ゲスト
(ka0000)
にゅるにゅるとどろどろ
マスター:水貴透子

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- 締切
- 2014/09/04 07:30
- 完成日
- 2014/09/12 23:30
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
皆様で海水浴を致しましょう。
夏の楽しい思い出に――……スライムとのバトルはいかがですか?
※※※
「こ、ん、に、ち、はーっ! あなたの街のアイドル案内人の私です!」
テンションの高い案内人が、ハンター達に声をかける。
アイドル案内人と言いながらも、名前を名乗らないのは如何なものか、とハンター達は心の中で呟いた。
「殺伐とした雑魔退治を少しでも楽しく! はい、お化け屋敷の他にワタクシ考えました!」
「皆様で海水浴などいかがでしょう! 夏の思い出! もしかしたら、恋の予感!」
拳を握りしめながら、案内人は力説するが、どうもハンター達には嫌な予感しかしない。
「でーすーがー! 海にも雑魔は存在するものです、はい」
「にゅるにゅるアーンドどろどろのスライムちゃん! 強力な酸を吐き出すらしく服が溶けてポロリもあるよ!」
実際にポロリなんてあるはずもないのだが、何故か案内人は鼻息荒く興奮していた。
もう1度言っておこう、ポロリなどあるはずがない。
(ごにょごにょ)という大人の事情で、ポロリなんてあってはならないのだから。
「前回、スライムちゃんに挑んだハンターがいるのですが! ローブ溶かされてました!」
「マギステルの男性だったのですが、溶けてチラリズム的なアレに、ワタクシ興奮致しました!」
「――……というわけで、スライム退治にいってらっしゃい!」
リプレイ本文
●夏の思い出・にゅるにゅる&どろどろ
「衣装を溶かすスライム……これはお色気展開を期待するしかありませんね。ふふ……実に楽しみなことです♪ ええ、私自身が『ぽろり』をすることも吝かではありませんとも」
ヴィーズリーベ・メーベルナッハ(ka0115)はにっこりと微笑みながら資料を見ている。
「うなー……しかし、見事なくらいに女性ばかりが集まったのなー?」
黒の夢(ka0187)は今回一緒にスライム退治に赴くハンター達を見つめながら、かくり、と首を傾げて呟く。
彼女の言う通り、神の意志かと思うくらいに女性陣ばかりが集まっていた。
「確かに……つまり、これは『ぽろり』は男子禁制、ということでいいのでしょうか」
ヴィーズリーベは、もはやポロリをする覚悟しかないような気がするのは何故だろうか。
「んっふふふぅ~♪ スライム、スライム~っ♪ 油断は大敵だけど、やっぱり楽しまないとだよねぇ~? ちょっと痛いのも、また刺激があって良いかも~。ふふふ、ボク、ドキドキしちゃうよぉっ♪」
レベッカ・ヘルフリッヒ(ka0617)は既にハイテンションで、いつでもスライムとの戦闘を行えるようだ――……しかし、彼女もにゅるどろを楽しみにしているような気がするのは何故だろうか。
「しかし、あの案内人、うぜぇ……話には聞いていたが、実物を見ると本当にうざいな」
サーシャ・V・クリューコファ(ka0723)は顔を引きつらせながら呟く。彼女の友人がお化け屋敷で案内人の世話になったらしく、案内人のウザさについては知っていたようだ。
「しかし服を溶かすスライムって……やらしいな、おい……まぁ、私はぽろりなんか気にしないけどな……何故なら、ぽろりするほどのもんがないんだからな!」
ぐ、と拳を強く握り締めながら呟くサーシャだが、ほろりと涙が出そうになるのは何故だろう。
「スライムって、こう……もっとこう、ぷるん、としていて、ぶにょんぶにょんな物かと思っていました……」
