炊き出し。警備募集中

マスター:馬車猪

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
少なめ
相談期間
4日
締切
2014/08/02 19:00
完成日
2014/08/09 20:53

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 肉汁たっぷりの柔らかなステーキ。
 瑞瑞しく形のよい野菜だけを使ったサラダ。
 そんな料理の半分以上が手をつけられることもなく冷えて乾いていく。
 テーブルを囲み談笑する貴族達にとっては、豪華な料理も宴を彩る背景でしかなかった。
 そんな退廃的な光景に、エクラ教司祭イコニア・カーナボン(kz0040)が違和感なくなじんでいた。


 翌朝。王国北部地方都市の聖堂教会客室。
「胃腸薬です」
 地元のクルセイダーが青黒い液体入りカップを差し出した。
「ありがとうございます」
 イコニアは年上に対する礼儀で受け取り、激臭を気合で耐えて一気飲み……しようとして失敗し涙がにじむ。
 クルセイダーは内心肩をすくめて机の上を見る。
 書きかけの礼状だ。宛名はこの街の近くに所領がある貴族。内容は資金提供への礼。資金は低所得地区での炊き出しに使われる予定だ。
「金がある所にはあるのですね」
 これまで端金にしか出さなかった貴族に対する怒り、それから金を引き出した司祭への評価、貴族の血を使った交渉術に対する嫌悪を遠回しに表現する。
「お優しい貴族という評価を買って頂いたのです」
 イコニアはハンカチで涙をぬぐってからコップを置き礼状作成を再開する。
「浄財ですよ」
「その浄財を使って司祭が施しをなさると」
 クルセイダーの脳裏には、この地で長年苦労してきた老司祭の顔が浮かんでいた。老司祭は炊き出しが出来ることを純粋に喜ぶのが分かっているからなおさら目の前の少女司祭が気に入らない。
「私は臨時の人員でしかありません。今回集まった浄財は司祭様の長年の活動の成果です。炊き出しも司祭様のご指示で行われるのが当然でしょう」
 だから私の前線への異動に協力して欲しいの、というイコニアの意図は幸か不幸か伝わっていない。
 クルセイダーは目を見開き、それまでの慇懃無礼な態度を改めた。
「失礼しました」
 何のことか分からないという顔で礼状を複数枚書き終えたイコニアが疑問を口にする。
「炊き出しの際の警備は足りていますか。昨夜のパーティでも……」
 覚醒者の数が少なかった。同盟への援軍や輜重の護衛のためこの地を離れているのだ。
「いや、それは」
 この教会でも、同盟への援軍に自主的に協力する覚醒者がいたりして戦力が減っている。
「今いる人員だけでもなんとか」
 クルセイダーの言葉は全く確信がない。
 イコニアは数秒考え、新しい紙を机に広げ、ハンターズソサエティ宛の依頼書を書き始めるのだった。


 様々な依頼が持ち込まれ解決されていくハンターオフィス。
 今日も新たな依頼票が現れる。
 出現した3Dディスプレイの色は目に優しい。たぶん、緊急依頼ではないということを視覚的に示しているのだ。
 1時間ほど経過する。
 宣伝のつもりなのだろう。下町未満スラム以上の地区での炊き出しが、3頭身にデフォルメされた聖職者と町民によって上演されている。
 炊き出しに集まる町民は多い。空腹であり精神的に余裕がない者も多く含まれていて、3頭身聖職者が気付いたときには喧嘩が起こっていた。
 登場人物はそれ以外にもいる。貴族風の3頭身お嬢さんが炊き出しには向いていないドレス姿で現れ、思いっきり上から目線で振る舞って場の混乱を助長している。
 依頼に興味を持ったハンターのもとには小柄なキノコ……パルムが自分と同じサイズの招待状っぽい物を持って駆け寄って来る。数日後行われる炊き出しに、主催者側として参加するための紹介状らしかった。

