ゲスト
(ka0000)
【幻森】忍び寄る黒い影
マスター:猫又ものと

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/10/20 19:00
- 完成日
- 2015/11/02 20:09
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●綻び
幻獣達が隠れ住む安息の地――幻獣の森。
一時は歪虚から逃れて、平穏な生活が訪れると信じていた。
だが、現実はあまりに無慈悲で残酷だ。
白龍が消滅した結果、幻獣達を守っていた結界は綻び始める。
そこへ忍び寄るは、幻獣のマテリアルを狙う影の群れ。
その時、ハンター達は――。
●大首長の懸念
「……すまんが、手を貸してくれぬか」
ハンターズソサエティに現れたバタルトゥ・オイマト(kz0023)は相変わらずの仏頂面でそう告げた。
「ああ。手伝うってあれか。北伐か? お前も駆り出されてたよな」
「本当次から次へと大変ね」
「……それもあるが。今回は、共に『幻獣の森』に向かって貰いたい」
「……『幻獣の森』? ファリフが見つけたっていう森か?」
「えぇ? でもあなた、あちらの作戦もあるでしょうに」
目を丸くするハンター達。それにバタルトゥは表情を変えぬまま続ける。
「……勿論それがあった上で、だ。……確定的な情報とは言えぬが、森の周辺に魔人を始めとする歪虚が多く集まっているという。こうも歪虚が多く集結しているとなると、北伐の進軍にどういった影響が出るか分からぬ……」
「ははぁ……。不安の芽は今のうちに摘んでおきたいってことか」
「……そういうことだ。それに、あちらに手が足りなければイェルズを派遣することも出来るしな……」
バタルトゥの声に、人懐っこい赤毛の青年を思い出すハンター達。
族長の副官ともなると、色々仕事も多いのかもしれない。
「あの子も大変ね。まあ、いいわ。一緒に行けばいいのね?」
「……敵の能力なども未知数だ。危険なことも多かろうが……どうか協力してくれ」
「了解。そういうことなら、厳重に準備をしていった方が良さそうだな」
頷くハンター達。
見つかった『幻獣の森』。それを狙う歪虚の群れ――。
ハンター達は、闇を祓う為に立ち上がる。
●黒い影
「間違いない、奴らは今まで気配を消していたのか。だが、何らかの事情でその姿を現さずを得なかったか……」
歪虚支配地域下で、一人の男が徘徊していた。
黒いコートに黒い手袋を身につけたリアルブルー風の衣装に身を包んだ男。
だが、その手には衣装と不釣り合いな素槍が握られていた。
男の名は――青木燕太郎。
かつてはハンターと称される存在であったが、今は歪虚として人間と相対する存在だ。
「東方の一件で幻獣達は気を緩めたのか? ……否、そうではないな。おそらく不測の事態という奴だろう」
ハンターであろうと、歪虚であろうと目の前に立つ敵に愛用の槍を向ける事は変わらない。
ハンター達の協力を得て人類が力を持ったのなら、歪虚である自分も更なる高みを目指さなければならない。その為には幻獣の持つマテリアルが不可欠。既に幻獣のマテリアルを嗅ぎ付けて複数の歪虚が動き出している。
だが、燕太郎のもう一つ懸念があった。
万が一幻獣が人間に手を貸すようなことがあれば厄介な事になりかねない。
それは……非常に面白くない。
それを阻止する為にも、あいつらを苦しめる為にも……幻獣の森は確実に滅ぼす必要がある。
「やはり……捨て置けんな」
燕太郎は、踵を返した。
目的地は幻獣の森。
人間と幻獣の目論見を打ち砕く為に。
幻獣達が隠れ住む安息の地――幻獣の森。
一時は歪虚から逃れて、平穏な生活が訪れると信じていた。
だが、現実はあまりに無慈悲で残酷だ。
白龍が消滅した結果、幻獣達を守っていた結界は綻び始める。
そこへ忍び寄るは、幻獣のマテリアルを狙う影の群れ。
その時、ハンター達は――。
●大首長の懸念
「……すまんが、手を貸してくれぬか」
ハンターズソサエティに現れたバタルトゥ・オイマト(kz0023)は相変わらずの仏頂面でそう告げた。
「ああ。手伝うってあれか。北伐か? お前も駆り出されてたよな」
「本当次から次へと大変ね」
「……それもあるが。今回は、共に『幻獣の森』に向かって貰いたい」
