ゲスト
(ka0000)
ワルサー総帥の七夕
マスター:御影堂

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/07/14 07:30
- 完成日
- 2015/07/18 12:09
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
王国北部で、ゴブリンとの緊張が高まっている。
話には聞いていたが、実際にその場面にサチコは遭遇した。
考えるところがあったのだろうか。
しばらくワルワル団アジトには、あの笑い声は響いていなかった。
だが、
「わーはっはっは!! わるわるさー! 俺様がワルサー総帥なのだぜ!!」
久々に威勢のいい名乗りがタロとジロの耳に聞こえてきた。
嬉しいかな、悲しいかな。
本調子を取り戻したのかと、様子を見に来た二人へサチコは告げる。
「七夕飾りをしましょう!」
七夕とは、リアルブルーの日本という国に繋がる伝統的行事である。
笹と呼ばれる東方の植物に、紙で作った様々な飾りをつけて星空の下に立てる。
願い事を書いた紙片を、飾りと一緒に笹に吊るしておく。
空に輝く星の精霊、彦星と織姫に祈りを捧げれば、その願いが叶うという。
いつもの思いつき……もとのサチコに戻ったか。
そう思ったタロへ、サチコは続ける。
「最近、暗いニュースが続いていますわ。少しは明るい話題を作りませんと」
「え?」
「おと……領主に話を通しましょう。笹を持って、領内を巡回するのですわ。対外的なことばかりでは、内部の不満が聞こえないでしょう?」
誰だお前は! 本物のサチコお嬢様をどこへやった!
ジロが思わず口から出そうになった言葉を飲み込む。
これもまた、サチコの一つの姿なのだと、知っていたはずだ。
「領主……カフェ様に話を通すのですか?」
片眉をあげたのは、タロだ。
サチコから自発的に、領主との折衝を言い出すとは思わなかった。
「えぇ。ワルワル団として、正式に活動を申し入れてください」
「総帥は行かれないのですか?」
「……お願いします」とサチコは視線をそらす。
どうやら、まだ何かが足りないらしい。決意か、それとも時間か。
何にせよ、サチコの提案であればカフェは喜んで協力するだろう。
「総帥もお願いごとをするのでしょうか」
「当然です」
●
「なるほど、話はわかった。ワルワル団……からの正式の申し入れとして受理しよう」
カフェは、ワルサー総帥名義の書類にふとため息をつく。
ここまできて、他人行儀な娘に寂しさを覚える。
「ところで、サチコの願い事は何なのだ?」
表情を切り替え、タロへカフェは問いかける。
「それが……教えてもらえませんでした」
「教えてもらえないなら、探るが良い。アジト用にも笹を用意し、それに吊るさせろ」
「盗み見ろと?」
そういうことだ、とカフェは頷く。
よほど隠されない限り、可能だろうが……できれば自然に聞き出したい。
「そうそう」
「はい」
カフェがおもむろに、話題を切り替える。
「七夕という行事では、星を見るのだな?」
「はい」
「夜に行うということだな?」
「そうなりますね」
「……」
カフェの表情が、父親のそれになっていく。
厄介事を増やすつもりだな、とタロは直感した。
出かかったため息を、喉元で封じ込む。
「危険もあろう。ハンターを護衛につけよう」
昼の間に村を回り、願い事を集め、夜はアジト周辺で宴でもせよ、というのだ。
「いいのですか?」
「よい。もしやすると、暫くの間、かようなことができなくなるかもしれん」
険しい表情で、カフェは王国からの書状に目を通すのだった。
王国北部で、ゴブリンとの緊張が高まっている。
話には聞いていたが、実際にその場面にサチコは遭遇した。
考えるところがあったのだろうか。
しばらくワルワル団アジトには、あの笑い声は響いていなかった。
だが、
「わーはっはっは!! わるわるさー! 俺様がワルサー総帥なのだぜ!!」
久々に威勢のいい名乗りがタロとジロの耳に聞こえてきた。
嬉しいかな、悲しいかな。
本調子を取り戻したのかと、様子を見に来た二人へサチコは告げる。
「七夕飾りをしましょう!」
七夕とは、リアルブルーの日本という国に繋がる伝統的行事である。
笹と呼ばれる東方の植物に、紙で作った様々な飾りをつけて星空の下に立てる。
願い事を書いた紙片を、飾りと一緒に笹に吊るしておく。
空に輝く星の精霊、彦星と織姫に祈りを捧げれば、その願いが叶うという。
いつもの思いつき……もとのサチコに戻ったか。
そう思ったタロへ、サチコは続ける。
「最近、暗いニュースが続いていますわ。少しは明るい話題を作りませんと」
「え?」
「おと……領主に話を通しましょう。笹を持って、領内を巡回するのですわ。対外的なことばかりでは、内部の不満が聞こえないでしょう?」
誰だお前は! 本物のサチコお嬢様をどこへやった!
