ゲスト
(ka0000)
【春郷祭】チョコレート・ハウス
マスター:深夜真世

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/05/30 19:00
- 完成日
- 2016/06/13 22:15
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
「へえ、採光花『咲蛍』ねぇ」
同盟領のどこかの酒場でそんな声。
「そ。昨年の春郷祭で広まった花らしいわね。小さくて発光はほのかなものだけど、だから集まって咲いてるところはなかなか雰囲気があったわ」
隅の席での声に、そんないらえが。
「で、その雰囲気に合う新たな雰囲気の酒の飲める屋台が欲しい、と?」
足を組み替え聞くのは、シエラ・エバンスという女性。採光花に興味をもったようだ。
「ええ。あいにく私は祭の最初に『シェイクス』で呼ばれて演奏しただけ。祭は長いから最後に雰囲気を変える何かがほしいって言われたわ。一応、受けといたけど、どう? もしも無理ならほかを当たるけど……」
テーブルに頬杖をついて色っぽい流し目でシエラを見たのは、オカマの興行師のシェイク。
「あら。ウチのチョコレートリキュールをご指名かしら?」
「ええ。フラちゃんから聞いたわよ。『ショコラヴィーナス』って名前にしたらしいじゃない。……どう? 咲蛍を眺めるカップルにピッタリよ」
にこりと微笑するシエラに、悪戯そうに目を細めるシェイク。
「いいけど……『チョコレート・ハウス』をお休みにはできないわ」
シエラはチョコレート専門店の店長。オシャレなことも好きなので乗り気ではあるのだが人気店ゆえ臨時休業はしたくなく、人員に余裕があるわけでもなく。
「フラちゃんが空いてるのよね〜」
シェイク、ニンマリ。彼女のプロモートするフラ・キャンディ(iz0121)は現在、歪虚の砦の攻略戦を戦ったばかりだ。
「あら、リラ・ゼーレで演奏するんじゃないの?」
「ステージは取れなかったの。代わりにこの仕事をぶんどってきたわ」
「豪腕なこと……いいわ。フラちゃんと売り子さんたちが雇えるならチョコレート・ハウス、出店してあげる」
ふん、と鼻息荒く言い放つシェイクの様子にほほ笑みながら、満足そうに頬杖をつくシエラだった。
「うん、いいよ」
後日話を聞いたフラは乗り気だ。
「ショコラヴィーナス、愛のささやき ショコラヴィーナス、恋の口づけ 香る甘さも気まぐれに♪」
気分よく歌を口ずさむほど乗り気のようで。
そんなこんなで、祭の最後の一夜だけ開店するチョコレート・ハウスの屋台で「ショコラヴィーナス」の販売をして閉店後にみんなでのんびりまったりする人、求ム。
なお、チョコレートリキュール「ショコラヴィーナス」はロックや水割りで出すほか、以下のカクテルレシピがある。
【ホワイトデー】…ミルク割り
【エンジェラ】…ホットココア割り
【ヴィーナスキッス】…【ホワイトデー】+ホイップ生クリーム+削りチョコ+ミントの葉
【雪解けの女神】…ウイスキーを加えて生クリームで飾ったデザートカクテル
【アネモネ】…ロイヤルミルクティー割り
【スカーレットヴィーナス】…苺の果実酒割り
あくまでもチョコレートリキュールの酒場屋台なので食べ物はつまみまで。
現在、ナッツを用意しているが、参加者の希望により簡単なものを出すことはできる。が、雰囲気重視が望ましい。
「へえ、採光花『咲蛍』ねぇ」
同盟領のどこかの酒場でそんな声。
「そ。昨年の春郷祭で広まった花らしいわね。小さくて発光はほのかなものだけど、だから集まって咲いてるところはなかなか雰囲気があったわ」
隅の席での声に、そんないらえが。
「で、その雰囲気に合う新たな雰囲気の酒の飲める屋台が欲しい、と?」
足を組み替え聞くのは、シエラ・エバンスという女性。採光花に興味をもったようだ。
「ええ。あいにく私は祭の最初に『シェイクス』で呼ばれて演奏しただけ。祭は長いから最後に雰囲気を変える何かがほしいって言われたわ。一応、受けといたけど、どう? もしも無理ならほかを当たるけど……」
テーブルに頬杖をついて色っぽい流し目でシエラを見たのは、オカマの興行師のシェイク。
「あら。ウチのチョコレートリキュールをご指名かしら?」
「ええ。フラちゃんから聞いたわよ。『ショコラヴィーナス』って名前にしたらしいじゃない。……どう? 咲蛍を眺めるカップルにピッタリよ」
にこりと微笑するシエラに、悪戯そうに目を細めるシェイク。
「いいけど……『チョコレート・ハウス』をお休みにはできないわ」