星乙女 和(ka2037)は指で自分が思い描くスライムの姿を描きながら呟く。
「ぷるんとしていて、ぶにょんぶにょん……うなー、つまり、胸なのなー」
「ち、違いますよ……! 女性の胸はぶにょんぶにょんじゃなくて、ぷにょんぷにょんじゃないですか……!」
黒の夢の言葉に、星乙女は慌てて首を振りながら否定する。
「まぁ、どんな雑魔相手でも戦うけどさぁ……何でスライム退治になるのよ……まったく。おまけに出会いとか言いながら、男性ハンターが誰もいないとか、あの案内人ったら嘘つきにも程があるわね……」
アイビス・グラス(ka2477)は「はぁ」と盛大なため息を吐きながら呟く。
確かに『出会いがあるかも!』と言いながら、男性ハンターが来ないとはこれ如何に、とツッコミを入れたくなる気持ちは分からなくもない。
「服を溶かすなんて危険極まりない雑魔ですね。そんなに危険な相手であれば、速攻で倒した方がいいですね。先手を取るために突撃しますから、援護をお願いします……」
サクラ・エルフリード(ka2598)は真剣な表情で、他のハンター達に話しかける。
彼女は真剣に雑魔を退治する事のみを考えてやって来たらしい。もちろん、他のハンターがふざけているというわけではないが、他のハンターよりも真面目度が高いという事なのだろう。
「にゅるにゅるでどろどろ……響きとしては可愛らしいですけど、酸なんてずいぶんえげつないものを使いますのね。服がダメになるのはまだいいとしても、肌に傷がつくのは避けたいですわ……」
エクリュベージュ(ka3015)は眉根を寄せながら、小さくため息を吐きながら呟く。
「個人的には気が進みませんけど、これも路銀を稼ぐため。頑張ってスライムを討伐致しますわ……」
2度目のため息を吐きながらエクリュベージュが呟き、ハンター達はスライムがはびこる海辺へと出発したのだった。
●にゅるにゅる&どろどろを経験しましょう
問題の海辺に到着すると、スライム達は隠れる様子もなくにゅるにゅる&どろどろしている。
「それでは、参りましょうか」
ヴィーズリーベは一緒に行動を行うレベッカ、サクラに声を掛け、スライムに向かって行く。
他のハンター達もそれぞれ行動を開始し始めた。
※ヴィーズリーベ、レベッカ、サクラ
「よぉーし、頑張っちゃうぞ♪ うふふふ、にゅるにゅる……!」
レベッカのテンションはMAXなようで、怪しげな笑みを浮かべながら『バタフライナイフ』を構える。
「長期戦はこっちに不利だと思うから、短期決戦で行こう!」
「そうですね、サクラ様……援護をお願いします」
レベッカとヴィーズリーベはサクラに言葉を残し、そのままスライムに向かって行く。
「ちょ、ちょっと待って下さい……! 私も行きます……!」
先にスライムに向かって行く2人を追いかけ、サクラも『レイピア』を構え、スライムに斬りかかる。
けれど、上手く刃が通らず、スライムにダメージを与える事が出来ない。
「くっ……やはり『レイピア』では相性が悪かったんでしょうか……! 武器の選択を間違えた――あっ、な、何をするんですか……っ!」
スライムは酸を吐き、サクラの身に着けていた『ローブ』がジュウと嫌な音をたてながら溶けていく。
その下からは白い肌が見えており、男性がいたら鼻血モンである。
「す、すいません、スライムを何とか――って、ひゃあっ、な、何してるんですか……!」
サクラ同様に『ローブ』の解けたヴィーズリーベはサクラの肌をぺたぺたと触っている。
「あらら、凄いねぇ~♪ ボクも混ざって――じゃなくて、助けないとだね♪」
助ける、とレベッカは言っているが、どう見てもからかいにしか見えない。むしろスライムは放置され、服の溶けた3人がじゃれ合っているようにしか見えないのだから。
「うふふ、すべて溶かされるよりこういう中途半端な方がドキドキするのよね。見えそうで見えないっていうか、妙に興奮してしまいますわ♪」
