ゲスト
(ka0000)
心優しき女商人の護衛
マスター:鳴海惣流

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/02/09 09:00
- 完成日
- 2017/02/13 20:15
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●新たなる旅立ち
大きなリュックを背負う、年若い女商人のカレン。彼女は行商をするついでに、グラズヘイム王国内の各地を回っていた。
とりわけラスリド領内に点在する町や村が多い。
かつて憧れた男性商人が、堕落する前に大切にしていた志を引き継ごうと決め、今日もひた走る。
ただし当面の目的は商品販売よりも、すでに亡くなった男性商人が迷惑をかけてしまった相手への謝罪だった。
パン屋を営んでいる新婚夫婦へ丁寧に頭を下げて許してもらったあと、カレンは次の町へ移動する前に食堂で人心地つく。
「よう。商人の嬢ちゃん。ここらは初めてか?」
「あまり来たことはないですけど、初めてではないですよ」
声をかけてきた食堂の店主と、カウンター席で世間話に興じる。
パンとスープを頬張りながら、ラスリド領内を中心に移動していると話すと、店主の顔が曇った。
気になったカレンは「何かあったんですか?」と尋ねる。
「ここのところ、領内でコボルドが頻出してるらしいんだ。ハンターが巣を潰したりしてくれてパニックまでにはなってないみたいだが、最近じゃ街道にも現れるって話だ。嬢ちゃんも気を付けた方がいいぜ。護衛は雇っているのか?」
「いいえ。私一人です」
「そりゃ、いけねえ。だったらすぐにでもハンターに頼んだ方がいい。どういうわけか知らないが、コボルドどもは領主様の軍でも苦戦するほど強いらしい。おかげで町の住民も不安がってるんだ。……ったく、どうしてこんなことになってるんだろうな」
ため息をつく店主が、本気で心配してくれてるのがわかったカレンは考える。
目的である謝罪のためのお金を被害者へ多めに渡せればと経費削減しているが、その結果、コボルドに襲われて殺されたら何の意味もない。
店主に勧められたのもあり、昼食を終えるとカレンはすぐに町にあるハンターズソサエティへと向かった。
●道中の草原
夜になる前には次の町に着きたいと、大きなリュックを揺らして商人の少女は先を急ぐ。
彼女の周囲では、護衛の依頼を受けたハンターたちが警戒を怠らない。
カレンと雑談をしつつも道中は順調で、何の問題もなく目的地へ到着できるかと思われた。
しかし町まであと少しという夕暮れ時に、奴らは現れた。
武器こそ持っていないが、鋭く尖った爪や牙は一般人には十分すぎる脅威だ。
怯えの色に顔を染めるカレン。だが彼女の小さな体を、頼りがいのある背中が隠した。
護衛の任務に就いているハンターたちだ。
町を襲おうとでもしていたのか、コボルドはそれなりの数がいる。
日中の爽やかさが消えゆく草原に、重く低い唸り声が響く。
黄金色の夕陽は、間もなく水平線に沈もうとしていた。
大きなリュックを背負う、年若い女商人のカレン。彼女は行商をするついでに、グラズヘイム王国内の各地を回っていた。
とりわけラスリド領内に点在する町や村が多い。
かつて憧れた男性商人が、堕落する前に大切にしていた志を引き継ごうと決め、今日もひた走る。
ただし当面の目的は商品販売よりも、すでに亡くなった男性商人が迷惑をかけてしまった相手への謝罪だった。
パン屋を営んでいる新婚夫婦へ丁寧に頭を下げて許してもらったあと、カレンは次の町へ移動する前に食堂で人心地つく。
「よう。商人の嬢ちゃん。ここらは初めてか?」
「あまり来たことはないですけど、初めてではないですよ」
声をかけてきた食堂の店主と、カウンター席で世間話に興じる。
パンとスープを頬張りながら、ラスリド領内を中心に移動していると話すと、店主の顔が曇った。
気になったカレンは「何かあったんですか?」と尋ねる。
「ここのところ、領内でコボルドが頻出してるらしいんだ。ハンターが巣を潰したりしてくれてパニックまでにはなってないみたいだが、最近じゃ街道にも現れるって話だ。嬢ちゃんも気を付けた方がいいぜ。護衛は雇っているのか?」
「いいえ。私一人です」
「そりゃ、いけねえ。だったらすぐにでもハンターに頼んだ方がいい。どういうわけか知らないが、コボルドどもは領主様の軍でも苦戦するほど強いらしい。おかげで町の住民も不安がってるんだ。……ったく、どうしてこんなことになってるんだろうな」
