ゲスト
(ka0000)
サルとメガネ
マスター:葉槻

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 3日
- 締切
- 2017/01/23 19:00
- 完成日
- 2017/01/31 22:58
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●サル襲来
帝国、某所。
「うわー!?」
「ウキー!?」
「ぎゃー!?」
「ウキー!!」
「ぐわー!」
「ウキー!」
「ぐえぇー!」
「ウキキー!」
のどかな山間の町が、サル軍団によって襲われていた。
その襲っているサルの頂点に立つボスザル。
仮に名をタロウとしよう。
タロウはくいっと顎をしゃっくてある人物を指す。
それを察したサルたちが一斉にその人物へと襲いかかる。
その人物は、眼鏡をかけていた。
●憎きは眼鏡か
「説明します。ある町が野生のサルの軍団に襲われています。
元々この裏手の山にはサルを含め野生動物が沢山住んでいますが、今までこれと言ったトラブルも無く過ごしていました。
ところが、先日、どうやらこのサルの群れのボスであったタロウ(仮名)が雑魔化したようなのです」
恐ろしいオーラを身につけたタロウに逆らえるオスのサルはおらず、全頭が現在タロウの言いなりになっているような状態。
現在、町の飲食店を狙い荒らしたり、畑を荒らしたりとやりたい放題だ。
「そして、その中でもとりわけ酷いのは、『眼鏡をかけた人物への攻撃』なのです」
「……は?」
何故、眼鏡? と説明を聞いていたハンター達が一様に首を捻る。
「良くわかりませんが、どうやらタロウ、凄く眼鏡に執着があるようで、眼鏡をしている人物なら男女構わず襲っているようなのです」
これにより、一般市民に重軽傷者が出ているというのだから、被害は笑い事では済まない。
「なので、ハンターの皆さんには様々な眼鏡を身につけて、囮となり、タロウを討伐して下さい」
一度雑魔化した動物はもう二度と普通の状態には戻れない。
せめて、死骸がサルとして残る内に冥途に送ってやるのが情けというものだろう。
「ただし、タロウ以外のサルたちはタロウに脅されているだけのちょっと臆病な普通の野生動物です。彼らはなるべく傷付けずに、タロウだけを仕留めて下さい」
タロウさえ討てば、他のサルたちは山へと帰り、人里には下りてこなくなるだろうという予想だ。
「なお、サルはおおよそ200頭が襲ってきます」
「数凄くない!?」
「なので、ハンターに依頼が来たのですよ」
ぎょっとしたハンターの1人に、説明係の女性は努めて冷静に答えた。
「自前の眼鏡でももちろん構いませんが、眼鏡が無いという方ように眼鏡は用意しました。どうぞ皆さんお気を付けて行って来て下さい」
そう告げると女性は静かに頭を下げたのだった。
●タロウ(仮名)
タロウは戦利品の眼鏡を河原の『眼鏡置き場』へと運ぶ。
眼鏡置き場というよりは、ゴミ山のようだが、そこへ眼鏡を投げ込むと振り返りもせずに河原を後にする。
ウキィ、と一頭のサルがタロウに報告をする。
――またメガネが現れたか。
タロウは鋭く発達した牙を剥いて、町へと下りていった。
帝国、某所。
「うわー!?」
「ウキー!?」
「ぎゃー!?」
「ウキー!!」
「ぐわー!」
「ウキー!」
「ぐえぇー!」
「ウキキー!」
のどかな山間の町が、サル軍団によって襲われていた。
その襲っているサルの頂点に立つボスザル。
仮に名をタロウとしよう。
タロウはくいっと顎をしゃっくてある人物を指す。
それを察したサルたちが一斉にその人物へと襲いかかる。
その人物は、眼鏡をかけていた。
●憎きは眼鏡か
「説明します。ある町が野生のサルの軍団に襲われています。
元々この裏手の山にはサルを含め野生動物が沢山住んでいますが、今までこれと言ったトラブルも無く過ごしていました。
ところが、先日、どうやらこのサルの群れのボスであったタロウ(仮名)が雑魔化したようなのです」
恐ろしいオーラを身につけたタロウに逆らえるオスのサルはおらず、全頭が現在タロウの言いなりになっているような状態。
現在、町の飲食店を狙い荒らしたり、畑を荒らしたりとやりたい放題だ。
「そして、その中でもとりわけ酷いのは、『眼鏡をかけた人物への攻撃』なのです」
「……は?」
何故、眼鏡? と説明を聞いていたハンター達が一様に首を捻る。