サクラの白い肌が見え隠れする場所を見ながら、ヴィーズリーベは頬を赤らめ、恍惚とした表情を見せている。
「ああもう! いい加減にして下さい! 変態スライムは撲滅です……!」
身体を這うスライムにサクラはついに怒り、再び『レイピア』で攻撃を仕掛ける。今度は上手くスライムの身体に突き刺さり、まずは1匹撲滅する事に成功した。
「あら、もう終わりですか……? もう少しサクラ様やレベッカ様の身体をまさぐり……ごほん、守ろうと思っていたんですけど……」
本音が見え隠れする言葉を呟いた後、ヴィーズリーベも『クレイモア』で攻撃を仕掛ける。スキル『攻性強化』を使用して攻撃を行ったためか、スライムは簡単に倒れた。
「スライムでしたら、大人しく服だけ溶かしていれば良いですのに……」
「あははっ♪ そんなスライムだったら倒さずに持って帰りたいかも♪」
レベッカも笑いながら『オートマチックピストル』でスライムを撃つ。彼女の俊敏な動きのせいか、ほとんど衣服に異常はなかった。
※黒の夢
「はぅ……この子、にゅぷにゅぷして気持ちいいのだ……ん? 何か生々しい感覚が……あーっ! 服がー! ……まぁ、いっか」
黒の夢が身に着けていた『シャツ』はきわどい部分だけを残して、ほとんど溶けている。最初は彼女も慌てたけれど、別に男性がいるわけでもないし、慌てる必要はないか、という結論に至ったらしい。
何となく男性がいても、気にしそうにないのは彼女の大らかさが原因だろうか。
「うなー、ペットとして欲しいなぁー欲しいなぁー……」
こっそり持って帰っちゃダメだろうか、なんて考えているとスライムがにゅるにゅると黒の夢の身体を這う。
「うなーっ! ちょ、そ、そこはやばいのなー……! ちょ、ほ、本当に待つのなー!」
きわどい部分をスライムが這い、さすがの黒の夢も慌て始める。
黒の夢はスライムを蹴り飛ばし、スライムから距離を取って『集中』と『マジックアロー』で攻撃を行う。
スライムが起き上がる暇がないほど、連続して攻撃を行い、黒の夢も無事にスライムを退治することが出来た――が、酸で出来た傷と溶かされたシャツで酷い格好になっていた。
※サーシャ
「……8匹もいるから、中々行動しづらいな」
サーシャは自分の前でにゅるにゅるとうねるスライムを見ながらため息を吐く。
他のハンター達も、それぞれ1匹ずつのスライムと対峙しているのが視界に入ってくる。
「ふん、酸だろうが何だろうが来て見なよ。私はあいにく晒して恥ずかしいと思えるだけの胸なんか持っていないんだからな……! くそぅ、悲しくないぞ、悲しくなんかない!」
心の中では血の涙を流しているであろう、サーシャの心からの叫びは、周りで戦闘を行っているハンター達の涙を誘っている。
「……スライムを胸の所に入れたら、私も豊満な体型に……いや、それでは私の胸は酸を吐きだすバケモノになってしまう、酸さえ吐き出さなければ服の中に詰めてやったものを」
心から惜しいと思っているのか、サーシャは酷く残念そうな顔を見せる。
「おっと、これだけ離れていても酸が届くのか……」
サーシャはすんでの所で酸を避けたが、スーツのボタンに掛かってしまったらしく、前が肌蹴てしまう。
その途端、サーシャに集まる視線は哀れみに満ちていた。
「おいこら、憐憫の目で見るな。悪かったな、色気なくて、平胸で悪かったな」
サーシャは『リボルバー「シルバーマグ」』を構え、弾丸に怒りを込めてスライムを撃つ。
何となくだが、いつも以上に威力を感じるのは、サーシャの怒りと悲しみが込められているからなのかもしれない。
※星乙女
「ふっふっふ、全身を隙間なく覆う着ぐるみによる防御……! まさに鉄壁です、スライムだって溶かすのに時間が掛かるはずですから、その前に速攻戦術で倒してしまいましょう」
