【節V】アイドルだって恋したい!

マスター:瑞木雫

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,500
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
締切
2016/02/21 19:00
完成日
2016/03/09 23:33

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出? もっと見る

オープニング



『突然だけど、今年のヴァレンタインデーを再開する!』
『『『な、なんだってー!!!』』』


 カカオ減産、そして高騰に伴うチョコレートの供給危機を前に、ハンターズソサエティのショップ店員シルキー・アークライトが敗北し、ソサエティショップ史上初のチョコレート販売停止がなされた事は記憶に新しい。
 アカシラが偶さかカカオ豆の原生地を知っていた事から、突如として執り行われることとなった【長江】への進撃は、破竹の勢いを見せた。実に百名を超えるハンター達による怒涛の侵攻に、現地の歪虚達は手も足も出なかった。結果として、ハンター達は東方の支配地域に食い込み、西方へのカカオの供給を回復させしめたのである。

 東方での争乱は、西方へも確かな影響を与えていた。西方に溜めこまれていたカカオ豆は値下がりを免れず、爆発的な勢いで在庫が掃きだされることとなったのだ。カカオ豆は徐々に適正価格に近付いて行き――ついに、チョコレートの流通が、回復したのである。

 バレンタインデーというハートウォーミングでキャッチーなイベントを前にして届いた朗報に、市井には喜びの声が溢れたという。
 尤も、裏方は血の涙を流しているかもしれないのだが。



「突然だけど、今年のヴァレンタインデーはアイドルをプロデュースします!」
「「「な、なんだってー!!!」」」



 チョコレートの供給危機を乗り越え、バレンタインデーの平和は守られたという情勢の最中。薔薇を愛するお嬢様ことロザリーナ・アナスタージ(kz0138)がアイドルをプロデュースするらしい……。

「コンセプトは『恋するアイドル』よ!
 アイドルって大体恋愛禁止って言うじゃない? でもいいの! バレンタイン限定アイドルだもの! それに恋する女の子は可愛いわ。恋に憧れる女の子もね! でしょう!?」
「さぁ……?」
 ヴァレーリオ(kz0138)は全然パッとしてないような表情を浮かべていたが、ロザリーナは気にせず続ける。

「……と言うわけで、私が手掛ける高級チョコレートブランド『Rosa Ciocco』のイメージキャラクターに、バレンタイン限定でアイドルを起用したいと思うのよ。狙うターゲット層は、アイドル好きな若者、恋に共感する女性達、かわいいヒロインが好きなお嬢さん達……とそのお母さまね!」
「ターゲット層広いな」
 そういうのってちゃんと絞っといた方が良いのではとヴァレーリオは提案するが、ロザリーナは気にせず話を進める。

「アイドル達には、バレンタインデーまでは宣伝活動を、当日には特設会場でミニLive+トークショーを行ってもらうの。あぁ……楽しみだわ♪」
「まあ、あんま羽目を外し過ぎねえようにな……」
 このお嬢様に言ったってしょうがねえけど……。
 とは思いつつ一応ちゃんと言っといたヴァレーリオは、大きな溜息を漏らしていた。


 ………という訳で、高級チョコレートブランド『Rosa Ciocco』のイメージキャラクターであり、バレンタイン限定のアイドル『恋しょこ』は結成する事となった。
 可愛いものが大好きなロザリーナがアイドルをプロデュースするとなると、本気で力を入れてくるだろうなぁっていうのはヴァレーリオも予測できていた事だが、実際に凄かった。

 ―――まずは、アイドル達の衣装。
 プリティーピンクの薔薇を沢山飾った、ふわふわで滑らかな触り心地の真っ白なミニ丈ドレス。デザイナーは有名な人物であるそうで、本当にオシャレで可愛い。
 テーマは『ときめく恋心』。ピュアな少女の純粋な気持ちが見事に可愛く、表現されている。

 ―――更に、LIVEの歌とダンスと演奏。
 恋しょこに歌とダンスを指導したのは、これまた実力のあるプロの歌手とダンサーだった。ミニLIVEで歌うのは『好きな人にチョコレートを作る乙女の気持ちをうたったポップス』と『甘い恋心をうたった可愛いバラード』の2曲を最高の形で歌えるように、熱心にレッスンを行っていたようだ。演奏も、プロの方々の生演奏でレッスンの時から一緒に頑張ってきた恋しょこの仲間である。

 ―――そして、チョコレート。
 元々高級チョコレートブランド『Rosa Ciocco』のイメージキャラクターとして結成された恋しょこだが、恋しょこをモチーフにしたチョコレートも新しく発売された。
 これがなんとも可愛らしく、恋が叶うペンダントを一緒につけて販売したところ、小さなお嬢さんに大人気の商品となっているらしい。

「まさかこんなに人気になるとは……恋しょこ………」
 なりゆきでマネージャーとなって全てを陰から見守ってきたヴァレーリオMgはぼそりと呟いた。
 バレンタインデーまでの宣伝活動の間にも、その人気ぶりは窺えていた。
『恋しょこって知ってる?』
『バレンタイン企画のアイドル達よね?』
『恋しょこ可愛い!』
『バレンタインデーにはLIVEやるらしいよ!』
 どうやら女性ファンが多いらしく、恋する乙女や恋に憧れる乙女の共感を得ているのだとか。
(こりゃ思ってたより人集まるかもなぁ)
 バレンタインデーのミニLIVE+トークショー……。
 一度もLIVEを行った事が無いアイドルたちのステージに人が集まるものなのかとヴァレーリオMgは不安に思っていたらしいが。
 どうやらその心配は無いだろう。
 ちょっと、ほっとしていた。

 ……が。

 当日には恋しょこの人気ぶりのそれが、焦りへと変わる。

(まじかよ……!)

