どらごんぶれすと炎の盾

マスター:馬車猪

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
締切
2014/08/15 12:00
完成日
2014/08/23 02:28

みんなの思い出

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オープニング

 赤い鱗に赤い翼。
 それになにより炎の息!
 遠方からそれを見かけた地元の貴族が、動員できる全ての兵を率いて出撃した。
 ドラゴンと出会うだけでも自慢話に出来るし、ドラゴンを騙るヴォイドを打ち砕くのも伝説の英雄っぽくて格好いい。
 が、そんな貴族達の思いは接触から1分以内に崩壊した。理由は2つ。1つは近くで見るとドラゴンに似ていなかったことで、もう1つは炎だ。
「領主様! 延焼が止まりません!」
 兵で囲んで叩く。ドラゴン風雑魔が火炎放射で反撃。
 良好な装備と訓練がほどこされた兵達はびくともしなかったが、夏の暑さで乾いた草木に燃え広がることになる。
「ドラゴン包囲班は消火班合流しろ。森が燃えたら復旧で今年の税収が吹き飛ぶぞ!」
 もしそうなると当然兵の給料など出ない。
 半泣きの領主が覚醒して1人で雑魔を防ぎ、血相を変えた兵士達が火災中の木々に砂をかけあるいは切り倒す。一応の消火が終わったときには、兵士は疲労と暑さで汗だくで領主もずたぼろだった。
「ああもうなんて面倒な」
 熱で赤くなった盾を捨てる。
 この領主は経験を積んだ覚醒者であり当然武装も高性能。兵士合計30名と一緒に頑張れば雑魔を倒せはするだろうが……。
「領主様! また炎が!」
 雑魔の攻撃をかわすと周囲の被害が大きすぎる。
「撤退、する。消してから一斉に下がるぞ」
 彼等は全力で消火活動をしてから元来た道を逃げ帰る。
 その日のうちに、ハンターソサエティへ雑魔討伐の依頼が届くのだった。


 ハンターソサエティ本部に新たな依頼票が現れる。
 ど派手な彩りの、きらきら輝く3Dディスプレイ。何故か3頭身のドラゴンが胸を張っていた。
 その画像に重なるように多数の数字が表示される。
「報酬額の割に弱いな」
 ハンターの誰かがそういった瞬間、3頭身ドラゴンが炎を吐いてその周囲に新たな数字が舞う。
 非常に熱い。
 呼吸が困難になるほどではないが、暑さで体力を消耗し動きが鈍くなるほどには熱い。
 3Dディスプレイに新たな登場人物が現れる。
 貴族っぽい服装の怒ったおじさんが、財布から金貨を出して壁っぽいものを借りてくる。
 壁の周囲にも数字と文章が現れる。どうやら炎のマテリアルに偏った盾のようで、同じく炎に偏ったドラゴン風雑魔の攻撃を防いでくれるような気持ちになれる霊験あらたかな盾だ。
 というかこの盾か自前の盾で防がずに回避すると戦場が物理的に燃えかねない。
『炎マテリアルを持つ盾を用意した。あの畜生の炎を炎盾で受けて防げ。火災を回避するためなら盾も道も林も壊して構わん』
 領主の声は、雑魔に対する憎しみ一色に染まっていた。

リプレイ本文

「フェリアと言います。よろしくお願いしますね」
 装備は駆けだしハンターでも身についた気品は隠せない。
 フェリア(ka2870)の挨拶に、貴族の家臣達が見事な礼を返した。
「気合いが入ってますねー」
 コーデリア・カラーズ(ka2721)は挨拶をフェリアに任せたまま梱包を解く。
 赤いバックラーが艶やかに光る。
 実用品のくせに表面に施された彫刻は精緻。籠もった力に均一の炎属性マテリアル。これ1つで今回の報酬全員分になりそうだ。
「ハンター殿!」
 領主専属のコックらしき中年が弟子と共に大量の生肉を運んで来た。
 全身煤けた兵達が片手だけで5個以上のばけつを引っ提げ駆けてくる。
「予想以上にきついね」
 レオフォルド・バンディケッド(ka2431)が消防用バケツを2つ借りて生肉を詰め込んでいく。
 夏の日差しを浴びた肉は見た目も鮮度も悲惨な状況だ。つまり臭いがきつくなり野犬の餌としては最高の1品になる。
 ハンター達は慣れた動きで準備を調え街の外へ向かう
「何卒よろしくお願いいたします」
 その背中へ、執事以下の家臣団が深々と頭を下げていた。