「良くわかりませんが、どうやらタロウ、凄く眼鏡に執着があるようで、眼鏡をしている人物なら男女構わず襲っているようなのです」
これにより、一般市民に重軽傷者が出ているというのだから、被害は笑い事では済まない。
「なので、ハンターの皆さんには様々な眼鏡を身につけて、囮となり、タロウを討伐して下さい」
一度雑魔化した動物はもう二度と普通の状態には戻れない。
せめて、死骸がサルとして残る内に冥途に送ってやるのが情けというものだろう。
「ただし、タロウ以外のサルたちはタロウに脅されているだけのちょっと臆病な普通の野生動物です。彼らはなるべく傷付けずに、タロウだけを仕留めて下さい」
タロウさえ討てば、他のサルたちは山へと帰り、人里には下りてこなくなるだろうという予想だ。
「なお、サルはおおよそ200頭が襲ってきます」
「数凄くない!?」
「なので、ハンターに依頼が来たのですよ」
ぎょっとしたハンターの1人に、説明係の女性は努めて冷静に答えた。
「自前の眼鏡でももちろん構いませんが、眼鏡が無いという方ように眼鏡は用意しました。どうぞ皆さんお気を付けて行って来て下さい」
そう告げると女性は静かに頭を下げたのだった。
●タロウ(仮名)
タロウは戦利品の眼鏡を河原の『眼鏡置き場』へと運ぶ。
眼鏡置き場というよりは、ゴミ山のようだが、そこへ眼鏡を投げ込むと振り返りもせずに河原を後にする。
ウキィ、と一頭のサルがタロウに報告をする。
――またメガネが現れたか。
タロウは鋭く発達した牙を剥いて、町へと下りていった。
リプレイ本文
●
「うわ……これは酷いな……」
まだ冬の空っ風が肌に冷たい中、岩井崎 旭(ka0234)は荒らされた畑を前に立ち竦んだ。
「こげなこったぁ初めてだ。よっぽど山神様を怒らせたらしい」
荒らされたいくつかの畑のうち、この畑の主という農夫は深い溜息を吐いた。
「ヤマガミサマ?」
「んだ。この町は周囲を山に囲まれとろ? 神様は山ン中さ住まう。サルもイノシシもヤマイヌもクマも、動物は全部山神様の使いだ。確かに今までにも山の実りが極端に少なかったときなンかに、町まで動物が下りてくることはあった。だども、サルだけがこんな悪さしに来ることなンて今まで無かった。きっと、山神様を怒らせるなンかがあってサルを使わすンだ……祟りにならなきゃえぇが」
男は再び深い溜息を吐いた。
「確かに、食べる物に困って襲ったっていうよりは、嫌がらせとしか思えない荒し方だな」
セルゲン(ka6612)もまた、畑に残された歯形の付いた大根を拾い上げながら眉を顰めた。
土を掘り起こし、大根を引き抜き、また違う畑ではへし折られた白菜が土の上に転がっている。歯形が付いた物も時折見られるが、食べられた跡はほとんど無い。
「これを、貰っても良いだろうか」
酷く損傷して商品にはなりそうもない大根を男にむけると、男は力なく笑った。
「どのみち無事なヤツ以外は商品になンねぇ。好きンだけ持ってけ」
男に礼を告げて、セルゲンは野菜をいくつか抱える。
「普段なら今頃身重のメスと山ン中で慎ましやかに暮らしているモンなンだが……これ以上なンか起きる前に、頼むよ」
男はハンター達に頭を下げると、家へと帰っていく。それを見送りながら旭は釈然としない思いを抱える。
「さて……何故、ボスザルが歪虚化したのか? 再発防止の意味も含めて、気にはなります……けれど、調査をするにしても……先ずは、迷惑行為の問題解決が先……ですよね」
天央 観智(ka0896)が畑に付いた無数の足跡を見ながら顎をさする。
「ほんとな。一頭だけ雑魔化したのとか、メガネが襲われるのとか。分かんないこと多いし、少しはハッキリさせてーよな」
「人には人の、猿には猿のルールが在る……のかも、知れませんけれど。向こうのルールに倣って、危害を加えて来た者に報復……としていては、人道を踏み外しますしね。良いでしょう……歪虚以外は、喩え危害を加え様とされても……怪我させない方向性で対応しますよ」
旭の言葉に観智も頷いて、屋根の上、ハンター達を見下ろすサルと視線を交わした。
「とりあえず、町の皆さんには今から終わるまで家から出ないようにお願いして来ました」
「こっちも準備オッケー」
町の住民に協力要請に行っていた和泉 澪(ka4070)とエルバッハ・リオン(ka2434)が集合場所とした開けた空き地へと戻ってきたのを見て、セルゲンと共に貰った野菜を並べていた円加 一真(ka6714)が手を振った。
