ゲスト
(ka0000)
炭鉱夫の無事を確認して!
マスター:なちゅい

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 6~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/06/20 07:30
- 完成日
- 2015/06/27 14:30
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●行方不明になった炭鉱夫
とある鉱山。
そこではたくさんの炭鉱夫が働いている。彼らは毎日汗を流し、炭や鉱石を掘り続けている。
この坑道は炭鉱夫達にとって、そこそこ長いこと働いている仕事場。危険箇所などは常に気をつかって作業を行っているはずだった。
しかし――。
その日も10人ほどの炭鉱夫が坑道奥を掘り進めていた。
もう年単位で掘っている鉱山。坑道は相当に入り組んではいるが、炭鉱夫にとっては庭も同然の場所。当たり前のように作業場へと向かい作業を始める。
そのタイミングは、2人が堀り進めていた。他の数人は鉱石の運び出しを行っていたし、炭鉱夫達の長は新たな作業場の下見へと別の場所の視察へ向かっている。
2人は若い炭鉱夫達。この1年で炭鉱夫となり、まだまだやる気十分の若者達だ。必死に掘って、長であるザックに認められたい。そう考え、彼らは働く。
ふと、彼らは寒気を覚える。何か悪いことが起こっているのではないか……。直観がそう告げていたのだ。
それが間違いでないことを、彼らはすぐに悟る。視認できる距離ではないが、後方でガラガラと岩の崩れる音が聞こえてきたのだ。
「うわっ!」
「マジか」
落盤が起こってしまったのかもしれない。さすがに手を止め、状況の確認へ向かおうとする2人。
しかし、彼らは知らない。この落盤の原因が雑魔によるものだということを……。
ハンターズソサエティに届いた火急の案件。
とある鉱山で落盤事故が起こってしまったのだという。
中に、若者2人がいるというので、何とか助け出したいという依頼だ。
それだけならば、ハンターでなくとも問題なさそうだが、どうやら落盤の原因は雑魔と化したコウモリらしい。
コウモリは雑魔になったことで、巨大化しているようだ。人間の子供くらいの大きさになっており、一般人には脅威となる。
鉱山内部はかなり入り組んでいる。そのままハンターだけで突入することもできるが、できれば鉱山内部の構造に詳しい者を連れていくとよいだろう。その場合、雑魔から彼を守る必要は出てしまうが……。
ともあれ急がねば、炭鉱夫の命が危ない。依頼を受けたハンター達は、現場へと急行するのである。
とある鉱山。
そこではたくさんの炭鉱夫が働いている。彼らは毎日汗を流し、炭や鉱石を掘り続けている。
この坑道は炭鉱夫達にとって、そこそこ長いこと働いている仕事場。危険箇所などは常に気をつかって作業を行っているはずだった。
しかし――。
その日も10人ほどの炭鉱夫が坑道奥を掘り進めていた。
もう年単位で掘っている鉱山。坑道は相当に入り組んではいるが、炭鉱夫にとっては庭も同然の場所。当たり前のように作業場へと向かい作業を始める。
そのタイミングは、2人が堀り進めていた。他の数人は鉱石の運び出しを行っていたし、炭鉱夫達の長は新たな作業場の下見へと別の場所の視察へ向かっている。
2人は若い炭鉱夫達。この1年で炭鉱夫となり、まだまだやる気十分の若者達だ。必死に掘って、長であるザックに認められたい。そう考え、彼らは働く。
ふと、彼らは寒気を覚える。何か悪いことが起こっているのではないか……。直観がそう告げていたのだ。
それが間違いでないことを、彼らはすぐに悟る。視認できる距離ではないが、後方でガラガラと岩の崩れる音が聞こえてきたのだ。
「うわっ!」
「マジか」
落盤が起こってしまったのかもしれない。さすがに手を止め、状況の確認へ向かおうとする2人。
しかし、彼らは知らない。この落盤の原因が雑魔によるものだということを……。
ハンターズソサエティに届いた火急の案件。
とある鉱山で落盤事故が起こってしまったのだという。
中に、若者2人がいるというので、何とか助け出したいという依頼だ。
それだけならば、ハンターでなくとも問題なさそうだが、どうやら落盤の原因は雑魔と化したコウモリらしい。
