ゲスト
(ka0000)
狼の脅威が消えて……
マスター:なちゅい

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 1~50人
- サポート
- 0~0人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/12/22 22:00
- 完成日
- 2016/12/28 05:07
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●討伐記念のお祝いに……
王都イルダーナ。
聖堂教会の総本山があるこの地は多数の巡礼者が訪れているのだが、その巡礼者が旅路において、どす黒く、大きく体躯を膨らませた狼雑魔から襲われる事件が長期にわたって発生していた。
その討伐依頼を受けたハンターや、本格的にその対処に乗り出した聖堂戦士団により、狼の討伐が繰り返された。その討伐作戦は幾度も繰り返され、団員の中には傷つくものも……。
だが、それによって、全体数を減らした狼雑魔達も危機感を募らせ、街道沿いの街を襲おうとするも、ハンター達の活躍によって撃退。
そして、先日、草原で集まる狼雑魔達との決戦が行われた。ハンターも、聖堂戦士団団員も、死力を尽くして狼雑魔と戦い……、ついに、群れを率いるボス、三つ首狼を撃破したのだ。
イルダーナのハンターズソサエティ。
そこに姿を現したファリーナはいつもと変わらないハンター達の姿に安堵しながらも、まだ小隊長という肩書きになれないのか、職務にやや疲れた表情で近場の椅子に腰掛けた。
「皆さんにも、是非、ご参加いただきたいパーティーがありまして」
それでも彼女は明るく振舞い、とあるカードをハンター達へと手渡す。それは、ここイルダーナで開かれるパーティーへの招待状だった。
狼雑魔の完全討伐を祝したパーティーというのが会の趣旨のようだが、働きを認められたファリーナの昇進祝いも兼ねている。
会は立食パーティー形式となっており、聖堂戦士団団員達の挨拶の後は基本的に無礼講となるようだ。思いっきり飲み食いしてもいいし、参加者同士で歓談を楽しむのも良い。
また、ここで、自身の芸を披露することも出来る。武芸、歌、演奏、マジック、などなど。観客を楽しませることが出来たならば、おひねりをいただける可能性もあるので、腕に自身があるならば試してみても良いだろう。
「都合があえば、お越しくださいね」
立ち上がったファリーナは、そこでハンターズソサエティに入ってきた別のハンターにも声をかけていたようだった。
王都イルダーナ。
聖堂教会の総本山があるこの地は多数の巡礼者が訪れているのだが、その巡礼者が旅路において、どす黒く、大きく体躯を膨らませた狼雑魔から襲われる事件が長期にわたって発生していた。
その討伐依頼を受けたハンターや、本格的にその対処に乗り出した聖堂戦士団により、狼の討伐が繰り返された。その討伐作戦は幾度も繰り返され、団員の中には傷つくものも……。
だが、それによって、全体数を減らした狼雑魔達も危機感を募らせ、街道沿いの街を襲おうとするも、ハンター達の活躍によって撃退。
そして、先日、草原で集まる狼雑魔達との決戦が行われた。ハンターも、聖堂戦士団団員も、死力を尽くして狼雑魔と戦い……、ついに、群れを率いるボス、三つ首狼を撃破したのだ。
イルダーナのハンターズソサエティ。
そこに姿を現したファリーナはいつもと変わらないハンター達の姿に安堵しながらも、まだ小隊長という肩書きになれないのか、職務にやや疲れた表情で近場の椅子に腰掛けた。
「皆さんにも、是非、ご参加いただきたいパーティーがありまして」
それでも彼女は明るく振舞い、とあるカードをハンター達へと手渡す。それは、ここイルダーナで開かれるパーティーへの招待状だった。
狼雑魔の完全討伐を祝したパーティーというのが会の趣旨のようだが、働きを認められたファリーナの昇進祝いも兼ねている。
会は立食パーティー形式となっており、聖堂戦士団団員達の挨拶の後は基本的に無礼講となるようだ。思いっきり飲み食いしてもいいし、参加者同士で歓談を楽しむのも良い。
