ゲスト
(ka0000)
【詩天】詩天観光! 角打ち、和菓子体験
マスター:DoLLer

- シナリオ形態
- シリーズ(続編)
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,300
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/10/04 09:00
- 完成日
- 2016/10/04 20:25
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
枕投げ大会の興奮も眠気も、一番風呂の熱いお湯でさっと流してしまい、後は朝日が照らし、朝露が輝き返す詩天の山を眺める露天でほっと一息。
「次はなんでしたっけ」
「観光だね。若峰っていう詩天の都に移動するって五条さん言ってたよ!」
普段から結でいる髪を、きっちり頭のてっぺんで結び直した女の子の問いかけに、こちらはばっさりとした髪を簡単に縛っただけの女の子が答えた。その顔はどことなしにそわそわとしている。
「連れ合いの子がさ、来れなかったからお土産いっぱいもって帰らなくちゃいけないのよ。いい酒屋で角打ち(試飲のこと)させてくれるって言ってるし、もう今から楽しみでね」
「連れ合いって言うと、付き合い始めたっていう彼氏さん?」
ぶはぁ。
銀髪のお姉さんに後ろから声をかけられて、彼女はそのまま沈没しそうになった。
「ち、ちが……」
「あら、そうなの? でも、昨日の夕食に出てきたお酒はすごく良かったものね。詩天はお水がいいっていうけど本当だわ」
そう言いながら、銀髪のお姉さんは温泉の水をひとすくいした。
「確かに昨晩の料理も本当に豊かな水に裏打ちされた食材でいっぱいだったわね。はぁフルーツパフェは本当に最高だったわ……」
タオルで髪をしっかり巻いた女性も同じように水をすくってその向こうに見える秋の七彩を透かして見せた。
「あ、そういえば行き掛けに聞いたんですけど、酒精のお菓子って、日本酒ボンボンっていうらしいですよ。南のチョコレートを合わせた逸品……」
五線譜のリボンをした女の子が思い出したように言うと、タオルを巻いた女性はまるで運命の恋人に出会ったかのように勢いよく近づき、ぎゅっとその手を握りしめた。
「ボンボン!? 行きましょう! 我らの理想郷へ」
「本当に甘いモノ好きなんですね……お菓子屋さんをされている人のところにお土産にしたらいいかな。後は母様と兄様でしょ、それから弟と……先生と」
苦笑いしつつ、木の実のバレッタの少女は指折りお土産の数を数えていた。
「けっこういるかも。連名にします?」
「うーん、どうしよう。あ、でも和菓子の創作体験ができるっていってたから、それぞれ違ったのを渡すのでもいいですよね」
同じ知り合いがいる者同士であれこれ指折り数え出す。
「いや、やっぱりそれより体験が一番よ。この詩天で一味変わった経験で磨かれた姿を見てもらうのが一番」
「いい考えね。私は孫たちにはもう十分すぎる土産話ができたから。みんなとそんな楽しい旅をしてきたの、ってあの子達のむくれるかしら。やっぱりお土産買っておかないといけないかしら」
銀髪のお姉さんは二人の女の子を見てニマニマ笑っている。
「他にもお土産あるのかな」
「むしろ飲めるところがいいわね。塩をちょっと舐めつつ……っていうのが最高なのよ」
「完全にのん兵衛の発言ですね……観光もいいかもしれませんね。こちらのことはもっと見てみたい気もします」
みんなそれぞれにひとしきり盛り上がった後、てっぺんで結んだ女の子の一言で少しの間沈黙し、風に木の葉が流れる山の風景を見つめた。
「もうすぐ帰るのかぁ」
ちょっぴり残念な気もする。詩天温泉旅行も今日が最終日。
「次はなんでしたっけ」
「観光だね。若峰っていう詩天の都に移動するって五条さん言ってたよ!」
普段から結でいる髪を、きっちり頭のてっぺんで結び直した女の子の問いかけに、こちらはばっさりとした髪を簡単に縛っただけの女の子が答えた。その顔はどことなしにそわそわとしている。
「連れ合いの子がさ、来れなかったからお土産いっぱいもって帰らなくちゃいけないのよ。いい酒屋で角打ち(試飲のこと)させてくれるって言ってるし、もう今から楽しみでね」
「連れ合いって言うと、付き合い始めたっていう彼氏さん?」
ぶはぁ。
銀髪のお姉さんに後ろから声をかけられて、彼女はそのまま沈没しそうになった。
「ち、ちが……」
「あら、そうなの? でも、昨日の夕食に出てきたお酒はすごく良かったものね。詩天はお水がいいっていうけど本当だわ」