●野犬との戦い
 街道が街門から真っ直ぐに伸びている。
 遠くに小さく見えるレッドドラゴンもどきは、実際の大きさより大きく見えた。
 特にそう感じているのは森から追い出された4頭の野犬たちだろう。
 並みの狼より強く大きな体を恐怖で震わせ、口からは泡に似た涎を垂れ流している。それだけ雑魔が恐ろしいのだ。
 ミスティ・メイフィールド(ka0782)が真横を駆け抜けるついでにマジックアローを浴びせ、その後振り返りもせずにドラゴンへ向かう。
「よ~し! こっちに来い!」
 レオフォルドがバケツを地面に倒す。
 中から奇妙に柔らかな肉が転げ出て、食欲を負の方向に刺激する臭いが漏れ出した。
 4つの犬頭が一斉に肉を向く。
「レオフォルド! 犬そっちいったぞ、頼む!」
 リケ・アルカトゥラ(ka1593)が肉入りの包みをレオフォルドの作った肉の山に投げ入れ、自分はドラゴンを食い止めるため野犬に背を向ける。レオフォルドを信頼するが故の行動だ。
「せめて一瞬だけでも美味い物食わせてやる!」
 レオフォルドが吼え野犬が激しく動き出す。追い詰められた精神がレオフォルドを肉を奪い合う相手と認識したらしい。
 野犬は弱者ではない。複数で囲めばハンターと戦うこともできる。しかし滅多に食えないご馳走と緊張感に欠けているように見える少年の組み合わせが、野生の知恵を曇らせた。
 1頭は速度を落として肉をくわえ、1頭は肉の山に頭を突っ込んで夢中で食べ始め、残る2頭が直線的な動きでレオフォルドの手首と喉を狙う。
 レオフォルドは剣に柄に手をかけたまま動かない。
 野犬の牙が彼の喉に触れる寸前、街道脇の茂みから拳銃弾が飛来し犬の側頭部にめり込んだ。
 レオフォルドが数センチだけ刃を剥き出しにし上体を少し前に倒す。
 手首を狙った野犬の牙が太い刃に砕かれる。頭部の衝撃で意識を失った野犬がフリューテッドアーマーにぶつかり跳ね飛ばされる。
「お前達も被害者だけど話が通じないなら……こうするしかないよな!」
 クレイモアを鞘から引き抜き振り下ろす。
 朦朧としていた犬が痛みを感じる間もなく頭部を砕かれる。
 刃が地面に触れる前に突きへ移行。もう1体の野犬が逃げるより速くその首を切断した。
「……雑魔の相手するから……よろしく」
 街道脇の茂みからゴシックドレスが現れる。
 全く汚れのないドレス姿のまま、姫凪 紫苑(ka0797)は重装の割にかなりの高速で雑魔へ駆ける。
 肉まみれの野犬が気付いて紫苑の背中目がけて飛びかかろうとして、紫苑が仕掛けていた杭を踏み抜き悲鳴をあげる。
「援護に行けるか?」
 レオフォルドが振り下ろす。
 同族を2頭も屠られたことで野犬が本来の判断力を取り戻して直撃を避ける。レオフォルドの勝ちは確実だ。しかし勝つまでに必要な時間は分からなかった。

