ゲスト
(ka0000)
【陶曲】丘の向こうへ
マスター:真柄葉

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~3人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 6日
- 締切
- 2017/04/26 09:00
- 完成日
- 2017/05/07 03:26
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●鉱山
「よぉし! 慎重にだぞ、慎重に!! おい、そこ! サボってんじゃねぇ!!」
リーダー格のドワーフが太い声を震わせる。
鉱山から偶然見つかった発掘物を町まで運ぶ計画は困難を極めていた。
発掘物は非常に巨大で、人力で運ぶことはまず不可能。
様々な輸送方法が検討された結果、多少回り道になるが鉱石運搬用のトロッコを利用することとなった。
「当て木を忘れんなよ!! 傷ついたらそんだけ報酬が減ると思え!!」
大層憎まれた木製のクレーンに釣り上げられた白磁の発掘物が、ゆっくりとトロッコの荷台へと下ろされていく。
「よぉっし! 降ろせ!」
リーダー格の声を合図に、クレーンの引手たちがゆっくりと力を抜く。
発掘物はゆっくりと降下し、音もなく荷台へと収まった。
「しっかし、5連結かよ。どんだけでかいんだ」
部下たちが発掘物を手際よく荷台へと固定していくのを眺め、リーダー格の男がぼやく。
発掘物はその巨大さ故、小さなトロッコ一台では収まりきらず、5台も連結された上に置かれることとなった。
「くれぐれも慎重に運んでくださいよ。もし傷でもついたのなら何が起こるかわかったもんじゃないんですからね」
リーダー格の男の脇に立ち、満足げに黒ぶちの丸眼鏡をくいっと持ち上げる女史。
魔術協会から派遣されてきた若い研究者である彼女は、目の前に得た成果に緩みそうになる口元を慌てて整える。
「何が起こるって、一体何が起こるんだ? それより、こりゃなんなんだよ」
「そ、それは、企業秘密です!」
「企業じゃねぇだろうが」
「きょ、協会秘密です!!」
「そんな言葉初めて聞いたわ」
「うぐぐ……! と、とにかくこれは非常に重要な物なのです! それこそ、人の未来を大きく変えるような!!」
「へいへい、その未来って奴は俺達の晩飯を一品増やしてくれるもんであってほしいね」
熱く語る女史をリーダー格の男は適当にあしらい、体をトロッコへと向ける。
「まぁ何にせよ、俺達の仕事はここまでだ。後は任せたぜハンターども」
駆動車へと乗り込んでいくハンター達に、男は快活な笑顔を向けた。
●トロッコ
発掘物を乗せたトロッコは緩やかな下り坂を下っていく。
岩と石しかなかった辺りの景色に緑が混じり始めた頃、それは前触れもなくやってきた。
頬を撫でる春風、新緑特有の香り、風切りの音とレールと車輪が奏でる鉄和音。麗らかな旅路に現れた突然の異変に気付いたのは後方を見張っていたハンターだった。
始めは何かの小動物が春の麗らかな天気に誘われて顔を出したのかと思った。
しかし、小さな影は徐々に近づくにつれ大きく形を変える。
「武器を取れ! 敵襲だ!!」
一人がそう叫んだのを合図に、ハンター達は一斉に戦闘態勢へと入った。
「よぉし! 慎重にだぞ、慎重に!! おい、そこ! サボってんじゃねぇ!!」
リーダー格のドワーフが太い声を震わせる。
鉱山から偶然見つかった発掘物を町まで運ぶ計画は困難を極めていた。
発掘物は非常に巨大で、人力で運ぶことはまず不可能。
様々な輸送方法が検討された結果、多少回り道になるが鉱石運搬用のトロッコを利用することとなった。
「当て木を忘れんなよ!! 傷ついたらそんだけ報酬が減ると思え!!」
大層憎まれた木製のクレーンに釣り上げられた白磁の発掘物が、ゆっくりとトロッコの荷台へと下ろされていく。
「よぉっし! 降ろせ!」
リーダー格の声を合図に、クレーンの引手たちがゆっくりと力を抜く。
発掘物はゆっくりと降下し、音もなく荷台へと収まった。
「しっかし、5連結かよ。どんだけでかいんだ」
部下たちが発掘物を手際よく荷台へと固定していくのを眺め、リーダー格の男がぼやく。
発掘物はその巨大さ故、小さなトロッコ一台では収まりきらず、5台も連結された上に置かれることとなった。
「くれぐれも慎重に運んでくださいよ。もし傷でもついたのなら何が起こるかわかったもんじゃないんですからね」