そう言いながら、銀髪のお姉さんは温泉の水をひとすくいした。
「確かに昨晩の料理も本当に豊かな水に裏打ちされた食材でいっぱいだったわね。はぁフルーツパフェは本当に最高だったわ……」
タオルで髪をしっかり巻いた女性も同じように水をすくってその向こうに見える秋の七彩を透かして見せた。
「あ、そういえば行き掛けに聞いたんですけど、酒精のお菓子って、日本酒ボンボンっていうらしいですよ。南のチョコレートを合わせた逸品……」
五線譜のリボンをした女の子が思い出したように言うと、タオルを巻いた女性はまるで運命の恋人に出会ったかのように勢いよく近づき、ぎゅっとその手を握りしめた。
「ボンボン!? 行きましょう! 我らの理想郷へ」
「本当に甘いモノ好きなんですね……お菓子屋さんをされている人のところにお土産にしたらいいかな。後は母様と兄様でしょ、それから弟と……先生と」
苦笑いしつつ、木の実のバレッタの少女は指折りお土産の数を数えていた。
「けっこういるかも。連名にします?」
「うーん、どうしよう。あ、でも和菓子の創作体験ができるっていってたから、それぞれ違ったのを渡すのでもいいですよね」
同じ知り合いがいる者同士であれこれ指折り数え出す。
「いや、やっぱりそれより体験が一番よ。この詩天で一味変わった経験で磨かれた姿を見てもらうのが一番」
「いい考えね。私は孫たちにはもう十分すぎる土産話ができたから。みんなとそんな楽しい旅をしてきたの、ってあの子達のむくれるかしら。やっぱりお土産買っておかないといけないかしら」
銀髪のお姉さんは二人の女の子を見てニマニマ笑っている。
「他にもお土産あるのかな」
「むしろ飲めるところがいいわね。塩をちょっと舐めつつ……っていうのが最高なのよ」
「完全にのん兵衛の発言ですね……観光もいいかもしれませんね。こちらのことはもっと見てみたい気もします」
みんなそれぞれにひとしきり盛り上がった後、てっぺんで結んだ女の子の一言で少しの間沈黙し、風に木の葉が流れる山の風景を見つめた。
「もうすぐ帰るのかぁ」
ちょっぴり残念な気もする。詩天温泉旅行も今日が最終日。
リプレイ本文
●貸衣装
「ふああ、お腹があったかいです。幸せ……」
巫女装束の赤袴に着替えた飛鷹 火凛(ka3710)は幸せそうに自分のお腹を撫でた。
「普段おへそ見えてるものね……ダメよ、女の子がお腹を冷やしちゃ」
毬の模様が入った愛らしい訪問着を手にしてご満悦のユリア・クレプト(ka6255)が火凛にそう言った。
「こうやっぱり可愛いデザインを選んでしまうんですよね。冬がもう……辛い。っていうか、ユリアさんも割と」
「あれは仕事着! 終わったらすぐ腹巻きよ」
なんてこと言わすか。ユリアはそうして皆を笑わせたものの、追い打ちをかけるように、クウ(ka3730)が用意した赤いちゃんちゃんこをそっとかけられると笑顔が凍り付いていた。
「……その振り袖、火凛ちゃんみたいなセクシーな服にしてあげようか?」
「ご、ご勘弁を……弁償代だけで観光が終わっちゃうよぅ」
凍り付く視線にガタガタ震えたクウであったが、その言葉にヒントをえて、振り袖の下をつつぅっとつまみあげてみる。
「あ、でも動きやすくていいかも!」
「そうですね、動きやすいのが一番でもちょっとバランスが悪いので、上もちょっと……」
ルナ・レンフィールド(ka1565)がクウの振り袖の上を少しはだけさせてみたり。
……ゲイシャだ。ゲイシャガールがそこにいる。一歩間違えればアブない雰囲気も、健康的なクウの魅力とボディだからまとまってしまう。
「あら、またきわどい線を狙って来たわね」
女学生のように市松模様の袴姿になって出て来た高瀬 未悠(ka3199)がクウを見て素直に賞賛した。
「あ、未悠さんも袴なんですね、お揃いお揃い」
ルナはぴょんぴょんと跳ねて、自分の袴を披露した。こちらはエステル・クレティエ(ka3783)と同じ紺地に、ルナは星の瞬きがワンポイントで浮き出ている。エステルはそれが葉っぱになったものだ。
「揃うと本当に姉妹みたいですね」
火凛の一言に二人は嬉しくなってにんまりと笑い合った。
「それではお写真いきましょうか」
「ポーズはどうするんですか?」
狩衣を着けたミーネが火凛に尋ねたが、はて、ポーズ……火凛とて巫女さんがポーズと言われても思いつくわけもない。
「えーとこう?」
火凛が玉串を持って構えると
「なるほど、こうね」
未悠が剣を構えた。
「じゃあルナさんと私は左右対称で……」