シエラはチョコレート専門店の店長。オシャレなことも好きなので乗り気ではあるのだが人気店ゆえ臨時休業はしたくなく、人員に余裕があるわけでもなく。
「フラちゃんが空いてるのよね〜」
シェイク、ニンマリ。彼女のプロモートするフラ・キャンディ(iz0121)は現在、歪虚の砦の攻略戦を戦ったばかりだ。
「あら、リラ・ゼーレで演奏するんじゃないの?」
「ステージは取れなかったの。代わりにこの仕事をぶんどってきたわ」
「豪腕なこと……いいわ。フラちゃんと売り子さんたちが雇えるならチョコレート・ハウス、出店してあげる」
ふん、と鼻息荒く言い放つシェイクの様子にほほ笑みながら、満足そうに頬杖をつくシエラだった。
「うん、いいよ」
後日話を聞いたフラは乗り気だ。
「ショコラヴィーナス、愛のささやき ショコラヴィーナス、恋の口づけ 香る甘さも気まぐれに♪」
気分よく歌を口ずさむほど乗り気のようで。
そんなこんなで、祭の最後の一夜だけ開店するチョコレート・ハウスの屋台で「ショコラヴィーナス」の販売をして閉店後にみんなでのんびりまったりする人、求ム。
なお、チョコレートリキュール「ショコラヴィーナス」はロックや水割りで出すほか、以下のカクテルレシピがある。
【ホワイトデー】…ミルク割り
【エンジェラ】…ホットココア割り
【ヴィーナスキッス】…【ホワイトデー】+ホイップ生クリーム+削りチョコ+ミントの葉
【雪解けの女神】…ウイスキーを加えて生クリームで飾ったデザートカクテル
【アネモネ】…ロイヤルミルクティー割り
【スカーレットヴィーナス】…苺の果実酒割り
あくまでもチョコレートリキュールの酒場屋台なので食べ物はつまみまで。
現在、ナッツを用意しているが、参加者の希望により簡単なものを出すことはできる。が、雰囲気重視が望ましい。
リプレイ本文
●
郷祭最後の日が暮れた。
すでに周囲は薄闇に包まれている。黄昏時だ。
「ふうん、素敵ね」
飲酒屋台「チョコレート・ハウス」で、オーナーのシエラ・エバンスが足を組み替えうっとりと言う。
屋台前に並べた丸テーブルにはまだ客は少ない。そこに座って眼前に広がる光景を眺めていた。
そこは採光花『咲蛍』の花畑。
日中にデイジーのような花で受けた光でほんのりとほのかに発光している。
「すごいでしょ、シエラさん」
横に控えていたフラ・キャンディ(kz0121)が声を弾ませた。
「……失格。小太さん、フラちゃんを更衣室に連れて行ってちゃんとハイヒールを履かせてきて」
「きゃん!」
「は、はいですぅ」
シエラにお尻を叩かれたフラ、服装は黒のプリーツスカートに白いブラウスと大人びていたが、振る舞いが子供のまま。黒い袴姿に白い意匠をところどころに施した和装でまとめる弓月・小太(ka4679)に返品してやり直しを指示する。
「えー。でも、ハナさんは?」
フラ、連行されつつすれ違う星野 ハナ(ka5852)を見て異議を唱える。
「私の服には合いませんからぁ」
ハナ、黒いミニスカメイド服に白い二―ソックス。靴は黒い革靴である。
「すいません、やってますか?」
ここで、客。
「いらっしゃいませぇ、ショコラヴィーナスへようこそぉ。こちらの席から咲蛍がよく見えますぅ」
ハナは落ち着いた様子で接客。
「店の雰囲気を壊してないから問題ないわ」
「う……」
シエラ、ハナの様子を見て太鼓判。フラはしゅん。
その横から、ずいとキーリ(ka4642)が迫って来る。
「……あんた、普通の靴だったら跳ねまわるでしょ?」
そう言うキーリは王国風の黒を基調に白のアクセントを加えたドレスをしっとりと着こなしていた。瞳のアンニュイな様子とマッチしている。
「そこまで言ったらかわいそうじゃないかな?」
細いシルエットの人物が新たに。
シャープな黒スラックスに白シャツ、そして首元に黒蝶ネクタイをした霧雨 悠月(ka4130)である。今日は特にピシッとしているようで。
「ユッキーもやり直ししてくる? 前のふんわりブラウスもきっと似合うわよ?」
「嫌だよ。だって僕、男だし」
途端にわたたとした様子で断る。キーリ、満足そう。やっぱり悠月は悠月のようで。
「そ、それより前回は客引きに行きましたがぁ……」
どうしましょうかぁ、とフラをお持ち帰り体勢の小太。
「うーん。派手好きな私は雰囲気壊しそうねー」
「そうだね。素敵な場所だから雰囲気を壊さないように……」
悠月が言った時だった。
「ちょっと。思いっきり肯定しないでくれる?」
キーリ、ジト目で悠月を見る。
「あはは、それより今は接客だね。ハナさん、頑張ってるけど……」
悠月がハナを見る。
「飲み物メニューはこちらになりますぅ。こちらはサイドメニューですぅ」
丁寧な接客をしている。雰囲気重視なので当然だ。