コウモリは雑魔になったことで、巨大化しているようだ。人間の子供くらいの大きさになっており、一般人には脅威となる。
鉱山内部はかなり入り組んでいる。そのままハンターだけで突入することもできるが、できれば鉱山内部の構造に詳しい者を連れていくとよいだろう。その場合、雑魔から彼を守る必要は出てしまうが……。
ともあれ急がねば、炭鉱夫の命が危ない。依頼を受けたハンター達は、現場へと急行するのである。
リプレイ本文
●炭鉱の捜索
炭鉱の入口に立つ、ハンター達。
「行方不明の炭鉱夫を救助する依頼だね!」
どこかの配管工をリスペクトしている、超級まりお(ka0824)がやる気を見せる。
落盤事故に巻き込まれた二人の炭鉱夫。それに、迷路の様に入り組んだ炭鉱に雑魔コウモリの存在……。
「時間が無いわけだねぇ」
「一刻を争いますか。無事でいてくれればいのですが」
まりおは冷静に状況を分析すると、レオン・フォイアロート(ka0829)も事故に合ってしまった炭鉱夫の安否を気遣う。
こういった所で働いてる人達のお陰で、クリムゾンウェストの人々の生活は成り立っているのだと、アルト・ヴァレンティーニ(ka3109)は実感している。
「さくさく雑魔を倒して、仕事熱心なお兄さん達を助けないとね」
残されている炭鉱夫達は雑魔に襲われる危険があるのはもちろんだが、落盤が起こったことで精神的にも不安にさらされているはずだと、蒼真・ロワ・アジュール(ka3613)は分析する。
「新たな落盤が起こらないとも限らないし、早く助けてあげなくっちゃねー」
頷くメンバー達はとり急ぎ、炭鉱夫達の救出に乗り出す。
ただ、ハンター達は様々な経験を積んではいるものの、炭鉱においてはまるで素人。炭鉱内で道に迷ってしまっては時間を無駄にするだけでなく、二次遭難も招きかねない。
メンバー達はこの為、全員一致で炭鉱夫の長ザックに道案内を依頼することにしていた。
「絶対に雑魔からは護るので、二人の為にどうかお願いしたい」
アルトが丁寧に頭を下げることで、ザックは同意してくれた。彼も部下の身が心配ではあったが、雑魔を退治してくれるハンターならばと二つ返事で了承してくれた。
「これでもちょっとは頑丈だもんね。おじさんを雑魔から守ってあげるっ!」
蒼真がそう主張するも。屈強なザックは、ハンターの姿を見回す。
「落盤事故で中に閉じ込められた、か……最近、こういう落盤事故多いよねえ……殆ど雑魔テロじゃないか」
ぶつぶつ呟きながら歩く、小太りの水流崎トミヲ(ka4852)、そして、線の細い蒼真に守られるのに、ザックは不安を覚えていたようだ。
「……いや、そんな不安そうな目で見ないでよー」
ぷんすか怒る蒼真に、すまないとザックが謝る。ハンター達は雑魔と戦うプロなのだ。さすがに失礼だとザックは考えたのだろう。
「ザックさん、宜しくお願いだよー」
「ふ、ふむ、改めてよろしく頼む」
まだ幼さの残るまりおに挨拶をされ、ザックはやや動揺しながらもハンター達へと部下の救出を託す。
「大丈夫だよ。このリアルブルーの魔法使い、水流崎トミヲに掛かれば……!」
「……急ぎましょう。怪我が無ければそれでいいですが、出てこれないのならば、それに足る理由が在るはずです」
メンバー達のやり取りを眺めていたレイ・T・ベッドフォード(ka2398)が、仲間達を急かす。この間にも、若い炭鉱夫達は雑魔に襲われているかもしれないのだ。
ハンター達はつるはしを担ぐザックを前にし、炭鉱へと入っていく。
「あ、ちょっと、待って。待ってよ!」
残されかけたトミヲは、仲間を必死に追いかけるのである。
●炭鉱内の捜索
坑道を進むハンター達。
メンバー達はライトを手にし、暗い坑道を照らし、炭鉱夫達、そして、坑道に潜むはずのコウモリ型雑魔を探す。
雑魔の出現を懸念する一行は、腰にライトをつけたアルトを先頭に、レイ、蒼真、まりおとザック、トミヲ、レオンと続く。
彼らは落盤箇所を目指す。残された炭鉱夫達はどうなっているだろうか。そわそわしているザックは落ち着かない様子だ。
アルトはそこで、鉱山や炭鉱というもの基本的な情報、それに危険な行為について、さらに、鉱山の地図の有無などを聞いていた。それもあって、若干はザックの気は紛れていた様子だ
まりおはランタンを片手にザックの護衛を行っていたし、トミヲは仲間全体を後方からLEDライトで照らす。
