ゲスト
(ka0000)
【東征】青年が見た西方
マスター:赤山優牙

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/06/22 07:30
- 完成日
- 2015/06/26 17:43
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●天ノ都のとある屋敷にて
大轟寺家は古参の武家四十八家の一つだ。
武家四十八家門、第一位立花院家には及ばないにしても、その影響力は第九位として相当なものがある……はず……なのだが……。
「凄い! なんだ、アレは!」
眼鏡のフレームがキラリと光った。
整った顔立ちはわずかに幼さがどことなく残っている眼鏡をかけた好青年が、屋敷から見える光景に驚いていた。
「こら! 蒼人!」
屋敷の中から、彼の父親の叫び声が聞こえてくる。
野次馬根性丸出しで屋敷から顔を飛びだしている息子に怒っているのだろう。
蒼人と呼ばれた青年は眼鏡を右手中指でクイっと直すと、父親に振り返る。
「現当主である僕を呼び捨てすると――」
「俺がこんな状態だから、仕方なくお前に家督を譲ったのだろうが!」
父親の怒りの言葉と共に小さい壺が飛んできた。
ひょいと華麗に避ける蒼人。
「ふん、戦場に行って怪我して帰ってくる方が悪い」
「それが、父親に向かって言う言葉かぁ!」
「養生してて下さい。僕は、僕なりにやるから」
ひょいひょいと父親が投げる諸々を避けて、蒼人は屋敷から飛び出した。
「この馬鹿息子がぁぁぁ!」
父親の叫び声が空しく響いた。
●蒼人の異文化目撃
「ほぉぉぉ! なんだ、あの鎧はぁぁぁ!」
蒼人が天ノ都に到着した一人のハンターの姿を見て思わず叫ぶ。
「全身に鉄を被っているようではないか! あれは、動きにくくないのか!?」
彼が見ているのは、全身鎧だ。頭のてっぺんから、足先まで守る鎧に目を丸くする。
どの位の強度があるのか、試したくなる。思わず、近くに落ちていた石を拾った。
……が、さすがに、投げつけるにはいかないかと残念そうに石を降ろす。と、そこへ、別のハンターが視界に入った。
「おぉぉぉ! なんと、あの服はなんだ? 傘を腰につけているようではないか!」
蒼人の眼鏡がキラッ☆っと光った。
視線の先には、フリルのドレス姿のハンター。しかも、凄く可愛い。
「これが……これが、西方の人間なのか……」
カルチャーショックが強すぎたようだ。よろめく蒼人は、ずれかけた眼鏡を直す。
残っている文献から知識としては西方がどんな所かは知っていたつもりだった。
百聞は一見にしかずとはこの事か。
「あの傘の様な服の中はいったいどうなっているのだろうか……無駄に動きにくい気もするが……」
捲って確認すべきなのだろうか……いや、西方から戦いに来ているのだ。
もしかして、あの中は武器が満載かもしれない。
「待てよ……西方の人間が、僕達と同じ姿をしているかどうかも確認すべきだな……」
真面目な顔して、しょうもない事を考える蒼人。
「なにか、接触する方法はないものか……」
ふと、『仕事』を思い出した。
天ノ都に住む民の避難場所を作る仕事だ。天ノ都から遠すぎず近すぎずの場所にいくつか避難場所を構築する事になっていた。
万が一、結界が破られたり結果内に敵の侵入を許した際に、民が避難できる場所だ。
「西方には優れた築城の技術もあると聞くし、これは手伝って貰うのにいいかもしれないな」
我ながらの妙案に思わず笑みを浮かべる蒼人。
依頼を出す為に、彼はさっそく自身の屋敷へと戻って行った。
大轟寺家は古参の武家四十八家の一つだ。
武家四十八家門、第一位立花院家には及ばないにしても、その影響力は第九位として相当なものがある……はず……なのだが……。
「凄い! なんだ、アレは!」
眼鏡のフレームがキラリと光った。
整った顔立ちはわずかに幼さがどことなく残っている眼鏡をかけた好青年が、屋敷から見える光景に驚いていた。
「こら! 蒼人!」
屋敷の中から、彼の父親の叫び声が聞こえてくる。
野次馬根性丸出しで屋敷から顔を飛びだしている息子に怒っているのだろう。
蒼人と呼ばれた青年は眼鏡を右手中指でクイっと直すと、父親に振り返る。
「現当主である僕を呼び捨てすると――」
「俺がこんな状態だから、仕方なくお前に家督を譲ったのだろうが!」
父親の怒りの言葉と共に小さい壺が飛んできた。
ひょいと華麗に避ける蒼人。
「ふん、戦場に行って怪我して帰ってくる方が悪い」
「それが、父親に向かって言う言葉かぁ!」
