ゲスト
(ka0000)
【AP】焔ちゃんとお花見温泉
マスター:とりる

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/04/05 09:00
- 完成日
- 2017/04/29 15:26
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
辺境某所。焔の隠れ里――。
里周囲の木々は芽吹き、花咲き、彩りの春を迎えていた。
「皆、花見をするぞ!」
村の屋敷にて。牙城・焔(kz0191)が開口一番その様に言った。
それを聞いた部下の三名、白川・桜、菊池・緑、球磨・遥は――
「「「いいですね! そうしましょう!!」」」
と、三人仲良く声を揃えた。
「うむ!」
焔も満足気に胸を張る。
「裏山の桜は今が満開の見ごろだからな。……それにただの花見ではないぞ?」
焔は少し含んだ言い方。それに真っ先に反応したのは春らしい名前の、焔の側近である桜。
「あそこでの花見ですね、焔様?」
「うむ! あそこだ! あそこで花見を行う!」
「ああ、あそこですか。流石は焔様、良いことを思いつきますね♪」
「あそこ――裏山の山頂付近の秘湯……つまりは温泉に浸かりながら花見をするのですね。素晴らしい案です!」
声を上げる焔に、緑と遥はうんうんと頷く。そしてにっこり笑顔。
「さて……花見温泉……我らだけで楽しむのは勿体無いというもの。そこでだ、ハンター達を招待しようと思うのだが、どうだろうか?」
焔が部下三名に意見を募ると、
「とてもよろしいかと♪」
「大賛成です!」
「反対する理由がありませんねv」
満場一致であった。
「うむ! 流石我の部下たち。やはり人数が多いほうが楽しいからな」
焔は嬉しそうに笑みを浮かべる。
「……では、我は招待状を書くとしよう。お前達三人は準備――三色団子を沢山作ってはくれぬか。それと酒も用意したい」
「「「了解です!!」」」
部下三名はビシッと敬礼。
「うむ! それでは頼んだぞ! ハンター達との花見温泉……実に楽しみだ♪」
里周囲の木々は芽吹き、花咲き、彩りの春を迎えていた。
「皆、花見をするぞ!」
村の屋敷にて。牙城・焔(kz0191)が開口一番その様に言った。
それを聞いた部下の三名、白川・桜、菊池・緑、球磨・遥は――
「「「いいですね! そうしましょう!!」」」
と、三人仲良く声を揃えた。
「うむ!」
焔も満足気に胸を張る。
「裏山の桜は今が満開の見ごろだからな。……それにただの花見ではないぞ?」
焔は少し含んだ言い方。それに真っ先に反応したのは春らしい名前の、焔の側近である桜。
「あそこでの花見ですね、焔様?」
「うむ! あそこだ! あそこで花見を行う!」
「ああ、あそこですか。流石は焔様、良いことを思いつきますね♪」
「あそこ――裏山の山頂付近の秘湯……つまりは温泉に浸かりながら花見をするのですね。素晴らしい案です!」
声を上げる焔に、緑と遥はうんうんと頷く。そしてにっこり笑顔。
「さて……花見温泉……我らだけで楽しむのは勿体無いというもの。そこでだ、ハンター達を招待しようと思うのだが、どうだろうか?」
焔が部下三名に意見を募ると、
「とてもよろしいかと♪」
「大賛成です!」
「反対する理由がありませんねv」
満場一致であった。
「うむ! 流石我の部下たち。やはり人数が多いほうが楽しいからな」
焔は嬉しそうに笑みを浮かべる。
「……では、我は招待状を書くとしよう。お前達三人は準備――三色団子を沢山作ってはくれぬか。それと酒も用意したい」
「「「了解です!!」」」
部下三名はビシッと敬礼。
「うむ! それでは頼んだぞ! ハンター達との花見温泉……実に楽しみだ♪」
リプレイ本文
●夢のお話
招待を受け、牙城・焔(kz0191)達の隠れ里にやって来たハンター達は早速里を出発。
焔達と共に裏山の温泉へと談笑しながら軽い登山をし、暫くして硫黄の臭いが漂い……天然の露天風呂に到着。
着替える前に一息つき、改めて挨拶をする。
