ゲスト
(ka0000)
【節V】時間と、歪虚と、鬼ごっこ
マスター:DoLLer

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/02/12 09:00
- 完成日
- 2016/02/20 10:39
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
『突然だけど、今年のヴァレンタインデーを再開する!』
『『『な、なんだってー!!!』』』
●
カカオ減産、そして高騰に伴うチョコレートの供給危機を前に、ハンターズソサエティのショップ店員シルキー・アークライトが敗北し、ソサエティショップ史上初のチョコレート販売停止がなされた事は記憶に新しい。
アカシラが偶さかカカオ豆の原生地を知っていた事から、突如として執り行われることとなった【長江】への進撃は、破竹の勢いを見せた。実に百名を超えるハンター達による怒涛の侵攻に、現地の歪虚達は手も足も出なかった。結果として、ハンター達は東方の支配地域に食い込み、西方へのカカオの供給を回復させしめたのである。
東方での争乱は、西方へも確かな影響を与えていた。西方に溜めこまれていたたカカオ豆は値下がりを免れず、爆発的な勢いで在庫が掃きだされることとなったのだ。カカオ豆は徐々に適正価格に近付いて行き――ついに、チョコレートの流通が、回復したのである。
バレンタインデーというハートウォーミングでキャッチ―なイベントを前にして届いた朗報に、市井には喜びの声が溢れたという。
尤も、裏方は血の涙を流しているかもしれないのだが。
●
そう、これは裏方の血と汗と涙の物語。
「はい78000Gっ」
競り市場で一段高い場所に立っている男がそう言い放つと、ミネアは必死に挙げていた手を萎れさせた。
ここは食品競り市場。今行っているのはカカオの取引だ。ハンター達が多数の依頼で歪虚から奪還したカカオ豆はこうして商人たちが買って各地に卸すのだが、もはや去年とはまるで違う額になっており、ミネアはほとんど競り落とせずにいた。
「ダメだぁ……赤字覚悟とは思ってたけど、これじゃチョコで破産しちゃうよぉ」
ミネアが渡すのは主に帝国の地方農村なのだ。こんな高騰した価格を上乗せしたようなチョコなど誰も買ってくれない。
「でも……チョコ作るって約束しちゃったし」
別のカカオ豆の袋のセリが始まるが、また大幅に想定金額を超える金額が次々と上がる。
「……やるしかないか」
ミネアはぼそりと呟くと帽子を目深に被り直し、熱狂を続ける競り市場に背を向けた。そんな彼女に顔見知りの商人が声をかける。
「おーい、ミネアちゃん。どこに行くんだよ。チョコは今年はやめんのかい? これからゴールデンカカオの取引が始まるぜ」
「採りに行く」
「は?」
「あたし、カカオハンターになる!」
●
チョコを作るには豆を焙煎した後、皮をむいて砕き、砂糖を入れて長時間かけてすり潰さなければならない。そして裏ごしも丁寧にしなければ舌触りも全然違う。
これらを東方の長江まで馬車で出かけるとなると、とても時間が足りない。
だが、ミネアには秘密兵器があった。
「みんなで作ってくれたこの調理用馬車があれば、移動しながら作れる!」
ミネアの馬車に新しく作られたキッチンや窯が全て揃った特別な馬車。ミネアの為にと多くの人がプレゼントしてくれたものだった。
移動と調理を同時にできるなら、みんなにチョコを渡せる!!
ただ問題は一つ。
長江のカカオ豆を運ぼうとすると、カカオ豆で成長してるらしい珍妙奇天烈な歪虚達が襲い掛かって来ることであった。
「「お゛え゛え゛え゛え゛っ」」
歪虚がいるところにはそもそも近寄らなかったのだが、美味しいカカオを調理する匂いにつられただろうか。
そいつらは追いかけて来た。ムキムキな鳩胸歪虚。
大きさは20cm。
数は、無数。
馬車で逃げれば逃げる程、集まってきている気がする。
「こ、こ、怖くないもん! 絶対にチョコをみんなに渡すんだからぁぁァぁ」
荷馬車を追いかけ、短距離走選手のように全力疾走する無数の鳩胸歪虚達に涙目になりながらも、意地になってミネアはカカオをすり潰していた。
