潰えた依頼

マスター:後醍醐

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
締切
2015/07/05 12:00
完成日
2015/07/06 12:24

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 辺境――広がる平原。
 
 その平原をゆらゆらと歩く存在がいた。
 ハイライトのない瞳に暗い表情、紅いロングヘアー。
 地球連合宙軍の軍服を着崩し肌は青白く生気が無い死人。
 かつて、ガエル・ソトの部下だったアリシア・ジーナス。
 彼の命により、雑魔を使って小さな差集落を襲撃させ、凄惨な事件を引き起こしていた。
 
「ああ、お腹が減ったな……」
 暴食を持つ彼女にとって空腹は耐えれない状況だ。
 イライライした感情も募ってくる。
 ゆらゆらとしながら辺境を彷徨う。
 
 幸か不幸か――アリシアにとっては幸運、彼らにとっては不幸。
 
 小さな集落を見つけたアリシア。
 その集落は常設のテントらしき建物が十数個程しかない、数十人が住むこじんまりとした様子だ。
 昼時だろうか、テントの頂点からは炊事の煙が上がっているのが見える。
「アハハハ、みぃつけた! アハハハ」
 歓喜の声を上げるアリシア。
 空腹を満たせる喜びが、彼女をつき動かす。
 暴食を持っている彼女にとって飢えとはそれ程に満たせる喜びが大きい。
 ものすごい勢い――全力疾走で集落へ向かう。
 そして始まるのは惨劇――。
 
 ●狙われた集落
 
「どちらさ……」
 アリシアに声を掛けようとした村人。
 彼等からしてみればアリシアはよそ者だ――故に声をかけることは自然なことだった。
「美味しそう、いただきます」
 しかし――ゴトッと落ちる村人の首――そして、吹き出す血。
 落ちた首の表情は理解できないといった表情だった。
 アリシアは瞬間的に振りぬいた鉈によって首を刎ねられる村人。
 返事として帰ってきたのは返事ではなく悪意であった。
 その様子を見て呆然とする他の村人。
 当然だ、目の前で人が首を刎ねられて殺されたのだから。
 そして、あまりの恐怖に声も出ない。
「貴方も美味しそう」
 次のターゲットが見つかった。
 呆然とし。恐怖で声をなくしていた村人だ。
 だが、村人も振り向いて逃げ出そうとする。
 だが――。
「逃がさない」
 アリシアは持ち替えた拳銃から銃撃する――マズルフラッシュが光る。
 逃げる村人に吸い込まれるように銃弾があたる。
 先ず、足を撃たれ転がり――そして頭部へ目掛けて銃弾が襲う。
 コレにより、村人だった存在は物言わぬ肉塊へと変わってしまった。
 他に集落の外にいる村人はいない――昼時だろうからかテントの中にいるのだろう。
「そういえば、そんな時間だったのね……」
 アリシアは1つのテントへ向かい――。
 テントをめくる。
 テントの中には親子3人のテントのようだ。
「こんにちわ」
「ん?、こんにちわ――貴方は……」
 挨拶と同時に襲いかかるアリシア。
「!?」
 突然の出来事に咄嗟の出来事に驚く親子3人。
 母親は子を護るように子に覆いかぶさり、父はアリシアをテントから突き出そうとする。
 だが――。
「触るな!」
「ぐああああ!」
 だが、その突き出そうとする腕を鉈で切り落とすアリシア。
 勢い良く出血する腕――恐怖に表情を染める親子。
 次いで、返す刃で父親の首を跳ねる。
 テントの内側一面に血が染まる。
「ふふふ……美味しそう……柔らかそうで」
 次にアリシアがとらえたのは子と護るように覆い被さっている親だ。
「そういえば、いたぶれば美味しくなる、と言う調理法があったような」
 残酷な笑みをして親子に近づくアリシア……。

