ゲスト
(ka0000)
町に潜んでいた雑魔
マスター:天田洋介
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
- 1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/08/03 19:00
- 完成日
- 2015/08/11 02:49
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
グラズヘイム王国の南部平原地帯。
ハンター一行が依頼で訪ねたのはフォモール大街道に程近い町である。
この周辺は安全な土地といわれていたが二週間前に歪虚からの襲撃を受けていた。幸いなことに衛兵や騎士によって最小限の被害で食い止められる。
一行が呼ばれたのは他でもない。依頼は負傷した一部衛兵の代わりに町を守ること。担当した町内巡回は毎日欠かさなかった。
郊外よりも町内の警戒が重視されていたのには理由がある。
二週間前に町を襲った雑魔の多くは犬型だった。しかもいきなり三十頭近くの犬雑魔が町内の各所に現れたのである。
町は城壁に囲まれているので野良犬は簡単に中へは入れなかった。秘密の通路か、もしくは何者かが手引きしているのか。犬雑魔の潜入方法は解明されずに今に至る。
「お兄ちゃんにお姉ちゃんたち、見かけない顔だね」
ハンター達は大きな赤いリボンを頭につけた少女に声をかけられる。少女の名は『メリム』。メリムは町中の屋台で売り子をしていた。
掲げられた幟には大きく『手作りアイスクリーム』と書かれてある。この辺りでは珍しい氷菓の屋台だ。
ハンター達が町を守るために来たと話すとメリムはアイスクリームを奢ってくれる。遠慮しようとする仲間もいたが、美味しかったら次からは買ってくれといわれて受け取ることにした。
アイスクリームは出来合いのものではない。屋台に積まれていた機導術式冷凍庫はあくまで氷を作るためのものだ。
クランク式の攪拌機の周囲に氷を入れて硝石を足す。攪拌機の内部に牛乳などの食材を入れて少女の父親がハンドルを回した。
まもなく空気を含んだ出来たてのアイスクリームが完成する。その味はとても素晴らしく、リゼリオで食べるものと遜色がなかった。
それから巡回の際にはアイスクリームを食べるのがハンター達の日課になる。
「たまに変な荷馬車が通るんだ。行きも帰りも何も積んでいないんだよ。おかしいよね」
メリムが気になる情報を教えてくれた。毎日通りを眺めているメリムだからこそ気がついた事実である。
その情報を元にして一行は張り込んだ。数日後、変な荷馬車を扱っていたのが堕落者の一団だとわかる。
荷馬車は二重底になっていて犬が隠されている。一見するだけでは普通の犬だが正体は雑魔だった。
残る懸案はすでに町中へ運び込まれた犬雑魔である。ハンター達は堕落者が根城にしていた廃屋の館へと向かうのだった。
ハンター一行が依頼で訪ねたのはフォモール大街道に程近い町である。
この周辺は安全な土地といわれていたが二週間前に歪虚からの襲撃を受けていた。幸いなことに衛兵や騎士によって最小限の被害で食い止められる。
一行が呼ばれたのは他でもない。依頼は負傷した一部衛兵の代わりに町を守ること。担当した町内巡回は毎日欠かさなかった。
郊外よりも町内の警戒が重視されていたのには理由がある。
二週間前に町を襲った雑魔の多くは犬型だった。しかもいきなり三十頭近くの犬雑魔が町内の各所に現れたのである。
町は城壁に囲まれているので野良犬は簡単に中へは入れなかった。秘密の通路か、もしくは何者かが手引きしているのか。犬雑魔の潜入方法は解明されずに今に至る。
「お兄ちゃんにお姉ちゃんたち、見かけない顔だね」
ハンター達は大きな赤いリボンを頭につけた少女に声をかけられる。少女の名は『メリム』。メリムは町中の屋台で売り子をしていた。
掲げられた幟には大きく『手作りアイスクリーム』と書かれてある。この辺りでは珍しい氷菓の屋台だ。
ハンター達が町を守るために来たと話すとメリムはアイスクリームを奢ってくれる。遠慮しようとする仲間もいたが、美味しかったら次からは買ってくれといわれて受け取ることにした。
アイスクリームは出来合いのものではない。屋台に積まれていた機導術式冷凍庫はあくまで氷を作るためのものだ。