「養生してて下さい。僕は、僕なりにやるから」
ひょいひょいと父親が投げる諸々を避けて、蒼人は屋敷から飛び出した。
「この馬鹿息子がぁぁぁ!」
父親の叫び声が空しく響いた。
●蒼人の異文化目撃
「ほぉぉぉ! なんだ、あの鎧はぁぁぁ!」
蒼人が天ノ都に到着した一人のハンターの姿を見て思わず叫ぶ。
「全身に鉄を被っているようではないか! あれは、動きにくくないのか!?」
彼が見ているのは、全身鎧だ。頭のてっぺんから、足先まで守る鎧に目を丸くする。
どの位の強度があるのか、試したくなる。思わず、近くに落ちていた石を拾った。
……が、さすがに、投げつけるにはいかないかと残念そうに石を降ろす。と、そこへ、別のハンターが視界に入った。
「おぉぉぉ! なんと、あの服はなんだ? 傘を腰につけているようではないか!」
蒼人の眼鏡がキラッ☆っと光った。
視線の先には、フリルのドレス姿のハンター。しかも、凄く可愛い。
「これが……これが、西方の人間なのか……」
カルチャーショックが強すぎたようだ。よろめく蒼人は、ずれかけた眼鏡を直す。
残っている文献から知識としては西方がどんな所かは知っていたつもりだった。
百聞は一見にしかずとはこの事か。
「あの傘の様な服の中はいったいどうなっているのだろうか……無駄に動きにくい気もするが……」
捲って確認すべきなのだろうか……いや、西方から戦いに来ているのだ。
もしかして、あの中は武器が満載かもしれない。
「待てよ……西方の人間が、僕達と同じ姿をしているかどうかも確認すべきだな……」
真面目な顔して、しょうもない事を考える蒼人。
「なにか、接触する方法はないものか……」
ふと、『仕事』を思い出した。
天ノ都に住む民の避難場所を作る仕事だ。天ノ都から遠すぎず近すぎずの場所にいくつか避難場所を構築する事になっていた。
万が一、結界が破られたり結果内に敵の侵入を許した際に、民が避難できる場所だ。
「西方には優れた築城の技術もあると聞くし、これは手伝って貰うのにいいかもしれないな」
我ながらの妙案に思わず笑みを浮かべる蒼人。
依頼を出す為に、彼はさっそく自身の屋敷へと戻って行った。
リプレイ本文
●
(……ここが東方。どんな人達が、どんな風に暮らしているのかしら)
風で流れる自身の青い髪をそのままに、天ノ都郊外の丘から見える都を眺めながらセイラ・イシュリエル(ka4820)が、そんな事を思う。
西方から遠く離れたこの地でも、人の営みはある。しかし、風前の灯とも言える。
歪虚の脅威に晒されている天ノ都の光景が、ふと、黒大公襲撃前の王都を思い出させた。
「王国で、重傷を負ってしまったが、何もしないと言うわけには、いかないな」
オルドレイル(ka0621)の発した言葉は、どこか苦しげであった。
王国北部での別依頼で負った傷が痛む。三つ首の魔犬との戦闘で受けたものだ。
直接的な避難所作りへの参加は難しいかもしれないが、作業のサポートはできるはず。
「そうでござるよ、オルドレイル殿。拙者も、拙者の仕事をするだけにござるよ~」
半紙と筆を片手で持ち、烏丸 薫(ka1964)は、オルドレイルを励ますように言った。
作るのは避難所という事であるが、地形を見る限り、砦でもできそうでもあると思う。
「さて、一体、どんな避難所ができるかでござるな」
都から集まって来た作業員達の姿を見る。
「ひとくちに、『万が一』と言っていても、詰めは甘そうですね」
考える様な身振りで天央 観智(ka0896)は、周囲を見渡す。
依頼主である大轟寺蒼人から具体的に色々と伺いたいと思っていた。
そもそも、どうして結界で守られている天ノ都に避難所が必要なのか。避難する事になる理由や想定される危険とは何なのか。
それらが分かれば、避難所としての方向性も見えてくるというものだ。
クラリッサ=W・ソルシエール(ka0659)が、既に建て始めの避難小屋の一つをみつめていた。
(ふむ……これが東方の建築物か。まるで日本の古都を連想させる建築様式じゃな)
羽重ねの板を見て思った。転移前は文化人類学を専行していた。
時間があれば、東方の文化について、直に調査してみたいものだと感じる。
全員から少し遅れて現場にやってきたのは、エヴァンス・カルヴィ(ka0639)だった。
人の背丈はあろうという大剣を背負っている。丸太や板を割るつもりでは……なさそうだ。
「臨時に使う為の避難所とはいえ、少し無防備過ぎるな」
彼の言う通り、確かに周囲には柵もなく、ただ広いだけであった。
