狩るか狩られるか

マスター:音無奏

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
締切
2016/09/20 19:00
完成日
2016/09/30 23:50

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 山を駆ける。
 足を取りそうになる障害物を飛び越え、上がりそうな息を堪えて進む。

 背後からは殺気、複雑な地形では走りながら後ろを振り向く事は出来ず、追われている状況はハンター達に足を止める事を許してはくれなかった。
 障害物を盾に追手の目をくらます、手足からは未だ血の滲む感触、ひとまず安全圏まで撤退して、ハンター達はようやく一息をついた。

 …………。

 事の発端である魔獣たちは、人々の生活圏に前触れもなく現れた。
 何か目的があるのか、何かに引き寄せられたのかはわからない。弱小、もしくは僻地と言ってもいいその地域には戦いと向き合える人間は存在せず、戦う力を持たない一般人たちは、ただハンターズソサエティに助けを求めるのが精一杯だった。
 情報は最初から曖昧なところが多く、ただ一つ確定情報だと認識されていた“魔獣の群れ”にも誤りがあったとは誰が思おうか。
 群れと言うよりは“軍団”、もう少し易しく見積もっても“部隊”とでも呼ぶべきだった。

 情報の前提が間違っていたという要素を差し引けば、ハンター達に強いて言うような不手際はなかった。
 魔獣の痕跡を探し、周囲に気を払いながら目標を探しだす。
 特に報告書もいらないような、熟練者がいれば駈け出しでも参加出来る仕事だ。しかし今回に限って辿った痕跡は獲物をおびき寄せるための罠で、事前情報がなく、想定を上回られたハンター達は危うく狩る側から狩られる側になりかけた。

 いかにも何かありそうな痕跡は獲物の足を止めさせるための罠、調査に気を取られていたハンター達を襲ったのは、限界まで引き絞られた弓による一斉射撃だった。
 無論、ハンター達とて襲撃を警戒してなかった訳じゃない、ただ想定とは違う方向性の攻撃に対応が遅れたのは事実だ。
 幾つかを反射神経で凌ぐも限界はある、数本矢を受けた時点でハンター達は状況が悪いと判断し、全員に相手のテリトリーからの撤退を指示した。
 木々を遮蔽に使っての遁走、しかしまさにそのルートを取るだろうとばかりに、幾つもの編まれた草が足を引っ掛けハンター達の撤退を阻む。
 防御態勢もままならず、無防備と言っても差し支えない状態で更に攻撃を受ける。此処に来て、ハンター達はやっと自分たちが完全に罠に嵌った事を理解した。

 矢が刺さり、躰から血が吹き出す。
 痛みは思考力を奪い、駆けて距離を詰めてくる魔獣が危機感を増幅させる。

 反攻は、出来ない。
 態勢も状況も不利で、地形も不透明だ。
 視界の隅に映るのは森の中を駆け、ハンター達を追う数匹の魔獣。その後ろには弓を持ち粗末な武器を佩いた獣人型の魔獣が十人ほどいて、弓兵の中に一際立派な指揮官らしき姿の獣人型魔獣がいる。

 狩られる、その言葉を口惜しく噛み締めながら、ハンター達は死力を振り絞って彼らを撒きにかかった。

 …………。

 遁走をなんとか成功させ、ハンター達は麓の猟師小屋に身を隠す。
 ようやく休む場所を見つけたという感じだが、余り長い時間はいられないだろう、数時間以内に次の行動を決める必要があった。
 怪我は、重い。誰も何も言わなかったが、とりあえず始める事は怪我の応急処置からだった。

 敵は魔獣十数体、獣だけかと思われていたが、正しくは獣人との混成部隊。
 罠を仕掛け狩りをする智慧を持ち、ハンター達の不意をついて一度敗走に追い込んだ。

 一太刀も打ち込めなかった、と呟いたのは誰だったか。
 負傷状況は酷いの一言だったが、ハンター達のスキルは全て丸々残っていた。
 このまま撤退を選んでも咎められはしないだろう、元はといえば情報に不足があったのだから、戻っても報酬の半額は支払われるはずだ。
 しかし、まだ何もしていない。その事だけがただプライドに障る。

