• 界冥

【界冥】函館クラスタ殲滅戦

マスター:猫又ものと

シナリオ形態
イベント
難易度
難しい
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
普通
相談期間
6日
締切
2017/05/22 19:00
完成日
2017/06/05 06:36

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

『ハロー、エンドレス。聞こえるかい? こちらAP-Sだよ』
『交信開始。照合確認。ハロー、AP-S。私はエンドレスです』
『良かった。元気そうだね。今日は例の作戦を実行に移して貰おうかと思ってね』
『レイノサクセンのデータを検索。……発見。敵性存在シエラの排除計画。正誤確認を要請します』
『キミ達はアレをシエラって呼ぶんだったね。うん。それで合ってるよ』
『承認確認。計画変更を審議。ヴァルハラの計画変更を承認しました』
『相変わらず堅苦しい言葉だねえ。まあいいけど。ああ、そうだ。新しい装甲を積んでおいたよ。良かったら使ってみて』
『了解。新装甲のデータ受理。使用申請。承認。これよりフェイド4に移行します』
『ああ、頼むね。……グットラック、エンドレス』
『ありがとう、AP-S。交信終了』
『うん。またね』


「メタ・サンクチュアリは函館クラスタの北側から進軍。突入部隊をバックアップするザマス」
 メタ・シャングリラのブリッジで艦長の森山恭子(kz0216)は、今回の作戦参加者へ作戦の全体を解説していた。
 函館クラスタの攻略を進めていた統一連合宙軍は、ついに函館クラスタへ王手をかけた。
 二股口から函館クラスタの北側へ迫るメタ・シャングリラ。
 さらに函館湾から上陸して函館クラスタ南側へ進軍する統一連合宙軍。函館クラスタを挟み込んで一気に叩くのが今回の大まかな作戦だ。
 順調に見えた進軍。
 あともう少しで函館クラスタが見えて来る……と言ったところで、前方にちらほらと影が見えた。
『2号隊より緊急報告! 函館クラスタ上空よりVOIDが高速で接近中!』
『上空に大型VOID発見! 木古内を襲った強襲揚陸艇と思われます! このまま進軍すると接敵します!』
「何ですってェ……!?」
 目を見開く恭子。この部隊は函館クラスタ攻略の為のもの。有体に言うとギリギリの戦力なのだ。それ以外の敵に構っているような余力などない。
「……森山艦長。どうされますか? ここは一旦撤退しますか?」
「それは駄目ザマス! 南側から統一連合宙軍が来てるザマス! 弁天台場を攻略している部隊も……!」
 そう。もう作戦は動き出している。
 ここで自分達が引けば、彼らを見捨てる結果となる。
 それだけは許されない。しかし、手持ちの戦力であの強襲揚陸艇を退け、その奥の函館クラスタを狙うのには無理がある……!
「……! 艦長! 統一連合宙軍専用回路に通信が入りました。繋ぎます」
 嫌な沈黙を破る通信兵の声。モニターに、赤毛に若草色の目の青年の姿が映る。
『メタ・シャングリラの森山艦長ですか? 俺、クリムゾンウェストの辺境部族会議大首長補佐役のイェルズ・オイマト(kz0143)と言います。森山艦長の上官殿の要請を受けて援護に来ました!』
「イケメンキターーーーーー!!!」
『えっと、あの……?』
「ちょっとあなた歳はいくつザマス? 趣味は? 特技は? 歌って踊れたりするザマスか!?」
 モニターに映った青年の姿に腐女子の魂が燃えたのか叫ぶ恭子。
 部下達の冷ややかな目線に気付いてこほん、と咳ばらいをする。
「……あたくし達の援護に来たと言ったザマスね?」
『あ、はい。函館クラスタの殲滅と、それに伴う敵の掃射の任務に、多くのハンターが集まってくれました。森山艦長の指示ですぐに動けます』
「ふーむ。長官殿、増軍の約束は果たしてくれたザマスね……。分かったザマス。まず援軍を二つに分けるザマス。それからイェルズと言ったザマスか? あなたは片方を率いて強襲揚陸艇を引き付けて欲しいざます。残りの半分は、あたくしと一緒にまっすぐ函館クラスタを目指し、内部に侵入。一気に破壊するザマス!」
『了解しました! イェルズ、その任務お受けします!』
「宜しくお願いするザマス。さあ統一連合宙軍、そしてハンター達。あたくし達に勝機が見えてきたザマス! 一緒に、函館クラスタを破壊するザマス!」
 恭子の声に雄叫びを返す兵達。そしてハンター達も、出撃の為に立ち上がる。


