ゲスト
(ka0000)
【AP】My Name is LuNYA
マスター:楠々蛙

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 3日
- 締切
- 2016/04/04 15:00
- 完成日
- 2016/04/12 03:10
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
私は猫よ。にゃまえはルーにゃ。いえ、ルーにゃ……、んん、ルー……にゃ、もういいわ。私のにゃまえは、ルーにゃよ。にゃにかしら、にゃにか文句でもあるの? ──あらそ、にゃらいいのだけれど。
はにゃしを続けましょう。
知っての通り、私はとある三人組と一緒に旅をしているわ。ん? 知らにゃい? にゃんで旅をしているのか教えて欲しいの? 嫌よ、そんにゃ面倒にゃ事。猫は面倒にゃ事が嫌いにゃのよ、そんにゃ事も知らにゃいの? 無知は罪ではにゃく、恥よ。それくらいは知っていにゃさいにゃ。無恥こそ本当の罪にゃのだから。今、私良い事言ったわね。褒めても良いのよ? ──あら、嬉しい事を言ってくれるわね。まあ、それ程でもあるわ。
私のチャームポイント? そうね、全部上げ出したら切りがにゃいから、二つだけ上げるとするにゃら、毛にゃみと瞳かしら。
私は黒猫だけれど、少し紫色が掛かっているのよ。艶もあって、色気があるでしょう? これをにゃでたら、大抵の人間は顔が緩むわ。まあ、あの顔は悪くにゃいわね。にゃがめていると、ゾクゾクするわ。ただ、断りも入れず不躾に触ってくる人間には、この肉球で引っ叩いてやるわ。まあ、それでも幸せそうにゃ顔をする変わった人間も居るんだけどね。ん? 爪で引っ掻かにゃいのかって? そんにゃ事して私の爪に傷が付いたらどうするのよ。
もう一つの私の魅力は瞳。私の瞳の色は蒼。知的にゃ色でしょう? 夜闇に浮かぶ月に似たこの瞳が、私のにゃまえの由来ってわけね。
そんな私のアクセサリーは、首輪とリボン。
銀細工を施した紅革の首輪の後ろに、赤いリボンを蝶々結びにしてあるの。
この首輪を巡って、一騒動あったのだけれど、ここでその顛末を語るのは止めておくわ。知りたいのにゃら自分で調べにゃさいにゃ。
リボンはその騒動の後に貰ったものよ。実は最初は煩わしかったのだけれどね。考えてもご覧にゃさい、自分の首の後ろでフリフリ何かが揺れていたら、気ににゃって仕方がにゃいじゃにゃい? もうにゃれたけれどね。これが尻尾に付けられたりしたら、私も抵抗したでしょうね。
さて、今私は散歩中よ。新しい街に着いたら、こうして歩き回るのが私の習慣にゃの。ラウラの買い物に付き合いがてら散歩する事もあるのだけれど、今回は独り切りね。あの娘の買い物に付き合うと、荷物を持ってくれにゃいのかって言って来るのだけれど、この肉球で持てると思っているのかしら。無理に決まってるでしょうに。
猫の手も借りたいにゃんていう言葉が人間にはあるらしいけれど、無理にゃ相談よね。猫ににゃにを期待しているのよ。
あにゃた達人間は、猫から癒しを得ているのでしょう? これ以上にゃにを望むって言うの? これだから人間は。少しは現状に満足するっていう事を覚えてはどうかしら。
ところでラウラって誰かって? あにゃた質問しかしにゃいのね。聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥にゃんていう言葉もあるらしいけれど、どっちにしろ恥ずかしい事に変わりはにゃいのよ? 少しは自分で考えにゃさいにゃ。
──考えてもわからにゃいですって? 仕方にゃいわね。愚かにゃあにゃたの為に、少しだけ教えてあげる。今日は日和も良いし、私も気分が良いからね。特別よ? 感謝しにゃさいにゃ。
ラウラ。ラウラ=フアネーレ。彼女は私のご飯係、兼友人といった所かしら。ん? にゃんですって、飼い主の間違いじゃにゃいのかって言ったの、今。あらあら、とんだ高慢ね。人間って奴はこれだから始末に負えにゃいわ。まさかあにゃたも、この世で人間が一番高等にゃ生き物だと思っている口かしら。だとすれば、勘違いもはにゃはだしいわね。
じゃあ、にゃにが一番偉いのかって? まさかあにゃた、ここで私が猫って言うんだろうと決め付けてにゃいかしら? 生き物に上も下もあるわけがにゃいでしょう。あにゃた、食物連鎖も知らにゃいの? まったく、物知らずもここまで来ると感心しちゃうわ。
ああ、またはにゃしが逸れたわ。もう、勘弁して欲しいわね。
それで、ええと何処まではにゃしたかしら。……そう、ラウラは私のご飯係、兼友人よ。彼女の作る食事は中々よ、私の楽しみの一つと言って良いわね。
ラウラ本人は、そうね。取り敢えず良い娘よ──ちょっと月にゃみにゃ意見だったかしら。もう少し踏み込んだ事を言わせて貰うと、すにゃおにゃ娘よ。たまに意地っ張りににゃる事もあるけれど、そういう時も自分に非があると思ったらちゃんと謝れる娘ね。
過去が過去だからか普段はおとにゃびた言動が目立つけれど、不意に子供っぽくにゃったりするわ。本人はそれを気にしているみたいだけれど、私に言わせればまだ足りにゃいくらいよ。もう少し、人に甘える事を覚えた方が良いわね。
あと気ににゃるのは、少し異性との距離が近過ぎる事かしら。男を相手にした時の振舞いを心得ている気がするわ。偶に同性相手にもやってるわね。あの絶妙にゃいじさしさは、意図していにゃいからこそ発揮できるものにゃんでしょうけれど、あれを使いこにゃせるようににゃったら将来男を手玉に取りそうだわ。
あの娘の事だから、ちゃんと無意識に相手は選んでるでしょうけれど、変にゃ虫が付かにゃいか心配ね。そうね、そういう意味では、私にとってあの娘は妹みたいにゃものにゃのかしら。
こんにゃ所かしらね。
さて、もう良いかしら? 私は散歩の続きと洒落込むとするわね。こうやって歩いていると、良く人間が物を貢いでくれるのよ。勿論私は礼節を重んじる猫だから、お礼は忘れにゃいわよ。ちゃんと甘えてあげるわ。こんにゃに光栄にゃ事はにゃいでしょう?
