ゲスト
(ka0000)
千の小刀
マスター:湖欄黒江

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2014/10/10 15:00
- 完成日
- 2014/10/12 16:43
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
最初に雑魔の襲撃を受けたのは、作男のフランツ。
畑を囲むススキヶ原から出し抜けに、銀色に輝く毛皮を持ったコボルドが1匹現れる。
フランツは、距離的に走って逃げる暇はないと覚悟を決めて鋤を構え、立ち向かった。
俺は線は細いが健康だ、コボルド1匹なら鼻面を殴って追い返せる。
仲間が近くにいるかも知れないが、そうなれば村の自警団の出番だ。
兎に角、今はこの1匹に対処しないとまずい。
果たしてコボルドはフランツへ飛びかかり、対するフランツは鋤を振るって反撃した。
手応えはあったが、硬かった。金属を殴ったような音と感触だった。
打ち落とされたコボルドはすぐさま起き上がり、再びフランツへ襲いかかる。
咄嗟に鋤の柄で身を守ったが、木製の柄はあっさりとふたつに『斬られて』しまった。
フランツはコボルドにひと蹴り入れると、壊れた鋤を捨てて一目散に逃げ出した。
納屋に隠れて扉を閉め、一息吐く。と、フランツは脛に不意の痛みを感じた。
見れば、細く小さい金属片が3本ほど、ズボンを突き抜けて刺さっている。
なんだこれはと確かめる間もなく、納屋の木の扉を切り裂いて、鋭い鉤爪が飛び出した。
裏口から外へ抜けて、更に逃げようとするフランツ。
その後から追ってくるのはコボルドなどではなく、コボルドの恰好をした別な化け物だった。
陽光に白く煌めく背中を覆うのは、柔らかな毛皮ではなく、針のように細い無数の刃。
見開かれた両の眼は、毒々しい赤紫色の複眼と化している。
手足の先から伸びた鉤爪で地面を蹴り、白く変色した長い舌を振り乱しつつ猛然とフランツに迫る。
「みんなぁ、化け物だぁ! コボルドの化け物が出たぁ!」
フランツの叫びに応えて、顔を出す村人たち。
併せて、ススキヶ原の方々から、9匹の『コボルド』の群れが村へと殺到する。
●
「コボルド由来の雑魔と思われる怪物現る、との報告がありました。
襲撃された村からの避難者による証言では、敵はコボルドに『針か剃刀のような体毛』の生えた怪物であり、
皮膚も硬く、なまじの刃物では相手にならない、とのことです。
村には自警団が置かれており、避難の際には怪物たちと戦闘になりましたが、
死者4名、重傷者1名、その他全員も軽傷を負いつつ逃げ出す結果になったようです。
戦闘で傷を負った自警団員を始め、長距離の移動が困難な重傷者7名は全員、村の司祭の手引きにより、
教会に併設された鐘楼へ避難させられたそうですが、現場周辺には今もなお怪物たちが屯しており、
駆除を行わなければ安全な救出は不可能と考えられます。
教会と鐘楼は金属製の扉を持ち、今のところ侵入されてはいないようですが、
危険な負傷者もいるそうで、事態は一刻を争います。
この依頼を受けられるハンターの方は、所定の書類にサインの後、
各々準備を整え次第、現地へ急行して下さい」
最初に雑魔の襲撃を受けたのは、作男のフランツ。
畑を囲むススキヶ原から出し抜けに、銀色に輝く毛皮を持ったコボルドが1匹現れる。
フランツは、距離的に走って逃げる暇はないと覚悟を決めて鋤を構え、立ち向かった。
俺は線は細いが健康だ、コボルド1匹なら鼻面を殴って追い返せる。
仲間が近くにいるかも知れないが、そうなれば村の自警団の出番だ。
兎に角、今はこの1匹に対処しないとまずい。
果たしてコボルドはフランツへ飛びかかり、対するフランツは鋤を振るって反撃した。
手応えはあったが、硬かった。金属を殴ったような音と感触だった。
打ち落とされたコボルドはすぐさま起き上がり、再びフランツへ襲いかかる。
咄嗟に鋤の柄で身を守ったが、木製の柄はあっさりとふたつに『斬られて』しまった。
フランツはコボルドにひと蹴り入れると、壊れた鋤を捨てて一目散に逃げ出した。