「自衛用の武装やそれ以外の備えを用意しておくべきか」
天ノ都は歪虚の勢力に囲まれているのだ。備えはあるに越した事はないだろう。
●
「僕が、武家四十八家門、第九位大轟寺家当主、大轟寺蒼人だ。皆さん、よろしく」
眼鏡の位置をクイクイと中指で直しなが、集まったハンター達に宣言する。
「西方から、わざわざようこそ。美男美女ばかりで、僕はとても嬉しい! 僕は、皆さんを歓迎するよ。ぜひ、この避難所作りを手伝って貰いたい」
興味津々ですと言わなくても分かる様な彼の熱い視線。
「では、さっそく、質問いいでしょうか?」
「観智さんだったね。なんでも答えるよ」
「避難所を作る『万が一』という事について、詳しく訊きたい」
その質問に、蒼人は何度も頷く。
「それは、妾も知っておきたい所じゃ。まず、大前提があるべきだと思うからのう」
クラリッサも追随した。
労力も時間も限られているのであれば、しっかりとした計画が必要なはずだ。
その為にも、目的がハッキリしているといい。
「さすが、西方から来るだけあって、しっかりしているね」
蒼人は満足そうな表情を浮かべていた。
「この天ノ都は結界で守られている。それは、皆さんも知っている事だろう」
東方の大部分は歪虚の勢力域になっている。
残されているのは、天ノ都とその周辺の一部だ。
「歪虚の侵攻から避難する場合を考えていいのじゃな……それは、つまり……」
結界が破られる可能性があるという事をクラリッサは思った。
不吉過ぎて言葉にはしなかった。なぜなら、天ノ都の結界が無くなった時点で、東方の人類は勢力域を失う事を意味するからだ。
「結界が無くなったら、避難所は意味を成さない。けど、一時的な事であれば、十分意味はあると僕は思っているんだ」
「なんらかの事情で一時的に結界が無くなり、歪虚の襲撃があった場合に備えてという事でいいのでしょうか」
「観智さん、ご明答ですよ」
蒼人はグッと親指を立てる。
それが、『万が一』を意味している事なのだ。
「であれば、ある程度の自給自足と防衛施設は必要でござるな」
薫が思いついたようにポンと手を叩く。
歪虚の襲撃で都の機能低下や歪虚の討伐まである程度の時間は必要だろうし、歪虚の襲来にも備える必要はあるだろう。
「私は、生き延びる為の備えも必要だと思うわよ」
応急手当が可能な物資と、それを備蓄する蔵を提案したのはセイラだった。
そして、彼女は丘の下を流れる小川を指差す。
「水を引くのも良いと思うわ」
「水があれば、避難所の中に畑も作る事ができるでござる」
セイラのアイデアに薫も頷きながら続いた。
「風車で汲み上げるというのはどうだろう」
幸い、この丘は風通しが良いみたいだしなとオルドレイルは風を感じながら続けた。
「都に攻め込まれた場合を想定するなら、少なくとも殲滅には数日は要するだろうから、食糧の保存庫もあれば、備えになるな」
彼女は足で地面をトントンと踏み鳴らした。
例えば、穴を掘って冷暗所にしてもいいだろう。
「地下室の類は、考えていなかったよ。あってもいいか」
感心した様子で蒼人はオルドレイルの意見に答えた。
「他には、代表者たちが会議する為の施設はあっても良さそうじゃ」
「物見櫓の設置も有効でござるな」
クラリッサと薫も、思いついたアイデアを口にした。
単なる避難する場だけではなく、そこで、人が組織的に生活できる機能が付与されてこそ、避難所としての役割が持てるはずだ。
「俺からは、防衛面について少し話したいことがある」
その様に前置きしてから、傭兵上がりであるエヴァンスが話しだす。
「素人でも扱えるような武器を武器庫に用意してもらいたいな。武器の有無で戦力に雲泥の差があるし、なにより、不安と向き合う時、頼りになる」
歪虚に追われて避難してくるのである。
力になる物が身近に在ると無いとでは、気持ちが違うはずだ。
「畑を守る獣避けを作るなら、いっその事、防御設備でもいいかもな。柵や木杭、掘りなんてな」
「単なる避難所ではなく、簡易的な拠点としての役割を持てる位、拡張性があってもよさそうじゃ」
歴戦の傭兵である彼の言葉の後を、クラリッサが続けた。
避難所構築のアイデアが出揃ってきた所で、観智が取り纏める。
「都に歪虚が襲撃してきた場合に備え、居住スペースだけではなく、会議室や武器庫、食糧庫、見張り台、防御設備等設けると。そうとなると、残りは、どの程度の規模かですね」
「少なく見ても百人単位と見ていいよ。具体的な避難計画も存在しないしね」