 ライブ会場は超満員!
 っていうか人多すぎッ!

 ヴァレーリオMgは変な汗が止まらず、おそるおそる後ろを振り返った。
 すると、ロザリーナPが企むような妖しい笑みを浮かべている。

 ―――そう。力を入れていたのは、もう一つある。それは、『宣伝』だ。
 元々交友関係が広く、アクティブで、資産があるロザリーナが本気を出して、全力で世間に広めたのである。
 それが「恋しょこ可愛い! 恋しょこが気になる!」という状況に発展させていったのだ。

 因みに恋しょこ達も、まさかこんなに大勢のお客さんがやってくるとは思ってもみなかっただろう。

(この人数だと、緊張してんじゃねえか? フォロー入れといた方がいいよなぁ)

 ヴァレーリオMgはステージが始まる前に、楽屋で待機している恋しょこ達の様子をうかがうために向かうことにした……。

リプレイ本文

●恋しょこの楽屋
「あら、マネージャー。もう出番?」
 エミリオ・ブラックウェル(ka3840)がリラックスしているのを見て、ヴァレーリオMgは肩の力が抜けた。
(なんだ……案外緊張してねえのか)、――と。
 恋しょこLIVEは当初想定していた集客数を遥かに上回る大人気ぶりで、現在、会場は大勢のファンで埋め尽くされていた。可愛くて女の子の夢がいっぱい詰まった『恋しょこ』。ファンの期待は大きいようで、きっとこのステージに夢や憧れを抱いて集まってきてくれている。
 だからその分、ロザリーナPことロゼPのスカウトによって結成した8人のアイドル達へのプレッシャーは厚く不安だろうと考えていたが――。