クランク式の攪拌機の周囲に氷を入れて硝石を足す。攪拌機の内部に牛乳などの食材を入れて少女の父親がハンドルを回した。
まもなく空気を含んだ出来たてのアイスクリームが完成する。その味はとても素晴らしく、リゼリオで食べるものと遜色がなかった。
それから巡回の際にはアイスクリームを食べるのがハンター達の日課になる。
「たまに変な荷馬車が通るんだ。行きも帰りも何も積んでいないんだよ。おかしいよね」
メリムが気になる情報を教えてくれた。毎日通りを眺めているメリムだからこそ気がついた事実である。
その情報を元にして一行は張り込んだ。数日後、変な荷馬車を扱っていたのが堕落者の一団だとわかる。
荷馬車は二重底になっていて犬が隠されている。一見するだけでは普通の犬だが正体は雑魔だった。
残る懸案はすでに町中へ運び込まれた犬雑魔である。ハンター達は堕落者が根城にしていた廃屋の館へと向かうのだった。
リプレイ本文
●
早朝、廃屋の館周辺では静かに作戦が進行していた。
衛兵団によって館に至る道の封鎖が行われる。騎士団は到着からわずかな時間で館の外周を完璧に取り囲んだ。周辺住民の避難も別働の衛兵団によって同時に進行した。
「頑張ってね~」
アイスクリーム屋台をだしていたメリムと父親にも避難が命じられる。親子はハンター達を見送るために警備前から道ばたで待機していたらしい。
各ハンターの手にはメリムから受け取ったアイスが握られている。早々に食べてしまう者、館を目指しながら食べ歩く者など様々だ。
「犬狩りと堕落者の捕縛か。建物ぶっ壊したら証拠残んねえしなあ、一個一個潰していくしか無いよなあ」
立ち止まったリカルド=イージス=バルデラマ(ka0356)が錆だらけの門を眺める。片方の扉が外れていて出入り自由な状態だ。
「城壁に囲まれているくせして出入りの警備はお粗末ってか。雑魔が忍び込んでいるとはな。それにしても美味いアイスクリームだ。終わったらまた食いに行くか」
別次元からやって来たと自称する男、ガーレッド・ロアー(ka4994)は門を潜り抜けるのと同時にアイスを食べ終わった。
「是非また、メリムさんのところで、いただかないと、いけませんね」
ミオレスカ(ka3496)も最後の一口を食べ終わって笑みを浮かべる。
「発見が早かったのはメリムさんのお手柄ですね。後は、私達が、私達に託された仕事をきっちりと果たすだけですか」
レオン・フォイアロート(ka0829)が庭に作られた石畳の馬車道を進んでいく。道の両脇は雑草で酷い有様だ。
包囲されている状況を館に潜んでいる堕落者側はおそらく気がついている。今更、姿を晒さないようにするのも無意味なので堂々と乗り込んだ。
「運び込まれた犬型の雑魔にすぐ襲われると準備していたんだが」
「俺もそう考えていたが……一筋縄ではいかなようだ」
覚醒こそ控えていたがヒースクリフ(ka1686)とウル=ガ(ka3593)はいつでも戦えるよう準備万端の体勢である。
「いったいどんな力をもっておるのかっ。まあ捕縛優先なのはとうぜんじゃがの」
眼をかっと見開いたジェニファー・ラングストン(ka4564)が身体を震えさせる。恐れているのではない。堕落者とすぐにでも戦いたいがための武者震いだ。
館の玄関口に辿り着いたところで何人かのハンターが覚醒する。館を調べるのに一時間もかからないだろうが、もしもに備えて五分程度の時間差をつけた。
「市街戦の訓練を思い出すなこれ。武器に関しては変則的だがね」
玄関扉はしっかりと内側から閉じられていた。白髪と化したリカルドが魔導鋸槍で蝶番を切断していく。
「雑魔を使ってテロ行為をするつもりか? やりかたが気に食わないな。終わったら、またアイスでも食べるか」
キャリコ・ビューイ(ka5044)が銃を握りながら玄関扉を蹴飛ばして内側へと倒す。石を投げ込んでも何事も起こらない。全員が薄暗い玄関ホール内へと進んだ。
玄関ホールには二つの階段が設置されていた。一つは二階へ上るための階段。もう一つは地下へと至る階段。事前に確認した見取り図の通りである。
ハンター達は四名ずつ二つの班に分かれた。
ヒースクリフ、ガーレッド、ミオレスカ、ウル=ガはひとまず一階を探る。ジェニファー、キャリコ、リカルド、レオンの四名は地下へと続く階段を下りていった。
●
追い込まれた堕落者側にとって採れる選択は少なかった。