最後尾を歩くレオン。暗い坑道を急いで歩けばつまずく危険もあると考え、ハンディLEDライトで照らしながらも注意して進む。同時に、後ろから雑魔が現れないかと備えていたようだ。
一風変わったところでは、レイだけは松明を持っていた。「LEDライトは遠くを見るのに便利だが、松明は周囲を広く見回すのには便利だから」とは彼の談である。
一行は落盤箇所を目指すが、なかなかに到着しない。長いこと掘り進めている炭鉱だけあって、かなり複雑な構造をしているようだ。
「本当に迷路みたいだね……、ボクらだけじゃまともに帰れるかも怪しいや……」
分かれ道を右、今度は左、また左。ザックなしでは間違いなく遭難していただろうと蒼真は感じていた。
しかし、この地に慣れているザックは慣れている道とあって、スムーズに進む。そのおかげで進むことができた一行は広い空間に出る。
「……まずは、要救助者の方から見つけたい、ところですが」
そこでレイが進み出て、超聴覚を使う。彼は聴覚を最大限に利用して、坑道内で起こる物音を頼りに、捜索者と雑魔を探す。
しばらく、耳を澄ませていたレイは、仲間達に耳を塞ぐよう促してからすっと息を吸う。
「助けに参りました! 慌てず、動かずに助けを待ってください! この洞窟には雑魔がいます! 発見されては危険ですから、その場で動かないように!」
レイの声は坑道内を反響する。
(声に直接応答はなくていい。僅かなリアクションなどが彼ら発見の一助になれば)
さらに、彼が耳を澄ませると……。
「…………ぉ……」
かすかに、レイの耳に何かが聞こえた。それが炭鉱夫達のものかもしれないと、彼は皆へ告げる。
「行きましょう」
一行は頷く。炭鉱夫達が無事であることを信じて。
その後、メンバー達はすぐに落盤現場へたどり着いた。地面の線路を見る限り、そこそこ幅の広いこの場所が通路として使われていたことは明らかだったが、岩によって通路が塞がってしまっている。
「ひゃー……こりゃ大変だねぇ……」
トミヲもそうだが、落盤箇所を見たザックは驚きを隠せずにいたようだ。
早速、レオンがその場所を調べる。彼は指を舐めてからかざし、空気の流れをその指で感じ取ろうとする。風の流れを感じたレオンはそれをたどり、落盤箇所右手側にかろうじて1人通れるほどの隙間を見つけることができた。
ここで一行は、どうすべきかと話し合う。
「炭鉱夫二人が居るであろう奥へは、人一人が通れる位の岩の隙間を抜けて行く以外に方法が無い状態なんだよね」
まりおが状況分析を行う。時間最優先でこの隙間を抜けるべきだが、まだ現れぬ雑魔にも気を払わねばならない。隙間の移動中に襲われたら………。
「まぁ確実に、救助どころの事態じゃなくなる事は間違いないねー。急がば回れってさー、正にこういうときの諺だと思う」
まりおはうんうんと頷きながら、自身の考えを仲間達へ告げた。
まりおの話を聞きつつ、レオンは落盤した岩をどかすのに、ウォーハンマーを使う。邪魔になりそうな岩を、渾身撃の一撃で破壊していたのだ。さらに、彼はてこの原理を利用し、長いウォーハンマーの先で重い岩を動かしたりしている。
蒼真はランタンを使って落盤箇所を調べていた。彼はレオンとは違う方向で調べを進めている。これ以上新たに崩れる可能性がないかと考え、慎重に調べていたのだ。
「おじさん、この先に行く迂回路ってあるの?」
「少し戻ってぐるっと回ってくるルートだな」
ザックは指でその迂回路を指し示す。一言では説明できないようだったので、またいくつか分岐を正しく選択した上でないとたどり着けないのだろう。
「急がば回れ? いやァ、そいつはNOだ……って僕のDT魔力が囁いている! そう、限界を超えろってね!」
熱く語るトミヲ。 確かにまりおの考えも一理あるのだが……、トミヲの言い分に否定派はいないようだ。
できる限り早く先へ進みたい一行。それでも、アルトは敢えて、先に妖精へと抜けた先の偵察を指示する。……今のところは何もないようだ。
それが確認できたアルトは、真っ先に隙間から奥へ向かう。先頭に立った彼女は身を潜り込ませるように奥へと進む。最初だということもあり、隙間を崩してしまわないよう配慮していたようだ。
一行は1人ずつ、その隙間をくぐっていく。しかし、彼らは気づいていなかった。そこに忍び寄る影に……。
●雑魔来襲!