また、ここで、自身の芸を披露することも出来る。武芸、歌、演奏、マジック、などなど。観客を楽しませることが出来たならば、おひねりをいただける可能性もあるので、腕に自身があるならば試してみても良いだろう。
「都合があえば、お越しくださいね」
立ち上がったファリーナは、そこでハンターズソサエティに入ってきた別のハンターにも声をかけていたようだった。
リプレイ本文
●狼雑魔の討伐を終えて……
王都イルダーナのパーティー会場。
そこでは、聖堂戦士団団員を中心に多数の参加者が集まり、グラズヘイム王国内に現れていた狼雑魔の討伐完了を祝う宴が開催されていた。
その中には、ハンターの姿も見受けられる。招待状を受け取ったセレス・フュラー (ka6276) は1人での参加だ。
(ほんとは、狼に関わり続けてきたアルスお姉様が来るべきだったんだけど)
彼女の姉は一連の依頼の多くに参加していたのだが、どうやら外せぬ用があったらしく、1度ではあるものの討伐作戦に関わったセレスが姉の代理も兼ねて、参加と相成ったようだ。
「この地域の人はずいぶん困っていたのね……。こんな大きな祝勝会が開かれるなんて」
マリィア・バルデス (ka5848)もまた、狼討伐作戦には1度のみの参加ではあるが、このパーティーに参加している人達の安堵の表情を見ている限りでは、狼雑魔にかなり苦しめられていたのだろうと推察する。
「少しでも、お役に立てたようで良かったわ」
マリィアは少し、表情を綻ばせていた。
「ど、どうもです」
ドレス姿のアシェ-ル (ka2983)は聖堂戦士団の幹部らしき人に出会い、やや緊張した面持ちで挨拶を交わす。戦士団の幹部達は忙しい中時間を割いて、会場に顔を見せていた。
末端の団員を労う為に、そして、士気を高める為といった目的で開かれた祝勝会といったところだろうか。壇上では、ファリーナ・リッジウェイ(kz0182)が正式に小隊長就任の勲章を授与されていた。
エファ (ka6071)はとりあえず、何かの宴の席ということでこの場に参加していた。今は聖堂戦士団による雑魔討伐の状況説明と、功労者の昇進による勲章付与といったところらしい。
「余興要因ってことだったけれど、あたしの出番はもう少し先のようなの」
札抜 シロ (ka6328) はしばし、この場に待機する。彼女の手品を期待して参加していた者もいたようだ。セレモニーイベントが終われば、余興を行うことになるだろう。
その為、エファやシロは、先に状況について参加者と会話をするなどして、時間を潰すことにする。
なんでも、ここしばらく、グラズヘイム王国東の地域にかなりの数の狼雑魔が現れ、主に街道をゆく巡礼者を襲っていたという事件があっていたという。
「わたくし達もそれを知って、作戦に参加したんですが……」
アシェ-ルもお目当ての人と会話できるタイミングを待ちつつ、事情を知らぬメンバーへと経緯を説明していた。
戦いは長期に及んだ。ハンターの力を多分に借りながらも討伐作戦を進めていく。戦い慣れすらしていない末端の聖堂戦士団達が重軽傷を負うこともあったが、それでも徐々に狼の数を減らしていき、先日、ついにボス狼を討伐に至ったということらしい。
「雑魔とはいえ、怖いですね」
「本当にもう、出て来なければいいですが……」
その経緯を聞き、エファは本音を漏らす。アシェ-ルもその再発生に懸念を示していた。大ボスを倒したので、それはないと思いたいが……。
「それにしても、結局、あの狼雑魔達ってなんだったんだろうね?」
まよいはそんな疑問を口にする。確かに、狼雑魔についてはその正体が明らかになることは最後までなかった。
最後の依頼前に聖堂戦士団は、群れを率いるボス狼……三つ首狼を歪虚、憤怒の一種と断じてはいた。まよいも直感で、それに間違いはなさそうかなと感じている。
ただ、結局、狼の狙いはよく分からなかった。なぜ、狼は巡礼者を狙っていたのか……。
一部の聖導士の情報に寄れば、旅の途中で巡礼者が狼を狩りでしとめていたことが原因なのではという話もあったが、真偽は定かではない。
「それでも……無事に終わって、ホッとしました」
「いい話が聞けて良かったです」
安堵するアシェ-ルの話を聞き、エファもほっこりとしていた。
●楽しい余興タイム!
