ネレイド村の海祭り

マスター:とりる

シナリオ形態
ショート
難易度
易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~10人
サポート
0~10人
マテリアルリンク
報酬
無し
相談期間
5日
締切
2016/08/23 22:00
完成日
2016/09/08 18:31

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

「夏だ! 海だ!」
 ここはネレイド村――族長の家。
 そこでミサキ・ネレイド(kz0079)がぎゅっと握った拳と共に声を張り上げた。
「夏と言ったらやっぱり海だよね! 私達も海に遊びに行こう! ……時期的にやや遅いとか、もうすぐ夏が終わっちゃうとかは言っちゃダメだからね!」
「……ミサキ様、誰もそのようなことは申しておりませんが……」
 ミサキの隣に控えているミサキを守る近衛隊隊長、ヴァイン・ネレイドが突っ込みを入れる。
「うんうん、誰も文句は無いってことだよね。それじゃあさっそく海に――」
 意気揚々と家を出て行こうとするミサキの腕をがしぃ! と掴む手があった。ヴァインだ。
 ゴゴゴゴゴ……という効果音でも出ていそうなオーラを纏っている……。
「ミサキ様が遊びに行くことに関しては断固阻止です。ネレイド村が今、村興しで大忙しなのはご存知ですよね?」
「そんなのわかってるよー。ぶーぶー!」
 引き留められたミサキは床にあぐらをかいて座り、頬を膨らませてブーイング。
 ……ヴァインが言った村興し。村北部のマギア砦に歪虚が居ないことが確認されたため、辺境で比較的安全な地域、且つ、海に面しているということで現在ネレイド村では海祭りが開催中なのだ。
 そういうわけで村を取り仕切る族長であるミサキは大忙し。家にほぼ缶詰め状態。海へ泳ぎに行く暇も無かった……。
「近衛隊の皆……ヴァイン以外はたまに交代で泳いでいるんでしょー? ずるくない?」
「まったくミサキ様は……こういったデスクワークも族長の仕事なのですよ。自覚と責任を持ってください」
「はふぅ……それもわかってるけど……こう毎日缶詰状態じゃ参っちゃうよ……。ねえヴァイン、少しで良いから泳ぎに行かせて。だめ?」
 ミサキは上目遣い・潤んだ瞳でヴァインの顔を見る。
「ダメです」
「即答!? ひどい!!」
 ミサキは涙目。それを見たヴァインはふう、と溜息をつく。
「まあ方法が無いわけでもありませんが……ハンターズソサエティに『海祭りへの招待』依頼を出せば良いのですよ。意味は解りますね?」
「あ、そっか。それならハンターさんの案内とかで『族長の仕事として』海遊びが出来る! ヴァイン、ナイスアイディアだよ!」
「その場合の雑務は私が一時的に引き受けます。とりあえず、さっそくハンターズソサエティに連絡……ですよね、ミサキ様」
「うん。よろしく! あぁ~楽しみだなぁ~。しばらく泳いでなかったから~」
「ミサキ様、すっかり遊ぶ気まんまんのようですが、ハンターからお誘いが無ければこのままお仕事ですからね?」
「…………」
 現実は残酷である。――というわけでハンターズソサエティにネレイド村から『海祭りへの招待』として依頼が出されたのだった。

リプレイ本文

●海祭り!

 ネレイド村の海祭りに招待された十六名のハンター達――。

 ***


 米本 剛(ka0320)は以前、片瀬・歩美に会った際に感じた電流が奔った様な衝撃が気になり招待を受けた次第。
 そんな訳で彼はネレイド族のアドバイザー的な歩美が住む岬の家へやって来ていた。
 扉の前で三十分程悩んだ後に、勇気を出してノック。すると歩美が姿を現した。
「こ、こんにちは片瀬さん。この前は楽しかったです、ありがとうございました」
 歩美は「ええ、こちらこそ」と微笑む。……しばしの間……。
「あぁ、それでですね……可能でしたら今回もお付き合い願えませんか?」
(うぅむ、どうにもこう…ビシッとした誘い文句は出ませんな。兎も角、今回は片瀬さんと語らってみたい!)
 米本がごくりと唾を呑み込むと、歩美は「喜んで」と笑みを浮かべる。

