ゲスト
(ka0000)
【初夢】賭博小屋慰メの初夢
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/01/08 19:00
- 完成日
- 2017/01/17 02:05
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
荒んだ城下町の外れに若い女が壺を振る賭場があるという。
妖艶な紅玉を吊す黒檀の簪一つで髪を纏め、袖を抜いた肩に鯉が昇る。
仄暗い部屋に駒札を張る小気味良い音が響き、
「勝負」
その女の声に場を囲む男達は息を止めて、開かれる賽の目を見詰めた。
博徒に任侠、火消しに岡っ引き、果てはそこそこの店の商人まで時折顔を見せては、勝ったり負けたりして帰っていく。
その夜もそうして明けていくはずだった。
女は背に子供を負ぶっている。負い紐で括るように背負われたその小さな子供は愚図るでも無く騒がしい場を物ともせずに眠っていて、空が白む頃に目を冷まし泣き出すのだとこの所通い詰めている博徒が言う。
「泣いちまったら今夜はお開きだ。あんた、負けてるならさっさと取り返した方が良いぜ」
丑三つ時を過ぎた頃。
垢光りの着流しを尻端折りにした、堅気には見えぬ風貌の男が片袖を噛んで駆け込んできた。
男はどたと大きな音を立てて場に転がると、歯を離した。
赤錆色に塗れた袖、襷の紐が垂れ下がり、その中に有るはずの腕は無くなっている。
何が有ったと場がざわめいた。
脇に控えていた男が、駒攫いを投げて倒れた男の袖を括る。
しかし、それでは応急手当にも足りず、見る間に顔から血の気が引いていく。
譫言の様に彼奴が出た、足を斬られた、と呟きながら彼はやがて意識を失った。
男が板戸に乗せられ、部屋の隅に寝かされると、騒然とした場は静まりかえり、皆ちらちらと女を見る。
紅を差した唇を噛み締めた女は言う。
「腕に覚えの有る奴だけ残ってくれ。今夜はお開きだ」
●
賭場の客達の半分程は帰り、もう半分が留まった。
その内の数人は、既に袖を捲って各々預けた得物を腰に帯びている。
「こいつぁね、あたしが雇ってたんだ……」
元々この賭場にはある用心棒がいた。彼は、しかし、前の月の末に殺されたのだという。
その下手人を上げるため、今倒れているこの男と、もう1人を雇っていた。
賭場の番をしながら探させていたが、先日ここいらで落ち武者の幽霊が出たらしい噂を聞いたと言ってきた。
まさか、と思ったけれど、と、女は戸板で呻く男を見遣る。
もう1人は、恐らく足を斬られて逃げられなかったのだろう。
「……前の奴は、腕も立って、気立ても良くてさぁ」
思い出す様に女は溜息を吐く。
彼奴がいた頃のここは、もっと賑やかだったと。
仇を討ってくれたなら、今夜の負け分は持ってやる。
「――そういや、あんたは初顔だね。あたしは萌香、こっちは日乃。日の出に泣き出すから日乃ってね」
負ぶわれた幼子はまだ眠っている。
萌香は寂しそうに笑って、男達を送り出した。
荒んだ城下町の外れに若い女が壺を振る賭場があるという。
妖艶な紅玉を吊す黒檀の簪一つで髪を纏め、袖を抜いた肩に鯉が昇る。
仄暗い部屋に駒札を張る小気味良い音が響き、
「勝負」
その女の声に場を囲む男達は息を止めて、開かれる賽の目を見詰めた。
博徒に任侠、火消しに岡っ引き、果てはそこそこの店の商人まで時折顔を見せては、勝ったり負けたりして帰っていく。
その夜もそうして明けていくはずだった。
女は背に子供を負ぶっている。負い紐で括るように背負われたその小さな子供は愚図るでも無く騒がしい場を物ともせずに眠っていて、空が白む頃に目を冷まし泣き出すのだとこの所通い詰めている博徒が言う。
「泣いちまったら今夜はお開きだ。あんた、負けてるならさっさと取り返した方が良いぜ」
丑三つ時を過ぎた頃。
垢光りの着流しを尻端折りにした、堅気には見えぬ風貌の男が片袖を噛んで駆け込んできた。
男はどたと大きな音を立てて場に転がると、歯を離した。
赤錆色に塗れた袖、襷の紐が垂れ下がり、その中に有るはずの腕は無くなっている。
何が有ったと場がざわめいた。
脇に控えていた男が、駒攫いを投げて倒れた男の袖を括る。