納屋に隠れて扉を閉め、一息吐く。と、フランツは脛に不意の痛みを感じた。
見れば、細く小さい金属片が3本ほど、ズボンを突き抜けて刺さっている。
なんだこれはと確かめる間もなく、納屋の木の扉を切り裂いて、鋭い鉤爪が飛び出した。
裏口から外へ抜けて、更に逃げようとするフランツ。
その後から追ってくるのはコボルドなどではなく、コボルドの恰好をした別な化け物だった。
陽光に白く煌めく背中を覆うのは、柔らかな毛皮ではなく、針のように細い無数の刃。
見開かれた両の眼は、毒々しい赤紫色の複眼と化している。
手足の先から伸びた鉤爪で地面を蹴り、白く変色した長い舌を振り乱しつつ猛然とフランツに迫る。
「みんなぁ、化け物だぁ! コボルドの化け物が出たぁ!」
フランツの叫びに応えて、顔を出す村人たち。
併せて、ススキヶ原の方々から、9匹の『コボルド』の群れが村へと殺到する。
●
「コボルド由来の雑魔と思われる怪物現る、との報告がありました。
襲撃された村からの避難者による証言では、敵はコボルドに『針か剃刀のような体毛』の生えた怪物であり、
皮膚も硬く、なまじの刃物では相手にならない、とのことです。
村には自警団が置かれており、避難の際には怪物たちと戦闘になりましたが、
死者4名、重傷者1名、その他全員も軽傷を負いつつ逃げ出す結果になったようです。
戦闘で傷を負った自警団員を始め、長距離の移動が困難な重傷者7名は全員、村の司祭の手引きにより、
教会に併設された鐘楼へ避難させられたそうですが、現場周辺には今もなお怪物たちが屯しており、
駆除を行わなければ安全な救出は不可能と考えられます。
教会と鐘楼は金属製の扉を持ち、今のところ侵入されてはいないようですが、
危険な負傷者もいるそうで、事態は一刻を争います。
この依頼を受けられるハンターの方は、所定の書類にサインの後、
各々準備を整え次第、現地へ急行して下さい」
リプレイ本文
●
ヒース・R・ウォーカー(ka0145)の視線の先には、6匹の剃刀コボルド。
彼らは無数の刃の生えた背中を丸めて、怪我人を匿っている教会の前をうろついていた。
教会の大扉にはたくさんの引っ掻き傷が残っている。
どうやら連中、他に入口を探す程の知恵はないようだ。魔導短伝話へ囁くように、
「教会前で6体発見、まだ侵入はされてないようだよ。どうぞ」
『アイビスさんも4体を確認。位置は……』
伝話で、ヒースから見えない他4匹の位置情報を受け取った。
内1匹が彼の居場所に近い。気をつけねば。
『本隊はこれより、村中へ散った個体を各個撃破しつつ教会を目指す。
追っての指示を待たれたし。どうぞ』
「了解、監視を続行する。オーバー」
伝話を切った。
●
「教会に6体。まだ中には入られてないって」
十色 エニア(ka0370)がヒースとの通話内容を報告する。
彼と龍崎・カズマ(ka0178)、影護 絶(ka1077)、藤林みほ(ka2804)の4人は村外れで待機しつつ、
斥候に向かったヒースとアイビス・グラス(ka2477)から報告を受けていた。
「アイビスに連絡だ。そろそろ俺たちも出るぞ」
「それ、例の油か?」
カズマがガラスの小瓶をいくつもポケットへ押し込むのを見て、絶が尋ねる。
「ああ。アイビスが釣り出した最初の1匹で、効果の程が分かれば良いがね」
「ま、攻撃のあれこれは任せたわ。俺の準備はこれっきりだからよ」
そう言う絶は青く塗られた盾を1枚持ったきりで、武器らしいものは身につけていない。
「何か……盾を使う武術でも修めておられるので?」
怪訝そうな顔をするみほに、絶が肩をすぼめてみせる。
「いや、触ると痛そうな相手だからさ。
こいつに隠れてる間に、みんなが敵を倒してくれるだろう……なんて」
エニアが受話器を下ろして、
「アイビスさんもオーケーだって。行こう!
……にしても、今回のメンバーは全員転移者なんだね。珍しいかも」
4人はそれぞれ装備を担いで、村の中へと進んでいく。
先頭のカズマが、右後ろを歩いていた絶へ振り返ってにやりと笑い、
「地球から来たタダ飯食らい、なんて言われねぇようにしないとな!」
「うっ」
●
(泥で匂いを誤魔化せた……かな?)