「拡張性を持たせつつ、備蓄量を増やすしかないですね。維持コストを度外視できれば、都に住む人が全員避難して来ても受け入れられるなら、避難所としては完璧なのでしょうけど」
自分でそう言いながら、両肩を竦める観智。
もう一つ都を作るようなものだ。
「では、百人単位と更に拡張性を持たせた避難所の構築ですね。ここまで決まれば、規模や数、工程も自然と決まるものです」
観智の言葉通り、無計画に近かった避難所構築は大筋ではあったが、計画が組まれた。
計画に沿って不足する資材や作業員数が明らかになり、それに基づき、蒼人が手配する。
こうして、避難所作りは順調に進みだすのであった。
●
「蒼人くん!」
呼び掛けたのはセイラだった。
「僕になにか? なんでもするよ!」
「大層な事じゃないけど、東方のお話を聞きたいわ」
食事や服装、どんな生活をしているのか。
これから文化を越えて、手を取り合うのであれば、相互理解は大事だと、セイラは思っていた。
「そうだな~。食事は魚が多いかな。ほら、島々だし。服はあんましヒラヒラはしてないかも。もっとも、俺の育ったのは都だから、東方全体とは違うかもしれないけど」
統一された文化というわけでもなさそうな口ぶりの蒼人。
歪虚に勢力域を奪われながら集合していった経緯を考えると、ある意味、多文化なのかもしれない。
「蒼人くんの気になる事があれば、私からも何でも応えるわ」
少し前屈みになって色っぽく訊ねるセイラ。
この程度の事であれば、王都の場末の酒場で働いていた経験が物を言う。
「それが見えれば、も、もう十分かも……ってそうじゃない。あるよ。僕からも聞きたい事が」
鼻元を抑えながら蒼人は、西方の歪虚の事を訊ねてきたのだ。
セイラは昨年、黒大公ベリアルに襲撃された事を話した。その話しを蒼人は興味深く聞いていた。
「……という事で、王国は、勇気を持って対抗して、追い払う事が出来たの」
「凄い事だ!」
「東方が今、立ち上がろうとしてるのと同じね。……私達と一緒に、戦いましょう」
セイラが差し出した右手に蒼人は迷いもなくしっかりと、両手で握った。
作業員達が一つの天幕であれやこれやと話していた。
仕事の割り振りや休憩の調整などをオルドレイルは手伝っているのだ。
「しっかりと休まないとダメだ」
怪我している姿で言われてもと作業員達は思ったが、その気迫に負ける。
蒼人が集めて来た作業員達は誰もが熱心で、寝る事も飲食も後回し気味になっていた。
「西方から来た女子は気が強いなぁ~」
「お前の所の女房には敵わないがな」
従業員達は軽口を叩きながら天幕を出て行き、現場の監督が溜め息をついた。
「こんな事、手伝わせてすまないな。俺から言うより、みんな、素直に従ってくれるからよ」
「気にするな。それにしても、皆、仕事に熱心だ。東方に住む人は皆、そうなのか?」
東方に住む人々はどんな営みがあったのか、聞いてみたいと思った。
「人にも依るが、多くはきっと、皆、真面目だと俺は信じているよ。なんせ、周囲は歪虚だらけだ。明日が来るかも分からない位に」
命の危機は時として結束を高める。
それは、オルドレイルもよく分かっているつもりだ。
「まぁ、本当は重傷人も皆と休んで欲しいと言うのが俺の希望だけど」
「……検討はしておこう」
監督に向けて、オルドレイルは不敵な笑みを向けた。
ご機嫌な感じで蒼人は避難所の構築現場を歩いていた。
「こちらに居ましたか、クラリッサさん」
蒼人の視線は、クラリッサの顔というより、別の所へ向けられている様にも見える。
「妾に、なにか用じゃろうか?」
妙な視線を感じると思っていたが、それが、なにか分かった。
どうやら、スカートが気になっている様子だ。
「ふわふわした傘の様な服の中が気になって」
「ふむ、なんじゃそう言う事か」
想像以上にストレートな蒼人の質問だった。
思春期の子供の言う事だし、少しからかってやるかと思い、スカートの裾を軽く掴む。
「この中がどうなっているか見てみたいんじゃろう?」
いぢわるそうにクスリと笑うクラリッサ。
「みたい! みたいです!」
だが、パッと手を離すクラリッサ。
楽しい玩具を手に入れたというような魔女の微笑みを見せた。
「妾は東方の文化に興味があるのじゃ。妾が満足いくまで案内してもらおうかの」
薫が半紙に丘の地形を書き込み終わった頃、クタクタで歩く蒼人を見つけた。
「蒼人殿。女性の下着は見れたでござる?」
「な、なぜ、それを!?」
「だってスカートめくりしたそうな目をしてたでござるし」
その結果も、目で見れば分かるしと薫は内心思ったが、口にはしなかった。