歪虚を崇拝する者にとって投降はあり得ない。自決は時と場合による。今選べるのは復讐を誓っての脱出か、敵を道連れにする玉砕のどちらかだ。
脱出を試みようとする堕落者達は二階へと上がっていた。玉砕を覚悟した堕落者達は地下へと姿を隠している。
館内は広いようで狭い。どちらにおいてもハンターとの接触は避けられない状況にあった。
●
地下班はジェニファーを先頭にして階段を下りていく。
LEDライトの照光で浮かび上がる地下空間は廃墟そのものだ。埃と蜘蛛の巣にまみれて、使い古された品々が転がっている。かなり以前から物置として使われてきたようだ。
辿り着いた地下室はそれなりに広かったが他にも部屋はありそうである。壁にいくつかの扉が存在していた。
「ダラクシャが隠れているとすればこの扉の向こう側かの」
「もしくはこれらの家具に隠れている場合も」
ジェニファーがLEDライトでゆっくりと地下室の奥を照らしていく。キャリコが銃口の動きをそれに合わせて警戒する。
「どうしたものなんだ? 玄関の扉よりも厳重だなあ」
リカルドが地下室の扉を開けようとして苦労する。魔導鋸槍を当てても頑丈な蝶番で中々壊すことができない。ようやく千切れたところでリカルドが下がってレオンが扉の前に立つ。
(では行きますよ)
仲間達とアイコンタクトをとったレオンが盾を構えながら扉を蹴破る。激しく埃が舞い立つがそのまま三歩前へ。
続いた ジェニファーとキャリコが新しい地下空間の様子を窺う。どうやら葡萄酒の貯蔵場所だったようだ。樽や瓶がそこら中に置かれている。その直後、転がっていた樽がぐらりと揺れて黒き塊が飛びだしてきた。
「そこに隠れていましたか!」
レオンが牙を剥いて迫る犬雑魔Aに対抗。自らも間合いを詰めて勢いのまま日本刀「村雨丸」でAの首を刎ねる。
Aの頭が床へ落ちたのを合図にしたかの如く、次々と犬雑魔が姿を現す。
「……そこか」
キャリコは樽の微妙な揺れを見逃さずにリボルバー「ヴァールハイト」の銃爪を絞った。犬雑魔Bが樽から飛びだす前に蜂の巣にして仕留めきる。
縦横無尽に動いて翻弄しようとする犬雑魔。地下班は難なくついていく。
「見え見えじゃぞ。所詮は犬のようなものじゃな!」
ジェニファーのスラッシュエッジが冴える。ナックル「ヴァリアブル・デバイド」の爪がまるで獣の顎のように動いて犬雑魔Cの脇腹を食い千切った。
床でのたうち回るCを踏みつけながら犬雑魔Dがリカルドに襲いかかる。冷静なリカルドはDに銃弾を叩き込んで足元に転がす。
「この瞬間だけはどうにも慣れねえな、慣れたら慣れたで殺されかねないからな」
即座にDの喉元をナイフで掻っ捌く。
戦いの最中、天井付近がわずかに明るく輝いた。放物線を描きながら舞っていたそれは火炎瓶。地面に落ちて割れると炎が周囲に広がる。
貯蔵場所には葡萄酒の空樽の他に満載の油樽が混ぜられていた。戦いで倒れていつの間にか床が油まみれに。火炎瓶で発生した炎が床の油溜まりへと近づいていく。
「これは罠だ! 一旦離れろぉ!!」
リカルドが叫んで仲間に知らせる。犬雑魔がこのような策を弄するはずがない。考えつくのは堕落者以外にあり得なかった。
燃え広がる炎で貯蔵場所は隅々まで明るくなる。少し前から連続的な打撃音が響いていた。
「あの辺りに誰かおるぞよ!」
ジェニファーがデリンジャー「プルンブム」を撃つことで堕落者の位置を仲間に知らせる。二人の堕落者らしき男が太い柱を斧で伐り倒そうとしていた。
(もろとも生き埋めにするつもりか)
キャリコも目下の犬雑魔を排除してから銃口を堕落者へと向ける。殺さないように四肢を狙ったが太い柱の陰に隠れられた。即座に跳弾を駆使して脚部に当てていく。
「こんなところで御主等と心中など御免被るのじゃ。まったく堕落しおってからに……親はないておるぞ!」
ジェニファーがアームズダンシングで犬雑魔Eをナックルの餌食にしながら太い柱へと近づいた。そこで堕落者共の執念深さを目の当たりにする。怪我で斧は振れなくなっても動かせる手足だけで柱を叩いていた。
太い柱は激しく軋んでわずかに折れる。その衝撃で天井の一部が崩れ落ちた。こうして出入り口周辺が埋まってしまう。
「コッチも仕事なんでね、悪く思うなよ」
「お前が何者だろうと……俺がやることは一つだ」
レオンとキャリコが気絶させた堕落者をそれぞれに背負う。
「あと十秒だけくれ!」
リカルドは新たな出入り口を用意すべく別所の扉破壊に手をつけていた。魔導鋸槍が呻りを上げる。
