【AP】あの人と甘い日を!

マスター:赤山優牙

シナリオ形態
ショート
難易度
易しい
オプション
  • duplication
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
6~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
無し
相談期間
5日
締切
2017/04/07 09:00
完成日
2017/04/12 22:14

このシナリオは5日間納期が延長されています。

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オープニング

●エイプリルフール
 転移者であり、新人ハンターである青年、鈴木太郎(自称、キロウ・タズス)は上の空だった。
 コップに入った液体が揺れる。まるで、彼の心を映しているようだ。
「逢えないのかな……」
 黄昏たその台詞に、一緒のテーブルについていた少女が視線をチラリと向けた。
 そして、深くため息をつくと、読んでいた魔術書をパタリと閉じる。
「また、その妄想ですか?」
「も、も、妄想ちゃうし!」
 クワッと目を見開いて叫ぶキロウ。
 少女の怪訝な視線が彼に突き刺さる。
「夢の中で出会った、あの美しい女性。あの人が、俺をこの世界に呼んだのに違いない!」
「聞き飽きましたよ」
 キロウは夢の中で童貞を捨てた男。
 その夢で出会った、美しい女性をひたすらに追いかけていた。
「必ず見つけ出す! そして、俺は!」
「こんなに近くに女の子が居るというのに、酷い人です」
 あんまり感情の揺らぎが無い少女が、少しばかり影を落としながら呟くように言った。
「え?」
「私だって、居るのに……」
 上目遣いでそう言ってくる相棒に、キロウと慌てた。
 出会って飲食を共にしてきたが、そんな雰囲気に一度もなったりしなかったのに。
「お、お前」
「……なに、本気にしているのですか」
 氷よりも冷たい少女の言葉。
 その意味をしばし理解出来なかったが、ハッとした。
「エイプリルフールかよー!」
「朝から、自分でそう言ってたじゃないですか」
 ガクっと項垂れるキロウ。
「まぁ、そりゃ、そうだよな」
 ウジウジとコップの水を飲むキロウ。
「……でも、キロウにしては良い反応でしたよ」
「はいよー」
 相棒からのフォローの受け流し、キロウは再び妄想に耽るのであった。
 もし、あの美しい女性と一緒になれる日が来たら、どんな生活を送っているのだろうか――と。

●夢で逢えたら
 鳴月 牡丹(kz0180)と紡伎 希(kz0174)が模擬戦を繰り広げていた。
 機導術を放つ希に対し、牡丹は力押しで迫る。
「くっ……牡丹様、酷いです」
 腹部に叩き込まれた一撃に二つ折りになる希。
 マテリアルで発生させた防御なぞ、紙切れのようなもので、役にも立たなかった。
「あれ~。おかしいな。一応、手加減したつもりだったんだけど」
「牡丹様が、また、強くなったんじゃないでしょうか?」
 その台詞に牡丹は胸を堂々と張った。
 希が負けているのは模擬戦だけではないのは明らか。というか、差が縮まらない。
「ふふーん。まぁ、ボクは強いからね」
「どうしたら、そんなに強くなれるのですか」
 そんな何気ない台詞に牡丹は人差し指を口元にあてた。
「うーん。あれだ、生き残る事だね」
「訓練とかでは無くてですか?」
「死んだら、そこでおしまいだからさ。いいかい、ノゾミ君。必死は殺されるだけだからね」
 どうもピンと来ていない様子の希の額を牡丹は小突いた。
「将に五危ありってね」
「ますます分かりません」
「とにかく、死んじゃったらさ、会いたい人にも会えなくなるからね」
 それは希もよく分かっている。
 一緒に笑った人、泣いた人、お世話になった人、憧れた人……希にも沢山、会いたい人はいる。
「せめて、夢の中でも逢えたいものです」
 胸元でキュッと小さく拳を握り、希は瞳を閉じた。
 その切ない少女の様相に、牡丹がハッとなる。
「……なんという、“女の子らしい”仕草……ダメだ。ボクには真似できない」
 あるいは、夢の中では、そんな女の子らしい事が出来るのだろうか。
 そんな自分に逢ってみたいなと牡丹は心の中で思うのであった。