それじゃあ、あにゃたも良い一日を。
はにゃしを続けましょう。
知っての通り、私はとある三人組と一緒に旅をしているわ。ん? 知らにゃい? にゃんで旅をしているのか教えて欲しいの? 嫌よ、そんにゃ面倒にゃ事。猫は面倒にゃ事が嫌いにゃのよ、そんにゃ事も知らにゃいの? 無知は罪ではにゃく、恥よ。それくらいは知っていにゃさいにゃ。無恥こそ本当の罪にゃのだから。今、私良い事言ったわね。褒めても良いのよ? ──あら、嬉しい事を言ってくれるわね。まあ、それ程でもあるわ。
私のチャームポイント? そうね、全部上げ出したら切りがにゃいから、二つだけ上げるとするにゃら、毛にゃみと瞳かしら。
私は黒猫だけれど、少し紫色が掛かっているのよ。艶もあって、色気があるでしょう? これをにゃでたら、大抵の人間は顔が緩むわ。まあ、あの顔は悪くにゃいわね。にゃがめていると、ゾクゾクするわ。ただ、断りも入れず不躾に触ってくる人間には、この肉球で引っ叩いてやるわ。まあ、それでも幸せそうにゃ顔をする変わった人間も居るんだけどね。ん? 爪で引っ掻かにゃいのかって? そんにゃ事して私の爪に傷が付いたらどうするのよ。
もう一つの私の魅力は瞳。私の瞳の色は蒼。知的にゃ色でしょう? 夜闇に浮かぶ月に似たこの瞳が、私のにゃまえの由来ってわけね。
そんな私のアクセサリーは、首輪とリボン。
銀細工を施した紅革の首輪の後ろに、赤いリボンを蝶々結びにしてあるの。
この首輪を巡って、一騒動あったのだけれど、ここでその顛末を語るのは止めておくわ。知りたいのにゃら自分で調べにゃさいにゃ。
リボンはその騒動の後に貰ったものよ。実は最初は煩わしかったのだけれどね。考えてもご覧にゃさい、自分の首の後ろでフリフリ何かが揺れていたら、気ににゃって仕方がにゃいじゃにゃい? もうにゃれたけれどね。これが尻尾に付けられたりしたら、私も抵抗したでしょうね。
さて、今私は散歩中よ。新しい街に着いたら、こうして歩き回るのが私の習慣にゃの。ラウラの買い物に付き合いがてら散歩する事もあるのだけれど、今回は独り切りね。あの娘の買い物に付き合うと、荷物を持ってくれにゃいのかって言って来るのだけれど、この肉球で持てると思っているのかしら。無理に決まってるでしょうに。
猫の手も借りたいにゃんていう言葉が人間にはあるらしいけれど、無理にゃ相談よね。猫ににゃにを期待しているのよ。
あにゃた達人間は、猫から癒しを得ているのでしょう? これ以上にゃにを望むって言うの? これだから人間は。少しは現状に満足するっていう事を覚えてはどうかしら。
ところでラウラって誰かって? あにゃた質問しかしにゃいのね。聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥にゃんていう言葉もあるらしいけれど、どっちにしろ恥ずかしい事に変わりはにゃいのよ? 少しは自分で考えにゃさいにゃ。
──考えてもわからにゃいですって? 仕方にゃいわね。愚かにゃあにゃたの為に、少しだけ教えてあげる。今日は日和も良いし、私も気分が良いからね。特別よ? 感謝しにゃさいにゃ。
ラウラ。ラウラ=フアネーレ。彼女は私のご飯係、兼友人といった所かしら。ん? にゃんですって、飼い主の間違いじゃにゃいのかって言ったの、今。あらあら、とんだ高慢ね。人間って奴はこれだから始末に負えにゃいわ。まさかあにゃたも、この世で人間が一番高等にゃ生き物だと思っている口かしら。だとすれば、勘違いもはにゃはだしいわね。
じゃあ、にゃにが一番偉いのかって? まさかあにゃた、ここで私が猫って言うんだろうと決め付けてにゃいかしら? 生き物に上も下もあるわけがにゃいでしょう。あにゃた、食物連鎖も知らにゃいの? まったく、物知らずもここまで来ると感心しちゃうわ。
ああ、またはにゃしが逸れたわ。もう、勘弁して欲しいわね。
それで、ええと何処まではにゃしたかしら。……そう、ラウラは私のご飯係、兼友人よ。彼女の作る食事は中々よ、私の楽しみの一つと言って良いわね。
ラウラ本人は、そうね。取り敢えず良い娘よ──ちょっと月にゃみにゃ意見だったかしら。もう少し踏み込んだ事を言わせて貰うと、すにゃおにゃ娘よ。たまに意地っ張りににゃる事もあるけれど、そういう時も自分に非があると思ったらちゃんと謝れる娘ね。
過去が過去だからか普段はおとにゃびた言動が目立つけれど、不意に子供っぽくにゃったりするわ。本人はそれを気にしているみたいだけれど、私に言わせればまだ足りにゃいくらいよ。もう少し、人に甘える事を覚えた方が良いわね。
あと気ににゃるのは、少し異性との距離が近過ぎる事かしら。男を相手にした時の振舞いを心得ている気がするわ。偶に同性相手にもやってるわね。あの絶妙にゃいじさしさは、意図していにゃいからこそ発揮できるものにゃんでしょうけれど、あれを使いこにゃせるようににゃったら将来男を手玉に取りそうだわ。
あの娘の事だから、ちゃんと無意識に相手は選んでるでしょうけれど、変にゃ虫が付かにゃいか心配ね。そうね、そういう意味では、私にとってあの娘は妹みたいにゃものにゃのかしら。
こんにゃ所かしらね。
さて、もう良いかしら? 私は散歩の続きと洒落込むとするわね。こうやって歩いていると、良く人間が物を貢いでくれるのよ。勿論私は礼節を重んじる猫だから、お礼は忘れにゃいわよ。ちゃんと甘えてあげるわ。こんにゃに光栄にゃ事はにゃいでしょう?