さっと、川で釣れた魚を串焼きにした物を渡す。
「あ、これ食うでござる?」
遠慮せずに、それを受け取る蒼人。
「鍋を振舞っていたハンターが居たと聞いたけど、薫さんだったのかな。ありがとう。皆、喜んでいたよ」
「地図を作るついでに、獲物を仕留めたでござる」
そして、半紙を広げた。
「広さに余裕があるなら、それなりの敷地を確保しておく事をオススメするにござるよ」
「これで十分ではないと?」
「西方には、CAMという兵器が存在するでござるよ。駐屯しないとも限らない故に敷地を確保しておくと良いとござる」
薫のその言葉に、疲れた顔していた蒼人の目が輝く。
「CAMの事を詳しく聞きたい!」
あまりの勢いに、食べている川魚の骨が飛んできたのであった。
薫がCAMの話しが大体終わりそうな所で、エヴァンスと観智が通りがかった。
「蒼人、ここに居たのか。もし、時間があるなら、俺と一手打ち合ってみないか?」
依頼主がどれほどの器量なのか、実力を持つのか知りたいというのもある。
「良いね! 僕、そういうの大好きだよ」
蒼人が腰に差している二本の刀の位置を直しながら応じる。
「ならば、私が、立会人を致しましょう」
観智が二人の間に立つ。
「細かい決め事は無しで、いいよね?」
「俺はそれでいいぜ」
蒼人の問いに、エヴァンスは答える。
そこへ、セイラ、オルドレイル、クラリッサが集まる。薫が軽く説明をして、二人の打ち合いを見守る。
「それでは、両者、構え……始め!」
観智の合図と共に、エヴァンスは距離を詰めながら大剣を振り下ろす。
蒼人に振り下ろされた大剣を二本の刀で器用に受け流し、身体を捻って距離を詰める。
「く……」
奇襲に近い形で繰り出された突きをエヴァンスは仰け反って避ける。
見れば、蒼人はいつの間にか、片方の刀を逆手に持ち替えて、自身の身体を死角に突きを放ったのだ。
体勢が崩れた所を立て続けに蒼人の二刀が襲いかかる。
「これは、エヴァンスが押されているみたいだ」
「エヴァンスさん、頑張って!」
オルドレイルがそんな感想を呟き、声援を送ったのはセイラだ。
「だが、これは仕方ないかもじゃの」
「拙者も同感に思うでござる」
クラリッサの言葉に薫も頷いた。
エヴァンスの剣は、歪虚や対複数戦向けかもしれないのに対し、蒼人の太刀筋は、明らかに『対人』向けだった。
両者の打ち合いに決定的な差があるのであれば、その『対人』の差だ。
「そこまで!」
(歪虚に囲まれている東方の中で、蒼人さんの刀は『対人』向け……なぜでしょうか)
そんな疑問を感じるながら、地面に転がったエヴァンスに刀先が突き付けられた所で観智が止めた。
「蒼人、お前、強いじゃないか!」
「エヴァンスさんもね。これは、一手だけじゃ満足できないよ。まだ、やろう」
「望む所だぜ!」
反動をつけて大地から飛び上がるエヴァンス。
2人の打ち合いは両者がボロボロになって、立てなくなるまで続けられるのであった。
ハンター達のアイデアが加わり、避難所としての機能を充実した。
その機能の実力はすぐに発揮される事になるとは、この時、誰も思っては居なかったのであった。
おしまい。
(……ここが東方。どんな人達が、どんな風に暮らしているのかしら)
風で流れる自身の青い髪をそのままに、天ノ都郊外の丘から見える都を眺めながらセイラ・イシュリエル(ka4820)が、そんな事を思う。
西方から遠く離れたこの地でも、人の営みはある。しかし、風前の灯とも言える。
歪虚の脅威に晒されている天ノ都の光景が、ふと、黒大公襲撃前の王都を思い出させた。
「王国で、重傷を負ってしまったが、何もしないと言うわけには、いかないな」
オルドレイル(ka0621)の発した言葉は、どこか苦しげであった。
王国北部での別依頼で負った傷が痛む。三つ首の魔犬との戦闘で受けたものだ。
直接的な避難所作りへの参加は難しいかもしれないが、作業のサポートはできるはず。
「そうでござるよ、オルドレイル殿。拙者も、拙者の仕事をするだけにござるよ~」
半紙と筆を片手で持ち、烏丸 薫(ka1964)は、オルドレイルを励ますように言った。
作るのは避難所という事であるが、地形を見る限り、砦でもできそうでもあると思う。
「さて、一体、どんな避難所ができるかでござるな」
都から集まって来た作業員達の姿を見る。
「ひとくちに、『万が一』と言っていても、詰めは甘そうですね」
考える様な身振りで天央 観智(ka0896)は、周囲を見渡す。
依頼主である大轟寺蒼人から具体的に色々と伺いたいと思っていた。