「……来る客の方か多くなってきた。急ごう」
「そうね、まずは接客。私人見知りしないし。意外でしょ?」
「ええと……」
悠月が行ったのでフラに絡むキーリ。
「と、とにかくお客さん達に喜んで帰って貰えるよう頑張るのですよぉ」
小太、急いでフラを更衣室に連れて行くのだった。
●
一方、屋台の厨房では。
「骸香殿、以前はミルク入りのカクテルが人気だったので覚えておいてくれ」
白シャツに黒ベストの鞍馬 真(ka5819)が、エプロンの裾で手を拭きながら手筈を話した。
「ミルクを切らさないようにすればいいっす……いいのね?」
真に言われ、骸香(ka6223)は素直に頷きポットをいくつか用意する。
「……いつもと口調が違うようだが?」
真、不審に思って聞く。
「そ、そりゃ雰囲気を壊したく……ないですから」
元気いっぱいになりかけたが、しっとりと返した。
「そうだな。雰囲気を大切にしよう」
に、と微笑し再び手を動かす真。骸香が黒の燕尾服に白いシャツという男装をしているのも影響しているのだと思ったようだ。これを感じた骸香、自分のネクタイを見た。黒い布に、薄っすらした白いストライプ。何となく揺れる心に似てる気がしたが、ぶるんと顔を振って集中した。
「良いひととき過ごすのは良いっすよね」
「? ……ああ、そうだな」
真、不審そうにしたがいつもの口調を聞いてむしろ安心したようだった。
ここで、ずっと屈んでいた白いコックコートの人影が上体を上げた。
「よし、もう一息」
ザレム・アズール(ka0878)である。
その前のテーブルには、ずらりと小さなケーキが並んでいる。
ちょうど小太に連れられたフラが通り掛かる。
「わあっ。ザレムさん、すごいね」
「ああ。甘さ控えめの乳白色のババロアの中にフランボワーズムースだ」
丸く小さなケーキがいくつも並んでいる。
「その上にあるのはなんでしょうかぁ?」
「採光花に見立てたチョコの花だな」
覗き込む小太に答える。
「うわあ、美味しそうだなぁ」
「チョコリボンを作って飾り、ベリー系を皿に散らして完成……花は白チョコと苺チョコの二つの味だよ。味見する?」
「美味しいね」
「……うん、美味しいっす」
おっと、骸香も加わっている。
「雰囲気じゃなかったのか?」
「そ、そう……でした」
「フラさん」
「ああん」
それぞれ真と小太にたしなめられるが。
ここでハナが戻って来た。
「まずは注文、取ってくださいねぇ」
彼女の言う通り、客が一気に増えたのでまずは接客だ。
「そうだな。手伝おう」
ザレム、コックスーツを脱ぎ黒の執事服姿になる。白手袋をしつつ売り場に行くのだった。
●
さて、キーリ。
「チョコのお酒、だけ?」
カップル客の接客をしたところ、男性の方が少し顔をしかめていた。
「お祭りは良い意味で疲れたでしょ、そういう時は甘いものって相場が決まってるのよ」
面倒だわね、と内心思いつつも眠そうな目のまま囁くように言って聞かせた。
「まるで魔法使いのようなえらそうな口ぶりだね」
横柄な男性客は彼女の説得もあり【ホワイトデー】二つの注文を受けた。
で、酒を持ってきた時にキーリは少し悪戯心を起こした。
「……これは魔術師から1分間のサービス」
ぼっ、とリトルファイヤが浮かび二人を幻想的に照らす。
「さっきはすまない。ありがとう」
横柄だった男、素直になって感謝した。
「頃合いだな」
一部始終を見ていたザレムが厨房に戻る。
「うーん、あまり手を広げすぎると採算がねぇ」
「でもでも、使っているチョコやシロップは全部このリキュールですぅ」
そこではシエラにハナがサイドメニューの提案をしているみたいである。
「女性同士でもカップル同士でも楽しめればということでぇ、リコッタチーズのホットケーキ生クリーム&チョコレートがけとかぁ」
「ハナ、少し手伝ってくれ」
熱を込めていたところ、ザレムが声を掛けた。
「ザレムくん、どうしましたぁ?」
「これを使って各テーブルにキャンドルサービスだ」
「あ、それいいですねぇ」
というわけで、手分けしてテーブルの上にランプを設置した。
「いいね、こういうの。ちゃんと採光花は見えるし」
「距離が近くなる感じ」
見詰め合ったり手を取り合ったりと恋人たちに好評のようで。
ところが、ぐっと盛り上がってエスカレートするカップルたちも。
「良いひととき過ごすのは良いっすよね」
この時、骸香は一人そんなことを呟きつつ、ドキドキしつつ店内の恋人たちを見ていた。
中にはこつんと額を付けてまるでキスをするかのようにお互いの鼻の頭をつけたり放したりする二人も。
「ま、まさか……」
キス、するっすか、とドキドキドキ。
その時っ!