ため息をつく店主が、本気で心配してくれてるのがわかったカレンは考える。
目的である謝罪のためのお金を被害者へ多めに渡せればと経費削減しているが、その結果、コボルドに襲われて殺されたら何の意味もない。
店主に勧められたのもあり、昼食を終えるとカレンはすぐに町にあるハンターズソサエティへと向かった。
●道中の草原
夜になる前には次の町に着きたいと、大きなリュックを揺らして商人の少女は先を急ぐ。
彼女の周囲では、護衛の依頼を受けたハンターたちが警戒を怠らない。
カレンと雑談をしつつも道中は順調で、何の問題もなく目的地へ到着できるかと思われた。
しかし町まであと少しという夕暮れ時に、奴らは現れた。
武器こそ持っていないが、鋭く尖った爪や牙は一般人には十分すぎる脅威だ。
怯えの色に顔を染めるカレン。だが彼女の小さな体を、頼りがいのある背中が隠した。
護衛の任務に就いているハンターたちだ。
町を襲おうとでもしていたのか、コボルドはそれなりの数がいる。
日中の爽やかさが消えゆく草原に、重く低い唸り声が響く。
黄金色の夕陽は、間もなく水平線に沈もうとしていた。
リプレイ本文
●道中の草原
金色に染まる草木が揺れる。
隊列を組むように歩く一行。護衛対象となるカレンの前にいるユウキ(ka5861)が、腰の後ろで手を組んでくるりと小柄な体を振り向かせた。
「ボクがカレンさんの前にいるからには大丈夫。絶対護ってみせるよ」
同じようにそばを歩いているJ・D(ka3351)も会話に参加する。
「にしても女一人で行商たァ、随分と危なっかしい真似をやりやがる。他に安全な稼ぎなら幾らでもあるだろうによ」
微笑むカレンが事情を説明する。
黙って聞いていたJ・Dは帽子のつばを持ち、飛び込んでこようとする夕陽からサングラス越しの両目を隠しながら言葉を返す。
「成程。恩人の罪滅ぼしの為ってかい。そいつァ健気なモンだ。……だが、どちらにしたって危なっかしい事に変わりはねえな」
「わかってはいるんですけど……」
そう言ってカレンがふと目を向けたのは、門垣 源一郎(ka6320)だった。
少女の何やら問いたげな視線を感じた源一郎は、目だけを動かす。
「どうこう言うつもりはない。しかし、つまらない死に方だけはしたくないな」
贖罪という単語に思うところがないわけではないが、自分からそこに触れようとは思わない。その代わりではないが、源一郎は生じた疑問を少女の前に並べてみる。
「その贖罪に終わりはあるのか? 終わったらどうする?」
「商会を作りたいです! お金よりもお客さんを優先するような……」
照れ臭そうにするカレンの肩に、J・Dが優しく手を乗せる。
「だったらお嬢ちゃん。悪ィ事ァ言わねえ。金が貯まったら馬でも買いな。荷運びにもそうだが、いざって時の逃げ足は速ェ方がいいぜ」
――と、ここで先頭を歩いていた婆(ka6451)が足の動きを止めた。周囲からゾロゾロとコボルドが現れ出したのである。美しかった黄金色の風景が途端に不気味さを漂わせる。
「ゾロゾロゾロゾロ、よう出てきよるのう。コボルドちゅうたか。ちょいとどいてくれんかの」
人の良さそうな老婆だった婆の雰囲気が変わっていく。寄る年波には勝てないとはいえ、若かりし頃から鍛えてきた拳は未だ健在である。
「群れてくる敵は本当に厄介ですね……殲滅いたします」
メアリ・ロイド(ka6633)が表情を変えずに淡々と呟く。冷静沈着にしか見えない彼女だが、その心の内は実に感情豊かであった。
――なんでこんなに出てくんだよ。一列に並んで順番にこっち来てくんねーかな。
そんなふうに思ってるなど、コボルドはおろか仲間のハンターも知らないのである。
「ルンルン忍法とカードの力を駆使して、カレンさんを護衛し、凶暴なコボルド達を殲滅しちゃいます!」
群れで現れたコボルドを指差し、豊かな胸を反らしてポーズを決めたのはルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)だ。
「カレンさんを安全に目的地へ届けるのは当たり前だけど、近隣住民やここを通るみんなの安全の為にも、放ってなんておけないもの!」
見晴らしがさほど悪くないとはいえ、時刻は夜に近づきつつあり、木々も周囲に存在する。
草原を満たす草の微かな動きで、一行との距離を詰めるコボルドをユウキが発見する。
「覚悟しろ! お前らは逃げも隠れも出来ねーんだよ!」
