ゲスト
(ka0000)
【聖呪】ゴブリンへの警鐘
マスター:御影堂

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~10人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/06/15 07:30
- 完成日
- 2015/06/22 18:31
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
ゴブリンの動きが活発化している。
王国北部に位置する貴族領、ルサスール領。
領主であるカフェ・W・ルサスールの下へ、そんな情報が届けられた。
「看過するのも問題か……」
活発化しているゴブリンの動きとともに、気になることがあった。
教会がにわかに騒がしいのだ。
この辺りで、教会が蠢くような事柄……。
「まさか、な」
嫌な汗をハンカチで拭い、人を呼ぶ。
「これをオーラン・クロスに届けてくれ」
「わかりました」
「後、ハンターオフィスに依頼を出したい」
「依頼……ですか?」
●
時を同じくして、ルサスール領内のとある洞窟。
他領との境目にあたる場所であり、自警団員たちが警戒にあたっていた。
洞窟自体は広くないのだが、何かが住み着くことも多い。
過去には野党や、雑魔が入り込んでいたことがある。
「おい、何か聞こえないか?」
「……? いや、何も聞こえないが……」
ぼうっとする兵士たちは気づかなかった。
いや、そいつらは自警団員たちに気づき息を潜めていたのだ。
「異常なし……かな」
「そういうことにしておこう」
暑くなってきたこの頃、見回りも怠けがあった。
だから、気が付かなかったのだ。
洞窟の奥で、ひっそりと機会をうかがう、亜人たちに……。
●
ハンターたちに出された依頼は、哨戒任務だった。
もちろん、普段より警戒を増やしている領内にゴブリンが入り込む余地などない。
ルサスール領の自警団長は、胸をドンと叩いて宣言してみせた。
「念には念を入れる。それが、警戒の一歩だ」
カフェの言葉に、それならば、と団長は引いたのだった。
カフェはハンターたちに改めて告げる。
「領内をひと通り回り、状況を報告してほしい」
そして、と一拍置いて
「ないにこしたことはないのだが」
と続ける。
「ゴブリンを含め、何らかの敵勢を発見した場合はすみやかに処理してほしい」
嫌な予感ほどよく当たる。
照りつける太陽による熱とは別に、カフェにはそんな予感があった。
ゴブリンの動きが活発化している。
王国北部に位置する貴族領、ルサスール領。
領主であるカフェ・W・ルサスールの下へ、そんな情報が届けられた。
「看過するのも問題か……」
活発化しているゴブリンの動きとともに、気になることがあった。
教会がにわかに騒がしいのだ。
この辺りで、教会が蠢くような事柄……。
「まさか、な」
嫌な汗をハンカチで拭い、人を呼ぶ。
「これをオーラン・クロスに届けてくれ」
「わかりました」
「後、ハンターオフィスに依頼を出したい」
「依頼……ですか?」
●
時を同じくして、ルサスール領内のとある洞窟。
他領との境目にあたる場所であり、自警団員たちが警戒にあたっていた。
洞窟自体は広くないのだが、何かが住み着くことも多い。
過去には野党や、雑魔が入り込んでいたことがある。
「おい、何か聞こえないか?」
「……? いや、何も聞こえないが……」
ぼうっとする兵士たちは気づかなかった。
いや、そいつらは自警団員たちに気づき息を潜めていたのだ。
「異常なし……かな」
「そういうことにしておこう」
暑くなってきたこの頃、見回りも怠けがあった。
だから、気が付かなかったのだ。
洞窟の奥で、ひっそりと機会をうかがう、亜人たちに……。
●
ハンターたちに出された依頼は、哨戒任務だった。
もちろん、普段より警戒を増やしている領内にゴブリンが入り込む余地などない。
ルサスール領の自警団長は、胸をドンと叩いて宣言してみせた。
「念には念を入れる。それが、警戒の一歩だ」
カフェの言葉に、それならば、と団長は引いたのだった。
カフェはハンターたちに改めて告げる。
「領内をひと通り回り、状況を報告してほしい」
そして、と一拍置いて
「ないにこしたことはないのだが」
と続ける。
「ゴブリンを含め、何らかの敵勢を発見した場合はすみやかに処理してほしい」
嫌な予感ほどよく当たる。
照りつける太陽による熱とは別に、カフェにはそんな予感があった。
リプレイ本文