(俺の杞憂だったみてぇだな)
 なんて安堵していた矢先だった。

 ――カタカタ。

「ん?」
 ヴァレーリオMgが音が鳴る方に視線を向けてみるなら、ソーサーに乗るティーカップの持ち手を央崎 遥華(ka5644)が摘んでいた。
「衣装汚さないようにしなきゃ……!」
 すると遥華は手が震えながらも前傾姿勢で紅茶を飲もうとしていて――
「遥華!?」
 緊張しているのがダイレクトに伝わってくる。
 よく見て見ると、恋しょこのメンバーは皆緊張しているようだった。
「大丈夫よ、みんな。練習は本番を裏切らないわ!」
 どうやら落ち着きすぎているエミリオが特例であるらしい。
「まぁ、私の場合こういうのは慣れてるのよね。そういう家系だった、と言ったところかしら」
 ――歌舞楽に親しんだ家系である為人前に立つ事は無抵抗なのだそうだ。「そういう事か……」と、ヴァレーリオMgが零すとエミリオはにこっと返す。
 それならば、と。気になってしまうミィナ・アレグトーリア(ka0317)の方を見てみると……。
「今迄頑張って来たんだし、大丈夫、大丈夫」
 全身鏡の前で衣装チェック中のようだが、その表情はとても硬いように見えた。
「本当に大丈夫か?」
 ヴァレーリオMgが声を掛けると、ミィナはこくこくこくこくと首を縦に振る。
「……大丈夫じゃねぇなぁ」
 男はそんな彼女の動揺ぶりを見てしまったら、緊張して怖がっているように思えてしまい放っとけなかった。誰かに優しく出来る様な器用さなんて無い筈なのに、手は彼女の頭へと伸びる。
 どうして自然と手が伸びて彼女を撫でようとしたのか……それは自分でさえ分からなかったが――その前に。俯いていたミィナが顔を上げた為、咄嗟に手を引っ込めた。その挙動をミィナは気付かなかったらしく頭上に「?」を浮かべていたが、
「ヴァレーリオさんどうしたのん? ……あ」
 ある事に気付いた。珍しく黒スーツを着込む彼が、V形の刺繍入り手編みマフラーを巻いている事に。
「マフラー着けてきてくれたん?」
「あ、あぁ……」
 気恥しくて顔を背けながら、男は頬を染める。
 ――気に入ってくれてるんだなぁと分かってミィナは少しほっとして。そそそっと隅へと移動した。
「う、うちはヘーキだから他の人見たげて?」
「あぁん? ……でもよ。……」
 すると男は黙ったがそれでも窺ってくるような不器用な眼差しが、ミィナにはちょっと嬉しかった。威圧的だし見た目は怖そうな彼だけれど、意外と心配性で、自分を気に掛けてくれている事が分かった気がして。
「本当に大丈夫なんよ」
「……」
 ミィナがほわん、と微笑むと男は眉根を下げた。そして大きく息を吐いた後「分かった」と、頷いた後――
「やめときゃよかった……やめときゃよかった……」
 と、呪文のように繰り返し呟いている大伴 鈴太郎(ka6016)の傍に向かった。
「おい、鈴。しっかりしろよ。昨日までは思いっきしアイドルやンぞって言ってたじゃねえか?」
「やめときゃよかった……」
「ほら、決め台詞とかも考えてたじゃん。なんだっけ?」
「ブっ飛んで~♪ 銀河の果てまでー! オラッ☆」
「そうそう、それ」
 フリに鈴太郎がノリで答えると、ヴァレーリオMgがにっと笑い、あははと笑い合うような和やかな雰囲気が一瞬流れたが――
「駄目だー……こんなに客来るなんて聞いてねーよ……」
「鈴……」
 すぐに項垂れて、凹んでしまう。
 昨日までの鈴太郎は『アイドルなんて夢みてー!』と思っていた。でも。
(衣装だってこんな可愛いの着ちまっていいンかって浮かれてたけどさ……)
「丈短ーよ! 脚丸出しじゃん! こんなンで踊れねーよぉ」
 本番直前となり不安が爆発しているのだ。
「皆オレなんかと違ってすっげー可愛いし……」
 そんなふうに弱気になっている刹那、
「何言ってるの! 鈴ちゃんも可愛いわよ!」
 ロゼPが突然にょきっと現れた!
「わぁ!?」
「プロデューサー?」
 鈴太郎は吃驚しつつ、七夜・真夕(ka3977)がロゼPを見つめながら瞬きをする。
「恋しょこの皆、準備は良いかしら?」
 どうやら本番の時間が近付き、迎えに来たようだ――。
「い、いよいよなんだ……」
 クレール(ka0586)は心臓が早鐘を打つようにどきどきしていた。
「やれそうか?」
 もう此処まで来てしまったら逃げる事は難しいが、ヴァレーリオMgは心配せずにはいられなかった。
 クレールは会場に大勢のファンが駆けつけてきてくれているのを目の当たりにしている。
 ――しかしそれでも意志は固く、強く頷くだろう。
「ちーちゃんと、みーちゃんとの友情の証が、勇気をくれるから……後は、練習の成果を見せるだけ! です!」
 ――3人の友情の証となる、お揃いのハートのダイヤ付指輪を通したネックレス。
 拠り所にするようにぎゅ、と指輪に手を当てて深呼吸。
 ミィリア(ka2689)も気合充填!
「大好きなお友達が、一緒に頑張って来た仲間がミィリアの勇気! 緊張はしてたけどもう大丈夫っ! でござる!」
 胸を張って、芯は真っすぐに強く、爛漫な笑顔を見せた。
 ハートのダイヤは、太陽のように輝き、花のように可憐な勇気を秘め、彼女達の友情を繋ぐ。
 そして柏木 千春(ka3061)も、クレールやミィリアを見て勇気を貰いつつ、ロゼPにぽつりと零した。
「スカウトされた時はびっくりしましたけれど、それでも嬉しかったんです」
(――恋をして、今まで見ていた世界ががらりと変わって、新しい世界では、辛いことも悲しいこともあったけれど。
 その世界には、たくさんの嬉しいがあって、想いの源からは、たくさんの幸せを貰っていて……だから、大切にしたいなって)
 千春の言葉を皆が聞き入る。
「私は、今日応援に来てくれた皆様にも恋をした気持ちを大切にして欲しいから。――その想いを、私達の歌で届けたいんです」
「千春ちゃん……」
 ロゼPは暫く息を飲み、そしてこの瞬間、とても嬉しかった。
 ――だから。
 そっと、千春の手を両手で包もうとして。
 目を細めながら、想いの丈を告げた。
「……私もね、貴女達に夢を見ている一人なの!」
 ――彼女達は最高のアイドルになる。彼女達を見付けた時の直感を信じていたロゼPは、今はっきりと言える。
「誰よりも輝いてね。今の貴女達を見て想うわ。恋しょこが貴女達だったから、皆が、憧れてるのよっ」
 素敵な魅力を輝かせる8人のアイドルを一人一人見つめ、想いを託すように。
 そして――
「……らしいわよ?」
 エミリオは弱気になっていた鈴太郎に手鏡を差し出した。
 鏡には、髪もセットして綺麗に化粧をして、正真正銘のアイドルな鈴太郎の顔が映る。
 鈴太郎は女らしくありたいと願う一方で、幼少の頃から自棄で男らしく振舞ってきたからこそ、女っぽい言動を恥ずかしいと想い抱いてしまう複雑な心境があるけれど――、でも、
(皆でガンバってきたモン台無しにだけはしたくねー……!)
 仲間を想う気持ちは強く、腹を決める!
(今はアイドル・大伴 鈴だ!!)
「気合入れて行っぞ、オラァ!」
 鈴太郎ではなく鈴として、ヤンキー娘の如く拳を握って自分に気合を入れまくると、仲間達は微笑んだ。
「巫女アイドルに、私はなるわ!」
 真夕も両手をぐっと握りつつ宣言する。命短し恋せよ乙女!
 ――大切な恋人の顔を思い浮かべ、胸の中で拠り所にするように。
「皆! 楽しく頑張りましょう!」
 遥華が自分や皆の緊張をほぐそうとテンションを上げ、
「よしっ! 頑張ろうっ!!」
 クレールも眩しい笑顔が弾ける。
「さあ、いっくぞー!!」
 ミィリアも明るく元気に拳を突き上げて―――恋しょこの想いは一体となる!
 遥華の提案で円陣を組む恋しょこ。
「れっつLovely? 恋しょこ!」
「「「おー!!」」」