カレンや仲間のハンターには明るく接するユウキだが、敵であるコボルドに親しく接する必要はない。威圧感を与える言葉遣いで強く牽制する。
左右から一行を窺うコボルド。だが問題はそちらよりも、前方奥にいる二体だ。通常種より一回り大きく、心なしか牙や爪も鋭く見える。
一般人であれば遭遇した瞬間に腰を抜かしていてもおかしくはないが、そこは歴戦のハンター。とりわけ婆は該当の二体を見て僅かに口角を歪めた。
「前のコボルドさんはほんに強そうじゃのう。殴りがいがありそうじゃて。嬉しいのう。嬉しいのう」
夕日が大地に沈めば完全な夜がやってくる。今宵は新月で闇も深い。そうなる前に婆は頭にLEDライトをつける。
背後にいるカレンからの視線を感じると、婆は彼女を見て得意げに説明する。
「これで前もよう見えるきに。なんぞ若い子に教えてもろうてなあ。お洒落さんじゃろ」
肯定する少女に気を良くし、改めて婆は一行を取り囲むように近づいてくるコボルド達を見やるのだった。
●コボルド遭遇戦
「……敵は何体だ? 更に集まってくる可能性もある。手早く片付けるか……」
呟きを風に乗せている間に、源一郎は闇が侵食し始めつつある周囲へ視線を飛ばす。
左右のコボルドは従来のと同じそうだと理解すると、そちらを仲間に任せて進行方向に立ち塞がる強そうなコボルドをターゲットに決めた。
遠ざかる源一郎の背中を見送りつつ、秋桜は不安そうなカレンに親指を立ててみせる。
「安心してくださいカレンさん、私達が指一本触れさせません……ジュゲームリリカル、ルンルン忍法土蜘蛛の術! カードを場に伏せてターンエンドです!」
一行から見て左側に秋桜が地縛符を仕掛ける。これにより護衛対象の少女が一斉に囲まれるのは防げる。
ユウキはカレンの前に立ち、両手で持つ穂先に沈みゆく夕陽の輝きを宿らせる。
「ボクから離れないでね。心配しなくていいよ。任せておいて」
同行中のソウルウルフとともに周囲を警戒するユウキ。
その背中はとても小さいはずなのに、護られているカレンにはとても大きく感じられるのが不思議だった。
「こちとらの後ろに隠れておきな、お嬢ちゃん。当たったら痛ェぜ」
薄く笑ったJ・Dが、装備している愛銃からハウンドバレットで右前方のコボルドを狙う。
腕と胴を貫いた弾丸はクリティカルなダメージを与え、コボルドを大地の養分へと変える。
敵の絶命をサングラス越しの肉眼で確認してから、J・Dはちらりとカレンを見る。
「どうだ。剣や弓と違って、銃ってやつァ、引き金さえ引けりゃァ誰が撃っても威力は同じだ。お嬢ちゃんみてえな非力なのがいざって時の頼りにするにゃァ、これより向いたのは中々他にねえ」
身を守る武器の選定が大切だというのは、少女自身も重々承知しているみたいだった。真剣な眼差しをJ・Dの銃へ注いだまま、小さくではあるが何度も顔を縦に往復させていた。
■
カレンを護衛しながらの戦闘が展開されていく中、婆は左前方のコボルドを視界に捉えていた。
「さあて、弱そうなコボルドさんをどうにかするんじゃったかのう。そんなら先ずは近づいて、ガツンと殴りつけるでな」
間合いを無視するようにずんずん歩き、婆、殴る。
人の良さそうな笑顔から繰り出された凶悪な一撃は、易々とコボルドの足を拉げさせる。
会心の拳に悶絶するコボルドは、程なくして現世に別れを告げた。
「こんなとこかのう。そうじゃそうじゃ、間垣さんの様子も気にしておかんとのう。強そうなコボルドが抜けてきたら最優先で対応じゃ。カレンさんの方にゃあ近づけさせんわい」
■
コボルドの一体を屠った婆とは反対方向の敵に、覚醒したメアリが迫る。
すべてが一つになったカチッという幻聴が、メアリの中で確かな引き金となる。
意志を持つかのように蠢く金髪をたなびかせるメアリの顔から、冷静沈着の仮面が剥がれ落ちる。
「幼気な女子狙ってきやがるコボルドどもは~抹殺・瞬殺・滅殺~♪」
心の声がそのまま彼女の口調となり、繰り出した渾身の機導剣が敵の腕を斬り落とす。
舞い散る血飛沫を嫌うように背を向けたメアリの耳に届いてきたのは、肉の塊と化したコボルドが崩れ落ちるドサリという音だった。
狙った敵は倒したが、コボルドはまだ他に存在する。魔導機械に付着した血を払いながら、小さく肩を竦めるメアリ。
「ああ……群れてるとかったりぃなあ……つか空気読んでさっさと倒されろコボルド共」
■
カレンを狙おうと接近したコボルドの一体が、仕掛けられていた地縛符による不可視の結界に足を捕らえられる。