ジロが思わず口から出そうになった言葉を飲み込む。
これもまた、サチコの一つの姿なのだと、知っていたはずだ。
「領主……カフェ様に話を通すのですか?」
片眉をあげたのは、タロだ。
サチコから自発的に、領主との折衝を言い出すとは思わなかった。
「えぇ。ワルワル団として、正式に活動を申し入れてください」
「総帥は行かれないのですか?」
「……お願いします」とサチコは視線をそらす。
どうやら、まだ何かが足りないらしい。決意か、それとも時間か。
何にせよ、サチコの提案であればカフェは喜んで協力するだろう。
「総帥もお願いごとをするのでしょうか」
「当然です」
●
「なるほど、話はわかった。ワルワル団……からの正式の申し入れとして受理しよう」
カフェは、ワルサー総帥名義の書類にふとため息をつく。
ここまできて、他人行儀な娘に寂しさを覚える。
「ところで、サチコの願い事は何なのだ?」
表情を切り替え、タロへカフェは問いかける。
「それが……教えてもらえませんでした」
「教えてもらえないなら、探るが良い。アジト用にも笹を用意し、それに吊るさせろ」
「盗み見ろと?」
そういうことだ、とカフェは頷く。
よほど隠されない限り、可能だろうが……できれば自然に聞き出したい。
「そうそう」
「はい」
カフェがおもむろに、話題を切り替える。
「七夕という行事では、星を見るのだな?」
「はい」
「夜に行うということだな?」
「そうなりますね」
「……」
カフェの表情が、父親のそれになっていく。
厄介事を増やすつもりだな、とタロは直感した。
出かかったため息を、喉元で封じ込む。
「危険もあろう。ハンターを護衛につけよう」
昼の間に村を回り、願い事を集め、夜はアジト周辺で宴でもせよ、というのだ。
「いいのですか?」
「よい。もしやすると、暫くの間、かようなことができなくなるかもしれん」
険しい表情で、カフェは王国からの書状に目を通すのだった。
リプレイ本文
●
王国北部の一角、ルサスール領では、七夕行事が行われようとしていた。
星が夜空を照らすように、主催するサチコは領民の暗い気持ちを晴らそうとしていた。
「わるわるさー! うへへぇ、お久しぶりです……ぬふぅ」
元気よく挨拶したかと思えば、疲れを見せるのはミネット・ベアール(ka3282)だ。
慌てるサチコに、ミネットは鍛錬続きだったからと説明し、
「そーめんとやらのためにも、頑張りますよ」
そういって、ぐっとガッツポーズするのであった。
「サチコ殿、先日ぶりなのじゃ。……何か悩んでおったようじゃが、答えは出たのかのう?」
重ねて紅薔薇(ka4766)も挨拶を交わす。
この問いには、サチコは少し表情を固くしつつ、
「えぇ」と肯定するのだった。
「さて、笹飾りですわ。作らないといけないで……だぜ!」
気合を入れるサチコを横目に、ヴァイス(ka0364)はぽつり呟く。
「毎回お疲れ様だな」
よくこういうイベントを実行できるものだ、と感心する。
一方で、今回の経緯を聞いていたヴァイスはこうも思う。
「しかし、サチコの雰囲気が少し変わったな」
「サチコさんも変わってきているようですね。ワルサー総帥のノリがなくなるのは寂しい気もしますが」
エルバッハ・リオン(ka2434)は、「今回もよろしくお願いします」と挨拶を終えた後、折り紙に向き合っていた。
挨拶をしたときも、サチコは柔和な笑みで
「はい。こちらこそお願いします」と礼儀正しく返していた。
いや、今までも礼儀はあったのだが、心持ち、貴族としての立場を考えているようでもあった。
「それが彼女に取って良い変化ならば、暖かく見守るべきかもしれませんね」
改めて、そう呟く。
サチコにとって何が最善なのかは、本人にしかわからないだろう。
もしかしたら、本人も模索しているのかもしれない。
「それで、いいんじゃねーの? 俺は総帥閣下に付き合うぜ」
ヴォーイ・スマシェストヴィエ(ka1613)は声を弾ませながら、宣言する。
視線の先では、折り紙相手に四苦八苦するサチコの姿があった。
「そうそう、そこを折り曲げて、中に入れ……そっちじゃなくて、こっちだよ」
サチコに折り紙を手取り足取り教えているのは、天竜寺 舞(ka0377)だ。
星の形や菱型、切込みを入れた提灯等々、様々な七夕飾りを伝授する。
「それにしても、七夕か~。そう言えばこっちに来てやってない気がするな」
しみじみと告げる舞の横で、柊 真司(ka0705)も頷く。
「時にはこういうのも悪くないな」
