ゲスト
(ka0000)
わだつみのこえ
マスター:水貴透子

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/07/24 15:00
- 完成日
- 2015/07/31 06:21
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
海の近くに住む人々がいる。
魚を捕ったりなどで、毎日を生きることで精いっぱいだけど、
それなりに楽しく過ごしていた。
けれど、あの声が聞こえ始めてからはその生活も一変した。
吹きすさぶ風のような音に、集落の者がどんどんと狂わされていくのだという。
まるで幻覚でも見ているかのように、ある者は家族を仇だと言って襲い掛かり、
またある者は集落の住人を異常に怯えて出て行った。
海から聞こえる声が原因であることは分かっていても、
それを調べに行く勇気もなければ、力もない。
悩みに悩んで、集落の住人達はハンターに依頼することになっ他のだった――……。
※※※
「こちらでは、まだ『声』の正体がつかめていません」
「皆さんで調査をして、雑魔であった場合は倒して頂くことになります」
オフィスの案内人は、申し訳なさそうに集まったハンター達に告げる。
「集落の住人から聞いた話をまとめると、幻覚や幻聴を聴かせる類の能力を持っているのではないかと推測されます」
「気をつけて、解決にあたって下さい」
魚を捕ったりなどで、毎日を生きることで精いっぱいだけど、
それなりに楽しく過ごしていた。
けれど、あの声が聞こえ始めてからはその生活も一変した。
吹きすさぶ風のような音に、集落の者がどんどんと狂わされていくのだという。
まるで幻覚でも見ているかのように、ある者は家族を仇だと言って襲い掛かり、
またある者は集落の住人を異常に怯えて出て行った。
海から聞こえる声が原因であることは分かっていても、
それを調べに行く勇気もなければ、力もない。
悩みに悩んで、集落の住人達はハンターに依頼することになっ他のだった――……。
※※※
「こちらでは、まだ『声』の正体がつかめていません」
「皆さんで調査をして、雑魔であった場合は倒して頂くことになります」
オフィスの案内人は、申し訳なさそうに集まったハンター達に告げる。
「集落の住人から聞いた話をまとめると、幻覚や幻聴を聴かせる類の能力を持っているのではないかと推測されます」
「気をつけて、解決にあたって下さい」
リプレイ本文
●歌の正体を掴みに行く者達
「声というからには、何か音が関係してるんでしょ」
ルピナス(ka0179)は案内人から言われた言葉を思い出しながら呟く。
彼は囮になる時のみ、布きれを巻いた物を耳に詰めて、簡易耳栓として使おうと考えている。
(気休めかもしれないけど、無いよりはマシだろうからね)
そんなことを考えながら、ルピナスは用意した簡易耳栓を見つめた。
「人魚なー、陸で楽しい事してるけどそこに交われないヤキモチだろうかー」
耳をピコピコとさせながら、黒の夢(ka0187)がかくりと首を傾げて呟く。
「人魚か、人魚の歌が聞けるとは長い気するもんじゃーん!」
ユハニ・ラハティ(ka1005)が陽気に叫ぶ。
「けど、人魚の歌って、リアルブルーであんまりイイもんじゃないじゃーん!」
「えっ、リアルブルーではそうなんですか?」
天川 麗美(ka1355)が驚いたように呟く。
「不吉なのねぇ、ま、海岸に雑魔ってだけで本当に迷惑なんだけど。ビーチでイケメン探しのために――……ごほん、皆の平和のために倒すしかないって感じぃ?」
やや本音が漏れているが、平和のためにという言葉は嘘ではないのだろう。
「……海、近くで見るの……初めて……空も青いけど、海も……青い……?」
nil(ka2654)は初めて赴く海に、期待に胸を膨らませているようだ。
「如何して青いの……? 例えば、リアルブルーでも、海は青い……?」
「リアルブルーの海も青いわよ、多分、こっちと変わらないと思うわ」
nilの問いに答えたのは、アティニュス(ka4735)だった。
「……そう、楽しみ」
アティニュスの言葉に、nilは僅かに微笑みながら答えた。
(幻覚に幻聴ですかぁ……嫌いか、怖い存在になって下されば楽なんですけど逢いたくて仕方ない存在に見えたり聴こえたりしそうで怖いですねぇ)