リプレイ本文

●闇堕ちver
「なんか、胸が大きい……」
 十色 エニア(ka0370)が自身の豊かな胸に手を当てていた。
 堕落者化した際に、どうやら、“そういう事”になっちゃったらしい。
「ふむ、貴様は胸が足らんかったからな」
 まるで値踏みしているような視線を向けてくるのは、歪虚ネル・ベル(kz0082)である。
「あ……え……は、はい……」
 胸が足らない件について、今更、指摘するのもどうかと思い、素直に返事をするエニア。
「次は服装だな」
 短くそう言うと、グッとエニアの腕を掴んでネル・ベルは歩き出した。
 エニアはその勢いで、腕へと抱きつく。もちろん、胸を当てるのは忘れない。堕落して、すぐさま小悪魔エニアだ。
「歩き難いぞ」
「ダメかな?」
 歪虚の腕を抱きながら上目遣いで返す。
 ネル・ベルは鼻で笑い、そのまま、エニアの好きにさせた。

 ボロボロになった衣服を脱ぎ捨てて、新しい下着を被った。
 赤紫の薄いネグリジェが妖艶さを際立たせる。
 それは、ネル・ベルが選んだものだった。歪虚のくせに、可愛い下着を売っている店を知っているとか、何者なのか。
「ハラショー。意外とセンスいいね」
「“意外と”は不要だな。この私が選んだのだ。似合って当然だ」
「これが、『献上』服なのね」
 少し切ない表情を浮かべ、エニアは悲しげに呟いた。
 そして、歪虚へと身体を預ける。
「ねぇ……わたしを――」
 ネル・ベルの耳元で囁くエニアの言葉。
 『献上』されてしまえば、それで終わる運命だ。だから、その前に、一時を過ごしたい。
 それが、エニアの“最後の”願いだった。

 街を散策し、ディナーを堪能し、二人は大通りを進む。
 月明かりの中、エニアはクルクルっと回ってから、ネル・ベルに感謝の言葉を告げた。
「楽しかったよ。スパシー」
 だが、台詞を言い終わる前に、突然、抱き寄せられた。
 ネル・ベルの胸に頭を押さえ付けられる。
「貴様は『献上』されると思っているようだが……一つ、逃れる術がある」
「え……」
 顔を上げたエニアに、ネル・ベルは言い放った。
「この私が“歪虚の王”となればいい。貴様は、私の従者という訳だ」
 何を馬鹿げた事を言うのかと、エニアは思ったが、無駄に自信満々のネル・ベルを見ていると、実現できる気がしてきた。
 私は“歪虚の王”の傍らに、常に居る存在になれるだろう。
 細い腕でネル・ベルの身体を抱き締める。
 ここから、二人の新しい旅路が始まるのだ。


●雪桜に染まる
 春が来たと思ったら、突然の冷え込みと、辺り一面を真っ白な景色へと変える雪……。
 ようやく火鉢が暖まった所で、銀 真白(ka4128)は布団から頭だけを出した。
「真白義姉さん、おはよう」
 声を掛けて来たのは、仁々木正秋だった。
 彼が火鉢を用意したのは先刻の事。
「あり……がとう……」
 まるでミノムシのように、おむすび柄の布団を包まりながら、真白は義弟である正秋に返事をすると言葉を続けた。
「この布団は、なかなかの難敵だ」
「……みたいですね」
 呆れるように苦笑を浮かべる正秋。
「布団から発せられる凄まじい妖術は、私の身体の動きを押さえ込むという効果があるのだ!」
「はいはい。そのうち部屋も暖まりますから」
「すまぬ、正秋。私は良い義弟を持った」
 満足そうな笑顔の真白。
 布団にすまき状態なので、折角の良い台詞も、どこか抜けている感じがあるが。
「というか、私より正秋は年齢が上。申し訳ない」
 その台詞は布団から出て言って方が良いだろうが、生憎とツッコミ役は居ない。
「気にしないで下さい、義姉さん。拙者が好きでやっている事ゆえ」
「では、お言葉に甘えるとする」
 これが、“可愛い弟を持った姉”というものなかと実感しながら、ふと、視線を窓へと向ける。