「はいっ、じゃあ中央で鶴の舞!」
「何この戦隊物! ミネア。じゃあ二人で祈りのポーズね」
ユリアが全員のキメポーズを見て爆笑すると、そのまま輪の中に飛び込んでいった。
●おみくじ
「ぎゃ、き、凶ですって!?」
占いのおみくじをみんなで引いて、真っ先に悲鳴を上げたのは未悠だった。
「恋愛運は食欲によって運気を下げる。甘いモノを断つべし……」
「ダイエットしろってことですよね。一番未悠さんにとって厳しいものがあたるなんて」
火凛は中吉。今日を契機に益々活動する事いいことあり。
「ユリアさんは?」
「私も凶……飲みすぎと熱中症に注意。お菓子がなくとも健康的な姿を皆に見せることが一番の幸せ。ってこれ私じゃないでしょ!!?」
ユリアは何故か天に向かって叫んだ。
「私は小吉でした。吉事、凶事が並の如くやってくるが、万事平穏な精神でいれば乗り越えられる、ですって。エステルちゃんは?」
「末吉でした。不幸事あれど末広がりで幸せになる、だそうです。そうだといいなぁ」
エステルはため息をついて空を見上げた。思い起こせば確かに不幸事は山のようにあった気がする。特に……最近いくつか。
そんなエステルの顔を見てルナも一緒に空を眺める。
「やったぁ、大吉大吉。万事絶好調。恋人との縁もますます深まる。機会を狙えば成就も可能って、ひゃーーっ」
クウは大喜びして踊り狂っていたがぴたりと止まって読み直した。
「でもお肉運はないわね」
「普通のおみくじにお肉運はないかな……あたしは、あ、大吉だ。運命の人現る……」
ぽつりとつぶやいたミネアに全員が集まった。
「運命の人!?」
「恋人できるの!!?」
「誰ですか、相手いるんですか」
「いないって、温泉の時に言ったよね!?」
詰め寄られるミネアだが、思い当たる点がないので混乱した叫びをあげることしかできなかった。
「クウやミネアがあんないい籤が出ているというのに、くぅぅぅ。これは御祓いすべきだわ」
未悠は悔しいやら辛いやら、甘いモノは止めたくないやらで、がばっと立ち上がるとさっそく火を焚いてお浄めしている場所へと走っていった。
「ああっ、水を撒かぬと火傷しますよっ!!!」
「負けないっ、私は負けないっ。あっちゅーーーい」
なんか巫女と未悠の楽しそうな悲鳴が聞こえてくる。
「甘いモノへの見境の無さというか執着が凶たる所以よね……じっとしていれば凛々しいのに」
ユリアのぽつりとした発言に、確かに。とみんな頷いた。
●酒屋にていっぱい一杯
「あああ、これ、これ最高!」
クウが枡を開けて大声で叫んだ。
透き通る味、喉にも負担がなく、まろやかな味わいがゆっくり続く。
「お肉ちょうだいお肉ー。辛い奴!」
もう完全にのん兵衛さんである。そんな様子を眺めながらユリアも満足げに酒を飲んでいた。
「本当に水の良さがわかるわねぇ、米もいい感じだわ……」
「酒の精霊様がいらっしゃいますからね。抜群の美味さに仕上がるんですわ」
杜氏の声にユリアはまたため息などついて、ほろほろとほほ笑んだ。
「あれ、ユリアさん……ちょっと出来上がっていませんか?」
顔がいつもより赤いなと白酒を飲んでいた火凛がユリアを覗き込んだ瞬間。
そのユリアの腕が火凛の首根元に絡みつき、そのまま膝元に組み伏せる。その流れは体術のそれにちかい。
「火凛ちゃん。昨日の踊り子になるっていうのどう? あたしが手取り足取り教えてあげるわよ?」
「ふわわ!?」
艶のある表情で顔を撫で繰り回される火凛は、その掌の動きから微妙な誘惑を感じて硬直した。
「とってもいい時間を過ごすことができて良かったわ。本当に嬉しくて。絶対忘れない。これからも教えてあげるから……ね?」
ユリアはそっと火凛の手を取って引き伸ばし、白衣から白い腕を引き出した。
「ねっ♪」
「い゛っ!!?」
ユリアの絶妙なツボ押しが火凛を襲った。全身の神経に刺激が入り、火凛は硬直したままのけぞった。
「ふへは……ここのお酒って甘いのに、なんかとろーんとしまふねぇ」
ルナも一口飲んで頭がふわふわ揺れている。飲み口が感じる以上アルコールか別なる酔い成分があるのかもしれない。
「ふふふ、ねえ、ミネアさん。聞いて下さいよ。私のリュート。このくびれの曲線がすっごくすわりがいいんですよ。そういうのって見た目がイマイチだったりするんですけどぉ。これがもう、すっごくよくてぇ。音の響きなんかもう他のリュートちゃんから飛びぬけてるんですよ。この、トンって音が。ほらほらミネアさん、叩いてみてー」
「は、はぁ」
なぜか楽器の愛を延々吐露される側のミネアは、どうしてこうなったと思ったが、とりあえず遠慮気味にリュートに触れてみる。