「頑張れよ」
「大丈夫! 貴女達ならきっと!」
 ヴァレーリオMgの心配と、ロゼPの信頼と、スタッフ並びに関係者の応援、そして大勢のファンの期待を胸に――

「行ってきます!」

 彼女達は向かう、輝きのステージへ――!


●チョコレートローズの恋
 ――大会場は暗闇に包まれ、大勢のファンが手に持つコンサートライトの光だけが鮮やかに浮かぶ。ターコイズグリーンと、オレンジと、桜色と、ホワイトと、パープルと、レッドと、イエローと、ブルーと。恋しょこのイメージカラーが華やかに彩り、彼女達の登場を待ち侘びていた。
 
 そして、ふと。

 バイオリンの美しい音色が響きだすと会場が一斉に歓声が沸き起こった!
 低くて閑かな聴き心地の良い幻想的なクリスタルが鳴り、ローズ色の眩い光がゆっくりとステージを満たしていくと、ステージ上には薔薇ブーケを手に持つ8人のアイドルが立っている。

 歌うのは、『チョコレートローズの恋』。
 そのタイトルの通り、『甘い恋心を唄った恋しょこのバラード曲』だ。

 薔薇ブーケは『白』――千春は気持ちを整えて、
(さぁ、届けよう……)
 前奏の間に深呼吸し、煌めく眼差しで大勢のファンを見つめた。魅せよう、自分達の歌を!

(誰だって共感できる気持ちだと想うから、いっぱいいっぱい心を込めて届けられるように……!)
 ミィリアも歌に、気持ちを乗せて。
 ――薔薇ブーケの『桜』のように、皆を応援する春の花で在るように!

(憧れと、ほんのちょっとの不安と、沢山の希望……)
 クレールは、『オレンジ』の薔薇ブーケを緩く抱きしめながら仄かに頬を染めた。
(恋がしたい、私みたいな子への……ほんのちょっとの後押しのために)
 しっとりとした歌声は、恋に恋する乙女の想いを共感しながら詞に乗せて。

(そう。歪虚の脅威に晒された世界だけど、恋をする『今』を大事に――……誰かを想えばきっと希望を持っていられるから)
 サイドテールにリボンをつけて、『イエロー』の薔薇ブーケに抱える遥華にもファンの皆が伝えたい想いが沢山あった。その沢山を、心を込めて、そして皆の心に響くように唄う。

(恋ってまだよくわかんねーし、正直そーゆーの苦手だけど……)
 だが『青』の薔薇ブーケを抱く鈴は、恋をしている子や恋に憧れている子は凄く可愛いんだなってメンバーを見て知って、そしていつか、自分もそんなふうになりたいと素直に思ったから――……悔いが残らないよう、精一杯歌う。

 ――そして光は、まるで星の輝きのように瞬いた。

(貴女を想い、煌く星に願いを掛ける――)
 エミリオが囁くようなバリトンボイスで歌いながら、イメージするのは太陽の愛し子であるあの子。
『私はここよ、気が付いて 愛は空に輝く星灯り 私は今宵、星になる』
 エミリオの薔薇ブーケの『パープル』の色は優しく、まるであの子を守る星のように。

 チョコレートみたいなの、と唄うミィナは唇をちょんちょんとつつく。
『淡いターコイズグリーン』の薔薇ブーケを片手に抱きながら、微笑みを浮かべて。

 愛も恋も知る真夕は、『赤』の薔薇ブーケを大切そうに抱えながら歌った。
(恋に落ちて私は変わった。だから皆にも……)
 幼い頃から巫女である真夕は祝詞を詠む為鍛えられてきた、美しい声を歌詞に乗せて。
 そうして恋しょこは会場中のファンをチョコレートのように蕩けさせていきながら――

 曲が無事に完走すると、盛大な拍手と歓声で包まれ、ステージ上の8人のアイドルは眩しい笑顔を輝かせていた。

●ドキドキ☆トークショー!
「皆さ~ん、今日は集まってくれてありがとー♪」
 エミリオが手を振ると、きゃーっと盛り上がりコンサートライトが揺れた。
「みんなが来てくれて本当に嬉しいのん!」
 ミィナもファンからの声援に応えつつ手を振り、クレールへとバトンを繋ぐ。
「今回、素敵な仲間の皆さん……そしてファンの皆さんに囲まれて、本当に楽しくて幸せで……!」
 耐えず盛り上がり続ける会場で恋しょこ達は目一杯手を振り続けていた。

