ゲスト
(ka0000)
香と廃坑の歪虚討伐
マスター:後醍醐

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/11/25 15:00
- 完成日
- 2015/11/28 16:34
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
● 千早城
昼下がり――秋めいた一日。
縁側で湯のみで茶を飲んでいる楠木 香(kz0140)。
「うむ……偶にはこういうのもいいな」
香は馬廻衆の中で老臣である新田 勝久からの勧めで休憩をとっていた。
ちなみに、香の姿は浴衣姿だ――前にもらったドレスは大事に保管されている。
おしゃれをする機会があればまた着るだろう。
「秋か――山も紅葉で色づいてきたな」
遠くに見える山々を見て感想を漏らす香。
材木の方も間伐を利用した形へと移行しつつある――乱雑だった山々も手が入り、木材も手に入るようなっている。
「香様、よろしいでしょうか」
「爺か、どうした?」
そこへ現われたのは老臣の新田だ――手には古めかしい紙と冊子を持っている。
「実は、お館様の遺品からこのような物が出てきまして――どうやら、昔の鉱山の資料のようです」
「ふむ……」
地図と冊子を受け取った香は眼を通す――。
「ふむ、良質な鉄鉱と石炭が採れるようだな」
「ええ、ですがその書によりますと歪虚によって占拠されたために廃坑にせざる得なかったようです」
千早城にはそれなりの覚醒者がいるはず――父親の代ならなおさらだ。
「爺、父上の代には手練の者もいたも思うが――」
「そうですなぁ――確かにいましたが……」
城の手練でも手が出せなかった歪虚がいる――それは問題だ。
それに廃坑が鉱山して活動を開始すれば鉱石を自家消費と輸出で城下町の復興も更に進む。
城の収入も上がり、公共事業の堀の工事にも力を入れれる。
「ふむ……討伐となるが――ここはハンターに頼むとするか」
「そうですなぁ――手練たハンターなら倒せるやしれません」
正直なところ、ハンター達のほうが城の覚醒者より強いだろう。
「私も行くぞ――爺」
「香様――お止めしても行かれるのですね」
心配そうな新田――ハンターに任せれば大丈夫だとは思うが老婆心ながら心配だ。
こうして、千早城からハンターソサエティへ依頼が発行された。
姫様を護れる強いハンター求むと新田により追記されて。
昼下がり――秋めいた一日。
縁側で湯のみで茶を飲んでいる楠木 香(kz0140)。
「うむ……偶にはこういうのもいいな」
香は馬廻衆の中で老臣である新田 勝久からの勧めで休憩をとっていた。
ちなみに、香の姿は浴衣姿だ――前にもらったドレスは大事に保管されている。
おしゃれをする機会があればまた着るだろう。
「秋か――山も紅葉で色づいてきたな」
遠くに見える山々を見て感想を漏らす香。
材木の方も間伐を利用した形へと移行しつつある――乱雑だった山々も手が入り、木材も手に入るようなっている。
「香様、よろしいでしょうか」
「爺か、どうした?」
そこへ現われたのは老臣の新田だ――手には古めかしい紙と冊子を持っている。
「実は、お館様の遺品からこのような物が出てきまして――どうやら、昔の鉱山の資料のようです」
「ふむ……」
地図と冊子を受け取った香は眼を通す――。
「ふむ、良質な鉄鉱と石炭が採れるようだな」
「ええ、ですがその書によりますと歪虚によって占拠されたために廃坑にせざる得なかったようです」
千早城にはそれなりの覚醒者がいるはず――父親の代ならなおさらだ。
「爺、父上の代には手練の者もいたも思うが――」
「そうですなぁ――確かにいましたが……」
城の手練でも手が出せなかった歪虚がいる――それは問題だ。
それに廃坑が鉱山して活動を開始すれば鉱石を自家消費と輸出で城下町の復興も更に進む。
城の収入も上がり、公共事業の堀の工事にも力を入れれる。
「ふむ……討伐となるが――ここはハンターに頼むとするか」
「そうですなぁ――手練たハンターなら倒せるやしれません」
正直なところ、ハンター達のほうが城の覚醒者より強いだろう。
「私も行くぞ――爺」
「香様――お止めしても行かれるのですね」
心配そうな新田――ハンターに任せれば大丈夫だとは思うが老婆心ながら心配だ。
こうして、千早城からハンターソサエティへ依頼が発行された。
姫様を護れる強いハンター求むと新田により追記されて。
リプレイ本文
●
廃坑を占拠する雑魔と歪虚を掃討するために集まったハンター達。
「はじめまして。ブリジットと言います。よろしくお願いしますね」
「楠木 香だ。ブリジット殿、皆の者、宜しく」
(一城を任されていた覚醒者が手を出しあぐねていた相手……腕がなりますね!)