それじゃあ、あにゃたも良い一日を。
リプレイ本文
「お、偶然! ご無沙汰だね、御三方」
お昼ごろだったかしらね、私達に暑苦しい男が声を掛けて来たのは。にゃんなの、あの無駄にゃ筋肉は。
「あ、トードー! ほんとにお久し振り。元気にして──るみたいね」
「元気なのが取り柄なんでね。──そっか、ラウラさんはあの二人と一緒に居るんだね」
ふうん、ラウラ達とこの男は知り合いみたいね。
「おっと、この子は?」
「ああ、この子はね、トードと会った後、しばらくしてから一緒に旅するようになったのよ。名前はルーナ」
「そっか、俺は藤堂研司(ka0569)。よろしくね、ルーナさん」
あら、にゃかにゃか礼儀正しいじゃにゃい。よろしくね、トードー。
「ねえねえトードー、このトラ縞の子は?」
「ん? ああ、この子はね、桜って言うんだ。俺の可愛いペットの一匹さ」
「へえ、よろしくね、サクラ」
こちらこそよろしくお願いします、ラウラさん。ああ、やっぱりウチの研司と違って、良い匂いがしますね。ウチのはもう汗臭いったらにゃいですから。
……にゃんにゃの、あにゃたは。
あ、すいませんね、ルーにゃさん。お初にお目にかかります、桜と申します。ちょっとお邪魔させて貰いますよ。
「あ、そうだ。お昼ご飯まだかな? まだだったら、弁当作って来たから一緒にどうかな? いっぱい作ってあるからさ」
「そうね、じゃあお言葉に甘えさせて貰うわね。近くに公園でもないか探してみましょう」
一つ聞くけれど、あにゃたの飼い主の料理の腕はまともにゃんでしょうね?
はい、大丈夫ですよ、……たぶん。ほら、私まだ生きてますし。
ふ、不安だわ。
「あー! ルーにゃさま!」
お弁当を広げられる場所を探していた私達、というより私に黄色い声を浴びせたのは、これまた元気の良いおんにゃ子よ。
「あら、ディーナまで。……にゃ?」
「逢いたかったの、ルーにゃさま!」
もの凄い勢いで走り寄って来たから、前足を上げて制してあげたわよ。
「うにゃっ」
ぴたりと止まったわ。やっぱりこの娘は犬っぽいわね。
「ラウラさん、この子は?」
「ああ、トードーは知らないわよね。この子はディーナ・フェルミ(ka5843)、私の友達で、おねこ様教の信徒、かしら」
にゃんにゃのですか、この方は。
この娘は、ディーにゃ、……やっぱり上手くいかないわね。まあ良いわ。この娘はディーにゃ、ディーにゃ=フェルミ。私の可愛いしもべの一人よ。
「うう、ルーにゃさま、もう我慢できにゃいの」
あらあら、堪え性のにゃい事ね。まあ良いわ。ほら、私の肉球を堪能しにゃさいにゃ。
「あ、ありがとうございますにゃの。……ふにゃ~、ふにふににゃの~」
にゃんでディーにゃさんまで、にゃあにゃあ言ってるんですかね?
「うにゃっ、このトラ縞の子も可愛いの!」
今、気付いたんですね。
前だけしか見えてにゃさそうにゃ所があるからね、この娘は。──ああそうだ、良い事を思い付いたわ。あにゃた、ちょっと手を貸しにゃさい。
構いませんけど、にゃにをする気ですか?
肉球サンドよ。
「にゃうう、ほ、頬っぺたが、天に召されていくの……」
「や、やめなさいあなた達、ディーナがほんとに死んじゃうわ!」
「と、止めにゃいで、ラウラちゃん。もうこの世に未練はにゃいの……」
あらあら、効果覿面ね。
にゃに転がして遊んでるんですか?