「招待感謝。しかし、温泉に誘うにしても女性が男を誘うのは気を付けた方が良いぞ? 勘違いされるかもしれないからな」
と、焔達へ注意というか大人の助言をするのは龍崎・カズマ(ka0178)。
「ふむ……そういう物なのか」
焔はうむむと唸る。
「大丈夫です。焔様に悪い虫が付かないように私がきちんと見張っておりますから」と微笑むのは焔の部下筆頭である白川・桜。
「お花見に温泉……これは早々ない好条件っ! 温泉好きな自分としては見逃せませんね」
米本 剛(ka0320)はにこにこ笑顔。数種の酒も持参し、テンションが上がっている様だ。
「温泉を満喫しつつお酒を楽しむ……位しか考えていませんが、兎も角ゆったりのんびり疲れが取れれば良いですな」
「よ~、来たぜぇ焔。この前ちょーっと怪我しちまったからな。湯治にゃ丁度いいぜ」
身体の数か所に包帯を巻いたボルディア・コンフラムス(ka0796)が焔に挨拶。
「ボルディア殿は怪我をしていたのだったな。山道を歩かせて悪かった」
「なぁにこれ位は全然へっちゃらだぜ」と、ボルディアは笑い、焔の肩に腕を回してスキンシップ。
焔は「元気そうで何よりだ」と少し苦笑。
「おぉ、温泉とは聞いてたがマジで自然の温泉かよ! やるじゃねえか!」
目の前に広がる天然の露天風呂を見、ボルディアもテンションが上がる。
「しっかしこんな山ン中に天然の温泉があるとはな~。いいトコ住んでるよな、お前等」
「そうだな。この山の近くに里を構えたのはこの温泉があったという事もある」と焔が説明した。
少女と見紛う美少年、時音 ざくろ(ka1250)は――
「ざくろ、温泉も桜も大好きだもん、ゆっくり温泉に浸かって春を満喫出来たらいいなっ」
露天風呂の周りに咲き乱れる満開の桜に、にっこり笑顔。
「ざくろ、冒険中にいつ温泉見つけてもいい様に、お風呂セットはしっかり用意してるんだよね」
そんな訳で今回も持参。
「今日はお誘いありがとう、ざくろ、桜も温泉も大好きだから、凄く楽しみで」
焔達にぺこりとお辞儀してお礼を言う。
桜花爛漫に、漂う湯気・硫黄の香り……温泉の水面に浮かぶ桜の花びら……絶景に目を細めていたざくろだったがふと気づく。
この露天風呂、仕切りが無かった。
「こっ、混浴なの? ……いや、あの、その、ざっ、ざくろ男! 男だからっ!」
「あら今更ですか? お気になさらず。皆タオルを巻きますし」
急にわたわたし始めたざくろを宥めるのは焔の部下、ふんわりなお姉さんの菊池・緑であった。
「素敵なお誘いをありがとう」
桜色の綺麗な髪をした和装の少女、雪継・紅葉(ka5188)もぺこりとお辞儀をしてお礼を言う。
「温泉……お花見……。ゆっくり、ぽかぽか。もう、春だものね。楽しめるといい、な」
紅葉はこくこくと頷きながら水筒を取り出した。
これには紅葉が看板娘をやっている喫茶店で出しているグレープフルーツのフレーバーティー(緑茶)を冷やして入れてきたのだ。
「暑い夏とかにぴったりの物だからね。温泉でも心地よく飲める筈、だよ。ご自由にどうぞ」
「温泉で花見、風流でいいね♪ 惹かれてきちゃったんだよ♪」
狐中・小鳥(ka5484)は温泉という言葉に惹かれて招待を受けた次第。花より団子ならぬ温泉だ。
「焔さん、今回は招待ありがとうだよ♪ あ、これお土産という事で、皆で食べるんだよー♪」
そして焔達に挨拶しつつ、持参した桜餅を手渡す。
さて、挨拶も済んだ所で男女の仕切りがある簡易的な脱衣場で全員がタオルに着替え、いざ! 温泉へ!
湯船に入る前には皆ちゃんと掛け湯で身体を流します。
●花見温泉 前半
カズマはお湯に浸かりつつ、まずは皆の様子を見る――。
(さて、何事もない様に多少注意を向けた方が良いのかね)
何せこの満開の桜の上に温泉だ。露天風呂という事もあり気分が高揚しあんなことやこんなことになる可能性がある。
(遊ぶのはいいが、何か起きないとも限らん。男性陣への風評被害や実害は兎も角として、女性陣に何かない様にしないとな)
女性陣を気に掛けるカズマ。なんという常識人。
(混浴? 世の中ヌーディストビーチまで存在するご時世よ?)