「では、作戦開始と行きましょうか」
エルバッハの声に一同が頷く。そして、各々鞄やポケットから眼鏡を取り出すとそれを装着したのだった。
●
――時間は少しだけ遡り、これはまだ出発前のオフィスでの出来事。
「使うとしても囮用の眼鏡ですから、あまりこだわりはないですね。とりあえず、無難なものを選んでおきましょうか」
エルバッハは目の前に置かれていた無難な黒縁眼鏡を手に取ると、それを装着した。
「私は眼鏡かけたことないんですけど、似合いますかね?」
横にいた澪の問いに、エルバッハは大真面目に頷く。
「えぇ。澪さんの持つやさしい印象が強調され、女性らしい愛らしさを感じますね、それでいて知的な印象があります」
「エルさんの黒縁もいいですよね。黒縁といっても、シャープな縁取りだから重たくないですし」
「そうですか? ありがとうございます」
無難な物を選んだつもりだが、褒められれば悪い気はしない。エルバッハははにかみながら礼を言う。
「俺これでいいかな」
旭が手に取ったのは俗に言う鼻眼鏡。
とはいえ、これは武器であるババ・ヤガーに装着させる目的だったのだが……
「なるほど。では俺はこれにするか」
旭を見習って真顔のセルゲンが手に取ったのはギンギラギンにさり気なくフレーム全体にラメが施され、セルゲンから見て右のレンズに「ぱーりー」左のレンズに「ぴーぽー」と色紙が貼られたナウでヤングな印象のパーティー眼鏡だ。
「すげぇの見つけたな!」
既に真顔で装着しているセルゲンを見て、流石の旭も度肝を抜かれてぽかんと口を開けている。
……どうしてこんな眼鏡まで用意したあの説明係。
「できるだけ目立った方が良いだろう?」
あくまで大真面目なセルゲンの言葉に、旭は笑って「そうだな! イイと思うぜ!」と親指を立てて見せる。
「あれ? 天央さんは選ばないんですか?」
わいわいと試着しながら盛り上がっている一同を暖かく見守っていた観智に気付いた一真が首を傾げた。
「僕は……双眼鏡でサルを探して彼らを寝かしつける役ですから……ない方がいいかな、と」
「なるほど」
そういう一真が手に取っているのはフレームレスのシンプルな物だ。
「円加さんは……囮役ですから、眼鏡選びは大切……かもしれませんね」
「あぁ、これと手持ちの眼鏡のダブル眼鏡で行きます!」
ふふん、と胸を張る一真に観智はゆっくりと大きく二度双眸を瞬いた。
「ダブル……眼鏡、ですか? それは……斬新、ですね」
「そう言って貰えると」
大真面目に頷く観智の言葉に照れたように後頭部を掻く一真。
――そんなこんながあって、いざ、戦闘開始と相成ったのである。
●
澪は必死で走る。走る、走る。走る、走る。
「いやー私達人気者ですねっ。気分はランナーですよっ!」
脳内でスキンヘッドにサングラスをかけた男性が流れる汗をそのままに熱く歌ってる。
いつかゴールに辿り着いたら、君たちを眠らせてやるんだと心に強く思いながら澪はひたすらに走る。
「一端、全員止まれーっ!!」
旭が大きく拳を振り上げると、地面へと叩き付け大きく周囲を揺らした。
突然の地震に周囲にいたサルたちはその動きを止めるが、さらに奥から次々とサルが現れるのを見て、旭は慌てて再び走り出す。
「よーし、お猿さん達こっちに来なっ…………って、多すぎだろう!?」
一真も必死で走る。
「200頭の猿に囲まれるってのも貴重な経験……とか言ってる場合かーっ!?」
ダブル眼鏡の効果か、たまたま一真が行った場所がサルが多かったのか……100頭近いサルに追われると流石に命の危険を感じる。
走る3人は集合地点となる空き地へと東・西・南からほぼ同時に飛び込んだ。
空き地の中央にはエルバッハが待ち構えている。
エルバッハは3人の姿を見つけたときから慎重に練り上げていたマテリアルを一気に解放した。
「眠りなさい」
空き地へと脚を踏み入れていたサルたちが次々と地に倒れ眠りこけていく。
エルバッハ一人では眠らせ切れなかった時用に待機していた観智が首を傾げる。
「……セルゲンさんは?」
北から来るはずのセルゲンの姿が見えない事に囮役3人は顔を見合わせた。
「見に、行ってきましょうか」
唯一バイクで来ていた観智がアクセルを吹かし大通りへと出る。
暫く行くと、セルゲンの後ろ姿が視界に入った。
サルたちの前に立つセルゲン。目元のぱーりーぴーぽーと読めるデザインがされたデコデカ眼鏡が光り輝く。