アイビスは射程ぎりぎりまで敵に近づくと、首筋を狙って手裏剣を投げ放った。
手裏剣が命中し、コボルドがこちらを振り返る。
(よし! 後はこいつを誘導して、他の奴から引き離す)
コボルドは手足で地面を蹴って、猛然と向かってくる。
全身を刃で覆われながらも、その動きは滑らかだ。
走りながらの応戦は困難と判断し、アイビスは逃走に全力を注ぐ。
「あれがコボルドの雑魔か……思ったより動きが速い」
みほが手裏剣を構える。エニアも術具を握りしめ、意識を集中させる。
カズマと絶は前衛を務めていた。
4人の前方には、必死でコボルドから逃げてくるアイビスの姿が。
「あれじゃ、懐に飛び込まれる前にあれこれ、って訳にはいかねぇかもな。奴の動きを止められそうか?」
「ベテラン自宅警備員の実力、舐めんなよ」
ある程度敵を誘導したところで、アイビスが横へ飛び退く。
雑魔化したコボルドの複眼は、既に他の4人を捉えている。
アイビスを追わず、カズマと絶へまっすぐに向かってきた。
「来るぞ!」
左右に分かれたエニアとみほが、それぞれ魔法と手裏剣を放つ。
手裏剣は跳ね返されてしまったが、エニアの魔法・ウィンドスラッシュが、
コボルドの体表に林立する刃の間を縫って、その下の肉を切り裂いた。
雑魔化の影響だろうか、深手を負っても敵は出血しない。
コボルドの片腕がもげた――しかし突進は止まらない。
絶は一歩踏み出して、敵の体当たりを盾で受け止めた。
ぶつかった衝撃でコボルドの体表の刃が何本も折れ、辺りに飛び散る。
(うわっ、危ねぇな)
何とか踏みとどまると、コボルドを押し返した。
敵が仰向けに転がり、無毛の腹部を見せたところへ、カズマが短剣を突き立てる。
「まずは1匹、だね!」
アイビスが戻ってきて、コボルドの死体を見下ろした。
「でも、こいつら脚が速いしかなり凶暴そうだ……ヒースさん、大丈夫かな」
アイビスの呟きに応えるかのように、エニアの伝話へ連絡が入った。
受け取ったエニアの表情が険しくなる。通信を終えると、
「……ヒースさんが気づかれた! 教会前の敵を全部引き離す、って」
●
判断は間違っていなかった。あのままでは囲まれていた。
教会前の6匹の内1匹が、こちらへ近づいてきた辺りでまずいと感じた。
更にもう1匹背後からの気配もあり、下手にその場で頑張ると挟撃を受ける恐れもあった。
接近してきた敵に気づかれる寸前、ヒースはエニアへの伝話を済ませると物陰から飛び出した。
コボルドの鼻先を鞭で打ち、目を眩ませると、踵を返して走り出す。
振り返らずとも追っ手の足音で分かる。教会前の他の5匹もこちらに気づいた。
(1対6……いや)
横合いからまた別のコボルドが現れる。ヒースの姿に反応して、追いかけてきた。
(1対7。やばいかもなぁ)
コボルドたちの脚がかなり速い。
マテリアルで増強されたヒースの脚力でも逃げきれそうにない。
敵の脚を止めようと、振り向きざまに鞭を振る。3、4メートルほどの間合いだったが――
(!?)
飛び散った鉄片がヒースの腕に刺さったが、大した傷ではない。再び駆け出す。
(鞭はまだ使い慣れないもんで、思ったより勢い良く破片を飛ばしちゃったねぇ。
これがうっかり眼に入りでもしたら、かなりまずい)
高い垣根を飛び、何処かの家の庭先へ入り込む。
追って垣根を飛び越えてきた1匹を待ち伏せし、打ち落とした。
コボルドたちは走り回る内に、7匹で纏まって動くようになっていた。
お蔭で、先頭が止まると他の連中がつっかえる。
時々に反撃しながらコボルドたちを誘導するヒースだったが、
とうとう脚力強化のスキルを使い果たした。本格的に応戦するしかない。
行き当たった1軒の家の玄関口が、程良い狭さに思えた。
コボルドが1匹ずつしか通り抜けられない幅だ。
いよいよ危なくなったときは、屋内へ逃げ込んで時間を稼げる筈。
ドアを開けると、意を決して背後の7匹を振り返る。
コボルドたちはかなり攻撃的で、多少の痛手では怯みもしないだろう。
攻撃範囲よりも威力を考え、肩越しに鞭を垂らして打ち下ろしの姿勢を選んだ。
「さぁて。ようやくコツも掴めてきたことだし、ここらで真っ向相手してやろうか、針鼠ども」
銀色の塊が次々と押し寄せる。鞭を使い――
1匹の喉を潰して殺したところで、他の敵の身体に引っかけてしまった。
ヒースの足元へコボルドが食らいつく。鞭の柄から手を離しつつ、思いきり蹴り上げた。
そのまま後ろへ転がって屋内へ逃げ込むと、
家具を片っ端から床に倒して追跡を妨害しつつ、家の2階へ上がる。
見つけた――屋根裏部屋への梯子。必死でよじ登って、梯子を落とした。
見下ろせば、追いすがってきたコボルドが唸り声を上げながら暴れ回っている。
梯子が使えないのであれば、屋根に登って穴を空けでもしない限りここへは辿り着けないだろう。
屋根裏部屋の埃っぽい床へ、大の字で横たわる。脚の肉をかなり持っていかれた。出血もひどい。
気づかぬ内に身体に刺さっていた破片を引き抜くと、不意に意識が遠のいた。
最後の気力で手を伸ばし、髪を縛っていた藍色のリボンを取って握ると、目を閉じる。
(……誰かの声が、聴こえる気がする)
●
カズマの投げた瓶が割れ、こぼれ出したランタン用オイルがコボルドを濡らす。
すかさず、エニアがファイアアローを放つ。火球が宙を飛び、コボルドに命中するが――
「燃えない……!?」
コボルドの浴びた油へ着火することは出来なかった。魔法自体のダメージはあったようだが、
(そうか……私たちが知っているような化学反応と、
クリムゾンウェストの魔法が発揮する効果は無関係なんだ!