まるごとうさぎに身を包み、星乙女は勝ち誇ったように呟いている。
しかし彼女は気づいていない。勝ち誇っている間にもスライムが酸でまるごとうさぎを溶かし始めているということに。
「……ですが、暑いですね……この時期にまるごとうさぎは危険です……あれ? スライムがいないですけど、どこに行ったんでしょうか」
星乙女は周りをキョロキョロと見渡すが、先ほどまで目の前にいたスライムの姿がいなくなっている。
「ん? 何か足が熱い……って、きゃー! 酸で溶かされてる……!? ちょ、相手が喋っている間に攻撃しちゃいけないってRPGの鉄則を破るなんて……何て卑怯者! ちょ、ちょっと穴から中に入って来ないでぇぇぇっ!」
鉄壁の防御だったが、それを破られれば逆に自分が追い詰められるということに星乙女は気づかなかったらしい。
「ちょっ、こ、このままでは水着まで溶かされてしまう……そんなことになったら、もうお嫁に行けなくなる……! 私の人生をスライム如きが潰すなんてありえない、責任とってもらいますからね!」
星乙女は勢いよく着ぐるみうさぎを脱ぎ捨て、着ぐるみうさぎの中にいるスライムめがけて『デリンジャー』で射撃を行う。
スライムは倒せたが、後に残った穴だらけの着ぐるみうさぎが妙に哀れだった。
※アイビス
「……何か、みんな楽しそうに溶かされてるなぁ」
スライムの酸攻撃を避けながら、アイビスが苦笑気味に呟く。
彼女はスライムの酸攻撃用として『マント』を用意しており、スライムが酸を吐けば、マントを盾代わりに使い、そのままスライムへと向かって行く。
そして『メリケンサック』でスライムを攻撃して、再び距離を取るという非常に上手いやり方でスライムと戦っていた。
「悪いけど、私は皆みたいに優しくないからね。溶かされてサービスなんてしてあげないし、全力で戦わせてもらうよ!」
再び拳を振り上げ、スライムに攻撃を仕掛けようとしたが、反撃をするかのようにスライムの酸攻撃がアイビスを襲う。
「……ふぅ、服は溶かされなかったけど……ちょっと傷を負っちゃったな」
服に掛かりそうだった酸は『マント』で防いだけど、肌の方に向かって来た酸まではよけきれなかった。
「女の子の肌を傷つけるとどうなるか、身を持って味わってもらおうかな」
ボキ、と指を鳴らした後、再び攻撃を仕掛け、アイビスは受けたダメージ以上の攻撃を仕掛けて、スライムを無事に退治することが出来たのだった。
※エクリュベージュ
「路銀を稼ぐために依頼を受けたのに、服を溶かされれば出費は確実……申し訳ありませんが、わたくしの衣服には傷1つつける事は許されません」
エクリュベージュは『レイピア「ワスプ」』を構え、刺突メインで攻撃を仕掛ける。
「確かにその酸攻撃は強力ですわ。けれど、当たらなければ意味のない事」
スライムから吐き出される酸を避けながら、エクリュベージュは攻撃を仕掛ける。
けれど、すべてを避ける事は出来なかったらしく、足首と太ももに酸がかかってしまう。
「……っ」
その時、エクリュベージュが思った事は『痛い』ではなく『肌を傷つけられた』という怒りのみ。
自分の美貌に絶対の自信を持っている彼女だからこそ、誰にも傷つけられる事を良しとしていない。
恐らくスライムは決してしてはならない事をしてしまい、エクリュベージュの逆鱗に触れてしまったのだろう。
「……あなたが何をしたのか思い知らせてあげますわ、ええ、女性の服を溶かす事よりも酷い事をしたのだと、その身に刻みなさいな」
エクリュベージュは『踏込』と『強打』を使用しながらスライムに攻撃を仕掛ける。その際、スライムが身体に飛びついてきたけれど、それを気にする事なく、地面にスライムを叩きつけ、再び攻撃を行う。
無言のままスライムを突き刺す彼女の姿は、他のハンターも声を掛けられない程だったのだとか――……。
●討伐終了!
