えろぱるむがあらわれた! 再び

マスター:猫又ものと

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2015/09/29 19:00
完成日
2015/10/12 06:34

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●天国と地獄
 辺境地域と帝国の国境に存在する要塞『ノアーラ・クンタウ』。
 そこから見える辺境の光景は、時に幻想的な光景となる。
 北を見れば連なる雪山。
 その岩肌を彩る雪を夕暮れの太陽が照らし、オレンジ色へと染め上げる。
 澄んだ空気が見る者を包み込み、別の世界へ誘われたかのような錯覚を起こさせる。

 ――そして。
 このノアーラ・クンタウに新たなる名所が誕生する。
 辺境ドワーフのカペラがマテリアル鉱山の新規開拓中に発見した温泉脈を、入浴可能な温泉地へと整備したのだ。
 その温泉地の名は『テミス』。
 怠惰との戦いをテミスで癒そうと、多くのハンターや各国の兵士が入浴にやってくる。
 さらにハンター達の要望を受けて、温泉をポンプで引き上げて辺境の地を山から眺める事のできる露天風呂を公開。
 この露天風呂が大ヒット、更なる温泉客を呼び込む結果となり、西方世界に温泉の名が轟いた。
 ドワーフも入浴料を徴収できて、みんながハッピー。
 この時は、誰もがそう思っていた。
 そう、あの事件が起こるまでは……。

 ――あの事件とは、『パルム変異事件』である。
 あれは数ヶ月程前だったであろうか。
 温泉地『テミス』が、謎のパルムによって占拠された。
 その頭の傘の色は赤ではなく紫。
 そして、怪しい笑みを浮かべて迫り来るパルム達――。
 その紫色の物体達の目線は、女性客の胸や臀部に注がれていて……その熱視線は中年のオッサンが放つネットリとしたそれに近い。ふと横を見れば、機敏な動きで女性客に飛び掛り、妙な笑みを浮かべて豊かな胸をぱふぱふしているパルムまでおり……。
 あの可愛らしいパルムが、客に対し中年オッサン顔負けのセクハラを繰り広げたのだ。
 オッサンパルム――通称『毒パルム』の登場で、この世の天国は一瞬にして地獄と化したのである。
 事態の収拾に呼び出されたハンター達も酷い目にあったものの、全ての毒パルムを排除し、オネェパルムという巨大な毒パルムは終の棲家を得て、『テミス』は再び天国へと戻ったが……再び、不穏な気配が迫りつつあった。


●毒パルム再び
「きゃあああああ!!!」
「逃げてーーーー!!」
 温泉施設『テミス』に湯治に来ていたハンター達は、女性達の悲鳴に気がついた。
「……何? 覗きかしら」
「ちょっと見に行ってみるか。俺たちなら何とかなるかもしれないし」
 ――そう、自分達はハンターだ。
 一般の者達より腕っ節も強い。
 ちょっとしたことなら対処できる……。
 そんな事を考えていたハンター達。
 次の瞬間……視界に入った紫色を見て、激しい後悔の念に襲われた。


 突如として現れたパルムは、頭の傘が奇妙な紫色だった。
 紫色のパルムは、じっとりとした奇妙な笑みを浮かべて……ハンター達を取り囲んでいる。
「ちょ、ちょっと何なのこいつら」
「知らねえよ! ってかどこから沸いたんだ!?」
 どこかで聞いたやり取りをするハンター達。
 一般人を避難させることを優先した為か、気付けばすっかりパルムに取り囲まれている……。
 そんなハンター達に、じろじろと嘗め回すような目線を向けて来るパルム。
 何ともいえない気持ち悪さを感じて後退を始める彼ら。
 一進一退の攻防。だが、パルムが隙をついて飛び掛って来た……!
「きゃあああああああああああああっ!!」
 女性ハンターのたわわな胸に飛びついて頭を埋めるパルム。
 な、何てうらやましい……! とか男性ハンターが不謹慎なことを考えていると、臀部に違和感が……。
「うわああああ!! し、尻! 尻揉まれたああああ!!」
 露天風呂に響き渡る男性ハンターの情けない悲鳴。

 まさに阿鼻叫喚。
 ――ハンター達は、この数ターンのやり取りで分かったことを、動揺しながらも必死で状況を整理した。
 この毒パルム、どうやら男女問わず襲いかかる……『えろぱるむ』であるらしい。

「いやああああ! きもちわるいいいいい!」
「何でこいつらいるんだよ! この間退治したばっかりだろ!!」
「知らないわよ!! っていうかどうすんのよ、これえええええ!!」
「どうするって、捕まえて天日干しすりゃ治るって聞いたぞ!」
「そういうことならすぐに捕まえましょう!」
 以前の『毒パルム変異事件』を思い出して、周囲を見渡すハンター達。
 しかし、そこには無数のえろぱるむがひしめきあっていて……。

 ……ちょっと待て。捕まえて天日干し?
 ……この数を、ですか……?