シルディ(ka2939)は笑みを浮かべながら、心の中で呟く。彼が笑みを浮かべているのは、周りに動揺などを知らせないためなのかもしれない。
「海から聞こえる幻覚や幻聴やらをもたらす歌声……確かに得体のしれない事件ですね、雑魔の歌声で間違いなさそうですが、人魚……? でしたっけ、そんな輩が目撃されているんですよね」
馬張 半平太(ka4874)は案内人から追加で渡された資料を見ながら、馬張が呟く。
「調べて、雑魔なら退治する――それでは、シンプルに行きましょうか」
アティニュスが呟き、ハンター達は問題の海へと向かい始めたのだった。
●調査開始、海にたゆたうは美しき……? 人魚
ハンター達は目的の海に行く前、集落で聞き込みなどを行って、情報を仕入れていた。
「被害の遭った場所って、結構重なってるんだね。しかも、どれも少数でいた時ばかり」
集落の住人達から聞いた言葉を、ルピナスが呟く。
これを知って、ハンター達は囮作戦を実行する事に決めた。
ルピナスだけが囮として行動して、他のハンター達は彼が見える場所で待機。
雑魔が現れたら、即戦闘開始――……というものだ。
「さて、ひとりで海を散策っていうのも寂しいものだねぇ」
ルピナスはリュートを弾きながら、岸辺をてくてくと歩く。
彼が囮になっている間、他のハンター達は自分が惑わされた時の対処法などを決めていた。
「惑わされたら、ハリセンでバシッと叩けばいいんじゃーん」
ユハニはハリセンを見せながら、眩いくらいの笑顔を見せる。
「そ、それで叩かれるのは……麗美ちゃん、ちょっと嫌ですよぉ……」
あまりにも楽しげに言われたため、天川は即座に否定してしまう。
(これでも『あいどる』ですからね、叩かれないためにも張り切っちゃいますよぉ)
天川は心の中で呟きながら『鉾先舞鈴』を持つ手に力を込める。
怪しい声に対抗するために、楽器としても使える武器を選んで持って来ていた。
(効果があればいいんですけどねぇ)
「……青い、海……凄い……あんな綺麗なもの、汚すわけには、いかない……」
nilは小さな声で呟く。
「……どうやら『あやしい声』の正体の方が現れたようですね」
シルディが呟き、ハンター達に緊張が走る。
「――行きます」
アティニュスが短く呟き、雑魔へと向かって駆けだす。
「ボクもシンプルですけど耳栓をして対抗します、惑わされたらよろしくお願いします」
馬張も呟き『ホーリーライト』を使用して、雑魔に攻撃を仕掛けた。
●戦闘開始、雑魔 VS ハンター
「ごめんね、人魚ちゃん。悪い子はオシオキ丸焼きなのなー」
黒の夢は呪文を歌い、声を以て『声』をかき消そうと試みていた。
歌いながらではあるが、しっかりと雑魔に狙いを定め『ファイアーボール』を繰り出す。
「随分と悲しい声を響かせるんだね、歌う君はとても素敵だけど……でも、やっぱり楽しくなくっちゃね」
ルピナスはにっこりと微笑みながら、浅い部分にやってきた雑魔に近づき、その喉を突くために『試作振動刀・オートMURAMASA』を振り上げる。彼自身も歌を歌っており、その歌が止まったら惑わされたと思って欲しい――と前もって他のハンター達に伝えてある。
「儂はファンキーなミュージックが好きじゃーん! 戦いに相応しいファンキーな曲をリクエストするじゃんっ!」
ユハニは歌うハンター達にリクエストをしながら、周りの反応を見る。
少しでも様子のおかしい仲間がいたら、すぐに『ハリセン』で叩くつもりでいるからだ。
しかし、彼の本当の目的は『ライフル・ミーティアAT7』にて雑魔を攻撃することにある。
そのために、囮となったルピナスから射程ギリギリまで離れて、バイクを押していたのだから。
「砂浜でバイクを押すのはちょっとキツイじゃん……ちゃーんと、押した甲斐があるって感じたいじゃん?」
ユハニはそう呟きながら、ライフルで雑魔の腕を狙う。
「カハハッ! 儂の腕、まだ落ちてねーじゃーん!」
シルディを攻撃しようとしていた腕を見事撃ちぬき、ユハニは豪快に笑う。
「ユハニさん、馬張さんの様子が……」
近くにいた天川が、眉をひそめながらユハニに話しかける。
「ぎゃあああああああ! あり! 蟻が……っ!」
どうやら戦闘に参加しているうちに耳栓代わりにしていた綿が取れてしまったらしく、見事に惑わされてしまっている。
「しっかりしてくださいよぉ」