ディーにゃからの貢物よ。ツにゃ缶って言うらしいわ。
「そんなにねこが好きなら、自分で飼おうとか思った事ないの?」
「もちろんあるけど、いつかちゃんとしたお家を建てるまでは、おあずけにゃの」
「ふうん、じゃあもう名前とか考えてあるんだ?」
「ううん、にゃまえはね、初対面の時にこれだって思ったものを付けてあげたいから。それにね、生まれたばかりの子じゃにゃきゃ、ダメにゃの。まだ誰からもにゃまえを貰っていにゃい子じゃにゃきゃ。だってもうにゃまえがあるのに、別のにゃまえを勝手に付けられたら嫌かもしれないでしょ?」
この娘も色々考えてるのね。考え過ぎだとは思うけれど。前に居着いていた街では、散歩先で会う人間に、色々にゃにゃまえを付けられたものよ。一々気にしていたら、切りがにゃいわ。
でもこのルーにゃというにゃまえはお気に入りだから、見当違いの気遣いではにゃいのかもね。
さて、お昼も済ませた事だし、そろそろお散歩に出掛けようかしら。
あのルーにゃさん、私もお供しても良いですか。
まあ構わにゃいわよ。じゃあ、付いて来にゃさいにゃ。
ふう、ようやく行かれましたにゃ。鈴太郎さん──小生の御主人である卯月 瑞花(ka6019)の御友人にして、居候の大伴 鈴太郎(ka6016)さんには困り果てたものですにゃ。いってきますの挨拶くらい、あっさりとして貰いたいものですにゃ。抱っこから降りたくて頬をタップしても、じゃれているものと勘違いする始末。勿論好意は有難いのですが、どうしてお見送りだけで、こうも疲れないといけないのですかにゃあ……。
あら、トラチ。どうしたの? 心なしか虎縞がくたびれてるわよ?
……そういうユキさんの純白の毛並みは、今日も綺麗ですにゃ。──どうしたも何も、いつもの事ですにゃ。
ご苦労な事ね。わざわざ見送りに行かなくたって良いじゃない。どうせ帰って来てから、無理矢理構われるんだから。
そうすると、鈴太郎さんが悲しそうな顔をされるではないですか。あの顔は、どうにも弱いですにゃ。そういえば以前、小生達の為にと干物を焼いてくださった事があったじゃないですか。
ああ、あったわね。あの炭になった干物でしょ? 骨までボロボロだったわね。
あれは流石に舌が受け付けませんでしたにゃ。あの時、代わりのツナ缶を開けている時の鈴太郎さんのしょんぼりとした顔、あれを思い出すだけで胸が痛みますにゃ。
あれは自業自得でしょ、あんなの食べられるわけないんだから。
またそういう事を言って、貴女が素っ気ない態度を取った後、落ち込まれた彼女を慰めるのがどんなに大変な事か、理解して貰いたいものですにゃ。
知らないわよ、そんなの。大体、私達が気を遣う必要なんて……まあ良いわ。それより、ご飯にしましょう。『家猫と言えど野生を忘れちゃダメです! 簡単に餌へあり付けると思わない事ですっ!』とかあの子は言っていたけど。
そう言えば、戸棚の上で何やらゴソゴソしていましたにゃ。
これくらいの高さは造作もないわ……って、何よこれ。ミルクがコップに注いであるじゃないの。何考えてるのよ、あの子は。──ん、むー、舌が届かない……! あと、もう少しなのに──あー、もうっ! ふみゅ!?
…………トラチ、トラチー?
どうされまし……あー、これは盛大にやりましたにゃ。
ち、違うの、これは事故なのよ。大体悪いのはアタシじゃなくて、後先考えていないあの子で──
わかりましたから、取り敢えず落ち着いて下さいにゃ。
……そうね、これくらいで動じるなんてアタシらしくない。起きてしまった事は仕方がないわ。対処法を考えましょう。
そうですにゃ。それで、何か良い案をお持ちで?
ずばり、甘えた感じで謝れば良いのよ。
成程、良い案ですにゃ。もしもユキさんが甘えれば、御二人ともイチコロですにゃ。
え? 何言ってるの、トラチが謝るに決まってるでしょ?
何で、小生が!?
アタシよりもトラチの方が適任じゃない。
納得いかないですにゃ、小生には何一つ非がないのに。
わかったわよ、じゃあ隣でアタシもフォローしてあげるから。
……わかりました、もうそれで良いですにゃ。……何でこの家には小生以外に勝手な人と猫しか居ないのでしょうか?
何か言った、トラチ。
何でもないですにゃ。
ふぅ、じゃあこれでこの件は解決ね。まったく、あの子と来たらろくな事をしないんだから。変な飼い主を持つと苦労するわね。……そう言えば、出会ったばかりの頃はいくら引っ掻いたり噛み付いたりしても、笑いながらアタシを離さなかったっけ。──クスッ、変なのは昔から変わらないのね。
……そう言う顔を、御二人の前で見せれば良いのですにゃあ。
何か言った、トラチ。
何でもないですにゃ。
おいお前達、何者だ?
私達ににゃにか用? 口説くにゃら、相手が違うんじゃにゃいかしら?
違う、何者だと聞いている。
まずは自分からにゃのるのが礼儀だと思うけれど?
む、それもそうだな。俺はシバ、見ての通り柴犬だ。
あらそ、私はルーにゃよ。
私は桜と申します。
そうか、それで一体何をしている。
見ての通り散歩中よ。聞かにゃきゃわからにゃいにの?
確認しただけだ。ここに用がないのなら、さっさと去れ。
にゃんだか、偉そうな方ですね。
犬ころにゃんて、大抵はこんにゃものよ。主人に媚びて、それ以外にふんぞり返るくらいしか能がにゃいんだから。大目に見てあげましょう。
おい待て、聞き捨てならんな、今の台詞。
あら、にゃにか気に障ったかしら、お犬さま?
俺をそこらの犬猫と一緒にするな。俺は主──ザレム・アズール(ka0878)様にとって単なるペットなどではなく、相棒と呼ぶべき存在なのだ。今も主の要人警護任務に協力している最中だ。
ただの散歩じゃにゃいんですか?