「きゃー、いい音。ミネアさんの音かわいいです。でも音楽に遠慮は駄目ですよぉ。思いのたけをぶつけるつもりで、ぎゅーって、ぎゅーっ」
何故抱きしめられたのかわからないままミネアは抱きしめられ、ルナからその髪を撫で繰り回されていた。
「酒の精っていうか酔っ払いの精がいるのでは……」
「あー。クウさんってギターとか似あいそうですよねー。ドラムとかも良さそうじゃないですか! 今度セッションしましょう。この前ねー、音楽合宿したんですよぉ。走り込みしてー。良い声作るんです。クウさんならできますよ。うん。」
ルナは今度はクウに抱き付き、またいい子好い子と頭を撫で繰り回す。昨日のくすぐり地獄の返礼かもしれない。
「これは相当にすごいわね……大丈夫かしら」
未悠はそんな光景に一歩引きながら一人延々と日本酒ボンボンを食べていた。心配とかなんとか言いながら、一袋がそろそろ無くなりそうな勢いである。
そんな彼女にも魔の手、エステルの手が背中をすぅと伝っていく。
「もう怪我も回復したんだね。良かった。きれいな肌だ……」
「ちょ、エステル!?」
髪をまとめてきりりとした表情が未悠の後ろから迫ってくる。
「わ、私には大切な人が、い、い、いるの……」
「私じゃダメかな? 君なら食べてしまいたいほど、好きなんだ」
その一言に未悠の頭は爆発した。
「……なーんて、うーん。やっぱり母様みたいな王子様にはなれないなぁ」
けろっと戻ってにこやかにエステルは微笑んだ。
そんなエステルに涙を溜めた上目遣いの未悠が見つめていた。そんな彼女はエステルの手をしっかと握っていた。
「ああ、王子様……私も貴方を食べちゃいたい」
いっぱいの気持ちをこめた抱擁に、今度はエステルの頭が爆発する番だった。
●お土産戦争
「これいいですね。うん、水の如し」
お土産屋で売っている刀を波紋をしっかりと見つめて火凛は満足げな声を上げた。
「さっすが火凛。刀とかになると目つきが変わるわね!」
クウの掛け声に火凛はえへへと笑うと、勢いこんで店主に尋ねた。
「他に妖刀ありませんか妖刀」
「ムラサマならあるよ!」
偽物っぽい響きばっちりであるが、仰々しい造りに火凛はうっとりとした表情を浮かべた。
「カタナフェチに覚醒した……ひぃ、ルナ、火凛が怖いよ」
クウがちょいちょいとルナの裾を弾くと、そのルナもうっとりとした顔で篠笛を眺めていた。
「ああ、このフォルムが……」
「酔い治ってないの!!?」
みんな趣味全開である。そう思うと、まともな買い物をして恋人の彼とお酒を分かち合うだけもなんかもったいなくなってきて。
「お肉、お肉の珍味ないかな」
「ちょうど牡丹(イノシシ肉)があるよ。味噌漬けにして狩人なんかが食べる奴だけど」
「買った! 2箱ね、お土産用と今食べる用で!!」
あ、やっぱり自分用の土産も。なんて買いこむクウに未悠はくすりと笑った。
「やっぱりクウは食べ物大好きなのね」
「未悠もね!」
そう言われる未悠の腕を埋め尽くすのは団子、煎餅、羊羹。お菓子の山である。
一瞬真顔で見つめ合った二人は、すぐさまにぱっと笑った。
「食べるって幸せよね」
「だよねー」
「あとはあの人の為に本でも買おうと思うけれど、うーん」
未悠は本コーナーをしばらく眺めてふと歩みを止めた。詩天の書物だけでなく、リアルブルーからの転移者がもっていた写本なども少しあるようだ。
そこにある戯曲の本を手に取って、未悠は目を細くした。
「ハムレット……これね」
未悠はそっと買い物籠にそれを加えた瞬間、ふと、甘い香りがして振り返るとユリアが香を眺めていた。
「わぁ、沈香、伽羅もあるじゃない。あの山のどこかにあるのかしら……詩天は香り立つ国ね」
「家では見たことの無いものばかりですね」
「暑いところでないと育たない種類だからね。お母様ならこういうの喜ぶんじゃない? 樹が朽ちて、樹液が結晶化してできる香りなのよ。輪廻と守護と司る香りなの」
初めて見るお香に興味津々のエステルにユリアは沈香を渡すと、エステルはゆっくりとその香りを楽しんだ。
「本当、なんかすっと胸に来ますね」
「エステルちゃん、小物入れ発見したよ」
「エステル、本も買うとか言ってなかったっけ」
しかし、時間もあってゆっくりできないのが買い物タイムの常である。
「ひーん、もっとちゃんと選びたいぃ」
エステルはしくしく泣きつつ、この身体を4つくらいに分身させたいと思った。
一方。
「ひーん」
五条は山のような荷物を持ち、この身体が4人力になればいいのにと思いつつ、馬車へ向かって行った。
●和菓子屋