セルゲンは向かってくるサルたちに向かい、微笑みかけた。
「おいで」
足の速い一頭がセルゲンに向かい飛び掛かった。
「ほら、怖くない」
セルゲンの差しだした指をサルは渾身の力を込めて噛んだ。
その牙は動物霊の力を借りて防御力を上げていたセルゲンの指を食い千切らんばかりだ。
痛みを覚えつつもセルゲンは笑みを絶やさない。
そうしている間にも30頭近いサルたちがセルゲンへと襲いかかっていく。
「森へお帰り」
「セルゲンさん、息止めて下さい!」
バイクで駆けつけた観智がマテリアルを練り上げて眠りを誘うガスを生む。
ばたばたと地面に倒れ、すやすやと眠っていくサルたちを見て、観智は深い安堵の息を吐いた。
「もう良いだろうか?」
ぷはっ、と息を再開したセルゲンが、周囲を見回してあどけなく眠っているサルたちの様子を見て思わず微笑んだ。
「……何を、していたんですか?」
「酒場で会ったRB出身のオッサンが、『野生動物を宥めるにはこうしろ』って」
大真面目に答えるセルゲンに観智は困ったように柳眉を寄せる。
「えぇと……野生のサルというのは人間に対し脅威となる感染症を保有している可能性もありますので……あまり自ら噛んだり引っ掻かれたりしない方がいいと……思いますよ」
「そうなのか?」
驚いた様子のセルゲンに、苦笑を浮かべつつ観智が頷いた。
「えぇ……ハンターは……身体が丈夫ですから……大丈夫だとは思いますが」
サルだけではない。基本的に野生動物というのは様々な寄生虫達と共存している。
寄生虫というのは基本的には宿主を殺したりはしないが、それが持つ毒素への抵抗がないものへ寄生すると致死となる事はありうる。
『ヤマガミサマ』というのも、おそらく通常は自然の実りを感謝する為の偶像だが、その『怒り』『祟り』とは野生動物達が下りてきたときにもたらされる感染症などをいうのかも知れない、という可能性に観智は思い当たっていた。
「しかし……タロウ(仮名)が見つかりませんね」
「空き地の方に来ているかも知れないな、急ごう」
●
「タロウいませんね」
眠ったサルたちを見ても、雑魔化しているサルは見当たらない。
「子分達けしかけて自分は高みの見物とはいい根性じゃねぇか」
旭の視線の先には、他のサルよりも一回り大きなサルが巨大な犬歯を剥き出しにして唸っていた。
「あれが、タロウ……」
なるほど、ボスザルだというその貫禄は雑魔化してさらに増しているようだ。
禍々しい迫力に知らず一真は生唾を飲み込んでいた。
寝ているサルたちを器用に避けながらタロウが一真へと突撃する。
「いででで!? コノヤロー狐舐めんなよ!」
自前のサングラスは奪われまいと手で押さえている為、思うように武器が振るえない中、タロウの手が一真の顔へと伸びる。
「くそー! これだけは絶対死守してやるからな!? ……あ、そっち? そっちは別に大丈夫だ!」
ダブル眼鏡大作戦、目元のサングラスは自前のオプティクム・ベスティアだが、おでこの眼鏡は借り物のノンフレームだ。
助けに駆けつけようとした旭には新手のサルたちが飛び掛かりその動きを封じる。なるべく傷付けまいと旭は投げて躱して払うが、どうしてもタロウまで届かない。
エルバッハが起きたサルや新たに現れたサルを含めて再度スリープクラウドを唱える。
すみやかにサルは眠っていくが、タロウは眠らずに一真から奪った眼鏡を手に大きく飛ぶと、掠めるように澪の眼鏡もさらっていく。
「っ……よし!」
澪は周囲に眠っているサルが多く戦いづらい環境下で無理に戦うより、わざと眼鏡を取らせて眼鏡を取った後、タロウがどこへ行くのかを追う方が安全だと考えたのだ。
「皆さん追いましょう!」
「今、サルが逃げませんでしたか……!?」
丁度追いついたセルゲンと観智にも状況を手早く説明すると、一同はタロウの背中を見失うまいと走り出した。
「……確かこのまま行くと河原があったはずです」
地理を把握していたエルバッハが走りながら声を掛ける。
観智はバイク持参だったが、それ以外のメンバーは徒歩で有りながらも移動力をきっちり揃えて来ていたため、足並みを乱さず、またタロウを見失わずに河原まで全員辿り着いた。
「すごい、眼鏡の量……」
この冬の間に集められたのだろう、眼鏡が河原には小さな山となって積まれていた。
長距離を移動することになったハンター達は、河原に着いて、軽く息を上げていた。一方で持久力を身につけていたエルバッハとランニングのコツを身につけていた澪、バイクを置いて河原へ下りてきた観智はすぐにタロウへと向かう。