 ***

 海で思いっきり食べ遊びに来たネフィリア・レインフォード(ka0444)。
 水着は無くても良いと思っていたネフィだが当然ながら姉に怒られ、渡された白のツーピースビキニを着ている。
 誰かと一緒に遊んだ方が面白いと考えた彼女は知り合いであるミサキ・ネレイド(kz0079)の元、族長の家へ誘いに。
「やほーこんにちはー。ミサキちゃん暇かな? かな? 一緒に遊ぼうなのだー♪」
 ミサキは「わーい! お誘いが来たー! 早速遊んでくるね! ネフィちゃんありがとう!」と、近衛隊のヴァインに任せネフィと共に家を飛び出した。

 ***

「海よー桜ちゃんの海よーなのです! 砂浜でいっぱい修行をするのです! お一人様と二匹様コースなのだ!!」
 修行が目的という八重 桜(ka4253)は『黒猫のクロスケ』と『柴犬のシバスケ』のペット二匹を連れている。
「海でいっぱい修行をするのです。招待されたからにはいっぱいやるのです」

 ***

 ディーナ・フェルミ(ka5843)は乗用馬に跨り参上。
「常温で悪くならないお酒……うーんうーん……エール?」
 という訳でエールを樽で持参。また、すぐ着替えられる様にビキニを服の下に着てきた。
 ミサキがネフィに誘われた為、族長代理を務めるヴァインにご挨拶&エールを差し入れ。
「本日はお招きいただきありがとうなの。きちんとここの海祭りの良さを流布? 喧伝? 周知? 兎に角皆に話して回るの頑張るの」
 そう言ってからディーナはよいしょっと馬から樽を降ろす。
「部族の人達で飲んでほしいの差し入れなの。お祭りなんだもの、この位の役得はあっていいの。リアルブルーの人に聞いたの、お祭りには参加協賛でお酒の差し入れ必須なの」

 ***

 時音 ざくろ(ka1250)は冒険団(ギルド)仲間兼恋人のアルラウネ(ka4841)、コーシカ(ka0903)、アデリシア=R=エルミナゥ(ka0746)を誘い、水着と浴衣で海祭りデート!
「浴衣祭の時に見た素敵な場所を、案内してあげたくて……そして、素敵なひと夏の甘い時間を一緒に」
「夏は思い出作りに最適ね」
 頬を染めるざくろの隣でアルラウネが言った。
「水着でビーチバレー、浴衣に着替えて、夕日が綺麗な浸食洞へ、居酒屋で夕食。というプランで良いのよね?」
 予定を確認。ざくろはこくりと頷く。
「魔導カメラを手に入れたから記念写真を撮りたいとも言ってたわね」
「うん。思い出を形に残しておきたいし」
 ざくろはえへへと指で頬をかいた。

 ***

 ビスマ・イリアス(ka1701)はリューナ・ヘリオドール(ka2444)と行動。
 二人はお互いに意識しながら、互いに伴侶と死別した経験から一歩を踏み出せずに酒場の店主と料理人の関係を続けている……。
「海祭りか、海辺ではしゃぎ回るという歳でもないのだが……それでも楽しい物は楽しい物だ、夏の日を思う存分楽しもう」
 ビスマの言葉にリューナは「ええ、そうね」と頷く。

 ***

「アルバ・ソル(ka4189)だ。宜しくね。お招きありがとう」
 彼は本日、恋人のクウ(ka3730)と共に村を歩きたいと思っていた。
 アルバにとってエステル・ソル(ka3983)は可愛い妹、紅媛=アルザード(ka6122)は従姉妹。
 カティス・ノート(ka2486)とグラディート(ka6433)は幼馴染である。