「ぱーるむのくつやさんは ころころころとんとんとん……と」
エステルが作り上げた蓮の葉をイメージした土台に、ルナが練り切りでパルムを作ったものをゆっくり載せた。蓮の実である部分の栗の甘露煮を台座にパルムが踊っている形が出来上がった。
「完成!」
息を一気に吐き出すと、エステルとルナは手を取り合って大喜びをした。色々な合作をしてきたけれどお菓子の合作は始めてだ。しかも、用意した分をちょっとずつ形を変えて、並べると動きが付いているのがわかる。
「これみんなにプレゼントしにいこうね」
「うんうん」
二人は頷き合うと、他のメンバーの様子をちらりと見た。エステルとルナは分担し合っただけあって、他はまだ格闘中だった。
そして一番の格闘中なのは
「鳳仙花って、ど、どんなだったかしら……」
ユリアは唸った。デスクッキングと呼ばれる未悠の手助けを長年の主婦の経験を活かして助けていたのだが。
「ナマズヒゲがいっぱいあるやつよ」
二人の目の前にある和菓子は赤いオタマジャクシであった。ナマズですらない。
ユリアもだんだんイメージがゲシュタルト崩壊を起こして手を加えようにも、どうすればいいのかわからない状態になっていた。ここまで来ると悲惨の一言に尽きる。
「うぬぬぬぬ!」
意地っ張りな二人は最後まで少しでもマシにすべく格闘し続けていた。
「ふひー。これって意外と繊細ね」
そんな隣で、クウがぐいっと両腕を伸ばした。
「あ、ネコちゃん!」
「かわいい」
猫の顔が練り切りでできあがっていた。といってもちょっと目が不ぞろいだったりして、ちょっとブサイクなのはご愛敬。でもクウの持ち前の明るさがうかがえる。
「後は……火凛さん?」
3人が顔を上げて火凛を見ると、彼女は橙色の練り切りを延々ぷっちぷっちと千切っていた。花びらは軽く山になっていた。
「これは……」
「金木犀の木を作ろうと思ったんですけど、花びらが……終わらなくて」
短時間の和菓子体験でなんて壮大なものを作ろうとしているんだ。
思わず感涙した3人は花びらづくりを手伝い、その内に火凛とミネアで飾り付けをしていくことになった。
●最後に
馬車の客室には勿体なくて手の付けられなかった金木犀のお菓子が飾られて。荷台は荷物でぎゅうぎゅう詰め。
そんな馬車の前でみんなは立っていた。気が付けばもう日は暮れ始め。
「この度は詩天温泉旅行へのご参加、誠にありがとうございました」
丁寧にお辞儀する五条に、皆もまたお辞儀した。
「みんなで一緒にまた来るからね」
「さぁ、記念写真!」
せっかくの楽しい旅行だもの。しんみりで終わったら申し訳ない。火凛は大きく手を振ってみんなを馬車の前に集めるとついでにカメラを取り上げて五条も引っ張り込んだ。
「ずっとお世話になりましたしね。一緒に撮りましょう」
火凛はそういうと取り上げたカメラを馬丁に預けた。
それではみんなでポーズ。
「「「旅行、たのしかったぁ!!!」」」
はいチーズ!
「ふああ、お腹があったかいです。幸せ……」
巫女装束の赤袴に着替えた飛鷹 火凛(ka3710)は幸せそうに自分のお腹を撫でた。
「普段おへそ見えてるものね……ダメよ、女の子がお腹を冷やしちゃ」
毬の模様が入った愛らしい訪問着を手にしてご満悦のユリア・クレプト(ka6255)が火凛にそう言った。
「こうやっぱり可愛いデザインを選んでしまうんですよね。冬がもう……辛い。っていうか、ユリアさんも割と」
「あれは仕事着! 終わったらすぐ腹巻きよ」
なんてこと言わすか。ユリアはそうして皆を笑わせたものの、追い打ちをかけるように、クウ(ka3730)が用意した赤いちゃんちゃんこをそっとかけられると笑顔が凍り付いていた。
「……その振り袖、火凛ちゃんみたいなセクシーな服にしてあげようか?」
「ご、ご勘弁を……弁償代だけで観光が終わっちゃうよぅ」
凍り付く視線にガタガタ震えたクウであったが、その言葉にヒントをえて、振り袖の下をつつぅっとつまみあげてみる。
「あ、でも動きやすくていいかも!」
「そうですね、動きやすいのが一番でもちょっとバランスが悪いので、上もちょっと……」
ルナ・レンフィールド(ka1565)がクウの振り袖の上を少しはだけさせてみたり。
……ゲイシャだ。ゲイシャガールがそこにいる。一歩間違えればアブない雰囲気も、健康的なクウの魅力とボディだからまとまってしまう。
「あら、またきわどい線を狙って来たわね」
女学生のように市松模様の袴姿になって出て来た高瀬 未悠(ka3199)がクウを見て素直に賞賛した。
「あ、未悠さんも袴なんですね、お揃いお揃い」