澪が手裏剣を投げるとそれに自分のマテリアルを紐付け一気にタロウとの距離を詰め斬り払った。
ギャッ! という悲鳴がサルを傷付けているようで澪は一瞬顔をしかめた。
「こっちにもいますよ」
エルバッハがポケットから赤縁眼鏡を取り出して装着し、タロウを挑発する。
それを見たタロウがエルバッハへと襲いかかるが、タロウの爪が届く前にワンドから放たれた鋭い風がタロウの全身を刻む。
「なんで眼鏡を狙うんだよ!? 眼鏡が嫌いなのか? それとも眼鏡かけてる人間が嫌いなのか?」
傷付き、地に倒れたタロウを見て、動物愛に溢れた一真が思わず問いかける。
それでもなお向かってくるタロウを抱き留めて、旭は叫んだ。
「ま、ヴォイドになった上、人を襲ってる以上は放置も出来ねぇ。だからブッ倒して後から考える! 喰らえ鼻眼鏡ファイヤー!」
鼻眼鏡をかけたババ・ヤガーの瞳が妖しく光ったように見えた次の瞬間、旭の魔力が灼熱のように燃え上がり、タロウは身じろぎすることも無く旭の腕の中で息絶えたのだった。
●
セルゲンが眼鏡の山へと近付く。
鼻につく腐敗臭に眉を顰めつつ、眼鏡をそっと退けていくと、一体のサルの死骸が出てきた。
「……銃創……」
明らかに人の手によって殺されたその死骸。
それを隠すように積まれた眼鏡。
――普段なら今頃身重のメスと山ン中で慎ましやかに暮らしているモンなンだが
タロウを抱き留めていた旭もその側腹部に銃で傷付けられたと思われる傷痕を見つけた。
「一緒に……撃たれたのか……?」
遺体が残っているのなら、深淵の声を使えばより状況を知ることが出来たかも知れなかったが、旭は敢えて今回それを望まなかった。
どんな事情があれ、雑魔となってしまえば倒すしかない。それが、歪虚と人との間の絶対の掟だ。
キィ……というか細い声に振り返ると、何頭かのサルがこちらの様子をじっと見ている。
「お前達のボスを弔いたい。いいか?」
セルゲンの声に、サルたちは顔を見合わせ川の向こうの山へと帰っていく。
「……手伝います」
一真が野菜を運ぶのに使った麻布を広げて眼鏡の下にあった死骸をそっと移した。
その後、ハンター達は山の麓、大きな樹の根元に二頭のサルの死骸を埋めた。
周囲でサルたちが見守っている、その視線を感じながら、各々が知る方法で弔い、二頭の冥福を祈った。
「……これで、タロウともう1匹も……静かに暮らせるようになりますね」
澪の呟きにエルバッハは小さく頷き、観智は小さく首を振った。
「……いいえ。この山のサルたちも、この町の人々も……みんなが静かに暮らせるでしょう」
観智の言葉に一同は頷き、空を見上げ、まだ来ぬ春に思いを馳せたのだった。
「うわ……これは酷いな……」
まだ冬の空っ風が肌に冷たい中、岩井崎 旭(ka0234)は荒らされた畑を前に立ち竦んだ。
「こげなこったぁ初めてだ。よっぽど山神様を怒らせたらしい」
荒らされたいくつかの畑のうち、この畑の主という農夫は深い溜息を吐いた。
「ヤマガミサマ?」
「んだ。この町は周囲を山に囲まれとろ? 神様は山ン中さ住まう。サルもイノシシもヤマイヌもクマも、動物は全部山神様の使いだ。確かに今までにも山の実りが極端に少なかったときなンかに、町まで動物が下りてくることはあった。だども、サルだけがこんな悪さしに来ることなンて今まで無かった。きっと、山神様を怒らせるなンかがあってサルを使わすンだ……祟りにならなきゃえぇが」
男は再び深い溜息を吐いた。
「確かに、食べる物に困って襲ったっていうよりは、嫌がらせとしか思えない荒し方だな」
セルゲン(ka6612)もまた、畑に残された歯形の付いた大根を拾い上げながら眉を顰めた。
土を掘り起こし、大根を引き抜き、また違う畑ではへし折られた白菜が土の上に転がっている。歯形が付いた物も時折見られるが、食べられた跡はほとんど無い。
「これを、貰っても良いだろうか」
酷く損傷して商品にはなりそうもない大根を男にむけると、男は力なく笑った。
「どのみち無事なヤツ以外は商品になンねぇ。好きンだけ持ってけ」
男に礼を告げて、セルゲンは野菜をいくつか抱える。
「普段なら今頃身重のメスと山ン中で慎ましやかに暮らしているモンなンだが……これ以上なンか起きる前に、頼むよ」
男はハンター達に頭を下げると、家へと帰っていく。それを見送りながら旭は釈然としない思いを抱える。