スライム退治を終えた後、ハンター達は海水浴を楽しみ、報告を待つ案内人の元へと戻ってきた。
「お疲れ様でーす! にゅるにゅるでどろどろのいやーんなスライムはどうでしたかっ!」
「おう案内人、残念だったな、恋の予感どころか全員女だったぞ」
案内人にサーシャが告げて「女性ばかりでは確かに恋の予感にはなりませんでしたわ」とエクリュベージュも頷きながら答える。
「まぁ、別に出会い目的で仕事をしたんじゃないけどねー」
アイビスも肩を竦めながら呟くと「そんなっ……! やだ、どうしよう」と案内人が困惑した表情を見せた。
「女性の裸を見て鼻血だらだらの男性ハンターの弱みを掴めると思ったのに!」
「……とりあえず、この方に脅される被害者が出なくて良かったですね」
案内人の言葉を聞き、星乙女は引きつった表情を見せながら呟き、他のハンター達も同様の事を思ったらしく静かに頷いていたのだった。
END
「衣装を溶かすスライム……これはお色気展開を期待するしかありませんね。ふふ……実に楽しみなことです♪ ええ、私自身が『ぽろり』をすることも吝かではありませんとも」
ヴィーズリーベ・メーベルナッハ(ka0115)はにっこりと微笑みながら資料を見ている。
「うなー……しかし、見事なくらいに女性ばかりが集まったのなー?」
黒の夢(ka0187)は今回一緒にスライム退治に赴くハンター達を見つめながら、かくり、と首を傾げて呟く。
彼女の言う通り、神の意志かと思うくらいに女性陣ばかりが集まっていた。
「確かに……つまり、これは『ぽろり』は男子禁制、ということでいいのでしょうか」
ヴィーズリーベは、もはやポロリをする覚悟しかないような気がするのは何故だろうか。
「んっふふふぅ~♪ スライム、スライム~っ♪ 油断は大敵だけど、やっぱり楽しまないとだよねぇ~? ちょっと痛いのも、また刺激があって良いかも~。ふふふ、ボク、ドキドキしちゃうよぉっ♪」
レベッカ・ヘルフリッヒ(ka0617)は既にハイテンションで、いつでもスライムとの戦闘を行えるようだ――……しかし、彼女もにゅるどろを楽しみにしているような気がするのは何故だろうか。
「しかし、あの案内人、うぜぇ……話には聞いていたが、実物を見ると本当にうざいな」
サーシャ・V・クリューコファ(ka0723)は顔を引きつらせながら呟く。彼女の友人がお化け屋敷で案内人の世話になったらしく、案内人のウザさについては知っていたようだ。
「しかし服を溶かすスライムって……やらしいな、おい……まぁ、私はぽろりなんか気にしないけどな……何故なら、ぽろりするほどのもんがないんだからな!」
ぐ、と拳を強く握り締めながら呟くサーシャだが、ほろりと涙が出そうになるのは何故だろう。
「スライムって、こう……もっとこう、ぷるん、としていて、ぶにょんぶにょんな物かと思っていました……」
星乙女 和(ka2037)は指で自分が思い描くスライムの姿を描きながら呟く。
「ぷるんとしていて、ぶにょんぶにょん……うなー、つまり、胸なのなー」
「ち、違いますよ……! 女性の胸はぶにょんぶにょんじゃなくて、ぷにょんぷにょんじゃないですか……!」
黒の夢の言葉に、星乙女は慌てて首を振りながら否定する。
「まぁ、どんな雑魔相手でも戦うけどさぁ……何でスライム退治になるのよ……まったく。おまけに出会いとか言いながら、男性ハンターが誰もいないとか、あの案内人ったら嘘つきにも程があるわね……」
アイビス・グラス(ka2477)は「はぁ」と盛大なため息を吐きながら呟く。
確かに『出会いがあるかも!』と言いながら、男性ハンターが来ないとはこれ如何に、とツッコミを入れたくなる気持ちは分からなくもない。
「服を溶かすなんて危険極まりない雑魔ですね。そんなに危険な相手であれば、速攻で倒した方がいいですね。先手を取るために突撃しますから、援護をお願いします……」
サクラ・エルフリード(ka2598)は真剣な表情で、他のハンター達に話しかける。
