• 闇光

【闇光】グライシュタット防衛戦

マスター:植田誠

シナリオ形態
ショート
難易度
難しい
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
6~10人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2015/12/30 19:00
完成日
2016/01/05 14:57

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 歪虚による帝国への侵攻。
 帝国を他国から孤立させるかのような歪虚たちの攻撃は、帝国南部にあるグライシュタットにも迫っていた。
「剣機リンドヴルムが確認されています。数は索敵の情報待ちですがそこまで多くはなさそうです」
「そりゃそうだ。基本的にここは重要な拠点ってわけじゃないからな」
 1年前を思い出しながらオットー・アルトリンゲン兵長は言った。グライシュタットは師団都市ゆえに規模は大きいいが、拠点としての重要度は他の都市より低いと言える。一応他国との陸路による国交の要所ではあるのだが、それもピースホライズンの存在により昔と比べれば重要度は落ちている。今は精々グリフォン牧場がある程度であろう。
「だから、敵もそこまで大部隊をぶち込んでくるわけじゃない……もっとも、こっちだって数は少ないんだからやばいのに変わりはないんだけどな」
 そう言って、オットーは振り向く。視線の先には防衛任務の為に雇われたハンターたちの姿があった。
「そういうわけで、力を貸してくれ。地上の敵を都市に入る前に迎撃して欲しいんだ」
 地上の敵……正確に言うと侵攻してきているリンドヴルムが投下する輸送コンテナ、それに潜んでいるであろう敵を迎撃する。それがハンターたちに与えられた役割だ。
「空中の敵は気にしなくていい。そいつは俺達の仕事だからよ。ただ、手が足りないから投下されるコンテナを100%迎撃することは出来ないし、コンテナから出てきた敵の迎撃も難しい……少なくともリンドヴルムの相手をしている間はな」
 リンドヴルムが都市部に入ると住人に与える影響は計り知れない。それを放置するわけにはいかないのだ。そこで、ハンターたちには戦場までグリフォンに相乗りして移動してもらい、到着したらグリフォンは空戦、ハンターたちには地上戦を行ってもらう。こういう作戦だ。
「兵長! 索敵班が帰ってきました!」
「お、来たか! ……うん……なるほどな。よし、それじゃ全員出撃準備だ!」
 報告を聞いたオットーは周囲に控えていた第5師団員に号令をかけ、再びハンターたちに目を向ける。
「敵は3手に分かれてこっちに向かってきてるみたいだ。お前たちも3方に分かれてもらうぜ。すぐに編成を決めてくれ」
 こうして、ハンターたちと帝国第5師団合同のグライシュタット防衛戦が開始された。