「そこでトラップカード発動……通せんぼです」
動けなくなったコボルドを見ていた他の個体が、さすがにカレンへ直進せずに迂回する。
すでに三体が倒され、秋桜の地縛符で一体が移動不能に追い込まれた。左右に出現したコボルドのうち、最後の一体はメアリとの距離を詰めている。
最短ルートでのカレンへの侵攻は防ぎ、状況はハンター側優勢となりつつあるが、秋桜は気を緩めずに次なる一手の準備に入る。
■
一方で通常種が雑魚としか思えないようなガタイの良いコボルド二体は、先に向かった源一郎が一人で引き受けていた。
「図体は大きくなっているようだが、頭はどうなのだ?」
好戦的なコボルドが、姿を現した源一郎に攻撃を仕掛ける。
悲鳴を上げるような空気の音を耳にしながら、必要最小限の足運びで源一郎は鋭い爪を回避する。過行く時間がじわじわと視界を暗くしていくが、まだ回避行動に影響が出るほどでもない。
回避されたコボルド二体は忌々しそうに吠えたあと、ハンターに護られているカレンを見る。
今にもそちらへ走り出しかねない二体へ、源一郎は殺気を込めた言葉をぶつける。
「よそ見をしたければ好きにしろ。背中を切る事に躊躇いはないぞ」
人間の言葉は理解できずとも、強い敵意は感じ取る。ぬらついた唾液を牙に滴らせるコボルドは、狙いを完全に源一郎へ定めた。
■
「こっちに来るとはいい度胸じゃん。コボルドの鈍足じゃ、近寄ることも出来ないってのにな」
嘲笑うメアリに噛みついてやろうとするコボルドを、離れたところから弾丸が襲う。
照準を合わせていたJ・Dのハウンドバレットだ。
「呆気なかろうが油断をするつもりはねェ。この場にゃァ、俺がいるんだ。自由に動けるたァ、思わねェこった」
J・Dの台詞を聞き終わらないうちに、胴体に風穴を開けられたコボルドは命の灯を失っていた。
■
泥状に固まった足元から抜け出せないコボルドに、槍を構えたユウキが突進する。
「お前はオレが相手をしてやる。これでもくらいなっ!」
強打によって威力を高められた槍が、コボルドの頭部を貫通する。
絶命の一撃なのは明らかで、槍を引き抜くとユウキはすぐに足元のソウルウルフへ声をかける。
「他に敵はいない!? どこからか接近してきてるようなら、唸り声で合図をよろしくね!」
元気な返事を一吠え返した相棒を満足そうに見つめてから、ユウキは空の様子を確認する。
「暗くなってきたね。これならLEDライトで目眩ましって戦法も悪くないかもね。完全に夜になるのを待った方が効果は高いんだろうけど」
■
「弱そうなコボルドさんはこれで最後じゃのう。間垣さんの援護も必要じゃて、殴ってぶっ飛ばさせてもらうでよ」
細めている目に力が宿る。婆の拳は無慈悲にコボルドの脚を抉り、これで雑魚六体はすべて倒された。残っているのは強そうなのが二体である。
まだ安心はできないかもしれないが、護衛すべきカレンのとりあえずの安全は確保できた。
婆だけでなく他の面々も、単独で敵の足止めを担当している源一郎のもとへ急ぐ。
●二体の強コボルド戦
仕掛けたのは秋桜。五色光符陣で二体のコボルドをまとめて狙う。
「ジュゲームリリカルクルクルマジカル……ルンルン忍法五星花! 煌めけ星の花弁。そして世界を照らせ」
薄暗くなってきた草原を照らす光が、符で作った結界内のコボルドを焼く。
回避どころか受け身すら許さない一撃を胴に食らい、一体が苦悶に蹲る。
しかしもう一体はすんでのところで飛びずさって難を逃れた。
「一体にかわされちゃいました。ちょっと失敗なのです」
「十分だ。支援感謝する。追撃をかける」
ほんの少しだけ唇を尖らせていた秋桜に礼を告げ、源一郎は光で目を眩ませている敵を連撃で切り捨てる。
「……辿るべき償いの途上という点は同じでも、背負うべき物の意味も、未来の道筋も異なる。だが俺は依頼を請け負った。邪魔するなら、この場で朽ちて消えろ」
遺体を見下ろす源一郎だが、その背後から秋桜の五色光符陣を避けていたコボルドが迫る。
回避を許さない会心の爪が胴に刺さるも、すぐに離れて源一郎は深手を負うのを避けた。
「……ここは俺の死に場所ではない」
小さく呟き、改めて最後の生き残りと対峙する源一郎。
攻防が小休止したその瞬間、脇をすり抜けるようにして、メアリがエレクトリックショックをコボルドへ打ち込む。
「援護に来たぜ。こいつで痺れちまいな!」
命中した一撃が、コボルドの顔を苦痛に歪ませる。だが倒すには至らない。