『突然だけど、今年のヴァレンタインデーを再開する!』
『『『な、なんだってー!!!』』』
●
カカオ減産、そして高騰に伴うチョコレートの供給危機を前に、ハンターズソサエティのショップ店員シルキー・アークライトが敗北し、ソサエティショップ史上初のチョコレート販売停止がなされた事は記憶に新しい。
アカシラが偶さかカカオ豆の原生地を知っていた事から、突如として執り行われることとなった【長江】への進撃は、破竹の勢いを見せた。実に百名を超えるハンター達による怒涛の侵攻に、現地の歪虚達は手も足も出なかった。結果として、ハンター達は東方の支配地域に食い込み、西方へのカカオの供給を回復させしめたのである。
東方での争乱は、西方へも確かな影響を与えていた。西方に溜めこまれていたたカカオ豆は値下がりを免れず、爆発的な勢いで在庫が掃きだされることとなったのだ。カカオ豆は徐々に適正価格に近付いて行き――ついに、チョコレートの流通が、回復したのである。
バレンタインデーというハートウォーミングでキャッチ―なイベントを前にして届いた朗報に、市井には喜びの声が溢れたという。
尤も、裏方は血の涙を流しているかもしれないのだが。
●
そう、これは裏方の血と汗と涙の物語。
「はい78000Gっ」
競り市場で一段高い場所に立っている男がそう言い放つと、ミネアは必死に挙げていた手を萎れさせた。
ここは食品競り市場。今行っているのはカカオの取引だ。ハンター達が多数の依頼で歪虚から奪還したカカオ豆はこうして商人たちが買って各地に卸すのだが、もはや去年とはまるで違う額になっており、ミネアはほとんど競り落とせずにいた。
「ダメだぁ……赤字覚悟とは思ってたけど、これじゃチョコで破産しちゃうよぉ」
ミネアが渡すのは主に帝国の地方農村なのだ。こんな高騰した価格を上乗せしたようなチョコなど誰も買ってくれない。
「でも……チョコ作るって約束しちゃったし」
別のカカオ豆の袋のセリが始まるが、また大幅に想定金額を超える金額が次々と上がる。
「……やるしかないか」
ミネアはぼそりと呟くと帽子を目深に被り直し、熱狂を続ける競り市場に背を向けた。そんな彼女に顔見知りの商人が声をかける。
「おーい、ミネアちゃん。どこに行くんだよ。チョコは今年はやめんのかい? これからゴールデンカカオの取引が始まるぜ」
「採りに行く」
「は?」
「あたし、カカオハンターになる!」
●
チョコを作るには豆を焙煎した後、皮をむいて砕き、砂糖を入れて長時間かけてすり潰さなければならない。そして裏ごしも丁寧にしなければ舌触りも全然違う。
これらを東方の長江まで馬車で出かけるとなると、とても時間が足りない。
だが、ミネアには秘密兵器があった。
「みんなで作ってくれたこの調理用馬車があれば、移動しながら作れる!」
ミネアの馬車に新しく作られたキッチンや窯が全て揃った特別な馬車。ミネアの為にと多くの人がプレゼントしてくれたものだった。
移動と調理を同時にできるなら、みんなにチョコを渡せる!!
ただ問題は一つ。
長江のカカオ豆を運ぼうとすると、カカオ豆で成長してるらしい珍妙奇天烈な歪虚達が襲い掛かって来ることであった。
「「お゛え゛え゛え゛え゛っ」」
歪虚がいるところにはそもそも近寄らなかったのだが、美味しいカカオを調理する匂いにつられただろうか。
そいつらは追いかけて来た。ムキムキな鳩胸歪虚。
大きさは20cm。
数は、無数。
馬車で逃げれば逃げる程、集まってきている気がする。
「こ、こ、怖くないもん! 絶対にチョコをみんなに渡すんだからぁぁァぁ」
荷馬車を追いかけ、短距離走選手のように全力疾走する無数の鳩胸歪虚達に涙目になりながらも、意地になってミネアはカカオをすり潰していた。
リプレイ本文
ぽっぽっぽー 鳩ぽっぽー
まーめが欲しいか ほら やるよー
みんなで仲良く
「ファイアボール!!!」
エステル・クレティエ(ka3783) の一撃で鳩は吹き飛んだ。
「今日の俺は触れたら火傷するぜっ」
藤堂研司(ka0569)は続いてフォールシュートで分断された塊を、ちゅどんちゅどんとまとめて撃破していく。火力は一切弱めることナシ!