そもそも、どうして結界で守られている天ノ都に避難所が必要なのか。避難する事になる理由や想定される危険とは何なのか。
それらが分かれば、避難所としての方向性も見えてくるというものだ。
クラリッサ=W・ソルシエール(ka0659)が、既に建て始めの避難小屋の一つをみつめていた。
(ふむ……これが東方の建築物か。まるで日本の古都を連想させる建築様式じゃな)
羽重ねの板を見て思った。転移前は文化人類学を専行していた。
時間があれば、東方の文化について、直に調査してみたいものだと感じる。
全員から少し遅れて現場にやってきたのは、エヴァンス・カルヴィ(ka0639)だった。
人の背丈はあろうという大剣を背負っている。丸太や板を割るつもりでは……なさそうだ。
「臨時に使う為の避難所とはいえ、少し無防備過ぎるな」
彼の言う通り、確かに周囲には柵もなく、ただ広いだけであった。
「自衛用の武装やそれ以外の備えを用意しておくべきか」
天ノ都は歪虚の勢力に囲まれているのだ。備えはあるに越した事はないだろう。
●
「僕が、武家四十八家門、第九位大轟寺家当主、大轟寺蒼人だ。皆さん、よろしく」
眼鏡の位置をクイクイと中指で直しなが、集まったハンター達に宣言する。
「西方から、わざわざようこそ。美男美女ばかりで、僕はとても嬉しい! 僕は、皆さんを歓迎するよ。ぜひ、この避難所作りを手伝って貰いたい」
興味津々ですと言わなくても分かる様な彼の熱い視線。
「では、さっそく、質問いいでしょうか?」
「観智さんだったね。なんでも答えるよ」
「避難所を作る『万が一』という事について、詳しく訊きたい」
その質問に、蒼人は何度も頷く。
「それは、妾も知っておきたい所じゃ。まず、大前提があるべきだと思うからのう」
クラリッサも追随した。
労力も時間も限られているのであれば、しっかりとした計画が必要なはずだ。
その為にも、目的がハッキリしているといい。
「さすが、西方から来るだけあって、しっかりしているね」
蒼人は満足そうな表情を浮かべていた。
「この天ノ都は結界で守られている。それは、皆さんも知っている事だろう」
東方の大部分は歪虚の勢力域になっている。
残されているのは、天ノ都とその周辺の一部だ。
「歪虚の侵攻から避難する場合を考えていいのじゃな……それは、つまり……」
結界が破られる可能性があるという事をクラリッサは思った。
不吉過ぎて言葉にはしなかった。なぜなら、天ノ都の結界が無くなった時点で、東方の人類は勢力域を失う事を意味するからだ。
「結界が無くなったら、避難所は意味を成さない。けど、一時的な事であれば、十分意味はあると僕は思っているんだ」
「なんらかの事情で一時的に結界が無くなり、歪虚の襲撃があった場合に備えてという事でいいのでしょうか」
「観智さん、ご明答ですよ」
蒼人はグッと親指を立てる。
それが、『万が一』を意味している事なのだ。
「であれば、ある程度の自給自足と防衛施設は必要でござるな」
薫が思いついたようにポンと手を叩く。
歪虚の襲撃で都の機能低下や歪虚の討伐まである程度の時間は必要だろうし、歪虚の襲来にも備える必要はあるだろう。
「私は、生き延びる為の備えも必要だと思うわよ」
応急手当が可能な物資と、それを備蓄する蔵を提案したのはセイラだった。
そして、彼女は丘の下を流れる小川を指差す。
「水を引くのも良いと思うわ」
「水があれば、避難所の中に畑も作る事ができるでござる」
セイラのアイデアに薫も頷きながら続いた。
「風車で汲み上げるというのはどうだろう」
幸い、この丘は風通しが良いみたいだしなとオルドレイルは風を感じながら続けた。
「都に攻め込まれた場合を想定するなら、少なくとも殲滅には数日は要するだろうから、食糧の保存庫もあれば、備えになるな」
彼女は足で地面をトントンと踏み鳴らした。
例えば、穴を掘って冷暗所にしてもいいだろう。
「地下室の類は、考えていなかったよ。あってもいいか」
感心した様子で蒼人はオルドレイルの意見に答えた。
「他には、代表者たちが会議する為の施設はあっても良さそうじゃ」
「物見櫓の設置も有効でござるな」
クラリッサと薫も、思いついたアイデアを口にした。
単なる避難する場だけではなく、そこで、人が組織的に生活できる機能が付与されてこそ、避難所としての役割が持てるはずだ。
「俺からは、防衛面について少し話したいことがある」
その様に前置きしてから、傭兵上がりであるエヴァンスが話しだす。
「素人でも扱えるような武器を武器庫に用意してもらいたいな。武器の有無で戦力に雲泥の差があるし、なにより、不安と向き合う時、頼りになる」
