシェルに対する団員の目も変わってきた。
「訓練を始めるぞ」
 空気が緩まないよう、場を引き締めるミシェルの髪には剣型の髪留めが光っているのだった。

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参加者一覧

  • 暁風の出資者
    Celestine(ka0107
    エルフ|21才|女性|魔術師
  • 鋼のロマン
    ゼカライン=ニッケル(ka0266
    ドワーフ|42才|男性|機導師
  • Entangler
    壬生 義明(ka3397
    人間(蒼)|25才|男性|機導師
  • ゾファル怠極拳
    ゾファル・G・初火(ka4407
    人間(蒼)|16才|女性|闘狩人
  • 死の天使メイド
    ルネッタ・アイリス(ka4609
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人
  • 感謝を込めて折る紙
    咲魔 詩乃(ka4990
    人間(蒼)|16才|女性|霊闘士
  • 夢への誓い
    ハッド(ka5000
    人間(紅)|12才|男性|霊闘士

  • エル・ネル(ka5036
    人間(紅)|15才|女性|疾影士

サポート一覧

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依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
ルネッタ・アイリス(ka4609
人間(クリムゾンウェスト)|24才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2015/06/01 13:11:42
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/06/01 13:09:03