「すごい。焼き鳥がいっぱいできてる」
火だるまになった鳩をグレイブでまとめて数匹貫いたナツキ(ka2481)は、それを掲げた。
匂いは良いかもしれない。
でも、キモい。つぶらな瞳がこっちを見ている気がしなくもない。
「お゛え゛え゛ぇぇぇぇぇ」
断末魔を上げつつ、どろっとしたヨダレ? を穂先からこぼす鳩をナツキはぶんっと振り投げて、後続の鳩にぶつけた。
カカオを原料に育った鳩のヨダレは溶けたチョコのようにねとねととし、鳩同士がぐっちゃかめっちゃかと絡まり、鳩団子になって後方へ消えていく。
「顔についた……」
「おいおい、大丈夫かァ」
シガレット=ウナギパイ(ka2884)はバイクを横並びにしてスピードを揃えると、手が届く位置までゆっくりと寄せると、胸から布を取り出しグレイブの穂先にひっかける。
「あんなキモい歪虚の汁なんてロクデモネェ。さっさと拭いちまいな」
「ん……ありがと」
あんまり返り血やら何やらを見るのは忍びないものだ。シガレットは自分の故郷と、それから悲憤に染まっていた頃の自分を映したある日の鏡をぼんやりと思い出していた。
「ちょっと思い出した」
「あァ? 何をだよ」
姉のこと。
と言おうとした瞬間。 シャーリーン・クリオール(ka0184)のアサルトライフルが火を吹いた。
「もう次が来てるよ!」
二人が後ろを振り向くが、あの大地を蹴る脚もつぶらな瞳も見えない。
「どこに……」
「鳩なんだから、空だって飛ぶでしょ」
そう。奴らは上からやってきていた。右足が落ちる前に左足を出す。そんな勢いで空を全力ダッシュ。
「お゛っ お゛っ お゛っ。お゛ほぇ゛ーーーーっ」
ムキムキ脚が天を覆う。
「見ちゃダメよ。見ちゃダメよ、見ちゃダメ、見ちゃダメ」
御者を務めていたリラ(ka5679)は落ちる影でその悪夢を見ていたが、絶対に振り向かないぞと手綱をひとすらに握りしめ道だけを見据えていた。
が、そんなのが肩に落ちてきたら仕方ない。
「きゃあああっ」
可愛い悲鳴を上げてリラは鳩の首根っこを掴んだ。
めきゃっとかいう音が鳩の首の骨あたりから響いた気がする。その証拠にうるさかった鳩はぷらーん。となったまま動かない。
「こんなの、鳩さんなんかじゃ絶対ありませんっ! 可愛くないですものっ」
と言ってリラはぺいっと鳩を真上に投げ飛ばした。
気がこめられたその一撃で鳩が鉄砲のようにすっ飛び、仲間の鳩にぶつかって爆発する。まさに飛ぶ鳥を落とす気功波。
「はぁ、怖かった……ミネアさん。大丈夫ですか?」
「大丈夫。エステルさん、もう一度ファイアボールをお願いしますっ」
ミネアはすり鉢をごりごり動かしながらも、合間に鉄鍋にカカオ豆を放り込んでエステルに視線を送った。
頼りにしてます、という気持ちと、それに絶対に応えて見せるねというエステルの強い頷き。
「燃え上がれっ ヲトメ心。 届け 愛のキッチンカー!!」
エステルの詠唱に合わせてワンドから生まれた炎は、すかさずミネアがカカオ豆入りの鉄鍋をかすめて焙煎させると共に、馬車の外に向かって爆炎を引き起こした。
「女って本気(マジ)にさせると怖ェ」
シガレットが討ち漏らした鳩を拳銃で数匹撃ちぬいた頃にはあれほどいた鳩ぽっぽは完全に消え失せた。
だが、ゆっくりしている暇はない。遠くからまたシュタタタタタと走って来る音が聞こえてくる。
「料理の邪魔をさせるわけにはいかない。真心と精魂込めているものを好きにはっ させないっ!」
研司はバイクのシートとハンドルに足をかけて立ち上がると、そのまま弓を大きく引き絞る。魅せ筋肉が今、誰もが惚れるアルテミスの胸(雄っぱい)に早変わりだ。
「ふきとべぇぇぇぇっ」
鳩第一陣。完全に沈黙!!
●
「おお、すごい。いい匂いしてきた。キッチンカーってやっぱいいなぁ。煮込み料理とか移動中にできるのは効果的だ!」
研司は馬車と並走しながらチョコが着々とできる様子に感心を示した。
「そんなっ。いつでもどこでもお料理される研ちゃんキッチン・ザ・テントもすごくいいと思いますっ。覚えてますか。ピースホライズンの芋料理コンテストの時、エウリィ君に差し出した料理の数々はとても手早くたくさんで。そして全部違う美味しさだったろ? っていう一言。もう感動しちゃって」
「おお、懐かしいなあ! 覚えてくれてたんだ」
「もっちろん。先日のお土産のクッキーとかも! 忙しくてあまりお話しできませんでしたけれど」
ミネアはそう言いつつ、ミルクバターを投入し、味を確かめつつ、砂糖を計量して、カカオのすり潰しては、隣のカカオ豆の皮むきをしていた。今も十分忙しい気がするが。料理に対してのひたむきな態度、そして目配り。そこに研司は自分とつながるなにかをふと感じた。