違う、警護対象の屋敷を警邏しているのだ。お前達のようなたかが愛玩動物などには、理解すら及ばんだろうがな。
むむ、ちょっと失礼過ぎませんか。
放っておきにゃさい、サクラ。このお犬さまはね、要するに嫉妬してるのよ。
なんだと?
嫉妬よ、嫉妬。居るのよね、人間に甘えて魅了する私のようにゃ生まれにゃがらの愛されキャラを、あいつはただ可愛いだけだからと軽蔑する手合いが。要するにそれって嫉妬の裏返しでしょ?
ふざけた事を言うな。軽蔑もなにも、事実ではないか。俺はお前達とは違う。主は俺を任務に同行させて下さる。たとえ相手が歪虚であってもだ。俺のこの優れた嗅覚が、任務の助けになると主が信頼して下さっている証拠だ。だがお前達は、ただ愛想良く振る舞っているだけだろう。
やれやれ、だから堅物は嫌にゃのよ。良い? あにゃたにとってその良く効くはにゃがそうであるように、私にとってはこの愛され体質が武器にゃの。どちらかに優劣があるものではにゃいわ。それにただ愛想よくしてるだけじゃ、猫としては二流。普段はお澄まし、愛想は小出し。これが鉄則よ。
にゃるほど。今度、研司で試してみましょう。
俺の鼻と、お前の愛想が同列だと? ふん、認められるか、そんなもの。
本当に堅物ね。まあ、あにゃたも偶には人間に甘えてみにゃさいにゃ。それじゃあ行きましょう、サクラ。
……ふん、気に食わん連中だ。
あ、ルーナ!
また犬ですね。シェパード、ですか? しかも今度はお知り合いみたいですね。
ああ、あにゃたはエリーの所の……、誰だったかしらね?
ひどいよ、忘れちゃったの!?
えーと、マッスルだったかしら?
マックスだよ、マックス!
ああ、そうそう、マックス。
もう、忘れないでよ。──ん? こっちの猫さんは?
どうも、桜と申します。えーと、同情しますよ。
ありがとう、サクラ。まあ仕方ないよ、ルーナはこういう猫だから。
良くわかっているじゃにゃい。あにゃたのそういう所は嫌いじゃないわよ?
僕、今褒められたの?
勿論よ、これからもそのままで居にゃさい。間違っても高慢ちきにゃ犬ころににゃっちゃダメよ?
うん、わかった。だから僕の名前忘れないでよ?
善処するわ。──ところであにゃた、カフェの前でにゃにしてるの?
レオンを待ってるんだ。今、この中に居るの。
レオン? 誰かしら、それ。
あ、えっとね、僕の飼い主──エリミネーター(ka5158)の事だよ。レオンっていうのが、本名なの。僕は元の名前の方が好きだな。なんたって、呼び易いからね!
私も良いにゃまえだと思うわよ。猫っぽいしね。
猫っぽい、かな?
レオンっていうのは、どういう人にゃんですか?
レオンはねえ、見た目はゴツイんだけど、家ではとっても優しいんだ! ただね、葉巻だけは止めてくれないの。僕、あの臭いは嫌いだな。
ああ、ウチにも二人愛煙家が居るから、気持ちはわかるわよ。
研司は吸わにゃいので、わかりませんね。──そう言えばマックスさんは、レオンさんのお仕事のお手伝いをしたりしないんですか?
するよ、いっぱいしちゃうよ! その為の訓練を受けたからね。最近ようやく慣れてきたところなんだ。サクラやルーナはどう? 今の暮らしをどう思ってるの?
そうですね、私は研司を真人間にできれば満足です。特に食生活の改善が目標です。でも、概ね楽しくやっていますよ。
私は不満にゃんてにゃいわよ。旅暮らしも悪くにゃいわ。私は縛られるのが嫌いだから。
そっか、僕も今楽しいよ。すごく楽しい!
良い心掛けね。犬も猫も人間も、充足を知る事が肝心。にゃんでもかんでも不満を口にしてたら、切りがにゃいものね。
僕、今褒められたの?
勿論よ。──さて、そろそろ私達はお暇するわね。
それではお元気で、マックスさん。
うん、またねー。
「──ここにもなかったか、ドーナッツは」
あ、レオン。えへへ、やっと出て来た。ほら、散歩の続きしようよ! ねえねえねえ!
「HAHA、そう慌てるなよ。仕方ないな、じゃあ走るか」
うん、競争だよ、競争! よーい、ドン!
おや、御二人が帰って来られたようですにゃ。それじゃあ行きますよ、ユキさん。
え? 何でアタシも行かないといけないの?
御自分がした事を忘れたのですか? フォローして頂けるのでしょう?
やれやれ、仕方ないわね。
「ただいまー、おお、出迎えてくれてありがとな、トラチ。って、ユキまで!? えっ、どうしたんだ、これは夢か!?」
「……怪しいですねー、もしかして何かやらかしましたか? ユキ」
ばれましたにゃ。
ぐ、侮れないわね、この子だけは。
「ただいま、シバ。俺が居ない間、何も異常はなかったか?」
ザレム様! はい、異常ありません。
「そうかそうか良くやった、シバ。偉いぞ」
はい、ザレム様。俺はちゃんと命令を全うしました。もっと撫でて下さい、もっと褒めて下さい!
「どうしたんだ、シバ。今日はいつもより甘えん坊だな?」
そ、そんな事はありません。
「まあ良いさ。じゃあ次の命令だ。──ほら、おいで」
はい! 了解です!
