ゲスト
(ka0000)
アリシアの過去
マスター:後醍醐

- シナリオ形態
- シリーズ(新規)
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,300
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/12/02 15:00
- 完成日
- 2015/12/05 17:09
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
● ブルゲド族のゲル
「うん――ここは?」
一人の女性がゲルの中で目を覚ます。
「気づきましたか?」
リーナ・ブルゲド(kz0039)が女性に声をかける。
「えっと?」
混乱している様子の女性。
「倒れていたので、こちらに運ばさせてもらいました」
「倒れていた……」
思い出すような仕草をする女性。
「あ、私はリーナ・ブルゲドといいます」
「えっと、レジーナ・アリウスです」
倒れていた女性はレジーナ・アリウスというらしい。
「リアルブルーの方だと思うのですが……軍の人ですか?」
「えっと、あ、はい一応は……実は――」
レジーナは最近、サルバトーレロッソから降ろされた軍属。
人を探して辺境を彷徨っていたところ遭難して倒れていた様だ。
「人を探してですか――辺境は厳しいところですからここを拠点に探されたほうがいいかもしれませんね。人探しのお手伝いも出来るかと思います」
レジーナの保護と捜索の協力を提案するリーナ。
「リーナ、アリシアの件だが……」
何処へゲルに入ってきたカーン。
「アリシア……?」
カーンの言葉に反応するレジーナ。
「ああ、起きてたのか……アリシアが何か?」
「えっと……その人……アリシア・ジーナスっていいませんか!? 赤い髪の!」
レジーナの言葉に険しい表情をするカーン。
「それがどうした……?」
「親しい人なんです! 何処に行ったかわからなくて……」
自分が関係者であること、アリシアの事を心配していることを話すレジーナ。
「アリシアは……倒すべき歪虚だ」
「歪虚……」
アリシアが敵であることを告げるカーン。
「何があったのか知りたい……代わりにあたしはアリシアのことを教えるから」
「ふむ……」
「そうだね……」
アリシアの事を知りたい――知っているのはアリシアと対峙していた人間か報告書を読んでいるハンターぐらいだろう。
こうして、アリシアについて情報交換する依頼が発行された。
「うん――ここは?」
一人の女性がゲルの中で目を覚ます。
「気づきましたか?」
リーナ・ブルゲド(kz0039)が女性に声をかける。
「えっと?」
混乱している様子の女性。
「倒れていたので、こちらに運ばさせてもらいました」
「倒れていた……」
思い出すような仕草をする女性。
「あ、私はリーナ・ブルゲドといいます」
「えっと、レジーナ・アリウスです」
倒れていた女性はレジーナ・アリウスというらしい。
「リアルブルーの方だと思うのですが……軍の人ですか?」
「えっと、あ、はい一応は……実は――」
レジーナは最近、サルバトーレロッソから降ろされた軍属。
人を探して辺境を彷徨っていたところ遭難して倒れていた様だ。
「人を探してですか――辺境は厳しいところですからここを拠点に探されたほうがいいかもしれませんね。人探しのお手伝いも出来るかと思います」
レジーナの保護と捜索の協力を提案するリーナ。
「リーナ、アリシアの件だが……」
何処へゲルに入ってきたカーン。
「アリシア……?」
カーンの言葉に反応するレジーナ。
「ああ、起きてたのか……アリシアが何か?」
「えっと……その人……アリシア・ジーナスっていいませんか!? 赤い髪の!」
レジーナの言葉に険しい表情をするカーン。
「それがどうした……?」
「親しい人なんです! 何処に行ったかわからなくて……」
自分が関係者であること、アリシアの事を心配していることを話すレジーナ。
「アリシアは……倒すべき歪虚だ」
「歪虚……」
アリシアが敵であることを告げるカーン。
「何があったのか知りたい……代わりにあたしはアリシアのことを教えるから」
「ふむ……」
「そうだね……」