落盤箇所の隙間を通り抜けたアルト、レイ。
彼らの姿を見つけた若い炭鉱夫達が声を上げる。どうやら、彼らは無事のようだ。……もっとも、助けが来たことで安心し、地面へへたり込んでしまっていたが。
「お疲れの所申し訳ないですが、怪しい動きを見かけたらすぐにお教えくださいね」
レイの呼びかけに2人は頷く。レイはいつ雑魔が襲ってきてもいいように、周辺に目を光らせていたようだ。
その後、蒼真も周囲の様子を窺いながら通過していく。さらに、まりお、ザックも奥へやって来る。アルトは通り抜けたメンバーと共に、ザックが通り抜けるタイミングは安全確保に努めていたようだ。
「ふふ、何とか通る事が出来そうだね」
トミヲも腹を擦りながら、隙間を潜り抜ける。その彼が通り抜けた先で洞窟の天井にライトを向けると……奥から天井すれすれ高さで飛んでくる蝙蝠の姿が。その数6体。
近寄ってきていたコウモリは、光を感じてハンターへ襲い掛かる!
後方では、まだ最後のレオンが通り抜けている最中だ。アルトは彼を守るべく、前方へと駆けだす。
まりおは、雑魔の出現に怯える炭鉱夫達へ声を掛けていた。
「しゃがんで、ボクの後ろに」
頭上から襲ってくるコウモリ。ならば、しゃがむことで被害は軽減できるはずとまりおは踏んだのだ。
さらに、トミヲが炭鉱夫達の前へと土の壁を作りだす。3人を守るには小さいが、盾にはなるだろう。
「さあ、今のうちに!」
「戦闘には参加せずに、まずは身を守っていてください!」
レイの言葉に頷くザックが若者2人へと指示を出し、しゃがんで後ろへ下がる。
レオンが合流すると、コウモリ型雑魔へと相対したハンター達の攻勢が始まった。まりおが飛んでくるコウモリ雑魔にはりつき、その攻撃を牽制する。
「爆ぜよ僕のDT魔力! 顕れ、そして切り裂き給え!」
トミヲは一陣の風を起こし、刃のように飛んでいく風でコウモリの羽を斬り飛ばす。
落下して来る敵に、アルトは立体攻撃を仕掛ける。体を引き裂かれたコウモリは坑道の地面にバラバラに散っていった。
雑魔も超音波を飛ばしつつ攻撃を仕掛けてくるが、その攻撃はバラバラ。奇襲を駆けられなかった雑魔達に
蒼真は炭鉱夫達の前に立ち、彼らにプロテクションをかけながら応戦する。
「え、来ないでよ。KYすぎる……面倒くさいなぁー、もう」
蒼真は嫌々ながらもコウモリの対処を行う。敵をなるべく近づけたくない蒼真は光の球を飛ばし、その衝撃をコウモリへ浴びせると、そいつは意識を無くして落下した。
「暗がりにずっといるんじゃ、光は眩しいでしょー?」
くすりと笑い、蒼真はジャンクガンを構えるのである。
暗がりにいたコウモリは、次々に落ちていく。ハンター達はあっという間に敵を追い込んでいた。
羽ばたいて襲ってくる最後のコウモリを、レイが身を張って止める。多少血が飛んだが、レイは構わずに銃弾を叩き込む。
衝撃を受け、落下するコウモリ。なんとか宙に留まろうとするが、踏込を使って自分と攻撃対象の位置と向きを調節したレオンの刀がその胴体を貫いた。
「もう大丈夫ですよ」
敵の体を振り払ったレオンは、炭鉱夫達へと優しく言葉を掛けたのだった。
●無事に外へ出て……
雑魔を倒し、一息をつく一行。
奇襲を受けずに済んだのは、最短ルートで移動をおこなったこと、そして、トミヲは天井を気にかけたことが大きかっただろう。おかげで、メンバー達の被害は軽微だったようだ。
「一件落着だね……ふふ。派手に戦闘しちゃったから、今から崩落なんてしちゃったりして」