彼は特に混浴は意識しないらしい……らしい……。ちなみにヌーディストビーチはリアルブルーの話だと思うが。
(幾ら魅力的な異性でもタオルで隠しているならそこまで気にならんだろう。彼女らだって見た目的にもまだ少女って年代だ)
とは言え、女性陣にはそれぞれの魅力があり、焔を初めとする里の四名は力仕事担当の球磨・遥以外、着物を脱げば透き通る様な白い肌をしていた。
遥はやや日焼けをした肌で、胸まで巻いたタオルの上からでも判る鍛えられた肉体美且つ、女性らしい身体のラインも維持している。
「…………」
気にはならないとは言っても自然と目が行ってしまうのは仕方のない話だ。
「桜を見つつ甘い酒で良い気分……まさに夢見心地ですな」
米本は早速持参した黒塗りの杯にこれまた持参した酒を注ぎ、温泉に入り桜を眺めつつちびちびとやる。
「今回は八人(?)が女性、ほぼ女子会みたいなものですし自分は端っこでのんびりお花見と温泉が楽しめれば万々歳です」
女性八人……どうやら米本の中ではざくろも女性に入っているらしい。
彼は言葉の通り、露天風呂のすみっこで咲き誇る桜に目をやりながら酒を煽った。
温泉に桜に美酒(+女性陣)、この好条件……最高の気分である。
「あ~…極楽極楽。焔ァ、こんないいトコに招待してくれてありがとよ!」
「礼には及ばん。ハンター達には日頃から世話になっているからな。そのお返しだ」
ボルディアと焔は並んでお湯に浸かっていた。ボルディアは酒をちびちびとやっている。
「団子や花もいいが、俺はやっぱり酒だなぁ。花より団子より酒ってな」
ボルディア的には温泉での酒が一番の癒しの様だ。
「所でよ、この温泉ってなんか効能とかねぇのか? 例えば何か病気に良いとか美肌効果とかよ、色々あるだろ」
「そうだな、効能は肩こり・腰痛、切り傷・擦り傷、火傷……等々だ。勿論美肌効果もあるぞ」
「おぉ、益々羨ましいぜ。とりあえず怪我の治りは早くなりそうだな」
ざくろは――思春期の盛りだけあって女性陣の裸(タオルは巻いています)を過敏に意識してしまっていた。
特に里の四名はスタイルが良く、肌も綺麗で……ざくろには目の毒であった。どうしても視線が行ってしまう。
ざくろはこれではいけないと、顔を火照らせつつベビー火蜥蜴をぎゅーっと抱いてお湯に浸かりながら団子をぱくぱく。
「この三色団子美味しいね……誰が作ったの?」
「それは私達、焔様の部下三人ですね」
「わわっ!?」
いつの間にか隣に緑が居た。緑は里の四名の中でも豊満で……丸みを帯び、一番女性らしい身体つきをしている。
それを間近で見たざくろの顏はまた一段階赤くなる。
「最近、ゆったりする時間がなかったから、こういう温泉やお花見は素直に嬉しいの」
紅葉は温泉に浸かってゆったりまったり。ちなみにタオルは鉄壁の如くがっきょん☆ と装備している。
「桜の花も、もう見頃。一面に咲くさまが鮮やかで、今の時期の贅沢だね。温泉も同様。まだまだ寒いもの。同時なのは欲張りさん、かな」
満開の桜を目で楽しみながら温泉のお湯で温まる……まさに贅沢。紅葉はくすくすと笑った。
「わぁ、これは凄くいい温泉なんだよ。花も満開で良い感じ♪」
小さめのタオルを巻いた小鳥はまず温泉に肩まで浸かってじっくり温まる。
「はふぅ、気持ちいい……。ん、温まった所で皆で乾杯、かな? 私はお酒飲めないからジュースだけどっ」
身体が火照ってきたら、一旦上がって露天風呂の縁に座り、お花見しつつ冷えた果物ジュースをぐびぐび。
「ん、この三色団子、とっても美味しいんだよ! 後で作り方を教えて貰わないとかな? かな?」
「そう言って貰えると嬉しいわね。貴女の桜餅もすごく美味しいわよ」
小鳥の褒め言葉に遥がにっこり笑って答える。
●花見温泉 後半
カズマは――特に問題は無いと判断し、湯に盆を浮かべて酒とつまみのナッツを準備して本格的に温泉と花見を楽しむ事に。
「つまみは塩にしたかったが、流石に温泉の湯気で固まりそうだしな」