アリシアの事を知りたい――知っているのはアリシアと対峙していた人間か報告書を読んでいるハンターぐらいだろう。
こうして、アリシアについて情報交換する依頼が発行された。
リプレイ本文
● 事前
ハンター達はレジーナ・アリウスとの対話に向けてどうすべきか――事前に相談を行った。
その結果――。
「俺もロッソにはいたが初めましてかな、春日啓一だ、内容がアレだから話す前にあんたの事を教えて欲しい」
(俺は難しい事はわからねえ、まず話し合う事、そして互いを知る事だ)
「私はレジーナ・アリウス。アリシアの指揮していた隊で副官をしてました」
まず最初にレジーナと接触したのは春日 啓一(ka1621)だった。
(レジーナのねーさんが何を考えているのか、彼女はアリシアの事を知って何をしたいのか、何を思うのか、教えてもらうとしよう)
春日はゲル外でお菓子とジュースを勧めながらレジーナの事を聞く。
「アリシアの部隊か……」
「ええ、そうです」
レジーナはアリシアの部隊の設立当時から副官であったことを伝える。
「あんたの事はわかった、その上で聞くが知ってどうしたい?」
「どうしたい……そうですね……この目でアリシアを確認したいです……本当に彼女なのか」
そう答えるレジーナ。
「なるほど、じゃあ俺が知っているアリシアは亜人を指揮教育して辺境に害を成してた事位、実際見たが本当に軍隊みたいだったな……」
「軍隊のようだった……辺境に害をなしていた……」
考えこむレジーナ。
「俺の後に話す連中はアリシアとより関わっている、だから俺より凄惨な話を聞く事になるだろう、だけど俺らはあんたが求めてくれれば味方になる、それだけは覚えておいてくれ」
「はい……ありがとうございます」
春日に頭を下げるレジーナ。
レジーナも軍人だ、話を聞く覚悟が出来たのだろう。
「リーナを狙う理由ってなんだ?」
リーナを指差しアリシアがリーナを狙う理由聞く春日。
「狙う理由……あっ……。多分ですが……隊員に似た子がいました」
リーナを見て思い出した様に、懐かしむように言うレジーナ。
「そうだったのか、ありがとう」
そう言うと3人はゲルの中へと入っていく。
● 全体
ゲルに入っていく3人、其処には他のハンター達が待っていた。
「私はレジーナ・アリウスと言います。アリィ……アリシアとは彼女の隊の副官をしてました。アリィとは古くからの付き合いで家も隣同士で幼馴染でもありました」
皆の前で自己紹介をするレジーナ。
「今回はお集まり頂き有難うございます――いなくなったアリシアを探して、『転移』という事象を知ってこちらに来ていないか捜索してました」
痕跡もなく忽然と消えたアリシア。
レジーナはロッソがクリムゾンウェストに来た時に『転移』という事象を知って捜索に来たことを話した。
「私は知りたい――消えた後のアリシアのことを」
懇願するように頭を下げるレジーナ。
「これから話すことは多分辛くて聞いてられないかもしれないけど聞いて欲しいな」
そうレジーナに言葉をかけたのはエリス・ブーリャ(ka3419)だ。
まずはミリア・コーネリウス(ka1287)が話す。
「正直なところボクはアリシアとはそれほど付き合いがない」
ミリアはレジーナに淡々と語りかける。
「戦場で1度対峙したぐらいだな」
対峙した時のことを話すミリア――レジーナはミリアの話す言葉をじっと聞いている。
「個人的にキライでは無い」
ミリアから見た率直な感想であり、含みも裏表も無い言葉だ。
「実行力も戦術を組み立てるだけの頭脳もある」
ミリアが対峙した時の時の戦闘の様子を話す。
「意志の強さ、諦めの悪さもな」
その戦闘で撤退していく様子を話す。
「目先に囚われて大局を見失うくらいのドジはしてたな」
戦闘の時にリーナ目掛けていった時の様子も話す。
「重ねて言うが嫌いじゃない、気さくに話しかけられたなら一緒にメシを喰いに行っても良いぐらいだ」
嘘偽りなくアリシアの事を評価するミリア。
「だが人を襲って食べる以上は敵だ」
報告書にあったことを淡々と言う。
「キミの望む情報ではないかもしれないが既に被害は出ている」
アリシアの行った事を端的に話していく。
それをレジーナは黙って聞いている。
「また襲ってくるようなら殺す必要があるだろう」
そう言って話を締めくくるミリアだった。
「そんな風に――」