その後――。
「アハハハ! 食材になりなさい!」
 狂乱しながら集落の人々を襲うアリシア。
 テントというテントに乗り込み虐殺を続ける。
 逃げ出すものも容赦なく追いかけて殺していく。
 この虐殺は彼女にとって食材を得るための狩りでしか無い。
 
 ●悲劇の始まり
 
 ハンター達は依頼を受けて集落へ向かっていった。
 リーナ・ブルゲド(kz0039)が依頼の案内役だ。
「久々に行く集落なんです。楽しみだなぁ……」
 リーナはハンター達を案内しながら雑談している。
 集落の人間とは既知の為、会うのが楽しみのようだ。
「薬草の収集の依頼、依頼主は子供みたい」
「たまにはこういう依頼もいいね」
 比較的簡単な依頼だ、その分依頼料も少ないがたまにはこういうのもいいだろう。
 切った張ったばかりの依頼だkでなく、こうしたお使いじみた気軽な依頼も気晴らしに良い。
「リーナさん、どんな集落なんですか?」
「ちっちゃな集落だけど、みんな優しい人ばかりですよ」
 集落のことを聞かれて答えるリーナ。
 リーナの記憶あるのは優しげな集落の人々だ。 
 ほのぼのとした会話をしながら集落へ向かうが――。
 ナニカがオカシイ――。
 
 集落は異様なまで静けさだ。
 血のようなものも見える――嫌な予感がハンター達を襲う。
 嫌な匂いも立ち込めている。
 依頼者と思われるテントへ向かうハンター達。
 そこでハンターたちが見たのは……。
 
「うん? 食べる?」
 『食事中』のアリシア――人を『喰って』いる。
 人の腕らしきモノに齧りついていたアリシア。
 食事で満たされてイライラはなくなっている。
 穏やかな様子だが――あたりは異様だ。
 解体された人だったものが積み上げられている。
 明らかに子どもと思われる足をハンターに差し出すアリシア。
「え……?」
 一瞬、信じられない出来事にハンター達の思考が止まる。
 鍋には煮られているナニカ。
「あ、あなた美味しそう」
 ハンターと共にテントに入ってきたリーナを見て笑顔になるアリシア。
「えっ……」
 信じられない光景にリーナの思考は完全に停止してしまう――信じたくもなかった。
 目の前で広げられている光景が、あまりにも非日常過ぎて、残酷すぎたために。
 
 これが、リーナとアリシアの邂逅。

リプレイ本文

 ●邂逅
 テントにいるのは数名のハンターとリーナ、そしてアリシア・ジーナス。
 ハンターと歪虚が居合わせた形となった。
「いや俺達は食べてきたんで結構っす。それとお替りは全部食べてからにするっす」
 そう答えたのは神楽(ka2032)だ。
 アリシアを刺激しないように気をつけている。
「あ、デザートに飴ちゃんいるっすか?」
「デザートはあるからけっこうよ」
 あくまでもアリシアを刺激しないようにしている神楽だ。
「……お前は、今まで殺してきた人達の事を覚えているのか」
 アリシアに問いかけたのはマーゴット(ka5022)だ。
 それはマーゴットの想いからの問いかけた。
「貴方は――食べたパンの形と枚数を覚えてるかしら?」
 アリシアはあざ笑うかのように、その行為がさも当たり前のように答える。
 自らの手で他者の命を奪った時、相手を忘れない様に心がけているのを侮辱したかのような答にマーゴットは憤りをおぼえる。
「無為に殺すのではなく食べる為に殺す、摂理としては正しいからキミの行為それ自体を否定はしないさ」
 そう言ったのはイーディス・ノースハイド(ka2106)だ。
「……」
 自分自身が許せず、目の前のアリシアが許せず冷静に睨んでいるのは神谷 春樹(ka4560)。
「ズイブン面白い事なってるじゃねェか」
 カティーナ・テニアン(ka4763)は最初の依頼よりもマシだと考えていた。
「……それにしても、貴方――子豚ちゃんのように可愛くて美味しそうね」
 獰猛な笑みをリーナ・ブルゲド(kz0039)へ向けるアリシア。
「ちょっと、やばいっすね……」
 リーナの手を引いてジリジリ下がる神楽。
 即座に抜刀したのは守原 有希弥(ka0562)だ。
「歪虚と私達は相容れない存在だからね。人を守る為にキミはここで討たせて貰うよ」
 アリシアに対して何時でも攻撃できるように構えるイーディス。
 (春樹と一緒の依頼になって浮かれていたけれど……そう気楽な状況とはいかないみたいだね)
「リーナちゃんの笑顔を奪い泣かす奴は赦さない」
 エリス・ブーリャ(ka3419)はすぐに戦えるように臨戦態勢をとった。
「そう……」
 (他銭無勢ね……どうにか、各個撃破しないと)
 アリシアはそう言うと、背後のテントを鉈で裂くと全力で逃亡した。
 その後を追う、ハンター達。
 