「色紙が多いと、わっかつづりも映えるね」
真司は、折り紙を細く切って輪っか状にしたものを繋げていく。
チェーンのような飾りを笹にかければ、華やかさが増す。
「七夕で奉られる神様ってどんな神様なんでしょう……できればイメージしてみたいですね」
笹飾りを作りながら、サチコの隣でミネットが呟く。
サチコも気になったのか、舞に説明を仰いだ。
「覚えている範囲でね」と前置きをして、舞は彦星と織姫の話をする。
ロマンチックなんですね、とミネットはしみじみと感想を述べた。
その手先では、折り紙の鶴が折られていた。
「平和の象徴……ですか。私には大それた願いなのかもしれませんけど……」
「いえ、大事なことですわ」
そういいながらサチコも鶴を折る。
千羽鶴にしかねないぐらい、ふたりとも真剣だった……が。
くぅっとミネットのおなかの虫が鳴った。
「『お腹一杯美味しいもの食べれますように』とかの方が言ってて気持ち良いし真の願いです」
そして、照れくさそうにぐへへと笑うのだった。
「ん?」
サチコはふと、端の方で何かを作っている最上 風(ka0891)が見えた。
笹飾り……ではなさそうだ。
大筆を手に一枚布に、堂々たる文字を書く。
「何を作っているのですの?」
「ワルワル団主催なので、アピールは大事ですよねー?」
風が振り返る。彼女の面前には「ワルワル団惨状!」、「ワルワル団主催!」「ワルサー総帥見参!」と書かれた垂れ幕があった。
「これをどうするのですか?」
「無論、笹にかけるのですよー?」
笹の美観が損なわれるので却下、とサチコは言い放つ。
まるで予想外のことのように、風は目を見開く。
「うっ……別で掲げるのは、いいのだぜ……」とサチコは妥協する。
「どうせなら、サチコさんには笹の頂上に降臨しますか? 気合いと根性で」
「できるわけ、ありませんわ」
「やる前から諦めるのは感心しませんよ?」
風に言われ、むっとサチコは言葉を詰まらせる。
ほら、試してみましょうと使わないことになった笹を持ってくる風。
恐る恐るサチコは、足を乗せるが……バキッと音が鳴り、尻餅をつく。
「根性が足りませんよ?」
「気合とか、根性とか以前の問題ですわ……」
「あと、これを飾りましょうー」
そういいながら、風は塗料を混ぜて作ってもらった金紙銀紙の星を見せるのだった。
●
「わるわるさー! みんなの友達、ワルワル団が今日も今日とてやってきたぜ!」
まるごとくまさんにサングラスという出で立ちで、ヴァイスは堂々と名乗りを上げた。
わいわいと賑やかな一団に、領民たちもそろそろと集まってくる。
「というわけで、織姫様と彦星様は年に一度しか会えなくなったのさ」
ヴォーイが七夕の神話について、舞から聞いたことや調べたことを踏まえて軽く説明する。
子供たちが興味を引いたところで、エルが姿を現した。
清く正しくきぐるみを演じるヴァイスの横で、エルは猫耳カチューシャ&ビキニアーマーだった。
「どうかしましたか?」
「……さー、子どもたち、あっちで願い事を書こうか!」
元気よく声を出して子どもたちをヴァイスが先導する。
エルは小首を傾げながら、その背中を見送った。
彼女なりのサービス精神は、村々の男どもにとても好評だったという。
「はいはい、みなさんに願い事を書いてもらいますから」
舞が抑えつつ、願い事の紙を配る。
その隣りでは紅薔薇が、
「必ず叶うわけではないけれど、領主様が目を通すのじゃ」
と興奮しすぎないように制していく。
途中、紅薔薇とヴォーイは村巡りを抜けてアジトへと戻っていった。
●
サチコたちが短冊集めを終える頃。
がたがたと足音を立て、重装馬をヴォーイは疾駆させていた。
その後ろには斧で切り出した無数の竹が荷車に載せられている。
「今夜は晴れるかな?」
雲はなだらかに流れている。
雨の匂いは感じられない。
「おかえりなのじゃ」
出迎えた紅薔薇は、太い竹を受け取ると適当な長さに切っていく。
節をくりぬいて、形を整える。
その間にヴォーイが切り分けた竹を組み合わせ、支えを作る。
「さて、これでいいじゃろう」
「いい感じだな」
サチコたちと戻ってきた真司が、笹を立てながらいう。
「竹細工も子供のとき以来なのじゃ。まさか西方でもする事になるとは思わなかったがのう」
紅薔薇はそういうが、ヴォーイと一緒に器用に組み立てていた。
やがて、後ろからエルやヴァイスたちも戻ってくる。
「ついでじゃ。これを運んでくれるかのう?」
「わかった」
ヴァイスが託されたのは、丸太の運搬だった。