ナッツをぽりぽりと齧りながら、持参した酒をちびちび。
「湯に浸かりながらのんびり花見。いいね。盃も良いものが手に入った事だしな。この環境に満足するとしようか」
周りがはしゃぎ過ぎないか警戒していたが……身体をぐーっと延ばして力を抜いてみる。……日頃の疲れが抜けていく感じがした。
これは……良い物だ……。と、カズマは再び酒をちびちびやりながら桜と――無意識の内に女性陣、特に里の四名の肌を眺めるのだった。
すっかり良い気分になった米本。その隣へ白川・桜がやってくる。
「よろしければお酌しましょうか?」
「おお、これはこれは。よろしいですのですか? 是非お願いしたいですな」
「私達はおもてなしをする方ですので、お気になさらず」
白川・桜は微笑んで米本の杯に酒を注ぐ。
(美酒に美女……これもまた素晴らしい)
そんな事を心の中で呟く米本。普段は色事に関しては初心な彼だが今は酒が入って少しリミッター解除。
自然と視線が白川・桜の(タオルの巻かれた)露わになった肩から胸元へ行ってしまう。
白磁の様な滑らかな肌――。米本は思わずごくりと唾を飲む。
「あらあら、やはり殿方ですね」
うふふと笑う白川・桜。……思いっきりバレている! 米本はぼっと赤面したそうな。
「焔~、前にいい奴見つけろつったろ~、アレどうなったんだよ~」
ボルディアは……酒が回って絡み酒へ突入。また焔の肩に手を回して密着。
「アレとは、一体なんだ??」
「適当にはぐらかすヤツは、俺が直接彼氏ができるかどうか確かめてやる!」
酔ったボルディアは焔のお胸や何やらをまさぐる!!
「ボルディア殿!? 何を!? そこは……っ!」
「フムフム、なるほどなるほど。てっきり子ども体型だと思ったら意外と……。着物だと身体の線は分からないからな!」
ボルディアは焔の肉体の発育具合を自らの手で判定。
結果、スタイルが良いのはタオルの上からでも判ったが、お胸は外見年齢よりも大きく、お尻も同様。出る所はちゃんと出ていた。
……そんな風にどったんばったんしていると……焔のタオルが肌蹴る。
「ぶふー!?」
その瞬間を真正面から目撃してしまったざくろは吹き出し、慌てて背を向ける。
「ざっ、ざくろ、見てない、見てないからっ」
とか言いつつばっちり見てしまいました。
隣で小鳥がジト目で言う。
「ざくろさんのえっち」
「あははは~……あっちは大変みたいだね。あ、桜餅のお礼にざくろがジュースを注いであげるよ」
「誤魔化しましたね? まあ、今日は大目に見ましょう。じゃあお願いします」
木製のコップを差し出す小鳥。それにざくろは冷たい果物ジュースを注いであげた。
「んくんくんく。ぷは~美味しいです」
「温泉に入りながら飲むと格別だよね。もう一杯――」
と、ざくろが身を乗り出すと……湯の底につるっと滑って体勢を崩し、転びそうに。
「ざくろさん!」
それを咄嗟に受け止める小鳥。
「…………」
「…………」
――結果、小鳥のぺたんこなお胸にざくろが顔を突っ込む形になりました。
「はわわわわわ」
「きゃあああ!? ざくろさんのえっちぃぃぃ!!」
小鳥は悲鳴を上げ、バチーン! と平手打ち。ラッキースケベには代償が必要なのである。
「お酒~……花見酒は風流って話だけど、年齢が~……むむむ、仕方ない……」
そんな騒ぎの中、我関せずを決め込む紅葉。花見酒という物をやってみたかったが年齢的にアレなのでジュースで我慢。
カズマや米本を真似して、杯にジュースを注ぎ、ちびちび。
「うん、まあこれはこれで」
その後に何匹か連れてきたベビー火蜥蜴をぎゅーと抱っこする。
緑に「動物が好きなんですか?」と聞かれると、
「生き物? うん、基本的に好きだよ。植物だけじゃなく、昆虫とかも観察してるからね。見てて飽きないもの」
抱っこした後、紅葉はベビー火蜥蜴を頭の上に乗せる。
「女の子は普通しない? 大丈夫、問題ない」