 一方、外で警戒しているハンター。
「……! 血の匂い……」
 外で警戒していたゾファル・G・初火(ka4407)。
 簡単な依頼だと思ってだらけきっていたが、血の匂いを嗅ぐと一瞬で目の色を変えたゾファルだった。
 ハンター達が入っていったテントに異変を感じて移動するゾファル。
 
 ●戦闘
 アリシアを追ったハンター達はテントから出た所にいた。
 リーナを庇うような位置取りでいる守原。
 神楽はその二人の前に位置取りをする。
 その先、中衛には神谷が。
 ペットのシロはリーナに付き添わせ、周辺警戒とリーナの慰めを指示をする。
 コロマルは単独で集落探索を行わせ、生存者の居る場所の前の地面を掘らせる様に指示を出した。
 前衛にはイーディスが盾を構え、ゾファルが騎乗したまま合流してきた。
 マーゴットとカーディナも前衛に位置していた。
「ごめん、リーナちゃんを頼むね」
 守原に声を掛けたエリスも前衛へと移動した。
 だが、其処にはアリシアの姿はなかった・
 ハンター達は姿がないことに警戒する。
 
「包囲されて攻撃されても厄介だわ……各個撃破するに限るわね」
「あの子なんて狙いやすそう」
 テントの影に隠れていたアリシアはハンターに向けて銃撃する。
 拳銃が火を噴き、銃弾がエリスを襲う。
 
「くっ……」
 突然の銃撃で脚を撃たれたエリス。
 口径が大きくないのが幸いして銃創だけで済んだ。
「っつ……」
 銃弾を取り出すことに成功した。
 だが、左足に銃撃を受けて歩きにくそうだ。
「面白い事、やってくるんじゃねぇか」
 銃撃したと思われる地点に対して移動を開始するカーディナ。
 奇襲を警戒していたカーディナには何処から撃ってきたか予想がついていたようだ。
 他のハンター達もカーディナの後を追って移動する。
 だが、其処にはアリシアの姿はなかった。
 
「前衛を少しでも崩さないと……でもあの騎士の子は無理そうね」
 隠れているアリシアは拳銃をハンター達に向けて銃撃する。
 銃弾はエリスではなく、マーゴットに向けて放たれる。
 