●炎と雑魔
 赤い壁が等速で迫る。
 ドラゴンに似ていないともいいきれない雑魔が、爬虫類型風の口から火炎を放射する。
 竜潜 神楽(ka1498)の眉がゆるりと動く。
 この雑魔の意外な愛嬌に気付いたのだ。中身は生物の敵対者だが外見だけはそう悪くはない。
「躾がなってませんね?」
 愛嬌に気付いても行動は変わらない。分厚い炎属性スクエアシールドで火炎放射に耐えて距離を詰め、壁の端からデリンジャーを覗かせ引き金を引く。
 硬質な表面で銃弾がひしゃげ、乾いた地面にころがった。
 爬虫類型の顔が悪意で歪む。
「可愛くない」
 神楽はスクエアシールドで全身を隠したまま後退する。
 前がよく見えず攻撃も難しいけれども、足取りは雑魔の神経を逆なでするほど余裕に満ちている。
 大量の空気が雑魔の口へ吸い込まれ、その腹で可燃物と混ぜられ炎に変じる。
 地面と垂直に赤が伸びる。
 神楽が盾を持ったまま後退を続行。徐々に森から引き離されていることに、雑魔だけが気付いていなかった。
 夏なのにきつね色の葉が燃え上がる。火炎放射を直接浴びていない。直撃していないのに発火するほど温度が高いのだ。
 数秒で木全体が、十数秒で前後左右の木々が燃え上がりかねない状況で、無色の刃が枝ごと炎を切り落とす。落下の瞬間、大量の火の粉が戦場を彩った。
「なんて危ない」
 ミスティ・メイフィールドの額に冷や汗が浮かぶ。
 落下した炎は多少は湿気のある下草を熱して炎から白い煙に変わっている。これならすぐに大火事という展開は避けられるはずだ。
「ウォーターシュートに」
 マギスタッフに先端に水を集めて射出。
 雑魔の進路近くの乾いた下生えを根こそぎ吹き飛ばす。
「消火機能があれば」
 2度目の水球射出。雑魔の斜め後ろで発火しかけた枯れ草を可燃物のない場所へ吹き飛ばす。
 それでようやくミスティに気づいたドラゴンもどきが首を伸ばし、大きく息を吸って、吐いた。
 ミスティは避けきれないと判断して盾を構える。
 盾の表面で炎が踊り、その周囲の空気が熱せられて大きく動いた。
「これでもくらえっ」
 リケが残りの生肉を投げる。
 彼女の頭と同じ大きさの固まりが雑魔の口に突っ込み、炎で急速に加熱されて場違いな良いにおいをまき散らす。ドラゴンもどきが咳き込むように息を吐き、よく焼けた肉を地面に吐き捨てた。
「不味そう」
 目の前の雑魔に食欲があるようには見えない。しかし肉から何かが失われ、良いはずのにおいに魅力が感じられない気がする。
「まったくです。流石は偽者。美しくないですね」
 フェリアが大型盾を地面に突き刺しながら同意する、迫力、機能美、威厳に香りまで、目の前のドラゴンもどきは本物を冒涜している。
 紫苑に目配せ。熱で体力を消耗した紫苑にわずかではあるが休憩をとってもらい、フェリアは堂々とした態度で偽ドラゴンと向かい合う。
「私はフェリア=シュベールト=アウレオス。雑魔よ、本来有るべき場所へ戻りなさい!」
 極度の集中をした上でのマジックアロー。フェリアの生き方そのものに真っ直ぐに進み、雑魔の鼻を真横から撃ち抜いた。
 ぎろりと血走った目がフェリアを見る。
 フェリアが回避行動を開始するより炎の息の方が早い。
 盾が揺れ見る見る赤くなっていくが、彼女は逃げずに自己回復の術を使い耐える。
「ふふ♪」
 ご機嫌な足取りと笑みを浮かべたまま、フレアティラミス(ka0011)が雑魔との距離を0にする。
 もどきはフェリアの狙い通り、ファイアブレスに夢中になりすぎていた。
 フレアティラミスの瞳が強い光を放ち、軽く屈めば額同士がぶつかり合う至近距離で刀を突き入れる。
 雑魔の唇の端にあたる部分が避けて炎が漏れ出す。
 当然のようにフレアティラミスに降りかかり、しかし炎属性盾だけでは説明できないダメージにとどまる。
「もどきの癖に炎だけはあっついなー、もうっ!」
 彼女の美貌に浮かぶのは怒りではなく呆れ。
 雑魔が戸惑い攻撃の手をためらった瞬間に守りの構えを解除し、これまでとは次元の異なる斬撃を頬から首へ送り込む。
 炎の漏れが激しくなる。首についた傷からは不気味な粘液がこぼれる。
「あはっ♪]
 雑魔の牙と日本刀のつばぜりあい。
 血走った瞳に浮かんだ嗜虐の色とは対照的に、フレアティラミスは哀れな獲物を見下ろす視線を向けていた。
 紫苑が死角から迫る。
 音もなくとまではいかないものの、ハンターと雑魔の足音が入り乱れる戦場では目視しない限り気づけない。
 紫苑の細く長い指の間に魔法のように短剣が現れる。
 足、腰、背中、そして腕にマテリアルを流して刃を加速する。片刃が龍鱗もどきをすり抜け雑魔のうなじを深く抉った。
 雑魔の意識が紫苑に向く。フレアティラミスは攻撃に転じ一気に押し込む。
「ドラゴンの見かけでわたしを騙そうとしたからにはそれ相応に覚悟してねっ♪」
 片方の牙を折る。盾を突きつけて反撃の火炎放射をその場で食い止め、盾の裏からの一撃で雑魔の喉元を狙う。
 ドラゴンもどきは大きく体をそらして回避。動きに無駄が多すぎてバランスが崩れた。
 ハンター達はその隙を見逃さない。
「……狙いは……外さない……多分」
 紫苑はそんな台詞とは逆に神経の通った箇所を正確に狙う。
 ドラゴンもどきも最下級とはいえヴォイドの一種だ。体力を使い尽くす勢いで全身の筋肉を怒張させ紫苑の即死攻撃を防ぐ。
 防ぐとはいっても致命傷を避けただけで、肉の奥深くまで切られてしまっている。
 憎悪に燃えて紫苑へ炎を向ける。が、既に紫苑は位置を変え仲間のぶ厚い盾の後ろにいた。
「こっちを見ろ偽ドラゴン! もどき!!」
 リケがわざと騒ぎながら紫苑の反対側から雑魔に仕掛ける。囮であると同時に攻撃であり、雑魔の口から広がる炎を小型の盾で防ぎ、もどきの鼻を半分ほど切り飛ばした。
 熱さに耐え、足を止めずに後退。
 雑魔は怒り狂い手当たり次第に炎を撒き散らす。
「いい加減に」
 リケの反対側から今度はコーデリアが。仲間が龍鱗もどきにつけた穴にナイフを突き入れ、全身の力で押し込んだ。
 細い枯れ木が折れるのに似た感触がある。それが手のひらから伝わると同時に、危機感に突き動かされ真横へ跳んだ。
 これまでで最大最強の炎が溢れる。
 雑魔は奇怪な角度で頭を傾けたまま火を吐き続ける。頸骨と重要な神経が破壊されているのに動く速度は変わっていない。
 温度がさらに上昇。雑魔から20メートルは離れた木が自然発火した。
「限界ですっ」
 ミスティのウィンドスラッシュが幹を水平に切断する。
 何もない平地に転がった木が、まるでキャンプファイヤーか何かのように燃え上がる。
「私が抑えます」
 神楽が大盾と共に前に出る。
 飛び散る炎は盾で防げても強烈に熱せられた空気を防ぐことはできない。肉と骨が熱を持ち深刻なダメージが体内に積み重なる。重なるたびにマテリアルヒーリングで癒しはしても回復が間に合わない。
 紫苑が雑魔を切る。傷口から体液と炎が漏れて熱が撒き散らされる。
 雑魔は痛みを感じていないかのようにファイアブレスを放出、神楽が奥歯を噛みしめその場で耐える。
 フェリアが気力と体力を振り絞る。体内のマテリアルを束ねて矢に変え、不規則に体を揺らす雑魔の頭を射貫く。それでようやく、ドラゴンもどきの動きが鈍くなった。
「熱っ」
 コーデリアが瞬脚を使い雑魔に接近。短剣を両手で逆手に持ち、皆がつけた切り傷に差し込み根本まで埋める。
 そして、軽い体重と全身の力を刃に集中し、首から腰まで一息で切り下げた。
 脆くなっていた龍鱗もどきが砕け散る。
 上半身に退かれた線が最初はゆるりと、すぐに高速で広がり雑魔の中身がこぼれた。
 その瞬間、コーデリアか感じたのは嫌悪ではなく純粋な危機だった。
「火事っ、逃げてぇっ」
 雲がないのに日の光が弱まる。
 雑魔の傷口から光が溢れる。既に戦闘力を失って消滅途中なのに内側の炎が出口を求めて暴走する。
 ハンター全員が伏せてから半秒後、近くの都市全域に聞こえる爆音が鳴り響いた。