「絶対うまいもの作ろうな」
「そうです。ミネアさんのチョコレートがなければ始まらないんですからっ。私もチョコ、欲しいし」
リラから交代して御者を務めるエステルも研司の言葉に応じ、ナツキもそれに応じた。
「うん、味見ならしてあげる。がんばってる分、疲れるから甘いものが欲しくなる」
「まだ固まっていないけれど、ちょっと味見してみます?」
ヘラを取り換えてチョコをすくうとミネアはキッチンカーから体を伸ばしてナツキに渡した。グレイブを準備したままのバイク走行だからちょいと食べにくかったりもするが、ナツキはそれを口にいれた。
甘い幸せ。口いっぱいにみるみる間に溶け込んで、すぅっとなくなる様子はまるでチョコじゃないみたい。半眼のナツキの眼が一瞬トロンとした。
「すっごくおいしい。これ普通のチョコじゃないみたい」
「へぇ、そうなのかい? あたしも一口味見していい?」
「俺も俺も」
花が飛ぶナツキの様子に他のメンバーも興味津々。そこでリラがスプーンを用意して、ちょっとずつ全員にプレゼントして回る。
「ありがとう。へぇ、普通にチョコを作るのとはまた違った味わいだね」
「ああ、私も気になる……」
シャーリーンの感想を聞いて、御者当番中のエステルは眉をハの字に下げた。
いつ鳩ぽっぽが来るかわからないし、今は割とでこぼこ道が続く場所。手綱を細かくひかないとキッチンカーを揺らしてしまうかと思うと、スプーンすら受け取れない。気になるのに味見できないなんて。
「ううう」
どんよりするエステルにリラが御者台まで身体を乗り出すと、スプーンを差し出した。
「はい、エステルさん。あーん」
やった♪ エステルの頬が思わずふやけた。
「あーん♪」
リラとはもって顔だけ横を向けた瞬間。
目の前にムキムキの脚が見えた。
「おーぇ゛♪」
…… ……
飛んでいくスプーン。
嘴でキャッチする鳩ぽっぽ。まんまるおめめがにやりと笑った気がした。
「ああーーーーっ!!」
エステルはブチきれた。
断罪を問う心は氷の女王のごとき魔力となって吹き荒れ、真上にいた鳩ぽっぽを青蓮華地獄へ誘いバタバタと落下してきた。
「横からもだ。あいつら待ち伏せしてやがるゼェ」
シガレットは繁みから、よーいどんする鳩を見て叫んだ。後ろからだけでない。右からも左からも。
「割と頭イイじやねぇか!!」
シガレットはそう言いつつ、群れから若干はぐれた鳩をメインに銃撃を続けた。
「群れはまとめて頼んだァ」
「任せといてっ」
豆置き場の車体の上に登ったシャーリーンはアサルトライフルを小脇に抱えると、すぅっと息を吸い込み風を胸いっぱいに抱えた。頭の中に空の景色を思い浮かべ、髪が翼のようにはばたく。
そして跳躍。背を反らせて大きく弧を描きながら、シャーリーンは空の世界で弾丸を放った。群れに向かう銃弾は風の勢いを得て切り裂き、竜巻のようにして大地を埋め尽くす鳩を吹き飛ばした後、キッチンカーの屋根に着地する。
鳩は仲間の犠牲を経ながらもなんとか横に逃げて、後方からくる集団と集まりつつ、広く浅くといった感じで馬車を追いかけてくる。
「ぴぴー。……広がっての通行は、危険」
ナツキは一言ぼそりと呟くと、そのまま群れの中にバイクで突入する。
ぶちぶちぶちぃぃぃぃ、と羽のもげる音が延々響く。
「お゛え゛え゛え゛えええ!?」
鳩達がドン引きして再び固まった。誰か警察呼べよって話しているかもしれないが、残念ながらカカオ強盗団に警察を呼ぶ権利はない。
「しかしまァ、そのままにしても、殴っても、うるせェ奴らだな。耳にわりィ」
シガレットはほとほと呆れた顔をしつつも、馬車と群れとの間に颯爽と割り込むと、阿修羅の様なガンつけ、違った、眼光と共にディヴァインウィルを展開した。
あまりの怖さに走っていた鳩達は鳥肌を立て(元から鳥肌とか言わない)、その場で身をすくませた。
「へぇ、あれだけいた鳩がまとめて足を止めた。さすがだね」
「そっちもな」
シャーリーンがナイスファイト! と手で合図を送ると、シガレットも同じように合図を返した。
●
ある時は後ろから、ある時は前から。
左から横から上から。
今度は馬車の下からこんにちは。
「来 な い で!」
さようなら。
エステルにぶん殴られて鳩は幌の隙間からすっ飛んでいった。
「馬車の中から湧いて出てくるよぉ!!?」
リラが設置しておいたトランシーバーを使ってミネアがSOSを出す。
キッチンカーを走り回る鳩を見て、さすがに喉を詰まらせ料理どころではなくなるミネアの元にリラが大丈夫と声をかけると、ウルサイ鳩の鳴き声を一掃するくらいの元気な声でミネアに歌った。