魔法で火が燃えているように見えても、本物の火ではない……、
だから水の中でも使える代わりに、ファイアアローで物を燃やすことは出来ない!)
「だが、全く意味がないって訳でもなさそうだ!」
カズマのショットアンカーがコボルドを仕留めた。
油塗れの破片は重くなり、飛び散る勢いが多少なりとも弱まっている。
同時に滑りやすくもなって、尖った先端が突き刺さる恐れも減った。
カズマは衣服に張りついた破片を手で払い落す。
「もう次が来るぜ! 2匹だ!」
絶が叫ぶと、みほとアイビスが投擲武器を用意した。
機先を制して、エニアのウィンドスラッシュが風を切る。
並んで走ってきたコボルドの片割れが切り裂かれ、地面に転げた。
続くみほの手裏剣が、目玉を突き破って止めを刺す。それを見たアイビスが、
「みほさん、やるね!」
「かたじけない」
残る1匹の刃をカズマがアンカーで折り、油を浴びせ、破片の飛散を抑えておく。
絶が突進を跳ね返すと、
「任せた大将!」
カズマの短剣がコボルドの喉を裂く。これで4匹目。
休む間もなく、教会目指して突き進む5人。行く手にはまだ5匹のコボルドがうろついている。
ヒースのお蔭で、教会を離れたこの場に残敵が固まっているようだ。
●
接近を察知したコボルドたちが、一斉に動き出す。身構えるハンターたち。
その一番後ろにつけていたエニアが短伝話を手に、突然声を上げた。
「ヒースさんと連絡が取れない」
皆が振り返った。エニアはもう一度短伝話を操作するが、
「駄目、やっぱり応答がない……まさか、そんな」
アイビスが突然、道の先にある1軒の家を指さした。みほとエニアがそちらへ視線を移す。
「玄関が壊されてるし、コボルドの死体も1体……あの中に逃げ込んだんだ」
エニアは示された家を見て頷くと、
「私が助けに行きます」
「お任せしましたよ、エニア殿。ここは拙者たちが食い止めます」
「よーし。そんならまずは……」
絶が前進する。カズマも併せて、ショットアンカーを構えつつ歩いた。
ちょうど問題の家の前で、コボルドの先鋒と会敵する。
「エニア、行け! ここは絶対抜かせねぇ!」
絶とカズマが連携してコボルドを迎撃する。その間に、エニアが家の中へと飛び込んでいった。
カズマのアンカーがコボルドを引っかけ路上へ転がしたたところを、後からみほが日本刀で刺し殺す。
(ヒース殿は頑張られたようだな。道の先にもう4匹……、
これまで6匹が倒されたのだから、残りはあれで全部だ)
「うらあぁぁぁぁぁ!」
立て続けの突進を食い止める絶。構えた盾には、折れた刃が何本も刺さったままになっている。
カズマの策でも防ぎきれなかった破片が、前衛ふたりに少しずつ傷をつけていく。
アンカーを受けてよろめくコボルドが、アイビスのチャクラムに倒された。
「残り3匹! 絶、まだやれるか?」
「いい加減腕と腰が辛くなってきたが、3匹くれぇなら……ってオイ、連中固まって来るじゃんか!」
「一気に片づいて好都合だと思うんだな!」
「しょうがねぇな! 最後にもうひと仕事だ!」
コボルド3匹が1列になって、絶の盾へ突っ込んでくる。
カズマがアンカーを振るうと、先頭の1匹が横殴りにされて倒れた。
続く2匹――後ろの1匹が跳躍した。地面と空中、2匹同時の体当たり。
(流石にこいつはっ……!)