淡々と事実とミリアからみた率直な感想を聞いたレジーナは変わり果てたアリシアの一端を知る。
「次は私からかな――私がアリシアと……」
エリスは語る――立会をしているリーナの顔馴染みの集落がアリシアによって滅ぼされた事を。
そこで襲ってきたことを――そして、歪虚13将の1人であるガエルの部下であったことを。
「……っ」
変貌したアリシアの状態と行動にショックを隠し切れないレジーナ。
「アリシアは――歪虚は見た目と記憶だけは引き継いでるけど、完全に魔物なんだよ」
歪虚について説明するエリス。
「元ロッソ所属のCAM乗り、守原と申します。アリシアと最初の邂逅以来多くの戦闘を経験しています」
守原 有希弥(ka0562)が自己紹介し――。
「現状、歪虚化すればもとに戻すすべは有りません――それに、食人と略奪で多くの犠牲が出ています」
歪虚から人には戻せないことを説明する守原。
「そう――ですか……」
落胆した表情のレジーナ。
「救いがあるなら元軍人として、一介の武人として介錯の他にない。うちは倒します。犠牲者を、世界最愛の人を護る為です」
「そうですか――」
頭ではわかっているのだろう――だが――。
「俺はリカルド=イージス=バルデラマだ。聞きたいことがある」
「はい、何でしょうか――」
リカルド=イージス=バルデラマ(ka0356)がレジーナに質問をする。
「アリシアは過去にどの系統武術を学んでいたか」
「カポエラと流派まではわかりませんが中国武術やナイフ術などですね」
メモを取りながら、戦闘経験も話すリカルド。
「悪いが俺にとってアリシアはあくまでの排除すべき対象だ、それ以上でもそれ以下でもない、これから先の被害を出させないことを優先させてもらう、そのためにも情報が必要だ」
「はい――お話できることは全てお話します」
リカルドの言葉に応えるレジーナ。
「ウチらが戦っているのは『歪虚のアリシア』であって、レジーナさんの話しているアリシアではないこと。それだけは忘れないで」
レジーナにフォローを入れるエリス。
「教えてほしいのだけど、アリシアの失踪で目撃者は? いつ消えたのか? 失踪前アリシアが悩んでいたり困っていなかったか?」
「目撃者はいません、時期は数年前、悩みは――隊が解散してバラバラになったのを悔やんでました」
エリスの質問に答えるレジーナ。
「私もアリシアが何をしてきたのか――知りたいです」
アリシアの凶行についての話の途中で質問が挟まったのでアリシアのことについて話を続けることにした。
「私はマーゴット。多分、アリシアとは一番近くで戦ってきた……」
マーゴット(ka5022)がエリスからのアリシアについての話を引き継ぐ。
アリシアによるナルカンドの塔に行く際に奇襲をかけて多くのブルゲド族の戦士を殺したこと。
武器を手に入れるために辺境の商人を襲っている現状。
ゴブリンやオークを連れてこのブルゲド族の居留地を攻めて来たこと。
リアルブルーの武器を手に入れようと馬車を襲ったこと。
アリシアが行ってきたことを誇大な表現もなく伝えるマーゴット。
「私はフィルメリア・クリスティア」
フィルメリア・クリスティア(ka3380)がマーゴットの話の後を継ぐ。
つい先日、行われたアリシアの軍団の駐留地を攻撃したことを説明する。
「以上が――私達、ハンターがアリシアと関わってきた全て。そして、アリシアと対峙してきたのは前回が私、それ以外はマーゴットが対峙してるわ」
ハンターとアリシアでの関わり合いに於いて自分とマーゴットが深く関わっていることを話すフィルメリア。
その為、二人の話した内容は報告書以上に詳細だった。
「……何があったかは良くわかりました……正直、信じたくない、信じられないと言う思いですが――事実なんでしょう」
じっと、マーゴットとフィルメリアの話を聞いていたレジーナ。
春日に言われて覚悟はしていたものの多少なりともショックはあったようだ。
「そして――討たねばならぬ理由も、この世界の為にも討つべきだと言うのもわかりました――私が知っている限りをお伝えしましょう」
歪虚となったことで起こした様々な凶行を聞いて、決して歪虚から人に戻ることがないことから討伐しなければならない事を覚悟したレジーナ。
「レジーナさん。質問、いいですか?」
「はい」