スズランは冬はどうしているのかな
いないわけじゃない ただじっと待っているんだよ
春が過ぎて 桜花を謳歌する時も穏やかに
自分の咲く瞬間を待っている
あなたが今日まで歩いた道は明日の為に
咲こう 咲こう 咲かせよう
あなたの花を
「怖かったら、私が守ってあげます。悲しくなったらいっぱい歌ってあげますから。母もそうしてたくさん私に歌ってくれたんです」
リラの笑顔に思わず手を止めていたミネアもこくりと頷いた。料理の手に再び力がこもった。
「にしても、どうなってんだ!?」
研司がトランシーバー越しに馬車の中の大荒れの様子を聞いて困惑した。外はちょこちょこしかいないのに。
「地面から顔を出してる」
ナツキが姿勢を低くして馬車の下を覗き込むと、確かにモグラのように顔を出しては車輪の内側を全力ダッシュする鳩が見えた。ダッシュしてそのまま車輪の上まで走ると馬車内に潜り込んでいく。
あいつらもはやハムスター。鳥類ですらない。
「セイクリッドフラッシュではたき飛ばすか。もう力だいぶ使っちまったけどよォ」
「いや、その必要はない。マシンガンで吹き飛ばす!」
弓を使えないと覚悟してか、それをしまった研司は代わりにマシンガンを取り出し、そして馬車の上で射撃していたシャーリーンに声をかけた。
「ちょっとだけ操縦を頼まれてくれないか。バランスを維持したままできそうなのはシャーリーンさんしかいないんだ」
「そう言われると弱いなぁ。おっけぃ。任せて」
シャーリーンがふわりと研司の魔導バイクに降り立つと、研司は姿勢を地面すれすれまで寄せるとマシンガンを引き抜いた。
「視線が届く限り。猟撃士に撃てないものはない !」
針の眼を通すようにして、マシンガンが次々と鳩達を撃ちぬいていた。
そして研司は不自然な地面のうねりを確認すると、通り抜け際に予備の弾倉をうねりの中に押し込むとゆっくりと身体を上げるとマシンガンで馬車の鉄枠を狙って一発放った。
弾丸は鉄に弾かれ、そのまま研司とシャーリーンの頬をかすめて真後ろに流れていく。
埋め込んだ弾倉にそれはねじ込まれ。
大爆発が起きた。
「今日の俺は弾薬庫! 俺に触れたら、爆発するぜ?」
●
鳩の追撃も振り切り、街にたどり着いた一行は思わず歓声を上げた。
「というわけで、本当にありがとうございました。おかげさまでチョコが無事完成しましたっ」
ミネアは馬車に積んだ大きな箱の蓋を開けた。チョコの甘くいい香りが途端に広がる。
「良い香り。バッチリですね!」
「みなさんのおかげです!」
エステルの手を握りしめてミネアは嬉しそうに笑顔を見せた。これでたくさんの人にチョコのプレゼントができる。生きるだけで精いっぱいの帝国の地方の人も、ほんの少しの時間。互いを思いやれる時間をもってもらえる。
「それから、これ。私からのバレンタイン!」
「ありがとう。鳥型のチョコ。すごいね」
シャーリーンには旅鳥の形をしたチョコレート。さくらんぼを加えているのが特徴的。
「私のは……わぁ、お花!」
エステルには野の花の形のチョコレート。ふんわり香るのはきっと香草をいれているのかも。
「猫……かわいい」
ナツキには黒猫の形。首に金色のリボンがくくりつけられているのも食べられるのかな。
「わあ、音符の形。すごーい。五線譜までできてるなんて」
リラは五線譜に描かれたチョコに目を輝かせた。きっと歌の気持ち伝わったのがしみじみ分かる。
「ま、ありがたくもらうぜェ」
案の定。シガレットには煙草型チョコが入っていた。葉巻タイプで中からバーボンの匂いがする。
「ええー、いいな。俺のは何だろう」
研司はドキドキして箱を開けた途端固まった。
「あの、研司さんは、本当に悩んで……それが友達だって聞いたから……その」
昆布だった。色が似てるし、やたらにリアル。
でも違うんだ。昆布は、その、カラーバリエーションなんだ。
「身に着けられるチョコなんてサバイバルには、い、いいかも」
兄から事の次第をちょっと聞いていたエステルは視線を逸らしつつフォローを入れたのでった。
その後、帝国地方にも甘い香りが無事届けられることとなり、たくさんの笑顔が届いたよ。とハンターズソサエティに感謝のお手紙も届いた。
走りぬいてカカオ豆を守り、笑顔を届けた勇者たちに、敬礼!
まーめが欲しいか ほら やるよー
みんなで仲良く
「ファイアボール!!!」
エステル・クレティエ(ka3783) の一撃で鳩は吹き飛んだ。
「今日の俺は触れたら火傷するぜっ」
藤堂研司(ka0569)は続いてフォールシュートで分断された塊を、ちゅどんちゅどんとまとめて撃破していく。火力は一切弱めることナシ!