『函館クラスタの侵入口は我々の艦隊の一斉掃射で作ります! ハンターさん達はそこから乗り込んでください!』
「分かった。掃射の時は合図をくれ」
『了解です。函館クラスタ内部も、名古屋クラスタに近い状況だと思われます。どうぞお気をつけて!」
「ええ。貴方達も気を付けてね」
 統一連合宙軍と通信をするハンター達。そこに別の通信を知らせる音が鳴り響く。
『こちら2号隊。木古内を襲った強襲揚陸艇……ヴァルハラが動き出しました! 強襲揚陸艇の他にCAM型の敵性反応複数! VOIDのようです!』
「やはりタダでは通してくれんか」
「……ねえ。ヴァルハラ、前見た時と何か形が違わない……?」
「ふむ。あっちも本気を出してきたということでしょうか」
 ヴァルハラと歪虚CAM、そしてドローンが映し出されたモニターを見て険しい顔をするハンター達。イェルズもそれを食い入るように見つめる。

 ――リアルブルーにエンドレスが現れた。
 そう聞いてから、ずっと気になっていた。
 あの人……蛇の戦士、シバ(kz0048)がずっと。死神の鎌に振われるまでずっと追い続けた存在。
 誰よりも先を見据えて、誰よりも辺境の未来を案じていた人。
 優しくて、懐が深くて、お茶目で……強い人だった。憧れていた。
 あの人が命を賭して追っていたもの。それを自分も追ったら、あの人と同じものが見えるだろうか――。
 リアルブルーに向かいたい。でも、補佐役の仕事を放り投げる訳にもいかない……。
 悶々と悩む彼を、部族会議の大首長であり、オイマト族の族長であるバタルトゥ・オイマト(kz0023)は見抜いていたのか。イェルズにこう言った。
「行って来るといい……。お前はまだ若い……世界を見るのも、いい経験になる……。シバが見られなかったものを見て、教えてやるといい……」
 ――イェルズ。お前は時代の担い手じゃ。若き力が辺境の未来を創る。視野を広く持て。旧さに囚われるな。新しさに惑わされるでないぞ……。
 かつてのあの人の言葉。そして族長の一言で、イェルズの心は決まった。
「あいつに引導を渡すまで、クリムゾンウェストには帰らないからな!!」
「……そうか。それはさっさと倒してやらんと、族長殿が困るな」
 拳を握りしめるイェルズに、くつりと笑うハンター。
 そこに、聞きなれた合成音声が聞こえてきた。

『ハロー、シチズン。私はエンドレスです。現在、フェイド4実行中。函館クラスタ及びその周辺への侵入は禁止されています』
『ハロー、シチズン。直ちに武器を放棄し、投降してください。ハロー、シチズン。直ちに武器を放棄し、投降しなさい』

リプレイ本文

 函館でも屈指の観光名所である五稜郭の歴史は、江戸時代末期から始まる。
 黒船の来航により開国をすることとなった江戸幕府は、諸外国の脅威に対する北方警備の要として星の形をした砦を作り上げた。