馬張の攻撃を避けながら、天川がペチペチと馬張の頬を叩きながら問いかける。
結構暴れているにもかかわらず、それをすべて避ける天川はある意味凄いのかもしれない。
「……人が、苦しんでいるのが……そんなに、楽しい……?」
馬張が惑わされている姿を見ながら、雑魔が笑っているように見え、nilが少しだけ厳しい表情を見せた。
そして、再び歌おうとする雑魔を見て『シャープシューティング』を使用した後『引き絞り』を併用して、矢を穿つ。
「……これで、もう……あなたの口から、歌は聞こえない」
その矢は雑魔の口へと刺さり、静かな海辺に雑魔のけたたましい悲鳴が響き渡る。
「……あんな物を見せてくれたお礼は、しっかりしませんと」
シルディは冷たく、低い声で呟く。
他の者ほど表情に出ていなかったが、シルディにも何かが見えていたらしい。
「あの人は、俺が殺して墓を作ったんです……そんな彼女を、あそこから引っ張り出すのは良くないですねぇ……元の場所に、戻って頂きましたが」
シルディは笑ってはいるけど、突き刺さるような空気を醸し出しながら雑魔に攻撃を仕掛けていた。
「死者まで弄ぶモノなど、塵以下まで粉砕しないと気が済みません」
「そうですね、時間をかけるだけ不利になりますし、早く決めてしまいましょう」
シルディの言葉に賛同するように、アティニュスが呟き『一之太刀』から『二蓮之業』につなげて、雑魔に攻撃を仕掛けた。
「貴方が何をもってこの場に存在したのか、行動を始めたのか聞く気はありません。ただ、首だけ置いていってもらいます」
にこにことした雰囲気とは一変して、アティニュスも酷く冷たい笑みを浮かべた。
アティニュスが一度雑魔から距離を取った時、黒の夢が『ファイアーボール』で攻撃を仕掛ける。
「んなー……」
どうやら、黒の夢も何かを見ているようだが、雑魔にとっては不幸にも攻撃対象が自分になってしまったらしい。
「あれは……元に戻した方がいいのかしら、でも下手に刺激してこっちに攻撃されても……うーん、どうするべきなんでしょう」
天川は首を傾げて悩みながらも、武器兼楽器を鳴らすのをやめることはしない。
「さようなら、悲しき歌人よ」
アティニュスは小さく呟いた後、雑魔の首を斬り落としたのだった――……。
●戦闘終了……けど、まだ効果は続いている
「うわああああああ……!」
戦闘が終了したというのに、馬張の悲痛な叫び声が響き渡る。
「お、もしかしてまだ幻覚見てるんじゃーん?」
そう言ってユハニが『ハリセン』を構えようとしたけど「違う! 違います!」と馬張が慌てて自分は正常であることを伝えてくる。
「じゃあ、何が――……って、あー……うん、そういうことか」
ルピナスは馬張の方を見て、納得したように呟く。
「……黒の夢に、抱きつかれてる……叫ぶほど、嫌……?」
馬張は黒の夢にしっかりと抱きつかれていて、顔を真っ赤にしながら震えている。
「ふふっ、嫌悪ではないのでしょう。別な意味では『やめて欲しい』でしょうけどね」
アティニュスがにっこりと微笑みながら答える。
「……嫌悪ではないけど、やめて欲しい……? 難しい……」
nilはかくりと首を傾げながら呟く。
「だ、誰か助けてください……! は、鼻血が出そうです……」
馬張の助けを呼ぶ声に天川とアティニュスが苦笑しながら、黒の夢を正気に戻す。
「うな……なんで、我輩は緊b……拘束されてるのなー……」
「は、破廉恥なことをしていたからです」
黒の夢の言葉に、馬張が顔を赤く染めながら答える。
「ところで、このまま帰るのは勿体なくないですかぁ? 麗美ちゃん『何かの手違い』で、水着とバナナボートが荷物の中に入っていたので、遊んで帰ろうかなー、なんて……! ついでに、ビーチでドキドキ☆イケメンと運命の出会い! なんてやつも起こらないかなーって!」
天川はテンション高く言いながらバナナボートを、他のハンター達に見せる。
「……水着はともかく、バナナボートは『偶然』荷物の中に入っているものでしょうか――と疑問は残りますが、海を楽しむのは良い考えかもしれませんね」
シルディは微笑みながら、海水に手を浸した。
「俺は、皆が海遊びしている間に集落に行ってこようかな。もう雑魔は倒したから大丈夫って、ちゃんと伝えてあげたいんだよね」
ルピナスが呟くと「ボクも行きます」と馬張が軽く手を挙げながら呟く。
「私は……海を、もっと眺めたい……」