気を使いながら挙手をする守原。
「レジーナさんが知るアリシアはどんな人でしたか? 部隊を率いてましたが教練や部隊運営手腕はどうでしたか?」
「アリィ……アリシアの愛称だけど、彼女は――」
幼いころからのアリシアについて語るレジーナ――面倒見が良くて仲間を大事にする、一方で慎重な側面も持ち合わせていると。
人や物を大事にする一方で固執する側面がある。
料理が好きで食事や菓子を小さい頃から周りに振舞っていたことなど。
「教練や部隊運営手腕は――これは『私達』にも関わるのだけど――」
アリシアの部隊は書類上存在しない非正規な特殊部隊だった。
紛争地域での協力者に教練したりと部隊を率いたりした経験があるとレジーナは答える。
「正式な書類はないから探そうとしても無理ね――これ以上は答えれないわ」
ロッソを降りたとしてもレジーナにも守秘義務があるので答えられないと告げる。
と、そこへリカルドがやってきた。
「リーナはアリシアの奇襲とそれに伴って、トラウマになった」
リカルドはレジーナにリーナがトラウマになったことについて説明をする。
「お前はアリシアの人物像と彼女について、より深く知ることになったわけだ」
次にリーナに話しかけるリカルド。
「さてこれからの戦いは、歪嘘のアリシアだけでなく、レジーナにとって一人の人間を殺すと事になり、その罪を背負うことになるんだが、その覚悟はあるか?」
「……」
リカルドの問に黙ってしまうリーナ。
「今此処で確認をしておきたい。答えについては責めるつもりは無いしやることは変わらん」
リカルドはリーナに覚悟を確認する。
「……覚悟はあります」
覚悟を決めて答えるリーナ。
「ハンターとしてはここまでだ。救いたい気持ちは分からんでもない、俺個人としては出来る限り手伝おう」
席へと戻るリカルド。
「ごきげんようですわ、リーナお姉さま。以後お見知り置きを、ですの。レジーナお姉さまもはじめましてですわー」
明るい声が響く――みのむし風ケープを羽織ったパルムをつれたチョココ(ka2449)だ。
少し重たい雰囲気がチョココの登場で和らぐ。
「休憩兼ねてお茶にしてはいかがですの? わたくし、イチゴたっぷりのタルトを焼いてきましたの。皆さまよければ、準備しますわ」
「そうだね、ちょっと休憩しようか」
チョココの提案に賛成するリーナ――ハンター達も異存はないようだ。
用意されたタルトとお茶で休憩するハンター達。
緊張した空気が休憩を取ることで和やかなものへとなる。
「難しいコトはわからないけど、身近な人が敵……敵視されたら悲しいですの」
「そうね――部隊時代もあり得た話かも知れないけど……悲しいし、残念ね……」
チョココの言葉に返すレジーナ――部隊の特性上、敵対することも想定していたのだろう――だが、心情的には辛い。
「アリシア様はどうして歪虚になってしまったのでしょう。何が彼女をそうさせたのか、経緯が知りたいですわ」
「そうね――それは私も知りたい……会って聞くしかないのかもしれない」
お茶とタルトを食べながらチョココと話すレジーナ。
「ちょっと、いいですか?」
「はい」
レジーナに話しかけるフィルメリア――隣にはマーゴット。
「出来れば――3人で話をしたいのだけど」
「えぇ――良いですよ」
「それでは案内しますね」
リーナに案内されて場所を移動する3人――。
● 個別
リーナに案内されたゲルに移動した3人。
飲み物と軽食を用意するフィルメリア。
「私も――アリシアを探している、だけど歪虚として倒すためじゃない」
マーゴットはアリシアについて話し始める。
「何度も――アリシアと邂逅し、彼女から自分と同じだと言われた」
アリシアとの戦いであったことを話す。
「彼女に触れた時に歪虚ではなく人としての感情と反応があった」
そして――邂逅を通しての出来事を話すマーゴット。
次に話すのはフィルメリア。
「私は――」
マーゴットを傷付けたアリシアに対し憎悪から挑んだ事を話す。「その後であの娘が対峙した時に見せた反応が気に掛かった。何処か鏡に写した自分と似ている気がして――その過去が知りたいと敵意が薄れて興味が湧いた」
その後の事を話すフィルメリア。
「そして先日少しだけ話を聞く事が出来た。また話が出来るかは私次第とも言われたわね」
そして――先日の話をする。