「……『幻獣の森』? ファリフが見つけたっていう森か?」
「えぇ? でもあなた、あちらの作戦もあるでしょうに」
目を丸くするハンター達。それにバタルトゥは表情を変えぬまま続ける。
「……勿論それがあった上で、だ。……確定的な情報とは言えぬが、森の周辺に魔人を始めとする歪虚が多く集まっているという。こうも歪虚が多く集結しているとなると、北伐の進軍にどういった影響が出るか分からぬ……」
「ははぁ……。不安の芽は今のうちに摘んでおきたいってことか」
「……そういうことだ。それに、あちらに手が足りなければイェルズを派遣することも出来るしな……」
バタルトゥの声に、人懐っこい赤毛の青年を思い出すハンター達。
族長の副官ともなると、色々仕事も多いのかもしれない。
「あの子も大変ね。まあ、いいわ。一緒に行けばいいのね?」
「……敵の能力なども未知数だ。危険なことも多かろうが……どうか協力してくれ」
「了解。そういうことなら、厳重に準備をしていった方が良さそうだな」
頷くハンター達。
見つかった『幻獣の森』。それを狙う歪虚の群れ――。
ハンター達は、闇を祓う為に立ち上がる。
●黒い影
「間違いない、奴らは今まで気配を消していたのか。だが、何らかの事情でその姿を現さずを得なかったか……」
歪虚支配地域下で、一人の男が徘徊していた。
黒いコートに黒い手袋を身につけたリアルブルー風の衣装に身を包んだ男。
だが、その手には衣装と不釣り合いな素槍が握られていた。
男の名は――青木燕太郎。
かつてはハンターと称される存在であったが、今は歪虚として人間と相対する存在だ。
「東方の一件で幻獣達は気を緩めたのか? ……否、そうではないな。おそらく不測の事態という奴だろう」
ハンターであろうと、歪虚であろうと目の前に立つ敵に愛用の槍を向ける事は変わらない。
ハンター達の協力を得て人類が力を持ったのなら、歪虚である自分も更なる高みを目指さなければならない。その為には幻獣の持つマテリアルが不可欠。既に幻獣のマテリアルを嗅ぎ付けて複数の歪虚が動き出している。
だが、燕太郎のもう一つ懸念があった。
万が一幻獣が人間に手を貸すようなことがあれば厄介な事になりかねない。
それは……非常に面白くない。
それを阻止する為にも、あいつらを苦しめる為にも……幻獣の森は確実に滅ぼす必要がある。
「やはり……捨て置けんな」
燕太郎は、踵を返した。
目的地は幻獣の森。
人間と幻獣の目論見を打ち砕く為に。
リプレイ本文
「オイマトさんのような実力者と同行出来るとは……光栄ですな!」
「……両手に花なんていいご身分やねぇ、兄さん」
握手を求めてきた米本 剛(ka0320)と明らかに面白がっている白藤(ka3768)に、何か言いかけたバタルトゥ・オイマト(kz0023)だったが、早々に諦めた。
無理もない。黒の夢(ka0187)とチョココ(ka2449)に、両方の頬を引っ張られていたので。
「わぁーい! 生バターちゃんー♪」
「むにむにーですのー!」
ご機嫌な黒の夢。幻獣に会えないのかとしょぼくれていたチョココも、割とすんなり元気を取り戻した。
「……綺麗な森だね」
「本当に。辺境に、こんな場所があるなんて……」
周辺に怪しいものはないか、足跡などを確認していた七夜・真夕(ka3977)の呟きに目を細めるメトロノーム・ソングライト(ka1267)。
鬱蒼と生い茂り、全てのものを阻むように立ち並ぶ木々。それはどれも見事で、歴史を感じさせて……どこか、メトロノームの故郷に似ている。
この幻獣の森は、一体どれだけの間、幻獣達を守ってきたのだろうか……。
「ここが幻獣達の砦って事ですよね。歪虚の思うようにはさせませんよ」
「そうです、ね」
拳を握って気合を入れる花厳 刹那(ka3984)に、頷く火椎 帝(ka5027)。
彼は、難しい顔をして……何かを考えているようだった。
「……あっ。来たよ!」
その存在に気づいたのは真夕だった。
立ち並ぶ木立の中、目に入る黒い色。
気配を隠すでもなく、悠然と歩いて来るそれは、人の形をしているが……明らかに、『ヒト』ではない気配――周囲のマテリアルを消し去るほどの、膨大な負の力。
――あの男を森に近づけてはいけない。きっと、嫌な事が起きる……!