しかし、それでは応急手当にも足りず、見る間に顔から血の気が引いていく。
譫言の様に彼奴が出た、足を斬られた、と呟きながら彼はやがて意識を失った。
男が板戸に乗せられ、部屋の隅に寝かされると、騒然とした場は静まりかえり、皆ちらちらと女を見る。
紅を差した唇を噛み締めた女は言う。
「腕に覚えの有る奴だけ残ってくれ。今夜はお開きだ」
●
賭場の客達の半分程は帰り、もう半分が留まった。
その内の数人は、既に袖を捲って各々預けた得物を腰に帯びている。
「こいつぁね、あたしが雇ってたんだ……」
元々この賭場にはある用心棒がいた。彼は、しかし、前の月の末に殺されたのだという。
その下手人を上げるため、今倒れているこの男と、もう1人を雇っていた。
賭場の番をしながら探させていたが、先日ここいらで落ち武者の幽霊が出たらしい噂を聞いたと言ってきた。
まさか、と思ったけれど、と、女は戸板で呻く男を見遣る。
もう1人は、恐らく足を斬られて逃げられなかったのだろう。
「……前の奴は、腕も立って、気立ても良くてさぁ」
思い出す様に女は溜息を吐く。
彼奴がいた頃のここは、もっと賑やかだったと。
仇を討ってくれたなら、今夜の負け分は持ってやる。
「――そういや、あんたは初顔だね。あたしは萌香、こっちは日乃。日の出に泣き出すから日乃ってね」
負ぶわれた幼子はまだ眠っている。
萌香は寂しそうに笑って、男達を送り出した。
リプレイ本文
●
日暮れの頃に辿り着いた町。うそ寒く寂れた街並みを見回り朽ちた垣根や崩れた壁を叩く風の音を聞きながら、脛を撫でた枯れた芝の穂を踏み折って歩くキリエ(ka5695)が賭博小屋を覗く頃、既に日は落ち闇の中にぽうと小さく松の根が燃やされていた。
小屋の中には昼中に見かけた顔ぶれあり、キリエに気付くと視線を返した。
「少し勝てたからといって、調子にのって引き際を見誤りました。私もまだまだ未熟です」
壺振りの向かいに居住まいを正すエルバッハ・リオン(ka2434)が唇を浅く咬む。
駒を空にした手許から背けるように首を傾け、険しい視線が壺振りの肩の鯉を睨む。
「仇とかどうでもいいですが、引き受けた以上はきっちりとこなすだけです」
やがて、溜息交じりにそう静かに告げて腰を上げた。
厄介事かと、キリエは賭場の客達を眺める。
ボルディア・コンフラムス(ka0796)がにいと口角を釣り上げた。尖る歯を覗かせて笑えば括った赤い髪が揺れる。
「今宵は博打と酒で過ごそうと思っていたが……まさか刀も振るえるとは」
背負う大太刀は人ならざる物の手を渡ってきた逸話を持った八尺越えの業物。
今にも抜かんと手が鞘に伸びた。
既に支度を整えた瀬崎 琴音(ka2560)は退屈そうに懐の煙管を探り、ザレム・アズール(ka0878)……砂錬と星野 ハナ(ka5852)も賭博小屋を出た。
「私にとって一番大事なことはぁ、今後も怪異が発生しなくなることですぅ」
筮竹の収まる包みを背負い、頭に茶人帽を乗せた星野が壺振りに声を掛ける。
この辺りで塚や神域を荒らした者はいないかと、恨みを買った事は無いかと。
さあね、と彼女は首を揺らした。こんな所だからと、荒れた町並みを眺めその目で賭場を示す。
「僕はその辺を見てくるよ。暫く屯して、じっくりと」
火の灯らない煙管を指に弄りながら瀬崎が暗がりを眺める。向こうの方だったねと血の跡を辿るように賭場の男達に尋ねた。
「オレもそのつもりだがねぇ――各々方単独は心許ねぇな」
キリエも道に目を向けた。
「少人数でないと現れないらしいですけどぉ、二人くらいに分かれますぅ?」
星野が応じる。そうするかと呟いて、占いを始めた星野が支度を終えるのを待つ。
男達が瀬崎の問いに頷くのを見て、ボルティアが提灯に火を入れた。
蝋を燃やし揺れる火が道を照らした。
「火があるのは良いね」
砂錬が手に薄茶の筒を弄ぶ。花火かと問う視線に、ご明察と目を細めた。
灯りの照らす血と土の跡。これを辿れば辿り着くかと追っていく。
「さぁ! それじゃぁさっさと出かけましょぉかぁ」
星野が声を上げた。
エルバッハが下げ緒をきつく括り、代々受け継がれてきた愛刀に手を掛けた。