●
「なんか、嫌なにおいのする依頼ね」
ルサスール領の街道を歩きながら、レウィル=スフェーン(ka4689)がふと呟く。
見上げれは、晴天の空。嫌な予感が嘘であればいい。
そう思っていた矢先、レウィルの隣でエリス・カルディコット(ka2572)が表情を曇らせた。
「……本当に嫌な予感ほど当たる、といいますね」
指差す先に見えたのは、一つの村……からもうもうと立ち上がる煙だった。
どうやら狼煙らしく、最上 風(ka0891)がアンチョコを取り出して告げる。
「ピンチ、助けてってところですね」
「急いだほうが良さそうだな、ヴォーイ!」
「わるわるさー!」
愛馬を駆って、レイオス・アクアウォーカー(ka1990)が飛び出す。
呼びかけに応え、ヴォーイ・スマシェストヴィエ(ka1613)も魔導バイクを起動させた。
「急ぐ前に、お一つどうぞー」
自分のペースで風は、プロテクションをかけヴォーイの身体に光を覆わせる。
「こちらも!」
五光 除夜(ka4323)もレイオスに対して、防御力を高めるエネルギーを流し込む。
二人が先行するのを、残るハンターが追いかける。
(さて、北の方で何かがあって、ゴブリンが逃げざるをえない状況……ってのは掴んでるッスが)
高円寺 義経(ka4362)は脚に集中させたマテリアルで加速しながら、考える。
(……まだピースが足りない。何かわかればいいッスけどね)
「フラグ乙。ということかしらね」
案の定、という表情で遥・シュテルンメーア(ka0914)はぐっと胸を張る。
「暑くなって作業効率が落ちるのもわかるけど、変なのも活発になって沸くからね」
変なのと揶揄されたゴブリンたちだが、遥はビキニアーマーを着ていた。
「涼しさと防御を両立させたこのデザイン、ビキニアーマーを着ればいいのよ」
「その話は後でね」
目の前の状況を見て、日下 菜摘(ka0881)がそっとたしなめる。
「……かろうじて間に合ったみたいですね」
10体ほどのゴブリンが、村を襲っていた。見れば、弓や斧を持ったものも多い。
先行したレイオスとヴォーイは、ゴブリンと対峙する自警団に接近を果たそうとしていた。
「村の安全を守る為にも一刻も早い排除をしなくてはなりません。私も尽力させて頂きます」
ぎゅっと鞭を掴んで、菜摘が駆け出す。
「どれどれ……敵の配置と編成はっと」
「ヨシツネ、どうなんだい?」
「見た感じ、魔法が使えるのもいるッスね。バラエティ豊かッス」
「なら、左右から……」
レウィルと義経が算段を立てていると、
「んふふっ、こういうときは派手にぶちかましちゃうのがいいよね?」
夢路 まよい(ka1328)がやる気満々に、そう宣言した。
「撹乱後に、左右から」とレウィルは言い直す。
「基本はさっき話してたとおりでいきましょう」
菜摘が哨戒中に話していた、戦闘になった場合の分担を確認する。
それに異論はなかった。
●
「ここまで遠距離なのは初めてでございますが……狙い撃たせて頂きます」
表情を引き締め、闘いの狼煙はエリスの銃撃によってあげられた。
マテリアルによって十全に射程を伸ばし、弾丸を加速させる。
「……!?」
惜しくもゴブリンの手前で地面を抉ったが、敵襲を知らせるには十分だった。
「さぁ、私の射程は貴方達の倍近くはございますよ? それでも勇気のある方は前へ出てくださいませ」
その声は聞こえていないだろうが、萎縮しかけたゴブリンを後方の隊長格が恫喝する。
取り残された自警団へ襲いかかろうとする前に、レイオスとヴォーイが割り込んだ。
「早く下がれ! ここはオレが止める!」
馬から下りながら、レイオスが叫ぶ。
魔導バイクを自警団の盾にしながら、ヴォーイが戦斧を振るい上げる。
「一旦隠れろ、俺らがこいつら引き寄せてやるぜ」
視線をゴブリンどもへ戻した矢先、魔法の矢が革製のベストを穿つ。
痛みに耐えつつ、動物霊の力を借りて視力を高めた。
「魔法使いまでいるみたいだな」
弓を弾きながら、レイオスは刀を構える。
乱戦では危険が及ぶため、愛馬のラディッシュはすぐさま下がらせた。
入れ替わるように飛んできたのは、赤々とした火球だった。
「派手にふっとんじゃえ!」
楽しげに声を上げるのは、まよいだ。
火球は敵前衛の中心部分で弾ける。短剣を持ったゴブリン2体と斧持ち1体を焼きにかかる……が。
素早く立ちまわったゴブリンたちは、1体を除いて難を逃れた。
「行かせないっ」
混乱する場へ駈け出したのはレイオス。移動の勢いを武器載せて、なぎ払う。