燃えさかる室内に自重で歪んでいく天井付近。その二つに脅迫されながらもついに蝶番が切り落とされた。堕落者を担いだままのレオンとキャリコが体当たりで扉を倒す。
「こっちじゃ。見失うでないぞよ!」
ジェニファーがLEDライトで先導して階段まで到達。駆け上がっている間に地下空間が本格的に崩壊していく。
膨れあがる粉塵に追いかけられるようにして地下班は駆ける。一階部分を抜けて野外へとびだしたとき、ついに包まれてしまう。しばらくの間、全員が目を閉じ口を塞いでやり過ごしたのだった。
●
地上班による一階の捜索はすぐに終わる。
「妙だ……」
ヒースクリフが呟く。
各部屋の扉には鍵が一つもかけられていなかった。罠らしき仕掛けもない。
強硬突入ですべての部屋を確認したがあまりに楽すぎる。それが腑に落ちないハンターは多かった。
全員で玄関ホールに戻って階段前へ。
「……上だな」
ウル=ガを先頭にして地上班が二階へと上っていく。窓に戸板は嵌められておらず、二階は射し込む陽光で明るかった。
(地下に全員が逃げ込んだとは考えにくいのだが)
ガーレッドが廊下の角でライフル「ミーティアAT7」を構える。先に敵がいないのを確認した上で奥へ進んでいった。
(まだ一頭もいないなんて、変ですね)
ミオレスカも死角の先へ進む度に魔導拳銃「エア・スティーラー」を突きつける。
散らかっているのはどこも同じだが、長く放置されていた部屋と何者かが住んでいた部屋の雰囲気は確実に違う。
地上班は生活のにおいが感じられる部屋に足を踏み入れた。ここから先が特に怪しいと注意を払いながら奥へと進む。
突然に唸り声を浴びせかけられて地上班の足が止まった。
カーテンの裏側に隠れていた犬雑魔五頭が姿を現す。そして天井裏の梁から四頭が飛び降りてきた。地上班は計九頭の犬雑魔に前後挟まれた形となる。
唸り声を最初に聞いた瞬間から戦闘は始まっていた。
「堕落者はどこだ!」
赤いオーラを漂わせながらガーレッドが拳を呻らせる。衝撃拳「発勁掌波」で襲いかかる犬雑魔Fの頭蓋を粉砕。犬雑魔と戦いながら扉を開けて堕落者を探す。
「き、きっと奥にいるはずです。隠れている堕落者を見逃したとは思えません!」
ミオレスカが自分の意見を叫んだ。
行き先を塞ごうとした犬雑魔Gの横っ腹に魔導拳銃「エア・スティーラー」の銃弾を叩き込む。
「こ、降伏してください! こういうのは無駄です!」
倒したGを跨いでミオレスカは次の部屋へと進んだ。
「やることは決まっている……」
犬雑魔が一所の廊下へ集中したとき、ウル=ガの輝くイルミナルウィップが撓る。多くの犬雑魔が跳ねて避けたところへガーレッドとミオレスカの銃撃が呻った。
「その通りだ!」
その瞬間を見逃さずヒースクリフが斬り込む。試作光斬刀「MURASAMEブレイド」の刃が犬雑魔Hの頭部を真っ二つに叩き切る。
こうして地上班は二階における最奥の部屋へと辿り着いた。
「あれ!」
ミオレスカが窓から垂れるロープの存在に気がついた。真下を覗き込むと堕落者二名が庭に降り立った瞬間が見える。
犬雑魔による足止めが予定よりも役に立たなかったとの会話がミオレスカの耳に届く。
「堕落者は、に、庭にいます!」
「任せておけ。くらえ、破壊掌握クラッシュクエイクゥ!」
ミオレスカの期待に応えるべく、ガーレッドが超重練成した衝撃拳で床をぶち抜いた。
床穴から見える梁に一度飛び降りて、そこからさらに一階の床へ。地上班はわずかな時間で下りることができた。
それからは逃げる堕落者二名を追いかける。庭へ出たとき突然に地面が大きく揺れた。逃げ遅れた犬雑魔が館の崩壊に巻き込まれていく。
大変な事態だが、地上班にとって優先すべきは堕落者二名の確保だ。
「と、止まりなさい」
ミオレスカが立ち止まって銃を構えた。狙い定めて一名の右脚部を撃ち抜く。
「これ以上逃げるのなら命はなくなるぞ」
追いついたヒースクリフが倒れた堕落者の首元に試作光斬刀の刃を近づける。観念したのかそれ以上の抵抗はなかった。
「逃がさない……」
ウル=ガは立体攻撃で樹木の幹を蹴って高く跳び上がる。
背の高い雑草に紛れていた堕落者もこれなら丸見え。イルミナルウィップを身体に巻きつかせて捕縛に成功した。
館崩壊から逃れて地上班を追ってきた犬雑魔もいる。一頭が吠えることで散らばっていた犬雑魔三頭が集結した。