リーダー格の男の脇に立ち、満足げに黒ぶちの丸眼鏡をくいっと持ち上げる女史。
魔術協会から派遣されてきた若い研究者である彼女は、目の前に得た成果に緩みそうになる口元を慌てて整える。
「何が起こるって、一体何が起こるんだ? それより、こりゃなんなんだよ」
「そ、それは、企業秘密です!」
「企業じゃねぇだろうが」
「きょ、協会秘密です!!」
「そんな言葉初めて聞いたわ」
「うぐぐ……! と、とにかくこれは非常に重要な物なのです! それこそ、人の未来を大きく変えるような!!」
「へいへい、その未来って奴は俺達の晩飯を一品増やしてくれるもんであってほしいね」
熱く語る女史をリーダー格の男は適当にあしらい、体をトロッコへと向ける。
「まぁ何にせよ、俺達の仕事はここまでだ。後は任せたぜハンターども」
駆動車へと乗り込んでいくハンター達に、男は快活な笑顔を向けた。
●トロッコ
発掘物を乗せたトロッコは緩やかな下り坂を下っていく。
岩と石しかなかった辺りの景色に緑が混じり始めた頃、それは前触れもなくやってきた。
頬を撫でる春風、新緑特有の香り、風切りの音とレールと車輪が奏でる鉄和音。麗らかな旅路に現れた突然の異変に気付いたのは後方を見張っていたハンターだった。
始めは何かの小動物が春の麗らかな天気に誘われて顔を出したのかと思った。
しかし、小さな影は徐々に近づくにつれ大きく形を変える。
「武器を取れ! 敵襲だ!!」
一人がそう叫んだのを合図に、ハンター達は一斉に戦闘態勢へと入った。
リプレイ本文
●草原
6人と巨大な発掘品を乗せたトロッコは、暗く狭い坑道を抜け陽の元へと躍り出た。
「Row Row Row Your Boat~♪ Gently down the stream~♪」
春の陽気にパトリシア=K=ポラリス(ka5996)が体をリズミカルに揺らす。
「聞き慣れない歌だね? あっちの世界の歌?」
「そだよー! 乗ってるのはボートじゃなくてトロッコだけどねー」
耳慣れない歌に問いかけたマチルダ・スカルラッティ(ka4172)に、パトリシアは白い歯を見せ爛漫に笑った。
「どういう意味の歌なの? なんだか呪文みたいだけど?」
「アハハ、違うヨー。漕げやー漕げやー、ボートをコゲヤーって歌なんだよー。ね、ぴったりデショ?」
歌を口ずさむパトリシアに合わせ体を揺らすマチルダが、ふと目の前の発掘物に気を止めた。
「それにしても、これって一体何なんだろう? 魔術師協会の人は、なんかすごいこと言ってたけど」
「私もそれ気になってた」
と、発掘物の上から愛梨(ka5827)が声をかけた。
「見た目は長ーい陶器の筒みたいだけど……」
愛梨が巨大な発掘物をコツコツと軽く拳で打つと、澄んだ高音が草原に響く。
「魔法の威力を増幅する装置とか、光の弾丸を打ち出す古代兵器とか! ……なわけないかな」
「だといいけどね」
未知のものに心躍るマチルダを、愛梨は温かく見つめる。
「懐かしい歌に春風と陽気。このまま何事もなく行けばいいけど」
頬を撫でる暖かい風、トランシーバーから聞こえるあちらの世界の歌。草原のずっと先まで続いている線路を目で追い、八原 篝(ka3104)は小さく呟いた。
「ええ、なんだか里の空気を思い出します」
そんな呟きが耳に届き、閏(ka5673)は瞳を閉じて懐かしい景色を重ね合わせる。
「里かぁ。鬼の里って事は和風なんでしょうね。なんだかちょっと親近感」
「和風?」
「あー……えっと、東方風? 私の故郷も似たような場所なの。その服も、ね」
「この服も、ですか。不思議な偶然があるものですね」
「ほんと、世界が違うのに、ね」
最近まで途絶されていた故郷を思い、篝は瞳を閉じた。
●
「Merrily Merrily Merrily Merrily~♪ Life is But a Dream~♪」
パトリシアが故郷の歌を口ずさみ、レバーを上下させる。
平原を走る線路は、目の前の丘の頂上へ消えていた。
「あー、平和。レバー漕ぐのは大変だけど」
「それで済むなら、楽な仕事でしょ」
「パティ、コグのも楽しいよー?」
「――御嬢さん方、ご歓談中申し訳ありませんが……お仕事ですよぉ」
トランシーバーを介し行われていた会話を遮ったのは、発掘物の上に陣取り周囲を警戒していた丑(ka4498)だった。
「正体不明の影が接近中です。数は……8。鹿……? いや、もう少し大きい」