 此処から始まるのはトークショー。司会を担当するのはロゼPだ。

「恋愛対象は、女の子よ♪」
 ――男だと思った? と、悪戯っぽくエミリオは微笑み。
「もし浮気をされたら……雷で痺れてもらいます」
 ――遥華は、にこっと笑う。

 ドキドキ有、笑い有。
 そんな恋しょこのトークに、ファンの皆は感激。黄色い声は止む事無く耐えず、飛び交っている。

『クレールちゃん、ミィリアちゃん、千春ちゃんのネックレスはお揃いなのね』

「そうですね……! 前から仲良しだったちーちゃんとみーちゃんで、お揃いにしたんです! 友情の証でもあります」
 クレールが明るく答え、更に『ハートのダイヤにした理由』を問われたら――
「皆さんの……ハートが輝く祈りを込めて!」
 真っすぐな想いを打ち明け、「でも言葉にすると恥ずかしいですね」とはにかんだ。するとファンの皆に『くーちゃーん!』『みーちゃーん!』『ちーちゃーん!』と各方面から呼ばれ、三人は応えるように笑顔で手を振る。
 そうして話は、三人は仲良しね、という話題に。
「みーちゃんとくーちゃんとはプライベートでも仲良しで、よく一緒に遊びに行くんです」
 千春は頷きながら、笑顔で回答。
 ミィリアもえへっと笑いながら「大好きな親友でござる」、と。
 3人の仲睦まじいトークにファンの皆も大喜びだ。
 ――そしてそのまま話は弾んでいった結果、
「みーちゃんったら、”ござる”じゃなくて”ごそる”って言っちゃって……」
「あー!!」
 千春がぽろっとミィリアの話を零すと、会場に笑いが起きた。
「ちーちゃんひっどい! くーちゃんもそう思わない!? ……って、くーちゃんも笑ってるでござる……!」
 ミィリアは凄く恥ずかしかったけれど、ステージの上とは言えど親友との絡みはリラックス出来て逆に吹っ切れて。恋しょこの皆も、ファンの皆も和んでるからいいかなぁとも思いつつ、でもやっぱりちょっと恥ずかしい。

 そして今度は『皆の好きなタイプは?』――と言う質問が出され、会場は盛り上がる。

「好みのタイプ……飾らず自然体で優しい人かな」
 遥華はそう答えつつ、思い浮かべたのは小さい頃の懐かしい初恋の思い出――。

『因みに好きな人は居るの?』

「んー……恋じゃないけど、憧れている人はいますよ?」
 憧れがあるからその人に少しでも役に立ちたいなって思えます! と、続けて答えていたのだが。

『まぁ! 憧れの人……素敵ねぇ』
 ロゼPはうっとりする。恋ではないと遥華は云ったのに、まるで恋であるかのような反応を返し、ファンの皆もきゃあっと盛り上がっていた。

『ミィナちゃんは……』
 ロゼPはミィナにも質問を振ったが満面だった笑顔が、「あ!」と、少々複雑な顔に変化する。

「実は優しい人……かなぁ? 普段はそう見えんって所も含めてなのん」
「特定の人はいるの?」
 真夕が不意に質問すると、
「……はぅあ?! うにゃ、えっと、ぐ、具体的な人はその」
 ミィナはもごもごしながら俯きつつ、
(種族違うし、片想いだし……ん? 片想い?)
 自分でも混乱してきて、
「居る様な、居ない様な……?」
 と、零すとファンの皆から黄色い声が!
「相手がどう想ってくれてるんか分かる機械とかあるとええよね〜」
 そんなふうにファンに宛てて和やかなトークが続行されていく一方で――、

(アイツ好きな奴居たのか!?)
 陰から見守っていたヴァレーリオMgの胸はグサッと刺さっていた。何故刺さってしまったのかは、本人は分からない。

 そして次の番は、エミリオに。
「明るく元気で太陽のような笑顔の子ね。因みに絶賛片想い中よ」
 エミリオの回答には黄色い声の中に、悲鳴にも似た声が混じっていた。
 何故なら彼は男の娘。ついつい異性として見てしまう女の子も居る様だ。だが――
「例え私に好きな人が居ても、恋に迷うお嬢様方を出口へ連れ出す案内人である事に変わりないけれどね?」
 雰囲気をがらっと変えて、男らしく凛々しく、ファンに甘い声で囁くと、女の子達は一気に高揚感を煽られた。
 そして、『もし好きな人が別の男の子に取られたら?』という質問に、双眸を細める。
「彼女が選んだ男なら仕方ないわね……だって、私は彼女の笑顔を守ると心に誓ったから」
 ――彼女の涙が一番辛い。そうはっきりと答えが出ているエミリオの想いは永久不変だった。
「彼女が幸せなら、私は彼女を見守る星になる。常に彼女の進む道を照らす灯火になる」
 大好きな従妹を思い浮かべながら――
「なんてね。……ま、その前に彼女は私が射止めるけれど☆ ……あら?」
 気付くと、会場の様子がおかしい。
 どうやらじぃんとしすぎてしまったようである。
 エミリオはやっちゃったわねぇと内心思いつつ、会場の空気を戻す為に真夕へと訊ねた。