***
他の皆が花見酒を楽しんでいる間にボルディアの絡み酒が悪化していた。
「我にその様な趣味は~!! 誰か~!!」
「ふへへ……いいじゃねぇか……その反応、可愛いぜぇ……」
これは流石に小鳥やカズマが止めに入る。
「はややややっ。ちょ、ちょっとはしゃぎすぎじゃないかなっ。折角の温泉なんだからゆったりするんだよー」
●お説教とか
「まともな成人とか、彼氏彼女持ちなら特に過剰に反応するべきものじゃない。不特定の相手に発情は流石に倫理的にも問題があると思うんだがな」
その様に諭すのはカズマ。
それを正座して聞いているのは冷えたミネラルウォーターで頭を冷却したボルディアと、ざくろ。
「ちとはしゃぎ過ぎちまったな。すまねぇ、焔」
「いやまあ我はそこまで気にしてはいないのだが……殿方の目もあるからな。程々にして貰えれば」
焔は苦笑。
「ごめん……小鳥、そんなつもりじゃなかったんだ」
「ざくろさんはそういう体質だと聞いていますから、ちゃんと謝ってくれたので『一応』許します」
「はううう……ありがとぉ」
ざくろは涙目で小鳥に縋り付きそうになったがハッとして我慢。
「いやはや青春ですな」
米本は酒を切り上げ、ゆったりと湯に浸かりながらほっこりとした笑顔でその光景を眺める。
***
「ん、もう夕方か。そろそろ里に戻らないとね」
言ったのは紅葉。今夜は焔の屋敷で一泊させて貰う予定である。
そんな訳で皆は湯から上がり、後片付けをして、乾いたタオルでしっかりと身体を拭き、元の服へ着替える。
「まだ春先は気温が低い、風邪を引くといけない」
カズマは下山の際、その様に女性陣を気に掛ける。
「うむ、気遣い感謝。先に下りた緑が夕餉を用意してくれている。今夜はごゆるりと過ごされよ」
笑顔で言う焔。
という訳で、花見温泉を満喫したハンター達であった。
招待を受け、牙城・焔(kz0191)達の隠れ里にやって来たハンター達は早速里を出発。
焔達と共に裏山の温泉へと談笑しながら軽い登山をし、暫くして硫黄の臭いが漂い……天然の露天風呂に到着。
着替える前に一息つき、改めて挨拶をする。
「招待感謝。しかし、温泉に誘うにしても女性が男を誘うのは気を付けた方が良いぞ? 勘違いされるかもしれないからな」
と、焔達へ注意というか大人の助言をするのは龍崎・カズマ(ka0178)。
「ふむ……そういう物なのか」
焔はうむむと唸る。
「大丈夫です。焔様に悪い虫が付かないように私がきちんと見張っておりますから」と微笑むのは焔の部下筆頭である白川・桜。
「お花見に温泉……これは早々ない好条件っ! 温泉好きな自分としては見逃せませんね」
米本 剛(ka0320)はにこにこ笑顔。数種の酒も持参し、テンションが上がっている様だ。
「温泉を満喫しつつお酒を楽しむ……位しか考えていませんが、兎も角ゆったりのんびり疲れが取れれば良いですな」
「よ~、来たぜぇ焔。この前ちょーっと怪我しちまったからな。湯治にゃ丁度いいぜ」
身体の数か所に包帯を巻いたボルディア・コンフラムス(ka0796)が焔に挨拶。
「ボルディア殿は怪我をしていたのだったな。山道を歩かせて悪かった」
「なぁにこれ位は全然へっちゃらだぜ」と、ボルディアは笑い、焔の肩に腕を回してスキンシップ。
焔は「元気そうで何よりだ」と少し苦笑。
「おぉ、温泉とは聞いてたがマジで自然の温泉かよ! やるじゃねえか!」
目の前に広がる天然の露天風呂を見、ボルディアもテンションが上がる。
「しっかしこんな山ン中に天然の温泉があるとはな~。いいトコ住んでるよな、お前等」
「そうだな。この山の近くに里を構えたのはこの温泉があったという事もある」と焔が説明した。
少女と見紛う美少年、時音 ざくろ(ka1250)は――
「ざくろ、温泉も桜も大好きだもん、ゆっくり温泉に浸かって春を満喫出来たらいいなっ」
露天風呂の周りに咲き乱れる満開の桜に、にっこり笑顔。