「それじゃー、頑張っていきますよー!」
 コーデリアは予め用意していた水入りバケツを無理矢理十数個抱え、対雑魔戦闘以上の気合を込めて駆けだした。
 水が揺れて溢れてコーデリアの体を濡らすが彼女は意識すらしない。
 雑魔が爆散した場所へ近づき、手当たり次第に中身を振りまいた。
 乾いた土が水を吸う音ではなく、水が高熱に晒され一瞬で蒸発する音ととにおいがした。
「木には罪はないけど、ごめんねっ」
 フレアティラミスが一見大袈裟な動きで斧を振るう。
 乾ききり全体から白煙をあげる大木が傾きそのまま街道へ倒れた。ちらりと見ると見事な年輪がある。真っ当に切り倒して加工すれば高値で売れただろうが、大規模火災直前の現状ではこうするしかない。
 討伐成功に気付いた街の人達が城門に集まり、猛烈な熱気に気付いて恐慌状態になりかかる。
「池から水を運んでください!」
 空のバケツを運びながらコーデリアが呼びかける。
「慌ててないで消火消火! 消火しない人もバケツと斧をあるだけ持ってきて!」
 呼びかけるリケの頭の上ではパルムが彼女の真似をしていた。
 まず兵士達が飛び出し、街の若い衆が続き、街の人々がバケツと斧を持ってその後に続く。
 騒ぎは夕方まで続き、消火ついでに切られた丸太の山が出荷用倉庫に運び込まれていった。