 呆然とするハンター。
 そうしている間に、えろぱるむ達はどんどん迫って来ていて――。

 さて、どうする?

リプレイ本文

 温泉を埋め尽くさんばかりの紫の物体。
 それを、フィルメリア・クリスティア(ka3380)と米本 剛(ka0320)は虚ろな目で見つめていた。
「私は温泉に休みに来たはずなんだけど……」
「何がどうしてこうなりました……?」
 二人の脳裏を過ぎる疑問。残念ながらそれに答えてくれるものもないし、聞いたところで現状が打破できる訳でもないんですが!
「数は……数えるのも面倒なくらいね。あぁ、出来るだけ早く終わらせたいなぁ……」
 日頃の疲れを癒すために、温泉に浸かりに来たというのに。
 こんなところで妨害されてたまるもんですか……!
 現状を打破する算段を立て始めるフィルメリアの横で、己の身体を見下ろす剛。
 いつもの全身鎧で武装出来ていたら良かったのだが、この身を包むのは真っ赤な丸が中央に描かれた褌のみ。
 多くの敵を前にして、何と心許ないことか……。
 しかしですね。大丈夫! 幸いにして周囲は皆女性! しかも綺麗どころ!
 自分みたいな筋肉玉に群がって来る訳がないのです! そう! 大丈夫!
「甘いですよ! 米本さん! っていうかボク女子じゃないし! 男だし!!」
「ざくろも男だよ!!」
「なん、ですって……!? 何故自分の考えていることが分かったのですか!?」
「「全部口に出てましたー!」」
 驚愕する剛にビシィ! っとツッコミを入れる樹導 鈴蘭(ka2851)と時音 ざくろ(ka1250)。
 二人共女子と見紛う愛らしさである上に、鈴蘭は胸からバスタオルを巻いているし、ざくろはセーラータイプの水着を着ていたし、彼の勘違いも無理はない。
 実際、剛は若干混乱していていた。
 まあ、この光景を見たらね! 普段冷静なハンターだって思考停止するってもんですよ!!
「あーもー。ホントにどうしよ……これ」
「これが噂に聞くえろぱるむってやつみたいだね! でも大丈夫だよ、鈴蘭! ざくろがついてる!」
 深々とため息をつく友人を笑顔で元気付けるざくろ。
 何がどう大丈夫なのかさっぱり分からないし、思いっきりフラグ立てたような気がしますが、まあ頑張って戴きましょう。
「またか、またなのか。もうこの温泉閉めた方が良くはないかの……?」
 ああああ、と頭を抱える火々弥(ka3260)。
 そう、彼女はえろぱるむに遭遇するのはこれが二度目。いつでもいる訳ではないので、単純に彼女の運が悪いだけな気がするが。
 ――二度目。そう二度目なのだ。一度戦った相手に怯んでいる訳にはいかない。過去を乗り越え、学習し、成長するのが人、そしてハンターの強さ……!
「……と、言う訳じゃ! 皆、後は頼んだぞ!」
「火々弥さん、仕事放棄ですか?」 
「それは違うぞ! わしはこの場にたまたま居合わせただけ……依頼を受けた訳ではないからの!」
「すごい理屈ですね……」
「何とでも言うが良い! こんなえろぱるむだらけのところにいられるか! わしは部屋に戻る!」
「そんなこと言ってると真っ先に襲われますよ?」
「ふふふ。最近はあからさまなフラグは折れるものじゃからな、ガンガン立てて構わぬわ。ではこれで失礼すr……ああああぁぁぁ!?」
 フィルメリアの冷静な声を鼻であしらった火々弥。
 そのまま脱兎のごとく駆け出したが、足元にあった泡の山に足を踏み入れ、盛大に滑って行く。
 泡の中には、周囲を全く気にせず、鼻歌を歌いながら身体を洗い続けている黒の夢(ka0187)がいた。
「あーわあーわ、ふふふーん♪」
「……黒の夢さん。悠長に身体を洗っている場合ではないのでは……?」
「うな? 大丈夫なのなー。パルムはパルムなのなー」
 囲まれてますよ? と指摘する剛に、にぱっと笑顔を返す黒の夢。ふと、己の手元に目線を落として驚愕する。
「わぁぁ! ごめんなのなっ! 痛くなかったー……?」
 手の中のえろぱるむにぺこぺこと頭を下げる彼女。
 スポンジで身体を洗っていたはずなのに、いつの間に摩り替わったのだろう……?
 まあいっか。もしかしたらこのまま身体洗ってくれるかもしれないし。
 混沌を極めるだけで、一向に打開しない状況。鈴蘭はぐっと拳を握り締める。
「とりあえず、こういう時は一旦回避に専念して周りの状況をよく見よう! 戦場の把握は大切だよね!」
 そう。これは大切なことなのだ。決して隙あらば自分だけでも逃げようとか考えている訳じゃないのだ。
 ――バスタオルじゃ動きにくいな。囲まれてなければ服を取りに行くところなんだけど……。
 そう考えて、出入り口付近に目線をやった鈴蘭は、飛び込んできた光景に慌てて目を反らす。
 そこには、足を滑らせて転んだ火々弥がえろぱるむ達に足を掴まれ、さわさわと撫でられていて……。
「ぐぬぬ。ぬかった。……いや、まて、ぬしら落ち着け、他にも獲物は沢山おるではないか、ほれ! 麗しい女子から男の娘から、筋肉マッチョまで選び放題じゃぞ!?」
 こんな状況でも自分だけ助かる気満々ですね! 火々弥さん!
「当たり前じゃ! おぬしら、こいつらの恐ろしさを知らんから……!」
 ほら! そんなこと言ってるうちにえろぱるむ迫って来てますよ!
「ぎゃあああああっ!!」
「火々弥! 大丈夫!? 待ってて、今助けるから!!」
 彼女のピンチに立ち上がるざくろ。冒険家として、困っている女性は放っておけない!
 勇ましく駆け寄るが、足元に転がっていた石鹸でつるっと足を滑らせる。
「きゃああああっ」 
「えっ。ちょっ。ナンデツカムノ?!」
 ざくろからからあがる可愛らしい悲鳴。彼は走りこんだ勢いそのままに、床をつーーーっと進んで行き……救いを求めるように、鈴蘭をむんずと掴んで――。
 2人は助けるはずだった火々弥を巻き込んで、紫色の海に飛び込んだ。