「すごい。焼き鳥がいっぱいできてる」
火だるまになった鳩をグレイブでまとめて数匹貫いたナツキ(ka2481)は、それを掲げた。
匂いは良いかもしれない。
でも、キモい。つぶらな瞳がこっちを見ている気がしなくもない。
「お゛え゛え゛ぇぇぇぇぇ」
断末魔を上げつつ、どろっとしたヨダレ? を穂先からこぼす鳩をナツキはぶんっと振り投げて、後続の鳩にぶつけた。
カカオを原料に育った鳩のヨダレは溶けたチョコのようにねとねととし、鳩同士がぐっちゃかめっちゃかと絡まり、鳩団子になって後方へ消えていく。
「顔についた……」
「おいおい、大丈夫かァ」
シガレット=ウナギパイ(ka2884)はバイクを横並びにしてスピードを揃えると、手が届く位置までゆっくりと寄せると、胸から布を取り出しグレイブの穂先にひっかける。
「あんなキモい歪虚の汁なんてロクデモネェ。さっさと拭いちまいな」
「ん……ありがと」
あんまり返り血やら何やらを見るのは忍びないものだ。シガレットは自分の故郷と、それから悲憤に染まっていた頃の自分を映したある日の鏡をぼんやりと思い出していた。
「ちょっと思い出した」
「あァ? 何をだよ」
姉のこと。
と言おうとした瞬間。 シャーリーン・クリオール(ka0184)のアサルトライフルが火を吹いた。
「もう次が来てるよ!」
二人が後ろを振り向くが、あの大地を蹴る脚もつぶらな瞳も見えない。
「どこに……」
「鳩なんだから、空だって飛ぶでしょ」
そう。奴らは上からやってきていた。右足が落ちる前に左足を出す。そんな勢いで空を全力ダッシュ。
「お゛っ お゛っ お゛っ。お゛ほぇ゛ーーーーっ」
ムキムキ脚が天を覆う。
「見ちゃダメよ。見ちゃダメよ、見ちゃダメ、見ちゃダメ」
御者を務めていたリラ(ka5679)は落ちる影でその悪夢を見ていたが、絶対に振り向かないぞと手綱をひとすらに握りしめ道だけを見据えていた。
が、そんなのが肩に落ちてきたら仕方ない。
「きゃあああっ」
可愛い悲鳴を上げてリラは鳩の首根っこを掴んだ。
めきゃっとかいう音が鳩の首の骨あたりから響いた気がする。その証拠にうるさかった鳩はぷらーん。となったまま動かない。
「こんなの、鳩さんなんかじゃ絶対ありませんっ! 可愛くないですものっ」
と言ってリラはぺいっと鳩を真上に投げ飛ばした。
気がこめられたその一撃で鳩が鉄砲のようにすっ飛び、仲間の鳩にぶつかって爆発する。まさに飛ぶ鳥を落とす気功波。
「はぁ、怖かった……ミネアさん。大丈夫ですか?」
「大丈夫。エステルさん、もう一度ファイアボールをお願いしますっ」
ミネアはすり鉢をごりごり動かしながらも、合間に鉄鍋にカカオ豆を放り込んでエステルに視線を送った。
頼りにしてます、という気持ちと、それに絶対に応えて見せるねというエステルの強い頷き。
「燃え上がれっ ヲトメ心。 届け 愛のキッチンカー!!」
エステルの詠唱に合わせてワンドから生まれた炎は、すかさずミネアがカカオ豆入りの鉄鍋をかすめて焙煎させると共に、馬車の外に向かって爆炎を引き起こした。
「女って本気(マジ)にさせると怖ェ」
シガレットが討ち漏らした鳩を拳銃で数匹撃ちぬいた頃にはあれほどいた鳩ぽっぽは完全に消え失せた。
だが、ゆっくりしている暇はない。遠くからまたシュタタタタタと走って来る音が聞こえてくる。
「料理の邪魔をさせるわけにはいかない。真心と精魂込めているものを好きにはっ させないっ!」
研司はバイクのシートとハンドルに足をかけて立ち上がると、そのまま弓を大きく引き絞る。魅せ筋肉が今、誰もが惚れるアルテミスの胸(雄っぱい)に早変わりだ。
「ふきとべぇぇぇぇっ」
鳩第一陣。完全に沈黙!!