崩壊で立ち込める埃のせいで視界は極度に悪い。しかし光の三角形が犬雑魔三体を貫き通す。ガーレッドがライフルで放ったデルタレイの輝きだ。
「これで全部か? いや……」
「て、手伝います」
犬雑魔はもう一頭残っていた。埃舞う空間にガーレッドとミオレスカが銃弾を撃ち込んでいく。晴れた後に犬雑魔の骸を発見。すべて倒しきったことを確認する。
「次元の彼方でまた会おう!」
ガーレッドが崩れた館へ向けて人差し指と中指を立てて目じりに添える。これは彼にとって戦闘終了の儀式だった。
●
ハンター二班が捕縛した堕落者四名は騎士団へと引き渡される。翌日、全員でメリムの屋台に足を運んだ。
「発見が遅れていたら取り返しの付かないことになっていましたよ」
「おかげで万事解決だ。俺はメロン付きのアイスをもらおうか」
レオンとリカルドがメリムにアイスクリームを注文する。
「大したことしていないよ~。おまけしちゃうね♪」
メリムは大盛りのアイスクリームを笑顔で二人に手渡す。
「ありがとうございました」
「俺からも礼をいわせてもらおう。ありがとう」
ミオレスカとキャリコもアイスを頼んだ。
「今日は特に暑いよね。はい、どうぞ♪」
メリムが渡してくれたアイスクリームは冷え冷えである。木陰の下でベンチに座りながら頂く。ちなみに二個目の注文はキャリコの奢りだ。
「アンタのお陰だ……。将来、有望……だな」
「えへへっ♪」
ウル=ガに頭を撫でられたメリムは照れる。アイスを食べた後、ウル=ガはしばらくフルートを奏でた。メリムの宣伝口上に合わせて。
「これはうまいな」
「なかなかの味じゃ」
ヒースクリフも堪能。暑さで捩れていたジェニファーのアホ毛も冷たさですっきりして真っ直ぐに伸びる。
「もう一個、もらおうか?」
「四個目だけど大丈夫?」
ガーレッドは余程屋台のアイスクリームが気に入った様子だ。結局、ぺろりと五個も胃に収める。
後日、堕落者共の目的が判明した。
街道沿いの町を混乱に陥れることで王国の流通に亀裂を入れようとしていたらしい。成功したときの次の対象は交易商人だったようである。
町を去る際、ハンター一行はメリムのところで最後のアイスクリームを頂いてから帰路に就いたのだった。
早朝、廃屋の館周辺では静かに作戦が進行していた。
衛兵団によって館に至る道の封鎖が行われる。騎士団は到着からわずかな時間で館の外周を完璧に取り囲んだ。周辺住民の避難も別働の衛兵団によって同時に進行した。
「頑張ってね~」
アイスクリーム屋台をだしていたメリムと父親にも避難が命じられる。親子はハンター達を見送るために警備前から道ばたで待機していたらしい。
各ハンターの手にはメリムから受け取ったアイスが握られている。早々に食べてしまう者、館を目指しながら食べ歩く者など様々だ。
「犬狩りと堕落者の捕縛か。建物ぶっ壊したら証拠残んねえしなあ、一個一個潰していくしか無いよなあ」
立ち止まったリカルド=イージス=バルデラマ(ka0356)が錆だらけの門を眺める。片方の扉が外れていて出入り自由な状態だ。
「城壁に囲まれているくせして出入りの警備はお粗末ってか。雑魔が忍び込んでいるとはな。それにしても美味いアイスクリームだ。終わったらまた食いに行くか」
別次元からやって来たと自称する男、ガーレッド・ロアー(ka4994)は門を潜り抜けるのと同時にアイスを食べ終わった。
「是非また、メリムさんのところで、いただかないと、いけませんね」
ミオレスカ(ka3496)も最後の一口を食べ終わって笑みを浮かべる。
「発見が早かったのはメリムさんのお手柄ですね。後は、私達が、私達に託された仕事をきっちりと果たすだけですか」
レオン・フォイアロート(ka0829)が庭に作られた石畳の馬車道を進んでいく。道の両脇は雑草で酷い有様だ。
包囲されている状況を館に潜んでいる堕落者側はおそらく気がついている。今更、姿を晒さないようにするのも無意味なので堂々と乗り込んだ。
「運び込まれた犬型の雑魔にすぐ襲われると準備していたんだが」
「俺もそう考えていたが……一筋縄ではいかなようだ」
覚醒こそ控えていたがヒースクリフ(ka1686)とウル=ガ(ka3593)はいつでも戦えるよう準備万端の体勢である。
「いったいどんな力をもっておるのかっ。まあ捕縛優先なのはとうぜんじゃがの」