「とにかく、1匹づつでもいいから処理を進めて行くしかないですね……」
「そうですね。それしかないですね」
 頷きあうフィルメリアと剛。
 フィルメリアは元から、剛は思考が停止している為、無表情に淡々とパルムを捕まえ、縄にくくりつけて行く。しかし、えろぱるむはどこからともなくわらわらと湧いて来て……。
「全然減りませんね……」
「むむ。相手が弱いとはいえ効率が悪いですな」
「そうですね……」
「握力でこう……傘の部分からギューーッと絞ったら、ばしゃーーっと温泉成分出ませんかね」
「……温泉成分が出る前にパルムの中身が出そうですよね、それ」
「……エグいですね」
「やめておきましょうか……」
 不穏なやり取り。そもそもパルムに中身があるのかどうか自体謎なのだが……こんな台詞が素で出てしまう辺り、二人とも大分追い詰められているのかもしれない。
 無理もない。そんなことをしている間も、二人の太股を、えろぱるむがじっとりとした笑みを浮かべながら撫で回し続けていて……。
「……パルムさん。私よりほら、そこの筋骨隆々のお兄さんの方が触り甲斐あると思いますよ……!」
「いやいや! 自分にそんな需要がある訳ないじゃないですか! ここは麗しい女性の方が……!」
「あらやだそんな! 遠慮しないでください」
「そちらこそ遠慮なさらず!!」
「じゃあ我輩がやるのな!」
「「どうぞどうぞ」」
 発生する譲り合いに突如現れた救世主。黒の夢はえろぱるむを抱き上げるとつんつん、と指でつつく。
「毒って言うけどこれはこれで可愛いと思うのだけどなー」
 赤い傘も可愛いけれど、紫の傘もなかなかいいと思うし。
 お友達になって一緒に遊びたいんだろうなー。
 そんな事を考えながら、えろぱるむを泡で包んでその身体を洗い始める。
 すると、1匹、2匹……と黒の夢の身体をよじ登り、滑らかな黒いもち肌をねっとりとした手つきで撫で始める。
「順番で待っててくれたらちゃんと洗ってあげるのなー。ん? 手伝ってくれるのな? いい子なのなー!」
 いや、ただ単にセクハラしたくてやってるんだと思うんですが。
 そういった目線にも、行為自体にも慣れている彼女にとってはさしたるダメージはないらしい。
 とはいえ、胸の間に入り込まれると、さすがにちょっと……。
「みゅ……ぺろぺろはくすぐったいのなー……! ぐりぐりもだーめっ!」
 えろぱるむと(閲覧削除)な状態になりつつある黒の夢。
 ああ、何とけしからん! 何と羨ましい!!
 黒の夢をまんまと囮にして、えろぱるむ達を順番に干しているフィルメリアと剛には、その光景を眺めている余裕は残念ながらなかったが。