手にじっとりと汗が滲むのを感じて、ワンドを握り直すメトロノーム。
こちらの存在を気にする様子もなく歩き続ける黒装束の男に、黒の夢が金色の双眸を向ける。
「我輩は黒の夢、汝はだぁれ?」
彼女の声に一瞥を投げる男。答える様子のない彼に、黒の夢は小首を傾げる。
「あら? 汝しゃべれないのな?」
「……お前達と話す必要性を感じない」
「名前くらい教えてくれたっていいのなー」
「名乗って何の得がある。……失せろ。今なら見逃してやる」
「名前言いたくないの? 恥ずかしがりやさんなのなー♪」
「警告はしたぞ、ハンター」
「……あら、押しの強い雄は好きよ? でも、話してくれないなら……森へ通す理由も無いのな」
笑う黒の夢に、表情を変えぬ男。そこに、あの……と帝が声をかける。
「僕、帝って言います。貴方は、リアルブルーの方……ですよね」
見慣れた髪と目の色、そして肌の色。記憶をなくし、思い出せる事は朧げな帝だが、この男の風貌は、遠い故郷を思わせるものがあって……。
「……だとしたらどうする?」
「どうして、ここに来たのかなって……。幻獣と仲良くする為……とかじゃないんですよね?」
苦笑する帝の問いに、目を見開く男。クククと、さも楽しげに笑う。
「あぁ。そうか。確かに、そういう手もあるな。だが、そんな回りくどい方法は好きじゃないんで、な!」
次の瞬間、振るわれる素槍。それは確実に、帝の心臓に狙いを定めて――。
「帝さん! 危ない……!」
咄嗟に帝の腕を引く刹那。彼らを守るように黒の夢が作り出した土の壁を、男の槍がいともたやすく貫通する。
「話し合いを求める相手にその対応はないんじゃないですか?」
「どうして急に襲うのなっ!」
「そーよそーよ! 人間のくせに!」
「話す必要を感じていないと言っただろう。それに……俺は人間ではない。人間を超える存在だ。分かったらそこを退いてもらおうか!」
刹那と黒の夢、真夕に向けられる蔑むような男の目線と絶対的な殺意。
そこに放たれた風を切る銃弾。黒い男は舌打ちして後ろに飛びずさり、狙撃手を睨む。
「ハァイ、坊や。ちょいとうちと遊ぼうや……」
「ここは通さないですのよ!」
その目線を正面から受け止めて笑う白藤に、ビシィ! と指を差すチョココ。
仲間達を守るように、バタルトゥと剛が前に出る。
「……お前の相手はこっちだ……!」
「さあ、ここでお引取り戴きますよ!」
「ふむ。8対1か……。まあいい。相手をしてやろう」
ニヤリ、と口の端を上げる黒い男。白藤の放つ銃弾の音が、開戦の合図となった。
――戦況は均衡を保っているように見えるが、男が本気を出しているようにも思えない。
槍だけを使うというならば……遠近それで事足りる『何か』があるのではないか?
そんな事を考える剛の刀が槍をはじき返し、その間を縫うように閃くバタルトゥの双剣。
黒い男は飛びずさり、それを槍で受け止める。
――ギィン! ギィン!
武器がぶつかりあう鈍い音。
剛もバタルトゥも、仲間達の指示の通りに動き、男の注意を引き付けているが……。
「速い……。ずっころんでくれへんかなぁ……なぁんて、思うとったけど」
苦々しく呟く白藤。極力足を狙って、男の動きを封じられないかと思っていたが……。
彼女の幾度とない銃撃。掠めはするが、動きを止めるまでには至らない。手練のハンターがこれだけ揃う中、一人でのこの事やってくるだけの事はある。
「スリープクラウド、効かないですのよ!」
「うーん。やっぱり小手先の技は通用しないみたいと思った方がいいのかな」
「わたくし、何度か打ってみましたけれど、涼しい顔をしたままでしたわ。精神的な耐久力は高いと思っていいと思いますの!」
むー、と難しい顔をしているチョココに、考え込む真夕。
……事前に聞いた情報によると、あの男は人の邪魔をするのが好きらしいが、ここに、自分達以外の人の気配はない。
人のいないこの森にわざわざ来た理由は……何かを探しに来た?