そう言って和やかに挨拶するブリジット(ka4843)と他のハンター達に挨拶する楠木 香(kz0140)。
「廃坑の掃除かー。領主のお仕事も大変だ。でも、そうだな。使えるものをそのままにしておくのも勿体無いよな」
廃坑の入口を見てそう感想をこぼすグリムバルド・グリーンウッド(ka4409)。
「狭い場所は初めてだからどこまで役に立てるか分からんけど、俺に出来ることは精一杯やらせてもらうぜ。香さん、頑張ろうな」
「うむ、頼りにしている」
そう言って香に話しかけるグリムバルド。
「初めて一人での依頼、ですが……大丈夫でしょうか……俺……」
どうやら同行者無しでの初の依頼で緊張している閏(ka5673)。
そして、何かに気がつく閏。
「香さん、ランタン等持って行って下さい」
「うむ、確りこのようにな」
気がついた閏の言葉にランタンを見せる香。
集まってきたハンター達は一列になって坑道へ進む。
●廃坑道
暗く、狭い廃坑の坑道を一列に進むハンター達。
坑道内を照らしているのはハンター達の光源だけだ。
「廃坑といっても、恐らく歪虚や雑魔が住み着いてるのが原因だろうから、これ等を排除すれば再び使える様になる筈」
狭い坑道の先頭を行くのはマーゴット(ka5022)だ。
(それに……香が困っているのなら私も力になりたいし、彼女の住む町が少しでも豊かになってほしい。その為に、この鉱山に巣食う歪虚は彼女の為にも排除しないと)
「うむ、排除できれば再び鉱山としても使えるそうだ」
香の説明によると鉱山が再開されれば産出された鉱石によって城下町や復興の資材となるようだ。
「最大の敵は暗さと狭さかしらね」
「一列になって、この暗さだからな」
マーゴットの後ろを行くミノリ(ka5705)がランタンを掲げて時折、左右に振り死角無いようにしながら香に言う。
死角からの奇襲は時には致命的な結果を招きかねない。
「城の発展のためにも、この依頼は必ず成功させなければな」
「うむ。だが、あまり気負いせぬようにな」
香の後ろを行く鞍馬 真(ka5819)が気を引き締めて言う。
列はマーゴット、ミノリ、閏、香、鞍馬、ブリジット、グリムバルトという一列で進んでいる。
「香さんの所って何か特産物とかあるの?」
「うむ、そうだな――」
集中を切らさない程度に香と雑談するグリムバルト。
「そんなのもあるんですか――」
その雑談に交わる鞍馬。
香の城下町の事など他愛のない話が続く。
「今のところは大丈夫そうですね」
ブリジットは周囲、頭上、足元ををライトで照らしながら慎重を期して警戒している。
狭く、暗い廃坑といった場所柄だけに慎重にし過ぎることはない。
各々が警戒しながら奥へと進んでいく。
● 道中戦闘
幾分ほどか坑道を進むと――。
「あれは――」
先頭を行くマーゴットが見つけたのは蝙蝠型雑魔だ。
まだ敵はこちらに気がついてないようだ。
ハンター達の持っている光源が十分機能しているおかげで見つけることが出来た。
「雑魔だね。倒さないと進めなさそう――」
『手裏剣「朧月」』で蝙蝠型雑魔を攻撃するマーゴット。
投げた手裏剣が雑魔の胴体に深く刺さり、倒されて落ちる。
「……俺だって、やればできるってことを証明したいんです……っ!」
泣きべそをかきつつも『火竜票』を取り出し『火炎符』を雑魔へと投げつける閏。
投げつけた符は敵へと当たり、焼き尽くして倒した。
「射線には気をつけないとな」
グリムバルドが『リボルバー「ガンスリンガー」』で敵に対して銃撃する。
放たれた銃弾は敵の胴体へと当たり、そのまま落下して動かなくなった。
ハンターを警戒してなかなか近づかない蝙蝠型雑魔。