「私は軍に居た身ではあるし、軍に居た時のアリシアの人となりや軍内部での立場、その中でどんな生き方をしてきたかを聞きたい」 フィルメリアは軍時代のアリシアについて。
「私は、レジーナが知る限りの……アリシアという人物の人となりについて教えて欲しい」
マーゴットはアリシアについて知りたがっている。
「分かりました――」
幼少の頃から軍時代のアリシアについて詳しく話すレジーナ。
その表情は懐かしむ様な表情で語る。
「彼女は軍に裏切られ棄てられたと言っていたわ。そして世界が憎いとも。だからその理由が知りたい。過去に彼女に起きた事を知っているなら教えて欲しい」
「それは――」
紛争地域での非公式作戦の露見によって部隊が解散させられたことを一部ぼかしながら答えた。
「アリシアは――居場所をと仲間を奪った軍を世間を恨んでいると思う」
アリシアが失ったものについて、憎悪の元凶についてレジーナは答える。
「私はアリシアの心だけでも救いたい。求めてやまなかったものを自分は手にしているから、彼女にも伝え与えたい」
マーゴットは自分の気持をレジーナに伝える。
● 決断
別のゲルから出てきたレジーナに話しかけるエリス。
「これからどうするの? 一緒にアリシアを探してみない?」
「……はい、私自身の目でアリィを確かめたいです」
エリスの言葉に力強く答えるレジーナ。
「勿論単独では行かせられないから条件付けはさせてもらうわ」
レジーナの決断に条件をつけるフィルメリア。
「アリシアを追う時は必ず私達の近くにいる事」
「……わかりました」
フィルメリアの条件を承諾するレジーナ。
こうしてレジーナもハンター達と共にアリシアを追う事になった。
アリシアの過去 Fin
ハンター達はレジーナ・アリウスとの対話に向けてどうすべきか――事前に相談を行った。
その結果――。
「俺もロッソにはいたが初めましてかな、春日啓一だ、内容がアレだから話す前にあんたの事を教えて欲しい」
(俺は難しい事はわからねえ、まず話し合う事、そして互いを知る事だ)
「私はレジーナ・アリウス。アリシアの指揮していた隊で副官をしてました」
まず最初にレジーナと接触したのは春日 啓一(ka1621)だった。
(レジーナのねーさんが何を考えているのか、彼女はアリシアの事を知って何をしたいのか、何を思うのか、教えてもらうとしよう)
春日はゲル外でお菓子とジュースを勧めながらレジーナの事を聞く。
「アリシアの部隊か……」
「ええ、そうです」
レジーナはアリシアの部隊の設立当時から副官であったことを伝える。
「あんたの事はわかった、その上で聞くが知ってどうしたい?」
「どうしたい……そうですね……この目でアリシアを確認したいです……本当に彼女なのか」
そう答えるレジーナ。
「なるほど、じゃあ俺が知っているアリシアは亜人を指揮教育して辺境に害を成してた事位、実際見たが本当に軍隊みたいだったな……」
「軍隊のようだった……辺境に害をなしていた……」
考えこむレジーナ。
「俺の後に話す連中はアリシアとより関わっている、だから俺より凄惨な話を聞く事になるだろう、だけど俺らはあんたが求めてくれれば味方になる、それだけは覚えておいてくれ」
「はい……ありがとうございます」
春日に頭を下げるレジーナ。
レジーナも軍人だ、話を聞く覚悟が出来たのだろう。
「リーナを狙う理由ってなんだ?」
リーナを指差しアリシアがリーナを狙う理由聞く春日。
「狙う理由……あっ……。多分ですが……隊員に似た子がいました」
リーナを見て思い出した様に、懐かしむように言うレジーナ。
「そうだったのか、ありがとう」
そう言うと3人はゲルの中へと入っていく。
● 全体
ゲルに入っていく3人、其処には他のハンター達が待っていた。
「私はレジーナ・アリウスと言います。アリィ……アリシアとは彼女の隊の副官をしてました。アリィとは古くからの付き合いで家も隣同士で幼馴染でもありました」
皆の前で自己紹介をするレジーナ。
「今回はお集まり頂き有難うございます――いなくなったアリシアを探して、『転移』という事象を知ってこちらに来ていないか捜索してました」
痕跡もなく忽然と消えたアリシア。
レジーナはロッソがクリムゾンウェストに来た時に『転移』という事象を知って捜索に来たことを話した。