「まだ戦える人、……戦いたい人」
 誰かがそれを口にする、顔を見合わせはしたが、手を挙げなかった人は誰一人としていなかった。

リプレイ本文

 小屋の扉を閉じる、室内に入ったのはミコト=S=レグルス(ka3953)が最後。
 扉を閉じ、室内を戦場と隔離した瞬間、どっと疲れがハンター達に押し寄せていた。

 失血による目眩、緊張感が抜けた事による脱力、情けないとは思いつつも体は休息を欲していて、各々は力が抜けるまま、手頃な壁に寄りかかっていた。
 ハンター達の中で無事な人間はいない、いずれも後一戦耐えられるかどうかという様相であり、それは彼らが敗北を味わいかけた事の証明でもある。

 クソが、と呪詛のような声を吐いて、ジャック・J・グリーヴ(ka1305)は握り拳で壁を叩いた。傷を受けた部位がじくじくと痛む、だがそれ以上に頭に血が上り、煮えたぎるような怒りが思考を支配していた。
 自身に痛撃を食らわせた魔獣達は当然許す事が出来ない、畜生の分際で、と思うがその言葉は同時に自分にも刺さっている。
 その畜生に対して無様を晒したのは他ならぬ自分なのだ、痛みは怒りを増幅するものでしかなく、血の上った頭は自身の言い訳を許さない。怒り以外何も考える事の出来ない頭は、ジャックに必ず復讐する事を決意させていた。

 背負っていた大剣を支えに、ミコはずるずると座り込む。怪我の程度で言えばミコがこの中で最も重い、全ては同級生達を庇い、撤退する時に殿を引き受けて攻撃を引きつけたせいだ。
 痛いや重いを通りこして体はいっそ軽く感じる、ちょっとやばいかなぁと思いつつも口元には色々振り切れた笑みが浮かび、いよいよ危うさが自覚出来るくらいになっていた。
 流石に心配になったのか、ルドルフ・デネボラ(ka3749)がしゃがんで覗き込んでくる。彼の怪我は一部ミコが肩代わりしていて、そのためミコほどひどくなかった。
 それを見てミコの笑みは深くなるばかりだ、良くないとは思っている、でも仕方ない、心配はかけたくないし、何より自分は生きていて守りたかった相手も守る事が出来ている、これで笑うなという方が嘘だろう。
「……ミコ、大丈夫? もしかして頭打った?」
「ううん、打ってないよ?」
 弓矢相手にどうすれば頭を打てると言うのか、理由を正直に言うのもなんだかなぁという気がして、ミコは適当にごまかした。
 守りたいというのは自分が望んだ事で口にする事でもない、ルドは勘がいいからその内気づくだろうけど、いつも通りなら何も言わずにいてくれるだろう。

 手当を始めるハンター達に対して、ジャックが低い声で「俺は戦うぞ」と言い放った。
 無論、最初から逃げ出すつもりの面子はいない、だがそれでも敢えてはっきりと口に出した。
 しゃーねーな、とジャンク(ka4072)が応える、口ぶりこそ飄々としたものだったが、此処で逃げ出すほど彼のプライドも安くはなかった。
 武装を一旦解除し、ジャンクは必要な手当を始める、外套に血を吸わせ、これは使えるはずだと見やってから改めて手際よく止血をしていく。

 作戦と役割を決め、それぞれの準備のため、一部の面子は体についた血を落としにいった。
 それをしていないのは囮を担うジャックだけだろう、スキルを使って傷のみを癒やし、水場で喉を潤そうとしたがルドがミネラルウォーターを分けてくれた。

「うーん……地図はどうかなぁ?」
 リツカ=R=ウラノス(ka3955)がチョークで簡単な見取り図を描く、入った時に道順と地形は把握していた、逃げる時は必死だったためちょっと怪しいが、簡単な目安はつけられるだろう。
 罠があるとしたら下り坂になってる部分が怪しい、足を止めるのが難しく、そのまま罠に突っ込む可能性が高かった、そういう場所には入らないか、入る時は気をつけるようにと周知しておいた。

「生きてるだけで儲けもん。こんなトコにもエクラの加護はあるもんだ……」
 とは言え、このまま引き下がれない事はクルス(ka3922)も理解していた。
 出発直前に回復するから集まって欲しいと皆に告げる、ヒーリングスフィアで全員分を一気に回復する算段だ、囮を担うジャックにはヒールも使い念入りに回復を行っておく。