絶は衝撃に耐えきれず、押し倒された。1匹が彼の頭を踏み越えて、後衛のみほとアイビスへ襲いかかる。
みほは咄嗟に刀を抜くと、腰を溜めて突きを繰り出した。
刀は相手の腹に深く刺さったが、仕留めきれない。肩に噛みつかれてしまう。
「ここまで来て、仲間を狩られて溜まるか……!」
アイビスが、刃の山に傷つけられるのも構わずコボルドの背中へ抱きつくと、
握りしめた手裏剣の先端でコボルドの首を抉った。
カズマが絶にのしかかっていたコボルドを殺した。
倒れた絶を助け起こしてやると、
「大丈夫か?」
「ばっ……後ろ!」
絶の言葉に振り返った矢先、カズマの顔面へ最後の1匹の鉤爪が振り下ろされる――
寸前で、魔法の火球がコボルドを吹き飛ばした。エニアだ。
さっきまで無傷だった筈なのに、術具を手に玄関から出てきた彼の服は、血でひどく汚れていた。
●
「済まなかった」
カズマが教会の司祭と、重傷を負った自警団員たちに頭を下げる。
ハンターたちは僅かに間に合わなかった。
教会を解放した時点で、自警団員7名の内4人が既に命を落としていた。
怪我人と死者は鐘楼から下ろされ、それぞれ礼拝堂の床に寝かせられた。
少し離れたところには、脚に包帯を巻かれた状態で、目を閉じ横たわるヒースの姿も。
解かれた長い赤毛の髪が、布を畳んで作った即席の枕の上に広がっている。
「いえ……私の手当ての至らなかったせいでもあります。
それに、貴方がたは己の身も顧みず、あのように危険な雑魔の群れと戦い、
こうして我々を助けに来て下さった。犠牲になった者たちも、よもや責めますまい」
カズマへ穏やかに答えていた司祭の目がふと、ヒースのほうへ向いた。
ちょうど、怪我人たちの為に包帯の替えを運んできたエニアが、
「……ヒースさん!」
いつの間にかヒースが腕を伸ばして、握ったままの拳を突き上げていた。
指の隙間からは、藍色のリボンが垂れている。エニアが駆け寄ると、ヒースはそっと呟いた。
「残敵……確認、哨戒を、頼めるかい……。言うじゃないか、備えあれば、何とやら、って……」
「誰か村を見回って、辺りに敵が残っていないか確認して欲しい、って」
エニアが言うと、カズマは再び司祭に頭を下げ、
「差し出がましいようだが、後日俺からも亡くなった自警団員への弔いをさせて頂きたい。
そして、生き残った者たちにも良き計らいをお願いしたく。
彼らの働きのお蔭で、俺たちはここへ来ることが出来た」
司祭が頷くと、彼は装備を取って礼拝堂の出口へ向かう。
すると、扉の前には既に絶、みほ、アイビスが待っていた。
「何だよ、働き者じゃねぇかお前ら」
絶が肩をすぼめる。
「そりゃお互い様」
「斥候をヒース殿とアイビス殿にお任せして、随分苦労をかけてしまいましたから。
その借りを多少は返しておきたい」
「私は大して苦労も怪我もしてないけど、その分動けるからね」
「あ~……絶はここに残っとけ。
万が一ってこともあるし、丈夫なお前には怪我人たちを守って欲しい。ベテランの自宅警備員なんだろ?」
「い、今は働いてっから『元』ベテランだけどよ……まぁそういうことなら任された。外回り頼んだぜ」
哨戒に出ていったカズマたち3人を見送る絶。
彼の後ろでは、エニアが医者が来るまでの間に出来るだけの手当てをして回っていた。
絶はひと息吐くと、傷だらけの盾を手近に置いて、エニアの手伝いへ加わった。
ヒース・R・ウォーカー(ka0145)の視線の先には、6匹の剃刀コボルド。
彼らは無数の刃の生えた背中を丸めて、怪我人を匿っている教会の前をうろついていた。
教会の大扉にはたくさんの引っ掻き傷が残っている。
どうやら連中、他に入口を探す程の知恵はないようだ。魔導短伝話へ囁くように、
「教会前で6体発見、まだ侵入はされてないようだよ。どうぞ」
『アイビスさんも4体を確認。位置は……』
伝話で、ヒースから見えない他4匹の位置情報を受け取った。
内1匹が彼の居場所に近い。気をつけねば。
『本隊はこれより、村中へ散った個体を各個撃破しつつ教会を目指す。
追っての指示を待たれたし。どうぞ』
「了解、監視を続行する。オーバー」
伝話を切った。
●
「教会に6体。まだ中には入られてないって」
十色 エニア(ka0370)がヒースとの通話内容を報告する。
彼と龍崎・カズマ(ka0178)、影護 絶(ka1077)、藤林みほ(ka2804)の4人は村外れで待機しつつ、
斥候に向かったヒースとアイビス・グラス(ka2477)から報告を受けていた。
「アイビスに連絡だ。そろそろ俺たちも出るぞ」
「それ、例の油か?」
カズマがガラスの小瓶をいくつもポケットへ押し込むのを見て、絶が尋ねる。
「ああ。アイビスが釣り出した最初の1匹で、効果の程が分かれば良いがね」
「ま、攻撃のあれこれは任せたわ。俺の準備はこれっきりだからよ」
そう言う絶は青く塗られた盾を1枚持ったきりで、武器らしいものは身につけていない。
「何か……盾を使う武術でも修めておられるので?」
怪訝そうな顔をするみほに、絶が肩をすぼめてみせる。
「いや、触ると痛そうな相手だからさ。
こいつに隠れてる間に、みんなが敵を倒してくれるだろう……なんて」
エニアが受話器を下ろして、
「アイビスさんもオーケーだって。行こう!