「恋人……に、なりたてのアルバと出かけている形ね!」
(今までの付き合いも長いから、恋人っぽくとかまだちょっと慣れないけれど……)
 ぎこちなくアルバと手を繋いでいるクウ。もじもじしていて可愛らしい。

 ***

 一方、カティスは幼馴染達と一緒に居酒屋でバイト。
 彼女はエステル、紅媛と一緒に給仕を担当する予定。二人のフォローを忘れないつもり。

(クウさんとアルバさんのデートは……見守るよ? あ、エスティが泣きそうなら手助けするけどね)
 グラディートもカティス達と一緒にバイト。
 彼は開店前に醤油を味見させて貰い、
「ふむ。後々ちょっと焼いて香ばしくしたら、お客さん匂いで寄って来ないかな?」
 等と店長に提案。

●海遊び!

 ディーナは砂浜に着いたらすぐその場でビキニに着替え、準備運動し、居酒屋に突撃。
「武士じゃないから高楊枝より団子なの、腹が減っては泳ぎもできないの」

 ***

「それじゃあ海までかけっこなのだ♪ 早くついたほうが勝ちー♪」
 ネフィはミサキと一緒に砂浜まで駆け、準備運動をした後に海へ入る。
「海に到着ー♪ 汗かいたから海が冷たくて気持ち良いのだ♪ ミサキちゃん、それー♪」
 海水をばしゃばしゃかけ合ったり、
「泳ぐのは得意そうだよねー? でも僕も川でよく泳いでたし負けないのだ♪ あそこまでどっちが早くつくか勝負だよ♪」
 近くの岩場まで泳いで競争したり。

 ***

「覚悟していくのです。バブルヘルムで防水もばっちりなのです! 早速砂浜で修行なのです!」
 桜は何を思ったか海際で砂に埋まり始める。浸水とか考えてないらしい……。
「ヘルムで水が来てもへっちゃらなのです!」
 浸水もそうだがヘルムは気密性が高く、呼吸も大丈夫なのだろうか……。

 ***

 ざくろ達は水着に着替えて皆で一緒に砂浜へ繰り出す!
 皆でビーチバレー。ざくろ&コーシカVSアルラウネ&アデリシアに分かれて対戦!
「アデリシアさんと組んで勝負よ。ざくろんがどんな珍事をやらかすか……警戒するだけ無駄かしらね?」
 ざくろをジト目で見るアルラウネ。そこでざくろが提案。
「勝った方が、負けた方に何でも一つお願いできるとかどうかな?」
 アルラウネは「受けて立つわ」と答える。だがしかし。
 ざくろ側の要求は『洞窟に行く時、下着なしで浴衣を着てくる事』。
 勢いでババーンと言い放ったがざくろはすぐに赤面。「やっぱりざくろはスケベね!」と、女性陣は溜息一つで承諾。
「勝負ときたら簡単に負ける訳にはいきませんね」
 アデリシアの水着は青白ストライプのビキニ。
(勝った方が負けた方に…それなら、わざと負けようかしら)
 コーシカは少し呆れ。

 そしてゲーム開始。熱い戦いが繰り広げられる中。
 ざくろは夢中になり過ぎて女性陣に飛び込んで押し倒したり、水着を掴んで取っちゃったり、ハプニング続出。
「はわわ!?」
「相変わらずね! 全く。……にしても、ざくろ、貴方これ揺れるのが見たいだけじゃ……」
 顔を真っ赤にしているざくろを見てコーシカは溜息。

 ……勝負はざくろチームの勝利。その後、ざくろは魔道カメラで女性陣の水着姿を記念撮影。

 ***

 若者達が青春を謳歌している中、ビスマはリューナの手を取って砂浜へエスコート。
 実はリューナと海行くという事で身体を絞ったのは内緒。
「リューナの水着姿……なんというか似合っているとしか言い様がないが……」
 その言葉にリューナは「あら、嬉しい」と微笑むが、
(黒地に蒼の薔薇のパレオつきのビキニも新調した物だし、お肌のお手入れも頑張って来たんだけど……ビスマは気付いてるのかしらね)
 心の中で溜息。