竹の取水口に運び、丸太の上に栓つきの桶を置く。
醸造用のものだが、特に使用されていなかったものを拝借した形だ。
「タロさん、ジロさん。お仕事ですよー」
風にいわれずとも、タロとジロはかいがいしく働いていた。
「なるほど、流しながら食べるから『流しそうめん』か。なかなか、面白い趣向だな」
ヴァイスもタロたちとともに水を運ぶ。
一方で真司は、つゆを準備していた。手に入りがたいものもあり、タロたちの知恵を借りる。それらしく出来上がるのをエルも味見していた。
「リアルブルーのどこかの国で、そういった風習があったというお話でしたか?」
首をかしげながらつぶやくエルの横で、舞がめんつゆを用いた一品を用意していた。
あたたかいつゆに溶き卵を入れ、素麺を投入してにゅうめんに仕立てる。
平行してかぼちゃを湯がいたものをほぐして、マヨネーズと和える。黄色い素麺のような小皿が出来上がっていた。
「こ……これは!?」
「かぼちゃをほぐすと素麺みたいだから、素麺瓜とも呼ばれているんだよ」
興味津々のミネットに舞が説明する。
感心するミネットの視界の端に、短冊を確認するサチコがいた。
●
「領民の方々が書いた願いですね!」
ミネットも一枚手にとって、「どれどれ」と読み上げる。
『私は願わない。何故ならば願うことは己の弱さを認める行為に他ならないからである。
己の望みは己自身で実現するものであり、決して誰かに与えられるものではないのだ』
「ぐはっ……」
読み上げたミネット自身が、ダメージを受けた。
「随分な長文で埋め尽くして来ましたね……14歳くらいの男の子だったんですけれど」
「誰にでもそういう時期はありますわ」
「ワルサー総帥にも、ありましたか」
ノーコメントと突っ張るサチコであった。
そこへ舞も用意を終えたのか、近づいてくる。
「願い事なら、私はこれが気になったかな」
舞が取り出したのは、癖のある達筆で書かれた短冊だった。
『サチコ様に良いお婿さんが来ますように』
領主の後継ぎや配偶者問題は、領民にとって重要だ。
だが、それ以上に、
「愛されてるのかな?」と舞はこれを書いたおばあさんの表情を思い出していう。
一方でエルが畳み掛けるように、
「こんなのもありましたよ」と別の短冊を取り出す。
『サチコ様のようなお嫁さんが欲しい』
「な、なな」
連続した流れに、サチコは頬を赤らめ口をぱくつかせる。
慌てて一枚の願いを見て、気持ちを切り替える。
「新しい農具が欲しい……これは対策が必要ですわね」
「真剣なのも、あればこういうのもあるぞ」
紅薔薇はぴらりと短冊を示す。
『珍しくて美味しい御菓子が食べてみたいです』
「き、機会があれば何か考えますわ」
「そういう前向きなところが、サチコらしいな」
ヴァイスも水の準備を終えて、近づいてきた。
「と、どうした?」
妙に真剣な表情をするサチコに、ヴァイスが問いかける。
サチコの手には、複数の短冊があった。
『おとうとかいもうとがぶじにうまれますように』
『子供達が健やかに成長するよう、街が安全でありますように』
親子だろうか。
近しいところにあった二枚である。
他の笹にも、
『こどもを安心して健康に育てられる世の中になりますように』
というものがあった。
皆考えることは同じなのだ。
『歪虚のいない世界で平和に暮らしたい』
『不安に怯えながら眠る夜が無くなりますように』
「あまり根を詰めちゃだめだよ?」
「しかり。お主ひとりでどうにかなるものでもないのじゃ」
舞と紅薔薇が口々に、声をかける。
それでも、動けないサチコに
「そう言えば、サチコさん領民の方が、こんな事を言っていましたよー」
「ひゃっ!?」
風が急接近していた。
まだサチコの心臓がバクバク鳴る中、風はリサーチしていた内容を語りだす。
主としてサチコの評判だ。ほとんど好ましい内容だが、お転婆が心配という声も聞かれた。
ところで、と風は短冊を見せる。
「サチコにもっと、領内に来て皆と触れ合って欲しい」
読み上げたところで、ヴォーイも続ける。
『ワルワル団にはいってサチコさまを守りたい!』
「ま、またこういう」
再び頬を紅潮させるサチコに舞が言う。
「とりあえず、素麺を食べよう!」
●
みんなが素麺に向かう中、ヴォーイはそっと笹に短冊を語る。
『みんながお互いの良い距離を見つけられますように』
「なぁビリー。あいつらの肩を持つ訳じゃねーけどさ。かわいそう、だよな」
愛犬の柴犬ビリーは語りかける。
あのときの出来事、父と娘、人間とゴブリン……お互いが適度な距離で過ごせる日々を願っていた。