 大政奉還が行われ、江戸幕府が崩壊した後、新政府軍と旧幕府軍は戊辰戦争へ突入。
 旧幕府軍が五稜郭を制圧し、戊辰戦争最後の戦い――箱館戦争の舞台となった。

「……とまあ、これが五稜郭の成り立ちだな」
「はっ、クソ歪虚が洒落た処に住んでんじゃねぇか」
「星の形の砦、とっても可愛いのにクラスタに覆われて見る影もないじゃないですかっ!」
 淡々と語るグリムバルド・グリーンウッド(ka4409)に吐き捨てるように言うジャック・J・グリーヴ(ka1305)。
 ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)が函館の観光案内書を手にぷんすこしている。
 五稜郭がある地は北国で、春の到来が遅い。
 本来であれば花が見頃を迎えている時期なのだが……今は見渡す限りのVOID。しかも狂気眷属。ハッキリ言って可愛くない。ぶっちゃけキモい。
 花の乙女であるルンルンの怒りが最高潮なのも仕方がないのかもしれない。
「ふむ。かつての戦場跡といったところかの……」
「長き時を経て、再び戦乱の舞台になろうとしておるのじゃな。民にとっても迷惑な話よの」
 ミグ・ロマイヤー(ka0665)の呟きに頷く紅薔薇(ka4766)。それにジャックがちちちと指を振る。
「いんや。正確に言うと、実際に戦場になったのは弁天台場とか函館市内だ。この地は司令塔として使われてたんだぜ」
「随分詳しいな、ジャック」
「そりゃあ……ほら。五稜郭は二次元文化的にもイロイロと大事な場所でな。シンセングミ? あれの萌えキャラが秋葉原にいっぱいいてよ……」
 親友は自分と同じ紅の世界の出身のはずだが……と、目を丸くしたクローディオ・シャール(ka0030)。
 続いたジャックの言葉に納得したのか苦笑する。
 カール・フォルシアン(ka3702)は軍用PDAを立ち上げると仲間達に向き直る。
「いいですか、皆さん。五稜郭は星型の要塞だった場所です。全方位堀で囲まれています」
「堀? ……水があるってことか」
「クラスタに取り込まれて、今はどうなっているか分かりませんけどね。核の場所ですが、ここにある可能性が高いと思います」
 リュー・グランフェスト(ka2419)に頷くカール。
 五稜郭の見取り図の中心地を指差す彼。そこに何かが書かれているのに気づいて羊谷 めい(ka0669)が首を傾げる。
「何です? これ……。建物ですか?」
「そうどすえ。箱館奉行所ちゅう場所で、昔の建物を復元したものだそうどす」
「へえ……。確かに、中心地にこんな壁になるものがあるならボクも間違いなく使うよね」
 琴吹 琉那(ka6082)に腕を組んで考え込むノノトト(ka0553)。
 アルト・ハーニー(ka0113)も頭に叩き込んだ地図を思い出しながら続ける。
「ざっと調べたところ段差と細々とした建物はあるが、CAMの類のユニットであれば問題なく進めると思うぜ、と」
「えーと。じゃあ、突入したら真っ直ぐに中心地を目指す感じだね」
「了解。その前にあいつを何とかして避けないとな」
 ステラ=ライムライト(ka5122)の声に頷きながら虚空を見上げる不動シオン(ka5395)。

 前方の空に浮かぶ狂気の歪虚。そして巨大な宇宙強襲揚陸艇――。
 甲高い合成音声が聞こえて来る。

『ハロー、シチズン。私はエンドレスです。現在、フェイド4実行中。函館クラスタ及びその周辺への侵入は禁止されています』
『ハロー、シチズン。直ちに武器を放棄し、投降してください。ハロー、シチズン。直ちに武器を放棄し、投降しなさい』