 桜色の花びらが、白い景色の中、際立って映った。
「雪…桜…?」
 可笑しいな雪の季節は過ぎたはずなのに。
「昨夜の冷え込みが雪を呼んだみたいです」
「それなら、私が布団から出られないのも納得だ」
「景色はとても良いですよ」
 その正秋の台詞に、少しだけ布団の妖術が弱まる。
 真白の好奇心が勝ったようだ。
「寒い」
 おむすび柄の布団に包まりながら器用に立ち上がり、窓辺へと近づく。
 そこからの景色は確かに絶景だった。白い景色の中で桜の淡い色が鮮やかに浮かんでいた。

 赤いがく片が、まるで――

 急にめまいを覚え、崩れかけた真白を正秋が咄嗟に支えた。
「義姉さん、大丈夫?」
「……」
 静かに頷く真白。
 暖まってきたはずなのに、震えが止まらない。

 寒い――寒い――

 その時、真白を布団ごと、正秋が優しく抱き締めた。
「大丈夫。雪は溶けるから。それに義姉さん、今日は小隊の皆と花見だよ。皆も居るから」
「……うん。ありがとう、正秋」
 真白は自身と布団の重みを義弟に預ける事にした。
 そう、雪が溶けるように、春が来るように、この不安もきっと、季節と共に流れていくはずなのだから。


●自今刻む秒針を
 静寂の中、私――紡伎 希(kz0174)――は、黒髪を揺らしながら、両手を大きく振る少女――小鳥遊 時雨(ka4921)――の声を聞いた。
「ノゾミー! こっちこっちー! 久しぶり!」
「時雨さん!」
 私は全力で走った勢いそのままに、少女に飛び付く。
「ん。元気そうで何よりだよん。じゃ、いこっか」
 桜の花びらが煌きながら散る並木道を手を繋いで私達は歩いた。
「綺麗っしょー? 去年ね、初めて来てさ」
「凄く、綺麗です。一面、桜色の世界みたいで」
「ノゾミとも、一緒に来たいなーって思ってたんだ」
 まるで桜に包まれているような、そんな光景に、私は驚くばかり。

 あれ……今日の予定、なんだっけ……。

「今日は、この先で合流して、甘いモノをいっぱい食す、女子会的なヤツだよ」
 人差し指で私の頬を突く少女は笑顔で既にいっぱいで。
「……ほら、私もノゾミも、食べても肉がつかないタイプだし」
「う……そうでした」
「って、ノゾミ、成長した!?」
 少女はその手を自身の頭から伸ばし――コツンと私の額に、わざとらしく当たった。
「私とあんま変わんなくなった、かな……もーちょっとで、追い抜かれちゃいそ」

 背より先に、胸が大きくなりたいです、時雨さん。

「あ! いたいた!」
 少女が向けた指の先――桜並木に、二つの人影。
 銀色の髪を持つ男女の兄妹。その姿を見て、私は思い出した。
 その様子に、少女が少し首を傾げる。
「紹介したい人がいるって聞いてた、けど」

 そうなのです。あ、でも、時雨さん、彼氏じゃありませんから、その視線は期待外れですよ。

 待ち合わせの兄妹と共に過ごした時間は、あっと言う間に過ぎる。
 解散する前に私は、耳飾り三つ、受け取った。黒猫のような漆黒と、暖かく優しい銀光と、若葉のような新緑の鶴の形をした耳飾り。
 そう、これは、私の大切な――。
 押し潰さないように大事に両手で包み込む。

 少女と来た道を帰る……いや、違う。これは新しい道。
 かちりかちりと針の音が響き、少女の手が私から離れる。
「っと……それじゃ、ノゾミ。私は……こっちだから」
 風が桜を運び、世界が色付く。
「今日はホント楽しかったー! ノゾミはー?」
「凄く楽しかったです、時雨さん。ありがとうございました」
「……ん。じゃあ、また……ね。ばいばいっ」
 少女の満面の笑みと、言葉を受けながら、私は手を振り、歩き出した。
 秒針が刻む流れと共に――。