ハンター達も坑道の幅も狭いこともあり接近された場合、反撃も難しい状況でもあった。
そして、グリムバルドとマーゴットと閏以外は近接装備の為、空中にいる蝙蝠型雑魔にはなかなか攻撃が難しい。
その為、3人が敵に対して主戦力となって戦うことになる。
「俺が……頑張らないと……」
閏は札を取り出して『胡蝶符』を敵へと撃つ。
蝶に似た光弾が敵へと当たり、敵を倒して落下させる。
「あれは――ボスっぽいね」
マーゴットは大型の蝙蝠型雑魔を見つけ――手裏剣を投げる。
投げた手裏剣が雑魔の胴体へと深く刺さり――苦しそうに羽ばたきながら地面に打ち付けられて動かなくなった。
「これで終わり……」
閏が残り1匹となった蝙蝠型雑魔へ札で符術を使って攻撃をする。
燃える符が敵へと当たり、焼き尽くされながら錐揉みしておちる。
ハンター達の前には倒された雑魔の死骸だけが残る。
雑魔を倒して先へ進むハンター達。
雑魔を警戒して坑道を進んでいく。
『幸運』な事に雑魔とは遭遇することがなかった。
● 最奥にて
最奥へとついたハンター達は縦一列から隊列を組み直す。
警戒しながら進むと――。
「どうやら敵のようだな」
グリムバルドとハンター達は狼型雑魔と落武者死人の歪虚を見つけた。
即座に別れるハンター達。
狼に対応するのは鞍馬、グリムバルド、ミノリ、香。
落ち武者に対応するのはマーゴット、ブリジット、閏。
其々が別れて対処することになる。
狼との戦闘――。
「狼の方を片付けに行くぜ」
『魔導刀「シュヴィングング」』を指揮棒代わりに『ファイアスローワー』を放つグリムバルト。
狼型雑魔はファイアスロワーに対して散開する。
放たれた炎の破壊エネルギーは一体の敵を巻き込んでダメージを与えて倒した。
「邪魔だ、どけ!」
鞍馬へ襲いかかる狼雑魔。
襲いかかる敵に対して『踏み込み』をして『ヒッティング』を使用して『ロングソード』で急所を狙って攻撃する鞍馬。
鞍馬の振るうロングソードが狼雑魔の急所へあたり、一撃で絶命させる。
「まずは肩慣らしといきましょうか」
襲いかかる敵に対して動じないミノリ。
襲いかかる敵に対してカウンター気味に『練気』で気を練り『震撃』で襲いかかる敵に最短距離で『鉄扇「北斗」』で打ち据えるミノリ。
狼型雑魔の頭部を打ち据えてることで破砕して即死させる。
襲いかかった狼型雑魔が打ち倒されたことで残りの敵はハンター達から距離をおいて様子を見ている。
「とっとと倒さないとな」
グリムバルトは銃で距離をおいた一体の敵へ銃撃をする。
放たれた弾丸は敵の胴体へと当たりダメージを与える。
隙を伺って襲おうとする狼型雑魔。
「君が傷つくと、私たちが君を慕う者から怒られてしまうな」
雑魔の動きを見て、香の前に立って敵から庇うようにする鞍馬。
「こちらから行かせてもらう」
鞍馬と香に向いている敵に対して、鞍馬は敵へ向かって踏み込んで狙いをすまして剣で攻撃をする。
狙い通り、敵の急所へ当てる事ができて香を狙う敵を倒すことが出来た。
「まだ敵は残ってますわね」
ミノリは警戒している敵に対して果敢に攻撃をしかける。
気を練って最短距離で鉄扇を打ちつける。
打ちつけた鉄扇が敵の頭部へと当たり、破壊することで絶命させた。
「残りは――あのデカブツか」
「後一匹のようだな」
「ささっとと倒してしまいましょう」
3人の目の前には大型の狼型雑魔がいる――こちらへ襲いかかってきた。
「先程のとは違いますわね」
ミノリに襲いかかる大型雑魔――辛うじて攻撃を避けたミノリ。
「射線が――」
グリムバルドは撃とうとするが射線上にミノリがいる。
「君だけは傷つけられないな」