「私は知りたい――消えた後のアリシアのことを」
懇願するように頭を下げるレジーナ。
「これから話すことは多分辛くて聞いてられないかもしれないけど聞いて欲しいな」
そうレジーナに言葉をかけたのはエリス・ブーリャ(ka3419)だ。
まずはミリア・コーネリウス(ka1287)が話す。
「正直なところボクはアリシアとはそれほど付き合いがない」
ミリアはレジーナに淡々と語りかける。
「戦場で1度対峙したぐらいだな」
対峙した時のことを話すミリア――レジーナはミリアの話す言葉をじっと聞いている。
「個人的にキライでは無い」
ミリアから見た率直な感想であり、含みも裏表も無い言葉だ。
「実行力も戦術を組み立てるだけの頭脳もある」
ミリアが対峙した時の時の戦闘の様子を話す。
「意志の強さ、諦めの悪さもな」
その戦闘で撤退していく様子を話す。
「目先に囚われて大局を見失うくらいのドジはしてたな」
戦闘の時にリーナ目掛けていった時の様子も話す。
「重ねて言うが嫌いじゃない、気さくに話しかけられたなら一緒にメシを喰いに行っても良いぐらいだ」
嘘偽りなくアリシアの事を評価するミリア。
「だが人を襲って食べる以上は敵だ」
報告書にあったことを淡々と言う。
「キミの望む情報ではないかもしれないが既に被害は出ている」
アリシアの行った事を端的に話していく。
それをレジーナは黙って聞いている。
「また襲ってくるようなら殺す必要があるだろう」
そう言って話を締めくくるミリアだった。
「そんな風に――」
淡々と事実とミリアからみた率直な感想を聞いたレジーナは変わり果てたアリシアの一端を知る。
「次は私からかな――私がアリシアと……」
エリスは語る――立会をしているリーナの顔馴染みの集落がアリシアによって滅ぼされた事を。
そこで襲ってきたことを――そして、歪虚13将の1人であるガエルの部下であったことを。
「……っ」
変貌したアリシアの状態と行動にショックを隠し切れないレジーナ。
「アリシアは――歪虚は見た目と記憶だけは引き継いでるけど、完全に魔物なんだよ」
歪虚について説明するエリス。
「元ロッソ所属のCAM乗り、守原と申します。アリシアと最初の邂逅以来多くの戦闘を経験しています」
守原 有希弥(ka0562)が自己紹介し――。
「現状、歪虚化すればもとに戻すすべは有りません――それに、食人と略奪で多くの犠牲が出ています」
歪虚から人には戻せないことを説明する守原。
「そう――ですか……」
落胆した表情のレジーナ。
「救いがあるなら元軍人として、一介の武人として介錯の他にない。うちは倒します。犠牲者を、世界最愛の人を護る為です」
「そうですか――」
頭ではわかっているのだろう――だが――。
「俺はリカルド=イージス=バルデラマだ。聞きたいことがある」
「はい、何でしょうか――」
リカルド=イージス=バルデラマ(ka0356)がレジーナに質問をする。
「アリシアは過去にどの系統武術を学んでいたか」
「カポエラと流派まではわかりませんが中国武術やナイフ術などですね」
メモを取りながら、戦闘経験も話すリカルド。
「悪いが俺にとってアリシアはあくまでの排除すべき対象だ、それ以上でもそれ以下でもない、これから先の被害を出させないことを優先させてもらう、そのためにも情報が必要だ」
「はい――お話できることは全てお話します」
リカルドの言葉に応えるレジーナ。
「ウチらが戦っているのは『歪虚のアリシア』であって、レジーナさんの話しているアリシアではないこと。それだけは忘れないで」
レジーナにフォローを入れるエリス。
「教えてほしいのだけど、アリシアの失踪で目撃者は? いつ消えたのか? 失踪前アリシアが悩んでいたり困っていなかったか?」
「目撃者はいません、時期は数年前、悩みは――隊が解散してバラバラになったのを悔やんでました」
エリスの質問に答えるレジーナ。
「私もアリシアが何をしてきたのか――知りたいです」
アリシアの凶行についての話の途中で質問が挟まったのでアリシアのことについて話を続けることにした。
「私はマーゴット。多分、アリシアとは一番近くで戦ってきた……」
マーゴット(ka5022)がエリスからのアリシアについての話を引き継ぐ。