丑は目を細め長い下草から見え隠れする影の数をカウントする。
「後方、坑道側面から大きく回り込んで現れました。あの大きな角は……バッファロー型と思われます。横一線でこちらに向かってきます」
影の姿が徐々にはっきりとしてくる。「近づいている……」と丑が小さく呟いた。
「……八原さん、少しレバーをお願いします」
丑の呟きを耳にした閏は篝にレバーを託すと、懐から術符を取り出す。
「愛梨さん、パトリシアさん、地縛符をばら撒きましょう。敵……かどうかはまだわかりませんが、『予防線』を張っておくに越したことはありません」
愛梨からは「わかったわ」と頼もしい声、そして、パトリシアからは「リョーカイだよ!」と元気な声が返ってきた。
符術師三人はそれぞれ符を取り出すと、今はまだ遠い影の進路上に地縛符をばら撒いていく。
「それから、これも――」
春風に舞い飛ぶ地縛符を見つめながら、閏は懐から別の符を取り出して発掘物を乗せてあるトロッコに張り付けた。
「それは?」
「加護符です。お守りみたいなものだと思ってください」
篝の問いに閏は少し自信なさげに微笑んだ。
「なるほど、ね。それじゃ、わたしも――はい、頑張ってねっ!」
「いっ!?」
閏の行動を見た愛梨は同乗の丑の背目がけて力いっぱい張り手をかます。
「さて、他の人にも――あ」
加護符を張り付ける次の標的を物色しようとしていた愛梨に、風が悪戯した。
風に遊ばれた符は、ひらりひらりと発掘物へ――ぺたり。
「う?――ひ、ヒャぁ! ももも、燃えたヨー!?」
符が発掘物に触れるや否や、深紫の炎を上げ瞬時消し炭と化す。
「な、なに!? 一体どういうこと!?」
マチルダがパトリシアの悲鳴に、何事かと振り向いた。
パトリシアが指差す個所には、くっきりと符の燃え跡が残っている。
「これが人の未来を変える代物なの……? もしかして、私達とんでもないもの運んでるんじゃ……」
迫ってくる謎の獣の事も忘れ発掘物を凝視するマチルダは、すぐさま仲間達に事の成り行きを説明した。
「加護符が燃える? 精霊の加護を拒絶するというのですか……?」
「えぇっと……それって、もうズバリ――」
「あー、それ以上は言わないで。同乗している身として、精神衛生上あんまりよろしくないわ」
トランシーバーから流れてくるマチルダの報告に、発掘物へ視線を向けた他のメンバーも、物言わず佇む『ソレ』に得体のしれぬ何かを感じずにはいられなかった。
「皆さん、この事も非常に気になりはしますがね。それよりも、コレを狙ってる奴らがきます」
そんな中、丑だけは周囲の警戒を厳にしている。随分と距離の縮まった獣の正体は、鉄でできた巨牛であった。
「鉄の雄牛……嫉妬の眷属でしょうかね――先頭! 首を下げました!」
丑が叫ぶ。獣達の先頭が、大きく首をもたげ立派な角を突き出してきた。
「近づくまで漕ぎ手を代わります。お二人で何とか足止めを!」
先頭の獣がトロッコに迫る中、後部駆動車へと移動してきた丑が、二人から操縦レバーを受け継ぐ。
「アリガト! それじゃ、パティのボディーガードも呼ぶノヨー! 御霊ちゃん、Come here!」
パトリシアが鞄からいそいそと大量の符を取り出すと、景色流れる上空へ思いっきり放り投げた。
まき散らされた符が結合し、大きな人型へと変化する。
「Hi、御霊ちゃん! パティの代わりに、トロッココーギコーギよろしくなのヨー!」
パトリシアの命令に人の倍はある式神は、狭そうに見身を縮めながらレバーを握った。
動力を確保しながらも迎撃態勢に移った二人は、もう100m程度まで迫った鉄獣に向き直る。
「取り合えず、一撃入れてみて敵を探るよ!」
魔仗の先端でくるりと円を描いたマチルダが、杖に炎気を宿らせ巨大な火球を生成すると、突撃してくる獣の足元目がけて放った。
火球は鉄獣の足音で炸裂し、爆発。下草に燃え移った火種は、春風に煽られすぐに大火へと成長した。
青々とした若草が延焼していくにつれ、辺りは灰黒い煙で覆われていく。
「相手に視覚があれば、これで目測を見誤らせることができるはず!」
マチルダはもうもうと立ち込める黒煙をじっと凝視する。だが――。
「なんて、直線的なっ……!」
流れる景色の中、マチルダは歯噛みした。
体のあちこちに火種を纏い、多少のダメージなど気にも留めず、鉄獣は炎の海を平気で突っ込んでくる。
「頭を下げてっ!!」
突然後方から響いた声に、マチルダ達は確認もせず身を伏せた。