……にしても、今回のメンバーは全員転移者なんだね。珍しいかも」
4人はそれぞれ装備を担いで、村の中へと進んでいく。
先頭のカズマが、右後ろを歩いていた絶へ振り返ってにやりと笑い、
「地球から来たタダ飯食らい、なんて言われねぇようにしないとな!」
「うっ」
●
(泥で匂いを誤魔化せた……かな?)
アイビスは射程ぎりぎりまで敵に近づくと、首筋を狙って手裏剣を投げ放った。
手裏剣が命中し、コボルドがこちらを振り返る。
(よし! 後はこいつを誘導して、他の奴から引き離す)
コボルドは手足で地面を蹴って、猛然と向かってくる。
全身を刃で覆われながらも、その動きは滑らかだ。
走りながらの応戦は困難と判断し、アイビスは逃走に全力を注ぐ。
「あれがコボルドの雑魔か……思ったより動きが速い」
みほが手裏剣を構える。エニアも術具を握りしめ、意識を集中させる。
カズマと絶は前衛を務めていた。
4人の前方には、必死でコボルドから逃げてくるアイビスの姿が。
「あれじゃ、懐に飛び込まれる前にあれこれ、って訳にはいかねぇかもな。奴の動きを止められそうか?」
「ベテラン自宅警備員の実力、舐めんなよ」
ある程度敵を誘導したところで、アイビスが横へ飛び退く。
雑魔化したコボルドの複眼は、既に他の4人を捉えている。
アイビスを追わず、カズマと絶へまっすぐに向かってきた。
「来るぞ!」
左右に分かれたエニアとみほが、それぞれ魔法と手裏剣を放つ。
手裏剣は跳ね返されてしまったが、エニアの魔法・ウィンドスラッシュが、
コボルドの体表に林立する刃の間を縫って、その下の肉を切り裂いた。
雑魔化の影響だろうか、深手を負っても敵は出血しない。
コボルドの片腕がもげた――しかし突進は止まらない。
絶は一歩踏み出して、敵の体当たりを盾で受け止めた。
ぶつかった衝撃でコボルドの体表の刃が何本も折れ、辺りに飛び散る。
(うわっ、危ねぇな)
何とか踏みとどまると、コボルドを押し返した。
敵が仰向けに転がり、無毛の腹部を見せたところへ、カズマが短剣を突き立てる。
「まずは1匹、だね!」
アイビスが戻ってきて、コボルドの死体を見下ろした。
「でも、こいつら脚が速いしかなり凶暴そうだ……ヒースさん、大丈夫かな」
アイビスの呟きに応えるかのように、エニアの伝話へ連絡が入った。
受け取ったエニアの表情が険しくなる。通信を終えると、
「……ヒースさんが気づかれた! 教会前の敵を全部引き離す、って」
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判断は間違っていなかった。あのままでは囲まれていた。
教会前の6匹の内1匹が、こちらへ近づいてきた辺りでまずいと感じた。
更にもう1匹背後からの気配もあり、下手にその場で頑張ると挟撃を受ける恐れもあった。
接近してきた敵に気づかれる寸前、ヒースはエニアへの伝話を済ませると物陰から飛び出した。
コボルドの鼻先を鞭で打ち、目を眩ませると、踵を返して走り出す。
振り返らずとも追っ手の足音で分かる。教会前の他の5匹もこちらに気づいた。
(1対6……いや)
横合いからまた別のコボルドが現れる。ヒースの姿に反応して、追いかけてきた。
(1対7。やばいかもなぁ)
コボルドたちの脚がかなり速い。
マテリアルで増強されたヒースの脚力でも逃げきれそうにない。
敵の脚を止めようと、振り向きざまに鞭を振る。3、4メートルほどの間合いだったが――
(!?)