リプレイ本文

 慣れた動きで釜を組み大鍋を運び込む地元クルセイダー、近くの駐屯地から消費期限ぎりぎりのパンを運んできた輜重隊、教会への奉仕のつもりで交通整理にあたる非番の地元兵士。
 そして、その十数倍はいる炊き出し目当てに出てきた人々。
 夜明け直後で涼しいはずの広場は、不穏な熱気というべきものに包まれていた。
「はぁい。スヴィトラーナ=ヴァジムよ」
 スヴィトラーナ=ヴァジム(ka1376)が軽く挨拶すると、地元のクルセイダーの多くが驚いたようだった。
 王国では少数派な赤褐色の艶のある肌にめりはりのある体が非常に目立つ。特に気合いと能力はあっても人生経験の薄い青少年クルセイダーには目の毒で、赤面したり目をそらせてちらちら見てきたりしていた。
「どうぞ、宜しくお願いしますわ」
 優雅に、卑屈にならず、何より美しく頭を下げた。
「これはご丁寧に」
 老司祭が真正面から挨拶を返す。皺に埋もれた笑みは穏やかで、深い知恵と練り上げられた心を感じさせる司祭というより長老という呼び方が似合う老人だった。
「儂は見ての通りでな」
 細く骨と皮ばかりの指で頬をかく。
「迷ったときはイコニア君の指示に従ってくれると有り難い。……うむ? イコニア君はどこに?」
 非常にゆっくりとした動作で広場を見回す。
「あら」
 スヴィトラーナが一番に気づいた。
「お嬢様の先触れ? 大変ですね」
 一際大きな天幕の近くで、必要に迫られて普通の聖職者っぽく振る舞いスポンサーの使用人を相手にしているのはセリス・アルマーズ(ka1079)。
 ただし動くと金属が微かにふれ合う音が響くほどの重装備である。
 そんな見た目通りの雑魔退治人を凝視する瞳が2つある。鎧の各所にある整備しても完全には消えない戦場の傷に惹きつけられて離れられない。
「あぁ」
 少女司祭の唇から甘く切ない声がこぼれた。瞳には強い憧憬と極微量の嫉妬が浮かんでいる。
 なお、セリスは妙な気配に気づかない。遠くで健闘を祈っている友も気づかなくていいことに気づくことは願っていないだろう。
「イコニア君?」
 スヴィトラーナに同僚の醜態を気づかされた老司祭が、一言。
「はい。ハンターの皆さんのおかげで万事順調で」
 半秒で駄目っぽい女の子が司祭に変わり報告し。
「ごめんなさい仕事に戻ります」
 老司祭の笑顔に羞恥心刺激され現場へ戻る。
「早く出せって何度も何度も言ってるだろうが!」
 荒々しい声が広場の反対側から聞こえた。イコニアは人並みの間を人に触れずに駆ける。覚醒しない状態でこれができるのは高い身体能力があるからだが、現場にたどり着く前に息が上がっているのは体力がない証だった。
「みなさん……」
 イコニアは、現場のハンターの活躍を祈ることしかできないでいた。