「真夕ちゃんは恋人がいるのよね?」
「そうね。私はリアルブルーの出身なんだけど、この地で出会った人と同棲中よ」

 真夕はファンから感嘆の声と憧れの眼差しを受けながら、微笑する。
 ――恋に落ちた瞬間は?
 ――恋人になった瞬間はどうだったの?
 恋しょこの仲間達から尋ねられ、当時の事を振り返りながら。

「出会った時から惹かれてた。でも最後まで悩んだわね」
「そうなんですか?」
 千春が首を傾げると、真夕は頷く。
「だって何もかもが違ったの。生まれた国どころか世界すら。それに、その人なら素敵な相手を見付けられると思ったし」

 ――だから。
「聞いたわ。自分の不安も躊躇いも全部話して、ぶつけて『私でいいの?』って」

 気付くと恋しょこもファンの皆も、どきどきしながら聞き入っていた。

「そしたら間髪入れずに言われたわ。『真夕がいい』って」

 そしてファンの皆はうっとりと想いを馳せた。
 ロマンチックな恋の話に、皆は憧れずには居られない。

「わぁ……、素敵だなぁ……」
 クレールも顔が真っ赤に染まっている。
「本当ね」
 遥華も頷く。
 するとクレールは、ぽそぽそと相談するように零した。
「恋……私は、一度だけ、小さな頃……格闘術教室の先生に、片想いをしてました……。
 病弱な身体を、今日のステージができるくらいに鍛えてくれた、先生に……。
 でも、狭い世界の中、幼心に感じたあれが恋だったのか……自分でもわからないんです。
 だから、広い世界を知って大人になった今……恋、したいなって」
 そんなふうに頬を火照らせていると、
「くーちゃん可愛い」
「可愛いね」
 ミィリアや千春が、ふふっと笑った。
「そ、そういう事じゃないんだってば……!」
 クレールはあたふたと動揺を始める。
 そんなクレールの様子を見た真夕は、目を細めた。
「恋をするのは素敵なことよ」
 ――そして会場の皆にも、メッセージを続ける。
「今はこんな状況だし、きっとこれからも色んな事があると思う。
 でも、あの人に会えた。
 心を通じ合わせられた。
 それだけで、例え今ここで世界が滅んでも、私は幸せだって言い切れる」
 ――勿論ハンターとして、世界が滅ぶなんて事には絶対にさせないけれど。と、付け足しながら。
 つまり伝えたかったのは『恋は、世界の色を変える』ということ。

「だから、皆。素敵な恋をしよう」

 頬を薄らと赤らめながら、心からの笑顔で云える――
 そんな真夕の言葉は、恋しょこの仲間と、ファンの皆の胸を深く打った。

 ――いつか恋がしたい。
 クレールの密かな想いは、心の奥で溢れ出していて。

 一方で、恋に焦がれていても、恋をするのは怖いと想うファンも、少なからず居るだろう。 
 ――そんな彼女達に向けて、ミィリアはエールを送る。
「恋……は、正直この年になるまでまともにしたことなかったし今もわからないことばっかりだけど……。
 それもまた、楽しいかなって!」
 満開に咲く花のように笑顔を浮かばせて。
「だって絶対に一人じゃあ出来ないものだし、その相手といろんなものにぶつかっていけたらいいなって。
 当たって砕け、な精神で! 不安な気持ちもいっぱいあるけれど、まずはそれをぶち破って第一歩!」
「みーちゃんカッコいい!」
 クレールと千春に褒められると、
「なーんて当のミィリア自身もまだまだ頑張らなくっちゃいけないのだけれど……」
 ミィリアはえへへとはにかんで。
「だから、もしあと一歩の勇気が欲しい皆がいるのなら…一緒に頑張ってみない?
 今日の恋しょこの歌も、きっと皆の勇気になるって思うから! 」
 誰より勇気を持って、皆に勇気を伝えて、

 ――桜爛漫!

 ミィリアの言葉を合図にするように、弾けるようなポップスが流れ出す。
 すると会場がワッと賑わい、盛り上がった。

「もうそんな時間!?」

 前奏の最中に遥華が言う。

 ――次の曲は陽気で晴れ晴れしく、前奏がとにかく長い。

『じゃあ最後に、鈴ちゃん答えましょうか!』

「えっ」

(トークってライブより緊張すンな……! でもやっぱり恋する女の子は素敵だなぁ……。
 あ、曲が流れた。よし、ガンバるぞ!)