 街道も左右の林も綺麗なものだ。雑魔との激戦の痕跡は微かな焦げ臭さと街道の左右にある切り株のみ。
 領主はハンターを褒め称えて大量の料理と酒を放出し、街をあげたお祭りが始まっていた。
 そんな中、林の隅で作業を行う者達がいた。
「こんなものかな」
 レオフォルドがスコップを下ろす。
 彼等が掘った穴には森の生き物の亡骸が埋められている。その中には4頭の野犬が含まれていた。
「謝罪はしませんわ」
 ミスティがひざまずく。
 神楽とレオフォルドも彼女に倣う。同朋を守るために殺したことに後悔はない。でも、冥福を祈ることくらいはしたかった。
「うん」
 ミスティが立ち上がる。帰り支度をはじめようとして、借りていた盾がまだあるのに気付く。
 苛酷な戦闘で傷つき焼け焦げている箇所すらあるのに、風格は戦闘前より増していた。
「良い盾ですね、これは。何度も守って頂けましたし」
 神楽が盾の表面を撫でる。
 ハンター達は盾を返却して帰路につく。
 彼等が去った後、小さな墓標が静かに夕日に照らされていた。

依頼結果

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MVP一覧

  • ※ツンは割と剥がれます
    ミスティ・メイフィールドka0782
  • 消火マスター
    コーデリア・カラーズka2721

重体一覧

参加者一覧

  • ドラゴンモドキスレイヤー
    フレアティラミス(ka0011
    人間(紅)|15才|女性|闘狩人
  • ※ツンは割と剥がれます
    ミスティ・メイフィールド(ka0782
    エルフ|13才|女性|魔術師
  • 黒き殲滅者
    姫凪 紫苑(ka0797
    人間(蒼)|13才|女性|疾影士

  • 竜潜 神楽(ka1498
    エルフ|12才|女性|機導師
  • 笑顔を咲かせて
    リケ・アルカトゥラ(ka1593
    エルフ|13才|女性|霊闘士
  • 未来の騎士団長
    レオフォルド・バンディケッド(ka2431
    人間(紅)|16才|男性|闘狩人
  • 消火マスター
    コーデリア・カラーズ(ka2721
    人間(紅)|14才|女性|疾影士
  • 【Ⅲ】命と愛の重みを知る
    フェリア(ka2870
    人間(紅)|21才|女性|魔術師

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
フレアティラミス(ka0011
人間(クリムゾンウェスト)|15才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2014/08/15 03:34:31
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2014/08/10 21:08:54