「ざくろ、冒険中にいつ温泉見つけてもいい様に、お風呂セットはしっかり用意してるんだよね」
そんな訳で今回も持参。
「今日はお誘いありがとう、ざくろ、桜も温泉も大好きだから、凄く楽しみで」
焔達にぺこりとお辞儀してお礼を言う。
桜花爛漫に、漂う湯気・硫黄の香り……温泉の水面に浮かぶ桜の花びら……絶景に目を細めていたざくろだったがふと気づく。
この露天風呂、仕切りが無かった。
「こっ、混浴なの? ……いや、あの、その、ざっ、ざくろ男! 男だからっ!」
「あら今更ですか? お気になさらず。皆タオルを巻きますし」
急にわたわたし始めたざくろを宥めるのは焔の部下、ふんわりなお姉さんの菊池・緑であった。
「素敵なお誘いをありがとう」
桜色の綺麗な髪をした和装の少女、雪継・紅葉(ka5188)もぺこりとお辞儀をしてお礼を言う。
「温泉……お花見……。ゆっくり、ぽかぽか。もう、春だものね。楽しめるといい、な」
紅葉はこくこくと頷きながら水筒を取り出した。
これには紅葉が看板娘をやっている喫茶店で出しているグレープフルーツのフレーバーティー(緑茶)を冷やして入れてきたのだ。
「暑い夏とかにぴったりの物だからね。温泉でも心地よく飲める筈、だよ。ご自由にどうぞ」
「温泉で花見、風流でいいね♪ 惹かれてきちゃったんだよ♪」
狐中・小鳥(ka5484)は温泉という言葉に惹かれて招待を受けた次第。花より団子ならぬ温泉だ。
「焔さん、今回は招待ありがとうだよ♪ あ、これお土産という事で、皆で食べるんだよー♪」
そして焔達に挨拶しつつ、持参した桜餅を手渡す。
さて、挨拶も済んだ所で男女の仕切りがある簡易的な脱衣場で全員がタオルに着替え、いざ! 温泉へ!
湯船に入る前には皆ちゃんと掛け湯で身体を流します。
●花見温泉 前半
カズマはお湯に浸かりつつ、まずは皆の様子を見る――。
(さて、何事もない様に多少注意を向けた方が良いのかね)
何せこの満開の桜の上に温泉だ。露天風呂という事もあり気分が高揚しあんなことやこんなことになる可能性がある。
(遊ぶのはいいが、何か起きないとも限らん。男性陣への風評被害や実害は兎も角として、女性陣に何かない様にしないとな)
女性陣を気に掛けるカズマ。なんという常識人。
(混浴? 世の中ヌーディストビーチまで存在するご時世よ?)
彼は特に混浴は意識しないらしい……らしい……。ちなみにヌーディストビーチはリアルブルーの話だと思うが。
(幾ら魅力的な異性でもタオルで隠しているならそこまで気にならんだろう。彼女らだって見た目的にもまだ少女って年代だ)
とは言え、女性陣にはそれぞれの魅力があり、焔を初めとする里の四名は力仕事担当の球磨・遥以外、着物を脱げば透き通る様な白い肌をしていた。
遥はやや日焼けをした肌で、胸まで巻いたタオルの上からでも判る鍛えられた肉体美且つ、女性らしい身体のラインも維持している。
「…………」
気にはならないとは言っても自然と目が行ってしまうのは仕方のない話だ。
「桜を見つつ甘い酒で良い気分……まさに夢見心地ですな」
米本は早速持参した黒塗りの杯にこれまた持参した酒を注ぎ、温泉に入り桜を眺めつつちびちびとやる。
「今回は八人(?)が女性、ほぼ女子会みたいなものですし自分は端っこでのんびりお花見と温泉が楽しめれば万々歳です」
女性八人……どうやら米本の中ではざくろも女性に入っているらしい。
彼は言葉の通り、露天風呂のすみっこで咲き誇る桜に目をやりながら酒を煽った。
温泉に桜に美酒(+女性陣)、この好条件……最高の気分である。
「あ~…極楽極楽。焔ァ、こんないいトコに招待してくれてありがとよ!」
「礼には及ばん。ハンター達には日頃から世話になっているからな。そのお返しだ」
ボルディアと焔は並んでお湯に浸かっていた。ボルディアは酒をちびちびとやっている。
「団子や花もいいが、俺はやっぱり酒だなぁ。花より団子より酒ってな」
ボルディア的には温泉での酒が一番の癒しの様だ。