「お! お帰り、桜。散歩は楽しかったか?」
えーと、普段はお澄まし、愛想は小出し。でしたね。
「あ、あれ、無視? おーい桜さーん?」
でも良く考えたら、あまりいつもと変わりませんね。
「お帰りにゃさいにゃの、ルーにゃ様。……それであの、よろしければブラッシングをさせて貰えませんかにゃの!」
あらあら、準備が良いわね。良いわよ、御褒美に今日はとことん甘えてあげるわ。
お昼ごろだったかしらね、私達に暑苦しい男が声を掛けて来たのは。にゃんなの、あの無駄にゃ筋肉は。
「あ、トードー! ほんとにお久し振り。元気にして──るみたいね」
「元気なのが取り柄なんでね。──そっか、ラウラさんはあの二人と一緒に居るんだね」
ふうん、ラウラ達とこの男は知り合いみたいね。
「おっと、この子は?」
「ああ、この子はね、トードと会った後、しばらくしてから一緒に旅するようになったのよ。名前はルーナ」
「そっか、俺は藤堂研司(ka0569)。よろしくね、ルーナさん」
あら、にゃかにゃか礼儀正しいじゃにゃい。よろしくね、トードー。
「ねえねえトードー、このトラ縞の子は?」
「ん? ああ、この子はね、桜って言うんだ。俺の可愛いペットの一匹さ」
「へえ、よろしくね、サクラ」
こちらこそよろしくお願いします、ラウラさん。ああ、やっぱりウチの研司と違って、良い匂いがしますね。ウチのはもう汗臭いったらにゃいですから。
……にゃんにゃの、あにゃたは。
あ、すいませんね、ルーにゃさん。お初にお目にかかります、桜と申します。ちょっとお邪魔させて貰いますよ。
「あ、そうだ。お昼ご飯まだかな? まだだったら、弁当作って来たから一緒にどうかな? いっぱい作ってあるからさ」
「そうね、じゃあお言葉に甘えさせて貰うわね。近くに公園でもないか探してみましょう」
一つ聞くけれど、あにゃたの飼い主の料理の腕はまともにゃんでしょうね?
はい、大丈夫ですよ、……たぶん。ほら、私まだ生きてますし。
ふ、不安だわ。
「あー! ルーにゃさま!」
お弁当を広げられる場所を探していた私達、というより私に黄色い声を浴びせたのは、これまた元気の良いおんにゃ子よ。
「あら、ディーナまで。……にゃ?」
「逢いたかったの、ルーにゃさま!」
もの凄い勢いで走り寄って来たから、前足を上げて制してあげたわよ。
「うにゃっ」
ぴたりと止まったわ。やっぱりこの娘は犬っぽいわね。
「ラウラさん、この子は?」
「ああ、トードーは知らないわよね。この子はディーナ・フェルミ(ka5843)、私の友達で、おねこ様教の信徒、かしら」
にゃんにゃのですか、この方は。
この娘は、ディーにゃ、……やっぱり上手くいかないわね。まあ良いわ。この娘はディーにゃ、ディーにゃ=フェルミ。私の可愛いしもべの一人よ。
「うう、ルーにゃさま、もう我慢できにゃいの」
あらあら、堪え性のにゃい事ね。まあ良いわ。ほら、私の肉球を堪能しにゃさいにゃ。
「あ、ありがとうございますにゃの。……ふにゃ~、ふにふににゃの~」
にゃんでディーにゃさんまで、にゃあにゃあ言ってるんですかね?
「うにゃっ、このトラ縞の子も可愛いの!」
今、気付いたんですね。
前だけしか見えてにゃさそうにゃ所があるからね、この娘は。──ああそうだ、良い事を思い付いたわ。あにゃた、ちょっと手を貸しにゃさい。
構いませんけど、にゃにをする気ですか?
肉球サンドよ。
「にゃうう、ほ、頬っぺたが、天に召されていくの……」
「や、やめなさいあなた達、ディーナがほんとに死んじゃうわ!」
「と、止めにゃいで、ラウラちゃん。もうこの世に未練はにゃいの……」
あらあら、効果覿面ね。
にゃに転がして遊んでるんですか?
ディーにゃからの貢物よ。ツにゃ缶って言うらしいわ。
「そんなにねこが好きなら、自分で飼おうとか思った事ないの?」
「もちろんあるけど、いつかちゃんとしたお家を建てるまでは、おあずけにゃの」
「ふうん、じゃあもう名前とか考えてあるんだ?」
「ううん、にゃまえはね、初対面の時にこれだって思ったものを付けてあげたいから。それにね、生まれたばかりの子じゃにゃきゃ、ダメにゃの。まだ誰からもにゃまえを貰っていにゃい子じゃにゃきゃ。だってもうにゃまえがあるのに、別のにゃまえを勝手に付けられたら嫌かもしれないでしょ?」
この娘も色々考えてるのね。考え過ぎだとは思うけれど。前に居着いていた街では、散歩先で会う人間に、色々にゃにゃまえを付けられたものよ。一々気にしていたら、切りがにゃいわ。
でもこのルーにゃというにゃまえはお気に入りだから、見当違いの気遣いではにゃいのかもね。
さて、お昼も済ませた事だし、そろそろお散歩に出掛けようかしら。
あのルーにゃさん、私もお供しても良いですか。
まあ構わにゃいわよ。じゃあ、付いて来にゃさいにゃ。
ふう、ようやく行かれましたにゃ。鈴太郎さん──小生の御主人である卯月 瑞花(ka6019)の御友人にして、居候の大伴 鈴太郎(ka6016)さんには困り果てたものですにゃ。いってきますの挨拶くらい、あっさりとして貰いたいものですにゃ。抱っこから降りたくて頬をタップしても、じゃれているものと勘違いする始末。勿論好意は有難いのですが、どうしてお見送りだけで、こうも疲れないといけないのですかにゃあ……。
あら、トラチ。どうしたの? 心なしか虎縞がくたびれてるわよ?