「さて……何故、ボスザルが歪虚化したのか? 再発防止の意味も含めて、気にはなります……けれど、調査をするにしても……先ずは、迷惑行為の問題解決が先……ですよね」
天央 観智(ka0896)が畑に付いた無数の足跡を見ながら顎をさする。
「ほんとな。一頭だけ雑魔化したのとか、メガネが襲われるのとか。分かんないこと多いし、少しはハッキリさせてーよな」
「人には人の、猿には猿のルールが在る……のかも、知れませんけれど。向こうのルールに倣って、危害を加えて来た者に報復……としていては、人道を踏み外しますしね。良いでしょう……歪虚以外は、喩え危害を加え様とされても……怪我させない方向性で対応しますよ」
旭の言葉に観智も頷いて、屋根の上、ハンター達を見下ろすサルと視線を交わした。
「とりあえず、町の皆さんには今から終わるまで家から出ないようにお願いして来ました」
「こっちも準備オッケー」
町の住民に協力要請に行っていた和泉 澪(ka4070)とエルバッハ・リオン(ka2434)が集合場所とした開けた空き地へと戻ってきたのを見て、セルゲンと共に貰った野菜を並べていた円加 一真(ka6714)が手を振った。
「では、作戦開始と行きましょうか」
エルバッハの声に一同が頷く。そして、各々鞄やポケットから眼鏡を取り出すとそれを装着したのだった。
●
――時間は少しだけ遡り、これはまだ出発前のオフィスでの出来事。
「使うとしても囮用の眼鏡ですから、あまりこだわりはないですね。とりあえず、無難なものを選んでおきましょうか」
エルバッハは目の前に置かれていた無難な黒縁眼鏡を手に取ると、それを装着した。
「私は眼鏡かけたことないんですけど、似合いますかね?」
横にいた澪の問いに、エルバッハは大真面目に頷く。
「えぇ。澪さんの持つやさしい印象が強調され、女性らしい愛らしさを感じますね、それでいて知的な印象があります」
「エルさんの黒縁もいいですよね。黒縁といっても、シャープな縁取りだから重たくないですし」
「そうですか? ありがとうございます」
無難な物を選んだつもりだが、褒められれば悪い気はしない。エルバッハははにかみながら礼を言う。
「俺これでいいかな」
旭が手に取ったのは俗に言う鼻眼鏡。
とはいえ、これは武器であるババ・ヤガーに装着させる目的だったのだが……
「なるほど。では俺はこれにするか」
旭を見習って真顔のセルゲンが手に取ったのはギンギラギンにさり気なくフレーム全体にラメが施され、セルゲンから見て右のレンズに「ぱーりー」左のレンズに「ぴーぽー」と色紙が貼られたナウでヤングな印象のパーティー眼鏡だ。
「すげぇの見つけたな!」
既に真顔で装着しているセルゲンを見て、流石の旭も度肝を抜かれてぽかんと口を開けている。
……どうしてこんな眼鏡まで用意したあの説明係。
「できるだけ目立った方が良いだろう?」
あくまで大真面目なセルゲンの言葉に、旭は笑って「そうだな! イイと思うぜ!」と親指を立てて見せる。
「あれ? 天央さんは選ばないんですか?」
わいわいと試着しながら盛り上がっている一同を暖かく見守っていた観智に気付いた一真が首を傾げた。
「僕は……双眼鏡でサルを探して彼らを寝かしつける役ですから……ない方がいいかな、と」
「なるほど」
そういう一真が手に取っているのはフレームレスのシンプルな物だ。
「円加さんは……囮役ですから、眼鏡選びは大切……かもしれませんね」
「あぁ、これと手持ちの眼鏡のダブル眼鏡で行きます!」
ふふん、と胸を張る一真に観智はゆっくりと大きく二度双眸を瞬いた。
「ダブル……眼鏡、ですか? それは……斬新、ですね」
「そう言って貰えると」
大真面目に頷く観智の言葉に照れたように後頭部を掻く一真。
――そんなこんながあって、いざ、戦闘開始と相成ったのである。
●
澪は必死で走る。走る、走る。走る、走る。
「いやー私達人気者ですねっ。気分はランナーですよっ!」
脳内でスキンヘッドにサングラスをかけた男性が流れる汗をそのままに熱く歌ってる。
いつかゴールに辿り着いたら、君たちを眠らせてやるんだと心に強く思いながら澪はひたすらに走る。
「一端、全員止まれーっ!!」
旭が大きく拳を振り上げると、地面へと叩き付け大きく周囲を揺らした。
突然の地震に周囲にいたサルたちはその動きを止めるが、さらに奥から次々とサルが現れるのを見て、旭は慌てて再び走り出す。