リプレイ本文


 3つの戦場に分散するハンターたち。そのうちの一つ、戦場A。
「輸送ありがとうございました。ご武運を!」
 白神 霧華(ka0915)はグリフォンライダーたちを労うように手を振ると、敵へと目線を向ける。馬に乗ったゾンビ……その体は甲冑と同化しているようで感じる威圧感からも並の敵ではないことが感じ取れる。
「ったく、どこでもあちこち好き放題にゾンビ放り込みやがって……来るぜ!」
 地を駆けるものを使用しつつ岩井崎 旭(ka0234)が声を上げる。同時に、ゾンビが馬を走らせ急接近。
 導線上にいたエヴァンス・カルヴィ(ka0639)と旭は回避。容易に躱せた。いや、狙いが元々二人ではなかったからだ。狙われたのは……霧華だ。
「壁役する機会はあまりないんですけど……」
 盾を正面に構え堅守。地面に足が根ざしたかのように堅く構え、全速力で突っ込んできたゾンビを迎え撃つ。だが、敵の全力攻撃は強力だ。盾ごと大きく弾き飛ばされる。
「くっ……威力を殺し切れないなんて……!」
 吹っ飛ばされた霧華は口惜しげに呟く。
 敵はそのまま速度を維持しつつ突っ込んでくる。今度の狙いはエヴァンスと旭。
「……よし、それで。頼りにしてるぜ岩井崎!」
「それはこっちのセリフだ。暴れさせてもらおうじゃねーか、エヴァンス!」
 2人は言葉を交わし、敵を見据える。このまま騎兵に好き放題させてはいられない。まずは突っ込んでくる敵の攻撃を……やや早いタイミングで左右に回避。
「とっとと消えてもらうぜ、骸骨騎士さんよ!」
 エヴァンスが万象一掃で馬もろともゾンビを狙う。だが、その動きに気付いたゾンビは槍を大きく横に振るう。
 防御態勢をとったエヴァンスが横殴りに吹っ飛ばされる。だが、これでいい。
「俺の出番だな!」
 盾側に回り込んでいた旭。すぐさま斧槍の先端を突きだす。ゾンビは盾で防御せざるをえなかった。
 勢いよく放たれた一撃は盾ごとゾンビの体を浮かす。吼え猛る爆突風……一点に集束された力がゾンビを吹き飛ばした。
「よし、成功だ!」
 ゾンビの乗っていた馬は主が落ちたのを察しすぐさまそれを救おうと戻る。
「行かせるわけにはいきません」
 だが、霧華によってその道を塞がれる。エヴァンスも馬へ。機動力で攪乱されるのを防ぐためだ。
「さて、まずはこいつを倒しとかねぇと……アッチは岩井崎にひとまず任せるか」
 落馬したゾンビの方は、何事もないかのように立ち上がると、大盾と槍をその場に棄て、代わりに腰の剣を抜き放つ。馬がいなくともその威圧感は変わらない。旭の頬に汗が伝う。
「馬がいない以上大型の武器は取り回しにかける……そんなとこか」
 ゾンビが突進してくる。それに対しカウンター気味に突きを放つ旭。ゾンビは片手を振り上げ、斧槍を跳ね上げる。そして、もう片方の剣で攻撃。
「うぉっ!? 間一髪……」
 躱した……はずだった。だが、見ると腹部が浅く切り付けられている。
「一人で相手するのはやばそうだな……」
 こうなれば時間を稼いでエヴァンスと霧華が馬を倒し援護に来るのを待つしかなさそうだ。
 その馬に対する2人の方は、丁度挟み撃ちの形になっている状態。その状態で、馬は霧華へ突っ込んでくる。体当たりで進路を開けさせようという事か。
「この盾は……」
 だが、霧華は躱すでもなく、逆に馬へと踏み込む。その速度はすでに見た。槍が無くても威力は高いとみるべきだが……
「……飾りじゃないんですよ!」
 力と力がぶつかり合い……馬の頭が跳ね上がる。そこに背後から接近していたエヴァンスの攻撃。態勢を崩していた馬は迎撃もできず、後ろ足を2本まとめて両断される。
「これでもう走り回れねぇな」
 一方、旭の方はかなり苦戦している。致命傷は受けていないが掠る程度でもダメージを受ける。このままだとじりじりと押されていくことになるだろう。
 だが、振りかざした剣を振り抜こうとしたゾンビの体勢が横合いから崩される。霧華が踏込と強打を併用し鞭で攻撃を行ったのだ。ちらりと霧華を見たゾンビ。だが、そのまま攻撃は旭へ。威力の点で脅威度は旭の方が高いという判断か。だが、その視線を移したことが致命的な隙となった。
 旭が再度突き。それをゾンビはすでに上段で構えていた剣を振りおろし、叩き落とす。だが、それが狙い。斧槍はそのままゾンビの足元へ。
「知ってるか?」
 これが旭の狙い。鉤刃の部分はゾンビのひざ元へと引っかかる。
「脚ってもんは、手前に引く力には弱いらしいぜ!」
 反撃を避けるように後方へ飛び退くその動きは、同時にゾンビを引き倒すためのもの。背中から倒れ込むゾンビ。「ナイスだ、岩井崎!」
 そこへ大きくジャンプしたエヴァンスが大剣を勢いよく振り下ろす。ゾンビは剣を盾に防御。
「無駄だぜ! 俺ら3人が相手だったのは不運だったな!!」
 防御した剣は砕け散り、大剣は深々とゾンビの頭部に食い込む。
 間違いなく致命傷……だが、敵はゾンビ。まだ動こうとする。とはいえ……
「もう勝負は決まったようなもの、ですね」
 倒れたゾンビに霧華と旭が止めの攻撃。そこまでしてやっと、ゾンビの動きは停止した。