アリシアによるナルカンドの塔に行く際に奇襲をかけて多くのブルゲド族の戦士を殺したこと。
武器を手に入れるために辺境の商人を襲っている現状。
ゴブリンやオークを連れてこのブルゲド族の居留地を攻めて来たこと。
リアルブルーの武器を手に入れようと馬車を襲ったこと。
アリシアが行ってきたことを誇大な表現もなく伝えるマーゴット。
「私はフィルメリア・クリスティア」
フィルメリア・クリスティア(ka3380)がマーゴットの話の後を継ぐ。
つい先日、行われたアリシアの軍団の駐留地を攻撃したことを説明する。
「以上が――私達、ハンターがアリシアと関わってきた全て。そして、アリシアと対峙してきたのは前回が私、それ以外はマーゴットが対峙してるわ」
ハンターとアリシアでの関わり合いに於いて自分とマーゴットが深く関わっていることを話すフィルメリア。
その為、二人の話した内容は報告書以上に詳細だった。
「……何があったかは良くわかりました……正直、信じたくない、信じられないと言う思いですが――事実なんでしょう」
じっと、マーゴットとフィルメリアの話を聞いていたレジーナ。
春日に言われて覚悟はしていたものの多少なりともショックはあったようだ。
「そして――討たねばならぬ理由も、この世界の為にも討つべきだと言うのもわかりました――私が知っている限りをお伝えしましょう」
歪虚となったことで起こした様々な凶行を聞いて、決して歪虚から人に戻ることがないことから討伐しなければならない事を覚悟したレジーナ。
「レジーナさん。質問、いいですか?」
「はい」
気を使いながら挙手をする守原。
「レジーナさんが知るアリシアはどんな人でしたか? 部隊を率いてましたが教練や部隊運営手腕はどうでしたか?」
「アリィ……アリシアの愛称だけど、彼女は――」
幼いころからのアリシアについて語るレジーナ――面倒見が良くて仲間を大事にする、一方で慎重な側面も持ち合わせていると。
人や物を大事にする一方で固執する側面がある。
料理が好きで食事や菓子を小さい頃から周りに振舞っていたことなど。
「教練や部隊運営手腕は――これは『私達』にも関わるのだけど――」
アリシアの部隊は書類上存在しない非正規な特殊部隊だった。
紛争地域での協力者に教練したりと部隊を率いたりした経験があるとレジーナは答える。
「正式な書類はないから探そうとしても無理ね――これ以上は答えれないわ」
ロッソを降りたとしてもレジーナにも守秘義務があるので答えられないと告げる。
と、そこへリカルドがやってきた。
「リーナはアリシアの奇襲とそれに伴って、トラウマになった」
リカルドはレジーナにリーナがトラウマになったことについて説明をする。
「お前はアリシアの人物像と彼女について、より深く知ることになったわけだ」
次にリーナに話しかけるリカルド。
「さてこれからの戦いは、歪嘘のアリシアだけでなく、レジーナにとって一人の人間を殺すと事になり、その罪を背負うことになるんだが、その覚悟はあるか?」
「……」
リカルドの問に黙ってしまうリーナ。
「今此処で確認をしておきたい。答えについては責めるつもりは無いしやることは変わらん」
リカルドはリーナに覚悟を確認する。
「……覚悟はあります」
覚悟を決めて答えるリーナ。
「ハンターとしてはここまでだ。救いたい気持ちは分からんでもない、俺個人としては出来る限り手伝おう」
席へと戻るリカルド。
「ごきげんようですわ、リーナお姉さま。以後お見知り置きを、ですの。レジーナお姉さまもはじめましてですわー」
明るい声が響く――みのむし風ケープを羽織ったパルムをつれたチョココ(ka2449)だ。
少し重たい雰囲気がチョココの登場で和らぐ。
「休憩兼ねてお茶にしてはいかがですの? わたくし、イチゴたっぷりのタルトを焼いてきましたの。皆さまよければ、準備しますわ」
「そうだね、ちょっと休憩しようか」
チョココの提案に賛成するリーナ――ハンター達も異存はないようだ。
用意されたタルトとお茶で休憩するハンター達。
緊張した空気が休憩を取ることで和やかなものへとなる。
「難しいコトはわからないけど、身近な人が敵……敵視されたら悲しいですの」
「そうね――部隊時代もあり得た話かも知れないけど……悲しいし、残念ね……」