 準備中の釜と袋から出されれてもいない堅パンの前に、自然発生的に長い列が出来ていた。
「どけっ」
 列に並んだ子供を乱暴に押しのけようとする。しかし男の手が子供に触れるより早く、子供の背丈ほどの兎着ぐるみが襲来した。
「な」
 男が驚愕して防御を固め。
「わぁっ」
 擦り切れた服を着ていても精気に溢れた子供達が黄色い悲鳴をあげる。
『横入りは駄目よ』
 着ぐるみの中から高い声が聞こえた。幼いくても未熟でなく、その気になれば多くの男を狂わせるだろう甘い甘いささやきを振りまきながら、取り出したのは非常に立派なハリセンだ。
「馬鹿にしやがって!」
 男が口汚くののしりながら飛びかかる。
『あらあら。何をしてるのかしら』
 着ぐるみはその場から離れすらしない。スキルで鋭敏になった五感は男の意識の向きと動き直前の動作を正確に捉え、予め一歩下がっておくことで喜劇にしか見えない回避を成功させる。
『悪い子はお仕置きよ』
 華のある大きな動きでハリセンを振りかぶり、男のおしりを大きな音を立てて叩く。
 男が派手に倒れ込む。動きが派手でしかも暴力の気配が感じられなかったので、男と着ぐるみ以外はこれを余興だと思ってしまう。
『協力に感謝するわ』
 着ぐるみが男に囁く。男の体が恐怖で固まり全身に汗がにじみ出す。尻を打たれたとき、着ぐるみがその木なら下半身を潰されていたことに、暴力で食っている男は否応なく気づかされていた。
『じゃあね』
 手を振って天幕の影に消える着ぐるみ。老司祭の手縫い兎マスクを外すとマリーシュカ(ka2336)の顔が現れた。
 激しい全力運動の直後でもほとんど汗もかいていないが疲れはある。相手を必要最低限以上に追い込まずに解決するための着ぐるみ活動は、非常に有効である一方体力消費も大きかった。
「お疲れ様です」
 木皿と木匙が差し出される。中身は赤っぽいシチューだ。
「味が少し濃い。いえ、丁度よいのね」
 マリーシュカは列に並んだ人々を見て納得した。
「来られた方達は塩が足りていないようですから」
 アリソン・メープルウッド(ka2772)が完成したシチューに蓋をする。これで第一陣が完成だ。
「仕込み分上がりました! 配膳お願いしますね」
「はいよ」
 特大鍋が実にあっさりを運ばれていく。
 常人なら数人係でも無理な重量物でも、ハンターなら問題なく持ち運べる。
 ボルディア・コンフラムス(ka0796)は途中でダンプリングを受け取り、実に良い香りを漂わせて配給現場へ向かう。
 アリソンの仕事は続く。並行して調理中のトマトの状態を確かめ、買い叩いた低品質ワインの封を切り高速で思考する。頭で結論が出る前にこれまで積んできた経験が最適の調理法を導き出す。
「我が身の未熟さを痛感します」
 味を調整していく。1回の炊き出しの量を増やし炊き出しの頻度を上げるためには徹底した低予算料理が必要で、アリソンほどの腕前でもなかなかの難事業だった。
「よし」
 味見をして深くうなずく。人の流れがアリソンの料理の香りに引かれて変わってくる。
 人が多くなり密度が高くなると当然衝突も起きやすく、また列が長くなりすぎボルディアだけでは目が届かない場所も出てくる。
 そんな現場で唐突に咲く可憐な花が一輪。
「喧嘩はいけませんわ、どうしてもしたいならわたくしを倒してからにしなさいな」
 衝突寸前の男達に絶妙のタイミングで声をかけ動きを止める。
 もちろんそのままでは衝突が再発するだろうが、タチアナ・ヴィーシニャ(ka2792)は実に美しい動作で男達の前に正座する。
 卑屈な印象は皆無だ。ぴんと伸びた背筋に穏和な表情、ナイフ一つ持たない丸腰、それでいて頼りがいのある、まるで絵本に出てくる善玉貴族のような包容力。
 そんな圧倒的な存在感のタチアナが来ているのは、美しく使い込まれた清潔な割烹着である。
 当事者だけでなく列の人々全員が戸惑っている。
「いいですわ、ご飯ができるまであなたのお話を聞かせてくださいます?」
 タチアナは心底真面目に考えた末に誠実に現実に向き合っている。向き合ってはいるのだが、金髪エルフ割烹着お嬢様の正座という異次元な存在に普通の人々の思考が追いつかない。
「ほら皆さんも輪になって座って」
 事態に気付いたボルディアがござを投げる。
 タチアナは姿勢を崩さず腕だけを伸ばして受け止め、ござをひいて皆のための席をつくった。
「腹、減ってたんで、反りが合わない奴、いえ人を見かけてつい」
「俺も大袈裟に受けて立っちまって」
 男達は見よう見まねで正座らしき形ですわり、圧倒されたまま内心を言葉にしていく。タチアナは否定も論評もせずに真摯に聞き続けていた。思いを口にすればするほど、男達の表情が徐々にではあるが穏やかになっていく。
 すっかり落ち着き話題が純粋な雑談へ移る。
「他にも言いたい事がある方は、ご飯の時間までわたくしが聞きますわ」
 男達を列に戻し、また最初と同じように呼びかけるのだった。