 と、完全に油断していた鈴は、想わぬタイミングでロゼPに振られて動揺していた。

「えっと、ア、アタシの好きな食い……食べ物はハンバーグ……デス」

「鈴ちゃん鈴ちゃん、好きな食べ物じゃなくて好きなタイプを答えなくちゃ……!」

「ふぇ!」

 遥華がフォローすると、鈴は頭の中でパニックになっていた。
 もう2曲目は流れだしている。
 回答時間は限られており、それもあって、焦ってしまうのである。

 そんな鈴を恋しょこは応援した。

「す、す、好きなタイプ!? モ、モフっとしてヒゲなんかあって……」

「モフ……?」
「御髭の人が好きでござる?」
 真夕が首を傾げ、ミィリアが更に首を傾げた。

「お、お昼寝が好きで……ニャンって鳴きマス!」

「ニャン……!」
「ニャン!」
 その衝撃のワードに、クレールとミィナは思わず繰り返した。

「ねぇ、それって……」

 エミリオは気付く。

「もしかして……、」

 千春も気付いた。
 そして全員で、


「「「猫!!!」」」


 ツッコミを入れた直後に歌い出しのタイミングとなり、ファンの笑いと歓声とハイテンションで会場を満たし、最高の形で次の曲を繋ぐ――!

●スウィート☆バレンタイン!
 フィナーレを飾るのは、楽しくて華やかなポップス! 『スウィート☆バレンタイン!』。
 恋しょこの個性が沢山詰まった演出がポイントの、『好きな人にチョコレートを作る乙女の気持ちをうたったポップス』。恋しょこは、動くステージに乗って観客席の前を通過していく。因みにスピードは緩めなので、クレールも安心仕様である。

『イメージはカンペキなのに ドキドキがバレちゃいそう!』
 ミィナがコンセプトとなるフレーズを唄い胸元を抑えて隠すポーズをすると、盛大な紙吹雪!
 会場全体ににキラキラのハートが舞っている。
(恋愛、友愛、家族愛…大切な人達への想いを、チョコレートに込める女の子の想い! 身体いっぱいで!!)
 太陽娘のクレールが輝きのポップスを魅せファンに手を伸ばす振付をすると、オレンジのライトが観客席を駆けていき、桜の花びらを模したライトが重なった。
「皆も一緒にー!」
 小さな体で精一杯動いて楽しそうに弾むミィリアがファンに声を掛けると、『わーっ!』と掛け声が返ってくる。
 自分達を応援してくれるファンに感謝しつつ、
「皆も、頑張って踏み出そうよ!」
 チョコを準備するドキドキやそわそわの歌詞に、恋する気持ちを伝える勇気を促すアドリブを乗せた。すると会場は大いに盛り上がっていく。
 そんなアドリブに、千春も。
「――その想いは、とても素敵なものだから」
 会場のテンションを高めて高めて、そして”想いが伝わりますように”。
 舞をステップにアレンジして華やかなダンスでファンを魅了していた真夕も、恋をしたい女の子達が一歩踏み出していけるよなメッセージを込めて。
「皆も、世界が彩られていくような、恋を!」
 ――ファンの皆を応援する。
「まだチョコを渡してないなら、気合い入れて贈ろうっ!」
 ――鈴も、応援の喝を入れる!
「それでも意中の彼の元に渡すのが怖くて、恋に迷うなら……私が案内してあげる」
 そしてエミリオが蕩かせるような低音で囁いたら、悩殺される女子が続出した。

 恋しょこの輝きに惹かれ、憧れ、彼女達のメッセージを一つ一つファンは受け取っていってくれている。
 ――遥華はファンの様子を窺いながら実感して、なんだか嬉しくなっていた。
(お客さんが誰かに片想い中なら、ステージを通してその恋に勇気を持ってほしい!
 両想いの相手がいるなら、その人をもっと大事に想いたくなるようなステージにしたい!)
 そんなふうに目標を掲げ臨んだステージで、ファンの表情がキラキラと輝いてくれているから。

 ――そして千春は、心を込めて皆に伝えた。

「恋をした気持ち、大切にしてくださいね」

 ――想いを届け、皆の憧れとなって輝く。そんなロゼPとの約束を果たした千春がファンの皆の背中を後押しした瞬間、薔薇の花弁を模した造花が空から降り出した。8色の恋しょこカラーが、可憐に彩って、華やかに。
 これでお別れと想うと寂しいけれど千春の想いはファンの心に何より深く、刻まれている。

 ――最後の曲が終わった。
 盛大な拍手に包まれるけれど、ファンの寂しがるような声が沢山聴こえてきていた。
 恋しょこは『バレンタイン限定アイドル』の企画ユニットとして結成した――
 だから今日のライブをもって、活動は終わってしまうのである。