――否。帝が、幻獣と仲良くしたいのかと問うた時、『そんな手もある』と言っていた。
だとしたら、狙いは……。
「幻獣さんを狙ってきたんだと思いますのよ。幻獣さんは、わたくし達の力になってくれますの。きっとそれを邪魔したいんですのね」
「うん。我輩達を遠ざけようとしてたし、そうとしか思えないのな」
「……あの男を森に近づけてはいけません」
ぽつりと口を開くチョココに、頷く黒の夢。
己を抱きしめるように腕を組むメトロノームの脳裏に蘇る記憶。
――生まれ育った村。美しい森に囲まれたそこを襲った惨劇。
この『力』は、何かを守る為に。悲劇を防ぐ事が出来るのなら、『力』を奮う事に迷いはない。
「そうね……。よし。皆でばんばん射撃しましょ。あの人、動き速いけど、皆でいっせーの! でやったら流石に避けきれないんじゃないかなって思うし」
「避けられたにしろ妨害にはなるやね。せっこい戦い方やけど……仕方あらへん。石橋は叩いて渡らんとなぁ」
真夕に悪戯っぽい笑みを向けて、こういう戦い方は性に合わへんのやけどねぇ……と続けた白藤。相手の出方が分からない以上は慎重に行くべきだという彼女に、黒の夢も頷く。
「ん。やってみる価値はありそうなのな」
「ダメでも弾幕代わりにはなります」
「わかったですの。わたくしも頑張るですのよ!」
「そうと決まれば……一旦散会や。まとまってたら一気にやられるさかいな」
メトロノームとチョココに頷き、黒い男から目線を外さずに言う白藤。彼女は拳銃に弾を装填すると、仲間と敵の動きを注視する――。
その頃、前衛の者達の戦いは熾烈を極めていた。
「うぐっ……!」
剛を狙った槍を、盾で槍を受け止める帝。
『先手必勝』で機動力を上げているので、動きには何とか追いつけるが、そのあまりの一撃の重さに身体が傾ぐ。
何だ? この異様な重さ……。
やはりこの男は、『歪虚』なのか。
「……どうして、こんな事するんですか?」
「まだ聞くのか、小僧」
「だって貴方、どう見てもリアルブルーの人なのに……!」
ぶつかり合う帝と男の鋭い目線。
鍔迫り合いのように武器を押し合っていたが、男が飛びずさり間合いを取る。
――本能的に、この黒い男を恐ろしいと思った。
転移に巻き込まれ、やってきたクリムゾンウェスト。
この世界での出来事は、今なお帝にとって、どこか現実味のない……『おとぎの国のお話』のような気がしていた。
そう。己がこの世界で暮らして来られたのは、勿論周囲の人の助けもあったが、何よりその自覚がなかったからだ。
同じ国から来た人が『もはや人ではない事実』を目の当たりにする事が、恐ろしい。
これが『現実』だと、否応なしに突き付けられるから……。
「どうして歪虚になんてなったんです……? そんな事したら、貴方帰れないじゃないですか……!」
「……甘いな。甘ったるくて反吐が出る」
「判ってます。それでも、僕は……!」
――この人が邪悪なものではないと、信じたかった。
口にはしないが、帝から溢れる希望と理想。それを見て、男は苛立たしげに顔を歪める。
「……見逃してやろうと思ったが、気が変わった。お前の理想を、今ここでへし折ってやろう」
「そうはさせへんよ……!」
タタタタタン! と軽い音を立てて連射される白藤の銃弾。
帝を守るように現れた弾幕を、男は機敏な動きで避ける。
「ここまでは予想通り……! 皆、頼むえ!」
「了解! ……運ぶもの、吹きすさぶもの、ありて淀みを斬り裂いて!」
「光よ、善き方へ向かい……光りし弾よ、彼の者を貫け!」
「大気に宿る猛き精霊に願い奉る。その力を束ね、敵を討て!」
「そーれ! 雷どーーーん! なんですのよ!!」
白藤の声に応えるように始まる詠唱。
真夕のウィンドスラッシュと、黒の夢のマジックアロー、メトロノームとチョココのライトニングボルトがほぼ同時に放たれ、男目掛けてまっすぐに進んで行く。
「チィッ……!」
舌打ちする黒い男。流石に4つは避け切れないと悟ったか。
次の瞬間、大きく跳躍して、槍を横に払い――。
バシュッ! ドーーーーーン!!
耳を裂くような轟音。バキバキと音を立てて大木の枝が落ち……4人の魔法は男の前に落ちたそれに吸い込まれ、粉砕して消えた。
「……樹を盾にするなんて……!」
「刹那さん、今の男の攻撃、見ましたか?」
「はい。ハッキリと……」
「隠し玉は、どうやらあれだったようですね……」
男から目を逸らさずに呟く刹那と剛。2人は確かに見た。あの樹の枝を払い落としたのは槍から出た衝撃波だった。
こんな太い幹をすっぱりと切り落とす程の威力。あれを今まで使わずに自分達と対峙していたのか……!
そのまま踵を返して森に向かおうとする男の前に、剛と帝、バタルトゥが立ち塞がる。
「これを見て、まだやる気か?」
「さすがに強いですね……。俄然やる気が出てきましたよ……!」
「僕は、貴方を進ませる訳にはいかない!」
「……そうか。ではまとめて死ね!」
言うや否や、槍を横に振るう男。
放たれた衝撃波に、前衛の者達が吹き飛ぶ。
「ぐあっ……!」
樹に叩きつけられる帝とバタルトゥ。
これ以上やらせはしないと、真夕がマジックアローを放つが、男はニヤリと笑い、高い跳躍でそれを避けた。
「1人だと避けられちゃうか……! チョココちゃん! 一緒にライトニングボルト!」
「だめですの! 衝撃波が壁みたいになって届かないですの!!」
チョココの悲痛な叫び。
魔法を放っても、衝撃波にかき消される。
メトロノームはせめて仲間と森を守ろうと、決死の覚悟で大地の精霊に願い、土の防壁を作り上げるが……次の瞬間、男の放った衝撃波に巻き込まれる。
「きゃあああっ!」
「メトロノームさん、大丈夫ですか?!」
「……下がっていろ」
「でも、剛さんが……!」
背中が痛いのも忘れてメトロノームを助け起こす帝。
口の端から血を滲ませて言うバタルトゥに、彼女はぷるぷると首を振る。
自分の傷は大した事はない。
でもそれは……剛が衝撃波を受け止めてくれているからだ。
「大丈夫、僕が行きます! ……うわぁっ!!」
言った傍から放たれる衝撃波に、吹き飛ぶ帝。
幾度となく放たれるそれを食らいながらも、剛は大地に根を張るように仁王立ちしていた。
「ぐっ……」
――確かに、強い。さすが魔人と言われる歪虚だけはある。
懐に入れば勝機あり……と考えるのは危ないだろう。
諦めなければ見えるものがあるはず。しぶとく喰らいついてみせる……!!