ルナはぴょんぴょんと跳ねて、自分の袴を披露した。こちらはエステル・クレティエ(ka3783)と同じ紺地に、ルナは星の瞬きがワンポイントで浮き出ている。エステルはそれが葉っぱになったものだ。
「揃うと本当に姉妹みたいですね」
火凛の一言に二人は嬉しくなってにんまりと笑い合った。
「それではお写真いきましょうか」
「ポーズはどうするんですか?」
狩衣を着けたミーネが火凛に尋ねたが、はて、ポーズ……火凛とて巫女さんがポーズと言われても思いつくわけもない。
「えーとこう?」
火凛が玉串を持って構えると
「なるほど、こうね」
未悠が剣を構えた。
「じゃあルナさんと私は左右対称で……」
「はいっ、じゃあ中央で鶴の舞!」
「何この戦隊物! ミネア。じゃあ二人で祈りのポーズね」
ユリアが全員のキメポーズを見て爆笑すると、そのまま輪の中に飛び込んでいった。
●おみくじ
「ぎゃ、き、凶ですって!?」
占いのおみくじをみんなで引いて、真っ先に悲鳴を上げたのは未悠だった。
「恋愛運は食欲によって運気を下げる。甘いモノを断つべし……」
「ダイエットしろってことですよね。一番未悠さんにとって厳しいものがあたるなんて」
火凛は中吉。今日を契機に益々活動する事いいことあり。
「ユリアさんは?」
「私も凶……飲みすぎと熱中症に注意。お菓子がなくとも健康的な姿を皆に見せることが一番の幸せ。ってこれ私じゃないでしょ!!?」
ユリアは何故か天に向かって叫んだ。
「私は小吉でした。吉事、凶事が並の如くやってくるが、万事平穏な精神でいれば乗り越えられる、ですって。エステルちゃんは?」
「末吉でした。不幸事あれど末広がりで幸せになる、だそうです。そうだといいなぁ」
エステルはため息をついて空を見上げた。思い起こせば確かに不幸事は山のようにあった気がする。特に……最近いくつか。
そんなエステルの顔を見てルナも一緒に空を眺める。
「やったぁ、大吉大吉。万事絶好調。恋人との縁もますます深まる。機会を狙えば成就も可能って、ひゃーーっ」
クウは大喜びして踊り狂っていたがぴたりと止まって読み直した。
「でもお肉運はないわね」
「普通のおみくじにお肉運はないかな……あたしは、あ、大吉だ。運命の人現る……」
ぽつりとつぶやいたミネアに全員が集まった。
「運命の人!?」
「恋人できるの!!?」
「誰ですか、相手いるんですか」
「いないって、温泉の時に言ったよね!?」
詰め寄られるミネアだが、思い当たる点がないので混乱した叫びをあげることしかできなかった。
「クウやミネアがあんないい籤が出ているというのに、くぅぅぅ。これは御祓いすべきだわ」
未悠は悔しいやら辛いやら、甘いモノは止めたくないやらで、がばっと立ち上がるとさっそく火を焚いてお浄めしている場所へと走っていった。
「ああっ、水を撒かぬと火傷しますよっ!!!」
「負けないっ、私は負けないっ。あっちゅーーーい」
なんか巫女と未悠の楽しそうな悲鳴が聞こえてくる。
「甘いモノへの見境の無さというか執着が凶たる所以よね……じっとしていれば凛々しいのに」
ユリアのぽつりとした発言に、確かに。とみんな頷いた。
●酒屋にていっぱい一杯
「あああ、これ、これ最高!」
クウが枡を開けて大声で叫んだ。
透き通る味、喉にも負担がなく、まろやかな味わいがゆっくり続く。
「お肉ちょうだいお肉ー。辛い奴!」
もう完全にのん兵衛さんである。そんな様子を眺めながらユリアも満足げに酒を飲んでいた。
「本当に水の良さがわかるわねぇ、米もいい感じだわ……」
「酒の精霊様がいらっしゃいますからね。抜群の美味さに仕上がるんですわ」
杜氏の声にユリアはまたため息などついて、ほろほろとほほ笑んだ。
「あれ、ユリアさん……ちょっと出来上がっていませんか?」
顔がいつもより赤いなと白酒を飲んでいた火凛がユリアを覗き込んだ瞬間。
そのユリアの腕が火凛の首根元に絡みつき、そのまま膝元に組み伏せる。その流れは体術のそれにちかい。
「火凛ちゃん。昨日の踊り子になるっていうのどう? あたしが手取り足取り教えてあげるわよ?」
「ふわわ!?」
艶のある表情で顔を撫で繰り回される火凛は、その掌の動きから微妙な誘惑を感じて硬直した。
「とってもいい時間を過ごすことができて良かったわ。本当に嬉しくて。絶対忘れない。これからも教えてあげるから……ね?」
ユリアはそっと火凛の手を取って引き伸ばし、白衣から白い腕を引き出した。
「ねっ♪」
「い゛っ!!?」
ユリアの絶妙なツボ押しが火凛を襲った。全身の神経に刺激が入り、火凛は硬直したままのけぞった。