しかし、放たれた矢を防ぐのに気を削がれ、刃は空を切る。
「相変わらずの数だのみだな。だが、いつまでも通じると思うなよ!」
前線への圧力を掛けるように、続けざまに菜摘が光弾を放つ。
これも地を抉る。
歯噛みしている場合ではない。
ヴォーイの戦斧が、まずは一体目のゴブリンを薙ぐ。
合わせるように、一発の弾丸がその顔面を吹き飛ばした。
さらに弾丸は後方の弓持ち達の気勢を削ぐように、放たれる。
「これで少しでも、前衛の方の負担を減らせれば良いのですが」
狙撃手エリスは、そう漏らすのだった。
一方、
「そこまでだ! ゴブリン達!」
さらに猛攻をくぐり抜けて飛び出さんとした一体へ、除夜が肉薄する。
本当は高いところにでも登りたいが、
「人が瞳に明日を写すのならば、私は現れる――!」
緊急事態の今は簡略し、決め台詞だけを携えて刀を抜く。
まよいに焼かれたゴブリンだ。
除夜の口上に、すくんだところに刃が届く。
「一切万事! 打ち砕く! ナインブレイド流、手砕き!」
武器破壊を狙った一撃で、ゴブリンの持つダガー諸共、腕を切り飛ばす。
バランスを崩したゴブリンの胸元へ、一発の弾丸が吸い込まれた。
「不用意に前に出ようとするから、バチが当たったのよ」
水中銃の銃口を下げ、遥が告げる。
最前線を張っていた、ただのゴブリンはぶっ倒れた。
弓や魔法は前線へ向かうハンターへ意識が向いている。
「今のうちに下がるんだ。後ろで、監視を頼む」
手短に自警団員へ述べ、前へ出るのはレウィルだ。
投げられた双眼鏡を手に、下がっていく団員たちを見届けて刀を抜く。
「そっちを頼んだッスよ」
レウィルと逆側へ、義経が向かう。
ふた手に別れ、それぞれに中衛を狙う。
「村の方はお任せしますよー? 何かあれば連絡ください」
後方まで逃げてこれた自警団員に風がいう。
伏兵や奇襲に備えて、可能ならば村周辺を見まわるよう頼んだのだ。
もちろん、今いる敵兵が住民へ危害を加えないよう見張るのも必要である。
「外へ出るのは、まだ危険ですからねー。ちゃんと住民も説き伏せておいてください」
そういいながら風は少し前へ出る。
混戦気味の戦場で、そろそろ手痛い攻撃を受け始める頃であった。
●
「さすがビキニアーマー、なんともないわ!」
とかいいながら、高速で動かす盾でちゃっかり矢を防ぐ遥。
返す弾丸は、残念ながら虚空へと消えた。
その視線の先では、レイオスが弾丸を避けたゴブリンの胸元へ、切っ先を叩き込んでいた。
ぐらりとゴブリンの手から斧がこぼれ落ちる。
「これじゃ、炎は難しいわね」
まよいは頭を切り替えて、レイオスが崩した斧持ちゴブリンへ風刃を放ち、とどめを刺す。
中央はレイオスとヴォーイ、左舷にレウィル、右舷に義経と除夜が攻めこむ。
続けて、菜摘。さらに後方から遥とまよいが迫る。
「下手な真似はさせないですよ」
戦線から外れようとすれば、エリスの弾丸が遥か先から阻む。
斧持ちは残り1体、残すは遠距離組と一際目立つリーダー格のゴブリンだ。
「くっ」
片腕に刺さった矢を抜いて、レウィルは歯噛みする。
弓持ちに一撃を与えた後、距離を取られたのだ。
そして、間を阻むようにリーダー格のゴブリンが追撃をかけてきた。
「一度下がった方がいい」
レイオスがリーダー格の斧をさばきながら、踏み込んでくる。
レウィルは頷くと、後退した。同時に、ヴォーイも回復に走る。
「合間は任せてくださいね」
入れ替わり、菜摘がやや前へ出る。
全身を活性化させ、矢を鞭で捌きながら距離を詰めていく。
その先へ除夜が駆け抜ける。
「援護します! 頑張ってください!」
鼓舞するように声を張り上げ、弓持ちゴブリンの真正面へ飛び込む。
一方の左舷では、義経が撹乱するように駆けまわっていた。
距離を少し開け、弓や魔法の矢を引きつける。
意識が義経へ向いたところへ、横殴りするようにまよいが炎弾を叩き込んだ。
「二発目のお味はいかが?」
「回復するので、余裕があれば出来るだけ、ひっついてくださいねー?」
緊張感のほぐれる声で、風が指示する。
下がってきたのは、レウィルとヴォーイである。
「こいつら、やけに必死でない?」
「それだけの事情があるのだろう……聞けるのなら聞きたいところだが」
退いてくれるのであれば、問題がないのだが。
リーダー格のゴブリンは、見るからにそういう手合ではない。
レイオスへの一撃を狙って、おおぶりをかます。
返されるレイオスの刃は、ぎりぎりのところでかわし続けていた。
「おーけーですよー」
やわらかな光が収束していく。