てへと笑うトミヲ。しかし、その場の全員から冷ややかな視線を感じ、冷や汗をかいていたようだ。
メンバー達は炭鉱夫達に怪我がないかを確認する。
落盤に雑魔。若い2人は精神をかなりすり減らしていたようで、1人では動けずにいたようだようだ。
アルトが若者1人を背負うよう主張する。彼にはこの場で瓦礫撤去をする考えもあったのだが、要介護者を放置してまで行うわけにはいかないと判断したようだ。
もう1人は、トミヲが背負うよう申し出る。
「ノォォォ!」
トミヲは居心地の悪いこの場から脱出したかったようだが、背中の若い炭鉱夫からの視線が今だに背中へ突き刺さっているのを、トミヲはずっと感じる羽目になっていたようだ。
「また落盤の危険性が増さないとも限らないし、帰りは迂回路を使いたいな」
蒼真の主張もあり、帰りは迂回して入口へと戻っていく。彼の差し出したミネラルウォーターを、若い炭鉱夫達は有難がって飲んでいたようだ。
無事、若い炭鉱夫達を助け出したハンター達は、ザックと共に外へと出る。ザックは無事に部下を助け出すことができてよかったと、感謝の意を表していた。
「……いかがですか。外の空気は?」
助けられた事に安堵をしつつ、レイは笑顔で尋ねる。炭鉱夫達は日の光を浴び、これ以上なく晴れやかな表情をしていたのだった。
炭鉱の入口に立つ、ハンター達。
「行方不明の炭鉱夫を救助する依頼だね!」
どこかの配管工をリスペクトしている、超級まりお(ka0824)がやる気を見せる。
落盤事故に巻き込まれた二人の炭鉱夫。それに、迷路の様に入り組んだ炭鉱に雑魔コウモリの存在……。
「時間が無いわけだねぇ」
「一刻を争いますか。無事でいてくれればいのですが」
まりおは冷静に状況を分析すると、レオン・フォイアロート(ka0829)も事故に合ってしまった炭鉱夫の安否を気遣う。
こういった所で働いてる人達のお陰で、クリムゾンウェストの人々の生活は成り立っているのだと、アルト・ヴァレンティーニ(ka3109)は実感している。
「さくさく雑魔を倒して、仕事熱心なお兄さん達を助けないとね」
残されている炭鉱夫達は雑魔に襲われる危険があるのはもちろんだが、落盤が起こったことで精神的にも不安にさらされているはずだと、蒼真・ロワ・アジュール(ka3613)は分析する。
「新たな落盤が起こらないとも限らないし、早く助けてあげなくっちゃねー」
頷くメンバー達はとり急ぎ、炭鉱夫達の救出に乗り出す。
ただ、ハンター達は様々な経験を積んではいるものの、炭鉱においてはまるで素人。炭鉱内で道に迷ってしまっては時間を無駄にするだけでなく、二次遭難も招きかねない。
メンバー達はこの為、全員一致で炭鉱夫の長ザックに道案内を依頼することにしていた。
「絶対に雑魔からは護るので、二人の為にどうかお願いしたい」
アルトが丁寧に頭を下げることで、ザックは同意してくれた。彼も部下の身が心配ではあったが、雑魔を退治してくれるハンターならばと二つ返事で了承してくれた。
「これでもちょっとは頑丈だもんね。おじさんを雑魔から守ってあげるっ!」
蒼真がそう主張するも。屈強なザックは、ハンターの姿を見回す。
「落盤事故で中に閉じ込められた、か……最近、こういう落盤事故多いよねえ……殆ど雑魔テロじゃないか」
ぶつぶつ呟きながら歩く、小太りの水流崎トミヲ(ka4852)、そして、線の細い蒼真に守られるのに、ザックは不安を覚えていたようだ。
「……いや、そんな不安そうな目で見ないでよー」