「うっ……」
 突然の脚の痛み――気がつけば銃撃を受けていた。
 立てないほどでは無い――だが痛みがマーゴットを襲う。
 銃撃の手当をするマーゴット。
「また、銃撃じゃーん。俺様ちゃん。ちょっとイライラしてるじゃん」
 見えないところからの銃撃に少しイラつくゾファル。
「こっちからの銃撃っぽいじゃん」
 逃さないとばかりに騎乗しての全速力での移動するゾファル。
 それを追う、ハンター達。
「見つけたじゃーん。俺様ちゃん。優秀」
「っち、騎乗したのがいたのね」
 移動中のアリシアを発見するゾファル。
 アリシアとの距離はあるものの対峙することとなったハンター達。
「行くよっ」
 エリスが『ジェットブーツ』を使いマテリアルを足の装備から噴射することにより、高速で移動するエリス。
 狙いはアリシアだ。
「なにっ!」
 アリシアに組み付いたエリス、アリシアの動きを封じ込める。
「今だよっ!」
「チャーンス!当たっても怨むなっす!」
 組み付いて動けないアリシアに向けて銃撃する神楽。
「っつ……忌々しい!」
 ダメージを与えることに成功した。
「くっ! 離せ!」
「キャッ!」
 全力を出して組み付いたエリスを引き剥がして全力で後退するアリシア。
「へへへ、死人は俺様ちゃんの大好物。何と言ってもちょっとやそっとで死なねーのがいいじゃーん」
 騎乗したまま突っ込んでくるゾファル。
 『ギガースアックス』を振りかざしアリシアへと騎馬上から振り落として攻撃する。
「くっ!」
 アリシアは鉈で大斧を受け止める。
 (……このまま戦闘すると集中攻撃されてしまう)
 アリシアは全力で後退する。
 前衛のハンター達もアリシアへと向かうがまだ、距離がある。
「紅ロングで軍服着崩しは好みっすけど食人趣味は無理っす!」
 無骨な『ライフル「ペネトレイトC26」』から発射される弾丸はリシアへ向かって行く。
「チィッ」
 なんとか回避に成功するアリシア。
 だが、アリシアの拳銃では射程外だ。
「子分予定の依頼者を喰いやがって! タダ働き確定じゃないっすか!」
 更に銃撃する神楽。
「セイッ」
 鉈で向かってくる銃弾を切り落とすアリシア。
 (前衛が近づいてきてるけど……ここは勝負どころね)
 前進し、神楽を射程に収めるアリシア――前衛のハンターとの距離も短くなる。
「鬱陶しい!」
 後衛で銃撃して援護している神楽に対して銃撃を行うアリシア・。
「わわ、攻撃してきたっす!」
 互いに銃撃戦を行うアリシアと神楽。
 その間に距離を詰める前衛のハンター達。
「きりがないわ……」
 (このままだと、前衛に包囲されるかもしれないし)
 後退するアリシア――ハンター前衛が神楽の射線に重なる様に。
「1対1でなら……」
 アリシアは前衛に対して攻撃を行い各個撃破を目指すことにした。
 鉈に持ち替えてカティーナに襲いかかるアリシア。
「おもしれぇ。受けて立つぜ」
 鉈を振りかざして腕を狙うアリシア。
 『マルチステップ』を使い、立体的な機動で攻撃を回避するカティーナ。
 『日本刀「虎徹」』を振るい、アリシアの腕へと攻撃を行う。
 鉈と刀の剣戟が続く。
 1合、2合…‥と互いに切り結び合うアリシアとカティーナ。
「お前、つまんねェな」
 カティーナの求めているものではない――壊れてる玩具に用は無い、力が強くとも、『強者』とは、そういうモノじゃない。
 物ではないのだ。
「じゃあ、引かせてもらうわ」
「馬鹿か、逃がす訳ねェだろ」
 『ランアウト』を使い、素早く移動して『特殊強化鋼製ワイヤーウィップ』で腕に巻き取るように攻撃をするカティーナ。
「ッチ」
 腕に巻き付いたワイヤーを外す隙に刀で袈裟斬りにアリシアに斬りかかるカティーナ。
 片腕で持った鉈でカティーナの袈裟斬りを受け止める。
 一旦、後退するアリシア。
 続いて狙ったのはマーゴットだった。
 マーゴットに襲いかかるアリシア――マーゴットは心を落ち着かせ、五感を研ぎ澄ませて機動を予想して体を逸らしながら『試作雷撃刀「ダークMASAMUNE」』で攻撃を受け流す。
 マーゴットとアリシアと切り結んでいる。
 鉈でマーゴットの首や腕を狙うアリシア――マーゴットは脚や鉈を持つ腕を狙って斬りつける。
 マーゴットは『疾風剣』を放つ――アリシアに対して対し半身の姿勢で武器を水平に構え、一気に間合いを詰めて貫こうとする。
 ガキンッ!
 マーゴットの『疾風剣』を鉈で受け流すアリシア――完全回避とは行かずダメージを受けている。
 互いに刀と鉈で打ち合っている――互いの脚や腕、急所を狙いながら致命傷を与えんとして。