ミノリを襲った敵が鞍馬を――香を襲おうとするが剣で敵の牙を受ける鞍馬。
「このまま押さえつけるので攻撃してくれ!」
鞍馬はグリムバルドとミノリに攻撃する様に言う。
「了解した」
「わかりましたわ」
敵に向けて発砲するグリムバルド――鉄扇で攻撃するミノリ。
鞍馬に押さえつけられた敵は動けず二人の攻撃を受けることになる。
銃弾は頭部へと当たり、鉄扇も頭部を攻撃する。
流石に――二人の攻撃は敵の頭部へ著しいダメージを与え、鞍馬が剣で受けていた牙が緩んで力なくして倒れる。
「どうやら倒せたようだな」
敵を押さえつけていた鞍馬の緊張が倒したことで元に戻る。
「意外とタフだったな」
「そうね、あちらを手伝に行きましょう――」
落武者と戦いっているハンター達の方へ行く3人。
落ち武者との戦闘――。
一方、落ち武者達と対峙しているマーゴット、ブリジット、閏。
「1つ違うのがいる――きっと指揮をしている」
マーゴットは矢を受けないように身を低くして『電光石火』と『不留一歩』を使って大将まで詰め寄ろうとする。
「割り込まれたか――」
『円舞』による円を意識した体捌きで、弧を描きながらすり抜けるように行動するマーゴット。
「これを倒したら――」
大将と相対するマーゴット。
「ブリジット・サヴィン。参ります!」
(明らかに指揮をとっている者がいますわね……指揮をしづらい様に抑えますわ)
『疾風剣』で一気に間合いを詰めて刀を持った落武者死人を貫き斬るブリジット。
敵の胴体を横一文字に両断して倒す。
敵を倒すと――目の前に大将がいる。
「出切る限り時間を稼ぎます」
『円舞』で白い服をたなびかせて、舞うように立ち回りながら牽制しつつ大将の気を引くブリジット。
「うぅ、転ばない様に気を付けたいのは山々なんですが……っ」
後衛に回る閏――落武者の弓兵が放つ矢に警戒している。
「灯りの確保も兼ねて……っ」
閏は燃える符を槍を持った落武者へと投げつける。
ごう、と一瞬、敵を火が包み焼き尽くす。
「味方の死角になりそうなのは……」
大将へ向かう二人を狙っていた弓兵に対して燃える符を投げつける。
弓を番い、撃とうとした所へ閏の燃える符が当る――焼き尽くされる敵。
「マーゴットさん!」
大将と斬り結ぶブリジット――動きを止めない流れる様に意識した足捌きをしながら小刻みにステップを刻む。
「いくよ――」
ブリジットと大将の横から円を描く様な体捌きを意識した立ち回りをして『妖剣「アンサラー」』で攻撃を試みるマーゴット。
流石、大将と言うところか――マーゴットの一撃を避ける。
大将と相対するブリジットとマーゴット。
「指揮官といったところですわね」
「そうだね――早く倒さないと、閏が大変かも」
二人の様子を伺う大将。
「見合っていても埒が明きませんわ――」
「うん、二人同時でなら――いけるかも」
目配せをする二人――。
「参ります!」
「いくよ!」
『居合』の構えから一気に間合いを詰めて大将へ貫き斬るブリジット。
対してマーゴットは素早く踏み出しながら斬りかかる。
ほぼ同時の攻撃――これには大将も防ぐことが出来ず著しいダメージを受けて倒された。
一方、閏。
符術が強力とはいえ一人で大将以外の落武者を引き受けて奮戦している閏。
戦果はそれなりに出ている。
「……二人が大将を倒すまで……頑張らないと……っ」
敵の攻撃を回避しながら符術で攻撃する閏。
攻撃を避け、符術を使う――。
蝶に似た光弾が敵に当たり、ガラクタが崩れるように倒される。
「ん……?」
閏を攻撃していた敵の様子がおかしい――どうやら大将が倒されたようだ。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫?」