 準備を済ませ、各々は小屋から出て散開する、ジャックとクルス以外は土や草で自身の存在をごまかした隠蔽仕様で、散開した直後に血のついた衣類を木枝に吊るし、自分たちは即座に離れる、これで注目は明後日の方角か、囮の方に向かうはずだと見ていた。
 効果は程なくして現れた、ジャックが目視出来るだけで6~7体の集団か、血まみれのジャックやクルスを見ても血湧きだつ様子はなく、慎重に距離を取られている。

 すう、と息を吸い、ジャックはマテリアルを声に乗せて叫んだ。
 沸き立つのは炎のオーラ、……が、相手には動じた様子がない。

「!?」
 獅子吼、元のスキル名をソウルトーチと言う。
 このスキルは“魔力知覚”の敵にしか効果がない、要はゴーレムとかスケルトンとか明らかに五感がなくマテリアルで敵を感知しているタイプの敵を撹乱するためにあるのだ。
 だから、魔獣達にはそもそも注目を集めるオーラが届いていない。スキルとは関係なく注目は集まっていたが、それ以上近づいてくる事はなく、一度の目線交換で、数々の弓矢がジャックたちの方を向いた。
 げ、と思うが矢は容赦なく放たれる、ジャックは即座に盾を掲げ、クルスの前に立って全てを受け止める。矢は絶えず飛んでくるが、それ以上は何も来ない。見えてる中には四足の魔獣の姿もいたが、彼らは獣人の横に控えたまま飛びかかってくる事はなかった。

 ―――引きつけられてはいるが、警戒されている。
 流石にジャックにも理解出来た、だがその一手を埋める用意が足りない、ソウルトーチはそもそもが注目を引き付けるためのもので、挑発効果はなかった。

 ―――どうする!?
 今でも引きつけられてると言えば引きつけられている、ただ、襲撃班が動きやすい隙がある訳でもなく、相手の陣形を乱せてる訳でもない、中途半端な状況がジャックに迷いをもたらしていた。
 このままでも目的は果たしている、そんな思考は甘えだった、目指しているのはそんなものじゃないと内心が叱責する。
 しかし、足りない。足りないとわかっているはずなのに踏み切る事が出来なくて、もどかしい思いがジャックを駆り立てていた。

「クソ……」
 作戦が上手く行っていない、ジャンクは思わず苛立ちを口に出していた、囮を担うジャックの姿は、弱々しいものではなく、それどころか威風堂々としていた。
 相手はジャックを認識していたが、動かない。最初は予定と真逆の姿で出てきたのが理由かと思ったが、違う。そもそも根本的に、相手の性質がハンター達の思ったものとかけ離れていた。
 事前情報ではっきりと分かっていた、彼らの性質は狡猾などではなく、用心深いものであると。
 ジャックの姿は関係なく、“勘が良く、用心深いから”相手は単純な囮に食いつかないのだ。

「これは……ちょっと困ったかなー」
 木々に潜み、自分にしか聞こえない程度の声でリツカが呟く、足下には茂みに隠れて設置したばかりのワイヤートラップ、出来は上々だと自分でも思うが、どうやら根本的な作戦が上手く行っていない。
 注目こそ集めているが、ひきつけ、かき回す事が出来ていない。相手は相変わらず警戒と規律を保ったままで、このままでは奇襲しようとしても上手く行きそうになかった。
 自分の役割は襲撃だ、極端な話、どんな状況だろうが隙を見て相手の数を減らしていけば仕事は果たしたと言える、どうすればいいか少し考えて、リツカはあっさりと自分の考え方を変えた。
(っていうか私自身が囮でもいいんだよね)
 せっかく万全な用意をしたのに突っ立ってる理由はない、一匹ずつ気を引いて、森の中に誘い込めば目的は果たせるだろう。
 当初の予定ほど効率よくは行かない、それは確かだ、だが作戦が上手く機能していない今、これが綻びを補う最善手のように思えた。
 手頃な石を見つけて握り込む、最初は音で、ダメなら直にぶつける。姿を見られても構わない、向こうがこっちを相手する気になるまで幾らでもやってやろう。
「……全体でやればよかったかな、これ」
 その点だけは今悔いてもどうにもならないのだが。