レウィルは矢を受けた腕を確かめると、風へと軽く頷いた。
「今のところ、自警団の方からおかわりの報告はありません」
戻る二人へ風が一応の報告を入れる。
そうなれば、まずは目の前のゴブリンを倒しきることが肝要だ。
「一気に決めたいところだな」
●
その心とは裏腹に、
「いい加減、あたってくれないかなー」
まよいは頬をふくらませていた。
続けざまに放った炎弾は、当たりはするものの対象がバラけていた。
結果として、致命傷に至らないのである。
「畳み掛けましょう。相手は近接戦闘は苦手のはずです」
菜摘が告げながら、ムチを振るう。これは避けられるが、肉薄した除夜が隙を逃さずに刃を突き入れる。
「これ以上は下がらせませんよ」
距離を取ろうとした弓持ちを縫い止めるように、エリスが弾丸を放つ。
半歩下がったところを狙い撃たれ、ゴブリンの足が止まる。
「バラけるなら、まとめればいいのよね」
のんきな結論を出して、まよいは風刃に手段を切り替えた。
菜摘たちが追い縋る弓持ちに的を絞って、風刃を放つ。
肩を裂かれ、弓持ちの攻撃が止まる。
「ブシドーとは、護り事なり! 敗北は許されぬ!」
ここで逃しては、誰かが傷つく。
シュッと風切り音をたてて、除夜の刃がゴブリンを袈裟斬りにした。
どっと膝を折り、ゴブリンが地に伏せる。
「まだだ……次へ」
油断せず、自身に防御力を高めるエネルギーを流し込む。
菜摘へも同様にエネルギーを与え、戦場を見渡す。
除夜の視線の先では、義経がもう片方の弓持ちにトドメを刺すところだった。
深々と突き刺した黒き刃を抜き去り、一度払う。
視界の端で、ヴォーイがゴブリンメイジへと引導を渡そうとしていた。
「ヴォーイさん、ちょっと待つッス」
「ん?」
振り上げた斧を下ろし、変な動きをしないよう、ゴブリンメイジの前面に叩きつける。
ビクッと肩を震わせたメイジから義経は、杖を取り上げた。
「聞きたいことが……」
「なら、任せるぜ? 向こうの応援に行く」
もう一体残っていた弓持ちを始末すべく、ヴォーイは去る。
義経はさて、とメイジへ向き直るとナイフの刃を見せながらいう。
「勝負あったッスよ? このままなら、リーダー格もじきに崩れるッス」
ちらりと見れば、レイオスとの打ち合いは熾烈を極めていた。
一方で、菜摘がときおり光弾を放って牽制し、その動きを鈍らせていた。
「多勢に無勢、わかるッスね?」
ゴブリンの表情は人間のと違い、そこまで読めない。
だが、明らかに恭順の意を示そうとしていた。
「北の方で何があったか、教えておとなしくすりゃあ命までは取らないッス」
ゴブリンの目が泳ぐ。少し間を置いて、その口が動いた。
義経がその声に耳を傾けようとした、そのとき――。
「……!!」
雄叫びとともに、太い矢がメイジの頭を砕いた。
「そーいうこと、するんッスね……」
睨めつけた先には、リーダー格のゴブリン。
もう一匹のメイジへも、恫喝の声を上げ、釘を刺す。
「あんたを倒せば、教えてくれるか?」
レイオスが切っ先を向けて聞いてみるが、帰ってきたのは斧の刃だけだった。
「余計なことをしてくれたようだね」
レウィルが対峙していたメイジの表情が変わったのに気付いて、声をこぼす。
もはや悪あがきに近いが、こちらに何かを与えてくれる様子はない。
むしろ狂乱に陥っているようですら、あった。
「少し同情するわ」
こうなってしまっては、どうしようもない。
遥が肩をすくめながら、トドメの引き金を引いた。
同時に別の銃声が響く。メイジが倒れたのを確認し、目をやれば、最後の弓持ちが崩れていた。
除夜とヴォーイに追い込まれたところを、エリスに撃たれたのだ。
残るは、いよいよリーダー格のゴブリンだけである。
それも、終わりに近づいていた。
「どうしてそこまで必死なのかな?」
意匠の凝った木製の杖から、風刃を放ち、まよいが疑問を口にする。
ただし、そいつは答えてくれそうになかった。
「そろそろ、終わりにしよう」
満身創痍のゴブリンへ、レイオスが問いかける。
レイオスの纏う金属鎧を、リーダー格の斧は貫けていなかった。
自分はといえば、瀕死といっても差し支えないざまである。
「……」
静かに呼吸を整え、ゴブリンが強く踏み出す。
間合いを図っていたレイオスも駆け出すと同時に、刺突の構えに入った。
ゴブリンの目が見開かれる。
レイオスの刃が、喉元へ食らいついていたのだ。
絶命の叫びを上げることなく、ゴブリンの手から斧が滑り落ちる。
「最後に一撃、もらったか……」
レイオスが声をこぼす。
鎧の継ぎ目に、斧の刃が確かに食い込んでいた。