「目を皿のようにしてガン見するとお客様に逃げられちゃいますよぅ」
「わっ!」
耳元でささやかれてびっくり。
見ると、ハナだった。
「プロ意識に徹して最高のサービスを提供しつつ、近くでそれとなく脳裏に焼き付けるのがコツです~」
そう言って、いちゃつくカップルの傍にいってそっとお冷のグラスを差し入れたり。一声かけるが自然すぎて二人はいちゃついたまま。見事な給仕であり、見事な至近距離観察である。
「そ、そうっすね。客引きもするっす」
というわけで骸香もチャレンジ。
「今宵は綺麗な採光花が見れる夜。大切な人とゆったりとこちらのお店で過ごすのはどうですか?」
花畑近くで肩を寄せ合い座るカップルに声を掛ける。近付くことで二人の手の位置はどうなっていたかなどしっかり観察。
「いや、ほっといてくれ」
「良い夜をすごしてくださいね」
さっと引く骸香。「悪くない?」と彼女が言うのを耳にしたが、骸香としては好奇心が満たされて満足なのだ。
時は少し遡り、真。
「いらっしゃいませ、お疲れ様です」
給仕をするのに少し口調を変えた。
「おお、気が利くの。……昼間の屋台管理も終わったし、少しは祭りの気分も味わいたかったから寄せてもらったんじゃ」
年配夫婦たちは観光客ではなく、郷祭の運営側の人だった。
「邪魔でなければ、少しだけでも……」
書き入れ時と理解はしていても、やはりゆっくりしたいようで。
「チョコレートハウスはいつだって歓迎します。ごゆっくりなさってください」
真、無下にせず誠実に対応。後の話になるが、チョコレートハウスの評価が激しく上がることになる。
その後、気付いた。
「んん……」
「大丈夫か、フラ?」
大人びた化粧をしてハイヒールを履き給仕していたフラがよろめいたところ駆け寄り、支えた。顔を見ると真っ赤になっている。
「小太はどうした?」
「小太さん、モテモテだから……」
聞いた真に視線で示すフラ。見ると小太、給仕で各テーブルを回っていた。
「い、いらっしゃいませぇ。どうぞ、ゆっくりとしていってくださいねぇ。お二人に多くの幸がありますことをお祈りしますぅ」
小太、神楽鈴の清らかな音を各テーブルに届けていた。
「その……雰囲気が良くなりすぎてエスカレートするかもだからって……」
「ああ。ここでキスまでいきそうな雰囲気になってるな」
真、理解した。
薄暗い中、あまりに自分たちだけの世界に入り込んでしまっているのだ。現実に引き戻すのに鈴の音を聞かせているのだ。
「【エンジェラ】もどうぞぉ……」
そして小太、ちゃんと給仕もしている。
その向こうで、ひらりと踊る姿。
「恋人同士の甘い気持ちを飲み物で表しているのよ。どうぞ」
キーリだ。
全体的な雰囲気を壊さないよう、声を出したり踊ったりで店員の存在感を増して二人だけの雰囲気から目覚めさせているのだ。
「そういうことなら……」
真、横笛を出す。
ひゅっ、と吹いて調子を確かめると、端に座って本格的な演奏。
緩やかで、伸びやかで。
「……はっ」
「あっ……いいわね」
現実に引き戻されて耳を傾ける客もいる。
「こんな感じのケーキです」
「わっ、素敵。ねえ、いいでしょう?」
ザレムはケーキのイラストを見せて注文を取っている。女性たちはケーキの魅力にあっさりと行き過ぎたいちゃいちゃモードから引き戻されている。
そして笛の後に歌声が。
♪
揺り籠に揺られ寝る赤子 何の夢を見るの
♪
骸香が歌っていた。
静かに、優しく。
まるで夢を見るように。
そして皆に夢を見せるように……。
●
そんな中、悠月は花畑の近くまで来ていた。
「よいしょ……アカペラだけど、いつもやってるし」
傍に「チョコレート・ハウス」の看板を立てて大きく息を吸った。
「仲の良い方とご一緒に甘いひと時を。御一人の方でも疲れを癒すひと時を。御気になりましたら、是非足を運んでみてくださいねっ」
囁くように、歌うように宣伝してから本格的に歌い出す。
♪
鏡に映る私の視線 私の心に気付いてる
自信の持てない恋患い
天使よ、いるならここに来て
恋の女神の力を分けて
ショコラヴィーナス 愛のささやき
ショコラヴィーナス 恋の口づけ
香る甘さも 気まぐれに
♪
女性の歌を丁寧に歌った。
優しさを込めて、まろやかに。
胸元に右手を当て、左手を優雅に広げて。
歌詞に気付いて振り向く女性は、きっと悠月の左手と共にきらめくムーンライトリングに気付いたはず。
証拠に、彼にねだってチョコレート・ハウスに行くカップルがいたのだから。