その頭上を一陣の矢が光となって通り過ぎる。
「色々試しましょう! なにが効くかわからないわ!」
初弾の着弾を確認もせず篝はすぐに次矢を装填しつつ、弓の紋様に指を走らせた。
しかし、鉄の獣はその見た目通りのタフネスで、変わらずトロッコを目指してくる。
「こういう搦手はどうですか……!」
先頭車両から閏がまき散らした地縛符を発動させた。
だが、地縛符が鉄獣を捉えるのも一瞬。トロッコが移動し続けている為、すぐに効果範囲が射程外へと移動してしまう。
数分の足止めにこそなるものの、鉄獣は変わらずトロッコへと追いすがっていた。
「左右に分かれたわ! 迂回して挟み撃ちにする気かも!」
発掘物の上に残った愛梨が丑に代わり監視役を引き受け、状況をつぶさに報告する。
「案外頭がいい。こちらの攻撃が分散させられてる……」
最後尾に取り付いた鉄獣が4。左右がそれぞれ2。まるで狼の様に組織だった狩りの様子に、愛梨は思わず歯噛みした。
「閏は動力の維持と貨車の守りをお願い! ――篝、ノルマは一人2匹。行ける!?」
「それはこっちの台詞よ。愛梨こそいけるんでしょうね!」
護りに長けた閏に一先ず駆動レバーを任せ、挟撃しようと突っ込んでくる敵に対して愛梨と篝の二人が迎撃する。
「見てればわかるわ!」
愛梨は指を口に含み湿らせると空に向け立てた。
「速度――よし。風速――よし。距離――よし」
情報に必要な感覚意外を全てシャットアウトし、愛梨は符を風に解き放つ。
放たれた符は、中空に漂う微弱な電気を喰らいながら肥大し、標的に巨大な雷の鉄槌を振り下ろした。
「やるわね。私も負けてられないわ」
雷撃を受け機能を停止する鉄獣を横目に、篝が弓に光の矢を番えると大きく引き絞る。
放たれた光の矢は放物線を描くことなく、一直線に別の鉄獣の脚を射抜いた。
これで二匹。二人の攻撃が功を奏したのか、他の鉄獣たちが距離を取り始めた。
「てたいー! ウシさんてたいー!」
後部で応戦していたパトリシアが、嬉しそうに声を上げる。
「ここで一気に退きはなソー! うっしー代わるよ!」
「ありがとうございます。では、少し休ませてもらいますかねぇ」
レバーを任せていた丑から場所を譲り受け、パトリシアは腕を捲った。
「御霊ちゃん、じゃんジャカこぐよー、えいこらダー!」
気合一番、パトリシアがレバーを押す。
トロッコは最後の上り坂へと差し掛かった。
●上り坂
坂道は徐々にきつくなってくる。
これまでは一度漕げば惰性である程度進んだが、今は逆行しないように漕ぎ続けねばならなかった。
「……一定の距離を保っていますね。諦めたんでしょうか」
「そうだといいんだけど」
監視役の丑と愛梨が距離を保ちつつついてくる獣の群れを眺める。
「思いのほか消耗しましたね……」
「足場が悪すぎるのよ」
先頭車両では閏と篝がレバーをこぎながらも、残弾を確認する。
振り返れば丘の頂上が見える。坂は更に斜度を増していた。
「来た! 皆さん、もう一度迎撃の準備を!」
丑が大声を上げた。
鉄獣の残りは6体。速度の出ないトロッコを追うように駆け上がってきた。
「ここが正念場です。なんとしてでも抑えきりましょう」
丑の声に皆、神妙に頷く。後部駆動車にマチルダ、パトリシア、丑。そして、愛梨が発掘物上で後部への迎撃に当たる。
パトリシアが式神に駆動を任せる中、撃退よりも攪乱に重きを置いた迎撃作業が始まった。
地縛符による足止め。桜幕符による攪乱。風雷陣、ファイアーボール、制圧射撃による直接迎撃。
最早、出し惜しみする場面ではないと、ハンター達は全力をもって鉄獣に当たる。
迎撃の効果が表れているのか、上り坂に入って速度が出ぬ中、鉄獣達との距離は依然、一定を保っていた。
しかし――突如、トロッコを大きな衝撃が襲う。
「ななな、なんですカー!?」
突然の衝撃にトロッコの片輪が宙に浮いた。
「まずい……! 車両が傾きます! 皆さん右側へ体重移動を!!」
「そんなこと言われたって、こっちは迎撃中よ!?」
倒されたと思っていた2体が、丘の死角を使い駆け上がり側面から角を突き立てたのだ。
「くっ、このままでは……」
徐々に傾いでいくトロッコ。このままでは横転してしまう。
「一か八か――はあまり好きではないんですけどねぇ! はああぁぁぁっ!!!」
傾いで足場の悪いトロッコ上に駆け上がった丑は、裂帛の気合いと共に目前に迫った地面へ向け十字槍を突き出した。
ガコンッっ!!