●
「おお、すごい。いい匂いしてきた。キッチンカーってやっぱいいなぁ。煮込み料理とか移動中にできるのは効果的だ!」
研司は馬車と並走しながらチョコが着々とできる様子に感心を示した。
「そんなっ。いつでもどこでもお料理される研ちゃんキッチン・ザ・テントもすごくいいと思いますっ。覚えてますか。ピースホライズンの芋料理コンテストの時、エウリィ君に差し出した料理の数々はとても手早くたくさんで。そして全部違う美味しさだったろ? っていう一言。もう感動しちゃって」
「おお、懐かしいなあ! 覚えてくれてたんだ」
「もっちろん。先日のお土産のクッキーとかも! 忙しくてあまりお話しできませんでしたけれど」
ミネアはそう言いつつ、ミルクバターを投入し、味を確かめつつ、砂糖を計量して、カカオのすり潰しては、隣のカカオ豆の皮むきをしていた。今も十分忙しい気がするが。料理に対してのひたむきな態度、そして目配り。そこに研司は自分とつながるなにかをふと感じた。
「絶対うまいもの作ろうな」
「そうです。ミネアさんのチョコレートがなければ始まらないんですからっ。私もチョコ、欲しいし」
リラから交代して御者を務めるエステルも研司の言葉に応じ、ナツキもそれに応じた。
「うん、味見ならしてあげる。がんばってる分、疲れるから甘いものが欲しくなる」
「まだ固まっていないけれど、ちょっと味見してみます?」
ヘラを取り換えてチョコをすくうとミネアはキッチンカーから体を伸ばしてナツキに渡した。グレイブを準備したままのバイク走行だからちょいと食べにくかったりもするが、ナツキはそれを口にいれた。
甘い幸せ。口いっぱいにみるみる間に溶け込んで、すぅっとなくなる様子はまるでチョコじゃないみたい。半眼のナツキの眼が一瞬トロンとした。
「すっごくおいしい。これ普通のチョコじゃないみたい」
「へぇ、そうなのかい? あたしも一口味見していい?」
「俺も俺も」
花が飛ぶナツキの様子に他のメンバーも興味津々。そこでリラがスプーンを用意して、ちょっとずつ全員にプレゼントして回る。
「ありがとう。へぇ、普通にチョコを作るのとはまた違った味わいだね」
「ああ、私も気になる……」
シャーリーンの感想を聞いて、御者当番中のエステルは眉をハの字に下げた。
いつ鳩ぽっぽが来るかわからないし、今は割とでこぼこ道が続く場所。手綱を細かくひかないとキッチンカーを揺らしてしまうかと思うと、スプーンすら受け取れない。気になるのに味見できないなんて。
「ううう」
どんよりするエステルにリラが御者台まで身体を乗り出すと、スプーンを差し出した。
「はい、エステルさん。あーん」
やった♪ エステルの頬が思わずふやけた。
「あーん♪」
リラとはもって顔だけ横を向けた瞬間。
目の前にムキムキの脚が見えた。
「おーぇ゛♪」
…… ……
飛んでいくスプーン。
嘴でキャッチする鳩ぽっぽ。まんまるおめめがにやりと笑った気がした。
「ああーーーーっ!!」
エステルはブチきれた。
断罪を問う心は氷の女王のごとき魔力となって吹き荒れ、真上にいた鳩ぽっぽを青蓮華地獄へ誘いバタバタと落下してきた。
「横からもだ。あいつら待ち伏せしてやがるゼェ」
シガレットは繁みから、よーいどんする鳩を見て叫んだ。後ろからだけでない。右からも左からも。
「割と頭イイじやねぇか!!」
シガレットはそう言いつつ、群れから若干はぐれた鳩をメインに銃撃を続けた。
「群れはまとめて頼んだァ」
「任せといてっ」
豆置き場の車体の上に登ったシャーリーンはアサルトライフルを小脇に抱えると、すぅっと息を吸い込み風を胸いっぱいに抱えた。頭の中に空の景色を思い浮かべ、髪が翼のようにはばたく。
そして跳躍。背を反らせて大きく弧を描きながら、シャーリーンは空の世界で弾丸を放った。群れに向かう銃弾は風の勢いを得て切り裂き、竜巻のようにして大地を埋め尽くす鳩を吹き飛ばした後、キッチンカーの屋根に着地する。
鳩は仲間の犠牲を経ながらもなんとか横に逃げて、後方からくる集団と集まりつつ、広く浅くといった感じで馬車を追いかけてくる。
「ぴぴー。……広がっての通行は、危険」
ナツキは一言ぼそりと呟くと、そのまま群れの中にバイクで突入する。
ぶちぶちぶちぃぃぃぃ、と羽のもげる音が延々響く。
「お゛え゛え゛え゛えええ!?」
鳩達がドン引きして再び固まった。誰か警察呼べよって話しているかもしれないが、残念ながらカカオ強盗団に警察を呼ぶ権利はない。
「しかしまァ、そのままにしても、殴っても、うるせェ奴らだな。耳にわりィ」
シガレットはほとほと呆れた顔をしつつも、馬車と群れとの間に颯爽と割り込むと、阿修羅の様なガンつけ、違った、眼光と共にディヴァインウィルを展開した。
あまりの怖さに走っていた鳩達は鳥肌を立て(元から鳥肌とか言わない)、その場で身をすくませた。
「へぇ、あれだけいた鳩がまとめて足を止めた。さすがだね」
「そっちもな」
シャーリーンがナイスファイト! と手で合図を送ると、シガレットも同じように合図を返した。
●
ある時は後ろから、ある時は前から。
左から横から上から。
今度は馬車の下からこんにちは。
「来 な い で!」
さようなら。
エステルにぶん殴られて鳩は幌の隙間からすっ飛んでいった。
「馬車の中から湧いて出てくるよぉ!!?」
リラが設置しておいたトランシーバーを使ってミネアがSOSを出す。
キッチンカーを走り回る鳩を見て、さすがに喉を詰まらせ料理どころではなくなるミネアの元にリラが大丈夫と声をかけると、ウルサイ鳩の鳴き声を一掃するくらいの元気な声でミネアに歌った。