「所でよ、この温泉ってなんか効能とかねぇのか? 例えば何か病気に良いとか美肌効果とかよ、色々あるだろ」
「そうだな、効能は肩こり・腰痛、切り傷・擦り傷、火傷……等々だ。勿論美肌効果もあるぞ」
「おぉ、益々羨ましいぜ。とりあえず怪我の治りは早くなりそうだな」
ざくろは――思春期の盛りだけあって女性陣の裸(タオルは巻いています)を過敏に意識してしまっていた。
特に里の四名はスタイルが良く、肌も綺麗で……ざくろには目の毒であった。どうしても視線が行ってしまう。
ざくろはこれではいけないと、顔を火照らせつつベビー火蜥蜴をぎゅーっと抱いてお湯に浸かりながら団子をぱくぱく。
「この三色団子美味しいね……誰が作ったの?」
「それは私達、焔様の部下三人ですね」
「わわっ!?」
いつの間にか隣に緑が居た。緑は里の四名の中でも豊満で……丸みを帯び、一番女性らしい身体つきをしている。
それを間近で見たざくろの顏はまた一段階赤くなる。
「最近、ゆったりする時間がなかったから、こういう温泉やお花見は素直に嬉しいの」
紅葉は温泉に浸かってゆったりまったり。ちなみにタオルは鉄壁の如くがっきょん☆ と装備している。
「桜の花も、もう見頃。一面に咲くさまが鮮やかで、今の時期の贅沢だね。温泉も同様。まだまだ寒いもの。同時なのは欲張りさん、かな」
満開の桜を目で楽しみながら温泉のお湯で温まる……まさに贅沢。紅葉はくすくすと笑った。
「わぁ、これは凄くいい温泉なんだよ。花も満開で良い感じ♪」
小さめのタオルを巻いた小鳥はまず温泉に肩まで浸かってじっくり温まる。
「はふぅ、気持ちいい……。ん、温まった所で皆で乾杯、かな? 私はお酒飲めないからジュースだけどっ」
身体が火照ってきたら、一旦上がって露天風呂の縁に座り、お花見しつつ冷えた果物ジュースをぐびぐび。
「ん、この三色団子、とっても美味しいんだよ! 後で作り方を教えて貰わないとかな? かな?」
「そう言って貰えると嬉しいわね。貴女の桜餅もすごく美味しいわよ」
小鳥の褒め言葉に遥がにっこり笑って答える。
●花見温泉 後半
カズマは――特に問題は無いと判断し、湯に盆を浮かべて酒とつまみのナッツを準備して本格的に温泉と花見を楽しむ事に。
「つまみは塩にしたかったが、流石に温泉の湯気で固まりそうだしな」
ナッツをぽりぽりと齧りながら、持参した酒をちびちび。
「湯に浸かりながらのんびり花見。いいね。盃も良いものが手に入った事だしな。この環境に満足するとしようか」
周りがはしゃぎ過ぎないか警戒していたが……身体をぐーっと延ばして力を抜いてみる。……日頃の疲れが抜けていく感じがした。
これは……良い物だ……。と、カズマは再び酒をちびちびやりながら桜と――無意識の内に女性陣、特に里の四名の肌を眺めるのだった。
すっかり良い気分になった米本。その隣へ白川・桜がやってくる。
「よろしければお酌しましょうか?」
「おお、これはこれは。よろしいですのですか? 是非お願いしたいですな」
「私達はおもてなしをする方ですので、お気になさらず」
白川・桜は微笑んで米本の杯に酒を注ぐ。
(美酒に美女……これもまた素晴らしい)
そんな事を心の中で呟く米本。普段は色事に関しては初心な彼だが今は酒が入って少しリミッター解除。
自然と視線が白川・桜の(タオルの巻かれた)露わになった肩から胸元へ行ってしまう。
白磁の様な滑らかな肌――。米本は思わずごくりと唾を飲む。
「あらあら、やはり殿方ですね」
うふふと笑う白川・桜。……思いっきりバレている! 米本はぼっと赤面したそうな。
「焔~、前にいい奴見つけろつったろ~、アレどうなったんだよ~」
ボルディアは……酒が回って絡み酒へ突入。また焔の肩に手を回して密着。
「アレとは、一体なんだ??」
「適当にはぐらかすヤツは、俺が直接彼氏ができるかどうか確かめてやる!」
酔ったボルディアは焔のお胸や何やらをまさぐる!!