 特大鍋を片手で釜の上に置く。
「あー、これから炊き出しする訳だが1つ注意だ」
 ボルディアは睨んでいない。気っ風がいい姐さんという感じだ。なのに一部の勘のよい男は借りてきた猫のように大人しくなっている。
「他の住人と揉め事起こしたり喧嘩したら、問答無用でそいつらには帰ってもらう。どっちが先に手を出したとか関係ねぇ」
 口角が吊り上がり白い歯が朝日を浴びて眩く輝く。
「もし喧嘩が起こりそうになったらまず俺等を呼べ。手ェ出した瞬間お前らは腹をすかせて寝床へ戻ることになるから、よろしく頼むぜ」
 それでようやく気付いたのだろう。食糧確保に暴力を使うつもりだった者達も、少なくとも彼女の前では大人しくするようになる。
 時折ボルディアの罵声が飛ぶ炊き出し中、超級まりお(ka0824)が飛んだ。
 某有名人リスペクトの鮮やかな衣装に高々と美しい跳躍。着地の瞬間には艶のある栗毛が絹のように揺れる。
 心を鷲掴みにされた人々が拍手を送り、まりおは笑顔で応えつつ観察する。
「君たち、炊き出しのお金を出してくれる優しいお姉さん達へお礼を言いに行かない?」
 小賢しいのではなく知恵と忍耐を兼ね備えた少女、体も頭も鈍いが言われたことは確実に実行する少年など、最難関の任務を果たすためのメンバーを集める。
「いいかい? まずは……」
 打ち合わせと訓練は、とても長く続いた。
 それから数時間後。騎乗した兵で前後を守られた馬車が到着する。
 御者が恭しくドアを開く。中から豪華な、本人達にとっては普段着より実用的なつもりのドレスを着た貴族令嬢が数人、炊き出し会場へ降り立った。
「ようこそおいでくださいました」
 セリスが堂々と胸を張って出迎える。礼法的に問題がありそうだが、セリスはわざとこうしている。高確率で、令嬢達は刺激を求めてこの場にいる。それだけではないかもしれないがそういう要素は絶対にある。
「私、セリス・アルマーズがご案内いたします」
 聖堂戦士を意識した仕草で一礼する。
「まあ」
「よろしくお願いいたしますね」
 手応えがあった。よくみれば汚れが目立つ人々にはあまり注意を向けず、現役女性クルセイダーという、貴族令嬢達にとっては世界の違うものに好奇の視線を向けている。正直言いたいことはあるが今は依頼の最中だ。
「そのお姿でヴォイドと戦っているのですか?」
「まあ怖い」
 自然に身についた傲岸さがとにかく目立つ。しかも相手は4人。最初の衝撃も薄れてしまい、会話だけで引き続けるのは非常に難しい。礼儀作法だってスキルで補うにも限度がある。
 遠くの空で応援する友の姿が、やけにはっきり見えた気がした。
「こちらです」
 鎧の下の服が汗でびっしょりだ。それでも気合で笑顔を保ち、セリスはある天幕へ全員を導くことに成功する。
「アミグダ・ロサ、ュリウスの侍女をしております」
 天幕内に控えていたアミグダ・ロサ(ka0144)が一礼する。
 良い意味で目立つ容姿が目立たなくなるほど完璧な、従者としての礼であった。
 それを見た令嬢達の気配が変わる。ただの遊びではなく社交の、つまりは貴族にとっての戦場でもあることに気付いたのだ。
「お嬢様方は此方へ。折角御支援を頂くのですから、是非『体験会』をさせていただきたく」
 天幕は複数の部屋に仕切られている。
「この割烹着へとお着替えください。リアルブルーにおいては大いなる母性の象徴と呼ばれる衣服です。人々の為の行いをするに相応しい格好でしょう」
 マネキンが和風情緒たっぷりだ。リゼリオの店で売れずに埃を被っていたとはとても思えない。
「人々に振舞うダンプリング……小麦粉の練り物を作っていただきます」
 着替えた人を次の部屋へ。
「軽く手の中でこねて食べやすい大きさに丸め、少し形を付けて頂ければ結構です。棒状でも、半円でも、皆様のセンスにお任せ致します」
 これが趣向と思い込ませる。手際は極めて悪く貴重な上質素材が無駄になっていく。アミグダは従者の表情を堅持して観察する。
 貧乏人を嬲ろうという悪意はないが善行を積もうとする熱意もなし。皆、良い意味でも悪い意味でも平凡に見えた。
 料理教室が行われている場所から分厚い布を挟んだ場所で、お嬢様達が持ち込んだご馳走が完食される。せいぜい8人分しかなくても子供10人程度で食べるなら十分な量になる。
「合図が来たら行くよ。教えた通りにね」
 食べ終えたのを見計らってまりおが言うと、はい、と小声で元気がよい返事が人数分返ってきた。