指が鞘を撫で、青い瞳が先を見据える。白い着物は夜に映え、賭場に集った彼等とともに暗い町へ駆けて行った。
●
札を手に星野が走り、キリエも続く。
この辺りだと足を止めると、煙草に火を付けた煙管を銜え、紫煙を燻らせて町を眺めた。
「こいつぁまた……半死半生の町だねえ」
煙を吐きながら低い声が零れる。石さえ切れる名刀を佩いていながらその生業は絵師であり、妖しの図は紙に絹に幾枚も描いてきた。
この光景も絵になるだろうかと思い馳せた視界の端を白い靄が過ぎる。
「式人召喚急急如律令! 式ちゃん、そいつを押さえてて下さいぃ」
星野が自身の力を込めて放った札が式神を喚び、その靄を捕まえる。
それは捉えたと思った途端に失せて、荒涼とした町に鳴る風が吹き抜けた。
直ぐさま次を占うと、その結果は散逸的なものだった。恐らく、と星野はその結果の一つを拾い上げた。
落ち武者の幽霊はそこかしこに跡を残しながら移動しているのだろう。
それならばと、占いの結果を道なりに繋いだ端に定め、2人は灯りの無い道を急いだ。
「……ん。ここにも現れないか。まあ、簡単に遭遇できたら楽なんだけどそうもいかない、か」
瀬崎とエルバッハが背中合わせに柄に手を掛け、周囲を見回す。
一度それらしい影は目撃したが追い落とす前に消えてしまった。
蹲っていた浮浪者がやせ細った指で指した先でも同様に薄い影を見かけたが、それきり何も見付けていない。
幾らか包んで場所を変えるように頼んだが、彼は安全な場所を見付けられただろうかと、警戒は切らずに瀬崎は視線を揺らした。
「引き際は重要ですね。次へ向かいましょうか?」
振り返らず、柄からも手を離さずにエルバッハは声を掛ける。
そうだねと瀬崎は噛んでいた煙管の吸い口を離し、雁首の刻印を撫でた。
噂に上がっていた場所はこの先にもある。そこへ向かおうと着物の裾を翻して走った。
血糊と泥を辿った先にボルティアが提灯を揺らし、砂錬もその明かりの届く細い道や廃屋の影を覗いている。
戦った跡や草鞋の跡は見られたが、その他には何も見付からない。
「おう」
ボルティアが砂錬を呼んで、草むらに提灯を向けた。
そこには斬られたらしい膝から下が転がっていた。
「残りも見付けて回収だな」
ボルティアは頷くが、この場所で起こった戦いの名残に、既に目を爛爛と輝かせて地面に足を摺ってふらつくように歩いて行く。
砂錬が草むらから辿るようにもう片方の脚を、そして泡を吹いて恐怖に引き攣った顔で終えた首を見付けた。
残りは胴体かと見ればボルティアが道で仁王立ちになっていた。
「来なすったぜ」
提灯を砂錬に押し付けて、唸るように言う。
道の向こうから、かしゃん、かしゃんと、鎧を鳴らしその落ち武者の幽霊らしき姿は近付いてくる。
それを見ると砂錬も素早く花火を打ち上げ鯉口を切った。
「今まで、どこに隠れていたんだか」
あんな大柄な成りで。見遣る落ち武者は上段に構えて斬り掛かってきた。
●
星野とキリエの走る道の先、瀬崎とエルバッハの見回す廃屋から遠く無い辺りに光りが見えた。
砂錬が花火と言っていた。それだろうかと彼等がその光りに向かって走る途中に合流する。
ふと生暖かい風が頬を撫でた。近い、と彼等の足が急く。
「っは、こいつぁいい、霊と殺し合えるなんざ、またとねぇ機会だろうよ」
声を上げ、肩の柄を握ると刀の優美な弧を身に添わせて引き抜き、その抜き様に斬り掛かる。
ボルティアの刃は落ち武者の刀に触れて火花を散らしながら、薄紅に染まった切っ先までを擦り付けた。
砂錬も白刃をすらりと抜く。刀身に淡く光りが映り込んだ様は清らかだが、その刃は血に飢えたように鋭い。
ボルティアと切り結び双方退いたところへ切っ先を向け、誰だと問うた。
「……名乗ることも出来ないようだな」
落ち武者は傾いだ身体を引き起こして刀を構えた。
合流した4人は状況を見るとそれぞれに得物を構えた。
「危ないです。下がってください」
「式ちゃん、今度こそ、そいつを押さえて下さいぃ」
エルバッハは戦いに上がる息を整えるように胸元に手を置き、抜いた刀を青眼から振りかぶり落ち武者へ狙いを据えながら距離を保ったままに振り下ろす。
瞬間、ずしりと空気が質量を得たように重く、足を地面に沈めるように絡み付く。重さを振り切るようにエルバッハは構え直すが、その中心の落ち武者は姿勢を崩したまま鎧を揺らした。