「さて、と」
サチコにマスコットとして従わせたパルムが戻ってくる。
彼女の願いを知る時間だ。
「ぐっ、この緊張感……気迫、これは狩りに似ています!」
ミネットはサチコと対戦でもするかのように、流し素麺に立ち向かっていた。
「ぐっへぇ! 美味しいお食事を目の前にして食せないなんて……ワルサー総統はお箸も使えるんですか!?」
すかっと素麺を箸から滑らせたミネットの先で、密かに練習していたサチコは器用に箸を使う。
「てんぷらできたよ」
ここで真司が揚げたての天ぷらと自作のうどんを持ってくる。嬉しそうに舌鼓を打つサチコは、笹から注意が完全に抜けていた。
エルはその間に、笹に飾られたサチコの願いを確認する。
ヴァイスも自身の短冊を飾るのに合わせて、それを見る。
『ワルサー総帥として、領民を守るだけの力が欲しい』
エルは、ふむとひとり考えにふけりつつ、周辺の警戒に戻る。夜は危ない時間なのだ。
一方のヴァイスは、自身の願い事、
『誰もが苦しくも楽しく、一日一日を過ごせますように』
に重ねて思う。
(総帥として、か。彼女自身が強く願い言葉として綴った決意……これが変わった理由か。まあ……親父さんの心配は今以上になりそうだがな)
苦しくも、前に進むのならいうことはない。
少し離れた位置では、舞もサチコの願いに思いを馳せていた。鋭い視覚で短冊を見やったのだ。
(ワルサー総帥として、か)
友人として、それは少し危険ではないかと思う。
杞憂ならいいのだけれど、とぽそりつぶやくのだった。
「風は閃きました、流す前のそうめんを直接食べた方が、楽だと!」
唐突に風が手をうち、素麺を流していた二人の元へ行く。
「麺は飽きました! タロさん&ジロさん、何か果物とかないんですか! 流しましょう!」
着いたら今度はそう言い出し、タロを連れて行く。
「タロさん、最近どうですかー。サチコさんは」
「何か決心をつけたように、思います」
それはそうでしょう、といいながら「不労取得」とか「一攫千金」と書かれた紙を吊り下げる。
「さてはて、タロさん&ジロさんはどんな願い事を書いたのでしょうねー」
そこいは、サチコの幸せを願う旨が書かれていた。
ここまでくると忠信極まれりですね、と風は思うのだった。
無論、タロを茶化すのは忘れなかった。
宴もたけなわという段に入り、ヴォーイは静かにサチコに近づく。そして、正式にワルワル団に入団したいと切り出した。
「私の力、託せる総帥閣下で居続けられますか?」
ヴォーイの言葉に、サチコは一瞬固まった。
ゆっくりと動く口から零れ出たのは、
「り、履歴書と職務経歴書を持って採用試験にご応募ください」というリアルブルー大全の一節だった。
落ち着いて、入団をさせるなら、きちんと段階を作るから待っていてほしい、と告げると。
「そうか」
即答は貰えないと思っていた。
待ってると告げると、ヴォーイは片付けに向かう。
その日が来るのも、遠くはないだろう。
王国北部の一角、ルサスール領では、七夕行事が行われようとしていた。
星が夜空を照らすように、主催するサチコは領民の暗い気持ちを晴らそうとしていた。
「わるわるさー! うへへぇ、お久しぶりです……ぬふぅ」
元気よく挨拶したかと思えば、疲れを見せるのはミネット・ベアール(ka3282)だ。
慌てるサチコに、ミネットは鍛錬続きだったからと説明し、
「そーめんとやらのためにも、頑張りますよ」
そういって、ぐっとガッツポーズするのであった。
「サチコ殿、先日ぶりなのじゃ。……何か悩んでおったようじゃが、答えは出たのかのう?」
重ねて紅薔薇(ka4766)も挨拶を交わす。
この問いには、サチコは少し表情を固くしつつ、
「えぇ」と肯定するのだった。
「さて、笹飾りですわ。作らないといけないで……だぜ!」
気合を入れるサチコを横目に、ヴァイス(ka0364)はぽつり呟く。
「毎回お疲れ様だな」
よくこういうイベントを実行できるものだ、と感心する。
一方で、今回の経緯を聞いていたヴァイスはこうも思う。
「しかし、サチコの雰囲気が少し変わったな」
「サチコさんも変わってきているようですね。ワルサー総帥のノリがなくなるのは寂しい気もしますが」
エルバッハ・リオン(ka2434)は、「今回もよろしくお願いします」と挨拶を終えた後、折り紙に向き合っていた。
挨拶をしたときも、サチコは柔和な笑みで
「はい。こちらこそお願いします」と礼儀正しく返していた。