セレモニーを追え、忙しい幹部勢が会場を去った後、会は無礼講となる。
ビュッフェ形式となって、並ぶ数々の料理。参加者達はそれらを小皿によそって食べながら、歓談を行う。
「わ~い、美味しそうな食べ物がいっぱい」
夢路 まよい (ka1328) は並ぶごちそうに目移りさせる。
穀物料理や肉に魚料理、脇には甘そうなデザートに、ソフトドリンクなど飲み物がテーブルの上に並べられていた。とりわけスイーツには目がないらしいまよいは、ついついグラスに盛られた生クリームたっぷりのスイーツを手に取っていたようだ。
そばではセレスも皿に料理をよそっていたが、さほど頻繁には手を伸ばしてはいない様子。
(羽目を外しすぎて、太ったりなんかするのは嫌だからね)
自身でも、それなりにスタイルが良い方だと自負しているセレス。そのスタイルを維持する為にも、飲み食いはそこそこにと考えていたようだ。
マリィアは並ぶ料理を観察する。参加者と語り合いながら、自身の知らない酒や料理がないかと見回っていた。
気になる料理を発見した彼女は配膳役を通して、その料理を作ったシェフに調理方法を聞きに向かう。
「料理やお酒は趣味だもの。こういう時に本気にならなくてどうするのよ」
シェフに聞かれたマリィアはやや照れくさそうに、仲間へとそんな弁明をする。しっかりとレシピはメモしてきたらしい。
「リーナさん! やりましたね!」
ようやく、自由な時間を得たらしいファリーナへ、小走りに駆け寄ったアシェ-ルがダイブする。
「皆さん、お越しいただいてありがとうございます!」
アシェ-ルを受け止めたファリーナは作戦に参加したハンター達の姿を目にし、表情を綻ばせる。胸には先ほど賜った勲章が煌いていた。
「せっかく一緒に戦い続けたのに、お姉様連れて来れなくてごめんね」
「いえ、よろしくお伝えください」
申し訳なさそうに告げるセレスへ、ファリーナが返す。また、一緒に戦う機会もあるかもしれないから、その時にまたお礼できたらとも。
「これ、ファリーナの昇進祝いでもあるんだ?」
そうして、まよいはファリーナを祝福するのだが……。
「昇進でこれだけごちそう食べられるなら、じゃんじゃん昇進して、そのたびパーティー開いてくれないかな」
彼女の漏らす本音が、メンバー達の笑いを誘う。
それでも、ちゃんと成果が認められたのだからと、アシェ-ルは喜んでいた。
「リーナさん、偉くなっちゃうのかな」
「どうでしょうか。でも、わたしは変わりませんよ」
にっこりと笑い合う2人。その後、美味しい料理を口にしながら、ハンター達同士で狼雑魔との戦いの思い出を語り合う。
狭い渓谷での戦い、その次にファリーナが岩場に取り残されたこともあり、それを元に聖導士達へと戦力アップの為の演習を行った。
三つ首狼を捉えた後は、狼雑魔を追い込んでいく。追い詰められた狼雑魔が街道沿いの街を攻め込んできたのを撃退し、その勢いでボスを討伐した形だ。
中でも、一番最初、肉塊となってしまった馬、ニックで敵を釣るところから作戦のインパクトは大きかったようである。
色々あったとハンター達が語り合ううち、宴もたけなわとなって余興となる催しが始まる。
招待されていたシロは一礼し、得意の手品を演じ始めた。
「レッツ、ショータイムなの!」
何も持っていないはずの手に、いつの間にか指にボールを挟み、ステッキを花に変化させるといった定番のものから始め、シロは得意のカードマジックで場を盛り上げる。パーティー会場ということで、会場のコップと参加者から借りたコインを使ったマジックなどを行う。
「さて、次なるマジックは……こちらなの!」
イルダーナの人々が余り目にしない、リアルブルーで仕込んだ手品の数々。シロはそれらを惜しみなく披露し、観客を魅了する。
「人前に出るのは苦手ですが、せっかくの宴の席ですしね」
シロがひと段落したタイミングで前に出た鬼のエファは、東方由来と思われる歌を歌い始めた。