飛び散った鉄片がヒースの腕に刺さったが、大した傷ではない。再び駆け出す。
(鞭はまだ使い慣れないもんで、思ったより勢い良く破片を飛ばしちゃったねぇ。
これがうっかり眼に入りでもしたら、かなりまずい)
高い垣根を飛び、何処かの家の庭先へ入り込む。
追って垣根を飛び越えてきた1匹を待ち伏せし、打ち落とした。
コボルドたちは走り回る内に、7匹で纏まって動くようになっていた。
お蔭で、先頭が止まると他の連中がつっかえる。
時々に反撃しながらコボルドたちを誘導するヒースだったが、
とうとう脚力強化のスキルを使い果たした。本格的に応戦するしかない。
行き当たった1軒の家の玄関口が、程良い狭さに思えた。
コボルドが1匹ずつしか通り抜けられない幅だ。
いよいよ危なくなったときは、屋内へ逃げ込んで時間を稼げる筈。
ドアを開けると、意を決して背後の7匹を振り返る。
コボルドたちはかなり攻撃的で、多少の痛手では怯みもしないだろう。
攻撃範囲よりも威力を考え、肩越しに鞭を垂らして打ち下ろしの姿勢を選んだ。
「さぁて。ようやくコツも掴めてきたことだし、ここらで真っ向相手してやろうか、針鼠ども」
銀色の塊が次々と押し寄せる。鞭を使い――
1匹の喉を潰して殺したところで、他の敵の身体に引っかけてしまった。
ヒースの足元へコボルドが食らいつく。鞭の柄から手を離しつつ、思いきり蹴り上げた。
そのまま後ろへ転がって屋内へ逃げ込むと、
家具を片っ端から床に倒して追跡を妨害しつつ、家の2階へ上がる。
見つけた――屋根裏部屋への梯子。必死でよじ登って、梯子を落とした。
見下ろせば、追いすがってきたコボルドが唸り声を上げながら暴れ回っている。
梯子が使えないのであれば、屋根に登って穴を空けでもしない限りここへは辿り着けないだろう。
屋根裏部屋の埃っぽい床へ、大の字で横たわる。脚の肉をかなり持っていかれた。出血もひどい。
気づかぬ内に身体に刺さっていた破片を引き抜くと、不意に意識が遠のいた。
最後の気力で手を伸ばし、髪を縛っていた藍色のリボンを取って握ると、目を閉じる。
(……誰かの声が、聴こえる気がする)
●
カズマの投げた瓶が割れ、こぼれ出したランタン用オイルがコボルドを濡らす。
すかさず、エニアがファイアアローを放つ。火球が宙を飛び、コボルドに命中するが――
「燃えない……!?」
コボルドの浴びた油へ着火することは出来なかった。魔法自体のダメージはあったようだが、
(そうか……私たちが知っているような化学反応と、
クリムゾンウェストの魔法が発揮する効果は無関係なんだ!
魔法で火が燃えているように見えても、本物の火ではない……、
だから水の中でも使える代わりに、ファイアアローで物を燃やすことは出来ない!)
「だが、全く意味がないって訳でもなさそうだ!」
カズマのショットアンカーがコボルドを仕留めた。
油塗れの破片は重くなり、飛び散る勢いが多少なりとも弱まっている。
同時に滑りやすくもなって、尖った先端が突き刺さる恐れも減った。
カズマは衣服に張りついた破片を手で払い落す。
「もう次が来るぜ! 2匹だ!」
絶が叫ぶと、みほとアイビスが投擲武器を用意した。
機先を制して、エニアのウィンドスラッシュが風を切る。
並んで走ってきたコボルドの片割れが切り裂かれ、地面に転げた。
続くみほの手裏剣が、目玉を突き破って止めを刺す。それを見たアイビスが、
「みほさん、やるね!」
「かたじけない」
残る1匹の刃をカズマがアンカーで折り、油を浴びせ、破片の飛散を抑えておく。
絶が突進を跳ね返すと、
「任せた大将!」
カズマの短剣がコボルドの喉を裂く。これで4匹目。
休む間もなく、教会目指して突き進む5人。行く手にはまだ5匹のコボルドがうろついている。
ヒースのお蔭で、教会を離れたこの場に残敵が固まっているようだ。
●
接近を察知したコボルドたちが、一斉に動き出す。身構えるハンターたち。
その一番後ろにつけていたエニアが短伝話を手に、突然声を上げた。
「ヒースさんと連絡が取れない」
皆が振り返った。エニアはもう一度短伝話を操作するが、
「駄目、やっぱり応答がない……まさか、そんな」
アイビスが突然、道の先にある1軒の家を指さした。みほとエニアがそちらへ視線を移す。
「玄関が壊されてるし、コボルドの死体も1体……あの中に逃げ込んだんだ」
エニアは示された家を見て頷くと、
「私が助けに行きます」
「お任せしましたよ、エニア殿。ここは拙者たちが食い止めます」
「よーし。そんならまずは……」
絶が前進する。カズマも併せて、ショットアンカーを構えつつ歩いた。
ちょうど問題の家の前で、コボルドの先鋒と会敵する。
「エニア、行け! ここは絶対抜かせねぇ!」
絶とカズマが連携してコボルドを迎撃する。その間に、エニアが家の中へと飛び込んでいった。
カズマのアンカーがコボルドを引っかけ路上へ転がしたたところを、後からみほが日本刀で刺し殺す。
(ヒース殿は頑張られたようだな。道の先にもう4匹……、
これまで6匹が倒されたのだから、残りはあれで全部だ)
「うらあぁぁぁぁぁ!」
立て続けの突進を食い止める絶。構えた盾には、折れた刃が何本も刺さったままになっている。
カズマの策でも防ぎきれなかった破片が、前衛ふたりに少しずつ傷をつけていく。
アンカーを受けてよろめくコボルドが、アイビスのチャクラムに倒された。
「残り3匹! 絶、まだやれるか?」
「いい加減腕と腰が辛くなってきたが、3匹くれぇなら……ってオイ、連中固まって来るじゃんか!」
「一気に片づいて好都合だと思うんだな!」
「しょうがねぇな! 最後にもうひと仕事だ!」
コボルド3匹が1列になって、絶の盾へ突っ込んでくる。
カズマがアンカーを振るうと、先頭の1匹が横殴りにされて倒れた。
続く2匹――後ろの1匹が跳躍した。地面と空中、2匹同時の体当たり。
(流石にこいつはっ……!)