nilは小さく呟いた後、その場にちょこんと座りこむ。
そして、宣言した通り、ジッと海を眺め始めた。
「うなー、それじゃ我輩も泳ぐのなー。水着……はないから、このまま脱いで――……」
黒の夢が服を脱ごうとした時、他のハンター達が慌ててそれを止める。
さすがに成人女性が服を脱いで泳ぐのは、男性陣にとっても目の保養……いや、ある意味では毒になってしまうだろう。
「そうじゃん、雑魔の歌も悪くなかったけど、仲間の歌をもう一回聞きたいじゃん! 勝利のファンキーミュージックで踊り明かすじゃーんっ!」
ユハニは楽しげに踊りながら言う。
そして、それぞれで楽しい時間を数時間ほど過ごした後、報告のために帰還していった。
その後、その海辺で怪しげな声を聞いたという話はなくなったのだった――……。
END
「声というからには、何か音が関係してるんでしょ」
ルピナス(ka0179)は案内人から言われた言葉を思い出しながら呟く。
彼は囮になる時のみ、布きれを巻いた物を耳に詰めて、簡易耳栓として使おうと考えている。
(気休めかもしれないけど、無いよりはマシだろうからね)
そんなことを考えながら、ルピナスは用意した簡易耳栓を見つめた。
「人魚なー、陸で楽しい事してるけどそこに交われないヤキモチだろうかー」
耳をピコピコとさせながら、黒の夢(ka0187)がかくりと首を傾げて呟く。
「人魚か、人魚の歌が聞けるとは長い気するもんじゃーん!」
ユハニ・ラハティ(ka1005)が陽気に叫ぶ。
「けど、人魚の歌って、リアルブルーであんまりイイもんじゃないじゃーん!」
「えっ、リアルブルーではそうなんですか?」
天川 麗美(ka1355)が驚いたように呟く。
「不吉なのねぇ、ま、海岸に雑魔ってだけで本当に迷惑なんだけど。ビーチでイケメン探しのために――……ごほん、皆の平和のために倒すしかないって感じぃ?」
やや本音が漏れているが、平和のためにという言葉は嘘ではないのだろう。
「……海、近くで見るの……初めて……空も青いけど、海も……青い……?」
nil(ka2654)は初めて赴く海に、期待に胸を膨らませているようだ。
「如何して青いの……? 例えば、リアルブルーでも、海は青い……?」
「リアルブルーの海も青いわよ、多分、こっちと変わらないと思うわ」
nilの問いに答えたのは、アティニュス(ka4735)だった。
「……そう、楽しみ」
アティニュスの言葉に、nilは僅かに微笑みながら答えた。
(幻覚に幻聴ですかぁ……嫌いか、怖い存在になって下されば楽なんですけど逢いたくて仕方ない存在に見えたり聴こえたりしそうで怖いですねぇ)
シルディ(ka2939)は笑みを浮かべながら、心の中で呟く。彼が笑みを浮かべているのは、周りに動揺などを知らせないためなのかもしれない。
「海から聞こえる幻覚や幻聴やらをもたらす歌声……確かに得体のしれない事件ですね、雑魔の歌声で間違いなさそうですが、人魚……? でしたっけ、そんな輩が目撃されているんですよね」
馬張 半平太(ka4874)は案内人から追加で渡された資料を見ながら、馬張が呟く。
「調べて、雑魔なら退治する――それでは、シンプルに行きましょうか」
アティニュスが呟き、ハンター達は問題の海へと向かい始めたのだった。
●調査開始、海にたゆたうは美しき……? 人魚
ハンター達は目的の海に行く前、集落で聞き込みなどを行って、情報を仕入れていた。
「被害の遭った場所って、結構重なってるんだね。しかも、どれも少数でいた時ばかり」
集落の住人達から聞いた言葉を、ルピナスが呟く。
これを知って、ハンター達は囮作戦を実行する事に決めた。
ルピナスだけが囮として行動して、他のハンター達は彼が見える場所で待機。
雑魔が現れたら、即戦闘開始――……というものだ。
「さて、ひとりで海を散策っていうのも寂しいものだねぇ」
ルピナスはリュートを弾きながら、岸辺をてくてくと歩く。
彼が囮になっている間、他のハンター達は自分が惑わされた時の対処法などを決めていた。
「惑わされたら、ハリセンでバシッと叩けばいいんじゃーん」
ユハニはハリセンを見せながら、眩いくらいの笑顔を見せる。
「そ、それで叩かれるのは……麗美ちゃん、ちょっと嫌ですよぉ……」
あまりにも楽しげに言われたため、天川は即座に否定してしまう。