 こちらは戦場B。
「グライシュタットまで攻めてきやがって……」
 柊 真司(ka0705)は魔導銃を敵ゾンビに向け構える。こちらのゾンビは両腕をチェーンソーに改造された強化ゾンビたちだ。
「だが、これ以上は先に進ませねぇぜ」
 そのまま真司は牽制射撃。各個撃破が理想的だが、敵の方が味方より数が多い。そのため、敵のうち2体を自分の方へ引き付ける。それがこの攻撃の狙いだ。
 それに対しゾンビたちは口を開け一定の間隔をあけて前進してくる。口の中には銃器。だが射程の面では真司の方がやや勝っているか。
「さて、せっかくの年末です……ごゆっくりもせずお引き取りいただきたいですね」
 右端の敵を狙い飛び出していくのはマッシュ・アクラシス(ka0771)。寄ってくるのであれば接近戦を狙っている。ならばこちらも接近、迎撃する方針に切り替えていくつもりだ。
 そのマッシュにゾンビたちが一斉に顔を……銃口を向ける。ゾンビたちの射程に入っているのはマッシュだけだ。だが、これは想定の範囲内。ゾンビたちがマッシュを狙って銃撃するが、それらを盾で防御。右端の敵を狙えば、敵はマッシュの左側だけにいることになる。それが分かっていれば防御も絶対とはいわないが、容易になるのは間違いない。
「それに、これならお二人が狙われる可能性も少なくなりますしね」
 自身を壁役にして突き進むマッシュ。その様子を見ながら真司は早々に武器を持ち替える。
「纏めて相手してやるから、とっとときやがれ」
 そう言ってデルタレイを放つ真司。狙いは2体。1発分無駄になるが、さすがに3体を抑えるとなると厳しいという判断。まずは2体を抑える。その真司の策が功を奏したというわけではないかもしれないが、狙った2体は真司に向かってさらに移動を行いながら銃撃を行う。それらの銃撃は距離が離れていることもあって回避するのは難しくなかった。
 もう一体……最左翼の敵を狙うのは央崎 遥華(ka5644)。
 まずはマジックアローの射程まで接近する必要があるが、それは敵の射程まで入り込むことを意味している。
「……死を迎えた者は然るべき場所へ、生ある者はあるべき明日へ」
 前に出る寸前、祈りをささげるかのように目を閉じ呟く遥華。次に目を開けた時、遥華の表情から普段の明るさ、人当たりの良さは消えうせていた。
「懺悔のお時間は必要ないでしょう? 祓います……!」
 胸の前で十字を切ると、遥華もマッシュ同様猛然と敵へ向かう。遥華の接近に気付くとゾンビはすぐに口中の銃を向ける。
 そこで、遥華はリトルファイアを使用。陽動としての役割を期待してのものだが、ゾンビはそんなのお構いなしに銃弾を叩き込んでくる。あまり効果が無さそうだ。
(……こうなると、力押し以外の方法はありませんか)
 なんにせよ、真司が2体を抑え、マッシュが接近戦を一体に仕掛ける。となれば、どうあっても目の前のこの敵は遥華自身の手で倒すしかなかった。
 一方、近接戦をしかけたマッシュ。射程まで入ったところでチャージングを使用。
「この間合いまで入り込ませた時点であなたの負けですよ」
 未だ開いたままの口中へ向けて、強打。強力な一撃が叩き込まれ、機械を破壊するような手応えが伝わる。これで銃は使えないだろう。だが、それと同時に左右からモーター音が響く。チェーンソーに改造された両腕が振り下ろされる。強固な鎧も悲鳴を上げ、装甲をじりじりと削られ攻撃は皮膚に達する。両肩から血が噴き出すがそれを意に介さず突きこんだ剣をそのまま下方に斬り降ろす。両断されたゾンビは左右に分かれ倒れる。そこから数瞬の後、モーター音も停止した。
「ふぅ……まずは1体。仕事は仕事。最後まで努力ですよ」
 その間、左側では銃と魔法の撃ち合いが繰り広げられていた。
(口の向き……きた!)
 回避。そして、反撃のマジックアローを撃ち込む。再度顔がこちらを向く。回避……いや、敵はまだ撃ってこない。こちらの動きを読んだのか、それとも単にリロードのタイミングだったか。だが、どちらにせよ回避直後の隙を狙われ、銃弾がまたも遥華に命中。それでも、遥華は倒れない。
「そろそろ……効いてくると思いますが……!」
 再度のマジックアローがゾンビに命中。すると、ゾンビはその場に膝を付いた。命中したのは足。遥華の狙い通りの効果が得られたようだ。だが、この程度で完全に倒れ込むほど柔ではない。片膝を付きながらもゾンビは顔を上げ……
「……消えなさい。Rest in peace」
 十字を切る遥華により、頭上から止めのマジックアローを突き刺された。
 残り2体は真司が抑えている。デルタレイはゾンビに効果的なダメージを与えているようだ。だが、敵も射撃戦では不利と判断したのだろう。口を閉じ接近に専念。距離をとりながら機導術で対応していたが、じきに追いつかれるだろう。
「強化ゾンビだろうが何だろうが、纏めて燃え尽きやがれ!」
 だが、それをさせまいと真司はファイアスローワーを使用。デルタレイに劣らずゾンビに効果的な機導術。それらが2体のゾンビを焼き、ダメージによってその歩みが止まる。
 もう一発くらわせて止めを刺そうと敵を見据える。だが、その機会は訪れなかった。
「これで終わりですよ」
 チャージングを使用して突っ込んだマッシュが1体の首を刎ね、もう1体を遥華がマジックアローで仕留めた。
「……もしかして、無用な手助けだったでしょうか」
「いや、助かった……これで敵は殲滅できたな」
 遥華に礼を言う真司。周辺に敵影はなし。この戦場でも、ハンターたちは勝利した。