閏の元へやってくるブリジットとマーゴット。
「俺は……大丈夫」
大丈夫そうに答える閏。
三人が揃ったその時、狼雑魔を相手していたハンター達がこちらへやってくる。
「手伝うぜ、とっとと、残りも倒そうぜ」
「皆であたればすぐですね、手伝うな」
「手伝いますわ」
「助力するぞ」
グリムバルド、鞍馬、ミノリ、香の4人も合流してきた。
フルメンバー揃ったハンター達は残った落武者の掃討を開始する。
大将を倒され統率の取れない落武者はあるときは二人でかかってと言った風に攻撃を受け掃討されていく。
「掃討されたようだな」
敵だった残骸を見て、周りを確認する香。
どうやら、雑魔と歪虚は掃討されたようだ。
● 依頼が終わって
ハンター達は他に雑魔や歪虚がいないか調査したが、怪しい物は見つからなかった。
「お疲れさまでした。えっと……おにぎり作ってきたんですが……みなさん、お腹空いてますかね……?」
事前に作ってきたお握りを仲間に配る閏。
「おお、すまない――丁度、小腹がすいてたところだ」
心よく受け取る香。
他のハンター達も閏からおにぎりを受け取る。
和やかな雰囲気の中、依頼は終わりを告げる。
香と廃坑の歪虚討伐 Fin
廃坑を占拠する雑魔と歪虚を掃討するために集まったハンター達。
「はじめまして。ブリジットと言います。よろしくお願いしますね」
「楠木 香だ。ブリジット殿、皆の者、宜しく」
(一城を任されていた覚醒者が手を出しあぐねていた相手……腕がなりますね!)
そう言って和やかに挨拶するブリジット(ka4843)と他のハンター達に挨拶する楠木 香(kz0140)。
「廃坑の掃除かー。領主のお仕事も大変だ。でも、そうだな。使えるものをそのままにしておくのも勿体無いよな」
廃坑の入口を見てそう感想をこぼすグリムバルド・グリーンウッド(ka4409)。
「狭い場所は初めてだからどこまで役に立てるか分からんけど、俺に出来ることは精一杯やらせてもらうぜ。香さん、頑張ろうな」
「うむ、頼りにしている」
そう言って香に話しかけるグリムバルド。
「初めて一人での依頼、ですが……大丈夫でしょうか……俺……」
どうやら同行者無しでの初の依頼で緊張している閏(ka5673)。
そして、何かに気がつく閏。
「香さん、ランタン等持って行って下さい」
「うむ、確りこのようにな」
気がついた閏の言葉にランタンを見せる香。
集まってきたハンター達は一列になって坑道へ進む。
●廃坑道
暗く、狭い廃坑の坑道を一列に進むハンター達。
坑道内を照らしているのはハンター達の光源だけだ。
「廃坑といっても、恐らく歪虚や雑魔が住み着いてるのが原因だろうから、これ等を排除すれば再び使える様になる筈」
狭い坑道の先頭を行くのはマーゴット(ka5022)だ。
(それに……香が困っているのなら私も力になりたいし、彼女の住む町が少しでも豊かになってほしい。その為に、この鉱山に巣食う歪虚は彼女の為にも排除しないと)
「うむ、排除できれば再び鉱山としても使えるそうだ」
香の説明によると鉱山が再開されれば産出された鉱石によって城下町や復興の資材となるようだ。
「最大の敵は暗さと狭さかしらね」
「一列になって、この暗さだからな」
マーゴットの後ろを行くミノリ(ka5705)がランタンを掲げて時折、左右に振り死角無いようにしながら香に言う。
死角からの奇襲は時には致命的な結果を招きかねない。
「城の発展のためにも、この依頼は必ず成功させなければな」
「うむ。だが、あまり気負いせぬようにな」
香の後ろを行く鞍馬 真(ka5819)が気を引き締めて言う。