●
「……今回のゴブリンの動きが、なにか大きな変事の前触れでないと良いのですけれど」
レイオスの傷を癒やしながら、菜摘が漏らす。
「えぇ。最近、ゴブリンが活発化している話をよく聞きますね」
エリスは返事を返しながら、愛銃を撫でていた。
「今回は、この子のおかげで助かりました」
「それにしても、警戒を増やしてるって聞いたが、これだけの数……一体どこから湧いてきたんだか」
とレイナスが会話に加わる。
「偶然ではないでしょうねー」と風。
「この村には何もないようだが」
自警団員から話を聞いた、レウィルも話に入る。
義経も、当のゴブリンから情報を聞き出せなかったことを悔やんでいた。
「住処を追われたから……かもしれないな」
ヴォーイがそんな推測を口にしながら魔導バイクを点検していると、
「あーっ!?」と叫びを上げた。
「ど、どうしたの?」
近くにいた除夜がおっかなびっくり問いかけると、魔導バイクの1点を指差す。
「これを見てくれ……パーツが壊れてる」
重要ではないが必要な部分が破損していた。
自警団員を守るためとはいえ、高い出費に嘆きの声を上げる。
「ゴブリンがいそうな場所を洗うのがいいでしょうね」
「そうね。徹底的に山狩りしたほうがいいと思うわ」
エリスと遥が口々に告げる。
「さて」
ある程度話がまとまったところで、風が手を叩く。
「サチコさん達への、良い土産が出来ましたねー」
「おー、それなら、アジトで報告会といこうぜ」
風の言葉にヴォーイがそんな発言をする。
「会えるのなら、悪の組織首領に必要なのは高笑いとビキニアーマーだと教えないとね」
遥の言葉に、サチコはくしゃみをしたとかなんとか。
「じゃあ、行こうかー」
村を巡ってきたまよいがいう。
何かがこの王国の北で起こっているのは間違いない。
しかし、断定するピースがまだ足りてはいない。
この一件をサチコに報告したことで、彼女の心に何かが芽生えるのだが。
それはまた別のお話……。
「なんか、嫌なにおいのする依頼ね」
ルサスール領の街道を歩きながら、レウィル=スフェーン(ka4689)がふと呟く。
見上げれは、晴天の空。嫌な予感が嘘であればいい。
そう思っていた矢先、レウィルの隣でエリス・カルディコット(ka2572)が表情を曇らせた。
「……本当に嫌な予感ほど当たる、といいますね」
指差す先に見えたのは、一つの村……からもうもうと立ち上がる煙だった。
どうやら狼煙らしく、最上 風(ka0891)がアンチョコを取り出して告げる。
「ピンチ、助けてってところですね」
「急いだほうが良さそうだな、ヴォーイ!」
「わるわるさー!」
愛馬を駆って、レイオス・アクアウォーカー(ka1990)が飛び出す。
呼びかけに応え、ヴォーイ・スマシェストヴィエ(ka1613)も魔導バイクを起動させた。
「急ぐ前に、お一つどうぞー」
自分のペースで風は、プロテクションをかけヴォーイの身体に光を覆わせる。
「こちらも!」
五光 除夜(ka4323)もレイオスに対して、防御力を高めるエネルギーを流し込む。
二人が先行するのを、残るハンターが追いかける。
(さて、北の方で何かがあって、ゴブリンが逃げざるをえない状況……ってのは掴んでるッスが)
高円寺 義経(ka4362)は脚に集中させたマテリアルで加速しながら、考える。
(……まだピースが足りない。何かわかればいいッスけどね)
「フラグ乙。ということかしらね」
案の定、という表情で遥・シュテルンメーア(ka0914)はぐっと胸を張る。
「暑くなって作業効率が落ちるのもわかるけど、変なのも活発になって沸くからね」
変なのと揶揄されたゴブリンたちだが、遥はビキニアーマーを着ていた。
「涼しさと防御を両立させたこのデザイン、ビキニアーマーを着ればいいのよ」
「その話は後でね」
目の前の状況を見て、日下 菜摘(ka0881)がそっとたしなめる。
「……かろうじて間に合ったみたいですね」
10体ほどのゴブリンが、村を襲っていた。見れば、弓や斧を持ったものも多い。
先行したレイオスとヴォーイは、ゴブリンと対峙する自警団に接近を果たそうとしていた。
「村の安全を守る為にも一刻も早い排除をしなくてはなりません。私も尽力させて頂きます」
ぎゅっと鞭を掴んで、菜摘が駆け出す。
「どれどれ……敵の配置と編成はっと」
「ヨシツネ、どうなんだい?」
「見た感じ、魔法が使えるのもいるッスね。バラエティ豊かッス」
「なら、左右から……」
レウィルと義経が算段を立てていると、