その落ち武者を星野の式神が捉えて完全に抑え込む。
重さの中で式神を払い除けようと暴れる落ち武者に、式神は次第に薄れていく。
「ここにいたのか」
仕留めてしまえば幾らかの安寧になるだろうと、見回ってきた町を思い瀬崎が呟いた。
暗闇の中淡い光を放つ大振りの、小柄な身体の丈を超す太刀の鞘を払い狙いを定め、次の攻撃に備える。
「魑魅魍魎、天地内外六根清浄、祓給え……ってな」
祝詞を唄って、キリエは鯉口を切り落ち武者に斬り掛かる。
その白刃を自身の刀に受け留めて払い、落ち武者は藻掻きながらも身体を向けた。
キリエの纏う羽織が翻り、描かれた桜が花弁を舞わせるように揺れた。
落ち武者はその花に惹かれたように、刀を振り回し唸るような声を上げた。
「光陣召喚急急如律令、滅せよ怪異!」
星野の放つ光りが広がった。式神を振り切った落ち武者がその光りに包まれて暴れている。
落ち武者を惹き付けながら、キリエも斬り掛かる。力を込めた一撃が鎧に入り綴る紐に傷を付けた。
重さを払うように薙いだ落ち武者の刃がキリエの眼前を掠める。
そして、終に1歩落ち武者の足が動いた。重い拘束から逃れた足が、彼等の合間を縫うように駆る。キリエが刃を向け止めるのも意に介さず、錆の臭いを濃く纏い刃こぼれの重なった切っ先がエルバッハに迫る。
もう一度拘束をとエルバッハを刀を構えるが今使うには周りとの距離が近い。
「ここでは危ないですね、では」
切り替えて自身が風を纏うように差し迫る刃を躱す。
「安らかに、……きみもだよ」
エルバッハと落ち武者の間に割り込ませるように、瀬崎の操る刀身の淡い光りが過ぎる。
この幽霊に殺された者達を悼むように告げながら、返す切っ先を据え兜の影に淀んだ、光の無い眼窩を見据えた。
「お天道様の代わりに成敗してやんよ」
瀬崎とエルバッハに向かう落ち武者の背に砂錬が回り込む。
切れ掛かった鎧を狙うと、綴りが解けて肩と胴の覆いが剥がれる。地面に落ちたそれを蹴り退け、振り返った落ち武者にもう一撃とばかりに刃を突き付けた。
「なかなか、見所があるじゃねぇの?」
砂錬の刃を躱した落ち武者にボルティアが刀を向ける。
青眼から一撃、振りかぶり兜を狙えば、その落ち武者は構わずに胴を薙いでくる。
緋の着物が裂け、浅からぬ傷口が焼けるように痛むと、ボルティアは頬を紅潮させ、刀に更に力を込めた。
楽しい、と言う様な壮絶な笑みで落ち武者に斬り掛かっていく。
どこから話しが広がったのか、落ち武者と戦っている者達がいると、更に彼等の方が圧しているとその夜の内に広まって、賭場に残っていた男達も集まってきた。
人集りの中、鎧を落とされた落ち武者は身軽になったと言わんばかりに縦横に刀を振り回し、彼等がそれを躱して一撃、また一撃と攻撃を当てる度に歓声が上がる。
兜が飛ぶと落ち武者の顔が顕わになり、また賑やかな声が響く。
砂錬はその人集りに目を向けた。皆、草臥れて継ぎ接ぎだらけの装いだが、その表情は思ったよりも暗くはない。この落ち武者はどうやら彼等の負の感情に寄る物では無さそうだ。
人が集まると戦いづらいと大振りの刃を躱すばかりで攻撃に転じられないエルバッハは眉を寄せた。
それでも、鮮やかに刃の隙に逃れる様に、或いは、その際に翻る裾から覗く滑らかな脚に、酔いの回った男達の囃す声は尽きない。
キリエが羽織を翻して落ち武者を誘い、惹き付ける間に瀬崎が切り込む。返す刀は薙ぐように胴を狙うが至る前に落ち武者の刃に防がれる。
声援を背にその攻撃に生まれる隙へキリエが追撃を掛けた。
「たかが怪異に陰陽師が大きい顔させるわけ……っ」
2人の刃に捉えられた落ち武者に星野が札を構え光を放つ。
眩い閃光に落ち武者は裂かれ、囲む男達も目を眩ませている。
手中に札を広げて勝利に微笑んだ瞬間、その腕から零れた刀が星野の身体に飛び掛かるように袈裟切りに断つ。
包みが破れ筮竹が散らばった。咄嗟に傷を抑えて、身を庇うが落ち武者は刀だけで星野に迫った。
飛び退こうとしても慣れぬ距離まで迫られては成しようが無く、咄嗟に庇った腕ごとその身に刃を受けた。
共に戦っていた仲間が青い顔を、囲む男達は先程の光りにまだ目を開けられず。