「いきなり降伏勧告とは随分だな、オイ」
「あの台詞前にも聞いたことあるヨ。お約束みたいなモノなのかもしれないネ」
 浮かぶ強襲揚陸艇を睨みつけるラスティ(ka1400)に、前にエンドレスに会ったことを思い出し肩を竦めるアルヴィン = オールドリッチ(ka2378)。
 リコ・ブジャルド(ka6450)とレイオス・アクアウォーカー(ka1990)が狂気の歪虚とドローンを従えた船に向かって叫ぶ。
「ハロー、エンドレス。こちらキルアイス様だ。投降勧告なんざ誰が聞くか!」
「ハロー、エンドレス。こちらトライアンフ。直ちに自沈して、船と運命を共にしやがれ! この人工無脳!」
 2人の叫び。そしてエンドレスから繰り返されていた勧告がピタリと止まる。
『……交信開始。ハロー、キルアイス。ハロー、トライアンフ。私はエンドレスです。両名の通信を受理。これを宣戦布告と見なし、攻撃を開始します』
「あのデカブツ、通信に応じやがったぞ……!?」
 目を見開くデスドクロ・ザ・ブラックホール(ka0013)。
 返す刀ですぐに追撃を食らわせようと思っていたリコだったがその暇もなく――エンドレスの砲台に集まる光に、岩井崎 メル(ka0520)が叫ぶ。
「エンドレスから高エネルギー反応! リニアカノン来るよ!」
「……っ! まずいぞ! ドローンを減らせてない状態で撃たれたら……!」
「うわっ!? ルシオさん!?」
「すまない、イェルズ。時間がない。じっとしててくれ……!」
「総員退避!! なるべく距離を取……」
 咄嗟に近くにいたイェルズ・オイマト(kz0143)をむんずと掴み、己のイェジドに乗せたルシオ・セレステ(ka0673)。八島 陽(ka1442)の叫びは発射音と眩い光でかき消される。
 続く爆発音。咄嗟に振り返ったセツナ・ウリヤノヴァ(ka5645)見たのは、燃えて落ちる船……。
 光の筋が貫いたのは自分達ではない。クラスタを目指す仲間達でもない。その更に後方の――統一連合宙軍のものだった。
「何てことを……」
「宙軍さんの船が……っ!」
「狙いやすいところを突いたってことか……」
 声を震わせるエステル・ソル(ka3983)。
 ラミア・マクトゥーム(ka1720)が唇を噛んで虚空を睨みつける。
 ――そう。エンドレスは、小さくてちょこまかと動き回るハンター達より、大きくて動きの鈍い標的をまず狙ったのだ。
 先制かつ、牽制。確実に弱点を突いて来る容赦のない攻撃……。それを察して、陽の額に冷や汗が流れる。
「狂気って割には随分頭が働くじゃないか。……流石に無傷じゃあ終われなさそうだな」
「こりゃ投降してもロクな扱いされそうにない。全力で抵抗するしかないな」
「同感だ。これ以上リニアカノンを撃たせるな! ドローンを叩き落とせ!」
「あのトンチキ、あたしより先に攻撃とかナメた真似してくれんじゃん! 吠え面かかせてやらあ! 行くぜぇ!」
 吐き捨てるように呟いたレイオス。
 ラスティとリコの合図と同時に、ハンター達は武器を構える――。