(これでも『あいどる』ですからね、叩かれないためにも張り切っちゃいますよぉ)
天川は心の中で呟きながら『鉾先舞鈴』を持つ手に力を込める。
怪しい声に対抗するために、楽器としても使える武器を選んで持って来ていた。
(効果があればいいんですけどねぇ)
「……青い、海……凄い……あんな綺麗なもの、汚すわけには、いかない……」
nilは小さな声で呟く。
「……どうやら『あやしい声』の正体の方が現れたようですね」
シルディが呟き、ハンター達に緊張が走る。
「――行きます」
アティニュスが短く呟き、雑魔へと向かって駆けだす。
「ボクもシンプルですけど耳栓をして対抗します、惑わされたらよろしくお願いします」
馬張も呟き『ホーリーライト』を使用して、雑魔に攻撃を仕掛けた。
●戦闘開始、雑魔 VS ハンター
「ごめんね、人魚ちゃん。悪い子はオシオキ丸焼きなのなー」
黒の夢は呪文を歌い、声を以て『声』をかき消そうと試みていた。
歌いながらではあるが、しっかりと雑魔に狙いを定め『ファイアーボール』を繰り出す。
「随分と悲しい声を響かせるんだね、歌う君はとても素敵だけど……でも、やっぱり楽しくなくっちゃね」
ルピナスはにっこりと微笑みながら、浅い部分にやってきた雑魔に近づき、その喉を突くために『試作振動刀・オートMURAMASA』を振り上げる。彼自身も歌を歌っており、その歌が止まったら惑わされたと思って欲しい――と前もって他のハンター達に伝えてある。
「儂はファンキーなミュージックが好きじゃーん! 戦いに相応しいファンキーな曲をリクエストするじゃんっ!」
ユハニは歌うハンター達にリクエストをしながら、周りの反応を見る。
少しでも様子のおかしい仲間がいたら、すぐに『ハリセン』で叩くつもりでいるからだ。
しかし、彼の本当の目的は『ライフル・ミーティアAT7』にて雑魔を攻撃することにある。
そのために、囮となったルピナスから射程ギリギリまで離れて、バイクを押していたのだから。
「砂浜でバイクを押すのはちょっとキツイじゃん……ちゃーんと、押した甲斐があるって感じたいじゃん?」
ユハニはそう呟きながら、ライフルで雑魔の腕を狙う。
「カハハッ! 儂の腕、まだ落ちてねーじゃーん!」
シルディを攻撃しようとしていた腕を見事撃ちぬき、ユハニは豪快に笑う。
「ユハニさん、馬張さんの様子が……」
近くにいた天川が、眉をひそめながらユハニに話しかける。
「ぎゃあああああああ! あり! 蟻が……っ!」
どうやら戦闘に参加しているうちに耳栓代わりにしていた綿が取れてしまったらしく、見事に惑わされてしまっている。
「しっかりしてくださいよぉ」
馬張の攻撃を避けながら、天川がペチペチと馬張の頬を叩きながら問いかける。
結構暴れているにもかかわらず、それをすべて避ける天川はある意味凄いのかもしれない。
「……人が、苦しんでいるのが……そんなに、楽しい……?」
馬張が惑わされている姿を見ながら、雑魔が笑っているように見え、nilが少しだけ厳しい表情を見せた。
そして、再び歌おうとする雑魔を見て『シャープシューティング』を使用した後『引き絞り』を併用して、矢を穿つ。
「……これで、もう……あなたの口から、歌は聞こえない」
その矢は雑魔の口へと刺さり、静かな海辺に雑魔のけたたましい悲鳴が響き渡る。
「……あんな物を見せてくれたお礼は、しっかりしませんと」
シルディは冷たく、低い声で呟く。
他の者ほど表情に出ていなかったが、シルディにも何かが見えていたらしい。
「あの人は、俺が殺して墓を作ったんです……そんな彼女を、あそこから引っ張り出すのは良くないですねぇ……元の場所に、戻って頂きましたが」
シルディは笑ってはいるけど、突き刺さるような空気を醸し出しながら雑魔に攻撃を仕掛けていた。
「死者まで弄ぶモノなど、塵以下まで粉砕しないと気が済みません」
「そうですね、時間をかけるだけ不利になりますし、早く決めてしまいましょう」
シルディの言葉に賛同するように、アティニュスが呟き『一之太刀』から『二蓮之業』につなげて、雑魔に攻撃を仕掛けた。
「貴方が何をもってこの場に存在したのか、行動を始めたのか聞く気はありません。ただ、首だけ置いていってもらいます」
にこにことした雰囲気とは一変して、アティニュスも酷く冷たい笑みを浮かべた。
アティニュスが一度雑魔から距離を取った時、黒の夢が『ファイアーボール』で攻撃を仕掛ける。