眼をかっと見開いたジェニファー・ラングストン(ka4564)が身体を震えさせる。恐れているのではない。堕落者とすぐにでも戦いたいがための武者震いだ。
館の玄関口に辿り着いたところで何人かのハンターが覚醒する。館を調べるのに一時間もかからないだろうが、もしもに備えて五分程度の時間差をつけた。
「市街戦の訓練を思い出すなこれ。武器に関しては変則的だがね」
玄関扉はしっかりと内側から閉じられていた。白髪と化したリカルドが魔導鋸槍で蝶番を切断していく。
「雑魔を使ってテロ行為をするつもりか? やりかたが気に食わないな。終わったら、またアイスでも食べるか」
キャリコ・ビューイ(ka5044)が銃を握りながら玄関扉を蹴飛ばして内側へと倒す。石を投げ込んでも何事も起こらない。全員が薄暗い玄関ホール内へと進んだ。
玄関ホールには二つの階段が設置されていた。一つは二階へ上るための階段。もう一つは地下へと至る階段。事前に確認した見取り図の通りである。
ハンター達は四名ずつ二つの班に分かれた。
ヒースクリフ、ガーレッド、ミオレスカ、ウル=ガはひとまず一階を探る。ジェニファー、キャリコ、リカルド、レオンの四名は地下へと続く階段を下りていった。
●
追い込まれた堕落者側にとって採れる選択は少なかった。
歪虚を崇拝する者にとって投降はあり得ない。自決は時と場合による。今選べるのは復讐を誓っての脱出か、敵を道連れにする玉砕のどちらかだ。
脱出を試みようとする堕落者達は二階へと上がっていた。玉砕を覚悟した堕落者達は地下へと姿を隠している。
館内は広いようで狭い。どちらにおいてもハンターとの接触は避けられない状況にあった。
●
地下班はジェニファーを先頭にして階段を下りていく。
LEDライトの照光で浮かび上がる地下空間は廃墟そのものだ。埃と蜘蛛の巣にまみれて、使い古された品々が転がっている。かなり以前から物置として使われてきたようだ。
辿り着いた地下室はそれなりに広かったが他にも部屋はありそうである。壁にいくつかの扉が存在していた。
「ダラクシャが隠れているとすればこの扉の向こう側かの」
「もしくはこれらの家具に隠れている場合も」
ジェニファーがLEDライトでゆっくりと地下室の奥を照らしていく。キャリコが銃口の動きをそれに合わせて警戒する。
「どうしたものなんだ? 玄関の扉よりも厳重だなあ」
リカルドが地下室の扉を開けようとして苦労する。魔導鋸槍を当てても頑丈な蝶番で中々壊すことができない。ようやく千切れたところでリカルドが下がってレオンが扉の前に立つ。
(では行きますよ)
仲間達とアイコンタクトをとったレオンが盾を構えながら扉を蹴破る。激しく埃が舞い立つがそのまま三歩前へ。
続いた ジェニファーとキャリコが新しい地下空間の様子を窺う。どうやら葡萄酒の貯蔵場所だったようだ。樽や瓶がそこら中に置かれている。その直後、転がっていた樽がぐらりと揺れて黒き塊が飛びだしてきた。
「そこに隠れていましたか!」
レオンが牙を剥いて迫る犬雑魔Aに対抗。自らも間合いを詰めて勢いのまま日本刀「村雨丸」でAの首を刎ねる。
Aの頭が床へ落ちたのを合図にしたかの如く、次々と犬雑魔が姿を現す。
「……そこか」
キャリコは樽の微妙な揺れを見逃さずにリボルバー「ヴァールハイト」の銃爪を絞った。犬雑魔Bが樽から飛びだす前に蜂の巣にして仕留めきる。
縦横無尽に動いて翻弄しようとする犬雑魔。地下班は難なくついていく。
「見え見えじゃぞ。所詮は犬のようなものじゃな!」
ジェニファーのスラッシュエッジが冴える。ナックル「ヴァリアブル・デバイド」の爪がまるで獣の顎のように動いて犬雑魔Cの脇腹を食い千切った。
床でのたうち回るCを踏みつけながら犬雑魔Dがリカルドに襲いかかる。冷静なリカルドはDに銃弾を叩き込んで足元に転がす。
「この瞬間だけはどうにも慣れねえな、慣れたら慣れたで殺されかねないからな」
即座にDの喉元をナイフで掻っ捌く。
戦いの最中、天井付近がわずかに明るく輝いた。放物線を描きながら舞っていたそれは火炎瓶。地面に落ちて割れると炎が周囲に広がる。
貯蔵場所には葡萄酒の空樽の他に満載の油樽が混ぜられていた。戦いで倒れていつの間にか床が油まみれに。火炎瓶で発生した炎が床の油溜まりへと近づいていく。
「これは罠だ! 一旦離れろぉ!!」
リカルドが叫んで仲間に知らせる。犬雑魔がこのような策を弄するはずがない。考えつくのは堕落者以外にあり得なかった。