 中には、
 今日初めて恋しょこのファンになった子達も居れば、
 チョコレートの宣伝活動の時から追いかけてきてくれたファンの子達も居るだろう。

 皆が皆、色んな気持ちで惜しんでいるのだ。

「みんな、ありがとうなのん!」

 ミィナがお礼を言うと、鈴も続けてお礼を言った。

「ありがとな……」

 少し、泣きそうである。

「私達はいつも、貴女達の心の中に居るわ」

 悲しむファンにエミリオが慰め、

「素敵な恋、しようね……!」

 クレールはファンの皆と約束。

「そう、恋は素敵だから」

 胸に手を当て、大切な人を思い浮かべ、真夕は幸せそうな笑顔で云う。

「それから恋に悩んだ時は、私達のメッセージを想い出してね」

 遥華が皆に告げると、ミィリアはこくりと頷く。

「いつだって勇気を! 忘れないで」

 ――明るく元気な笑顔を綻ばせながら。

 ――そして。

「――また、お会いしましょう」

 千春が微笑みながらファンの皆に手を振った。
 すると恋しょこはファンの皆の温かい拍手に包まれ、最後は、仲間とファンと一緒に、皆で笑えた。

 8人が退場する為に歩むと、ファンから様々な声が溢れ出していた。
 ――その言葉は、どれも温かい。
 初めてでドキドキだった恋しょこのライブ。
 色んな思い出があって、
 皆が居たから此処まで頑張ってこれた。

 ――だから、こうして聴こえてくるファンからの沢山の声援を胸にしまいこみながら、恋しょこは最後の活動の幕をゆっくりと閉じていくのだった。

 ++
 +


『お疲れさまー!!』
『お疲れ様です!』
『お疲れさまっ!』

 喝采が鳴りやまぬステージから帰って来た恋しょこの皆を拍手で迎えたのはロゼPやスタッフや関係者一同。
 大成功の達成感を分かち合って抱き合う恋しょこ。そしてスタッフから恋しょこの皆、一人一人に、大きな花束を贈る。
「……お疲れ」
 ヴァレーリオPは相変わらずぶっきらぼうだが、目が少し赤い気がする。
「ありがとうなのん」
 ミィナは彼から受け取った薔薇の花束を抱きしめた。――両手に溢れんばかりの、白い薔薇を。

 花束のサプライズに鈴も、皆に愛され、支えられてきた――そのぬくもりを実感して思わず目が潤みだす。
(この機会くれたP、世話ンなったMg、一緒にガンバってきた皆、そんで応援してくれたヤツラ――)
「全部ひっくるめて恋しょこ最高だッ!」
 また泣きだしそうになる鈴太郎を、傍に居たミィナと真夕と遥華が支えて。
「また一緒にやりたいね! みんな大好きです!」
 遥華も胸いっぱいに溢れる想いの丈を言葉にしながら、きらきらと笑顔を輝かせた。

 ――皆が、応援してくれたファンの顔を想い浮かべながら。

「そうね、また皆と一緒にやりたいわね」
 真夕も頷き、ミィナも賛同するようににっこり笑う。
「またいつか再結成するのん!」
「はい。また一緒に…」
 そして千春も双眸を細めて呟いた。
 仲良しのクレールとミィリアと目を合わせると微笑みあい、
「やろう!」
「また皆で一緒に! ……で、ござる!」
 三人の友情のハートのダイヤを煌めかせて――。

 また再結成が出来たらいいね。
 そんなふうに語り合っていた。

 会場では恋しょこに贈る拍手が、この後も暫くずっと――耐える事無く、続いていたという。











●後日談
 ――そして。アイドルによる宣伝を行った『Rosa Ciocco』のチョコレートは爆発的な人気を誇り、恋しょこの人気は更に拍車をかけつつ、チョコレートの裏でひっそり、恋しょこグッズの一つ『ごそるTシャツ』も話題となっていた……というのはここだけの話。

 今年のバレンタインはもう終わってしまったけれど、ファンの皆は今でも――恋しょこの再結成を願い、その日を待っているそうだ。

依頼結果

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MVP一覧

  • 光あれ
    柏木 千春ka3061
  • 雷影の術士
    央崎 遥華ka5644
  • 友よいつまでも
    大伴 鈴太郎ka6016

重体一覧

参加者一覧

  • 幸せの魔法
    ミィナ・アレグトーリア(ka0317
    エルフ|17才|女性|魔術師
  • 明日も元気に!
    クレール・ディンセルフ(ka0586
    人間(紅)|23才|女性|機導師
  • 春霞桜花
    ミィリア(ka2689
    ドワーフ|12才|女性|闘狩人
  • 光あれ
    柏木 千春(ka3061
    人間(蒼)|17才|女性|聖導士
  • 愛しき陽の守護星
    エミリオ・ブラックウェル(ka3840
    エルフ|19才|男性|機導師
  • 轟雷の巫女
    七夜・真夕(ka3977
    人間(蒼)|17才|女性|魔術師
  • 雷影の術士
    央崎 遥華(ka5644
    人間(蒼)|21才|女性|魔術師
  • 友よいつまでも
    大伴 鈴太郎(ka6016
    人間(蒼)|22才|女性|格闘士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 【相談卓】恋しょこ楽屋裏
エミリオ・ブラックウェル(ka3840
エルフ|19才|男性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2016/02/20 17:50:35
アイコン 【PTピン相談】記念撮影2nd
央崎 遥華(ka5644
人間(リアルブルー)|21才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2019/03/04 21:14:33
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/02/20 11:26:36
アイコン 【PTピン相談】記念の写真撮影
柏木 千春(ka3061
人間(リアルブルー)|17才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2019/03/04 09:19:25