●EX・樹
「行ったかな?」
「うん……多分」
 一組みの男女が狭い路地で身体を密着させながら、通りを覗き込んだ。
 隠れる時に、リルエナの巨乳がこんなにも邪魔になるとは、盲点だったとサラリーマン檜ケ谷 樹(ka5040)は思う。
 こんな状態で平然と居られる男子は、きっと、居ないはずだ。
「樹……当たってる」
 恥ずかしそうに言うリルエナの言葉が顔をくすぐった。
 ちなみに、何が当たってるかは、きっと、樹の大砲的なものなのかもしれないとだけ記しておく。
「ちょ……リルエナ、待って……あんまり、悶えないで」
「だって、もう少しちゃんと隠れないと」
 なんでこんな事になっているかと言うと、隠れ職場結婚をした為だ。
 社長令嬢でもあるリルエナをどういう訳か射止めた樹。狙い撃つのは得意らしい。
 まだ上司や同僚にも説明していない状態だったのだ。そういう訳で、通りを歩く人混みの中に、会社の人を見かけて、隠れているのだ。
「エリカ姉さんへのお土産を買いに行かなきゃいけないのに、こんな所で……行ったかしら?」
「……逝った、ね……」
 違う意味でイった樹の頬に軽く唇と当てて、リルエナは路地から再び顔を出す。
 安全(?)を確認し、二人は通りへと戻ったのだった。

 二人は無事にお土産を買い、残った時間でデートを続ける。
 誰もが羨むような美貌のリルエナに、あきらかーな凡人である樹の組み合わせは一見、アンバランスでもあるが、それゆえに、周囲に溶け込み易くもあった。
「樹……今日も、ありがとう」
 美しくライトアップされた夜桜。幻想的な光の中、風が吹くと桜吹雪が二人を包み込んだ。
 桜の中で、リルエナが樹に擦り寄る。
 同じシャンプーを使っているはずなのに、樹からは発せられない良い香りが広がった。優しくて暖かい香り。
「昨日も同じ事、言ってなかった?」
「うん……だって毎日毎日、言いたいの」
 それは僕も一緒だよ――という言葉を樹は飲み込んだ。
 甘い言葉はベットの上で囁くものだから。
 だから、返事の変わりに樹はリルエナの身体を抱き締めた。両腕でしっかりと、離れないように。
「また、来年も来ようか。この夜桜を見に」
「連れてきてくれる?」
「もちろんさ。来年も再来年も、十年先だって、何十年先だって」
 大袈裟に言う樹の台詞に、リルエナは嬉しそうに頷きながら、樹の身体に腕を回す。
 やがて、見つめ合う二人の影がライトアップ越しに一つに重なった――。


●双宿双飛
 立花院 紫草(kz0126)の“自宅”は、龍尾城内の一角にある。
 二部屋と小さい庭しかない質素な“自宅”でシェルミア・クリスティア(ka5955)が主人の帰りを待っていた。
「ただいまです」
 ガラガラと戸が開く音が響き、紫草の穏やかな声が響く。
「お帰りなさい」
 トントンと大根を切っていた手を止めて、シェルミアが三つ指を突いて出迎える。
「お迎え、ありがとうございます……いい香りがしますね」
「良いお魚が手に入ったから」
「それは、楽しみです」
 笑顔を浮かべる紫草。
 それは、いつもの微笑とは違う、彼の本意なのだろう。
 手を洗い、縁側にゆっくりと腰を掛ける紫草の背中をシェルミアは見つめる。

 城での激務を終えて“自宅”に帰ってきても、彼の仕事は終わらない。
 縁側に座り、静かに考えを巡らせる――顎に手をやり、小さく唸る。
「紫草」
 主人の名を呼びながら、その背中にシェルミアは静かに抱きついた。
 その背中は、生きているのかと思うほど、冷たくて……どこかで感じた感覚と通じていた。

「暖かいですね、シェルミアは」
「まだお仕事しているなら、付き合うわ」
 ピタっと紫草の身体に添うように縁側に並んで座る。
 今日は疲れたのか、珍しく紫草が頭をシェルミアに傾けて寄り掛かった。
「ありがとうございます」
 いつもの微笑を浮かべる紫草。
 紫草は、エトファリカ連邦国の統治者の一人であり、八代目征夷大将軍でもあるのだ。
 国の行く末を担うという重責、大将軍という立場、そこに私人という時間は無い。
 タチバナという姿ですらも、エトファリカ連邦国という巨大な装置を動かす歯車の一つに過ぎない。
「孤独には慣れているつもりでしたが、やっぱり寂しいものだったのですね」
 一挙手一投足だけではなく、その思考すらも、彼は“歯車”だったのだ。
 それを、寝食を共にするようになってからシェルミアは知った。
 東方は憤怒歪虚王を打倒した。だが、将軍である紫草の戦いは終わらない。国を治めるという戦いは、これから先も続くのだ。
 今後もきっと様々な困難に直面するだろう。難しい決断を迫られる時が来るはずだ。
 それでも、その先に紫草が見ているものと同じものを見られるように、シェルミアは彼の力になるつもりでいる。
「ずっと、傍で支えになるって言ったでしょ」
「そうでしたね。頼りにしていますよ」
 紫草がシェルミアの細い身体をしっかりと抱き寄せた――。