「よーし、お猿さん達こっちに来なっ…………って、多すぎだろう!?」
一真も必死で走る。
「200頭の猿に囲まれるってのも貴重な経験……とか言ってる場合かーっ!?」
ダブル眼鏡の効果か、たまたま一真が行った場所がサルが多かったのか……100頭近いサルに追われると流石に命の危険を感じる。
走る3人は集合地点となる空き地へと東・西・南からほぼ同時に飛び込んだ。
空き地の中央にはエルバッハが待ち構えている。
エルバッハは3人の姿を見つけたときから慎重に練り上げていたマテリアルを一気に解放した。
「眠りなさい」
空き地へと脚を踏み入れていたサルたちが次々と地に倒れ眠りこけていく。
エルバッハ一人では眠らせ切れなかった時用に待機していた観智が首を傾げる。
「……セルゲンさんは?」
北から来るはずのセルゲンの姿が見えない事に囮役3人は顔を見合わせた。
「見に、行ってきましょうか」
唯一バイクで来ていた観智がアクセルを吹かし大通りへと出る。
暫く行くと、セルゲンの後ろ姿が視界に入った。
サルたちの前に立つセルゲン。目元のぱーりーぴーぽーと読めるデザインがされたデコデカ眼鏡が光り輝く。
セルゲンは向かってくるサルたちに向かい、微笑みかけた。
「おいで」
足の速い一頭がセルゲンに向かい飛び掛かった。
「ほら、怖くない」
セルゲンの差しだした指をサルは渾身の力を込めて噛んだ。
その牙は動物霊の力を借りて防御力を上げていたセルゲンの指を食い千切らんばかりだ。
痛みを覚えつつもセルゲンは笑みを絶やさない。
そうしている間にも30頭近いサルたちがセルゲンへと襲いかかっていく。
「森へお帰り」
「セルゲンさん、息止めて下さい!」
バイクで駆けつけた観智がマテリアルを練り上げて眠りを誘うガスを生む。
ばたばたと地面に倒れ、すやすやと眠っていくサルたちを見て、観智は深い安堵の息を吐いた。
「もう良いだろうか?」
ぷはっ、と息を再開したセルゲンが、周囲を見回してあどけなく眠っているサルたちの様子を見て思わず微笑んだ。
「……何を、していたんですか?」
「酒場で会ったRB出身のオッサンが、『野生動物を宥めるにはこうしろ』って」
大真面目に答えるセルゲンに観智は困ったように柳眉を寄せる。
「えぇと……野生のサルというのは人間に対し脅威となる感染症を保有している可能性もありますので……あまり自ら噛んだり引っ掻かれたりしない方がいいと……思いますよ」
「そうなのか?」
驚いた様子のセルゲンに、苦笑を浮かべつつ観智が頷いた。
「えぇ……ハンターは……身体が丈夫ですから……大丈夫だとは思いますが」
サルだけではない。基本的に野生動物というのは様々な寄生虫達と共存している。
寄生虫というのは基本的には宿主を殺したりはしないが、それが持つ毒素への抵抗がないものへ寄生すると致死となる事はありうる。
『ヤマガミサマ』というのも、おそらく通常は自然の実りを感謝する為の偶像だが、その『怒り』『祟り』とは野生動物達が下りてきたときにもたらされる感染症などをいうのかも知れない、という可能性に観智は思い当たっていた。
「しかし……タロウ(仮名)が見つかりませんね」
「空き地の方に来ているかも知れないな、急ごう」
●
「タロウいませんね」
眠ったサルたちを見ても、雑魔化しているサルは見当たらない。
「子分達けしかけて自分は高みの見物とはいい根性じゃねぇか」
旭の視線の先には、他のサルよりも一回り大きなサルが巨大な犬歯を剥き出しにして唸っていた。
「あれが、タロウ……」
なるほど、ボスザルだというその貫禄は雑魔化してさらに増しているようだ。
禍々しい迫力に知らず一真は生唾を飲み込んでいた。
寝ているサルたちを器用に避けながらタロウが一真へと突撃する。
「いででで!? コノヤロー狐舐めんなよ!」
自前のサングラスは奪われまいと手で押さえている為、思うように武器が振るえない中、タロウの手が一真の顔へと伸びる。
「くそー! これだけは絶対死守してやるからな!? ……あ、そっち? そっちは別に大丈夫だ!」
ダブル眼鏡大作戦、目元のサングラスは自前のオプティクム・ベスティアだが、おでこの眼鏡は借り物のノンフレームだ。
助けに駆けつけようとした旭には新手のサルたちが飛び掛かりその動きを封じる。なるべく傷付けまいと旭は投げて躱して払うが、どうしてもタロウまで届かない。
エルバッハが起きたサルや新たに現れたサルを含めて再度スリープクラウドを唱える。