列はマーゴット、ミノリ、閏、香、鞍馬、ブリジット、グリムバルトという一列で進んでいる。
「香さんの所って何か特産物とかあるの?」
「うむ、そうだな――」
集中を切らさない程度に香と雑談するグリムバルト。
「そんなのもあるんですか――」
その雑談に交わる鞍馬。
香の城下町の事など他愛のない話が続く。
「今のところは大丈夫そうですね」
ブリジットは周囲、頭上、足元ををライトで照らしながら慎重を期して警戒している。
狭く、暗い廃坑といった場所柄だけに慎重にし過ぎることはない。
各々が警戒しながら奥へと進んでいく。
● 道中戦闘
幾分ほどか坑道を進むと――。
「あれは――」
先頭を行くマーゴットが見つけたのは蝙蝠型雑魔だ。
まだ敵はこちらに気がついてないようだ。
ハンター達の持っている光源が十分機能しているおかげで見つけることが出来た。
「雑魔だね。倒さないと進めなさそう――」
『手裏剣「朧月」』で蝙蝠型雑魔を攻撃するマーゴット。
投げた手裏剣が雑魔の胴体に深く刺さり、倒されて落ちる。
「……俺だって、やればできるってことを証明したいんです……っ!」
泣きべそをかきつつも『火竜票』を取り出し『火炎符』を雑魔へと投げつける閏。
投げつけた符は敵へと当たり、焼き尽くして倒した。
「射線には気をつけないとな」
グリムバルドが『リボルバー「ガンスリンガー」』で敵に対して銃撃する。
放たれた銃弾は敵の胴体へと当たり、そのまま落下して動かなくなった。
ハンターを警戒してなかなか近づかない蝙蝠型雑魔。
ハンター達も坑道の幅も狭いこともあり接近された場合、反撃も難しい状況でもあった。
そして、グリムバルドとマーゴットと閏以外は近接装備の為、空中にいる蝙蝠型雑魔にはなかなか攻撃が難しい。
その為、3人が敵に対して主戦力となって戦うことになる。
「俺が……頑張らないと……」
閏は札を取り出して『胡蝶符』を敵へと撃つ。
蝶に似た光弾が敵へと当たり、敵を倒して落下させる。
「あれは――ボスっぽいね」
マーゴットは大型の蝙蝠型雑魔を見つけ――手裏剣を投げる。
投げた手裏剣が雑魔の胴体へと深く刺さり――苦しそうに羽ばたきながら地面に打ち付けられて動かなくなった。
「これで終わり……」
閏が残り1匹となった蝙蝠型雑魔へ札で符術を使って攻撃をする。
燃える符が敵へと当たり、焼き尽くされながら錐揉みしておちる。
ハンター達の前には倒された雑魔の死骸だけが残る。
雑魔を倒して先へ進むハンター達。
雑魔を警戒して坑道を進んでいく。
『幸運』な事に雑魔とは遭遇することがなかった。
● 最奥にて
最奥へとついたハンター達は縦一列から隊列を組み直す。
警戒しながら進むと――。
「どうやら敵のようだな」
グリムバルドとハンター達は狼型雑魔と落武者死人の歪虚を見つけた。
即座に別れるハンター達。
狼に対応するのは鞍馬、グリムバルド、ミノリ、香。
落ち武者に対応するのはマーゴット、ブリジット、閏。
其々が別れて対処することになる。
狼との戦闘――。
「狼の方を片付けに行くぜ」
『魔導刀「シュヴィングング」』を指揮棒代わりに『ファイアスローワー』を放つグリムバルト。
狼型雑魔はファイアスロワーに対して散開する。
放たれた炎の破壊エネルギーは一体の敵を巻き込んでダメージを与えて倒した。
「邪魔だ、どけ!」
鞍馬へ襲いかかる狼雑魔。
襲いかかる敵に対して『踏み込み』をして『ヒッティング』を使用して『ロングソード』で急所を狙って攻撃する鞍馬。
鞍馬の振るうロングソードが狼雑魔の急所へあたり、一撃で絶命させる。
「まずは肩慣らしといきましょうか」
襲いかかる敵に対して動じないミノリ。