独特のメロディに、イルダーナの民はやや戸惑いも見せてはいたが、曲調が盛り上がると、聞いていたパーティー参加者達は手を叩いて音頭を取っていたようだ。
目立つのが苦手だからと客席でそれを見ていたアシェ-ルは、そうだと手を合わせて隣りの聖導士を見つめる。
「リーナさんも、歌います! 歌いますよね!」
「えっ!?」
アシェ-ルの言葉に驚くファリーナ。それでも、本日の主役の1人ということもあって引っ込みがつかなくなり、ファリーナは前に出て歌い始める。
ガッチガチな上、顔を真っ赤にしていた彼女が歌い出すと、マリィアが他の参加者にヴァイオリンを借りて弓を操る。
弦から奏でられる軽快な曲、それにファリーナが合わせて歌う。参加者達はうっとりとしていた。
「この響き……、心に染み渡るのです~」
アシェ-ルがうっとりとしながらその歌と音色に聞きほれ、まよいは喜び、セレスも微笑ましそうに見つめていた。
そんな優雅な曲は瞬く間に終わりをつげ、マリィアとファリーナが頭を下げた。
割れんばかりの拍手が巻き起こった後、マリィアは照れくさそうに語る。
「せっかくの祝勝会なんだもの、堅苦しくなく踊るにはいい機会じゃないかと思ったのよ」
「なんかいいの。……そうだ、締めにこんなのをお見せするの」
シロは再び壇上に上がって輪っかを取り出す。繋ぎ目などない輪っかのはずだが、それをどんどん繋げていき人繋ぎの長い輪にして見せた。
「繋がりの輪を大切に、なの」
にっこりと笑って、シロは余興を締めくくる。会場からは彼女に対して盛大な拍手が巻き起こっていた。
王都イルダーナのパーティー会場。
そこでは、聖堂戦士団団員を中心に多数の参加者が集まり、グラズヘイム王国内に現れていた狼雑魔の討伐完了を祝う宴が開催されていた。
その中には、ハンターの姿も見受けられる。招待状を受け取ったセレス・フュラー (ka6276) は1人での参加だ。
(ほんとは、狼に関わり続けてきたアルスお姉様が来るべきだったんだけど)
彼女の姉は一連の依頼の多くに参加していたのだが、どうやら外せぬ用があったらしく、1度ではあるものの討伐作戦に関わったセレスが姉の代理も兼ねて、参加と相成ったようだ。
「この地域の人はずいぶん困っていたのね……。こんな大きな祝勝会が開かれるなんて」
マリィア・バルデス (ka5848)もまた、狼討伐作戦には1度のみの参加ではあるが、このパーティーに参加している人達の安堵の表情を見ている限りでは、狼雑魔にかなり苦しめられていたのだろうと推察する。
「少しでも、お役に立てたようで良かったわ」
マリィアは少し、表情を綻ばせていた。
「ど、どうもです」
ドレス姿のアシェ-ル (ka2983)は聖堂戦士団の幹部らしき人に出会い、やや緊張した面持ちで挨拶を交わす。戦士団の幹部達は忙しい中時間を割いて、会場に顔を見せていた。
末端の団員を労う為に、そして、士気を高める為といった目的で開かれた祝勝会といったところだろうか。壇上では、ファリーナ・リッジウェイ(kz0182)が正式に小隊長就任の勲章を授与されていた。
エファ (ka6071)はとりあえず、何かの宴の席ということでこの場に参加していた。今は聖堂戦士団による雑魔討伐の状況説明と、功労者の昇進による勲章付与といったところらしい。
「余興要因ってことだったけれど、あたしの出番はもう少し先のようなの」
札抜 シロ (ka6328) はしばし、この場に待機する。彼女の手品を期待して参加していた者もいたようだ。セレモニーイベントが終われば、余興を行うことになるだろう。
その為、エファやシロは、先に状況について参加者と会話をするなどして、時間を潰すことにする。
なんでも、ここしばらく、グラズヘイム王国東の地域にかなりの数の狼雑魔が現れ、主に街道をゆく巡礼者を襲っていたという事件があっていたという。