 ***

 一方で居酒屋バイト組。店内は既に結構な賑わいを見せていた。
 カティスは主に給仕を担当。たまに調理も兼任。
「オススメは超新鮮☆お刺身セットなのです♪ それからイカのゲソ揚げも美味しいと思うのですよ。如何でしょうか?」
 接客で相手が男性の場合、表情はにっこり笑顔だが内心はとても緊張して動きがぎこちない。
 酔う等して絡んできた客には、おどおどしつつもはっきり言う。
「ふえぇ!? あ、えと。今はお仕事中なので、困るのですよ。あ、終わってからも、その、難しいのです」
 余りにもしつこい場合は【スリープクラウド】を行使してこっそり撃退する事も辞さない。

「可愛い三人娘のお給仕……いっぱいお客さん来ると思うよ?」
 グラディートは料理がどの様に美味しいのか、どんなお酒に合うのかしっかりと考えてお勧め。
「川魚の塩焼きにはキーンとするぐらい冷やしたエールはいかがですか」
 売り文句と笑顔で給仕。

 エステルは力がないので一皿ずつ丁寧に運ぶ。身長が小さいのでちょこまかとした動き。
 酔客のあしらい方を知らないのでわたわたしつつ。
「焼いてないのに美味しいです! びっくりです!」
 休憩中に出された賄の刺身の味に驚く等していた。

 紅媛は専らエステルらのフォロー。
「料理や接客は得意なので頑張るぞ♪」
 失敗したら慰めてあげるように。エステルは妹みたいに大事な従姉妹ゆえ、優しく接する。

 ***

 居酒屋に突入したディーナはメニューの上から下まで注文。
「同じお料理も海辺でお祭りと思うと美味しさ二倍なの、止まらないの。もぐもぐ」
 料理はペットのサバちゃん(猫)やパルムとも分け合う。
「やっぱり海は美味しいの♪」

 その隣で米本と歩美は軽く食事をしつつ、潰れない程度にお酒をちびちびやる。
「やっぱり米本さんってお酒強いのね」
「いえいえ、嗜む程度ですよ」
「村の海の幸はどうかしら?」
「酒の肴に最高です」
「そう言って貰えると嬉しいv」

 ***

 アルバとクウが来店。
「や。やってるかい」
 バイト中の幼馴染達や妹のエステルの様子を見に来たついでに料理も注文。
「色々あるから楽しみだね。醤油というのも試してみたい」
「沢山食べるわ! 海の幸とか、美味しそうだもの♪ えっと、ほら、アルバも食べなくっちゃ!」

 アルバとクウは元々幼馴染で、恋人になったのはごく最近。
 奔放な彼女に振り回される事もあるが、彼はその自由さが魅力だと思っている為、喜んでいる。
「美味しそうに食べるよね」
 とニコニコしながら見つつ、不意をついて箸で一品つまんでアーンと彼女へ食べさせてみる。
(ふふ、どんな反応するかな?)
「……うぇ!? あ~ん? ぱくっ」
 されるまま食べ物を口に運ばれ咀嚼するクウ。下を向いて頬を赤くしている。
 そんな彼女を見てアルバは益々愛しく思った。

「……いいな♪ いつか、わたしもああいう風に好きな人としたいのです♪」
 そんな二人のデートを見守るカティス。
「…………」
 紅媛も恋愛には疎いが興味はあるのでアルバやクウをドキドキしながらチラ見。

「クウ姉さまとお兄様(アルバ)は仲良しさんです?」
 そんな仲睦まじいアルバとクウにとことこ近づくエステル。
「わたくしとお兄様も仲良しさんです」
 アルバにぴとっとくっ付き。
「わたくしとクウ姉さまも仲良しさんです」
 クウにもぴとと。二人にくっついて満足そう。
 エステルはアルバとクウが付き合っている事を知らないらしい。