 3つ目、戦場C。この戦場にいるゾンビは計20体。それぞれが5体ずつの小集団に分かれている。
「真正面から突っ込む」
「了解。それじゃ行くとしよう」
 ウィンス・デイランダール(ka0039)、アーサー・ホーガン(ka0471)がともに進軍を開始した。両者とも守りの構えを使用して防御能力を高め、左右両端を別々に目指す。
「多いなぁ……正面から踏み込むだけだと被害デカいかな……」
「そりゃそうだ。じゃあどうするレベッカちゃん」
「裏取るわ。正面の方はヨロシクっ!」
 余裕あり気に煙草を吸う鵤(ka3319)にそう言うと、レベッカ・アマデーオ(ka1963)は横方向から迂回していく。敵の正面にはコンテナの残骸を利用したバリケードが備えられている。ただそれは正面に対する防御のみを考慮したのもの。
(それなら側面からの攻撃には弱いはずよね。奇襲の効果は高いはずよ)
「……尤も、敵もそう簡単に接近させてくれるはずは無いけどねぇ……」
 レベッカと同じことを考えながら、鵤は煙草を地面に落とし、火を消した。
 接近する二人にゾンビたちからの銃撃。それをウィンスは不規則な動きで回避と移動を並行して行う。だが躱し、受け損なった銃弾が太ももあたりを撃ち抜く。ガクリと膝が落ちそうになるが、なんとかこらえ前進していく。
(そもそも銃って奴は気に入らねぇ)
 弾を込め、引き金を引く。それだけで剣より速く重く敵を穿つことが出来る武器。それが気に入らない。ならば、自身はそれより速く、重く……真正面から打ち破る。自分ならそれが出来ると、ウィンスは前へ前へと進んでいく。
「ちっ、余計なプレゼント寄越しやがって……大体クリスマスはもう終わっちまってるぜ」
 アーサーの方も守りの構えによりなんとか躱し、受け止める。被弾が少ないわけではないが、なんとか持ちこたえられそうだ。
「さぁて、ほんじゃまおっさんは後ろで適当する係ですからぁ?」
 そう言った鵤は、ウィンスに防性強化を使用。
「おたくらは死ぬ気でがんばってねーん? あぁなるたけ避けないでくれると助かるねぇ。おっさんに当たっちまうからさぁ」
 飄々とそんなことを言ってのける鵤。本心なのか、そうでないのか……だが、どちらにせよ支援を行ってくれるのはありがたい。
 こうしてさらに2人は前進。だが、近づくにつれ当然相手の射撃精度も上がってくる。
「ぐ……」
 呻くウィンス。躱しそこなった弾丸がその身を撃ち抜く。急所に当たったようだ、運が悪い。
(向こうも結構喰らってるな……人の事は言えねぇが)
 その様子を見ていたアーサー。そちらに気を取られたか、こちらも一発、二発と受けに失敗する。
「ちょっとー、頑張ってって言ったでしょ? おっさん痛いの嫌なんだからさぁ」
 ここで鵤が二度目の防性強化。今度はアーサーに付与する。
 軽口をたたきながら、その視線を今度はレベッカに向ける。特に障害物がないため、迂回していくレベッカの動きは良く見えている。敵の方がどうかは知らないが、この分だと敵は一度狙いだしたら早々狙いは変えないようだ。れなら問題ないだろうと、鵤は悠然と歩みを進める。
「……随分待たせたな」
 銃弾の雨を掻い潜り、ついにウィンスとアーサーはバリケード手前までたどり着く。あとは纏めて叩き斬るのみ。
 ……だが、何事もこちらの思惑通りにいくとは限らない。
 バリケードを越えたところで一斉射撃がウィンスを襲う。
「ちっ、悪あがきしやがって……!」
 その銃撃を躱し、躱し、躱し、躱し……
(しまっ……!?)
 最後の一発を躱し切れず銃弾が頭部に直撃。兜にめり込んだ弾丸は頭蓋を撃ち抜くことはなかったが、それでもダメージを与えることに成功する。
 本来なら、それがどうしたと前進し敵を殲滅していたことだろう。だが、ウィンスはこの作戦に参加した時点ですでに大きなダメージがあった。
(くそ……銃……なんか……に…………)
 それ故攻撃に耐えきれず、バリケードにもたれるように意識を失うことになってしまった。
 これ幸いとゾンビたちがさらなる銃撃をウィンスに撃ち込んでいたらどうなっていたか分からない。だが、それは阻止される。
「待たせたわね!」
 側面から撃ち込まれる破壊エネルギー。レベッカのファイアスローワーだ。射角を計算し、ウィンスを巻き込まないように放たれた一射は一気にゾンビを焼く。
「……あれ、1体逃がしたか」
だがすぐにレベッカはデルタレイを撃ち込み、それも撃破する。
「さて、こっちも的当ては終わりだ。楽しかったか? ここからは……」
 その様子を横目にアーサーが薙ぎ払いを使用。
「据物斬りの時間だぜ」
 至近にいたゾンビたちが1撃で切り捨てられる。やはり耐久力は低そうだ。
 残された数体がそれでも諦めず銃撃。さらに側面からは別集団が銃撃。
「次はあっちか。やれやれ……」
 剣を盾に防御しながら、すでに目の前に残された敵たちをアーサーは見ていない。なぜなら……
「おっさんに無理させないで欲しいんだけどねぇ」
 鵤がデルタレイを使用していたのを確認していたからだ。高い位置に形成された三角形から降り注ぐ光がアーサーから逃れたゾンビを撃ち抜いた。
 そして、再度の防性強化をアーサーに使用。援護を受けたアーサーは次の集団に移動を開始する。残る集団は2つ。
 デルタレイで残りの敵を仕留めたレベッカ。だが、そこに銃撃。3発ほどが腹部に当たる。
「ぐっ……デカブツ相手の傷が治りきってないのが痛いなぁ……」
 遮蔽物に出来そうなのは先程倒した集団が使っていたバリケード。だが、角度的に隠れても当てようと思えば当てられそうだ。
 となれば、敵が撃つよりも速く動き、倒すしかない。
 それはアーサーも同じだ。守りの構えを取りつつも、先程と比べれば少ない弾雨を突き進み、出血しながらも敵集団に大剣を振るう。
 レベッカの方も射程まで接近するとファイアスローワーを使用。
「っ……ちょっとドジッたわね……」
 ほぼ同時に、銃弾を全身に受け倒れるレベッカ。だが、ゾンビの方も5体中4体が焼かれた。
「はいはい、それじゃ終わりにしましょうねぇ」
 残されたのは薙ぎ払いの範囲に逃れた1体と、レベッカが倒し損ねた1体。だが、それらも鵤がデルタレイを使用して始末した。
 こうして、戦場Cも他の戦場に比べ被害が大きかったものの、全ての敵を殲滅することに成功した。これで3つの戦場における全ての敵は殲滅された。作戦は大成功と言っていいだろう。