 他の前衛の割り込みを警戒したアリシアは後退する。
 イーディスに向かって駆けて襲いかかるアリシア。
 アリシアの首に向かって振りかざす鉈を『シールド「リパルション」』で防ぐイーディス。
 カウンター気味に『バスタードソード「フォルティス」』でアリシアの脚を狙って斬りつける。
 アリシアは鉈でイーディスの斬撃を受けきる。
 アリシアとイーディスの戦闘はイーディスが盾や胸甲で受けきり、カウンターで攻撃する形となっていた。
「流石に硬いわね……」
「私は騎士だからね。いかに歪虚と言えど、私の防御を簡単に崩せるとは思わない事だ」
 イーディスの装備の硬さは伊達ではない――アリシアはイーディスに対して有効なダメージをあまり与えていない。
 首や腕を狙おうにも全身鎧で防御されている上に盾で防がれてしまっている。
 アリシアの攻撃に対して冷静対処しているのも大きいだろう。
 近距離で銃撃しようにもイーディスの攻撃で拳銃に持ち替える余裕を作らせない。
 イーディスの硬さに膠着した状態が生まれでて他のハンターから集中攻撃を危惧したアリシアは全力で後退せざる得なかった。
 ゾファルに向かって襲いかかるアリシア。
「お、俺様ちゃんとやるのじゃーん。晩飯にちょうどいいじゃーん、腹も減ってるしな」
 『チャージング』で勢いをつけて大斧で頭をかち割らんと振り下ろすゾファル。
 重い一撃を鉈で受けるアリシア――流石に手首に負荷がかかる。
 村の外へ誘き出すように動くゾファルだが、その意図を読んだアリシアはその動きに乗らず攻撃を仕掛ける。
 時折、『チャージング』を使って振り下ろされる大斧とアリシアの鉈の剣戟が繰り広げられる。
 騎乗している関係で上半身を中心に大斧で攻撃するゾファル、ソファルの腕や脚を狙うアリシア。
 幾度となくファゾルとアリシアの打ち合いが繰り広げられる、互いにダメージを受けながらも続けられる。
 1対1の戦闘が継続できないと悟ったアリシアは後退せず、全力でエリスへと襲いかかる。
 鉈で斬りかかるアリシア――エリスは腕でガードする。
「逃げられない?それはこっちのセリフだ!」
「なっ!」
 エリスはすかさず『マテリアルヒーリング』で回復――傷口が塞ぎナタが抜けない状況だ。
 もう一方のエリスの左腕で『機杖「ピュアホワイト」』を構え、脳天に機導砲を撃ちこもうとするが――。
「くらえっ!」
「がぁあああ」
 とっさにアリシアは右腕で機導砲をガードするが右腕を負傷してしまう。
「うああああ」
「ギャッ」
 限度を超えた全力でエリスを引き剥がすアリシア――鉈が抜けたエリスの腕からは出血している。
「……こうなったら、子豚ちゃんだけでも」
 リーナを襲う目標に切り替えたアリシア。・
 一方、そのリーナは。
 守原により護られている――恐怖により行動ができない状態のようだ。
 リーナ目指して移動するアリシアだが、中衛の神谷が塞がる。
 『ウィップ「カラミティバイパー」』を振りかざして『部位狙い』で手や脚を狙って振るう。
 バックステップして避けるアリシア――神谷の鞭がいたところへ向かってくる。
 神谷の攻撃にカウンター気味に攻撃するアリシアだが、神谷の『短剣「黒夜」』で鉈を受けられてしまう。
 『エンタングル』を使いアリシアのの回避行動にあわせて鞭を巻きつけ、短剣で攻撃してダメージを与える。
「あと少し――あと少しで」
 神谷との戦闘で不利を悟ったアリシアは、攻撃のフェイントで一瞬の隙を突いて後衛の神楽へと襲いかかる。
「こっち来んなーっす!」
 『戦槍「ボロフグイ」』に『クラッシュブロウ』を使い大きく振りぬいてアリシアの胴目掛けて攻撃する神楽。
 鉈で槍を叩き軌道を逸らして回避するアリシア。
 懐に入り込み神楽にダメージを与える。
「くそ!こいつ強いっす!」
「この隙に!」
 神楽が『自己治癒』を使用している隙に最後衛のリーナを襲わんとするアリシア。
「させません!」
 だが、それを阻止したのは守原だ。
 アリシアの鉈を『日本刀「景幸」』で受けきる守原。
 刀と鉈とのぶつかり合い――密着しての格闘。
 神楽の援護射撃も難しい状況だ。
 『フェイントアタック』でフェイントを用いて攻撃を行い、アリシアの胴へとダメージを与える。
「これ以上は無理か――子豚ちゃん、次こそは食べてあげる」
 ダメージを受けたアリシアは守原の後ろで怯えているリーナに向かって獰猛な笑みで言葉をかけると、全力で逃走した。
 全速力で逃げるアリシア。
 こうしてアリシアは村から撤退した。
 