 ***

 ネフィとミサキもある程度遊んだら居酒屋で食事。刺身や魚の塩焼きを頼んでもぐもぐ。
「いっぱい遊んだのだ。お腹減ったしご飯食べるのだ♪ お・さ・か・なー♪」

●ロマンスが止まらない

 お腹が一杯になったネフィとミサキは丘へ移動。沈み始めた夕日を眺める。
「はやー、本当に夕日が綺麗なのだ♪ 涼しくて気持ち良いしいい場所だねー♪」

 ***

 食事を終えた米本と歩美は砂浜へ繰り出し、少年少女の画をカメラに収めていく。
(しかしまぁ……欲を言うなら、自分も折角ですから一枚位片瀬さんと撮ってみたいですがな)
 米本の雰囲気を察したスタッフが二人の写真を撮ってくれた。これには米本も満足気。

 ***

 桜は砂に埋まって修行中なのだが潮の満ち引きを考えていなかったのでお察し。
「バブルヘルムに海水が浸水しても大丈夫なのです! 桜ちゃんピュアウォーターあるから全部真水に変えて飲んでしまえば問題ないのです!」
 勿論全部飲めるとは言っていない。
「ピンチの時はペットに助けて貰えばいいのだ! 助けてー!」
 しかし呼んでもその声はヘルムの中で声が響いて終わり。大ピンチ!

 実はその近くでディーナが食後の運動がてら遠泳をしていたのだが桜には気付かず。
「夕飯をしっかり食べる為には必須なの」

 ***

 夕方頃、ざくろは浴衣に着替え、同じく着替えた恋人達を連れて名所を案内してから浸食洞へ。
 アデリシアの浴衣は青地の白ユリ柄。コーシカは着替えに苦戦した模様。
 仲良く歩くざくろ一行。無論アルラウネも同行。
(持ってきた浴衣に着替えて出発……なんだけど、文字通り着てきた水着と浴衣『しか』持って来てなかったのよね……)
 故に結局浴衣の下は……。

「皆にこの景色見せたかったんだ。……綺麗だよね」
 ロマンチックなムードでざくろと恋人さん達はいちゃいちゃ。胸の高鳴りが収まらない。
(なんだかざくろん積極的? 皆もなんだかそんな雰囲気に……)
 アルラウネの胸もドキドキしてきた。
 そしてざくろは我慢し切れずに恋人全員を抱き寄せ、口付けをする。
「ざくろ、もっと皆が欲しいな……」

 ***

 バイトを終えたカティス、グラディート、エステル、紅媛は一緒に海へ。
 カティスはプリーツワンピースを着てシャツを羽織り、サンダルに履き替える。
「はゎ♪ 冷たいのですよ♪」

「青薔薇さんの水着です! 可愛いです!」
 エステルは嬉しそうにくるくる回り幼馴染達にお披露目。

 紅媛はヴァイン以外の近衛隊のメンバーを「一緒に海遊びしませんかー」と誘い、一緒に遊ぶ。

 アルバとクウのカップルも水着姿になり海辺で良い雰囲気になっている。

 ***

 日が沈むとビスマとリューナは居酒屋へ。二人はカウンター席に着く。
「料理人として捨て置けぬメニューらしいな。…………生の魚がこの様に美味いとは」
「もう。ビスマったら料理の話ばっかり。もうちょっとこう、貴方自身の話を聞きたいわ。最近気に入ってるものとか、好きな香りとか……」
「俺自身の話か……この間リューナが店に飾っていた花の香は良かったな」
(リューナと出会えてから少しずつ自分の時間が動き出してきた気がするな)
 彼女と話していると心の蟠りが少しずつとけていく気がする。
「私の恋人? 素敵な人だったわよ。ビスマも同じくらい……ごめんなさい。何か私酔ってるわね」
 少しお酒が入り、彼女は自分の話へ。
「でもビスマが素敵な人なのは本当よ。早く良い人見つけなさいよ。そうしないと私が困るから」
 リューナは少し困惑した様子の彼を見て、
「……なんでもないわ」