 一方その頃、パルムの海に仲良く飛び込んだ3人は別な修羅場を迎えていた。
「いたたたた……。鈴蘭、大丈夫?」
「……すまんがざくろ、手を退けてくれぬかの」
「ああ、ごめん今退k……」
 そこまで言いかけて、小首を傾げるざくろ。
 鈴蘭ににしてはやけにいい匂いだし、小麦のように日焼けした肌は健康的な艶があって美しいし。
 柔らかくて張りがあって、押すと弾力があって……って、ちょっと待って。
「……ざくろさん、ボクこっち」
「えっ? 鈴蘭……? って、わあああ!? 火々弥、ごめん!!」
 己が上に乗っているのが鈴蘭ではなく火々弥であることにようやく気付いて飛びずさるざくろに、ざくろさんは相変わらずか……なんて思いながら目を反らす鈴蘭。
 この状況下でこういった事故を起こすあたり、さすがらきすけの申し子と言うべきか。
 しかし、えろぱるむ達の進軍は、ざくろに釈明する暇を与えてはくれなかった。
「ひっ!? い、いやぁ!?」
 パルムに背中をつつつーーと撫でられ、身体が跳ねる彼。
 男子にしては華奢な体つきだが、胸や肩のあたりに戦う者にだけ見られる肉が付いている。臀部も当然、固く締まっていて……その隆起を楽しむように、えろぱるむ達はさわさわと手を動かす。
「ちょっ。やだ! 変なところ触らないでよ……! あああ! 水着! 水着の中入って来ないでぇ!!」
 そんな友人を虚ろな目で見つめる鈴蘭。
 確かに、ざくろさんは女の子みたいで可愛い。可愛いけど……やっぱり、こういうのは女性に向かうべきだと思うんだ!!
 女性の! 恥ずかしがる顔の方が! 見たいよ!!
 ボクだって健全な男子だし、やっぱり女性の方が良いじゃないか!
「……っていうかボクの身体触らないでくれないかな気持ち悪いんだけど!! お尻揉むのやめてよね! 男の尻揉んで嬉しいの? 変態なの? ねえ変態なの!?」
 えろぱるむが喋ることが出来たなら、きっと『男の娘の、運動している者特有の肉付きの良いお尻最高です!!』と叫ぶだろうが、残念ながら不気味な笑いしか浮かべない。
 容赦なくパルムを叩き落す鈴蘭の本能全開の願いが叶ってか、目の前で火々弥がえろぱるむに襲われていた。
「……あっ。んっ。やめ、そんなところまで……はぁっ!?」
 完全にえろぱるむに圧し掛かられ、身動きの取れない彼女。湯浴み着に入り込み、這い回るえろぱるむ達。
 ――ちょーっとばかり鈴蘭とざくろには刺激が強すぎた。
 ぶぼーーーっと鼻血を吹くざくろに、慌てて目線を外す鈴蘭。
 その先にあるものに気付いて、2人の目が死んだ魚のようになる。

「んー。パルム、きのこ。おいしそうなのなー。そうだ! 温泉成分吸い出したら元に戻るかもなのなー」
 黒の夢はきのこが大好きだ。毎日欠かさず食べるくらいには。
 きのこに似たパルムもまた、美味しそうに見えてしまったのも、仕方がないこと。
 ――ただ、えろぱるむを胸に……ダメです! これ以上は。(閲覧削除)状態です。
 とんでもない視界の暴力に、再び大量な鼻血を噴出するざくろ。
 鈴蘭の鈴蘭も完全に覚醒状態です! ありがとうございます!