「ばらす気なかったのにぃ」
星野の声を残しながら、その身体は紙束を解いたようにはらはらと散り、一陣の風に舞い上げられて遠くへと飛んでいった。
目を擦りながらその光景を見ていた男の1人は腰を抜かして座り込み、別の男も口をぽかんと開けて言葉を無くしていた。
まだ動くのか、とボルティアが嬉しそうに声を掛けると、襤褸の絡んだ刀と、薄らと黒い靄を漂わせるそれが向かってくる。
既に勝敗は決したような状態にも関わらず、ボルティアに向かってくる刃は重く鋭く、そして速い。
増える傷も厭わずに切り結び、頬から伝った血を舐める。朱を差した様に赤い唇で口角を釣り上げた。
「ハハッ、ハハハァ! 殺し合いは楽しいなあ、そう思うだろう!」
滾る力にその四肢を膨らませ、その身が大きく伸びていく。
漸く目を開けた男達が悲鳴を上げて戦く中、振り下ろされた薄紅の鮮やかな流線が靄を全て断ち、ゴトリと重たい音を立てて、落ち武者の刀が地面に転がった。
●
戦いが終わった後、砂錬は人手を頼み、散らばっていた亡骸を全て回収し、小さな墓に収まる迄を見届けた。
賭博小屋で寝かされていた男も、血は止まって、青いながらも穏やかな顔で眠っていると聞く。
落ち武者の正体を探ろうと刀に近付くとその傍らに小さな陶器の破片を見付けた。見ればそれはまだ幾つか散らばっている。
拾い集めていると、眉間の傷が堅気らしからぬ老人が同じ物を投げ寄越した。
それは、茶碗だという。
前の前の飢饉の頃に流れ着いた兵だが、飢えて死んだ。それは彼が持っていた茶碗だと。
「無念だったか、或いはなぁ……」
腕の立つ輩が現れて、ついふらふらと出てきて仕舞ったのやも知れ無いと言った。
賭場に戻り一勝負したところで朝を迎えて、壺振りの背で赤子が泣く。
明るくなっていく空を見て、残っていた彼等も行くべき場所へと向かって小屋を出て行く。
「戦いたいのが、未練だったのかい?」
ふらりと、昨夜の戦いの跡によったキリエが紫煙を燻らせ、一服を終えると立ち去っていく。
何れ、彼の絵を描こうと、構図を思い浮かべながら。
どういう訳か鎧と襤褸は日の出を待たずに消えたが、残ってしまった刀と茶碗の扱いに困っている賭博小屋の壺振りの許に星野が尋ねてきた。
調べに来たという星野に老人の言葉を伝えた。
星野はそれなら対処が出来るからと、茶碗を収めて刀を祀る塚を作らせた。
「壊しちゃダメですよぉ、今度は呪詛に触れちゃいますからねぇ」
にっこりと微笑んだ星野に、手伝いに来た男達は皆青い顔をして必死に拝んだという。
日暮れの頃に辿り着いた町。うそ寒く寂れた街並みを見回り朽ちた垣根や崩れた壁を叩く風の音を聞きながら、脛を撫でた枯れた芝の穂を踏み折って歩くキリエ(ka5695)が賭博小屋を覗く頃、既に日は落ち闇の中にぽうと小さく松の根が燃やされていた。
小屋の中には昼中に見かけた顔ぶれあり、キリエに気付くと視線を返した。
「少し勝てたからといって、調子にのって引き際を見誤りました。私もまだまだ未熟です」
壺振りの向かいに居住まいを正すエルバッハ・リオン(ka2434)が唇を浅く咬む。
駒を空にした手許から背けるように首を傾け、険しい視線が壺振りの肩の鯉を睨む。
「仇とかどうでもいいですが、引き受けた以上はきっちりとこなすだけです」
やがて、溜息交じりにそう静かに告げて腰を上げた。
厄介事かと、キリエは賭場の客達を眺める。
ボルディア・コンフラムス(ka0796)がにいと口角を釣り上げた。尖る歯を覗かせて笑えば括った赤い髪が揺れる。
「今宵は博打と酒で過ごそうと思っていたが……まさか刀も振るえるとは」
背負う大太刀は人ならざる物の手を渡ってきた逸話を持った八尺越えの業物。
今にも抜かんと手が鞘に伸びた。
既に支度を整えた瀬崎 琴音(ka2560)は退屈そうに懐の煙管を探り、ザレム・アズール(ka0878)……砂錬と星野 ハナ(ka5852)も賭博小屋を出た。
「私にとって一番大事なことはぁ、今後も怪異が発生しなくなることですぅ」
筮竹の収まる包みを背負い、頭に茶人帽を乗せた星野が壺振りに声を掛ける。
この辺りで塚や神域を荒らした者はいないかと、恨みを買った事は無いかと。