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重体一覧

参加者一覧

  • 魂の反逆
    ウィンス・デイランダール(ka0039
    人間(紅)|18才|男性|闘狩人
  • 戦地を駆ける鳥人間
    岩井崎 旭(ka0234
    人間(蒼)|20才|男性|霊闘士
  • 蒼き世界の守護者
    アーサー・ホーガン(ka0471
    人間(蒼)|27才|男性|闘狩人
  • 赤髪の勇士
    エヴァンス・カルヴィ(ka0639
    人間(紅)|29才|男性|闘狩人
  • オールラウンドプレイヤー
    柊 真司(ka0705
    人間(蒼)|20才|男性|機導師
  • 無明に咲きし熾火
    マッシュ・アクラシス(ka0771
    人間(紅)|26才|男性|闘狩人
  • 不屈の鬼神
    白神 霧華(ka0915
    人間(蒼)|17才|女性|闘狩人
  • 嵐影海光
    レベッカ・アマデーオ(ka1963
    人間(紅)|20才|女性|機導師
  • は た ら け
    鵤(ka3319
    人間(蒼)|44才|男性|機導師
  • 雷影の術士
    央崎 遥華(ka5644
    人間(蒼)|21才|女性|魔術師

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
レベッカ・アマデーオ(ka1963
人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2015/12/30 14:49:42
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/12/30 13:39:35