 貴族令嬢達が手作りの料理をふるまい。
「ありがとうございます!」
「ありがうござ、ます」
 貧しい子供達が笑顔で受け取り退出する。
 料理が食材を無駄にする出来だとか、子供達が令嬢の機嫌をとり勝手に機嫌を損ねてしまう前に自主的に立ち去るとか、裏側を知るものにとっては茶番ともいえる光景だった。
「善意で正しい行いをしようとしている事は間違いないんだよね」
 仕事の完了に安堵するまりお。ズレはまだまだ大きくても最初よりは縮まっている。後は本人達の自習に期待してもよいだろう。
 そんな華やかな場面とは全く無関係な場所もある。
「たまんねぇ」
 器に顔を埋め舌でシチューの残滓をなめとる中年。
「うめぇ。うめぇよ」
 飲み込むのがもったいないと言いたげに、最後に残ったダンプリングを口の中で転がす少年。
 アリソンは鍋をこすらず全てのシチューをすくって二度目の少年の椀に注ぎ、最盛期の半分まで減った人々を見渡した。
「仕込み分終了しました、お疲れ様です!」
 ブーイングは司祭達が予想していたより小さく弱かった。
 その理由の1つが広場のすみにある。人間に対する暴力の気配を濃厚に漂わせた男がまたこけた。
「ごめんなさいねぇ。でも、あなた、もっといっぱい壊しちゃってるのよ?」
 スヴィトラーナが心底残念だと顔に出す。遠くから見れば千鳥足の筋者が美女にちょっかいをかけているように見えただろう。実際は乱暴狼藉を働こうとした男が足を払われ続けている。
 受け身に失敗して打撲傷多数、擦過傷も数えきれず。
「自分だけ痛いのが嫌だなんて、子供みたいな事言っちゃ駄目だわ?」
 我が儘な子供をしつけるときの目で微笑む。現実には大人と子供以上の戦力差があることを体に叩き込まれ、男の心は折れた。
「ほらほら、早く手当てしましょう?」
 綺麗な水で傷口を流し、綺麗な包帯を巻く。その上で取り置いていた食事を食べさせ味覚の面でも心を折って従わせる。
「お腹もいっぱいになって、少しだけ幸せになったら次は皆にお裾分けしなくちゃね?」
 炊き出しが終わっても人を解散させる仕事が残っている。この男だけでなく、スヴィトラーナに心折られた複数名が警備と誘導を行っていた。
「お代わりがほしくなるのぅ」
「ふふ。ごめんなさい」
 満足げに笑いあう老司祭とアリソン、くぅくぅなりそうなお腹を気合で黙らせるイコニア。
 こうして、ハンター以外誰も予想していなかったほど平和にイベントが終了したのだった。

依頼結果

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MVP一覧

重体一覧

参加者一覧

  • 荊の果実
    アミグダ・ロサ(ka0144
    人間(紅)|24才|女性|魔術師
  • ボルディアせんせー
    ボルディア・コンフラムス(ka0796
    人間(紅)|23才|女性|霊闘士

  •  (ka0824
    人間(蒼)|16才|女性|疾影士
  • 歪虚滅ぶべし
    セリス・アルマーズ(ka1079
    人間(紅)|20才|女性|聖導士
  • 猛獣を御す閃鞭
    スヴィトラーナ=ヴァジム(ka1376
    人間(紅)|28才|女性|霊闘士

  • マリーシュカ(ka2336
    エルフ|13才|女性|霊闘士
  • “技”の料理人
    アリソン・メープルウッド(ka2772
    人間(紅)|20才|女性|闘狩人

  • タチアナ・ヴィーシニャ(ka2792
    エルフ|19才|女性|猟撃士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 炊き出しのお話など
アリソン・メープルウッド(ka2772
人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2014/08/02 04:08:44
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2014/07/31 19:18:54