「剛様! これ以上はだめですのよ!」
「まだまだ……! こちらにはまだ、切り札が……いますから……!」
「……切り札?」
ボロボロになりながらも不敵に笑う剛。チョココは彼の言わんとするものが何かと考えて……気づいた。
――気配を殺すように立つ人物……刹那がいる事に。
彼女は、攻撃を他の者に任せ、男の動きをずっと観察していた。
仲間が傷ついていくのを見るのは心が痛んだけれど……これが己の役割、と言い聞かせて。
男の獲物は槍ゆえ、動作が大きい。必ず隙があるはずと信じて――。
「なかなか頑張るな。だが、いつまで持つかな?」
「自分は倒れませんよ……!」
男の前に立つ不動の堅盾。それを打ち砕く為に、槍を振り上げ……。
――今です!!
駆け出す刹那。立体攻撃を使い木々を駆け上がり、空から襲いかかる。
「……っ!?」
「貰いました……!!」
刹那は桜の花弁を纏い銀糸の髪をたなびかせて、閃く桜刀を男目掛けてまっすぐに振り下ろす――!
「ほう。なかなかやるな……」
「……勝負ありました。引きなさい」
感じた確かな手ごたえ。男の腕に一撃入れて、薄く笑う刹那。
かろうじて立っている剛の前に、チョココと黒の夢がすっと割って入り、両手を広げる。
「帰らないなら、わたくしが相手するですの!」
「汝が帰るまで、我輩はどんな傷を負っても退かないっ!!」
「……本当に面倒くさい奴らだな。いいだろう、今日のところは引こう」
「待ってください。貴方のお名前、まだ伺ってません」
「俺は青木。……青木 燕太郎だ」
「青木……さん」
「やっぱり、リアルブルーの名前……」
刹那の問いに答えた黒い男。
帝と真夕の呟きに、メトロノームの胸に何とも言えぬ不安が過ぎる。
「引いてくれるならそれでええ。さ、皆手当てせえへんとね」
「そうなのな! たけしちゃんは後でお尻ペンペンなのな!!」
白藤の声に、思い出したようにぷんすこする黒の夢。
「木があらへんともっと酷かったやろうな……」
白藤は、青木と名乗った男が見えなくなるまで、ずっとその背を睨み付け……そう呟いた。
「やはり捨ておけぬな……。ハンターと幻獣が手を組めば、面倒な事になる……」
腕を押さえて苛立たしげに呟く燕太郎。ふと何かを思いついたのか、口の端を上げる。
「……そうだな。この俺に一撃くれた礼はせねばならん。あいつらを使うとするか……」
くつりと嗤う黒い影。幻獣の森を覆う闇は、更に手を伸ばそうとしている。
「……両手に花なんていいご身分やねぇ、兄さん」
握手を求めてきた米本 剛(ka0320)と明らかに面白がっている白藤(ka3768)に、何か言いかけたバタルトゥ・オイマト(kz0023)だったが、早々に諦めた。
無理もない。黒の夢(ka0187)とチョココ(ka2449)に、両方の頬を引っ張られていたので。
「わぁーい! 生バターちゃんー♪」
「むにむにーですのー!」
ご機嫌な黒の夢。幻獣に会えないのかとしょぼくれていたチョココも、割とすんなり元気を取り戻した。
「……綺麗な森だね」
「本当に。辺境に、こんな場所があるなんて……」
周辺に怪しいものはないか、足跡などを確認していた七夜・真夕(ka3977)の呟きに目を細めるメトロノーム・ソングライト(ka1267)。
鬱蒼と生い茂り、全てのものを阻むように立ち並ぶ木々。それはどれも見事で、歴史を感じさせて……どこか、メトロノームの故郷に似ている。
この幻獣の森は、一体どれだけの間、幻獣達を守ってきたのだろうか……。
「ここが幻獣達の砦って事ですよね。歪虚の思うようにはさせませんよ」
「そうです、ね」
拳を握って気合を入れる花厳 刹那(ka3984)に、頷く火椎 帝(ka5027)。
彼は、難しい顔をして……何かを考えているようだった。
「……あっ。来たよ!」
その存在に気づいたのは真夕だった。
立ち並ぶ木立の中、目に入る黒い色。
気配を隠すでもなく、悠然と歩いて来るそれは、人の形をしているが……明らかに、『ヒト』ではない気配――周囲のマテリアルを消し去るほどの、膨大な負の力。
――あの男を森に近づけてはいけない。きっと、嫌な事が起きる……!