ぷんすか怒る蒼真に、すまないとザックが謝る。ハンター達は雑魔と戦うプロなのだ。さすがに失礼だとザックは考えたのだろう。
「ザックさん、宜しくお願いだよー」
「ふ、ふむ、改めてよろしく頼む」
まだ幼さの残るまりおに挨拶をされ、ザックはやや動揺しながらもハンター達へと部下の救出を託す。
「大丈夫だよ。このリアルブルーの魔法使い、水流崎トミヲに掛かれば……!」
「……急ぎましょう。怪我が無ければそれでいいですが、出てこれないのならば、それに足る理由が在るはずです」
メンバー達のやり取りを眺めていたレイ・T・ベッドフォード(ka2398)が、仲間達を急かす。この間にも、若い炭鉱夫達は雑魔に襲われているかもしれないのだ。
ハンター達はつるはしを担ぐザックを前にし、炭鉱へと入っていく。
「あ、ちょっと、待って。待ってよ!」
残されかけたトミヲは、仲間を必死に追いかけるのである。
●炭鉱内の捜索
坑道を進むハンター達。
メンバー達はライトを手にし、暗い坑道を照らし、炭鉱夫達、そして、坑道に潜むはずのコウモリ型雑魔を探す。
雑魔の出現を懸念する一行は、腰にライトをつけたアルトを先頭に、レイ、蒼真、まりおとザック、トミヲ、レオンと続く。
彼らは落盤箇所を目指す。残された炭鉱夫達はどうなっているだろうか。そわそわしているザックは落ち着かない様子だ。
アルトはそこで、鉱山や炭鉱というもの基本的な情報、それに危険な行為について、さらに、鉱山の地図の有無などを聞いていた。それもあって、若干はザックの気は紛れていた様子だ
まりおはランタンを片手にザックの護衛を行っていたし、トミヲは仲間全体を後方からLEDライトで照らす。
最後尾を歩くレオン。暗い坑道を急いで歩けばつまずく危険もあると考え、ハンディLEDライトで照らしながらも注意して進む。同時に、後ろから雑魔が現れないかと備えていたようだ。
一風変わったところでは、レイだけは松明を持っていた。「LEDライトは遠くを見るのに便利だが、松明は周囲を広く見回すのには便利だから」とは彼の談である。
一行は落盤箇所を目指すが、なかなかに到着しない。長いこと掘り進めている炭鉱だけあって、かなり複雑な構造をしているようだ。
「本当に迷路みたいだね……、ボクらだけじゃまともに帰れるかも怪しいや……」
分かれ道を右、今度は左、また左。ザックなしでは間違いなく遭難していただろうと蒼真は感じていた。
しかし、この地に慣れているザックは慣れている道とあって、スムーズに進む。そのおかげで進むことができた一行は広い空間に出る。
「……まずは、要救助者の方から見つけたい、ところですが」
そこでレイが進み出て、超聴覚を使う。彼は聴覚を最大限に利用して、坑道内で起こる物音を頼りに、捜索者と雑魔を探す。
しばらく、耳を澄ませていたレイは、仲間達に耳を塞ぐよう促してからすっと息を吸う。
「助けに参りました! 慌てず、動かずに助けを待ってください! この洞窟には雑魔がいます! 発見されては危険ですから、その場で動かないように!」
レイの声は坑道内を反響する。
(声に直接応答はなくていい。僅かなリアクションなどが彼ら発見の一助になれば)
さらに、彼が耳を澄ませると……。
「…………ぉ……」
かすかに、レイの耳に何かが聞こえた。それが炭鉱夫達のものかもしれないと、彼は皆へ告げる。
「行きましょう」
一行は頷く。炭鉱夫達が無事であることを信じて。