彼女は真剣に雑魔を退治する事のみを考えてやって来たらしい。もちろん、他のハンターがふざけているというわけではないが、他のハンターよりも真面目度が高いという事なのだろう。
「にゅるにゅるでどろどろ……響きとしては可愛らしいですけど、酸なんてずいぶんえげつないものを使いますのね。服がダメになるのはまだいいとしても、肌に傷がつくのは避けたいですわ……」
エクリュベージュ(ka3015)は眉根を寄せながら、小さくため息を吐きながら呟く。
「個人的には気が進みませんけど、これも路銀を稼ぐため。頑張ってスライムを討伐致しますわ……」
2度目のため息を吐きながらエクリュベージュが呟き、ハンター達はスライムがはびこる海辺へと出発したのだった。
●にゅるにゅる&どろどろを経験しましょう
問題の海辺に到着すると、スライム達は隠れる様子もなくにゅるにゅる&どろどろしている。
「それでは、参りましょうか」
ヴィーズリーベは一緒に行動を行うレベッカ、サクラに声を掛け、スライムに向かって行く。
他のハンター達もそれぞれ行動を開始し始めた。
※ヴィーズリーベ、レベッカ、サクラ
「よぉーし、頑張っちゃうぞ♪ うふふふ、にゅるにゅる……!」
レベッカのテンションはMAXなようで、怪しげな笑みを浮かべながら『バタフライナイフ』を構える。
「長期戦はこっちに不利だと思うから、短期決戦で行こう!」
「そうですね、サクラ様……援護をお願いします」
レベッカとヴィーズリーベはサクラに言葉を残し、そのままスライムに向かって行く。
「ちょ、ちょっと待って下さい……! 私も行きます……!」
先にスライムに向かって行く2人を追いかけ、サクラも『レイピア』を構え、スライムに斬りかかる。
けれど、上手く刃が通らず、スライムにダメージを与える事が出来ない。
「くっ……やはり『レイピア』では相性が悪かったんでしょうか……! 武器の選択を間違えた――あっ、な、何をするんですか……っ!」
スライムは酸を吐き、サクラの身に着けていた『ローブ』がジュウと嫌な音をたてながら溶けていく。
その下からは白い肌が見えており、男性がいたら鼻血モンである。
「す、すいません、スライムを何とか――って、ひゃあっ、な、何してるんですか……!」
サクラ同様に『ローブ』の解けたヴィーズリーベはサクラの肌をぺたぺたと触っている。
「あらら、凄いねぇ~♪ ボクも混ざって――じゃなくて、助けないとだね♪」
助ける、とレベッカは言っているが、どう見てもからかいにしか見えない。むしろスライムは放置され、服の溶けた3人がじゃれ合っているようにしか見えないのだから。
「うふふ、すべて溶かされるよりこういう中途半端な方がドキドキするのよね。見えそうで見えないっていうか、妙に興奮してしまいますわ♪」
サクラの白い肌が見え隠れする場所を見ながら、ヴィーズリーベは頬を赤らめ、恍惚とした表情を見せている。
「ああもう! いい加減にして下さい! 変態スライムは撲滅です……!」
身体を這うスライムにサクラはついに怒り、再び『レイピア』で攻撃を仕掛ける。今度は上手くスライムの身体に突き刺さり、まずは1匹撲滅する事に成功した。
「あら、もう終わりですか……? もう少しサクラ様やレベッカ様の身体をまさぐり……ごほん、守ろうと思っていたんですけど……」
本音が見え隠れする言葉を呟いた後、ヴィーズリーベも『クレイモア』で攻撃を仕掛ける。スキル『攻性強化』を使用して攻撃を行ったためか、スライムは簡単に倒れた。
「スライムでしたら、大人しく服だけ溶かしていれば良いですのに……」
「あははっ♪ そんなスライムだったら倒さずに持って帰りたいかも♪」
レベッカも笑いながら『オートマチックピストル』でスライムを撃つ。彼女の俊敏な動きのせいか、ほとんど衣服に異常はなかった。
※黒の夢
「はぅ……この子、にゅぷにゅぷして気持ちいいのだ……ん? 何か生々しい感覚が……あーっ! 服がー! ……まぁ、いっか」