……そういうユキさんの純白の毛並みは、今日も綺麗ですにゃ。──どうしたも何も、いつもの事ですにゃ。
ご苦労な事ね。わざわざ見送りに行かなくたって良いじゃない。どうせ帰って来てから、無理矢理構われるんだから。
そうすると、鈴太郎さんが悲しそうな顔をされるではないですか。あの顔は、どうにも弱いですにゃ。そういえば以前、小生達の為にと干物を焼いてくださった事があったじゃないですか。
ああ、あったわね。あの炭になった干物でしょ? 骨までボロボロだったわね。
あれは流石に舌が受け付けませんでしたにゃ。あの時、代わりのツナ缶を開けている時の鈴太郎さんのしょんぼりとした顔、あれを思い出すだけで胸が痛みますにゃ。
あれは自業自得でしょ、あんなの食べられるわけないんだから。
またそういう事を言って、貴女が素っ気ない態度を取った後、落ち込まれた彼女を慰めるのがどんなに大変な事か、理解して貰いたいものですにゃ。
知らないわよ、そんなの。大体、私達が気を遣う必要なんて……まあ良いわ。それより、ご飯にしましょう。『家猫と言えど野生を忘れちゃダメです! 簡単に餌へあり付けると思わない事ですっ!』とかあの子は言っていたけど。
そう言えば、戸棚の上で何やらゴソゴソしていましたにゃ。
これくらいの高さは造作もないわ……って、何よこれ。ミルクがコップに注いであるじゃないの。何考えてるのよ、あの子は。──ん、むー、舌が届かない……! あと、もう少しなのに──あー、もうっ! ふみゅ!?
…………トラチ、トラチー?
どうされまし……あー、これは盛大にやりましたにゃ。
ち、違うの、これは事故なのよ。大体悪いのはアタシじゃなくて、後先考えていないあの子で──
わかりましたから、取り敢えず落ち着いて下さいにゃ。
……そうね、これくらいで動じるなんてアタシらしくない。起きてしまった事は仕方がないわ。対処法を考えましょう。
そうですにゃ。それで、何か良い案をお持ちで?
ずばり、甘えた感じで謝れば良いのよ。
成程、良い案ですにゃ。もしもユキさんが甘えれば、御二人ともイチコロですにゃ。
え? 何言ってるの、トラチが謝るに決まってるでしょ?
何で、小生が!?
アタシよりもトラチの方が適任じゃない。
納得いかないですにゃ、小生には何一つ非がないのに。
わかったわよ、じゃあ隣でアタシもフォローしてあげるから。
……わかりました、もうそれで良いですにゃ。……何でこの家には小生以外に勝手な人と猫しか居ないのでしょうか?
何か言った、トラチ。
何でもないですにゃ。
ふぅ、じゃあこれでこの件は解決ね。まったく、あの子と来たらろくな事をしないんだから。変な飼い主を持つと苦労するわね。……そう言えば、出会ったばかりの頃はいくら引っ掻いたり噛み付いたりしても、笑いながらアタシを離さなかったっけ。──クスッ、変なのは昔から変わらないのね。
……そう言う顔を、御二人の前で見せれば良いのですにゃあ。
何か言った、トラチ。
何でもないですにゃ。
おいお前達、何者だ?
私達ににゃにか用? 口説くにゃら、相手が違うんじゃにゃいかしら?
違う、何者だと聞いている。
まずは自分からにゃのるのが礼儀だと思うけれど?
む、それもそうだな。俺はシバ、見ての通り柴犬だ。
あらそ、私はルーにゃよ。
私は桜と申します。
そうか、それで一体何をしている。
見ての通り散歩中よ。聞かにゃきゃわからにゃいにの?
確認しただけだ。ここに用がないのなら、さっさと去れ。
にゃんだか、偉そうな方ですね。
犬ころにゃんて、大抵はこんにゃものよ。主人に媚びて、それ以外にふんぞり返るくらいしか能がにゃいんだから。大目に見てあげましょう。
おい待て、聞き捨てならんな、今の台詞。
あら、にゃにか気に障ったかしら、お犬さま?
俺をそこらの犬猫と一緒にするな。俺は主──ザレム・アズール(ka0878)様にとって単なるペットなどではなく、相棒と呼ぶべき存在なのだ。今も主の要人警護任務に協力している最中だ。
ただの散歩じゃにゃいんですか?
違う、警護対象の屋敷を警邏しているのだ。お前達のようなたかが愛玩動物などには、理解すら及ばんだろうがな。
むむ、ちょっと失礼過ぎませんか。
放っておきにゃさい、サクラ。このお犬さまはね、要するに嫉妬してるのよ。
なんだと?
嫉妬よ、嫉妬。居るのよね、人間に甘えて魅了する私のようにゃ生まれにゃがらの愛されキャラを、あいつはただ可愛いだけだからと軽蔑する手合いが。要するにそれって嫉妬の裏返しでしょ?