その後、メンバー達はすぐに落盤現場へたどり着いた。地面の線路を見る限り、そこそこ幅の広いこの場所が通路として使われていたことは明らかだったが、岩によって通路が塞がってしまっている。
「ひゃー……こりゃ大変だねぇ……」
トミヲもそうだが、落盤箇所を見たザックは驚きを隠せずにいたようだ。
早速、レオンがその場所を調べる。彼は指を舐めてからかざし、空気の流れをその指で感じ取ろうとする。風の流れを感じたレオンはそれをたどり、落盤箇所右手側にかろうじて1人通れるほどの隙間を見つけることができた。
ここで一行は、どうすべきかと話し合う。
「炭鉱夫二人が居るであろう奥へは、人一人が通れる位の岩の隙間を抜けて行く以外に方法が無い状態なんだよね」
まりおが状況分析を行う。時間最優先でこの隙間を抜けるべきだが、まだ現れぬ雑魔にも気を払わねばならない。隙間の移動中に襲われたら………。
「まぁ確実に、救助どころの事態じゃなくなる事は間違いないねー。急がば回れってさー、正にこういうときの諺だと思う」
まりおはうんうんと頷きながら、自身の考えを仲間達へ告げた。
まりおの話を聞きつつ、レオンは落盤した岩をどかすのに、ウォーハンマーを使う。邪魔になりそうな岩を、渾身撃の一撃で破壊していたのだ。さらに、彼はてこの原理を利用し、長いウォーハンマーの先で重い岩を動かしたりしている。
蒼真はランタンを使って落盤箇所を調べていた。彼はレオンとは違う方向で調べを進めている。これ以上新たに崩れる可能性がないかと考え、慎重に調べていたのだ。
「おじさん、この先に行く迂回路ってあるの?」
「少し戻ってぐるっと回ってくるルートだな」
ザックは指でその迂回路を指し示す。一言では説明できないようだったので、またいくつか分岐を正しく選択した上でないとたどり着けないのだろう。
「急がば回れ? いやァ、そいつはNOだ……って僕のDT魔力が囁いている! そう、限界を超えろってね!」
熱く語るトミヲ。 確かにまりおの考えも一理あるのだが……、トミヲの言い分に否定派はいないようだ。
できる限り早く先へ進みたい一行。それでも、アルトは敢えて、先に妖精へと抜けた先の偵察を指示する。……今のところは何もないようだ。
それが確認できたアルトは、真っ先に隙間から奥へ向かう。先頭に立った彼女は身を潜り込ませるように奥へと進む。最初だということもあり、隙間を崩してしまわないよう配慮していたようだ。
一行は1人ずつ、その隙間をくぐっていく。しかし、彼らは気づいていなかった。そこに忍び寄る影に……。
●雑魔来襲!
落盤箇所の隙間を通り抜けたアルト、レイ。
彼らの姿を見つけた若い炭鉱夫達が声を上げる。どうやら、彼らは無事のようだ。……もっとも、助けが来たことで安心し、地面へへたり込んでしまっていたが。
「お疲れの所申し訳ないですが、怪しい動きを見かけたらすぐにお教えくださいね」
レイの呼びかけに2人は頷く。レイはいつ雑魔が襲ってきてもいいように、周辺に目を光らせていたようだ。
その後、蒼真も周囲の様子を窺いながら通過していく。さらに、まりお、ザックも奥へやって来る。アルトは通り抜けたメンバーと共に、ザックが通り抜けるタイミングは安全確保に努めていたようだ。
「ふふ、何とか通る事が出来そうだね」
トミヲも腹を擦りながら、隙間を潜り抜ける。その彼が通り抜けた先で洞窟の天井にライトを向けると……奥から天井すれすれ高さで飛んでくる蝙蝠の姿が。その数6体。
近寄ってきていたコウモリは、光を感じてハンターへ襲い掛かる!