スズランは冬はどうしているのかな
いないわけじゃない ただじっと待っているんだよ
春が過ぎて 桜花を謳歌する時も穏やかに
自分の咲く瞬間を待っている
あなたが今日まで歩いた道は明日の為に
咲こう 咲こう 咲かせよう
あなたの花を
「怖かったら、私が守ってあげます。悲しくなったらいっぱい歌ってあげますから。母もそうしてたくさん私に歌ってくれたんです」
リラの笑顔に思わず手を止めていたミネアもこくりと頷いた。料理の手に再び力がこもった。
「にしても、どうなってんだ!?」
研司がトランシーバー越しに馬車の中の大荒れの様子を聞いて困惑した。外はちょこちょこしかいないのに。
「地面から顔を出してる」
ナツキが姿勢を低くして馬車の下を覗き込むと、確かにモグラのように顔を出しては車輪の内側を全力ダッシュする鳩が見えた。ダッシュしてそのまま車輪の上まで走ると馬車内に潜り込んでいく。
あいつらもはやハムスター。鳥類ですらない。
「セイクリッドフラッシュではたき飛ばすか。もう力だいぶ使っちまったけどよォ」
「いや、その必要はない。マシンガンで吹き飛ばす!」
弓を使えないと覚悟してか、それをしまった研司は代わりにマシンガンを取り出し、そして馬車の上で射撃していたシャーリーンに声をかけた。
「ちょっとだけ操縦を頼まれてくれないか。バランスを維持したままできそうなのはシャーリーンさんしかいないんだ」
「そう言われると弱いなぁ。おっけぃ。任せて」
シャーリーンがふわりと研司の魔導バイクに降り立つと、研司は姿勢を地面すれすれまで寄せるとマシンガンを引き抜いた。
「視線が届く限り。猟撃士に撃てないものはない !」
針の眼を通すようにして、マシンガンが次々と鳩達を撃ちぬいていた。
そして研司は不自然な地面のうねりを確認すると、通り抜け際に予備の弾倉をうねりの中に押し込むとゆっくりと身体を上げるとマシンガンで馬車の鉄枠を狙って一発放った。
弾丸は鉄に弾かれ、そのまま研司とシャーリーンの頬をかすめて真後ろに流れていく。
埋め込んだ弾倉にそれはねじ込まれ。
大爆発が起きた。
「今日の俺は弾薬庫! 俺に触れたら、爆発するぜ?」
●
鳩の追撃も振り切り、街にたどり着いた一行は思わず歓声を上げた。
「というわけで、本当にありがとうございました。おかげさまでチョコが無事完成しましたっ」
ミネアは馬車に積んだ大きな箱の蓋を開けた。チョコの甘くいい香りが途端に広がる。
「良い香り。バッチリですね!」
「みなさんのおかげです!」
エステルの手を握りしめてミネアは嬉しそうに笑顔を見せた。これでたくさんの人にチョコのプレゼントができる。生きるだけで精いっぱいの帝国の地方の人も、ほんの少しの時間。互いを思いやれる時間をもってもらえる。
「それから、これ。私からのバレンタイン!」
「ありがとう。鳥型のチョコ。すごいね」
シャーリーンには旅鳥の形をしたチョコレート。さくらんぼを加えているのが特徴的。
「私のは……わぁ、お花!」
エステルには野の花の形のチョコレート。ふんわり香るのはきっと香草をいれているのかも。
「猫……かわいい」
ナツキには黒猫の形。首に金色のリボンがくくりつけられているのも食べられるのかな。
「わあ、音符の形。すごーい。五線譜までできてるなんて」
リラは五線譜に描かれたチョコに目を輝かせた。きっと歌の気持ち伝わったのがしみじみ分かる。
「ま、ありがたくもらうぜェ」
案の定。シガレットには煙草型チョコが入っていた。葉巻タイプで中からバーボンの匂いがする。
「ええー、いいな。俺のは何だろう」
研司はドキドキして箱を開けた途端固まった。
「あの、研司さんは、本当に悩んで……それが友達だって聞いたから……その」
昆布だった。色が似てるし、やたらにリアル。
でも違うんだ。昆布は、その、カラーバリエーションなんだ。
「身に着けられるチョコなんてサバイバルには、い、いいかも」
兄から事の次第をちょっと聞いていたエステルは視線を逸らしつつフォローを入れたのでった。
その後、帝国地方にも甘い香りが無事届けられることとなり、たくさんの笑顔が届いたよ。とハンターズソサエティに感謝のお手紙も届いた。
走りぬいてカカオ豆を守り、笑顔を届けた勇者たちに、敬礼!
依頼結果
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依頼相談掲示板 | |||
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護り抜け(相談卓) シャーリーン・クリオール(ka0184) 人間(リアルブルー)|22才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2016/02/12 01:19:44 |
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教えて!ミネアさん エステル・クレティエ(ka3783) 人間(クリムゾンウェスト)|17才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2016/02/09 19:49:25 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/02/08 21:56:49 |