歪虚に追われて避難してくるのである。
力になる物が身近に在ると無いとでは、気持ちが違うはずだ。
「畑を守る獣避けを作るなら、いっその事、防御設備でもいいかもな。柵や木杭、掘りなんてな」
「単なる避難所ではなく、簡易的な拠点としての役割を持てる位、拡張性があってもよさそうじゃ」
歴戦の傭兵である彼の言葉の後を、クラリッサが続けた。
避難所構築のアイデアが出揃ってきた所で、観智が取り纏める。
「都に歪虚が襲撃してきた場合に備え、居住スペースだけではなく、会議室や武器庫、食糧庫、見張り台、防御設備等設けると。そうとなると、残りは、どの程度の規模かですね」
「少なく見ても百人単位と見ていいよ。具体的な避難計画も存在しないしね」
「拡張性を持たせつつ、備蓄量を増やすしかないですね。維持コストを度外視できれば、都に住む人が全員避難して来ても受け入れられるなら、避難所としては完璧なのでしょうけど」
自分でそう言いながら、両肩を竦める観智。
もう一つ都を作るようなものだ。
「では、百人単位と更に拡張性を持たせた避難所の構築ですね。ここまで決まれば、規模や数、工程も自然と決まるものです」
観智の言葉通り、無計画に近かった避難所構築は大筋ではあったが、計画が組まれた。
計画に沿って不足する資材や作業員数が明らかになり、それに基づき、蒼人が手配する。
こうして、避難所作りは順調に進みだすのであった。
●
「蒼人くん!」
呼び掛けたのはセイラだった。
「僕になにか? なんでもするよ!」
「大層な事じゃないけど、東方のお話を聞きたいわ」
食事や服装、どんな生活をしているのか。
これから文化を越えて、手を取り合うのであれば、相互理解は大事だと、セイラは思っていた。
「そうだな~。食事は魚が多いかな。ほら、島々だし。服はあんましヒラヒラはしてないかも。もっとも、俺の育ったのは都だから、東方全体とは違うかもしれないけど」
統一された文化というわけでもなさそうな口ぶりの蒼人。
歪虚に勢力域を奪われながら集合していった経緯を考えると、ある意味、多文化なのかもしれない。
「蒼人くんの気になる事があれば、私からも何でも応えるわ」
少し前屈みになって色っぽく訊ねるセイラ。
この程度の事であれば、王都の場末の酒場で働いていた経験が物を言う。
「それが見えれば、も、もう十分かも……ってそうじゃない。あるよ。僕からも聞きたい事が」
鼻元を抑えながら蒼人は、西方の歪虚の事を訊ねてきたのだ。
セイラは昨年、黒大公ベリアルに襲撃された事を話した。その話しを蒼人は興味深く聞いていた。
「……という事で、王国は、勇気を持って対抗して、追い払う事が出来たの」
「凄い事だ!」
「東方が今、立ち上がろうとしてるのと同じね。……私達と一緒に、戦いましょう」
セイラが差し出した右手に蒼人は迷いもなくしっかりと、両手で握った。
作業員達が一つの天幕であれやこれやと話していた。
仕事の割り振りや休憩の調整などをオルドレイルは手伝っているのだ。
「しっかりと休まないとダメだ」
怪我している姿で言われてもと作業員達は思ったが、その気迫に負ける。
蒼人が集めて来た作業員達は誰もが熱心で、寝る事も飲食も後回し気味になっていた。
「西方から来た女子は気が強いなぁ~」
「お前の所の女房には敵わないがな」
従業員達は軽口を叩きながら天幕を出て行き、現場の監督が溜め息をついた。
「こんな事、手伝わせてすまないな。俺から言うより、みんな、素直に従ってくれるからよ」
「気にするな。それにしても、皆、仕事に熱心だ。東方に住む人は皆、そうなのか?」
東方に住む人々はどんな営みがあったのか、聞いてみたいと思った。
「人にも依るが、多くはきっと、皆、真面目だと俺は信じているよ。なんせ、周囲は歪虚だらけだ。明日が来るかも分からない位に」
命の危機は時として結束を高める。
それは、オルドレイルもよく分かっているつもりだ。
「まぁ、本当は重傷人も皆と休んで欲しいと言うのが俺の希望だけど」
「……検討はしておこう」
監督に向けて、オルドレイルは不敵な笑みを向けた。
ご機嫌な感じで蒼人は避難所の構築現場を歩いていた。
「こちらに居ましたか、クラリッサさん」
蒼人の視線は、クラリッサの顔というより、別の所へ向けられている様にも見える。
「妾に、なにか用じゃろうか?」
妙な視線を感じると思っていたが、それが、なにか分かった。
どうやら、スカートが気になっている様子だ。