手にじっとりと汗が滲むのを感じて、ワンドを握り直すメトロノーム。
こちらの存在を気にする様子もなく歩き続ける黒装束の男に、黒の夢が金色の双眸を向ける。
「我輩は黒の夢、汝はだぁれ?」
彼女の声に一瞥を投げる男。答える様子のない彼に、黒の夢は小首を傾げる。
「あら? 汝しゃべれないのな?」
「……お前達と話す必要性を感じない」
「名前くらい教えてくれたっていいのなー」
「名乗って何の得がある。……失せろ。今なら見逃してやる」
「名前言いたくないの? 恥ずかしがりやさんなのなー♪」
「警告はしたぞ、ハンター」
「……あら、押しの強い雄は好きよ? でも、話してくれないなら……森へ通す理由も無いのな」
笑う黒の夢に、表情を変えぬ男。そこに、あの……と帝が声をかける。
「僕、帝って言います。貴方は、リアルブルーの方……ですよね」
見慣れた髪と目の色、そして肌の色。記憶をなくし、思い出せる事は朧げな帝だが、この男の風貌は、遠い故郷を思わせるものがあって……。
「……だとしたらどうする?」
「どうして、ここに来たのかなって……。幻獣と仲良くする為……とかじゃないんですよね?」
苦笑する帝の問いに、目を見開く男。クククと、さも楽しげに笑う。
「あぁ。そうか。確かに、そういう手もあるな。だが、そんな回りくどい方法は好きじゃないんで、な!」
次の瞬間、振るわれる素槍。それは確実に、帝の心臓に狙いを定めて――。
「帝さん! 危ない……!」
咄嗟に帝の腕を引く刹那。彼らを守るように黒の夢が作り出した土の壁を、男の槍がいともたやすく貫通する。
「話し合いを求める相手にその対応はないんじゃないですか?」
「どうして急に襲うのなっ!」
「そーよそーよ! 人間のくせに!」
「話す必要を感じていないと言っただろう。それに……俺は人間ではない。人間を超える存在だ。分かったらそこを退いてもらおうか!」
刹那と黒の夢、真夕に向けられる蔑むような男の目線と絶対的な殺意。
そこに放たれた風を切る銃弾。黒い男は舌打ちして後ろに飛びずさり、狙撃手を睨む。
「ハァイ、坊や。ちょいとうちと遊ぼうや……」
「ここは通さないですのよ!」
その目線を正面から受け止めて笑う白藤に、ビシィ! と指を差すチョココ。
仲間達を守るように、バタルトゥと剛が前に出る。
「……お前の相手はこっちだ……!」
「さあ、ここでお引取り戴きますよ!」
「ふむ。8対1か……。まあいい。相手をしてやろう」
ニヤリ、と口の端を上げる黒い男。白藤の放つ銃弾の音が、開戦の合図となった。
――戦況は均衡を保っているように見えるが、男が本気を出しているようにも思えない。
槍だけを使うというならば……遠近それで事足りる『何か』があるのではないか?
そんな事を考える剛の刀が槍をはじき返し、その間を縫うように閃くバタルトゥの双剣。
黒い男は飛びずさり、それを槍で受け止める。
――ギィン! ギィン!
武器がぶつかりあう鈍い音。
剛もバタルトゥも、仲間達の指示の通りに動き、男の注意を引き付けているが……。
「速い……。ずっころんでくれへんかなぁ……なぁんて、思うとったけど」
苦々しく呟く白藤。極力足を狙って、男の動きを封じられないかと思っていたが……。
彼女の幾度とない銃撃。掠めはするが、動きを止めるまでには至らない。手練のハンターがこれだけ揃う中、一人でのこの事やってくるだけの事はある。
「スリープクラウド、効かないですのよ!」
「うーん。やっぱり小手先の技は通用しないみたいと思った方がいいのかな」
「わたくし、何度か打ってみましたけれど、涼しい顔をしたままでしたわ。精神的な耐久力は高いと思っていいと思いますの!」
むー、と難しい顔をしているチョココに、考え込む真夕。
……事前に聞いた情報によると、あの男は人の邪魔をするのが好きらしいが、ここに、自分達以外の人の気配はない。
人のいないこの森にわざわざ来た理由は……何かを探しに来た?