「ざくろ、見てないよ! 何も見てないいいいいい!」
「もうやだああああ!! なんてうらやm………破廉恥! 死すべしえろぱるむ!」
 理性の限界を試されて、泣き叫ぶ男子達。
 その頃、剛とフィルメリアも修羅場を迎えていた。
「……ちょっとあの、やめて戴けませんかね」
 腰に張り付くえろぱるむを、困惑しながら振り払う剛。
 おかしい。男性である自分は狙われないと思っていたのに。
 がっしりとした身体。弾力のある鉄に鞣した革を張ったような、滑らかな筋骨……。
 ハッキリ言わせて戴くと、それに需要がないと思う方がおかしいんですよ!
 そっちの筋の人に大人気ですよ!!
「そっちの筋ってどっちの筋でしょうか……未知数ですね。あああ、やめて! お尻はやめて……!!」
 臀部を揉みしだかれる不快感と初めてのことに情けない声をあげる剛。その横で、フィルメリアは苛立っていた。
「……いい加減に……してくれないかしら……ねっ!」
 ほっそりとした身体や、形が良く上を向いた胸に飛び掛ってくるパルムを叩き落とす彼女。
 相手が誰であれ、身体を見られる事にはあまり抵抗はないけれど、触られるとなると話は別だ。
 しかもこう、このえろぱるむ、触り方がいちいち気持ち悪い。
 揉んだり持ち上げたりというのは、耐え難い屈辱で……。
 次の瞬間、お尻のあたりをべろりと舐められてぞわわわ……と寒気が走り――。

 ――ブチィッ。
 ゴゴゴゴゴゴゴ。

 嫌な音と共に、どこからともなく聞こえて来る地響きと、一瞬で凍りつく空気。
 絶対零度の空気を纏い、ゆらりと立ち上がる。
 氷の女王フィルメリア、ここに光臨!(ぱんぱかぱーん)
「いい加減にしろって言ってますよね……? 余程死にたいようですね……いいでしょう」
「あっ。あっ。フィルメリアさん乱暴はダメだよ! 相手はパルムだよ!」
 あまりの冷気にガクガクと震えながらも制止しようとするざくろ。
 彼を冷たい目で一瞥すると、氷の女王はフフンと鼻で笑う。
「私に逆らおうなんて、100年早くってよ……? 罰として、えろぱるむの贄になりなさい!」
「いやああああ!?」
「なんでわしまでええええ!?」
「えっ!? ちょっ!? ダカラナンデツカムノ!?」
 氷の女王に蹴り飛ばされ、再びえろぱるむの海に沈むざくろと火々弥、鈴蘭。
 彼女はククク……と笑うと、剛と黒の夢を見る。
「あなた方はえろぱるむを干すのを手伝ってもらいましょう。……嫌とは言わせませんよ?」
「………」
「あーい。分かったのなー!」
 ――逆らったら同じ目に遭わされる。それを察知してガクガクと首を縦に振る剛。
 黒の夢だけが、元気に挙手をした。


 ――こうして、テミスに出没したえろぱるむは全て捕獲され、事件は解決を見た。
 地獄のような戦いを終え、ぐったりするもの放心するもの。天日干しされたパルムと一緒にお昼寝するもの……。
 ハンター達は今度こそ癒しの時間を得る為に、再び温泉に向かった。

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重体一覧

参加者一覧

  • 黒竜との冥契
    黒の夢(ka0187
    エルフ|26才|女性|魔術師
  • 王国騎士団“黒の騎士”
    米本 剛(ka0320
    人間(蒼)|30才|男性|聖導士
  • 神秘を掴む冒険家
    時音 ざくろ(ka1250
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 世界の北方で愛を叫ぶ
    樹導 鈴蘭(ka2851
    人間(紅)|14才|男性|機導師

  • 火々弥(ka3260
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人
  • 世界より大事なモノ
    フィルメリア・クリスティア(ka3380
    人間(蒼)|25才|女性|機導師

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ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/09/24 22:14:39