さあね、と彼女は首を揺らした。こんな所だからと、荒れた町並みを眺めその目で賭場を示す。
「僕はその辺を見てくるよ。暫く屯して、じっくりと」
火の灯らない煙管を指に弄りながら瀬崎が暗がりを眺める。向こうの方だったねと血の跡を辿るように賭場の男達に尋ねた。
「オレもそのつもりだがねぇ――各々方単独は心許ねぇな」
キリエも道に目を向けた。
「少人数でないと現れないらしいですけどぉ、二人くらいに分かれますぅ?」
星野が応じる。そうするかと呟いて、占いを始めた星野が支度を終えるのを待つ。
男達が瀬崎の問いに頷くのを見て、ボルティアが提灯に火を入れた。
蝋を燃やし揺れる火が道を照らした。
「火があるのは良いね」
砂錬が手に薄茶の筒を弄ぶ。花火かと問う視線に、ご明察と目を細めた。
灯りの照らす血と土の跡。これを辿れば辿り着くかと追っていく。
「さぁ! それじゃぁさっさと出かけましょぉかぁ」
星野が声を上げた。
エルバッハが下げ緒をきつく括り、代々受け継がれてきた愛刀に手を掛けた。
指が鞘を撫で、青い瞳が先を見据える。白い着物は夜に映え、賭場に集った彼等とともに暗い町へ駆けて行った。
●
札を手に星野が走り、キリエも続く。
この辺りだと足を止めると、煙草に火を付けた煙管を銜え、紫煙を燻らせて町を眺めた。
「こいつぁまた……半死半生の町だねえ」
煙を吐きながら低い声が零れる。石さえ切れる名刀を佩いていながらその生業は絵師であり、妖しの図は紙に絹に幾枚も描いてきた。
この光景も絵になるだろうかと思い馳せた視界の端を白い靄が過ぎる。
「式人召喚急急如律令! 式ちゃん、そいつを押さえてて下さいぃ」
星野が自身の力を込めて放った札が式神を喚び、その靄を捕まえる。
それは捉えたと思った途端に失せて、荒涼とした町に鳴る風が吹き抜けた。
直ぐさま次を占うと、その結果は散逸的なものだった。恐らく、と星野はその結果の一つを拾い上げた。
落ち武者の幽霊はそこかしこに跡を残しながら移動しているのだろう。
それならばと、占いの結果を道なりに繋いだ端に定め、2人は灯りの無い道を急いだ。
「……ん。ここにも現れないか。まあ、簡単に遭遇できたら楽なんだけどそうもいかない、か」
瀬崎とエルバッハが背中合わせに柄に手を掛け、周囲を見回す。
一度それらしい影は目撃したが追い落とす前に消えてしまった。
蹲っていた浮浪者がやせ細った指で指した先でも同様に薄い影を見かけたが、それきり何も見付けていない。
幾らか包んで場所を変えるように頼んだが、彼は安全な場所を見付けられただろうかと、警戒は切らずに瀬崎は視線を揺らした。
「引き際は重要ですね。次へ向かいましょうか?」
振り返らず、柄からも手を離さずにエルバッハは声を掛ける。
そうだねと瀬崎は噛んでいた煙管の吸い口を離し、雁首の刻印を撫でた。
噂に上がっていた場所はこの先にもある。そこへ向かおうと着物の裾を翻して走った。
血糊と泥を辿った先にボルティアが提灯を揺らし、砂錬もその明かりの届く細い道や廃屋の影を覗いている。
戦った跡や草鞋の跡は見られたが、その他には何も見付からない。
「おう」
ボルティアが砂錬を呼んで、草むらに提灯を向けた。
そこには斬られたらしい膝から下が転がっていた。
「残りも見付けて回収だな」
ボルティアは頷くが、この場所で起こった戦いの名残に、既に目を爛爛と輝かせて地面に足を摺ってふらつくように歩いて行く。
砂錬が草むらから辿るようにもう片方の脚を、そして泡を吹いて恐怖に引き攣った顔で終えた首を見付けた。
残りは胴体かと見ればボルティアが道で仁王立ちになっていた。
「来なすったぜ」
提灯を砂錬に押し付けて、唸るように言う。
道の向こうから、かしゃん、かしゃんと、鎧を鳴らしその落ち武者の幽霊らしき姿は近付いてくる。
それを見ると砂錬も素早く花火を打ち上げ鯉口を切った。
「今まで、どこに隠れていたんだか」
あんな大柄な成りで。見遣る落ち武者は上段に構えて斬り掛かってきた。
●
星野とキリエの走る道の先、瀬崎とエルバッハの見回す廃屋から遠く無い辺りに光りが見えた。
砂錬が花火と言っていた。それだろうかと彼等がその光りに向かって走る途中に合流する。