「随分と頑丈じゃねえか。それとも機械の体だったりすんのか? だったらばらっばらに分解させてくれよ!」
「元気一杯じゃのう。婆も若い者には負けておれんわい。ふぇっふぇっ、夕食前にもう少し運動をしとくかのう」
だがなんとか薄目を開けたコボルドは攻撃を回避し、転がるようにしてその場から離れようとする。
「カレンさんを護りながらでも援護は出来る。せっかくだから、もう一回目ェ瞑っておけよ」
本来の視力を取り戻しつつあるコボルドの目に、ユウキがLEDライトの光を直撃させる。
動きの止まった敵は良い的だ。構えたJ・Dの銃が火を噴く。
「味方を手助けしやすいのも、銃の特徴だってなァ」
瀕死になり、よろめくコボルドへ秋桜がとどめの一発をお見舞いする。
「一体しかいないけど……ジュゲームリリカル……ルンルン忍法三雷神の術! めがね、うくれれ、おいーっす、もう一ちょいってみようなのです」
頭部に直撃した風雷陣が最後のコボルドを倒し、草原の安全は確保された。
●無事到着
なんとか目的地に着き、ハンターは食堂でお礼をしたいというカレンと一緒に少しばかり遅くなった夕食をとっていた。
食事も一段落したところで、J・Dは正面に座っているカレンに話しかける。
「理解っちゃいるたァ思うが、お嬢ちゃん。何かをやりてえなら、まずァ、手前の身の安全が第一だ。人助けをやるにせよ、恩人の名誉を挽回するにせよ、くたばっちまっちゃァ何にもならねえ。精々、命は大事にするンだぜ」
「はい。色々とありがとうございました」
丁寧に頭を下げたカレンは、道中で贖罪後について尋ねてきた源一郎を真っ直ぐに見た。
「謝罪の旅を終えたら、今度は夢を掴むために頑張ります」
「……そうか。望むままに生きればいい」
「はいっ」
他のハンターも口々にカレンを激励する。
「護り切れてよかったよ。これからも頑張ってね」
「カレンさんも息災でのう」
にこやかな笑顔のユウキと、穏やかに微笑む婆。
「お元気で……」
無表情で言いつつも心中では、人間なるよーにしかなんねーから大丈夫だろと笑うメアリ。
さらには秋桜もウインクしてポーズを決める。
「ルンルン忍法で今回も依頼達成! カレンさんもお疲れ様でした!」
外は夜。食堂を出れば真っ暗だ。
けれど依頼人の少女を守り切ったハンターたちの表情は、一様に晴れやかだった。
金色に染まる草木が揺れる。
隊列を組むように歩く一行。護衛対象となるカレンの前にいるユウキ(ka5861)が、腰の後ろで手を組んでくるりと小柄な体を振り向かせた。
「ボクがカレンさんの前にいるからには大丈夫。絶対護ってみせるよ」
同じようにそばを歩いているJ・D(ka3351)も会話に参加する。
「にしても女一人で行商たァ、随分と危なっかしい真似をやりやがる。他に安全な稼ぎなら幾らでもあるだろうによ」
微笑むカレンが事情を説明する。
黙って聞いていたJ・Dは帽子のつばを持ち、飛び込んでこようとする夕陽からサングラス越しの両目を隠しながら言葉を返す。
「成程。恩人の罪滅ぼしの為ってかい。そいつァ健気なモンだ。……だが、どちらにしたって危なっかしい事に変わりはねえな」
「わかってはいるんですけど……」
そう言ってカレンがふと目を向けたのは、門垣 源一郎(ka6320)だった。
少女の何やら問いたげな視線を感じた源一郎は、目だけを動かす。
「どうこう言うつもりはない。しかし、つまらない死に方だけはしたくないな」
贖罪という単語に思うところがないわけではないが、自分からそこに触れようとは思わない。その代わりではないが、源一郎は生じた疑問を少女の前に並べてみる。
「その贖罪に終わりはあるのか? 終わったらどうする?」
「商会を作りたいです! お金よりもお客さんを優先するような……」
照れ臭そうにするカレンの肩に、J・Dが優しく手を乗せる。
「だったらお嬢ちゃん。悪ィ事ァ言わねえ。金が貯まったら馬でも買いな。荷運びにもそうだが、いざって時の逃げ足は速ェ方がいいぜ」
――と、ここで先頭を歩いていた婆(ka6451)が足の動きを止めた。周囲からゾロゾロとコボルドが現れ出したのである。美しかった黄金色の風景が途端に不気味さを漂わせる。
「ゾロゾロゾロゾロ、よう出てきよるのう。コボルドちゅうたか。ちょいとどいてくれんかの」
人の良さそうな老婆だった婆の雰囲気が変わっていく。寄る年波には勝てないとはいえ、若かりし頃から鍛えてきた拳は未だ健在である。