「んなー……」
どうやら、黒の夢も何かを見ているようだが、雑魔にとっては不幸にも攻撃対象が自分になってしまったらしい。
「あれは……元に戻した方がいいのかしら、でも下手に刺激してこっちに攻撃されても……うーん、どうするべきなんでしょう」
天川は首を傾げて悩みながらも、武器兼楽器を鳴らすのをやめることはしない。
「さようなら、悲しき歌人よ」
アティニュスは小さく呟いた後、雑魔の首を斬り落としたのだった――……。
●戦闘終了……けど、まだ効果は続いている
「うわああああああ……!」
戦闘が終了したというのに、馬張の悲痛な叫び声が響き渡る。
「お、もしかしてまだ幻覚見てるんじゃーん?」
そう言ってユハニが『ハリセン』を構えようとしたけど「違う! 違います!」と馬張が慌てて自分は正常であることを伝えてくる。
「じゃあ、何が――……って、あー……うん、そういうことか」
ルピナスは馬張の方を見て、納得したように呟く。
「……黒の夢に、抱きつかれてる……叫ぶほど、嫌……?」
馬張は黒の夢にしっかりと抱きつかれていて、顔を真っ赤にしながら震えている。
「ふふっ、嫌悪ではないのでしょう。別な意味では『やめて欲しい』でしょうけどね」
アティニュスがにっこりと微笑みながら答える。
「……嫌悪ではないけど、やめて欲しい……? 難しい……」
nilはかくりと首を傾げながら呟く。
「だ、誰か助けてください……! は、鼻血が出そうです……」
馬張の助けを呼ぶ声に天川とアティニュスが苦笑しながら、黒の夢を正気に戻す。
「うな……なんで、我輩は緊b……拘束されてるのなー……」
「は、破廉恥なことをしていたからです」
黒の夢の言葉に、馬張が顔を赤く染めながら答える。
「ところで、このまま帰るのは勿体なくないですかぁ? 麗美ちゃん『何かの手違い』で、水着とバナナボートが荷物の中に入っていたので、遊んで帰ろうかなー、なんて……! ついでに、ビーチでドキドキ☆イケメンと運命の出会い! なんてやつも起こらないかなーって!」
天川はテンション高く言いながらバナナボートを、他のハンター達に見せる。
「……水着はともかく、バナナボートは『偶然』荷物の中に入っているものでしょうか――と疑問は残りますが、海を楽しむのは良い考えかもしれませんね」
シルディは微笑みながら、海水に手を浸した。
「俺は、皆が海遊びしている間に集落に行ってこようかな。もう雑魔は倒したから大丈夫って、ちゃんと伝えてあげたいんだよね」
ルピナスが呟くと「ボクも行きます」と馬張が軽く手を挙げながら呟く。
「私は……海を、もっと眺めたい……」
nilは小さく呟いた後、その場にちょこんと座りこむ。
そして、宣言した通り、ジッと海を眺め始めた。
「うなー、それじゃ我輩も泳ぐのなー。水着……はないから、このまま脱いで――……」
黒の夢が服を脱ごうとした時、他のハンター達が慌ててそれを止める。
さすがに成人女性が服を脱いで泳ぐのは、男性陣にとっても目の保養……いや、ある意味では毒になってしまうだろう。
「そうじゃん、雑魔の歌も悪くなかったけど、仲間の歌をもう一回聞きたいじゃん! 勝利のファンキーミュージックで踊り明かすじゃーんっ!」
ユハニは楽しげに踊りながら言う。
そして、それぞれで楽しい時間を数時間ほど過ごした後、報告のために帰還していった。
その後、その海辺で怪しげな声を聞いたという話はなくなったのだった――……。
END
依頼結果
依頼成功度 | 大成功 |
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面白かった! | 6人 |
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MVP一覧
重体一覧
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 ユハニ・ラハティ(ka1005) 人間(リアルブルー)|65才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2015/07/23 18:54:50 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/07/22 14:44:19 |