「ボルディア殿!? 何を!? そこは……っ!」
「フムフム、なるほどなるほど。てっきり子ども体型だと思ったら意外と……。着物だと身体の線は分からないからな!」
ボルディアは焔の肉体の発育具合を自らの手で判定。
結果、スタイルが良いのはタオルの上からでも判ったが、お胸は外見年齢よりも大きく、お尻も同様。出る所はちゃんと出ていた。
……そんな風にどったんばったんしていると……焔のタオルが肌蹴る。
「ぶふー!?」
その瞬間を真正面から目撃してしまったざくろは吹き出し、慌てて背を向ける。
「ざっ、ざくろ、見てない、見てないからっ」
とか言いつつばっちり見てしまいました。
隣で小鳥がジト目で言う。
「ざくろさんのえっち」
「あははは~……あっちは大変みたいだね。あ、桜餅のお礼にざくろがジュースを注いであげるよ」
「誤魔化しましたね? まあ、今日は大目に見ましょう。じゃあお願いします」
木製のコップを差し出す小鳥。それにざくろは冷たい果物ジュースを注いであげた。
「んくんくんく。ぷは~美味しいです」
「温泉に入りながら飲むと格別だよね。もう一杯――」
と、ざくろが身を乗り出すと……湯の底につるっと滑って体勢を崩し、転びそうに。
「ざくろさん!」
それを咄嗟に受け止める小鳥。
「…………」
「…………」
――結果、小鳥のぺたんこなお胸にざくろが顔を突っ込む形になりました。
「はわわわわわ」
「きゃあああ!? ざくろさんのえっちぃぃぃ!!」
小鳥は悲鳴を上げ、バチーン! と平手打ち。ラッキースケベには代償が必要なのである。
「お酒~……花見酒は風流って話だけど、年齢が~……むむむ、仕方ない……」
そんな騒ぎの中、我関せずを決め込む紅葉。花見酒という物をやってみたかったが年齢的にアレなのでジュースで我慢。
カズマや米本を真似して、杯にジュースを注ぎ、ちびちび。
「うん、まあこれはこれで」
その後に何匹か連れてきたベビー火蜥蜴をぎゅーと抱っこする。
緑に「動物が好きなんですか?」と聞かれると、
「生き物? うん、基本的に好きだよ。植物だけじゃなく、昆虫とかも観察してるからね。見てて飽きないもの」
抱っこした後、紅葉はベビー火蜥蜴を頭の上に乗せる。
「女の子は普通しない? 大丈夫、問題ない」
***
他の皆が花見酒を楽しんでいる間にボルディアの絡み酒が悪化していた。
「我にその様な趣味は~!! 誰か~!!」
「ふへへ……いいじゃねぇか……その反応、可愛いぜぇ……」
これは流石に小鳥やカズマが止めに入る。
「はややややっ。ちょ、ちょっとはしゃぎすぎじゃないかなっ。折角の温泉なんだからゆったりするんだよー」
●お説教とか
「まともな成人とか、彼氏彼女持ちなら特に過剰に反応するべきものじゃない。不特定の相手に発情は流石に倫理的にも問題があると思うんだがな」
その様に諭すのはカズマ。
それを正座して聞いているのは冷えたミネラルウォーターで頭を冷却したボルディアと、ざくろ。
「ちとはしゃぎ過ぎちまったな。すまねぇ、焔」
「いやまあ我はそこまで気にしてはいないのだが……殿方の目もあるからな。程々にして貰えれば」
焔は苦笑。
「ごめん……小鳥、そんなつもりじゃなかったんだ」
「ざくろさんはそういう体質だと聞いていますから、ちゃんと謝ってくれたので『一応』許します」
「はううう……ありがとぉ」
ざくろは涙目で小鳥に縋り付きそうになったがハッとして我慢。
「いやはや青春ですな」
米本は酒を切り上げ、ゆったりと湯に浸かりながらほっこりとした笑顔でその光景を眺める。
***
「ん、もう夕方か。そろそろ里に戻らないとね」
言ったのは紅葉。今夜は焔の屋敷で一泊させて貰う予定である。
そんな訳で皆は湯から上がり、後片付けをして、乾いたタオルでしっかりと身体を拭き、元の服へ着替える。
「まだ春先は気温が低い、風邪を引くといけない」
カズマは下山の際、その様に女性陣を気に掛ける。
「うむ、気遣い感謝。先に下りた緑が夕餉を用意してくれている。今夜はごゆるりと過ごされよ」
笑顔で言う焔。
という訳で、花見温泉を満喫したハンター達であった。
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/04/02 12:10:18 |
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【お花見温泉規約】 龍崎・カズマ(ka0178) 人間(リアルブルー)|20才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2017/04/02 22:03:43 |