車輪がレールを叩く鉄打ち音が響く。
何とか水平を取り戻したトロッコは、再び前進し始めた。
●
「積み荷は!?」
「なんとか、ぶじ! でもでも、かごふー切れちゃたカラ、もう一回きたらOutダヨー!」
パトリシアの明るい声にも焦りが滲む。
頂上はまだ遠い。迎撃に徹するか、全力で漕ぐか。どちらにせよ、一方に絞らねばこの窮地は脱しえない。
誰もが仲間からの指示を待つ中、時間だけが過ぎていく。
「逃げましょう」
これまで献身的にレバーを漕ぎ続けていた閏の声が、トランシーバー越しから聞こえた。
「ここで躊躇していては取り返しの付かない事になる……ような気がします。だから、全力で逃げましょう……!」
弱気が顔を覗かせているわけではない。閏はそう叫ぶと、着物の袖に襷を回す。
「愛梨さん、パトリシアさん、ありったけの地縛符を撒いてください! 他の皆さんでレバーを漕ぎましょう!」
最低限の妨害を施し、残りの力は全て逃げに注ぐ。閏が示した答えに反論はなかった。
「鬼の力は飾りじゃないんです……っ!」
仲間からの無言を肯定と取り、閏はレバーに向かう。
これまで数多のおにぎりを握り、幾万の薪を割ってきた自慢の腕が気合と共に肥大した。
逃げに全力を注いだ結果、トロッコの速度は目に見えて上がる。
「ごめんちょっとだけお願いっ!」
ぐんぐんと速度を上げ、鉄獣達との距離を広げ始めるトロッコの上で、マチルダがすっとレバーから手を放した。
「最後に大きな花火を打ち上げないとねっ!」
そう言って、マチルダは魔仗を口に咥えブツブツと詠唱を始めると、左手に生まれた火球を鉄獣に向け投げ放った。
火球は再び草原を焼き、黒煙を立ち上らせる。
「終わりじゃないよ!」
まだ熱を帯びる左手に魔仗を移したマチルダはすぐさま右手に冷気を纏わせると。
「もう追っかけっこはお終い! じゃぁね、バイバイ!」
右手から放たれた氷の粒が斜面に降り注ぎ、燎原を一瞬にして雪原へと変えた。
●頂上
マチルダの作った雪原に足を取られた鉄獣達が追いついてくる気配はない。
あと一漕ぎもすれば、トロッコは自重により下り坂を転げるように下るだろう。
「振り切りましたねぇ。はぁ、どっと疲れが……」
最後まで仲間達の眼として神経をとがらせていた丑が、珍しくへたり込む。
「よーしよし。お仕事ごくローさまだよー!」
パトリシアは文句も言わず只管レバーを漕ぎ続けた式神をポンポンと撫でてやると、無へ返した。
「さぁて、こいつの正体、協会の人達にいろいろ聞かないとね」
「同感。一体何運ばせてたのか、じっくり問い詰めてやるわ」
愛梨と篝が互いに視線を合わせ、ニヤリとほくそ笑む。
「それでは行きますよ。目的地に到着したらおにぎりをご馳走します」
そう言って、閏が最後に一漕ぎすると、トロッコは勢いよく坂を下った。
6人と巨大な発掘品を乗せたトロッコは、暗く狭い坑道を抜け陽の元へと躍り出た。
「Row Row Row Your Boat~♪ Gently down the stream~♪」
春の陽気にパトリシア=K=ポラリス(ka5996)が体をリズミカルに揺らす。
「聞き慣れない歌だね? あっちの世界の歌?」
「そだよー! 乗ってるのはボートじゃなくてトロッコだけどねー」
耳慣れない歌に問いかけたマチルダ・スカルラッティ(ka4172)に、パトリシアは白い歯を見せ爛漫に笑った。
「どういう意味の歌なの? なんだか呪文みたいだけど?」
「アハハ、違うヨー。漕げやー漕げやー、ボートをコゲヤーって歌なんだよー。ね、ぴったりデショ?」
歌を口ずさむパトリシアに合わせ体を揺らすマチルダが、ふと目の前の発掘物に気を止めた。
「それにしても、これって一体何なんだろう? 魔術師協会の人は、なんかすごいこと言ってたけど」
「私もそれ気になってた」
と、発掘物の上から愛梨(ka5827)が声をかけた。
「見た目は長ーい陶器の筒みたいだけど……」
愛梨が巨大な発掘物をコツコツと軽く拳で打つと、澄んだ高音が草原に響く。
「魔法の威力を増幅する装置とか、光の弾丸を打ち出す古代兵器とか! ……なわけないかな」
「だといいけどね」
未知のものに心躍るマチルダを、愛梨は温かく見つめる。
「懐かしい歌に春風と陽気。このまま何事もなく行けばいいけど」
頬を撫でる暖かい風、トランシーバーから聞こえるあちらの世界の歌。草原のずっと先まで続いている線路を目で追い、八原 篝(ka3104)は小さく呟いた。
「ええ、なんだか里の空気を思い出します」
そんな呟きが耳に届き、閏(ka5673)は瞳を閉じて懐かしい景色を重ね合わせる。
「里かぁ。鬼の里って事は和風なんでしょうね。なんだかちょっと親近感」
「和風?」
「あー……えっと、東方風? 私の故郷も似たような場所なの。その服も、ね」
「この服も、ですか。不思議な偶然があるものですね」