 それから二人は酔い覚ましを兼ねて二人で浜辺を散歩。
 波の音と星空を堪能しながら……ビスマはリューナの手を取った。
 ――お互いに抱えている過去への想いは大きいのは解っている。
 ――それでもそれを抱えて前に進みたいと願う気持ちもある。
「またここに来たいな」二人で、とビスマは呟く。
「ええ、また一緒に来ましょう」

●夜の時間

 米本と歩美は夜の砂浜や丘を歩き、丁度良い所で腰を下ろす。
 スキットルのバーボンウイスキーを歩美に勧めつつ、二人は語り始める。
「片瀬さんは大転移――サルヴァトーレ・ロッソと共に此方に来られたのですか?」
「私は少し早くこっちに転移して来たのよ」
 歩美はスキットルに口を付け、米本に返す。
「ど、どういった経緯でこの村に……そしてネレイド族との協力に至った理由をお聞かせ願えませんか?」
 受け取った米本は戸惑いながらも自分も口を付けた。――間接キスに米本は少し頬を染める。その辺は初心らしい。
「一人で行き場のない私はネレイド族に拾って貰ったのよ。その代りにリアルブルーの軍事知識を提供した感じ」
 堅苦しい話題ばかりではアレなので、その後米本は好みの物や趣味、日々の生活はどういった感じかと尋ねてみる。
 ……二人は夜の遅い時間まで、回し飲みをしながら語らった。

 ***

「お魚新鮮なの飽きないの。ここで食べ溜めしておくの」
 泳ぎ終わったディーナはまた居酒屋へ。
「全部味わったら来年の楽しみが減っちゃうの。ありがとうなの、来年は友達連れてまた来るの。丘や侵食洞を回るの」

 ***

 海遊びの後、アルバとクウは月明かりの下、手を繋いで侵食洞へやって来ていた。
「そこ、気をつけてね」
「……なんか、二人きりだとドキドキするわね。恋人ならこういう時どうするのかな」
 クウはアルバの手をぎゅっと握る。
「どうしよう、ね、アルバ」
 顔赤くしながらクウは彼を見上げる。その時――アルバの影が彼女に重なった。

 ***

 ちなみに死にかけていた桜はネフィに救出されたそうな。

依頼結果

依頼成功度大成功
面白かった! 6
ポイントがありませんので、拍手できません

現在のあなたのポイント:-753 ※拍手1回につき1ポイントを消費します。
あなたの拍手がマスターの活力につながります。
このリプレイが面白かったと感じた人は拍手してみましょう!

MVP一覧

  • ティーマイスター
    カティス・フィルムka2486
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミka5843
  • 思わせぶりな小悪魔
    グラディートka6433

重体一覧

参加者一覧

  • 王国騎士団“黒の騎士”
    米本 剛(ka0320
    人間(蒼)|30才|男性|聖導士
  • 爆炎を超えし者
    ネフィリア・レインフォード(ka0444
    エルフ|14才|女性|霊闘士
  • 神秘を掴む冒険家
    時音 ざくろ(ka1250
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 未来に贈る祈りの花
    ビスマ・イリアス(ka1701
    人間(紅)|32才|男性|疾影士
  • ティーマイスター
    カティス・フィルム(ka2486
    人間(紅)|12才|女性|魔術師
  • 正義なる楯
    アルバ・ソル(ka4189
    人間(紅)|18才|男性|魔術師
  • ざくろの奥さん
    八重 桜(ka4253
    人間(蒼)|11才|女性|魔術師
  • 甘えん坊な奥さん
    アルラウネ(ka4841
    エルフ|24才|女性|舞刀士
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士
  • 思わせぶりな小悪魔
    グラディート(ka6433
    人間(紅)|15才|男性|格闘士

サポート一覧

  • アデリシア・R・時音(ka0746)
  • ルーティア・ルー(ka0903)
  • リューナ・ヘリオドール(ka2444)
  • クウ(ka3730)
  • エステル・ソル(ka3983)
  • 紅媛=アルザード(ka6122)

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/08/23 08:49:25