燃え広がる炎で貯蔵場所は隅々まで明るくなる。少し前から連続的な打撃音が響いていた。
「あの辺りに誰かおるぞよ!」
ジェニファーがデリンジャー「プルンブム」を撃つことで堕落者の位置を仲間に知らせる。二人の堕落者らしき男が太い柱を斧で伐り倒そうとしていた。
(もろとも生き埋めにするつもりか)
キャリコも目下の犬雑魔を排除してから銃口を堕落者へと向ける。殺さないように四肢を狙ったが太い柱の陰に隠れられた。即座に跳弾を駆使して脚部に当てていく。
「こんなところで御主等と心中など御免被るのじゃ。まったく堕落しおってからに……親はないておるぞ!」
ジェニファーがアームズダンシングで犬雑魔Eをナックルの餌食にしながら太い柱へと近づいた。そこで堕落者共の執念深さを目の当たりにする。怪我で斧は振れなくなっても動かせる手足だけで柱を叩いていた。
太い柱は激しく軋んでわずかに折れる。その衝撃で天井の一部が崩れ落ちた。こうして出入り口周辺が埋まってしまう。
「コッチも仕事なんでね、悪く思うなよ」
「お前が何者だろうと……俺がやることは一つだ」
レオンとキャリコが気絶させた堕落者をそれぞれに背負う。
「あと十秒だけくれ!」
リカルドは新たな出入り口を用意すべく別所の扉破壊に手をつけていた。魔導鋸槍が呻りを上げる。
燃えさかる室内に自重で歪んでいく天井付近。その二つに脅迫されながらもついに蝶番が切り落とされた。堕落者を担いだままのレオンとキャリコが体当たりで扉を倒す。
「こっちじゃ。見失うでないぞよ!」
ジェニファーがLEDライトで先導して階段まで到達。駆け上がっている間に地下空間が本格的に崩壊していく。
膨れあがる粉塵に追いかけられるようにして地下班は駆ける。一階部分を抜けて野外へとびだしたとき、ついに包まれてしまう。しばらくの間、全員が目を閉じ口を塞いでやり過ごしたのだった。
●
地上班による一階の捜索はすぐに終わる。
「妙だ……」
ヒースクリフが呟く。
各部屋の扉には鍵が一つもかけられていなかった。罠らしき仕掛けもない。
強硬突入ですべての部屋を確認したがあまりに楽すぎる。それが腑に落ちないハンターは多かった。
全員で玄関ホールに戻って階段前へ。
「……上だな」
ウル=ガを先頭にして地上班が二階へと上っていく。窓に戸板は嵌められておらず、二階は射し込む陽光で明るかった。
(地下に全員が逃げ込んだとは考えにくいのだが)
ガーレッドが廊下の角でライフル「ミーティアAT7」を構える。先に敵がいないのを確認した上で奥へ進んでいった。
(まだ一頭もいないなんて、変ですね)
ミオレスカも死角の先へ進む度に魔導拳銃「エア・スティーラー」を突きつける。
散らかっているのはどこも同じだが、長く放置されていた部屋と何者かが住んでいた部屋の雰囲気は確実に違う。
地上班は生活のにおいが感じられる部屋に足を踏み入れた。ここから先が特に怪しいと注意を払いながら奥へと進む。
突然に唸り声を浴びせかけられて地上班の足が止まった。
カーテンの裏側に隠れていた犬雑魔五頭が姿を現す。そして天井裏の梁から四頭が飛び降りてきた。地上班は計九頭の犬雑魔に前後挟まれた形となる。
唸り声を最初に聞いた瞬間から戦闘は始まっていた。
「堕落者はどこだ!」
赤いオーラを漂わせながらガーレッドが拳を呻らせる。衝撃拳「発勁掌波」で襲いかかる犬雑魔Fの頭蓋を粉砕。犬雑魔と戦いながら扉を開けて堕落者を探す。
「き、きっと奥にいるはずです。隠れている堕落者を見逃したとは思えません!」
ミオレスカが自分の意見を叫んだ。
行き先を塞ごうとした犬雑魔Gの横っ腹に魔導拳銃「エア・スティーラー」の銃弾を叩き込む。
「こ、降伏してください! こういうのは無駄です!」
倒したGを跨いでミオレスカは次の部屋へと進んだ。
「やることは決まっている……」
犬雑魔が一所の廊下へ集中したとき、ウル=ガの輝くイルミナルウィップが撓る。多くの犬雑魔が跳ねて避けたところへガーレッドとミオレスカの銃撃が呻った。
「その通りだ!」
その瞬間を見逃さずヒースクリフが斬り込む。試作光斬刀「MURASAMEブレイド」の刃が犬雑魔Hの頭部を真っ二つに叩き切る。
こうして地上班は二階における最奥の部屋へと辿り着いた。
「あれ!」
ミオレスカが窓から垂れるロープの存在に気がついた。真下を覗き込むと堕落者二名が庭に降り立った瞬間が見える。