チョココの言葉に返すレジーナ――部隊の特性上、敵対することも想定していたのだろう――だが、心情的には辛い。
「アリシア様はどうして歪虚になってしまったのでしょう。何が彼女をそうさせたのか、経緯が知りたいですわ」
「そうね――それは私も知りたい……会って聞くしかないのかもしれない」
お茶とタルトを食べながらチョココと話すレジーナ。
「ちょっと、いいですか?」
「はい」
レジーナに話しかけるフィルメリア――隣にはマーゴット。
「出来れば――3人で話をしたいのだけど」
「えぇ――良いですよ」
「それでは案内しますね」
リーナに案内されて場所を移動する3人――。
● 個別
リーナに案内されたゲルに移動した3人。
飲み物と軽食を用意するフィルメリア。
「私も――アリシアを探している、だけど歪虚として倒すためじゃない」
マーゴットはアリシアについて話し始める。
「何度も――アリシアと邂逅し、彼女から自分と同じだと言われた」
アリシアとの戦いであったことを話す。
「彼女に触れた時に歪虚ではなく人としての感情と反応があった」
そして――邂逅を通しての出来事を話すマーゴット。
次に話すのはフィルメリア。
「私は――」
マーゴットを傷付けたアリシアに対し憎悪から挑んだ事を話す。「その後であの娘が対峙した時に見せた反応が気に掛かった。何処か鏡に写した自分と似ている気がして――その過去が知りたいと敵意が薄れて興味が湧いた」
その後の事を話すフィルメリア。
「そして先日少しだけ話を聞く事が出来た。また話が出来るかは私次第とも言われたわね」
そして――先日の話をする。
「私は軍に居た身ではあるし、軍に居た時のアリシアの人となりや軍内部での立場、その中でどんな生き方をしてきたかを聞きたい」 フィルメリアは軍時代のアリシアについて。
「私は、レジーナが知る限りの……アリシアという人物の人となりについて教えて欲しい」
マーゴットはアリシアについて知りたがっている。
「分かりました――」
幼少の頃から軍時代のアリシアについて詳しく話すレジーナ。
その表情は懐かしむ様な表情で語る。
「彼女は軍に裏切られ棄てられたと言っていたわ。そして世界が憎いとも。だからその理由が知りたい。過去に彼女に起きた事を知っているなら教えて欲しい」
「それは――」
紛争地域での非公式作戦の露見によって部隊が解散させられたことを一部ぼかしながら答えた。
「アリシアは――居場所をと仲間を奪った軍を世間を恨んでいると思う」
アリシアが失ったものについて、憎悪の元凶についてレジーナは答える。
「私はアリシアの心だけでも救いたい。求めてやまなかったものを自分は手にしているから、彼女にも伝え与えたい」
マーゴットは自分の気持をレジーナに伝える。
● 決断
別のゲルから出てきたレジーナに話しかけるエリス。
「これからどうするの? 一緒にアリシアを探してみない?」
「……はい、私自身の目でアリィを確かめたいです」
エリスの言葉に力強く答えるレジーナ。
「勿論単独では行かせられないから条件付けはさせてもらうわ」
レジーナの決断に条件をつけるフィルメリア。
「アリシアを追う時は必ず私達の近くにいる事」
「……わかりました」
フィルメリアの条件を承諾するレジーナ。
こうしてレジーナもハンター達と共にアリシアを追う事になった。
アリシアの過去 Fin
依頼結果
参加者一覧
サポート一覧
依頼相談掲示板 | |||
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質問卓 春日 啓一(ka1621) 人間(リアルブルー)|18才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/12/01 17:53:44 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/11/27 16:02:46 |
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相談所 守原 有希弥(ka0562) 人間(リアルブルー)|19才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/12/01 22:15:13 |