襲いかかる敵に対してカウンター気味に『練気』で気を練り『震撃』で襲いかかる敵に最短距離で『鉄扇「北斗」』で打ち据えるミノリ。
狼型雑魔の頭部を打ち据えてることで破砕して即死させる。
襲いかかった狼型雑魔が打ち倒されたことで残りの敵はハンター達から距離をおいて様子を見ている。
「とっとと倒さないとな」
グリムバルトは銃で距離をおいた一体の敵へ銃撃をする。
放たれた弾丸は敵の胴体へと当たりダメージを与える。
隙を伺って襲おうとする狼型雑魔。
「君が傷つくと、私たちが君を慕う者から怒られてしまうな」
雑魔の動きを見て、香の前に立って敵から庇うようにする鞍馬。
「こちらから行かせてもらう」
鞍馬と香に向いている敵に対して、鞍馬は敵へ向かって踏み込んで狙いをすまして剣で攻撃をする。
狙い通り、敵の急所へ当てる事ができて香を狙う敵を倒すことが出来た。
「まだ敵は残ってますわね」
ミノリは警戒している敵に対して果敢に攻撃をしかける。
気を練って最短距離で鉄扇を打ちつける。
打ちつけた鉄扇が敵の頭部へと当たり、破壊することで絶命させた。
「残りは――あのデカブツか」
「後一匹のようだな」
「ささっとと倒してしまいましょう」
3人の目の前には大型の狼型雑魔がいる――こちらへ襲いかかってきた。
「先程のとは違いますわね」
ミノリに襲いかかる大型雑魔――辛うじて攻撃を避けたミノリ。
「射線が――」
グリムバルドは撃とうとするが射線上にミノリがいる。
「君だけは傷つけられないな」
ミノリを襲った敵が鞍馬を――香を襲おうとするが剣で敵の牙を受ける鞍馬。
「このまま押さえつけるので攻撃してくれ!」
鞍馬はグリムバルドとミノリに攻撃する様に言う。
「了解した」
「わかりましたわ」
敵に向けて発砲するグリムバルド――鉄扇で攻撃するミノリ。
鞍馬に押さえつけられた敵は動けず二人の攻撃を受けることになる。
銃弾は頭部へと当たり、鉄扇も頭部を攻撃する。
流石に――二人の攻撃は敵の頭部へ著しいダメージを与え、鞍馬が剣で受けていた牙が緩んで力なくして倒れる。
「どうやら倒せたようだな」
敵を押さえつけていた鞍馬の緊張が倒したことで元に戻る。
「意外とタフだったな」
「そうね、あちらを手伝に行きましょう――」
落武者と戦いっているハンター達の方へ行く3人。
落ち武者との戦闘――。
一方、落ち武者達と対峙しているマーゴット、ブリジット、閏。
「1つ違うのがいる――きっと指揮をしている」
マーゴットは矢を受けないように身を低くして『電光石火』と『不留一歩』を使って大将まで詰め寄ろうとする。
「割り込まれたか――」
『円舞』による円を意識した体捌きで、弧を描きながらすり抜けるように行動するマーゴット。
「これを倒したら――」
大将と相対するマーゴット。
「ブリジット・サヴィン。参ります!」
(明らかに指揮をとっている者がいますわね……指揮をしづらい様に抑えますわ)
『疾風剣』で一気に間合いを詰めて刀を持った落武者死人を貫き斬るブリジット。
敵の胴体を横一文字に両断して倒す。
敵を倒すと――目の前に大将がいる。
「出切る限り時間を稼ぎます」
『円舞』で白い服をたなびかせて、舞うように立ち回りながら牽制しつつ大将の気を引くブリジット。
「うぅ、転ばない様に気を付けたいのは山々なんですが……っ」
後衛に回る閏――落武者の弓兵が放つ矢に警戒している。
「灯りの確保も兼ねて……っ」
閏は燃える符を槍を持った落武者へと投げつける。
ごう、と一瞬、敵を火が包み焼き尽くす。
「味方の死角になりそうなのは……」
大将へ向かう二人を狙っていた弓兵に対して燃える符を投げつける。