「ふぅ……」
歌い終え満足そうな悠月。
拍手はないが感じている。
カップルたちが、自分の歌声が終わるとともに改めて肩を寄せ合っている気配を見せていることを。
●
そして閉店。
「…お疲れさまでしたぁ。お客さん多くて良かったですぅ」
充実したハナの声。
「終わったね~」
フラも満足そうに言って、花畑の傍の土手にごろり。
「ああ、無事に終わったな」
「フラさん、まだ寝ちゃだめですよぅ」
頷くザレムに、小太がくすり。
「なんだかしんみりとしてるよね」
静かな雰囲気に悠月がにっこり。
「お祭りの最後ねー。神秘的。こういうのを見ると神様の存在を感じるわね」
キーリがぽそっとつぶやいたところで、びくっとした。
「な、何よ、みんなして」
「そう。神秘的、だね」
驚くキーリに、悠月がにっこり。
「……余った酒や材料を利用した。ゆっくりしよう」
ここで真がやって来た。
【ホワイトデー】やココアを盆に載せている。
「よしっ、歌おう」
ここで悠月が立ち上がる。
「祭りの終わりに酔いながら、歌を歌うのも気持ち良い……堪らないねっ 」
ちょっとした、小さなライブが始まる。
その後。
「今宵は綺麗な採光花が見れる夜。大切な人とゆったりとこちらのお店で過ごすのはどうですか?」
真は骸香と一緒だった。
「いいよ」
「……こんな雰囲気、初めてっす。一緒にこうやって飲んで見れるの」
ほのかに光る花畑の前でそんな会話が聞こえる。
同じく闇の中。
「さ、乾杯しよう。星野に素敵な出会いが有りますように」
「ザレムくん結構嗜むんですねぇ……ちょっと聞いていいですかぁ?」
「好みのタイプ? 思考も行動も自立した女性かな。あと、心が綺麗な子。これに尽きる……星野も結構飲んでるぞ?」
「甘いお酒、大体の女の子は好きだと思いますぅ」
恋人談議に花が咲く。
こちらにも。
「採光花。夜にこうやって見ると、昼とはまた違って不思議な雰囲気ですねぇ…。神秘的というかなんというかぁ…」
「小太さん?」
「ふぇ?」
「連れ出してくれてありがと」
胸のドキドキもつないだ手も、もたれかかった様子も、闇が隠す。
そして別の場所を散歩する影。
「お祭りが終わって静かになった夜って……」
「え? 寂しい気持ちもあるけれど…また次のお祭りはきっとあるからね」
「……私達がこの町を独占してるようで素敵よね」
「ぷっ」
「何よ、ユッキー」
「ううん、素敵だよ。独占してるようで」
「ま、いいわ。……はぁ、良い気持ちねー。今日はぐっすり眠れそう」
「それはいいね。夏はまだまだこれからなんだからっ」
悠月の言葉通り、皆の冒険もまだまだこれからである。
郷祭最後の日が暮れた。
すでに周囲は薄闇に包まれている。黄昏時だ。
「ふうん、素敵ね」
飲酒屋台「チョコレート・ハウス」で、オーナーのシエラ・エバンスが足を組み替えうっとりと言う。
屋台前に並べた丸テーブルにはまだ客は少ない。そこに座って眼前に広がる光景を眺めていた。
そこは採光花『咲蛍』の花畑。
日中にデイジーのような花で受けた光でほんのりとほのかに発光している。
「すごいでしょ、シエラさん」
横に控えていたフラ・キャンディ(kz0121)が声を弾ませた。
「……失格。小太さん、フラちゃんを更衣室に連れて行ってちゃんとハイヒールを履かせてきて」
「きゃん!」
「は、はいですぅ」
シエラにお尻を叩かれたフラ、服装は黒のプリーツスカートに白いブラウスと大人びていたが、振る舞いが子供のまま。黒い袴姿に白い意匠をところどころに施した和装でまとめる弓月・小太(ka4679)に返品してやり直しを指示する。
「えー。でも、ハナさんは?」
フラ、連行されつつすれ違う星野 ハナ(ka5852)を見て異議を唱える。
「私の服には合いませんからぁ」
ハナ、黒いミニスカメイド服に白い二―ソックス。靴は黒い革靴である。
「すいません、やってますか?」
ここで、客。
「いらっしゃいませぇ、ショコラヴィーナスへようこそぉ。こちらの席から咲蛍がよく見えますぅ」
ハナは落ち着いた様子で接客。
「店の雰囲気を壊してないから問題ないわ」
「う……」
シエラ、ハナの様子を見て太鼓判。フラはしゅん。
その横から、ずいとキーリ(ka4642)が迫って来る。
「……あんた、普通の靴だったら跳ねまわるでしょ?」
そう言うキーリは王国風の黒を基調に白のアクセントを加えたドレスをしっとりと着こなしていた。瞳のアンニュイな様子とマッチしている。