 ――エンドレスというのは、あの狂気の歪虚の総称だ。
 旧一本木関門に出没したCAM型の『ヴァルキリー1』。
 そして宇宙強襲揚陸艇型の『ヴァルハラ』。
 あの巨大な船がエンドレスの本体なのではないかと推測されている。
 ヴァルキリー1はパイロットごと鹵獲された稀有な例ではあったが……今回キヅカキャノンなども改造して再利用されているところを見ると、恐らく何かしらの『器』に受肉、浸食し、己のモノとするタイプの歪虚なのだろう。
「使えそうな兵器を手あたり次第に鹵獲されると厄介だよネ……」
 呟くアルヴィン。モノクルの奥の青い瞳が飛来する黒い円盤と狂気の歪虚を捉える。
「……空が真っ黒……。あれ、全部歪虚です?」
「ああ。ドローンも含まれてはいるが、小型の狂気歪虚はヴァルハラが排出しているらしい。これだけの歪虚を身体に収めているとは……」
「格納してるのか、生み出してるのかでまた話は変わりそうですけどね」
 空を見上げるエステルとルシオ、イェルズの横でデスドクロが舌打ちをする。
 後方のデカブツに目がいくのは仕方ないが、自称全智を司る男として、一番厄介なのは狂気の群れだ。
 今回のハンターの数。宙軍全てを戦力に入れたとしたって……雑魚だろうとあの数はヤバい。
 可及的速やかに仲間達を進軍させ、クラスタを叩いて貰わないことにはこちらが消耗していくだけだ……。
「お前ら、考えるのは後だ。とりあえず風穴ぶち明けるぞ!」
 愛機であるR7エクスシア、『閻王の盃』でマテリアルライフルを構えるデスドクロ。
 陽はイニシャライズフィールドを展開すると、レールガンの照準を合わせる。
「イニシャライズオーバー展開! いつでもどうぞ!」
「タイミング合わせるぞ! 総員! 一斉掃射!」
「グラビティフォール、行くです!!」
「いっけええええ!!」
 ラスティの深い紺のデュミナス、リコの黒いR7エクスシアから放たれる光弾。
 そしてエステルの手から紫光の重力波が湧き出し――。
 同時にデスドクロと陽からも高速で弾が放たれて、空を覆っていたドローンと歪虚達がごっそりと数を減らす。
「わーお。さっすが雑魚。散り際も地味だなー。もっと花火みてえにどかーんといかねえかね。周り巻き込むとかさ」
「そりゃお前雑魚相手に無茶振りってもんだろ」
「そうなー。所詮雑魚だもんなー」
「……おっと。またお客さんみたいだな。油断すんなよ、リコ!」
「わーってるっつーの。ラスティこそ前見ろ! 前!!」
 軽口を叩きながら銃撃の手を緩めないリコとラスティ。
 仲間達の砲撃の雨を潜り抜け、迫る狂気の歪虚。
 その前に立ちはだかる紅いR7エクスシア。そこからぶわっと、燃える炎のようなオーラが立ち上る。
「行かせるかよ! お前らの相手はこの俺だ!」
 叫ぶレイオス。彼が燃やした命の色に惹かれるように、狂気の歪虚は進行方向を変える。
「引っかかった……! 総員、レイオスを守れ!」
「あいよ! どっからでもかかってきな!」
「私は辺境の戦士、セツナ。オイマト族への義により、お力添え致しましょう。いざ、参る!」
 ルシオの鋭い声に応えるように、敵陣に飛び込んでいくラミアとセツナ。それを見送って、メルは菫色のドミニオンで宙軍のCAM部隊に近づく。
「宙軍さん、聞こえる? こちらドミニオンアンサー。私は外側から歪虚を狙おうと思うの。お願い。力を貸して貰えない、かな?」
「了解した。CAM部隊、ドミニオンアンサーの指示に従います」
「ありがとう。あの歪虚達は精神干渉をしてくるの。なるべく近づかず、射程範囲ギリギリから砲撃をお願いできるかな」
「了解」