「ほんと、世界が違うのに、ね」
最近まで途絶されていた故郷を思い、篝は瞳を閉じた。
●
「Merrily Merrily Merrily Merrily~♪ Life is But a Dream~♪」
パトリシアが故郷の歌を口ずさみ、レバーを上下させる。
平原を走る線路は、目の前の丘の頂上へ消えていた。
「あー、平和。レバー漕ぐのは大変だけど」
「それで済むなら、楽な仕事でしょ」
「パティ、コグのも楽しいよー?」
「――御嬢さん方、ご歓談中申し訳ありませんが……お仕事ですよぉ」
トランシーバーを介し行われていた会話を遮ったのは、発掘物の上に陣取り周囲を警戒していた丑(ka4498)だった。
「正体不明の影が接近中です。数は……8。鹿……? いや、もう少し大きい」
丑は目を細め長い下草から見え隠れする影の数をカウントする。
「後方、坑道側面から大きく回り込んで現れました。あの大きな角は……バッファロー型と思われます。横一線でこちらに向かってきます」
影の姿が徐々にはっきりとしてくる。「近づいている……」と丑が小さく呟いた。
「……八原さん、少しレバーをお願いします」
丑の呟きを耳にした閏は篝にレバーを託すと、懐から術符を取り出す。
「愛梨さん、パトリシアさん、地縛符をばら撒きましょう。敵……かどうかはまだわかりませんが、『予防線』を張っておくに越したことはありません」
愛梨からは「わかったわ」と頼もしい声、そして、パトリシアからは「リョーカイだよ!」と元気な声が返ってきた。
符術師三人はそれぞれ符を取り出すと、今はまだ遠い影の進路上に地縛符をばら撒いていく。
「それから、これも――」
春風に舞い飛ぶ地縛符を見つめながら、閏は懐から別の符を取り出して発掘物を乗せてあるトロッコに張り付けた。
「それは?」
「加護符です。お守りみたいなものだと思ってください」
篝の問いに閏は少し自信なさげに微笑んだ。
「なるほど、ね。それじゃ、わたしも――はい、頑張ってねっ!」
「いっ!?」
閏の行動を見た愛梨は同乗の丑の背目がけて力いっぱい張り手をかます。
「さて、他の人にも――あ」
加護符を張り付ける次の標的を物色しようとしていた愛梨に、風が悪戯した。
風に遊ばれた符は、ひらりひらりと発掘物へ――ぺたり。
「う?――ひ、ヒャぁ! ももも、燃えたヨー!?」
符が発掘物に触れるや否や、深紫の炎を上げ瞬時消し炭と化す。
「な、なに!? 一体どういうこと!?」
マチルダがパトリシアの悲鳴に、何事かと振り向いた。
パトリシアが指差す個所には、くっきりと符の燃え跡が残っている。
「これが人の未来を変える代物なの……? もしかして、私達とんでもないもの運んでるんじゃ……」
迫ってくる謎の獣の事も忘れ発掘物を凝視するマチルダは、すぐさま仲間達に事の成り行きを説明した。
「加護符が燃える? 精霊の加護を拒絶するというのですか……?」
「えぇっと……それって、もうズバリ――」
「あー、それ以上は言わないで。同乗している身として、精神衛生上あんまりよろしくないわ」
トランシーバーから流れてくるマチルダの報告に、発掘物へ視線を向けた他のメンバーも、物言わず佇む『ソレ』に得体のしれぬ何かを感じずにはいられなかった。
「皆さん、この事も非常に気になりはしますがね。それよりも、コレを狙ってる奴らがきます」
そんな中、丑だけは周囲の警戒を厳にしている。随分と距離の縮まった獣の正体は、鉄でできた巨牛であった。
「鉄の雄牛……嫉妬の眷属でしょうかね――先頭! 首を下げました!」
丑が叫ぶ。獣達の先頭が、大きく首をもたげ立派な角を突き出してきた。
「近づくまで漕ぎ手を代わります。お二人で何とか足止めを!」
先頭の獣がトロッコに迫る中、後部駆動車へと移動してきた丑が、二人から操縦レバーを受け継ぐ。
「アリガト! それじゃ、パティのボディーガードも呼ぶノヨー! 御霊ちゃん、Come here!」
パトリシアが鞄からいそいそと大量の符を取り出すと、景色流れる上空へ思いっきり放り投げた。
まき散らされた符が結合し、大きな人型へと変化する。
「Hi、御霊ちゃん! パティの代わりに、トロッココーギコーギよろしくなのヨー!」
パトリシアの命令に人の倍はある式神は、狭そうに見身を縮めながらレバーを握った。
動力を確保しながらも迎撃態勢に移った二人は、もう100m程度まで迫った鉄獣に向き直る。
「取り合えず、一撃入れてみて敵を探るよ!」
魔仗の先端でくるりと円を描いたマチルダが、杖に炎気を宿らせ巨大な火球を生成すると、突撃してくる獣の足元目がけて放った。
火球は鉄獣の足音で炸裂し、爆発。下草に燃え移った火種は、春風に煽られすぐに大火へと成長した。
青々とした若草が延焼していくにつれ、辺りは灰黒い煙で覆われていく。