ふと生暖かい風が頬を撫でた。近い、と彼等の足が急く。
「っは、こいつぁいい、霊と殺し合えるなんざ、またとねぇ機会だろうよ」
声を上げ、肩の柄を握ると刀の優美な弧を身に添わせて引き抜き、その抜き様に斬り掛かる。
ボルティアの刃は落ち武者の刀に触れて火花を散らしながら、薄紅に染まった切っ先までを擦り付けた。
砂錬も白刃をすらりと抜く。刀身に淡く光りが映り込んだ様は清らかだが、その刃は血に飢えたように鋭い。
ボルティアと切り結び双方退いたところへ切っ先を向け、誰だと問うた。
「……名乗ることも出来ないようだな」
落ち武者は傾いだ身体を引き起こして刀を構えた。
合流した4人は状況を見るとそれぞれに得物を構えた。
「危ないです。下がってください」
「式ちゃん、今度こそ、そいつを押さえて下さいぃ」
エルバッハは戦いに上がる息を整えるように胸元に手を置き、抜いた刀を青眼から振りかぶり落ち武者へ狙いを据えながら距離を保ったままに振り下ろす。
瞬間、ずしりと空気が質量を得たように重く、足を地面に沈めるように絡み付く。重さを振り切るようにエルバッハは構え直すが、その中心の落ち武者は姿勢を崩したまま鎧を揺らした。
その落ち武者を星野の式神が捉えて完全に抑え込む。
重さの中で式神を払い除けようと暴れる落ち武者に、式神は次第に薄れていく。
「ここにいたのか」
仕留めてしまえば幾らかの安寧になるだろうと、見回ってきた町を思い瀬崎が呟いた。
暗闇の中淡い光を放つ大振りの、小柄な身体の丈を超す太刀の鞘を払い狙いを定め、次の攻撃に備える。
「魑魅魍魎、天地内外六根清浄、祓給え……ってな」
祝詞を唄って、キリエは鯉口を切り落ち武者に斬り掛かる。
その白刃を自身の刀に受け留めて払い、落ち武者は藻掻きながらも身体を向けた。
キリエの纏う羽織が翻り、描かれた桜が花弁を舞わせるように揺れた。
落ち武者はその花に惹かれたように、刀を振り回し唸るような声を上げた。
「光陣召喚急急如律令、滅せよ怪異!」
星野の放つ光りが広がった。式神を振り切った落ち武者がその光りに包まれて暴れている。
落ち武者を惹き付けながら、キリエも斬り掛かる。力を込めた一撃が鎧に入り綴る紐に傷を付けた。
重さを払うように薙いだ落ち武者の刃がキリエの眼前を掠める。
そして、終に1歩落ち武者の足が動いた。重い拘束から逃れた足が、彼等の合間を縫うように駆る。キリエが刃を向け止めるのも意に介さず、錆の臭いを濃く纏い刃こぼれの重なった切っ先がエルバッハに迫る。
もう一度拘束をとエルバッハを刀を構えるが今使うには周りとの距離が近い。
「ここでは危ないですね、では」
切り替えて自身が風を纏うように差し迫る刃を躱す。
「安らかに、……きみもだよ」
エルバッハと落ち武者の間に割り込ませるように、瀬崎の操る刀身の淡い光りが過ぎる。
この幽霊に殺された者達を悼むように告げながら、返す切っ先を据え兜の影に淀んだ、光の無い眼窩を見据えた。
「お天道様の代わりに成敗してやんよ」
瀬崎とエルバッハに向かう落ち武者の背に砂錬が回り込む。
切れ掛かった鎧を狙うと、綴りが解けて肩と胴の覆いが剥がれる。地面に落ちたそれを蹴り退け、振り返った落ち武者にもう一撃とばかりに刃を突き付けた。
「なかなか、見所があるじゃねぇの?」
砂錬の刃を躱した落ち武者にボルティアが刀を向ける。
青眼から一撃、振りかぶり兜を狙えば、その落ち武者は構わずに胴を薙いでくる。
緋の着物が裂け、浅からぬ傷口が焼けるように痛むと、ボルティアは頬を紅潮させ、刀に更に力を込めた。
楽しい、と言う様な壮絶な笑みで落ち武者に斬り掛かっていく。
どこから話しが広がったのか、落ち武者と戦っている者達がいると、更に彼等の方が圧しているとその夜の内に広まって、賭場に残っていた男達も集まってきた。
人集りの中、鎧を落とされた落ち武者は身軽になったと言わんばかりに縦横に刀を振り回し、彼等がそれを躱して一撃、また一撃と攻撃を当てる度に歓声が上がる。
兜が飛ぶと落ち武者の顔が顕わになり、また賑やかな声が響く。
砂錬はその人集りに目を向けた。皆、草臥れて継ぎ接ぎだらけの装いだが、その表情は思ったよりも暗くはない。この落ち武者はどうやら彼等の負の感情に寄る物では無さそうだ。