「んふふっ、こういうときは派手にぶちかましちゃうのがいいよね?」
夢路 まよい(ka1328)がやる気満々に、そう宣言した。
「撹乱後に、左右から」とレウィルは言い直す。
「基本はさっき話してたとおりでいきましょう」
菜摘が哨戒中に話していた、戦闘になった場合の分担を確認する。
それに異論はなかった。
●
「ここまで遠距離なのは初めてでございますが……狙い撃たせて頂きます」
表情を引き締め、闘いの狼煙はエリスの銃撃によってあげられた。
マテリアルによって十全に射程を伸ばし、弾丸を加速させる。
「……!?」
惜しくもゴブリンの手前で地面を抉ったが、敵襲を知らせるには十分だった。
「さぁ、私の射程は貴方達の倍近くはございますよ? それでも勇気のある方は前へ出てくださいませ」
その声は聞こえていないだろうが、萎縮しかけたゴブリンを後方の隊長格が恫喝する。
取り残された自警団へ襲いかかろうとする前に、レイオスとヴォーイが割り込んだ。
「早く下がれ! ここはオレが止める!」
馬から下りながら、レイオスが叫ぶ。
魔導バイクを自警団の盾にしながら、ヴォーイが戦斧を振るい上げる。
「一旦隠れろ、俺らがこいつら引き寄せてやるぜ」
視線をゴブリンどもへ戻した矢先、魔法の矢が革製のベストを穿つ。
痛みに耐えつつ、動物霊の力を借りて視力を高めた。
「魔法使いまでいるみたいだな」
弓を弾きながら、レイオスは刀を構える。
乱戦では危険が及ぶため、愛馬のラディッシュはすぐさま下がらせた。
入れ替わるように飛んできたのは、赤々とした火球だった。
「派手にふっとんじゃえ!」
楽しげに声を上げるのは、まよいだ。
火球は敵前衛の中心部分で弾ける。短剣を持ったゴブリン2体と斧持ち1体を焼きにかかる……が。
素早く立ちまわったゴブリンたちは、1体を除いて難を逃れた。
「行かせないっ」
混乱する場へ駈け出したのはレイオス。移動の勢いを武器載せて、なぎ払う。
しかし、放たれた矢を防ぐのに気を削がれ、刃は空を切る。
「相変わらずの数だのみだな。だが、いつまでも通じると思うなよ!」
前線への圧力を掛けるように、続けざまに菜摘が光弾を放つ。
これも地を抉る。
歯噛みしている場合ではない。
ヴォーイの戦斧が、まずは一体目のゴブリンを薙ぐ。
合わせるように、一発の弾丸がその顔面を吹き飛ばした。
さらに弾丸は後方の弓持ち達の気勢を削ぐように、放たれる。
「これで少しでも、前衛の方の負担を減らせれば良いのですが」
狙撃手エリスは、そう漏らすのだった。
一方、
「そこまでだ! ゴブリン達!」
さらに猛攻をくぐり抜けて飛び出さんとした一体へ、除夜が肉薄する。
本当は高いところにでも登りたいが、
「人が瞳に明日を写すのならば、私は現れる――!」
緊急事態の今は簡略し、決め台詞だけを携えて刀を抜く。
まよいに焼かれたゴブリンだ。
除夜の口上に、すくんだところに刃が届く。
「一切万事! 打ち砕く! ナインブレイド流、手砕き!」
武器破壊を狙った一撃で、ゴブリンの持つダガー諸共、腕を切り飛ばす。
バランスを崩したゴブリンの胸元へ、一発の弾丸が吸い込まれた。
「不用意に前に出ようとするから、バチが当たったのよ」
水中銃の銃口を下げ、遥が告げる。
最前線を張っていた、ただのゴブリンはぶっ倒れた。
弓や魔法は前線へ向かうハンターへ意識が向いている。
「今のうちに下がるんだ。後ろで、監視を頼む」
手短に自警団員へ述べ、前へ出るのはレウィルだ。
投げられた双眼鏡を手に、下がっていく団員たちを見届けて刀を抜く。
「そっちを頼んだッスよ」
レウィルと逆側へ、義経が向かう。
ふた手に別れ、それぞれに中衛を狙う。
「村の方はお任せしますよー? 何かあれば連絡ください」
後方まで逃げてこれた自警団員に風がいう。
伏兵や奇襲に備えて、可能ならば村周辺を見まわるよう頼んだのだ。
もちろん、今いる敵兵が住民へ危害を加えないよう見張るのも必要である。
「外へ出るのは、まだ危険ですからねー。ちゃんと住民も説き伏せておいてください」
そういいながら風は少し前へ出る。
混戦気味の戦場で、そろそろ手痛い攻撃を受け始める頃であった。
●
「さすがビキニアーマー、なんともないわ!」
とかいいながら、高速で動かす盾でちゃっかり矢を防ぐ遥。
返す弾丸は、残念ながら虚空へと消えた。
その視線の先では、レイオスが弾丸を避けたゴブリンの胸元へ、切っ先を叩き込んでいた。
ぐらりとゴブリンの手から斧がこぼれ落ちる。
「これじゃ、炎は難しいわね」