●ダメ司令製造機
 ここはオウコク騎士団の総司令部。
 司令長官であるソルラ・クート(kz0096)が全軍を指揮する場所である。
 その執務室の扉が、前触れもなく突然、豪快に開き、秘書官である鳳城 錬介(ka6053)が現れた。
「朝ご飯は、一日の大事な栄養源です。食べないなんて、そんなんじゃ駄目ですよ!」
「面倒だし……」
 口を尖られせるソルラ。まるで小生意気な小僧だ。
「ほら、今日は天気も良いですし、掃除も攻略も頑張りますよ」
 ドンっと机の上に置かれるオニギリと漬物。
「えぇー。掃除もするんですか!?」
「ソルラ司令、大丈夫ですよ。俺が手伝いますから」
「さっすが、錬介さんね。助かるわ」
 そう言いながら、オニギリに手を伸ばすソルラ。まずは腹ごしらだ。

 ソルラが美味しそうにオニギリを口に運ぶ間、錬介は倉庫のマテリアル量を確認する。
 次の歪虚攻略は包囲殲滅戦。羊の群れを残らず退治しなくてはらならいが……。
「これは、マテリアルを使い過ぎですね、ソルラ司令」
「ほぇ?」
 間抜けな返事に思わず、ガクっと崩れる錬介。こういうソルラの何気ない仕草は可愛いのだが。
 気を取り直しつつ、資料をソルラへと向けた。
「また、騎士エリーや騎士ダンーテを使いましたね。彼らは強いですけど、マテリアルを大きく消費すると伝えたじゃないですか」
「だって、強いから……って、もう、マテリアルがこれだけ!? ど、どうしよう、錬介さん」
 真っ青になっているソルラに対して、錬介はポンポンと励ますように肩を叩く。
「大丈夫です。なんとかしますから、もっと、俺に頼ってくれていいんですよ」
「うぅ……ありがとうー! 錬介さぁん!」
 錬介の胸に米粒を擦り付けながら飛び込むソルラ。
「愛するソルラ司令の為に、俺もしっかりやりますから」
「うん……え、今なんて?」
「それでは、日常業務を達成してマテリアルを増やしていきましょう」
 錬介の台詞に一瞬、戸惑いながらもソルラは頷いた。
「私も頑張るわ」
「そうだ。掃除と攻略が終わったら、今日は、デートに行きましょう!」
 デートという言葉にソルラがピンと反応する。
 瞳を輝かせて書類にサインを続けるソルラが、ちゃーんと仕事が続けられるように補佐するのが、秘書官兼恋人である錬介の役目だ。
「良いですね。そんな熱心な所が大好きですよ」
「べ、別の意味で集中できないよー」
 彼女の恥ずかしそうな叫び声が執務室に響いたのだった。

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重体一覧

参加者一覧

  • 【ⅩⅧ】また"あした"へ
    十色・T・ エニア(ka0370
    人間(蒼)|15才|男性|魔術師
  • 正秋隊(雪侍)
    銀 真白(ka4128
    人間(紅)|16才|女性|闘狩人

  • 小鳥遊 時雨(ka4921
    人間(蒼)|16才|女性|猟撃士
  • 幸せを手にした男
    檜ケ谷 樹(ka5040
    人間(蒼)|25才|男性|機導師
  • 符術剣士
    シェルミア・クリスティア(ka5955
    人間(蒼)|18才|女性|符術師
  • 流浪の聖人
    鳳城 錬介(ka6053
    鬼|19才|男性|聖導士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/04/03 07:59:32
アイコン この顔にピンと来たら(質問卓)
ネル・ベル(kz0082
歪虚|22才|男性|歪虚(ヴォイド)
最終発言
2017/04/03 21:48:50