「ふへは……ここのお酒って甘いのに、なんかとろーんとしまふねぇ」
ルナも一口飲んで頭がふわふわ揺れている。飲み口が感じる以上アルコールか別なる酔い成分があるのかもしれない。
「ふふふ、ねえ、ミネアさん。聞いて下さいよ。私のリュート。このくびれの曲線がすっごくすわりがいいんですよ。そういうのって見た目がイマイチだったりするんですけどぉ。これがもう、すっごくよくてぇ。音の響きなんかもう他のリュートちゃんから飛びぬけてるんですよ。この、トンって音が。ほらほらミネアさん、叩いてみてー」
「は、はぁ」
なぜか楽器の愛を延々吐露される側のミネアは、どうしてこうなったと思ったが、とりあえず遠慮気味にリュートに触れてみる。
「きゃー、いい音。ミネアさんの音かわいいです。でも音楽に遠慮は駄目ですよぉ。思いのたけをぶつけるつもりで、ぎゅーって、ぎゅーっ」
何故抱きしめられたのかわからないままミネアは抱きしめられ、ルナからその髪を撫で繰り回されていた。
「酒の精っていうか酔っ払いの精がいるのでは……」
「あー。クウさんってギターとか似あいそうですよねー。ドラムとかも良さそうじゃないですか! 今度セッションしましょう。この前ねー、音楽合宿したんですよぉ。走り込みしてー。良い声作るんです。クウさんならできますよ。うん。」
ルナは今度はクウに抱き付き、またいい子好い子と頭を撫で繰り回す。昨日のくすぐり地獄の返礼かもしれない。
「これは相当にすごいわね……大丈夫かしら」
未悠はそんな光景に一歩引きながら一人延々と日本酒ボンボンを食べていた。心配とかなんとか言いながら、一袋がそろそろ無くなりそうな勢いである。
そんな彼女にも魔の手、エステルの手が背中をすぅと伝っていく。
「もう怪我も回復したんだね。良かった。きれいな肌だ……」
「ちょ、エステル!?」
髪をまとめてきりりとした表情が未悠の後ろから迫ってくる。
「わ、私には大切な人が、い、い、いるの……」
「私じゃダメかな? 君なら食べてしまいたいほど、好きなんだ」
その一言に未悠の頭は爆発した。
「……なーんて、うーん。やっぱり母様みたいな王子様にはなれないなぁ」
けろっと戻ってにこやかにエステルは微笑んだ。
そんなエステルに涙を溜めた上目遣いの未悠が見つめていた。そんな彼女はエステルの手をしっかと握っていた。
「ああ、王子様……私も貴方を食べちゃいたい」
いっぱいの気持ちをこめた抱擁に、今度はエステルの頭が爆発する番だった。
●お土産戦争
「これいいですね。うん、水の如し」
お土産屋で売っている刀を波紋をしっかりと見つめて火凛は満足げな声を上げた。
「さっすが火凛。刀とかになると目つきが変わるわね!」
クウの掛け声に火凛はえへへと笑うと、勢いこんで店主に尋ねた。
「他に妖刀ありませんか妖刀」
「ムラサマならあるよ!」
偽物っぽい響きばっちりであるが、仰々しい造りに火凛はうっとりとした表情を浮かべた。
「カタナフェチに覚醒した……ひぃ、ルナ、火凛が怖いよ」
クウがちょいちょいとルナの裾を弾くと、そのルナもうっとりとした顔で篠笛を眺めていた。
「ああ、このフォルムが……」
「酔い治ってないの!!?」
みんな趣味全開である。そう思うと、まともな買い物をして恋人の彼とお酒を分かち合うだけもなんかもったいなくなってきて。
「お肉、お肉の珍味ないかな」
「ちょうど牡丹(イノシシ肉)があるよ。味噌漬けにして狩人なんかが食べる奴だけど」
「買った! 2箱ね、お土産用と今食べる用で!!」
あ、やっぱり自分用の土産も。なんて買いこむクウに未悠はくすりと笑った。
「やっぱりクウは食べ物大好きなのね」
「未悠もね!」
そう言われる未悠の腕を埋め尽くすのは団子、煎餅、羊羹。お菓子の山である。
一瞬真顔で見つめ合った二人は、すぐさまにぱっと笑った。
「食べるって幸せよね」
「だよねー」
「あとはあの人の為に本でも買おうと思うけれど、うーん」
未悠は本コーナーをしばらく眺めてふと歩みを止めた。詩天の書物だけでなく、リアルブルーからの転移者がもっていた写本なども少しあるようだ。
そこにある戯曲の本を手に取って、未悠は目を細くした。
「ハムレット……これね」
未悠はそっと買い物籠にそれを加えた瞬間、ふと、甘い香りがして振り返るとユリアが香を眺めていた。
「わぁ、沈香、伽羅もあるじゃない。あの山のどこかにあるのかしら……詩天は香り立つ国ね」
「家では見たことの無いものばかりですね」
「暑いところでないと育たない種類だからね。お母様ならこういうの喜ぶんじゃない? 樹が朽ちて、樹液が結晶化してできる香りなのよ。輪廻と守護と司る香りなの」