まよいは頭を切り替えて、レイオスが崩した斧持ちゴブリンへ風刃を放ち、とどめを刺す。
中央はレイオスとヴォーイ、左舷にレウィル、右舷に義経と除夜が攻めこむ。
続けて、菜摘。さらに後方から遥とまよいが迫る。
「下手な真似はさせないですよ」
戦線から外れようとすれば、エリスの弾丸が遥か先から阻む。
斧持ちは残り1体、残すは遠距離組と一際目立つリーダー格のゴブリンだ。
「くっ」
片腕に刺さった矢を抜いて、レウィルは歯噛みする。
弓持ちに一撃を与えた後、距離を取られたのだ。
そして、間を阻むようにリーダー格のゴブリンが追撃をかけてきた。
「一度下がった方がいい」
レイオスがリーダー格の斧をさばきながら、踏み込んでくる。
レウィルは頷くと、後退した。同時に、ヴォーイも回復に走る。
「合間は任せてくださいね」
入れ替わり、菜摘がやや前へ出る。
全身を活性化させ、矢を鞭で捌きながら距離を詰めていく。
その先へ除夜が駆け抜ける。
「援護します! 頑張ってください!」
鼓舞するように声を張り上げ、弓持ちゴブリンの真正面へ飛び込む。
一方の左舷では、義経が撹乱するように駆けまわっていた。
距離を少し開け、弓や魔法の矢を引きつける。
意識が義経へ向いたところへ、横殴りするようにまよいが炎弾を叩き込んだ。
「二発目のお味はいかが?」
「回復するので、余裕があれば出来るだけ、ひっついてくださいねー?」
緊張感のほぐれる声で、風が指示する。
下がってきたのは、レウィルとヴォーイである。
「こいつら、やけに必死でない?」
「それだけの事情があるのだろう……聞けるのなら聞きたいところだが」
退いてくれるのであれば、問題がないのだが。
リーダー格のゴブリンは、見るからにそういう手合ではない。
レイオスへの一撃を狙って、おおぶりをかます。
返されるレイオスの刃は、ぎりぎりのところでかわし続けていた。
「おーけーですよー」
やわらかな光が収束していく。
レウィルは矢を受けた腕を確かめると、風へと軽く頷いた。
「今のところ、自警団の方からおかわりの報告はありません」
戻る二人へ風が一応の報告を入れる。
そうなれば、まずは目の前のゴブリンを倒しきることが肝要だ。
「一気に決めたいところだな」
●
その心とは裏腹に、
「いい加減、あたってくれないかなー」
まよいは頬をふくらませていた。
続けざまに放った炎弾は、当たりはするものの対象がバラけていた。
結果として、致命傷に至らないのである。
「畳み掛けましょう。相手は近接戦闘は苦手のはずです」
菜摘が告げながら、ムチを振るう。これは避けられるが、肉薄した除夜が隙を逃さずに刃を突き入れる。
「これ以上は下がらせませんよ」
距離を取ろうとした弓持ちを縫い止めるように、エリスが弾丸を放つ。
半歩下がったところを狙い撃たれ、ゴブリンの足が止まる。
「バラけるなら、まとめればいいのよね」
のんきな結論を出して、まよいは風刃に手段を切り替えた。
菜摘たちが追い縋る弓持ちに的を絞って、風刃を放つ。
肩を裂かれ、弓持ちの攻撃が止まる。
「ブシドーとは、護り事なり! 敗北は許されぬ!」
ここで逃しては、誰かが傷つく。
シュッと風切り音をたてて、除夜の刃がゴブリンを袈裟斬りにした。
どっと膝を折り、ゴブリンが地に伏せる。
「まだだ……次へ」
油断せず、自身に防御力を高めるエネルギーを流し込む。
菜摘へも同様にエネルギーを与え、戦場を見渡す。
除夜の視線の先では、義経がもう片方の弓持ちにトドメを刺すところだった。
深々と突き刺した黒き刃を抜き去り、一度払う。
視界の端で、ヴォーイがゴブリンメイジへと引導を渡そうとしていた。
「ヴォーイさん、ちょっと待つッス」
「ん?」
振り上げた斧を下ろし、変な動きをしないよう、ゴブリンメイジの前面に叩きつける。
ビクッと肩を震わせたメイジから義経は、杖を取り上げた。
「聞きたいことが……」
「なら、任せるぜ? 向こうの応援に行く」
もう一体残っていた弓持ちを始末すべく、ヴォーイは去る。
義経はさて、とメイジへ向き直るとナイフの刃を見せながらいう。
「勝負あったッスよ? このままなら、リーダー格もじきに崩れるッス」
ちらりと見れば、レイオスとの打ち合いは熾烈を極めていた。
一方で、菜摘がときおり光弾を放って牽制し、その動きを鈍らせていた。
「多勢に無勢、わかるッスね?」
ゴブリンの表情は人間のと違い、そこまで読めない。
だが、明らかに恭順の意を示そうとしていた。
「北の方で何があったか、教えておとなしくすりゃあ命までは取らないッス」