「ふわふわした傘の様な服の中が気になって」
「ふむ、なんじゃそう言う事か」
想像以上にストレートな蒼人の質問だった。
思春期の子供の言う事だし、少しからかってやるかと思い、スカートの裾を軽く掴む。
「この中がどうなっているか見てみたいんじゃろう?」
いぢわるそうにクスリと笑うクラリッサ。
「みたい! みたいです!」
だが、パッと手を離すクラリッサ。
楽しい玩具を手に入れたというような魔女の微笑みを見せた。
「妾は東方の文化に興味があるのじゃ。妾が満足いくまで案内してもらおうかの」
薫が半紙に丘の地形を書き込み終わった頃、クタクタで歩く蒼人を見つけた。
「蒼人殿。女性の下着は見れたでござる?」
「な、なぜ、それを!?」
「だってスカートめくりしたそうな目をしてたでござるし」
その結果も、目で見れば分かるしと薫は内心思ったが、口にはしなかった。
さっと、川で釣れた魚を串焼きにした物を渡す。
「あ、これ食うでござる?」
遠慮せずに、それを受け取る蒼人。
「鍋を振舞っていたハンターが居たと聞いたけど、薫さんだったのかな。ありがとう。皆、喜んでいたよ」
「地図を作るついでに、獲物を仕留めたでござる」
そして、半紙を広げた。
「広さに余裕があるなら、それなりの敷地を確保しておく事をオススメするにござるよ」
「これで十分ではないと?」
「西方には、CAMという兵器が存在するでござるよ。駐屯しないとも限らない故に敷地を確保しておくと良いとござる」
薫のその言葉に、疲れた顔していた蒼人の目が輝く。
「CAMの事を詳しく聞きたい!」
あまりの勢いに、食べている川魚の骨が飛んできたのであった。
薫がCAMの話しが大体終わりそうな所で、エヴァンスと観智が通りがかった。
「蒼人、ここに居たのか。もし、時間があるなら、俺と一手打ち合ってみないか?」
依頼主がどれほどの器量なのか、実力を持つのか知りたいというのもある。
「良いね! 僕、そういうの大好きだよ」
蒼人が腰に差している二本の刀の位置を直しながら応じる。
「ならば、私が、立会人を致しましょう」
観智が二人の間に立つ。
「細かい決め事は無しで、いいよね?」
「俺はそれでいいぜ」
蒼人の問いに、エヴァンスは答える。
そこへ、セイラ、オルドレイル、クラリッサが集まる。薫が軽く説明をして、二人の打ち合いを見守る。
「それでは、両者、構え……始め!」
観智の合図と共に、エヴァンスは距離を詰めながら大剣を振り下ろす。
蒼人に振り下ろされた大剣を二本の刀で器用に受け流し、身体を捻って距離を詰める。
「く……」
奇襲に近い形で繰り出された突きをエヴァンスは仰け反って避ける。
見れば、蒼人はいつの間にか、片方の刀を逆手に持ち替えて、自身の身体を死角に突きを放ったのだ。
体勢が崩れた所を立て続けに蒼人の二刀が襲いかかる。
「これは、エヴァンスが押されているみたいだ」
「エヴァンスさん、頑張って!」
オルドレイルがそんな感想を呟き、声援を送ったのはセイラだ。
「だが、これは仕方ないかもじゃの」
「拙者も同感に思うでござる」
クラリッサの言葉に薫も頷いた。
エヴァンスの剣は、歪虚や対複数戦向けかもしれないのに対し、蒼人の太刀筋は、明らかに『対人』向けだった。
両者の打ち合いに決定的な差があるのであれば、その『対人』の差だ。
「そこまで!」
(歪虚に囲まれている東方の中で、蒼人さんの刀は『対人』向け……なぜでしょうか)
そんな疑問を感じるながら、地面に転がったエヴァンスに刀先が突き付けられた所で観智が止めた。
「蒼人、お前、強いじゃないか!」
「エヴァンスさんもね。これは、一手だけじゃ満足できないよ。まだ、やろう」
「望む所だぜ!」
反動をつけて大地から飛び上がるエヴァンス。
2人の打ち合いは両者がボロボロになって、立てなくなるまで続けられるのであった。
ハンター達のアイデアが加わり、避難所としての機能を充実した。
その機能の実力はすぐに発揮される事になるとは、この時、誰も思っては居なかったのであった。
おしまい。
依頼結果
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/06/19 23:19:03 |
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相談卓 セイラ・イシュリエル(ka4820) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/06/19 23:29:31 |