犬雑魔による足止めが予定よりも役に立たなかったとの会話がミオレスカの耳に届く。
「堕落者は、に、庭にいます!」
「任せておけ。くらえ、破壊掌握クラッシュクエイクゥ!」
ミオレスカの期待に応えるべく、ガーレッドが超重練成した衝撃拳で床をぶち抜いた。
床穴から見える梁に一度飛び降りて、そこからさらに一階の床へ。地上班はわずかな時間で下りることができた。
それからは逃げる堕落者二名を追いかける。庭へ出たとき突然に地面が大きく揺れた。逃げ遅れた犬雑魔が館の崩壊に巻き込まれていく。
大変な事態だが、地上班にとって優先すべきは堕落者二名の確保だ。
「と、止まりなさい」
ミオレスカが立ち止まって銃を構えた。狙い定めて一名の右脚部を撃ち抜く。
「これ以上逃げるのなら命はなくなるぞ」
追いついたヒースクリフが倒れた堕落者の首元に試作光斬刀の刃を近づける。観念したのかそれ以上の抵抗はなかった。
「逃がさない……」
ウル=ガは立体攻撃で樹木の幹を蹴って高く跳び上がる。
背の高い雑草に紛れていた堕落者もこれなら丸見え。イルミナルウィップを身体に巻きつかせて捕縛に成功した。
館崩壊から逃れて地上班を追ってきた犬雑魔もいる。一頭が吠えることで散らばっていた犬雑魔三頭が集結した。
崩壊で立ち込める埃のせいで視界は極度に悪い。しかし光の三角形が犬雑魔三体を貫き通す。ガーレッドがライフルで放ったデルタレイの輝きだ。
「これで全部か? いや……」
「て、手伝います」
犬雑魔はもう一頭残っていた。埃舞う空間にガーレッドとミオレスカが銃弾を撃ち込んでいく。晴れた後に犬雑魔の骸を発見。すべて倒しきったことを確認する。
「次元の彼方でまた会おう!」
ガーレッドが崩れた館へ向けて人差し指と中指を立てて目じりに添える。これは彼にとって戦闘終了の儀式だった。
●
ハンター二班が捕縛した堕落者四名は騎士団へと引き渡される。翌日、全員でメリムの屋台に足を運んだ。
「発見が遅れていたら取り返しの付かないことになっていましたよ」
「おかげで万事解決だ。俺はメロン付きのアイスをもらおうか」
レオンとリカルドがメリムにアイスクリームを注文する。
「大したことしていないよ~。おまけしちゃうね♪」
メリムは大盛りのアイスクリームを笑顔で二人に手渡す。
「ありがとうございました」
「俺からも礼をいわせてもらおう。ありがとう」
ミオレスカとキャリコもアイスを頼んだ。
「今日は特に暑いよね。はい、どうぞ♪」
メリムが渡してくれたアイスクリームは冷え冷えである。木陰の下でベンチに座りながら頂く。ちなみに二個目の注文はキャリコの奢りだ。
「アンタのお陰だ……。将来、有望……だな」
「えへへっ♪」
ウル=ガに頭を撫でられたメリムは照れる。アイスを食べた後、ウル=ガはしばらくフルートを奏でた。メリムの宣伝口上に合わせて。
「これはうまいな」
「なかなかの味じゃ」
ヒースクリフも堪能。暑さで捩れていたジェニファーのアホ毛も冷たさですっきりして真っ直ぐに伸びる。
「もう一個、もらおうか?」
「四個目だけど大丈夫?」
ガーレッドは余程屋台のアイスクリームが気に入った様子だ。結局、ぺろりと五個も胃に収める。
後日、堕落者共の目的が判明した。
街道沿いの町を混乱に陥れることで王国の流通に亀裂を入れようとしていたらしい。成功したときの次の対象は交易商人だったようである。
町を去る際、ハンター一行はメリムのところで最後のアイスクリームを頂いてから帰路に就いたのだった。
依頼結果
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MVP一覧
- 師岬の未来をつなぐ
ミオレスカ(ka3496)
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依頼相談掲示板 | |||
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【相談】犬雑魔退治 ミオレスカ(ka3496) エルフ|18才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2015/08/02 23:18:40 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/08/02 19:05:38 |