ゴブリンの目が泳ぐ。少し間を置いて、その口が動いた。
義経がその声に耳を傾けようとした、そのとき――。
「……!!」
雄叫びとともに、太い矢がメイジの頭を砕いた。
「そーいうこと、するんッスね……」
睨めつけた先には、リーダー格のゴブリン。
もう一匹のメイジへも、恫喝の声を上げ、釘を刺す。
「あんたを倒せば、教えてくれるか?」
レイオスが切っ先を向けて聞いてみるが、帰ってきたのは斧の刃だけだった。
「余計なことをしてくれたようだね」
レウィルが対峙していたメイジの表情が変わったのに気付いて、声をこぼす。
もはや悪あがきに近いが、こちらに何かを与えてくれる様子はない。
むしろ狂乱に陥っているようですら、あった。
「少し同情するわ」
こうなってしまっては、どうしようもない。
遥が肩をすくめながら、トドメの引き金を引いた。
同時に別の銃声が響く。メイジが倒れたのを確認し、目をやれば、最後の弓持ちが崩れていた。
除夜とヴォーイに追い込まれたところを、エリスに撃たれたのだ。
残るは、いよいよリーダー格のゴブリンだけである。
それも、終わりに近づいていた。
「どうしてそこまで必死なのかな?」
意匠の凝った木製の杖から、風刃を放ち、まよいが疑問を口にする。
ただし、そいつは答えてくれそうになかった。
「そろそろ、終わりにしよう」
満身創痍のゴブリンへ、レイオスが問いかける。
レイオスの纏う金属鎧を、リーダー格の斧は貫けていなかった。
自分はといえば、瀕死といっても差し支えないざまである。
「……」
静かに呼吸を整え、ゴブリンが強く踏み出す。
間合いを図っていたレイオスも駆け出すと同時に、刺突の構えに入った。
ゴブリンの目が見開かれる。
レイオスの刃が、喉元へ食らいついていたのだ。
絶命の叫びを上げることなく、ゴブリンの手から斧が滑り落ちる。
「最後に一撃、もらったか……」
レイオスが声をこぼす。
鎧の継ぎ目に、斧の刃が確かに食い込んでいた。
●
「……今回のゴブリンの動きが、なにか大きな変事の前触れでないと良いのですけれど」
レイオスの傷を癒やしながら、菜摘が漏らす。
「えぇ。最近、ゴブリンが活発化している話をよく聞きますね」
エリスは返事を返しながら、愛銃を撫でていた。
「今回は、この子のおかげで助かりました」
「それにしても、警戒を増やしてるって聞いたが、これだけの数……一体どこから湧いてきたんだか」
とレイナスが会話に加わる。
「偶然ではないでしょうねー」と風。
「この村には何もないようだが」
自警団員から話を聞いた、レウィルも話に入る。
義経も、当のゴブリンから情報を聞き出せなかったことを悔やんでいた。
「住処を追われたから……かもしれないな」
ヴォーイがそんな推測を口にしながら魔導バイクを点検していると、
「あーっ!?」と叫びを上げた。
「ど、どうしたの?」
近くにいた除夜がおっかなびっくり問いかけると、魔導バイクの1点を指差す。
「これを見てくれ……パーツが壊れてる」
重要ではないが必要な部分が破損していた。
自警団員を守るためとはいえ、高い出費に嘆きの声を上げる。
「ゴブリンがいそうな場所を洗うのがいいでしょうね」
「そうね。徹底的に山狩りしたほうがいいと思うわ」
エリスと遥が口々に告げる。
「さて」
ある程度話がまとまったところで、風が手を叩く。
「サチコさん達への、良い土産が出来ましたねー」
「おー、それなら、アジトで報告会といこうぜ」
風の言葉にヴォーイがそんな発言をする。
「会えるのなら、悪の組織首領に必要なのは高笑いとビキニアーマーだと教えないとね」
遥の言葉に、サチコはくしゃみをしたとかなんとか。
「じゃあ、行こうかー」
村を巡ってきたまよいがいう。
何かがこの王国の北で起こっているのは間違いない。
しかし、断定するピースがまだ足りてはいない。
この一件をサチコに報告したことで、彼女の心に何かが芽生えるのだが。
それはまた別のお話……。
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/06/11 02:05:19 |
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相談卓 最上 風(ka0891) 人間(リアルブルー)|10才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/06/14 20:41:15 |