「群れてくる敵は本当に厄介ですね……殲滅いたします」
メアリ・ロイド(ka6633)が表情を変えずに淡々と呟く。冷静沈着にしか見えない彼女だが、その心の内は実に感情豊かであった。
――なんでこんなに出てくんだよ。一列に並んで順番にこっち来てくんねーかな。
そんなふうに思ってるなど、コボルドはおろか仲間のハンターも知らないのである。
「ルンルン忍法とカードの力を駆使して、カレンさんを護衛し、凶暴なコボルド達を殲滅しちゃいます!」
群れで現れたコボルドを指差し、豊かな胸を反らしてポーズを決めたのはルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)だ。
「カレンさんを安全に目的地へ届けるのは当たり前だけど、近隣住民やここを通るみんなの安全の為にも、放ってなんておけないもの!」
見晴らしがさほど悪くないとはいえ、時刻は夜に近づきつつあり、木々も周囲に存在する。
草原を満たす草の微かな動きで、一行との距離を詰めるコボルドをユウキが発見する。
「覚悟しろ! お前らは逃げも隠れも出来ねーんだよ!」
カレンや仲間のハンターには明るく接するユウキだが、敵であるコボルドに親しく接する必要はない。威圧感を与える言葉遣いで強く牽制する。
左右から一行を窺うコボルド。だが問題はそちらよりも、前方奥にいる二体だ。通常種より一回り大きく、心なしか牙や爪も鋭く見える。
一般人であれば遭遇した瞬間に腰を抜かしていてもおかしくはないが、そこは歴戦のハンター。とりわけ婆は該当の二体を見て僅かに口角を歪めた。
「前のコボルドさんはほんに強そうじゃのう。殴りがいがありそうじゃて。嬉しいのう。嬉しいのう」
夕日が大地に沈めば完全な夜がやってくる。今宵は新月で闇も深い。そうなる前に婆は頭にLEDライトをつける。
背後にいるカレンからの視線を感じると、婆は彼女を見て得意げに説明する。
「これで前もよう見えるきに。なんぞ若い子に教えてもろうてなあ。お洒落さんじゃろ」
肯定する少女に気を良くし、改めて婆は一行を取り囲むように近づいてくるコボルド達を見やるのだった。
●コボルド遭遇戦
「……敵は何体だ? 更に集まってくる可能性もある。手早く片付けるか……」
呟きを風に乗せている間に、源一郎は闇が侵食し始めつつある周囲へ視線を飛ばす。
左右のコボルドは従来のと同じそうだと理解すると、そちらを仲間に任せて進行方向に立ち塞がる強そうなコボルドをターゲットに決めた。
遠ざかる源一郎の背中を見送りつつ、秋桜は不安そうなカレンに親指を立ててみせる。
「安心してくださいカレンさん、私達が指一本触れさせません……ジュゲームリリカル、ルンルン忍法土蜘蛛の術! カードを場に伏せてターンエンドです!」
一行から見て左側に秋桜が地縛符を仕掛ける。これにより護衛対象の少女が一斉に囲まれるのは防げる。
ユウキはカレンの前に立ち、両手で持つ穂先に沈みゆく夕陽の輝きを宿らせる。
「ボクから離れないでね。心配しなくていいよ。任せておいて」
同行中のソウルウルフとともに周囲を警戒するユウキ。
その背中はとても小さいはずなのに、護られているカレンにはとても大きく感じられるのが不思議だった。
「こちとらの後ろに隠れておきな、お嬢ちゃん。当たったら痛ェぜ」
薄く笑ったJ・Dが、装備している愛銃からハウンドバレットで右前方のコボルドを狙う。
腕と胴を貫いた弾丸はクリティカルなダメージを与え、コボルドを大地の養分へと変える。
敵の絶命をサングラス越しの肉眼で確認してから、J・Dはちらりとカレンを見る。
「どうだ。剣や弓と違って、銃ってやつァ、引き金さえ引けりゃァ誰が撃っても威力は同じだ。お嬢ちゃんみてえな非力なのがいざって時の頼りにするにゃァ、これより向いたのは中々他にねえ」
身を守る武器の選定が大切だというのは、少女自身も重々承知しているみたいだった。真剣な眼差しをJ・Dの銃へ注いだまま、小さくではあるが何度も顔を縦に往復させていた。
■
カレンを護衛しながらの戦闘が展開されていく中、婆は左前方のコボルドを視界に捉えていた。
「さあて、弱そうなコボルドさんをどうにかするんじゃったかのう。そんなら先ずは近づいて、ガツンと殴りつけるでな」
間合いを無視するようにずんずん歩き、婆、殴る。
人の良さそうな笑顔から繰り出された凶悪な一撃は、易々とコボルドの足を拉げさせる。
会心の拳に悶絶するコボルドは、程なくして現世に別れを告げた。