 ●戦闘が終わって
「お墓を作るのは任せてくれていい。ただ、最後にしっかり見送ってあげて」
 血が出る程拳を握り、そう言葉を掛ける神谷。
「……はい……」
 震えながらも答えるリーナ。
 怯えるリーナを強く抱きしめる守原。
「生きて覚えててあげて、貴女が知る此処の人達を。甘えて、支えられていいんです」
「守原さん……」
 落ち着きを取り戻す、リーナ。
「護られてくれて有難うございます。良かった、貴女を零さなくて」
「……ありがとう……守原さん」
 その後、村人の安否を確認するハンター達。
 だが、村人は全て殺されていた。
 墓を作り村人を弔うハンター達。
「こんなつもりで持ってきたんじゃないんすけどね」
 子供の墓に菓子を供える神楽――悲しげな表情だ。
 
 アリシアは撃退できた――悲しみを残して。
 
 潰えた依頼 Fin

依頼結果

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MVP一覧

  • 渾身一撃
    守原 有希弥ka0562
  • 混沌系アイドル
    エリス・ブーリャka3419
  • ゾファル怠極拳
    ゾファル・G・初火ka4407

重体一覧

参加者一覧

  • 渾身一撃
    守原 有希弥(ka0562
    人間(蒼)|19才|男性|疾影士
  • 大悪党
    神楽(ka2032
    人間(蒼)|15才|男性|霊闘士
  • 鍛鉄の盾
    イーディス・ノースハイド(ka2106
    人間(紅)|16才|女性|闘狩人
  • 混沌系アイドル
    エリス・ブーリャ(ka3419
    エルフ|17才|女性|機導師
  • ゾファル怠極拳
    ゾファル・G・初火(ka4407
    人間(蒼)|16才|女性|闘狩人
  • 月下紫想
    神谷 春樹(ka4560
    人間(蒼)|19才|男性|疾影士
  • 其の身を灼くは《蒐集癖》
    カティーナ・テニアン(ka4763
    人間(紅)|18才|女性|疾影士
  • 元凶の白い悪魔
    マーゴット(ka5022
    人間(蒼)|18才|女性|舞刀士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン アリシア対策相談室
エリス・ブーリャ(ka3419
エルフ|17才|女性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2015/07/05 11:14:27
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/06/30 21:27:40