すみやかにサルは眠っていくが、タロウは眠らずに一真から奪った眼鏡を手に大きく飛ぶと、掠めるように澪の眼鏡もさらっていく。
「っ……よし!」
澪は周囲に眠っているサルが多く戦いづらい環境下で無理に戦うより、わざと眼鏡を取らせて眼鏡を取った後、タロウがどこへ行くのかを追う方が安全だと考えたのだ。
「皆さん追いましょう!」
「今、サルが逃げませんでしたか……!?」
丁度追いついたセルゲンと観智にも状況を手早く説明すると、一同はタロウの背中を見失うまいと走り出した。
「……確かこのまま行くと河原があったはずです」
地理を把握していたエルバッハが走りながら声を掛ける。
観智はバイク持参だったが、それ以外のメンバーは徒歩で有りながらも移動力をきっちり揃えて来ていたため、足並みを乱さず、またタロウを見失わずに河原まで全員辿り着いた。
「すごい、眼鏡の量……」
この冬の間に集められたのだろう、眼鏡が河原には小さな山となって積まれていた。
長距離を移動することになったハンター達は、河原に着いて、軽く息を上げていた。一方で持久力を身につけていたエルバッハとランニングのコツを身につけていた澪、バイクを置いて河原へ下りてきた観智はすぐにタロウへと向かう。
澪が手裏剣を投げるとそれに自分のマテリアルを紐付け一気にタロウとの距離を詰め斬り払った。
ギャッ! という悲鳴がサルを傷付けているようで澪は一瞬顔をしかめた。
「こっちにもいますよ」
エルバッハがポケットから赤縁眼鏡を取り出して装着し、タロウを挑発する。
それを見たタロウがエルバッハへと襲いかかるが、タロウの爪が届く前にワンドから放たれた鋭い風がタロウの全身を刻む。
「なんで眼鏡を狙うんだよ!? 眼鏡が嫌いなのか? それとも眼鏡かけてる人間が嫌いなのか?」
傷付き、地に倒れたタロウを見て、動物愛に溢れた一真が思わず問いかける。
それでもなお向かってくるタロウを抱き留めて、旭は叫んだ。
「ま、ヴォイドになった上、人を襲ってる以上は放置も出来ねぇ。だからブッ倒して後から考える! 喰らえ鼻眼鏡ファイヤー!」
鼻眼鏡をかけたババ・ヤガーの瞳が妖しく光ったように見えた次の瞬間、旭の魔力が灼熱のように燃え上がり、タロウは身じろぎすることも無く旭の腕の中で息絶えたのだった。
●
セルゲンが眼鏡の山へと近付く。
鼻につく腐敗臭に眉を顰めつつ、眼鏡をそっと退けていくと、一体のサルの死骸が出てきた。
「……銃創……」
明らかに人の手によって殺されたその死骸。
それを隠すように積まれた眼鏡。
――普段なら今頃身重のメスと山ン中で慎ましやかに暮らしているモンなンだが
タロウを抱き留めていた旭もその側腹部に銃で傷付けられたと思われる傷痕を見つけた。
「一緒に……撃たれたのか……?」
遺体が残っているのなら、深淵の声を使えばより状況を知ることが出来たかも知れなかったが、旭は敢えて今回それを望まなかった。
どんな事情があれ、雑魔となってしまえば倒すしかない。それが、歪虚と人との間の絶対の掟だ。
キィ……というか細い声に振り返ると、何頭かのサルがこちらの様子をじっと見ている。
「お前達のボスを弔いたい。いいか?」
セルゲンの声に、サルたちは顔を見合わせ川の向こうの山へと帰っていく。
「……手伝います」
一真が野菜を運ぶのに使った麻布を広げて眼鏡の下にあった死骸をそっと移した。
その後、ハンター達は山の麓、大きな樹の根元に二頭のサルの死骸を埋めた。
周囲でサルたちが見守っている、その視線を感じながら、各々が知る方法で弔い、二頭の冥福を祈った。
「……これで、タロウともう1匹も……静かに暮らせるようになりますね」
澪の呟きにエルバッハは小さく頷き、観智は小さく首を振った。
「……いいえ。この山のサルたちも、この町の人々も……みんなが静かに暮らせるでしょう」
観智の言葉に一同は頷き、空を見上げ、まだ来ぬ春に思いを馳せたのだった。
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サルまみれ対策用卓 セルゲン(ka6612) 鬼|24才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2017/01/23 02:25:00 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/01/21 17:41:55 |