「こんなとこかのう。そうじゃそうじゃ、間垣さんの様子も気にしておかんとのう。強そうなコボルドが抜けてきたら最優先で対応じゃ。カレンさんの方にゃあ近づけさせんわい」
■
コボルドの一体を屠った婆とは反対方向の敵に、覚醒したメアリが迫る。
すべてが一つになったカチッという幻聴が、メアリの中で確かな引き金となる。
意志を持つかのように蠢く金髪をたなびかせるメアリの顔から、冷静沈着の仮面が剥がれ落ちる。
「幼気な女子狙ってきやがるコボルドどもは~抹殺・瞬殺・滅殺~♪」
心の声がそのまま彼女の口調となり、繰り出した渾身の機導剣が敵の腕を斬り落とす。
舞い散る血飛沫を嫌うように背を向けたメアリの耳に届いてきたのは、肉の塊と化したコボルドが崩れ落ちるドサリという音だった。
狙った敵は倒したが、コボルドはまだ他に存在する。魔導機械に付着した血を払いながら、小さく肩を竦めるメアリ。
「ああ……群れてるとかったりぃなあ……つか空気読んでさっさと倒されろコボルド共」
■
カレンを狙おうと接近したコボルドの一体が、仕掛けられていた地縛符による不可視の結界に足を捕らえられる。
「そこでトラップカード発動……通せんぼです」
動けなくなったコボルドを見ていた他の個体が、さすがにカレンへ直進せずに迂回する。
すでに三体が倒され、秋桜の地縛符で一体が移動不能に追い込まれた。左右に出現したコボルドのうち、最後の一体はメアリとの距離を詰めている。
最短ルートでのカレンへの侵攻は防ぎ、状況はハンター側優勢となりつつあるが、秋桜は気を緩めずに次なる一手の準備に入る。
■
一方で通常種が雑魚としか思えないようなガタイの良いコボルド二体は、先に向かった源一郎が一人で引き受けていた。
「図体は大きくなっているようだが、頭はどうなのだ?」
好戦的なコボルドが、姿を現した源一郎に攻撃を仕掛ける。
悲鳴を上げるような空気の音を耳にしながら、必要最小限の足運びで源一郎は鋭い爪を回避する。過行く時間がじわじわと視界を暗くしていくが、まだ回避行動に影響が出るほどでもない。
回避されたコボルド二体は忌々しそうに吠えたあと、ハンターに護られているカレンを見る。
今にもそちらへ走り出しかねない二体へ、源一郎は殺気を込めた言葉をぶつける。
「よそ見をしたければ好きにしろ。背中を切る事に躊躇いはないぞ」
人間の言葉は理解できずとも、強い敵意は感じ取る。ぬらついた唾液を牙に滴らせるコボルドは、狙いを完全に源一郎へ定めた。
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「こっちに来るとはいい度胸じゃん。コボルドの鈍足じゃ、近寄ることも出来ないってのにな」
嘲笑うメアリに噛みついてやろうとするコボルドを、離れたところから弾丸が襲う。
照準を合わせていたJ・Dのハウンドバレットだ。
「呆気なかろうが油断をするつもりはねェ。この場にゃァ、俺がいるんだ。自由に動けるたァ、思わねェこった」
J・Dの台詞を聞き終わらないうちに、胴体に風穴を開けられたコボルドは命の灯を失っていた。
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泥状に固まった足元から抜け出せないコボルドに、槍を構えたユウキが突進する。
「お前はオレが相手をしてやる。これでもくらいなっ!」
強打によって威力を高められた槍が、コボルドの頭部を貫通する。
絶命の一撃なのは明らかで、槍を引き抜くとユウキはすぐに足元のソウルウルフへ声をかける。
「他に敵はいない!? どこからか接近してきてるようなら、唸り声で合図をよろしくね!」
元気な返事を一吠え返した相棒を満足そうに見つめてから、ユウキは空の様子を確認する。
「暗くなってきたね。これならLEDライトで目眩ましって戦法も悪くないかもね。完全に夜になるのを待った方が効果は高いんだろうけど」
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「弱そうなコボルドさんはこれで最後じゃのう。間垣さんの援護も必要じゃて、殴ってぶっ飛ばさせてもらうでよ」
細めている目に力が宿る。婆の拳は無慈悲にコボルドの脚を抉り、これで雑魚六体はすべて倒された。残っているのは強そうなのが二体である。
まだ安心はできないかもしれないが、護衛すべきカレンのとりあえずの安全は確保できた。