「わたくし達もそれを知って、作戦に参加したんですが……」
アシェ-ルもお目当ての人と会話できるタイミングを待ちつつ、事情を知らぬメンバーへと経緯を説明していた。
戦いは長期に及んだ。ハンターの力を多分に借りながらも討伐作戦を進めていく。戦い慣れすらしていない末端の聖堂戦士団達が重軽傷を負うこともあったが、それでも徐々に狼の数を減らしていき、先日、ついにボス狼を討伐に至ったということらしい。
「雑魔とはいえ、怖いですね」
「本当にもう、出て来なければいいですが……」
その経緯を聞き、エファは本音を漏らす。アシェ-ルもその再発生に懸念を示していた。大ボスを倒したので、それはないと思いたいが……。
「それにしても、結局、あの狼雑魔達ってなんだったんだろうね?」
まよいはそんな疑問を口にする。確かに、狼雑魔についてはその正体が明らかになることは最後までなかった。
最後の依頼前に聖堂戦士団は、群れを率いるボス狼……三つ首狼を歪虚、憤怒の一種と断じてはいた。まよいも直感で、それに間違いはなさそうかなと感じている。
ただ、結局、狼の狙いはよく分からなかった。なぜ、狼は巡礼者を狙っていたのか……。
一部の聖導士の情報に寄れば、旅の途中で巡礼者が狼を狩りでしとめていたことが原因なのではという話もあったが、真偽は定かではない。
「それでも……無事に終わって、ホッとしました」
「いい話が聞けて良かったです」
安堵するアシェ-ルの話を聞き、エファもほっこりとしていた。
●楽しい余興タイム!
セレモニーを追え、忙しい幹部勢が会場を去った後、会は無礼講となる。
ビュッフェ形式となって、並ぶ数々の料理。参加者達はそれらを小皿によそって食べながら、歓談を行う。
「わ~い、美味しそうな食べ物がいっぱい」
夢路 まよい (ka1328) は並ぶごちそうに目移りさせる。
穀物料理や肉に魚料理、脇には甘そうなデザートに、ソフトドリンクなど飲み物がテーブルの上に並べられていた。とりわけスイーツには目がないらしいまよいは、ついついグラスに盛られた生クリームたっぷりのスイーツを手に取っていたようだ。
そばではセレスも皿に料理をよそっていたが、さほど頻繁には手を伸ばしてはいない様子。
(羽目を外しすぎて、太ったりなんかするのは嫌だからね)
自身でも、それなりにスタイルが良い方だと自負しているセレス。そのスタイルを維持する為にも、飲み食いはそこそこにと考えていたようだ。
マリィアは並ぶ料理を観察する。参加者と語り合いながら、自身の知らない酒や料理がないかと見回っていた。
気になる料理を発見した彼女は配膳役を通して、その料理を作ったシェフに調理方法を聞きに向かう。
「料理やお酒は趣味だもの。こういう時に本気にならなくてどうするのよ」
シェフに聞かれたマリィアはやや照れくさそうに、仲間へとそんな弁明をする。しっかりとレシピはメモしてきたらしい。
「リーナさん! やりましたね!」
ようやく、自由な時間を得たらしいファリーナへ、小走りに駆け寄ったアシェ-ルがダイブする。
「皆さん、お越しいただいてありがとうございます!」
アシェ-ルを受け止めたファリーナは作戦に参加したハンター達の姿を目にし、表情を綻ばせる。胸には先ほど賜った勲章が煌いていた。
「せっかく一緒に戦い続けたのに、お姉様連れて来れなくてごめんね」
「いえ、よろしくお伝えください」
申し訳なさそうに告げるセレスへ、ファリーナが返す。また、一緒に戦う機会もあるかもしれないから、その時にまたお礼できたらとも。
「これ、ファリーナの昇進祝いでもあるんだ?」
そうして、まよいはファリーナを祝福するのだが……。
「昇進でこれだけごちそう食べられるなら、じゃんじゃん昇進して、そのたびパーティー開いてくれないかな」
彼女の漏らす本音が、メンバー達の笑いを誘う。