「そこまで言ったらかわいそうじゃないかな?」
細いシルエットの人物が新たに。
シャープな黒スラックスに白シャツ、そして首元に黒蝶ネクタイをした霧雨 悠月(ka4130)である。今日は特にピシッとしているようで。
「ユッキーもやり直ししてくる? 前のふんわりブラウスもきっと似合うわよ?」
「嫌だよ。だって僕、男だし」
途端にわたたとした様子で断る。キーリ、満足そう。やっぱり悠月は悠月のようで。
「そ、それより前回は客引きに行きましたがぁ……」
どうしましょうかぁ、とフラをお持ち帰り体勢の小太。
「うーん。派手好きな私は雰囲気壊しそうねー」
「そうだね。素敵な場所だから雰囲気を壊さないように……」
悠月が言った時だった。
「ちょっと。思いっきり肯定しないでくれる?」
キーリ、ジト目で悠月を見る。
「あはは、それより今は接客だね。ハナさん、頑張ってるけど……」
悠月がハナを見る。
「飲み物メニューはこちらになりますぅ。こちらはサイドメニューですぅ」
丁寧な接客をしている。雰囲気重視なので当然だ。
「……来る客の方か多くなってきた。急ごう」
「そうね、まずは接客。私人見知りしないし。意外でしょ?」
「ええと……」
悠月が行ったのでフラに絡むキーリ。
「と、とにかくお客さん達に喜んで帰って貰えるよう頑張るのですよぉ」
小太、急いでフラを更衣室に連れて行くのだった。
●
一方、屋台の厨房では。
「骸香殿、以前はミルク入りのカクテルが人気だったので覚えておいてくれ」
白シャツに黒ベストの鞍馬 真(ka5819)が、エプロンの裾で手を拭きながら手筈を話した。
「ミルクを切らさないようにすればいいっす……いいのね?」
真に言われ、骸香(ka6223)は素直に頷きポットをいくつか用意する。
「……いつもと口調が違うようだが?」
真、不審に思って聞く。
「そ、そりゃ雰囲気を壊したく……ないですから」
元気いっぱいになりかけたが、しっとりと返した。
「そうだな。雰囲気を大切にしよう」
に、と微笑し再び手を動かす真。骸香が黒の燕尾服に白いシャツという男装をしているのも影響しているのだと思ったようだ。これを感じた骸香、自分のネクタイを見た。黒い布に、薄っすらした白いストライプ。何となく揺れる心に似てる気がしたが、ぶるんと顔を振って集中した。
「良いひととき過ごすのは良いっすよね」
「? ……ああ、そうだな」
真、不審そうにしたがいつもの口調を聞いてむしろ安心したようだった。
ここで、ずっと屈んでいた白いコックコートの人影が上体を上げた。
「よし、もう一息」
ザレム・アズール(ka0878)である。
その前のテーブルには、ずらりと小さなケーキが並んでいる。
ちょうど小太に連れられたフラが通り掛かる。
「わあっ。ザレムさん、すごいね」
「ああ。甘さ控えめの乳白色のババロアの中にフランボワーズムースだ」
丸く小さなケーキがいくつも並んでいる。
「その上にあるのはなんでしょうかぁ?」
「採光花に見立てたチョコの花だな」
覗き込む小太に答える。
「うわあ、美味しそうだなぁ」
「チョコリボンを作って飾り、ベリー系を皿に散らして完成……花は白チョコと苺チョコの二つの味だよ。味見する?」
「美味しいね」
「……うん、美味しいっす」
おっと、骸香も加わっている。
「雰囲気じゃなかったのか?」
「そ、そう……でした」
「フラさん」
「ああん」
それぞれ真と小太にたしなめられるが。
ここでハナが戻って来た。
「まずは注文、取ってくださいねぇ」
彼女の言う通り、客が一気に増えたのでまずは接客だ。
「そうだな。手伝おう」
ザレム、コックスーツを脱ぎ黒の執事服姿になる。白手袋をしつつ売り場に行くのだった。
●
さて、キーリ。
「チョコのお酒、だけ?」
カップル客の接客をしたところ、男性の方が少し顔をしかめていた。
「お祭りは良い意味で疲れたでしょ、そういう時は甘いものって相場が決まってるのよ」
面倒だわね、と内心思いつつも眠そうな目のまま囁くように言って聞かせた。
「まるで魔法使いのようなえらそうな口ぶりだね」
横柄な男性客は彼女の説得もあり【ホワイトデー】二つの注文を受けた。
で、酒を持ってきた時にキーリは少し悪戯心を起こした。
「……これは魔術師から1分間のサービス」
ぼっ、とリトルファイヤが浮かび二人を幻想的に照らす。
「さっきはすまない。ありがとう」
横柄だった男、素直になって感謝した。