黒の夢が身に着けていた『シャツ』はきわどい部分だけを残して、ほとんど溶けている。最初は彼女も慌てたけれど、別に男性がいるわけでもないし、慌てる必要はないか、という結論に至ったらしい。
何となく男性がいても、気にしそうにないのは彼女の大らかさが原因だろうか。
「うなー、ペットとして欲しいなぁー欲しいなぁー……」
こっそり持って帰っちゃダメだろうか、なんて考えているとスライムがにゅるにゅると黒の夢の身体を這う。
「うなーっ! ちょ、そ、そこはやばいのなー……! ちょ、ほ、本当に待つのなー!」
きわどい部分をスライムが這い、さすがの黒の夢も慌て始める。
黒の夢はスライムを蹴り飛ばし、スライムから距離を取って『集中』と『マジックアロー』で攻撃を行う。
スライムが起き上がる暇がないほど、連続して攻撃を行い、黒の夢も無事にスライムを退治することが出来た――が、酸で出来た傷と溶かされたシャツで酷い格好になっていた。
※サーシャ
「……8匹もいるから、中々行動しづらいな」
サーシャは自分の前でにゅるにゅるとうねるスライムを見ながらため息を吐く。
他のハンター達も、それぞれ1匹ずつのスライムと対峙しているのが視界に入ってくる。
「ふん、酸だろうが何だろうが来て見なよ。私はあいにく晒して恥ずかしいと思えるだけの胸なんか持っていないんだからな……! くそぅ、悲しくないぞ、悲しくなんかない!」
心の中では血の涙を流しているであろう、サーシャの心からの叫びは、周りで戦闘を行っているハンター達の涙を誘っている。
「……スライムを胸の所に入れたら、私も豊満な体型に……いや、それでは私の胸は酸を吐きだすバケモノになってしまう、酸さえ吐き出さなければ服の中に詰めてやったものを」
心から惜しいと思っているのか、サーシャは酷く残念そうな顔を見せる。
「おっと、これだけ離れていても酸が届くのか……」
サーシャはすんでの所で酸を避けたが、スーツのボタンに掛かってしまったらしく、前が肌蹴てしまう。
その途端、サーシャに集まる視線は哀れみに満ちていた。
「おいこら、憐憫の目で見るな。悪かったな、色気なくて、平胸で悪かったな」
サーシャは『リボルバー「シルバーマグ」』を構え、弾丸に怒りを込めてスライムを撃つ。
何となくだが、いつも以上に威力を感じるのは、サーシャの怒りと悲しみが込められているからなのかもしれない。
※星乙女
「ふっふっふ、全身を隙間なく覆う着ぐるみによる防御……! まさに鉄壁です、スライムだって溶かすのに時間が掛かるはずですから、その前に速攻戦術で倒してしまいましょう」
まるごとうさぎに身を包み、星乙女は勝ち誇ったように呟いている。
しかし彼女は気づいていない。勝ち誇っている間にもスライムが酸でまるごとうさぎを溶かし始めているということに。
「……ですが、暑いですね……この時期にまるごとうさぎは危険です……あれ? スライムがいないですけど、どこに行ったんでしょうか」
星乙女は周りをキョロキョロと見渡すが、先ほどまで目の前にいたスライムの姿がいなくなっている。
「ん? 何か足が熱い……って、きゃー! 酸で溶かされてる……!? ちょ、相手が喋っている間に攻撃しちゃいけないってRPGの鉄則を破るなんて……何て卑怯者! ちょ、ちょっと穴から中に入って来ないでぇぇぇっ!」
鉄壁の防御だったが、それを破られれば逆に自分が追い詰められるということに星乙女は気づかなかったらしい。
「ちょっ、こ、このままでは水着まで溶かされてしまう……そんなことになったら、もうお嫁に行けなくなる……! 私の人生をスライム如きが潰すなんてありえない、責任とってもらいますからね!」
星乙女は勢いよく着ぐるみうさぎを脱ぎ捨て、着ぐるみうさぎの中にいるスライムめがけて『デリンジャー』で射撃を行う。
スライムは倒せたが、後に残った穴だらけの着ぐるみうさぎが妙に哀れだった。
※アイビス
「……何か、みんな楽しそうに溶かされてるなぁ」