初めて見るお香に興味津々のエステルにユリアは沈香を渡すと、エステルはゆっくりとその香りを楽しんだ。
「本当、なんかすっと胸に来ますね」
「エステルちゃん、小物入れ発見したよ」
「エステル、本も買うとか言ってなかったっけ」
しかし、時間もあってゆっくりできないのが買い物タイムの常である。
「ひーん、もっとちゃんと選びたいぃ」
エステルはしくしく泣きつつ、この身体を4つくらいに分身させたいと思った。
一方。
「ひーん」
五条は山のような荷物を持ち、この身体が4人力になればいいのにと思いつつ、馬車へ向かって行った。
●和菓子屋
「ぱーるむのくつやさんは ころころころとんとんとん……と」
エステルが作り上げた蓮の葉をイメージした土台に、ルナが練り切りでパルムを作ったものをゆっくり載せた。蓮の実である部分の栗の甘露煮を台座にパルムが踊っている形が出来上がった。
「完成!」
息を一気に吐き出すと、エステルとルナは手を取り合って大喜びをした。色々な合作をしてきたけれどお菓子の合作は始めてだ。しかも、用意した分をちょっとずつ形を変えて、並べると動きが付いているのがわかる。
「これみんなにプレゼントしにいこうね」
「うんうん」
二人は頷き合うと、他のメンバーの様子をちらりと見た。エステルとルナは分担し合っただけあって、他はまだ格闘中だった。
そして一番の格闘中なのは
「鳳仙花って、ど、どんなだったかしら……」
ユリアは唸った。デスクッキングと呼ばれる未悠の手助けを長年の主婦の経験を活かして助けていたのだが。
「ナマズヒゲがいっぱいあるやつよ」
二人の目の前にある和菓子は赤いオタマジャクシであった。ナマズですらない。
ユリアもだんだんイメージがゲシュタルト崩壊を起こして手を加えようにも、どうすればいいのかわからない状態になっていた。ここまで来ると悲惨の一言に尽きる。
「うぬぬぬぬ!」
意地っ張りな二人は最後まで少しでもマシにすべく格闘し続けていた。
「ふひー。これって意外と繊細ね」
そんな隣で、クウがぐいっと両腕を伸ばした。
「あ、ネコちゃん!」
「かわいい」
猫の顔が練り切りでできあがっていた。といってもちょっと目が不ぞろいだったりして、ちょっとブサイクなのはご愛敬。でもクウの持ち前の明るさがうかがえる。
「後は……火凛さん?」
3人が顔を上げて火凛を見ると、彼女は橙色の練り切りを延々ぷっちぷっちと千切っていた。花びらは軽く山になっていた。
「これは……」
「金木犀の木を作ろうと思ったんですけど、花びらが……終わらなくて」
短時間の和菓子体験でなんて壮大なものを作ろうとしているんだ。
思わず感涙した3人は花びらづくりを手伝い、その内に火凛とミネアで飾り付けをしていくことになった。
●最後に
馬車の客室には勿体なくて手の付けられなかった金木犀のお菓子が飾られて。荷台は荷物でぎゅうぎゅう詰め。
そんな馬車の前でみんなは立っていた。気が付けばもう日は暮れ始め。
「この度は詩天温泉旅行へのご参加、誠にありがとうございました」
丁寧にお辞儀する五条に、皆もまたお辞儀した。
「みんなで一緒にまた来るからね」
「さぁ、記念写真!」
せっかくの楽しい旅行だもの。しんみりで終わったら申し訳ない。火凛は大きく手を振ってみんなを馬車の前に集めるとついでにカメラを取り上げて五条も引っ張り込んだ。
「ずっとお世話になりましたしね。一緒に撮りましょう」
火凛はそういうと取り上げたカメラを馬丁に預けた。
それではみんなでポーズ。
「「「旅行、たのしかったぁ!!!」」」
はいチーズ!
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出立前のお部屋にて【相談卓】 ミネア(kz0106) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|一般人 |
最終発言 2016/10/04 00:27:29 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/09/28 21:32:50 |
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ミニゲーム卓 ミネア(kz0106) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|一般人 |
最終発言 2016/10/03 23:26:23 |