いや、今までも礼儀はあったのだが、心持ち、貴族としての立場を考えているようでもあった。
「それが彼女に取って良い変化ならば、暖かく見守るべきかもしれませんね」
改めて、そう呟く。
サチコにとって何が最善なのかは、本人にしかわからないだろう。
もしかしたら、本人も模索しているのかもしれない。
「それで、いいんじゃねーの? 俺は総帥閣下に付き合うぜ」
ヴォーイ・スマシェストヴィエ(ka1613)は声を弾ませながら、宣言する。
視線の先では、折り紙相手に四苦八苦するサチコの姿があった。
「そうそう、そこを折り曲げて、中に入れ……そっちじゃなくて、こっちだよ」
サチコに折り紙を手取り足取り教えているのは、天竜寺 舞(ka0377)だ。
星の形や菱型、切込みを入れた提灯等々、様々な七夕飾りを伝授する。
「それにしても、七夕か~。そう言えばこっちに来てやってない気がするな」
しみじみと告げる舞の横で、柊 真司(ka0705)も頷く。
「時にはこういうのも悪くないな」
「色紙が多いと、わっかつづりも映えるね」
真司は、折り紙を細く切って輪っか状にしたものを繋げていく。
チェーンのような飾りを笹にかければ、華やかさが増す。
「七夕で奉られる神様ってどんな神様なんでしょう……できればイメージしてみたいですね」
笹飾りを作りながら、サチコの隣でミネットが呟く。
サチコも気になったのか、舞に説明を仰いだ。
「覚えている範囲でね」と前置きをして、舞は彦星と織姫の話をする。
ロマンチックなんですね、とミネットはしみじみと感想を述べた。
その手先では、折り紙の鶴が折られていた。
「平和の象徴……ですか。私には大それた願いなのかもしれませんけど……」
「いえ、大事なことですわ」
そういいながらサチコも鶴を折る。
千羽鶴にしかねないぐらい、ふたりとも真剣だった……が。
くぅっとミネットのおなかの虫が鳴った。
「『お腹一杯美味しいもの食べれますように』とかの方が言ってて気持ち良いし真の願いです」
そして、照れくさそうにぐへへと笑うのだった。
「ん?」
サチコはふと、端の方で何かを作っている最上 風(ka0891)が見えた。
笹飾り……ではなさそうだ。
大筆を手に一枚布に、堂々たる文字を書く。
「何を作っているのですの?」
「ワルワル団主催なので、アピールは大事ですよねー?」
風が振り返る。彼女の面前には「ワルワル団惨状!」、「ワルワル団主催!」「ワルサー総帥見参!」と書かれた垂れ幕があった。
「これをどうするのですか?」
「無論、笹にかけるのですよー?」
笹の美観が損なわれるので却下、とサチコは言い放つ。
まるで予想外のことのように、風は目を見開く。
「うっ……別で掲げるのは、いいのだぜ……」とサチコは妥協する。
「どうせなら、サチコさんには笹の頂上に降臨しますか? 気合いと根性で」
「できるわけ、ありませんわ」
「やる前から諦めるのは感心しませんよ?」
風に言われ、むっとサチコは言葉を詰まらせる。
ほら、試してみましょうと使わないことになった笹を持ってくる風。
恐る恐るサチコは、足を乗せるが……バキッと音が鳴り、尻餅をつく。
「根性が足りませんよ?」
「気合とか、根性とか以前の問題ですわ……」
「あと、これを飾りましょうー」
そういいながら、風は塗料を混ぜて作ってもらった金紙銀紙の星を見せるのだった。
●
「わるわるさー! みんなの友達、ワルワル団が今日も今日とてやってきたぜ!」
まるごとくまさんにサングラスという出で立ちで、ヴァイスは堂々と名乗りを上げた。
わいわいと賑やかな一団に、領民たちもそろそろと集まってくる。
「というわけで、織姫様と彦星様は年に一度しか会えなくなったのさ」
ヴォーイが七夕の神話について、舞から聞いたことや調べたことを踏まえて軽く説明する。
子供たちが興味を引いたところで、エルが姿を現した。
清く正しくきぐるみを演じるヴァイスの横で、エルは猫耳カチューシャ&ビキニアーマーだった。
「どうかしましたか?」
「……さー、子どもたち、あっちで願い事を書こうか!」
元気よく声を出して子どもたちをヴァイスが先導する。
エルは小首を傾げながら、その背中を見送った。
彼女なりのサービス精神は、村々の男どもにとても好評だったという。
「はいはい、みなさんに願い事を書いてもらいますから」
舞が抑えつつ、願い事の紙を配る。
その隣りでは紅薔薇が、
「必ず叶うわけではないけれど、領主様が目を通すのじゃ」
と興奮しすぎないように制していく。
途中、紅薔薇とヴォーイは村巡りを抜けてアジトへと戻っていった。