「相手に視覚があれば、これで目測を見誤らせることができるはず!」
マチルダはもうもうと立ち込める黒煙をじっと凝視する。だが――。
「なんて、直線的なっ……!」
流れる景色の中、マチルダは歯噛みした。
体のあちこちに火種を纏い、多少のダメージなど気にも留めず、鉄獣は炎の海を平気で突っ込んでくる。
「頭を下げてっ!!」
突然後方から響いた声に、マチルダ達は確認もせず身を伏せた。
その頭上を一陣の矢が光となって通り過ぎる。
「色々試しましょう! なにが効くかわからないわ!」
初弾の着弾を確認もせず篝はすぐに次矢を装填しつつ、弓の紋様に指を走らせた。
しかし、鉄の獣はその見た目通りのタフネスで、変わらずトロッコを目指してくる。
「こういう搦手はどうですか……!」
先頭車両から閏がまき散らした地縛符を発動させた。
だが、地縛符が鉄獣を捉えるのも一瞬。トロッコが移動し続けている為、すぐに効果範囲が射程外へと移動してしまう。
数分の足止めにこそなるものの、鉄獣は変わらずトロッコへと追いすがっていた。
「左右に分かれたわ! 迂回して挟み撃ちにする気かも!」
発掘物の上に残った愛梨が丑に代わり監視役を引き受け、状況をつぶさに報告する。
「案外頭がいい。こちらの攻撃が分散させられてる……」
最後尾に取り付いた鉄獣が4。左右がそれぞれ2。まるで狼の様に組織だった狩りの様子に、愛梨は思わず歯噛みした。
「閏は動力の維持と貨車の守りをお願い! ――篝、ノルマは一人2匹。行ける!?」
「それはこっちの台詞よ。愛梨こそいけるんでしょうね!」
護りに長けた閏に一先ず駆動レバーを任せ、挟撃しようと突っ込んでくる敵に対して愛梨と篝の二人が迎撃する。
「見てればわかるわ!」
愛梨は指を口に含み湿らせると空に向け立てた。
「速度――よし。風速――よし。距離――よし」
情報に必要な感覚意外を全てシャットアウトし、愛梨は符を風に解き放つ。
放たれた符は、中空に漂う微弱な電気を喰らいながら肥大し、標的に巨大な雷の鉄槌を振り下ろした。
「やるわね。私も負けてられないわ」
雷撃を受け機能を停止する鉄獣を横目に、篝が弓に光の矢を番えると大きく引き絞る。
放たれた光の矢は放物線を描くことなく、一直線に別の鉄獣の脚を射抜いた。
これで二匹。二人の攻撃が功を奏したのか、他の鉄獣たちが距離を取り始めた。
「てたいー! ウシさんてたいー!」
後部で応戦していたパトリシアが、嬉しそうに声を上げる。
「ここで一気に退きはなソー! うっしー代わるよ!」
「ありがとうございます。では、少し休ませてもらいますかねぇ」
レバーを任せていた丑から場所を譲り受け、パトリシアは腕を捲った。
「御霊ちゃん、じゃんジャカこぐよー、えいこらダー!」
気合一番、パトリシアがレバーを押す。
トロッコは最後の上り坂へと差し掛かった。
●上り坂
坂道は徐々にきつくなってくる。
これまでは一度漕げば惰性である程度進んだが、今は逆行しないように漕ぎ続けねばならなかった。
「……一定の距離を保っていますね。諦めたんでしょうか」
「そうだといいんだけど」
監視役の丑と愛梨が距離を保ちつつついてくる獣の群れを眺める。
「思いのほか消耗しましたね……」
「足場が悪すぎるのよ」
先頭車両では閏と篝がレバーをこぎながらも、残弾を確認する。
振り返れば丘の頂上が見える。坂は更に斜度を増していた。
「来た! 皆さん、もう一度迎撃の準備を!」
丑が大声を上げた。
鉄獣の残りは6体。速度の出ないトロッコを追うように駆け上がってきた。
「ここが正念場です。なんとしてでも抑えきりましょう」
丑の声に皆、神妙に頷く。後部駆動車にマチルダ、パトリシア、丑。そして、愛梨が発掘物上で後部への迎撃に当たる。
パトリシアが式神に駆動を任せる中、撃退よりも攪乱に重きを置いた迎撃作業が始まった。
地縛符による足止め。桜幕符による攪乱。風雷陣、ファイアーボール、制圧射撃による直接迎撃。
最早、出し惜しみする場面ではないと、ハンター達は全力をもって鉄獣に当たる。
迎撃の効果が表れているのか、上り坂に入って速度が出ぬ中、鉄獣達との距離は依然、一定を保っていた。
しかし――突如、トロッコを大きな衝撃が襲う。
「ななな、なんですカー!?」
突然の衝撃にトロッコの片輪が宙に浮いた。
「まずい……! 車両が傾きます! 皆さん右側へ体重移動を!!」
「そんなこと言われたって、こっちは迎撃中よ!?」
倒されたと思っていた2体が、丘の死角を使い駆け上がり側面から角を突き立てたのだ。
「くっ、このままでは……」
徐々に傾いでいくトロッコ。このままでは横転してしまう。
「一か八か――はあまり好きではないんですけどねぇ! はああぁぁぁっ!!!」
傾いで足場の悪いトロッコ上に駆け上がった丑は、裂帛の気合いと共に目前に迫った地面へ向け十字槍を突き出した。
ガコンッっ!!