後方では、まだ最後のレオンが通り抜けている最中だ。アルトは彼を守るべく、前方へと駆けだす。
まりおは、雑魔の出現に怯える炭鉱夫達へ声を掛けていた。
「しゃがんで、ボクの後ろに」
頭上から襲ってくるコウモリ。ならば、しゃがむことで被害は軽減できるはずとまりおは踏んだのだ。
さらに、トミヲが炭鉱夫達の前へと土の壁を作りだす。3人を守るには小さいが、盾にはなるだろう。
「さあ、今のうちに!」
「戦闘には参加せずに、まずは身を守っていてください!」
レイの言葉に頷くザックが若者2人へと指示を出し、しゃがんで後ろへ下がる。
レオンが合流すると、コウモリ型雑魔へと相対したハンター達の攻勢が始まった。まりおが飛んでくるコウモリ雑魔にはりつき、その攻撃を牽制する。
「爆ぜよ僕のDT魔力! 顕れ、そして切り裂き給え!」
トミヲは一陣の風を起こし、刃のように飛んでいく風でコウモリの羽を斬り飛ばす。
落下して来る敵に、アルトは立体攻撃を仕掛ける。体を引き裂かれたコウモリは坑道の地面にバラバラに散っていった。
雑魔も超音波を飛ばしつつ攻撃を仕掛けてくるが、その攻撃はバラバラ。奇襲を駆けられなかった雑魔達に
蒼真は炭鉱夫達の前に立ち、彼らにプロテクションをかけながら応戦する。
「え、来ないでよ。KYすぎる……面倒くさいなぁー、もう」
蒼真は嫌々ながらもコウモリの対処を行う。敵をなるべく近づけたくない蒼真は光の球を飛ばし、その衝撃をコウモリへ浴びせると、そいつは意識を無くして落下した。
「暗がりにずっといるんじゃ、光は眩しいでしょー?」
くすりと笑い、蒼真はジャンクガンを構えるのである。
暗がりにいたコウモリは、次々に落ちていく。ハンター達はあっという間に敵を追い込んでいた。
羽ばたいて襲ってくる最後のコウモリを、レイが身を張って止める。多少血が飛んだが、レイは構わずに銃弾を叩き込む。
衝撃を受け、落下するコウモリ。なんとか宙に留まろうとするが、踏込を使って自分と攻撃対象の位置と向きを調節したレオンの刀がその胴体を貫いた。
「もう大丈夫ですよ」
敵の体を振り払ったレオンは、炭鉱夫達へと優しく言葉を掛けたのだった。
●無事に外へ出て……
雑魔を倒し、一息をつく一行。
奇襲を受けずに済んだのは、最短ルートで移動をおこなったこと、そして、トミヲは天井を気にかけたことが大きかっただろう。おかげで、メンバー達の被害は軽微だったようだ。
「一件落着だね……ふふ。派手に戦闘しちゃったから、今から崩落なんてしちゃったりして」
てへと笑うトミヲ。しかし、その場の全員から冷ややかな視線を感じ、冷や汗をかいていたようだ。
メンバー達は炭鉱夫達に怪我がないかを確認する。
落盤に雑魔。若い2人は精神をかなりすり減らしていたようで、1人では動けずにいたようだようだ。
アルトが若者1人を背負うよう主張する。彼にはこの場で瓦礫撤去をする考えもあったのだが、要介護者を放置してまで行うわけにはいかないと判断したようだ。
もう1人は、トミヲが背負うよう申し出る。
「ノォォォ!」
トミヲは居心地の悪いこの場から脱出したかったようだが、背中の若い炭鉱夫からの視線が今だに背中へ突き刺さっているのを、トミヲはずっと感じる羽目になっていたようだ。
「また落盤の危険性が増さないとも限らないし、帰りは迂回路を使いたいな」
蒼真の主張もあり、帰りは迂回して入口へと戻っていく。彼の差し出したミネラルウォーターを、若い炭鉱夫達は有難がって飲んでいたようだ。
無事、若い炭鉱夫達を助け出したハンター達は、ザックと共に外へと出る。ザックは無事に部下を助け出すことができてよかったと、感謝の意を表していた。
「……いかがですか。外の空気は?」
助けられた事に安堵をしつつ、レイは笑顔で尋ねる。炭鉱夫達は日の光を浴び、これ以上なく晴れやかな表情をしていたのだった。
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炭鉱夫を探せ レイ・T・ベッドフォード(ka2398) 人間(リアルブルー)|26才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2015/06/20 00:28:24 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/06/20 00:07:18 |