人が集まると戦いづらいと大振りの刃を躱すばかりで攻撃に転じられないエルバッハは眉を寄せた。
それでも、鮮やかに刃の隙に逃れる様に、或いは、その際に翻る裾から覗く滑らかな脚に、酔いの回った男達の囃す声は尽きない。
キリエが羽織を翻して落ち武者を誘い、惹き付ける間に瀬崎が切り込む。返す刀は薙ぐように胴を狙うが至る前に落ち武者の刃に防がれる。
声援を背にその攻撃に生まれる隙へキリエが追撃を掛けた。
「たかが怪異に陰陽師が大きい顔させるわけ……っ」
2人の刃に捉えられた落ち武者に星野が札を構え光を放つ。
眩い閃光に落ち武者は裂かれ、囲む男達も目を眩ませている。
手中に札を広げて勝利に微笑んだ瞬間、その腕から零れた刀が星野の身体に飛び掛かるように袈裟切りに断つ。
包みが破れ筮竹が散らばった。咄嗟に傷を抑えて、身を庇うが落ち武者は刀だけで星野に迫った。
飛び退こうとしても慣れぬ距離まで迫られては成しようが無く、咄嗟に庇った腕ごとその身に刃を受けた。
共に戦っていた仲間が青い顔を、囲む男達は先程の光りにまだ目を開けられず。
「ばらす気なかったのにぃ」
星野の声を残しながら、その身体は紙束を解いたようにはらはらと散り、一陣の風に舞い上げられて遠くへと飛んでいった。
目を擦りながらその光景を見ていた男の1人は腰を抜かして座り込み、別の男も口をぽかんと開けて言葉を無くしていた。
まだ動くのか、とボルティアが嬉しそうに声を掛けると、襤褸の絡んだ刀と、薄らと黒い靄を漂わせるそれが向かってくる。
既に勝敗は決したような状態にも関わらず、ボルティアに向かってくる刃は重く鋭く、そして速い。
増える傷も厭わずに切り結び、頬から伝った血を舐める。朱を差した様に赤い唇で口角を釣り上げた。
「ハハッ、ハハハァ! 殺し合いは楽しいなあ、そう思うだろう!」
滾る力にその四肢を膨らませ、その身が大きく伸びていく。
漸く目を開けた男達が悲鳴を上げて戦く中、振り下ろされた薄紅の鮮やかな流線が靄を全て断ち、ゴトリと重たい音を立てて、落ち武者の刀が地面に転がった。
●
戦いが終わった後、砂錬は人手を頼み、散らばっていた亡骸を全て回収し、小さな墓に収まる迄を見届けた。
賭博小屋で寝かされていた男も、血は止まって、青いながらも穏やかな顔で眠っていると聞く。
落ち武者の正体を探ろうと刀に近付くとその傍らに小さな陶器の破片を見付けた。見ればそれはまだ幾つか散らばっている。
拾い集めていると、眉間の傷が堅気らしからぬ老人が同じ物を投げ寄越した。
それは、茶碗だという。
前の前の飢饉の頃に流れ着いた兵だが、飢えて死んだ。それは彼が持っていた茶碗だと。
「無念だったか、或いはなぁ……」
腕の立つ輩が現れて、ついふらふらと出てきて仕舞ったのやも知れ無いと言った。
賭場に戻り一勝負したところで朝を迎えて、壺振りの背で赤子が泣く。
明るくなっていく空を見て、残っていた彼等も行くべき場所へと向かって小屋を出て行く。
「戦いたいのが、未練だったのかい?」
ふらりと、昨夜の戦いの跡によったキリエが紫煙を燻らせ、一服を終えると立ち去っていく。
何れ、彼の絵を描こうと、構図を思い浮かべながら。
どういう訳か鎧と襤褸は日の出を待たずに消えたが、残ってしまった刀と茶碗の扱いに困っている賭博小屋の壺振りの許に星野が尋ねてきた。
調べに来たという星野に老人の言葉を伝えた。
星野はそれなら対処が出来るからと、茶碗を収めて刀を祀る塚を作らせた。
「壊しちゃダメですよぉ、今度は呪詛に触れちゃいますからねぇ」
にっこりと微笑んだ星野に、手伝いに来た男達は皆青い顔をして必死に拝んだという。
依頼結果
依頼成功度 | 成功 |
---|
面白かった! | 8人 |
---|
ポイントがありませんので、拍手できません
現在のあなたのポイント:-753 ※拍手1回につき1ポイントを消費します。
あなたの拍手がマスターの活力につながります。
このリプレイが面白かったと感じた人は拍手してみましょう!
MVP一覧
重体一覧
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/01/08 09:12:24 |