車輪がレールを叩く鉄打ち音が響く。
何とか水平を取り戻したトロッコは、再び前進し始めた。
●
「積み荷は!?」
「なんとか、ぶじ! でもでも、かごふー切れちゃたカラ、もう一回きたらOutダヨー!」
パトリシアの明るい声にも焦りが滲む。
頂上はまだ遠い。迎撃に徹するか、全力で漕ぐか。どちらにせよ、一方に絞らねばこの窮地は脱しえない。
誰もが仲間からの指示を待つ中、時間だけが過ぎていく。
「逃げましょう」
これまで献身的にレバーを漕ぎ続けていた閏の声が、トランシーバー越しから聞こえた。
「ここで躊躇していては取り返しの付かない事になる……ような気がします。だから、全力で逃げましょう……!」
弱気が顔を覗かせているわけではない。閏はそう叫ぶと、着物の袖に襷を回す。
「愛梨さん、パトリシアさん、ありったけの地縛符を撒いてください! 他の皆さんでレバーを漕ぎましょう!」
最低限の妨害を施し、残りの力は全て逃げに注ぐ。閏が示した答えに反論はなかった。
「鬼の力は飾りじゃないんです……っ!」
仲間からの無言を肯定と取り、閏はレバーに向かう。
これまで数多のおにぎりを握り、幾万の薪を割ってきた自慢の腕が気合と共に肥大した。
逃げに全力を注いだ結果、トロッコの速度は目に見えて上がる。
「ごめんちょっとだけお願いっ!」
ぐんぐんと速度を上げ、鉄獣達との距離を広げ始めるトロッコの上で、マチルダがすっとレバーから手を放した。
「最後に大きな花火を打ち上げないとねっ!」
そう言って、マチルダは魔仗を口に咥えブツブツと詠唱を始めると、左手に生まれた火球を鉄獣に向け投げ放った。
火球は再び草原を焼き、黒煙を立ち上らせる。
「終わりじゃないよ!」
まだ熱を帯びる左手に魔仗を移したマチルダはすぐさま右手に冷気を纏わせると。
「もう追っかけっこはお終い! じゃぁね、バイバイ!」
右手から放たれた氷の粒が斜面に降り注ぎ、燎原を一瞬にして雪原へと変えた。
●頂上
マチルダの作った雪原に足を取られた鉄獣達が追いついてくる気配はない。
あと一漕ぎもすれば、トロッコは自重により下り坂を転げるように下るだろう。
「振り切りましたねぇ。はぁ、どっと疲れが……」
最後まで仲間達の眼として神経をとがらせていた丑が、珍しくへたり込む。
「よーしよし。お仕事ごくローさまだよー!」
パトリシアは文句も言わず只管レバーを漕ぎ続けた式神をポンポンと撫でてやると、無へ返した。
「さぁて、こいつの正体、協会の人達にいろいろ聞かないとね」
「同感。一体何運ばせてたのか、じっくり問い詰めてやるわ」
愛梨と篝が互いに視線を合わせ、ニヤリとほくそ笑む。
「それでは行きますよ。目的地に到着したらおにぎりをご馳走します」
そう言って、閏が最後に一漕ぎすると、トロッコは勢いよく坂を下った。
依頼結果
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/04/20 23:19:28 |
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ハクジーを守る会! パトリシア=K=ポラリス(ka5996) 人間(リアルブルー)|19才|女性|符術師(カードマスター) |
最終発言 2017/04/26 01:02:55 |