●
サチコたちが短冊集めを終える頃。
がたがたと足音を立て、重装馬をヴォーイは疾駆させていた。
その後ろには斧で切り出した無数の竹が荷車に載せられている。
「今夜は晴れるかな?」
雲はなだらかに流れている。
雨の匂いは感じられない。
「おかえりなのじゃ」
出迎えた紅薔薇は、太い竹を受け取ると適当な長さに切っていく。
節をくりぬいて、形を整える。
その間にヴォーイが切り分けた竹を組み合わせ、支えを作る。
「さて、これでいいじゃろう」
「いい感じだな」
サチコたちと戻ってきた真司が、笹を立てながらいう。
「竹細工も子供のとき以来なのじゃ。まさか西方でもする事になるとは思わなかったがのう」
紅薔薇はそういうが、ヴォーイと一緒に器用に組み立てていた。
やがて、後ろからエルやヴァイスたちも戻ってくる。
「ついでじゃ。これを運んでくれるかのう?」
「わかった」
ヴァイスが託されたのは、丸太の運搬だった。
竹の取水口に運び、丸太の上に栓つきの桶を置く。
醸造用のものだが、特に使用されていなかったものを拝借した形だ。
「タロさん、ジロさん。お仕事ですよー」
風にいわれずとも、タロとジロはかいがいしく働いていた。
「なるほど、流しながら食べるから『流しそうめん』か。なかなか、面白い趣向だな」
ヴァイスもタロたちとともに水を運ぶ。
一方で真司は、つゆを準備していた。手に入りがたいものもあり、タロたちの知恵を借りる。それらしく出来上がるのをエルも味見していた。
「リアルブルーのどこかの国で、そういった風習があったというお話でしたか?」
首をかしげながらつぶやくエルの横で、舞がめんつゆを用いた一品を用意していた。
あたたかいつゆに溶き卵を入れ、素麺を投入してにゅうめんに仕立てる。
平行してかぼちゃを湯がいたものをほぐして、マヨネーズと和える。黄色い素麺のような小皿が出来上がっていた。
「こ……これは!?」
「かぼちゃをほぐすと素麺みたいだから、素麺瓜とも呼ばれているんだよ」
興味津々のミネットに舞が説明する。
感心するミネットの視界の端に、短冊を確認するサチコがいた。
●
「領民の方々が書いた願いですね!」
ミネットも一枚手にとって、「どれどれ」と読み上げる。
『私は願わない。何故ならば願うことは己の弱さを認める行為に他ならないからである。
己の望みは己自身で実現するものであり、決して誰かに与えられるものではないのだ』
「ぐはっ……」
読み上げたミネット自身が、ダメージを受けた。
「随分な長文で埋め尽くして来ましたね……14歳くらいの男の子だったんですけれど」
「誰にでもそういう時期はありますわ」
「ワルサー総帥にも、ありましたか」
ノーコメントと突っ張るサチコであった。
そこへ舞も用意を終えたのか、近づいてくる。
「願い事なら、私はこれが気になったかな」
舞が取り出したのは、癖のある達筆で書かれた短冊だった。
『サチコ様に良いお婿さんが来ますように』
領主の後継ぎや配偶者問題は、領民にとって重要だ。
だが、それ以上に、
「愛されてるのかな?」と舞はこれを書いたおばあさんの表情を思い出していう。
一方でエルが畳み掛けるように、
「こんなのもありましたよ」と別の短冊を取り出す。
『サチコ様のようなお嫁さんが欲しい』
「な、なな」
連続した流れに、サチコは頬を赤らめ口をぱくつかせる。
慌てて一枚の願いを見て、気持ちを切り替える。
「新しい農具が欲しい……これは対策が必要ですわね」
「真剣なのも、あればこういうのもあるぞ」
紅薔薇はぴらりと短冊を示す。
『珍しくて美味しい御菓子が食べてみたいです』
「き、機会があれば何か考えますわ」
「そういう前向きなところが、サチコらしいな」
ヴァイスも水の準備を終えて、近づいてきた。
「と、どうした?」
妙に真剣な表情をするサチコに、ヴァイスが問いかける。
サチコの手には、複数の短冊があった。
『おとうとかいもうとがぶじにうまれますように』
『子供達が健やかに成長するよう、街が安全でありますように』
親子だろうか。
近しいところにあった二枚である。
他の笹にも、
『こどもを安心して健康に育てられる世の中になりますように』
というものがあった。
皆考えることは同じなのだ。
『歪虚のいない世界で平和に暮らしたい』
『不安に怯えながら眠る夜が無くなりますように』
「あまり根を詰めちゃだめだよ?」
「しかり。お主ひとりでどうにかなるものでもないのじゃ」
舞と紅薔薇が口々に、声をかける。