 ルドとミコは、姿を潜めながら山の奥へ奥へと向かっていった。
 途中何度か敵の姿を見かけたが、指揮官じゃないと見るや全てやり過ごしている。相手の獣ゆえに持っているだろう鋭敏感覚が気になったが、幸いな事に事前準備でなんとかごまかせている。
 ルドが周囲を警戒し、ミコは索敵に集中する、探すのは敵指揮官の姿だったが、それとは別の気がかりが二人を悩ませていた。

「……ミコ」
 ルドが手振りでミコを呼び寄せる、声を潜め、耳打ちを交わした。
「リツによると囮側は膠着していて、相手を余り引き剥がせていないみたい。でも俺達が気づかれてる様子もない」
 傷を癒やし、身を整え、その後土と草でカモフラージュした甲斐はあった。
 ただ、相手の動きが予定していたのとは違う。ルドは気遣わしげに小屋の方に視線を向けるが、今更戻る事は出来なかった。
「このまま指揮官を見つけよう、それで強襲して……どうなるかは半々だと思う」
 相手が慌てて陣形を乱し、残りの面子が敵の後方を強襲出来たら上々。だが相手が慌てず、冷静に対処したら……詰みだ。
「三分だけ、……三分だけ俺が取り巻きを引き付ける。ミコはその間に出来るだけの事をして欲しい。指揮官を倒せるのが一番だけど、ダメなら相手をびっくりさせるだけでもいい」
 三分経ったら引こう、とルドは言葉を締めくくった、長居して自分たちが囲まれるのは避けたい。
 離脱してどうするかは状況次第になるだろう、ミコと指揮官のタイマン……と言えたら良かったのだが、実際は取りこぼしが起きるだろうからミコがやや不利くらい。正直勝算は4割以上持っていたが、それも状況が万全ならの話だ、ミコのスキルが索敵に偏ってる上に、状況による時間制限が厳しい。
(まぁでも……)
 やるしかない、というのがルドの結論だ。こんなのでも完全にチャンスがない訳ではない、何もしなかったらそれこそノーチャンスだ。
 大体、何もしない事をミコは良しとしないだろう。
 これがルドの考えてくれた精一杯だとミコも理解している、理解して、頷き、自分の出来る事をしようと思ってくれている。
「行こうミコ、……頼んだよ」
「……うん!」

 動物の目を借り、聴覚を強化し、相手の手勢を辿って二人はついに指揮官の姿を見つけた。
 地形がややこしかっただけで正直言う程離れてない、でもやっぱり地形が面倒だな、とミコは思う。
 起伏のある地形が遮蔽になり、襲撃ルートがどうしても限られる、簡易的なものだけだろうが、罠もあるだろう。
 最初に予定していた隙をつくという事は出来ない、ハンター達は相手の性質に合わせた警戒をぶち抜く手段を用意してなかった。

 ルドが銃を構え、戦闘態勢に入る。
 確実さを期して胴体を狙い、一撃を放った直後即座にジェットブーツで飛び込んだ。

「!?」
 これまでの隠密行動の甲斐あって、注目は一気にルドへ向いた。着地すると同時にもう一度銃撃を行い、更に注目を固める。
 ミコへの注意は完全にそれた、ルドの動きに合わせ、大剣を振りかぶったミコが後ろから指揮官狙いで飛び込む。
 完璧な奇襲と挟み撃ち、ミコの一撃がすれすれで身をずらした指揮官の肩を薙ぐ。注意がミコに戻ろうとするが、間髪入れず剣に持ち替えたルドが乱戦に参加した。

 相手に見える、多少の焦りの色。しかし周辺の手勢が厚く、二人の攻撃が阻まれ始めると段々冷静さを取り戻されてしまう。
 指揮官の高い吠え声、しかしそれが別に緊急招集でない事はルドにも直感的にわかった。