――否。帝が、幻獣と仲良くしたいのかと問うた時、『そんな手もある』と言っていた。
だとしたら、狙いは……。
「幻獣さんを狙ってきたんだと思いますのよ。幻獣さんは、わたくし達の力になってくれますの。きっとそれを邪魔したいんですのね」
「うん。我輩達を遠ざけようとしてたし、そうとしか思えないのな」
「……あの男を森に近づけてはいけません」
ぽつりと口を開くチョココに、頷く黒の夢。
己を抱きしめるように腕を組むメトロノームの脳裏に蘇る記憶。
――生まれ育った村。美しい森に囲まれたそこを襲った惨劇。
この『力』は、何かを守る為に。悲劇を防ぐ事が出来るのなら、『力』を奮う事に迷いはない。
「そうね……。よし。皆でばんばん射撃しましょ。あの人、動き速いけど、皆でいっせーの! でやったら流石に避けきれないんじゃないかなって思うし」
「避けられたにしろ妨害にはなるやね。せっこい戦い方やけど……仕方あらへん。石橋は叩いて渡らんとなぁ」
真夕に悪戯っぽい笑みを向けて、こういう戦い方は性に合わへんのやけどねぇ……と続けた白藤。相手の出方が分からない以上は慎重に行くべきだという彼女に、黒の夢も頷く。
「ん。やってみる価値はありそうなのな」
「ダメでも弾幕代わりにはなります」
「わかったですの。わたくしも頑張るですのよ!」
「そうと決まれば……一旦散会や。まとまってたら一気にやられるさかいな」
メトロノームとチョココに頷き、黒い男から目線を外さずに言う白藤。彼女は拳銃に弾を装填すると、仲間と敵の動きを注視する――。
その頃、前衛の者達の戦いは熾烈を極めていた。
「うぐっ……!」
剛を狙った槍を、盾で槍を受け止める帝。
『先手必勝』で機動力を上げているので、動きには何とか追いつけるが、そのあまりの一撃の重さに身体が傾ぐ。
何だ? この異様な重さ……。
やはりこの男は、『歪虚』なのか。
「……どうして、こんな事するんですか?」
「まだ聞くのか、小僧」
「だって貴方、どう見てもリアルブルーの人なのに……!」
ぶつかり合う帝と男の鋭い目線。
鍔迫り合いのように武器を押し合っていたが、男が飛びずさり間合いを取る。
――本能的に、この黒い男を恐ろしいと思った。
転移に巻き込まれ、やってきたクリムゾンウェスト。
この世界での出来事は、今なお帝にとって、どこか現実味のない……『おとぎの国のお話』のような気がしていた。
そう。己がこの世界で暮らして来られたのは、勿論周囲の人の助けもあったが、何よりその自覚がなかったからだ。
同じ国から来た人が『もはや人ではない事実』を目の当たりにする事が、恐ろしい。
これが『現実』だと、否応なしに突き付けられるから……。
「どうして歪虚になんてなったんです……? そんな事したら、貴方帰れないじゃないですか……!」
「……甘いな。甘ったるくて反吐が出る」
「判ってます。それでも、僕は……!」
――この人が邪悪なものではないと、信じたかった。
口にはしないが、帝から溢れる希望と理想。それを見て、男は苛立たしげに顔を歪める。
「……見逃してやろうと思ったが、気が変わった。お前の理想を、今ここでへし折ってやろう」
「そうはさせへんよ……!」
タタタタタン! と軽い音を立てて連射される白藤の銃弾。
帝を守るように現れた弾幕を、男は機敏な動きで避ける。
「ここまでは予想通り……! 皆、頼むえ!」
「了解! ……運ぶもの、吹きすさぶもの、ありて淀みを斬り裂いて!」
「光よ、善き方へ向かい……光りし弾よ、彼の者を貫け!」
「大気に宿る猛き精霊に願い奉る。その力を束ね、敵を討て!」
「そーれ! 雷どーーーん! なんですのよ!!」
白藤の声に応えるように始まる詠唱。
真夕のウィンドスラッシュと、黒の夢のマジックアロー、メトロノームとチョココのライトニングボルトがほぼ同時に放たれ、男目掛けてまっすぐに進んで行く。
「チィッ……!」
舌打ちする黒い男。流石に4つは避け切れないと悟ったか。
次の瞬間、大きく跳躍して、槍を横に払い――。
バシュッ! ドーーーーーン!!
耳を裂くような轟音。バキバキと音を立てて大木の枝が落ち……4人の魔法は男の前に落ちたそれに吸い込まれ、粉砕して消えた。
「……樹を盾にするなんて……!」
「刹那さん、今の男の攻撃、見ましたか?」
「はい。ハッキリと……」
「隠し玉は、どうやらあれだったようですね……」
男から目を逸らさずに呟く刹那と剛。2人は確かに見た。あの樹の枝を払い落としたのは槍から出た衝撃波だった。
こんな太い幹をすっぱりと切り落とす程の威力。あれを今まで使わずに自分達と対峙していたのか……!