弓を番い、撃とうとした所へ閏の燃える符が当る――焼き尽くされる敵。
「マーゴットさん!」
大将と斬り結ぶブリジット――動きを止めない流れる様に意識した足捌きをしながら小刻みにステップを刻む。
「いくよ――」
ブリジットと大将の横から円を描く様な体捌きを意識した立ち回りをして『妖剣「アンサラー」』で攻撃を試みるマーゴット。
流石、大将と言うところか――マーゴットの一撃を避ける。
大将と相対するブリジットとマーゴット。
「指揮官といったところですわね」
「そうだね――早く倒さないと、閏が大変かも」
二人の様子を伺う大将。
「見合っていても埒が明きませんわ――」
「うん、二人同時でなら――いけるかも」
目配せをする二人――。
「参ります!」
「いくよ!」
『居合』の構えから一気に間合いを詰めて大将へ貫き斬るブリジット。
対してマーゴットは素早く踏み出しながら斬りかかる。
ほぼ同時の攻撃――これには大将も防ぐことが出来ず著しいダメージを受けて倒された。
一方、閏。
符術が強力とはいえ一人で大将以外の落武者を引き受けて奮戦している閏。
戦果はそれなりに出ている。
「……二人が大将を倒すまで……頑張らないと……っ」
敵の攻撃を回避しながら符術で攻撃する閏。
攻撃を避け、符術を使う――。
蝶に似た光弾が敵に当たり、ガラクタが崩れるように倒される。
「ん……?」
閏を攻撃していた敵の様子がおかしい――どうやら大将が倒されたようだ。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫?」
閏の元へやってくるブリジットとマーゴット。
「俺は……大丈夫」
大丈夫そうに答える閏。
三人が揃ったその時、狼雑魔を相手していたハンター達がこちらへやってくる。
「手伝うぜ、とっとと、残りも倒そうぜ」
「皆であたればすぐですね、手伝うな」
「手伝いますわ」
「助力するぞ」
グリムバルド、鞍馬、ミノリ、香の4人も合流してきた。
フルメンバー揃ったハンター達は残った落武者の掃討を開始する。
大将を倒され統率の取れない落武者はあるときは二人でかかってと言った風に攻撃を受け掃討されていく。
「掃討されたようだな」
敵だった残骸を見て、周りを確認する香。
どうやら、雑魔と歪虚は掃討されたようだ。
● 依頼が終わって
ハンター達は他に雑魔や歪虚がいないか調査したが、怪しい物は見つからなかった。
「お疲れさまでした。えっと……おにぎり作ってきたんですが……みなさん、お腹空いてますかね……?」
事前に作ってきたお握りを仲間に配る閏。
「おお、すまない――丁度、小腹がすいてたところだ」
心よく受け取る香。
他のハンター達も閏からおにぎりを受け取る。
和やかな雰囲気の中、依頼は終わりを告げる。
香と廃坑の歪虚討伐 Fin
依頼結果
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/11/23 23:11:15 |
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質問場所 閏(ka5673) 鬼|34才|男性|符術師(カードマスター) |
最終発言 2015/11/20 17:31:15 |
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出撃準備 ミノリ(ka5705) 鬼|20才|女性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2015/11/24 09:42:02 |