「頃合いだな」
一部始終を見ていたザレムが厨房に戻る。
「うーん、あまり手を広げすぎると採算がねぇ」
「でもでも、使っているチョコやシロップは全部このリキュールですぅ」
そこではシエラにハナがサイドメニューの提案をしているみたいである。
「女性同士でもカップル同士でも楽しめればということでぇ、リコッタチーズのホットケーキ生クリーム&チョコレートがけとかぁ」
「ハナ、少し手伝ってくれ」
熱を込めていたところ、ザレムが声を掛けた。
「ザレムくん、どうしましたぁ?」
「これを使って各テーブルにキャンドルサービスだ」
「あ、それいいですねぇ」
というわけで、手分けしてテーブルの上にランプを設置した。
「いいね、こういうの。ちゃんと採光花は見えるし」
「距離が近くなる感じ」
見詰め合ったり手を取り合ったりと恋人たちに好評のようで。
ところが、ぐっと盛り上がってエスカレートするカップルたちも。
「良いひととき過ごすのは良いっすよね」
この時、骸香は一人そんなことを呟きつつ、ドキドキしつつ店内の恋人たちを見ていた。
中にはこつんと額を付けてまるでキスをするかのようにお互いの鼻の頭をつけたり放したりする二人も。
「ま、まさか……」
キス、するっすか、とドキドキドキ。
その時っ!
「目を皿のようにしてガン見するとお客様に逃げられちゃいますよぅ」
「わっ!」
耳元でささやかれてびっくり。
見ると、ハナだった。
「プロ意識に徹して最高のサービスを提供しつつ、近くでそれとなく脳裏に焼き付けるのがコツです~」
そう言って、いちゃつくカップルの傍にいってそっとお冷のグラスを差し入れたり。一声かけるが自然すぎて二人はいちゃついたまま。見事な給仕であり、見事な至近距離観察である。
「そ、そうっすね。客引きもするっす」
というわけで骸香もチャレンジ。
「今宵は綺麗な採光花が見れる夜。大切な人とゆったりとこちらのお店で過ごすのはどうですか?」
花畑近くで肩を寄せ合い座るカップルに声を掛ける。近付くことで二人の手の位置はどうなっていたかなどしっかり観察。
「いや、ほっといてくれ」
「良い夜をすごしてくださいね」
さっと引く骸香。「悪くない?」と彼女が言うのを耳にしたが、骸香としては好奇心が満たされて満足なのだ。
時は少し遡り、真。
「いらっしゃいませ、お疲れ様です」
給仕をするのに少し口調を変えた。
「おお、気が利くの。……昼間の屋台管理も終わったし、少しは祭りの気分も味わいたかったから寄せてもらったんじゃ」
年配夫婦たちは観光客ではなく、郷祭の運営側の人だった。
「邪魔でなければ、少しだけでも……」
書き入れ時と理解はしていても、やはりゆっくりしたいようで。
「チョコレートハウスはいつだって歓迎します。ごゆっくりなさってください」
真、無下にせず誠実に対応。後の話になるが、チョコレートハウスの評価が激しく上がることになる。
その後、気付いた。
「んん……」
「大丈夫か、フラ?」
大人びた化粧をしてハイヒールを履き給仕していたフラがよろめいたところ駆け寄り、支えた。顔を見ると真っ赤になっている。
「小太はどうした?」
「小太さん、モテモテだから……」
聞いた真に視線で示すフラ。見ると小太、給仕で各テーブルを回っていた。
「い、いらっしゃいませぇ。どうぞ、ゆっくりとしていってくださいねぇ。お二人に多くの幸がありますことをお祈りしますぅ」
小太、神楽鈴の清らかな音を各テーブルに届けていた。
「その……雰囲気が良くなりすぎてエスカレートするかもだからって……」
「ああ。ここでキスまでいきそうな雰囲気になってるな」
真、理解した。
薄暗い中、あまりに自分たちだけの世界に入り込んでしまっているのだ。現実に引き戻すのに鈴の音を聞かせているのだ。
「【エンジェラ】もどうぞぉ……」
そして小太、ちゃんと給仕もしている。
その向こうで、ひらりと踊る姿。
「恋人同士の甘い気持ちを飲み物で表しているのよ。どうぞ」
キーリだ。
全体的な雰囲気を壊さないよう、声を出したり踊ったりで店員の存在感を増して二人だけの雰囲気から目覚めさせているのだ。
「そういうことなら……」
真、横笛を出す。
ひゅっ、と吹いて調子を確かめると、端に座って本格的な演奏。
緩やかで、伸びやかで。
「……はっ」
「あっ……いいわね」
現実に引き戻されて耳を傾ける客もいる。
「こんな感じのケーキです」
「わっ、素敵。ねえ、いいでしょう?」