そのまま踵を返して森に向かおうとする男の前に、剛と帝、バタルトゥが立ち塞がる。
「これを見て、まだやる気か?」
「さすがに強いですね……。俄然やる気が出てきましたよ……!」
「僕は、貴方を進ませる訳にはいかない!」
「……そうか。ではまとめて死ね!」
言うや否や、槍を横に振るう男。
放たれた衝撃波に、前衛の者達が吹き飛ぶ。
「ぐあっ……!」
樹に叩きつけられる帝とバタルトゥ。
これ以上やらせはしないと、真夕がマジックアローを放つが、男はニヤリと笑い、高い跳躍でそれを避けた。
「1人だと避けられちゃうか……! チョココちゃん! 一緒にライトニングボルト!」
「だめですの! 衝撃波が壁みたいになって届かないですの!!」
チョココの悲痛な叫び。
魔法を放っても、衝撃波にかき消される。
メトロノームはせめて仲間と森を守ろうと、決死の覚悟で大地の精霊に願い、土の防壁を作り上げるが……次の瞬間、男の放った衝撃波に巻き込まれる。
「きゃあああっ!」
「メトロノームさん、大丈夫ですか?!」
「……下がっていろ」
「でも、剛さんが……!」
背中が痛いのも忘れてメトロノームを助け起こす帝。
口の端から血を滲ませて言うバタルトゥに、彼女はぷるぷると首を振る。
自分の傷は大した事はない。
でもそれは……剛が衝撃波を受け止めてくれているからだ。
「大丈夫、僕が行きます! ……うわぁっ!!」
言った傍から放たれる衝撃波に、吹き飛ぶ帝。
幾度となく放たれるそれを食らいながらも、剛は大地に根を張るように仁王立ちしていた。
「ぐっ……」
――確かに、強い。さすが魔人と言われる歪虚だけはある。
懐に入れば勝機あり……と考えるのは危ないだろう。
諦めなければ見えるものがあるはず。しぶとく喰らいついてみせる……!!
「剛様! これ以上はだめですのよ!」
「まだまだ……! こちらにはまだ、切り札が……いますから……!」
「……切り札?」
ボロボロになりながらも不敵に笑う剛。チョココは彼の言わんとするものが何かと考えて……気づいた。
――気配を殺すように立つ人物……刹那がいる事に。
彼女は、攻撃を他の者に任せ、男の動きをずっと観察していた。
仲間が傷ついていくのを見るのは心が痛んだけれど……これが己の役割、と言い聞かせて。
男の獲物は槍ゆえ、動作が大きい。必ず隙があるはずと信じて――。
「なかなか頑張るな。だが、いつまで持つかな?」
「自分は倒れませんよ……!」
男の前に立つ不動の堅盾。それを打ち砕く為に、槍を振り上げ……。
――今です!!
駆け出す刹那。立体攻撃を使い木々を駆け上がり、空から襲いかかる。
「……っ!?」
「貰いました……!!」
刹那は桜の花弁を纏い銀糸の髪をたなびかせて、閃く桜刀を男目掛けてまっすぐに振り下ろす――!
「ほう。なかなかやるな……」
「……勝負ありました。引きなさい」
感じた確かな手ごたえ。男の腕に一撃入れて、薄く笑う刹那。
かろうじて立っている剛の前に、チョココと黒の夢がすっと割って入り、両手を広げる。
「帰らないなら、わたくしが相手するですの!」
「汝が帰るまで、我輩はどんな傷を負っても退かないっ!!」
「……本当に面倒くさい奴らだな。いいだろう、今日のところは引こう」
「待ってください。貴方のお名前、まだ伺ってません」
「俺は青木。……青木 燕太郎だ」
「青木……さん」
「やっぱり、リアルブルーの名前……」
刹那の問いに答えた黒い男。
帝と真夕の呟きに、メトロノームの胸に何とも言えぬ不安が過ぎる。
「引いてくれるならそれでええ。さ、皆手当てせえへんとね」
「そうなのな! たけしちゃんは後でお尻ペンペンなのな!!」
白藤の声に、思い出したようにぷんすこする黒の夢。
「木があらへんともっと酷かったやろうな……」
白藤は、青木と名乗った男が見えなくなるまで、ずっとその背を睨み付け……そう呟いた。
「やはり捨ておけぬな……。ハンターと幻獣が手を組めば、面倒な事になる……」
腕を押さえて苛立たしげに呟く燕太郎。ふと何かを思いついたのか、口の端を上げる。
「……そうだな。この俺に一撃くれた礼はせねばならん。あいつらを使うとするか……」
くつりと嗤う黒い影。幻獣の森を覆う闇は、更に手を伸ばそうとしている。
依頼結果
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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質問場 白藤(ka3768) 人間(リアルブルー)|28才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2015/10/18 10:30:32 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/10/16 00:11:32 |
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作戦相談 火椎 帝(ka5027) 人間(リアルブルー)|19才|男性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2015/10/20 18:10:49 |