ふざけた事を言うな。軽蔑もなにも、事実ではないか。俺はお前達とは違う。主は俺を任務に同行させて下さる。たとえ相手が歪虚であってもだ。俺のこの優れた嗅覚が、任務の助けになると主が信頼して下さっている証拠だ。だがお前達は、ただ愛想良く振る舞っているだけだろう。
やれやれ、だから堅物は嫌にゃのよ。良い? あにゃたにとってその良く効くはにゃがそうであるように、私にとってはこの愛され体質が武器にゃの。どちらかに優劣があるものではにゃいわ。それにただ愛想よくしてるだけじゃ、猫としては二流。普段はお澄まし、愛想は小出し。これが鉄則よ。
にゃるほど。今度、研司で試してみましょう。
俺の鼻と、お前の愛想が同列だと? ふん、認められるか、そんなもの。
本当に堅物ね。まあ、あにゃたも偶には人間に甘えてみにゃさいにゃ。それじゃあ行きましょう、サクラ。
……ふん、気に食わん連中だ。
あ、ルーナ!
また犬ですね。シェパード、ですか? しかも今度はお知り合いみたいですね。
ああ、あにゃたはエリーの所の……、誰だったかしらね?
ひどいよ、忘れちゃったの!?
えーと、マッスルだったかしら?
マックスだよ、マックス!
ああ、そうそう、マックス。
もう、忘れないでよ。──ん? こっちの猫さんは?
どうも、桜と申します。えーと、同情しますよ。
ありがとう、サクラ。まあ仕方ないよ、ルーナはこういう猫だから。
良くわかっているじゃにゃい。あにゃたのそういう所は嫌いじゃないわよ?
僕、今褒められたの?
勿論よ、これからもそのままで居にゃさい。間違っても高慢ちきにゃ犬ころににゃっちゃダメよ?
うん、わかった。だから僕の名前忘れないでよ?
善処するわ。──ところであにゃた、カフェの前でにゃにしてるの?
レオンを待ってるんだ。今、この中に居るの。
レオン? 誰かしら、それ。
あ、えっとね、僕の飼い主──エリミネーター(ka5158)の事だよ。レオンっていうのが、本名なの。僕は元の名前の方が好きだな。なんたって、呼び易いからね!
私も良いにゃまえだと思うわよ。猫っぽいしね。
猫っぽい、かな?
レオンっていうのは、どういう人にゃんですか?
レオンはねえ、見た目はゴツイんだけど、家ではとっても優しいんだ! ただね、葉巻だけは止めてくれないの。僕、あの臭いは嫌いだな。
ああ、ウチにも二人愛煙家が居るから、気持ちはわかるわよ。
研司は吸わにゃいので、わかりませんね。──そう言えばマックスさんは、レオンさんのお仕事のお手伝いをしたりしないんですか?
するよ、いっぱいしちゃうよ! その為の訓練を受けたからね。最近ようやく慣れてきたところなんだ。サクラやルーナはどう? 今の暮らしをどう思ってるの?
そうですね、私は研司を真人間にできれば満足です。特に食生活の改善が目標です。でも、概ね楽しくやっていますよ。
私は不満にゃんてにゃいわよ。旅暮らしも悪くにゃいわ。私は縛られるのが嫌いだから。
そっか、僕も今楽しいよ。すごく楽しい!
良い心掛けね。犬も猫も人間も、充足を知る事が肝心。にゃんでもかんでも不満を口にしてたら、切りがにゃいものね。
僕、今褒められたの?
勿論よ。──さて、そろそろ私達はお暇するわね。
それではお元気で、マックスさん。
うん、またねー。
「──ここにもなかったか、ドーナッツは」
あ、レオン。えへへ、やっと出て来た。ほら、散歩の続きしようよ! ねえねえねえ!
「HAHA、そう慌てるなよ。仕方ないな、じゃあ走るか」
うん、競争だよ、競争! よーい、ドン!
おや、御二人が帰って来られたようですにゃ。それじゃあ行きますよ、ユキさん。
え? 何でアタシも行かないといけないの?
御自分がした事を忘れたのですか? フォローして頂けるのでしょう?
やれやれ、仕方ないわね。
「ただいまー、おお、出迎えてくれてありがとな、トラチ。って、ユキまで!? えっ、どうしたんだ、これは夢か!?」
「……怪しいですねー、もしかして何かやらかしましたか? ユキ」
ばれましたにゃ。
ぐ、侮れないわね、この子だけは。
「ただいま、シバ。俺が居ない間、何も異常はなかったか?」
ザレム様! はい、異常ありません。
「そうかそうか良くやった、シバ。偉いぞ」
はい、ザレム様。俺はちゃんと命令を全うしました。もっと撫でて下さい、もっと褒めて下さい!
「どうしたんだ、シバ。今日はいつもより甘えん坊だな?」
そ、そんな事はありません。
「まあ良いさ。じゃあ次の命令だ。──ほら、おいで」
はい! 了解です!
「お! お帰り、桜。散歩は楽しかったか?」
えーと、普段はお澄まし、愛想は小出し。でしたね。
「あ、あれ、無視? おーい桜さーん?」
でも良く考えたら、あまりいつもと変わりませんね。
「お帰りにゃさいにゃの、ルーにゃ様。……それであの、よろしければブラッシングをさせて貰えませんかにゃの!」
あらあら、準備が良いわね。良いわよ、御褒美に今日はとことん甘えてあげるわ。
依頼結果
依頼成功度 | 普通 |
---|
面白かった! | 6人 |
---|
ポイントがありませんので、拍手できません
現在のあなたのポイント:-753 ※拍手1回につき1ポイントを消費します。
あなたの拍手がマスターの活力につながります。
このリプレイが面白かったと感じた人は拍手してみましょう!
MVP一覧
重体一覧
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/04/03 17:57:28 |
|
![]() |
相談掲示板 卯月 瑞花(ka6019) 人間(クリムゾンウェスト)|15才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2016/04/04 13:58:04 |