絶は衝撃に耐えきれず、押し倒された。1匹が彼の頭を踏み越えて、後衛のみほとアイビスへ襲いかかる。
みほは咄嗟に刀を抜くと、腰を溜めて突きを繰り出した。
刀は相手の腹に深く刺さったが、仕留めきれない。肩に噛みつかれてしまう。
「ここまで来て、仲間を狩られて溜まるか……!」
アイビスが、刃の山に傷つけられるのも構わずコボルドの背中へ抱きつくと、
握りしめた手裏剣の先端でコボルドの首を抉った。
カズマが絶にのしかかっていたコボルドを殺した。
倒れた絶を助け起こしてやると、
「大丈夫か?」
「ばっ……後ろ!」
絶の言葉に振り返った矢先、カズマの顔面へ最後の1匹の鉤爪が振り下ろされる――
寸前で、魔法の火球がコボルドを吹き飛ばした。エニアだ。
さっきまで無傷だった筈なのに、術具を手に玄関から出てきた彼の服は、血でひどく汚れていた。
●
「済まなかった」
カズマが教会の司祭と、重傷を負った自警団員たちに頭を下げる。
ハンターたちは僅かに間に合わなかった。
教会を解放した時点で、自警団員7名の内4人が既に命を落としていた。
怪我人と死者は鐘楼から下ろされ、それぞれ礼拝堂の床に寝かせられた。
少し離れたところには、脚に包帯を巻かれた状態で、目を閉じ横たわるヒースの姿も。
解かれた長い赤毛の髪が、布を畳んで作った即席の枕の上に広がっている。
「いえ……私の手当ての至らなかったせいでもあります。
それに、貴方がたは己の身も顧みず、あのように危険な雑魔の群れと戦い、
こうして我々を助けに来て下さった。犠牲になった者たちも、よもや責めますまい」
カズマへ穏やかに答えていた司祭の目がふと、ヒースのほうへ向いた。
ちょうど、怪我人たちの為に包帯の替えを運んできたエニアが、
「……ヒースさん!」
いつの間にかヒースが腕を伸ばして、握ったままの拳を突き上げていた。
指の隙間からは、藍色のリボンが垂れている。エニアが駆け寄ると、ヒースはそっと呟いた。
「残敵……確認、哨戒を、頼めるかい……。言うじゃないか、備えあれば、何とやら、って……」
「誰か村を見回って、辺りに敵が残っていないか確認して欲しい、って」
エニアが言うと、カズマは再び司祭に頭を下げ、
「差し出がましいようだが、後日俺からも亡くなった自警団員への弔いをさせて頂きたい。
そして、生き残った者たちにも良き計らいをお願いしたく。
彼らの働きのお蔭で、俺たちはここへ来ることが出来た」
司祭が頷くと、彼は装備を取って礼拝堂の出口へ向かう。
すると、扉の前には既に絶、みほ、アイビスが待っていた。
「何だよ、働き者じゃねぇかお前ら」
絶が肩をすぼめる。
「そりゃお互い様」
「斥候をヒース殿とアイビス殿にお任せして、随分苦労をかけてしまいましたから。
その借りを多少は返しておきたい」
「私は大して苦労も怪我もしてないけど、その分動けるからね」
「あ~……絶はここに残っとけ。
万が一ってこともあるし、丈夫なお前には怪我人たちを守って欲しい。ベテランの自宅警備員なんだろ?」
「い、今は働いてっから『元』ベテランだけどよ……まぁそういうことなら任された。外回り頼んだぜ」
哨戒に出ていったカズマたち3人を見送る絶。
彼の後ろでは、エニアが医者が来るまでの間に出来るだけの手当てをして回っていた。
絶はひと息吐くと、傷だらけの盾を手近に置いて、エニアの手伝いへ加わった。
依頼結果
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/10/05 05:37:04 |
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相談用 龍崎・カズマ(ka0178) 人間(リアルブルー)|20才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2014/10/09 23:22:30 |