婆だけでなく他の面々も、単独で敵の足止めを担当している源一郎のもとへ急ぐ。
●二体の強コボルド戦
仕掛けたのは秋桜。五色光符陣で二体のコボルドをまとめて狙う。
「ジュゲームリリカルクルクルマジカル……ルンルン忍法五星花! 煌めけ星の花弁。そして世界を照らせ」
薄暗くなってきた草原を照らす光が、符で作った結界内のコボルドを焼く。
回避どころか受け身すら許さない一撃を胴に食らい、一体が苦悶に蹲る。
しかしもう一体はすんでのところで飛びずさって難を逃れた。
「一体にかわされちゃいました。ちょっと失敗なのです」
「十分だ。支援感謝する。追撃をかける」
ほんの少しだけ唇を尖らせていた秋桜に礼を告げ、源一郎は光で目を眩ませている敵を連撃で切り捨てる。
「……辿るべき償いの途上という点は同じでも、背負うべき物の意味も、未来の道筋も異なる。だが俺は依頼を請け負った。邪魔するなら、この場で朽ちて消えろ」
遺体を見下ろす源一郎だが、その背後から秋桜の五色光符陣を避けていたコボルドが迫る。
回避を許さない会心の爪が胴に刺さるも、すぐに離れて源一郎は深手を負うのを避けた。
「……ここは俺の死に場所ではない」
小さく呟き、改めて最後の生き残りと対峙する源一郎。
攻防が小休止したその瞬間、脇をすり抜けるようにして、メアリがエレクトリックショックをコボルドへ打ち込む。
「援護に来たぜ。こいつで痺れちまいな!」
命中した一撃が、コボルドの顔を苦痛に歪ませる。だが倒すには至らない。
「随分と頑丈じゃねえか。それとも機械の体だったりすんのか? だったらばらっばらに分解させてくれよ!」
「元気一杯じゃのう。婆も若い者には負けておれんわい。ふぇっふぇっ、夕食前にもう少し運動をしとくかのう」
だがなんとか薄目を開けたコボルドは攻撃を回避し、転がるようにしてその場から離れようとする。
「カレンさんを護りながらでも援護は出来る。せっかくだから、もう一回目ェ瞑っておけよ」
本来の視力を取り戻しつつあるコボルドの目に、ユウキがLEDライトの光を直撃させる。
動きの止まった敵は良い的だ。構えたJ・Dの銃が火を噴く。
「味方を手助けしやすいのも、銃の特徴だってなァ」
瀕死になり、よろめくコボルドへ秋桜がとどめの一発をお見舞いする。
「一体しかいないけど……ジュゲームリリカル……ルンルン忍法三雷神の術! めがね、うくれれ、おいーっす、もう一ちょいってみようなのです」
頭部に直撃した風雷陣が最後のコボルドを倒し、草原の安全は確保された。
●無事到着
なんとか目的地に着き、ハンターは食堂でお礼をしたいというカレンと一緒に少しばかり遅くなった夕食をとっていた。
食事も一段落したところで、J・Dは正面に座っているカレンに話しかける。
「理解っちゃいるたァ思うが、お嬢ちゃん。何かをやりてえなら、まずァ、手前の身の安全が第一だ。人助けをやるにせよ、恩人の名誉を挽回するにせよ、くたばっちまっちゃァ何にもならねえ。精々、命は大事にするンだぜ」
「はい。色々とありがとうございました」
丁寧に頭を下げたカレンは、道中で贖罪後について尋ねてきた源一郎を真っ直ぐに見た。
「謝罪の旅を終えたら、今度は夢を掴むために頑張ります」
「……そうか。望むままに生きればいい」
「はいっ」
他のハンターも口々にカレンを激励する。
「護り切れてよかったよ。これからも頑張ってね」
「カレンさんも息災でのう」
にこやかな笑顔のユウキと、穏やかに微笑む婆。
「お元気で……」
無表情で言いつつも心中では、人間なるよーにしかなんねーから大丈夫だろと笑うメアリ。
さらには秋桜もウインクしてポーズを決める。
「ルンルン忍法で今回も依頼達成! カレンさんもお疲れ様でした!」
外は夜。食堂を出れば真っ暗だ。
けれど依頼人の少女を守り切ったハンターたちの表情は、一様に晴れやかだった。
依頼結果
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依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 J・D(ka3351) エルフ|26才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2017/02/09 02:22:33 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/02/06 22:10:51 |