スライムの酸攻撃を避けながら、アイビスが苦笑気味に呟く。
彼女はスライムの酸攻撃用として『マント』を用意しており、スライムが酸を吐けば、マントを盾代わりに使い、そのままスライムへと向かって行く。
そして『メリケンサック』でスライムを攻撃して、再び距離を取るという非常に上手いやり方でスライムと戦っていた。
「悪いけど、私は皆みたいに優しくないからね。溶かされてサービスなんてしてあげないし、全力で戦わせてもらうよ!」
再び拳を振り上げ、スライムに攻撃を仕掛けようとしたが、反撃をするかのようにスライムの酸攻撃がアイビスを襲う。
「……ふぅ、服は溶かされなかったけど……ちょっと傷を負っちゃったな」
服に掛かりそうだった酸は『マント』で防いだけど、肌の方に向かって来た酸まではよけきれなかった。
「女の子の肌を傷つけるとどうなるか、身を持って味わってもらおうかな」
ボキ、と指を鳴らした後、再び攻撃を仕掛け、アイビスは受けたダメージ以上の攻撃を仕掛けて、スライムを無事に退治することが出来たのだった。
※エクリュベージュ
「路銀を稼ぐために依頼を受けたのに、服を溶かされれば出費は確実……申し訳ありませんが、わたくしの衣服には傷1つつける事は許されません」
エクリュベージュは『レイピア「ワスプ」』を構え、刺突メインで攻撃を仕掛ける。
「確かにその酸攻撃は強力ですわ。けれど、当たらなければ意味のない事」
スライムから吐き出される酸を避けながら、エクリュベージュは攻撃を仕掛ける。
けれど、すべてを避ける事は出来なかったらしく、足首と太ももに酸がかかってしまう。
「……っ」
その時、エクリュベージュが思った事は『痛い』ではなく『肌を傷つけられた』という怒りのみ。
自分の美貌に絶対の自信を持っている彼女だからこそ、誰にも傷つけられる事を良しとしていない。
恐らくスライムは決してしてはならない事をしてしまい、エクリュベージュの逆鱗に触れてしまったのだろう。
「……あなたが何をしたのか思い知らせてあげますわ、ええ、女性の服を溶かす事よりも酷い事をしたのだと、その身に刻みなさいな」
エクリュベージュは『踏込』と『強打』を使用しながらスライムに攻撃を仕掛ける。その際、スライムが身体に飛びついてきたけれど、それを気にする事なく、地面にスライムを叩きつけ、再び攻撃を行う。
無言のままスライムを突き刺す彼女の姿は、他のハンターも声を掛けられない程だったのだとか――……。
●討伐終了!
スライム退治を終えた後、ハンター達は海水浴を楽しみ、報告を待つ案内人の元へと戻ってきた。
「お疲れ様でーす! にゅるにゅるでどろどろのいやーんなスライムはどうでしたかっ!」
「おう案内人、残念だったな、恋の予感どころか全員女だったぞ」
案内人にサーシャが告げて「女性ばかりでは確かに恋の予感にはなりませんでしたわ」とエクリュベージュも頷きながら答える。
「まぁ、別に出会い目的で仕事をしたんじゃないけどねー」
アイビスも肩を竦めながら呟くと「そんなっ……! やだ、どうしよう」と案内人が困惑した表情を見せた。
「女性の裸を見て鼻血だらだらの男性ハンターの弱みを掴めると思ったのに!」
「……とりあえず、この方に脅される被害者が出なくて良かったですね」
案内人の言葉を聞き、星乙女は引きつった表情を見せながら呟き、他のハンター達も同様の事を思ったらしく静かに頷いていたのだった。
END
依頼結果
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相談卓 サーシャ・V・クリューコファ(ka0723) 人間(リアルブルー)|15才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2014/09/04 03:58:13 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/08/30 23:03:39 |