ザレムはケーキのイラストを見せて注文を取っている。女性たちはケーキの魅力にあっさりと行き過ぎたいちゃいちゃモードから引き戻されている。
そして笛の後に歌声が。
♪
揺り籠に揺られ寝る赤子 何の夢を見るの
♪
骸香が歌っていた。
静かに、優しく。
まるで夢を見るように。
そして皆に夢を見せるように……。
●
そんな中、悠月は花畑の近くまで来ていた。
「よいしょ……アカペラだけど、いつもやってるし」
傍に「チョコレート・ハウス」の看板を立てて大きく息を吸った。
「仲の良い方とご一緒に甘いひと時を。御一人の方でも疲れを癒すひと時を。御気になりましたら、是非足を運んでみてくださいねっ」
囁くように、歌うように宣伝してから本格的に歌い出す。
♪
鏡に映る私の視線 私の心に気付いてる
自信の持てない恋患い
天使よ、いるならここに来て
恋の女神の力を分けて
ショコラヴィーナス 愛のささやき
ショコラヴィーナス 恋の口づけ
香る甘さも 気まぐれに
♪
女性の歌を丁寧に歌った。
優しさを込めて、まろやかに。
胸元に右手を当て、左手を優雅に広げて。
歌詞に気付いて振り向く女性は、きっと悠月の左手と共にきらめくムーンライトリングに気付いたはず。
証拠に、彼にねだってチョコレート・ハウスに行くカップルがいたのだから。
「ふぅ……」
歌い終え満足そうな悠月。
拍手はないが感じている。
カップルたちが、自分の歌声が終わるとともに改めて肩を寄せ合っている気配を見せていることを。
●
そして閉店。
「…お疲れさまでしたぁ。お客さん多くて良かったですぅ」
充実したハナの声。
「終わったね~」
フラも満足そうに言って、花畑の傍の土手にごろり。
「ああ、無事に終わったな」
「フラさん、まだ寝ちゃだめですよぅ」
頷くザレムに、小太がくすり。
「なんだかしんみりとしてるよね」
静かな雰囲気に悠月がにっこり。
「お祭りの最後ねー。神秘的。こういうのを見ると神様の存在を感じるわね」
キーリがぽそっとつぶやいたところで、びくっとした。
「な、何よ、みんなして」
「そう。神秘的、だね」
驚くキーリに、悠月がにっこり。
「……余った酒や材料を利用した。ゆっくりしよう」
ここで真がやって来た。
【ホワイトデー】やココアを盆に載せている。
「よしっ、歌おう」
ここで悠月が立ち上がる。
「祭りの終わりに酔いながら、歌を歌うのも気持ち良い……堪らないねっ 」
ちょっとした、小さなライブが始まる。
その後。
「今宵は綺麗な採光花が見れる夜。大切な人とゆったりとこちらのお店で過ごすのはどうですか?」
真は骸香と一緒だった。
「いいよ」
「……こんな雰囲気、初めてっす。一緒にこうやって飲んで見れるの」
ほのかに光る花畑の前でそんな会話が聞こえる。
同じく闇の中。
「さ、乾杯しよう。星野に素敵な出会いが有りますように」
「ザレムくん結構嗜むんですねぇ……ちょっと聞いていいですかぁ?」
「好みのタイプ? 思考も行動も自立した女性かな。あと、心が綺麗な子。これに尽きる……星野も結構飲んでるぞ?」
「甘いお酒、大体の女の子は好きだと思いますぅ」
恋人談議に花が咲く。
こちらにも。
「採光花。夜にこうやって見ると、昼とはまた違って不思議な雰囲気ですねぇ…。神秘的というかなんというかぁ…」
「小太さん?」
「ふぇ?」
「連れ出してくれてありがと」
胸のドキドキもつないだ手も、もたれかかった様子も、闇が隠す。
そして別の場所を散歩する影。
「お祭りが終わって静かになった夜って……」
「え? 寂しい気持ちもあるけれど…また次のお祭りはきっとあるからね」
「……私達がこの町を独占してるようで素敵よね」
「ぷっ」
「何よ、ユッキー」
「ううん、素敵だよ。独占してるようで」
「ま、いいわ。……はぁ、良い気持ちねー。今日はぐっすり眠れそう」
「それはいいね。夏はまだまだこれからなんだからっ」
悠月の言葉通り、皆の冒険もまだまだこれからである。
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/05/28 22:35:17 |
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チョコレート相談 星野 ハナ(ka5852) 人間(リアルブルー)|24才|女性|符術師(カードマスター) |
最終発言 2016/05/29 22:37:40 |