それでも、動けないサチコに
「そう言えば、サチコさん領民の方が、こんな事を言っていましたよー」
「ひゃっ!?」
風が急接近していた。
まだサチコの心臓がバクバク鳴る中、風はリサーチしていた内容を語りだす。
主としてサチコの評判だ。ほとんど好ましい内容だが、お転婆が心配という声も聞かれた。
ところで、と風は短冊を見せる。
「サチコにもっと、領内に来て皆と触れ合って欲しい」
読み上げたところで、ヴォーイも続ける。
『ワルワル団にはいってサチコさまを守りたい!』
「ま、またこういう」
再び頬を紅潮させるサチコに舞が言う。
「とりあえず、素麺を食べよう!」
●
みんなが素麺に向かう中、ヴォーイはそっと笹に短冊を語る。
『みんながお互いの良い距離を見つけられますように』
「なぁビリー。あいつらの肩を持つ訳じゃねーけどさ。かわいそう、だよな」
愛犬の柴犬ビリーは語りかける。
あのときの出来事、父と娘、人間とゴブリン……お互いが適度な距離で過ごせる日々を願っていた。
「さて、と」
サチコにマスコットとして従わせたパルムが戻ってくる。
彼女の願いを知る時間だ。
「ぐっ、この緊張感……気迫、これは狩りに似ています!」
ミネットはサチコと対戦でもするかのように、流し素麺に立ち向かっていた。
「ぐっへぇ! 美味しいお食事を目の前にして食せないなんて……ワルサー総統はお箸も使えるんですか!?」
すかっと素麺を箸から滑らせたミネットの先で、密かに練習していたサチコは器用に箸を使う。
「てんぷらできたよ」
ここで真司が揚げたての天ぷらと自作のうどんを持ってくる。嬉しそうに舌鼓を打つサチコは、笹から注意が完全に抜けていた。
エルはその間に、笹に飾られたサチコの願いを確認する。
ヴァイスも自身の短冊を飾るのに合わせて、それを見る。
『ワルサー総帥として、領民を守るだけの力が欲しい』
エルは、ふむとひとり考えにふけりつつ、周辺の警戒に戻る。夜は危ない時間なのだ。
一方のヴァイスは、自身の願い事、
『誰もが苦しくも楽しく、一日一日を過ごせますように』
に重ねて思う。
(総帥として、か。彼女自身が強く願い言葉として綴った決意……これが変わった理由か。まあ……親父さんの心配は今以上になりそうだがな)
苦しくも、前に進むのならいうことはない。
少し離れた位置では、舞もサチコの願いに思いを馳せていた。鋭い視覚で短冊を見やったのだ。
(ワルサー総帥として、か)
友人として、それは少し危険ではないかと思う。
杞憂ならいいのだけれど、とぽそりつぶやくのだった。
「風は閃きました、流す前のそうめんを直接食べた方が、楽だと!」
唐突に風が手をうち、素麺を流していた二人の元へ行く。
「麺は飽きました! タロさん&ジロさん、何か果物とかないんですか! 流しましょう!」
着いたら今度はそう言い出し、タロを連れて行く。
「タロさん、最近どうですかー。サチコさんは」
「何か決心をつけたように、思います」
それはそうでしょう、といいながら「不労取得」とか「一攫千金」と書かれた紙を吊り下げる。
「さてはて、タロさん&ジロさんはどんな願い事を書いたのでしょうねー」
そこいは、サチコの幸せを願う旨が書かれていた。
ここまでくると忠信極まれりですね、と風は思うのだった。
無論、タロを茶化すのは忘れなかった。
宴もたけなわという段に入り、ヴォーイは静かにサチコに近づく。そして、正式にワルワル団に入団したいと切り出した。
「私の力、託せる総帥閣下で居続けられますか?」
ヴォーイの言葉に、サチコは一瞬固まった。
ゆっくりと動く口から零れ出たのは、
「り、履歴書と職務経歴書を持って採用試験にご応募ください」というリアルブルー大全の一節だった。
落ち着いて、入団をさせるなら、きちんと段階を作るから待っていてほしい、と告げると。
「そうか」
即答は貰えないと思っていた。
待ってると告げると、ヴォーイは片付けに向かう。
その日が来るのも、遠くはないだろう。
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/07/13 23:25:45 |
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相談卓 最上 風(ka0891) 人間(リアルブルー)|10才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/07/13 23:41:51 |