それでも、ちゃんと成果が認められたのだからと、アシェ-ルは喜んでいた。
「リーナさん、偉くなっちゃうのかな」
「どうでしょうか。でも、わたしは変わりませんよ」
にっこりと笑い合う2人。その後、美味しい料理を口にしながら、ハンター達同士で狼雑魔との戦いの思い出を語り合う。
狭い渓谷での戦い、その次にファリーナが岩場に取り残されたこともあり、それを元に聖導士達へと戦力アップの為の演習を行った。
三つ首狼を捉えた後は、狼雑魔を追い込んでいく。追い詰められた狼雑魔が街道沿いの街を攻め込んできたのを撃退し、その勢いでボスを討伐した形だ。
中でも、一番最初、肉塊となってしまった馬、ニックで敵を釣るところから作戦のインパクトは大きかったようである。
色々あったとハンター達が語り合ううち、宴もたけなわとなって余興となる催しが始まる。
招待されていたシロは一礼し、得意の手品を演じ始めた。
「レッツ、ショータイムなの!」
何も持っていないはずの手に、いつの間にか指にボールを挟み、ステッキを花に変化させるといった定番のものから始め、シロは得意のカードマジックで場を盛り上げる。パーティー会場ということで、会場のコップと参加者から借りたコインを使ったマジックなどを行う。
「さて、次なるマジックは……こちらなの!」
イルダーナの人々が余り目にしない、リアルブルーで仕込んだ手品の数々。シロはそれらを惜しみなく披露し、観客を魅了する。
「人前に出るのは苦手ですが、せっかくの宴の席ですしね」
シロがひと段落したタイミングで前に出た鬼のエファは、東方由来と思われる歌を歌い始めた。
独特のメロディに、イルダーナの民はやや戸惑いも見せてはいたが、曲調が盛り上がると、聞いていたパーティー参加者達は手を叩いて音頭を取っていたようだ。
目立つのが苦手だからと客席でそれを見ていたアシェ-ルは、そうだと手を合わせて隣りの聖導士を見つめる。
「リーナさんも、歌います! 歌いますよね!」
「えっ!?」
アシェ-ルの言葉に驚くファリーナ。それでも、本日の主役の1人ということもあって引っ込みがつかなくなり、ファリーナは前に出て歌い始める。
ガッチガチな上、顔を真っ赤にしていた彼女が歌い出すと、マリィアが他の参加者にヴァイオリンを借りて弓を操る。
弦から奏でられる軽快な曲、それにファリーナが合わせて歌う。参加者達はうっとりとしていた。
「この響き……、心に染み渡るのです~」
アシェ-ルがうっとりとしながらその歌と音色に聞きほれ、まよいは喜び、セレスも微笑ましそうに見つめていた。
そんな優雅な曲は瞬く間に終わりをつげ、マリィアとファリーナが頭を下げた。
割れんばかりの拍手が巻き起こった後、マリィアは照れくさそうに語る。
「せっかくの祝勝会なんだもの、堅苦しくなく踊るにはいい機会じゃないかと思ったのよ」
「なんかいいの。……そうだ、締めにこんなのをお見せするの」
シロは再び壇上に上がって輪っかを取り出す。繋ぎ目などない輪っかのはずだが、それをどんどん繋げていき人繋ぎの長い輪にして見せた。
「繋がりの輪を大切に、なの」
にっこりと笑って、シロは余興を締めくくる。会場からは彼女に対して盛大な拍手が巻き起こっていた。
依頼結果
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MVP一覧
- イッツァショータイム!
札抜 シロ(ka6328)
重体一覧
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/12/20 23:07:23 |
|
![]() |
雑談卓 通りすがりのSさん(ka6276) エルフ|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2016/12/20 09:11:42 |