『ルドっち、敵が引き始めた! 追撃してるけど牽制されながらだからあんま崩せないかも、ごめん!』
 リツカからの無線、ルドに返事する余裕はなかったが、情報は有難く受け取った。
 恐らく先程の命令は緊急招集ではない、自分たちの反撃を知らせ、全員集合して対処に当たれとかそんな所だろう。
 緊急命令ではないから陣形に乱れもない、これでは後ろを突いて崩す事も出来ない。奇襲は完璧に決めたはずだが、相手の手勢を削る事も引き離す事も不完全で、人数差の不利が災いしていた。

 ハンター達が採った作戦は最良中の最良、仮に成功していたら最上級の評価に値するものだった。
 だが、それを実行しきれていない。

 一つ、根本的に敵の性質を見誤っている。彼らは狡猾でもなんでもなく、あくまで慎重かつ用心深い集団だった。
 魔獣の性質故に目の前の獲物にはどうしても目が行ってしまう、だが、結局そこまで。彼らは事前情報通りに“勘が良く”、用心深さもあって安易な囮には食いつかない。
 そう、仮に囮を担当する人間が彼らに派手な一撃をぶちかまして戦闘意志を示し、相手を無理やり戦闘に引きずり込み、ゲリラ戦か乱戦に持ち込めば完璧に囮の役割を遂行し大戦功を得る事が出来ただろう。
 必要なのは甘く美味しそうな瀕死の餌ではなく、相手にとって“対処せざるを得ない無謀かつ強力な敵”だった。
 極端な話、大勢を巻き込んで無理やり戦闘に持ち込めるなら囮が傷を完全に癒やしていても何の問題もない、瀕死ならより食いつきは良かっただろうが誤差だ。

 無論、これは最良の策を成功させるならの話。最上を目指さないのなら他にいくらでもやりようはあって、ただ“待ち”が何も得る事の出来ない手である事は確かだった。
 主導権を取るとは、つまりそういう事。

「このぉ……!」
 ミコが再び指揮官に接敵しようとするが、ルドが加勢して尚攻めきれない。切り結ぶ事三合、タイムリミットが近づいている。
 考える考える、後一手を補う方法、しかしダメだった、この作戦を成功させるには手勢を削るか引き離す事が必要条件だ。
「……ミコ、引いて!!」
 ミコの肩がびくんと跳ね、直後に悔しそうな顔をした。恐らくルド自身も似たような顔をしている事だろう、しかし、ルドの判断が正しい事は二人共にわかっていた。

 相手も撤退の色を見せ始めている、いや、自分たちが有利なフィールドにハンター達を引きずり込もうとしているのか。相手の合流に遅れて自分たちも合流する事は出来る、しかし相手のフィールドで戦っての勝ち目があるかと言われると、とても怪しかった。
 指揮官を倒せていれば、突入は出来た、彼らの強みはあの指揮官だけなのだ。

 警戒を解かず、二人は魔獣達が引いて行くのを見送る、後ろからは他の面子も全力疾走で追いついてくる所だった。
「……すまなかった」
 そう言ったのは誰だったか、ルドは首を横に振り、それを否定した。
 敵に対する認識の誤りを正せなかったのは自分たちも同じだ、それが今回の失敗を招いた。

「出直しましょう……その後、山狩りです」

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MVP一覧

  • カウダ・レオニス
    ルドルフ・デネボラka3749
  • スカイラブハリケーン
    リツカ=R=ウラノスka3955

重体一覧

参加者一覧

  • ノブレス・オブリージュ
    ジャック・J・グリーヴ(ka1305
    人間(紅)|24才|男性|闘狩人
  • カウダ・レオニス
    ルドルフ・デネボラ(ka3749
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 王国騎士団非常勤救護班
    クルス(ka3922
    人間(紅)|17才|男性|聖導士
  • コル・レオニス
    ミコト=S=レグルス(ka3953
    人間(蒼)|16才|女性|霊闘士
  • スカイラブハリケーン
    リツカ=R=ウラノス(ka3955
    人間(蒼)|18才|女性|疾影士
  • 明敏の矛
    ジャンク(ka4072
    人間(紅)|53才|男性|猟撃士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/09/15 23:44:08
アイコン 反撃、開始!?(相談卓的な!
リツカ=R=ウラノス(ka3955
人間(リアルブルー)|18才|女性|疾影士(ストライダー)
最終発言
2016/09/19 22:02:20