 宣戦布告はエンドレスの先制攻撃こそ許したが、決して悪いことだけではなかった。
 結果として、彼の注意を引き付けることに繋がったからだ。
 交戦を開始したエンドレスとハンター達。
 飛び交う光弾とレーザー。聞こえる破裂音。CAMの装甲が焼ける匂い。
 仲間達が激しい戦いを繰り広げているが、ここを超えて行かなくては――。
 カールは状況を分析すると、トランシーバーに向けて声をかける。
「こちら月狼です。対エンドレス班、交戦状態に突入しました。右側を回ってクラスタに向かいましょう」
『こちら4号隊。ルート了解。目標ポイント到達後、函館クラスタに一斉掃射、侵入口を作ります。ハンター諸君は一旦退避を』
「了解じゃ。……先ほどの砲撃でおぬしらの隊に被害が出たようじゃが……」
 呟く紅薔薇。彼女の気遣いに、宙軍の兵は少し間を置いて答える。
『……はい。ですが、ここで作戦を止める訳にはいきません。行って、函館クラスタを破壊して下さい』
「分かった。俺達がモタモタしてたら、怪我人の救助にも行けねえもんな。さっさとやっちまおうぜ」
『了解。……目標ポイント到達。エネルギー充填開始。カウントダウン後に掃射。5、4、3、2、1……」
 トランシーバーに向けて語り掛けるリュー。聞こえてくるのは作戦実行の音。
 次の瞬間、溢れる光の奔流。統一連合宙軍の艦隊の砲撃が狂気の歪虚を巻き込みながら函館クラスタに注がれて――。
「やった! どどんと風穴開きましたよ! 宙軍さんすごいです!」
『いえ。務めを果たしたまでです。……援護します。進軍を。ハンター諸君の健闘と幸運を祈ります』
「ありがとう。宙軍さんもくれぐれも無理しないでね。……気を付けて!」
 ルンルンの興奮気味の声。ステラの交信に応えるように、宙軍が空中にいる狂気歪虚に向けて砲撃を開始する。
「……扉は開け放たれた。今日より以降2度と閉じられることはない。今宵が函館クラスタ終焉の時となる」
「ここは俺達が維持する。皆は速やかに進軍を」
「へいへい了解。さーて。鬼が出るか蛇が出るか……。行くとしますかぁ」
 ミグとグリムバルドに頷き、魔導アーマーの操縦桿を握るアルト。
 クローディオは親友の黄金に輝くR7エクスシアを見上げる。
「……いつ見ても派手だな、お前のユニット」
「うっせーよ。他でもねえ俺様が乗るんだぞ!? これぐらいじゃねえと釣り合わねえだろうが!」
「そうか。そうかもな。……行ってくる。気をつけろよ、ジャック」
「おう。お前もな、クローディオ。クソ歪虚にきっちり落とし前つけさせてやれや」
 その声に軽く腕を上げて応えるクローディオ。
 ハンター達はクラスタ内に足を踏み入れると、疾く侵攻を開始する――。

「さて、核とやらはどこになるのやら。五稜郭の案内人が歪虚ってのは笑えないねえ、と」
「ほんにねえ。五稜郭は武士の魂が眠る、歴史ある所。価値もわからへん阿呆共にはぶぶ漬けお出しせにゃあかんねえ」
 目前に広がる光景。歪虚によってドームが作られている、というのは頭では理解していたが、内部に入ってみるとその異様さがハッキリと分かる。
 その割にのんびりと話しているアルトと琉那に、ノノトトが首を傾げる。
「ブブヅケって何?? 何かのスキル??」
「ああ、私の国の言葉で『とっとと帰りや』って意味どすえ」
「……蒼の世界って難しい言葉使うんだね」
「ああ、琉那さんの故郷だけだと思いますよ。多分……」
 続いた琉那の解説。キョトンとするノノトトに、めいが苦笑を返す。
「クラスタを相手にするのは2回目だけど、やっぱりおっきいよね……!」
「趣味の悪い内装だな」
 光のない空。天を覆う歪虚。再び見る光景にステラが息を飲む横で、シオンがため息をつく。
 圧倒的な威圧感。じりじりと感じる重圧は、狂気の精神干渉だろうか。
 クローディオは頭を振ると、腰につけた銃に触れる。
「精神安定剤を持っているものは使っておけ。勿論私も支援はするが……ここからは歪虚と、自分との戦いになるぞ」
 淡々と言う彼。そう。自分達が戦うのは歪虚だけではない。
 精神干渉とも戦わなければならない――。
 侵入者の気配を察知したのか、集まって来る歪虚にルンルンが鋭い目を向ける。
「いやあああ! わらわら湧いてきましたよ! 立ち止まってたらあっという間に囲まれちゃいます!」
「……立ち止まるな! 走るのじゃ! 応戦は最低限で良い!」
 紅薔薇の声に押されるように走るハンター達。
 彼らの前に、立ち塞がる狂気の歪虚。そこに風のように走り込むイェジド。奔る黒い炎――シオンが、自身の身の丈より遥かに大きい刀を振り下ろして歪虚を切り伏せる。
 彼女の赤く変化した目に映る歪虚。
 ――敵。敵だ。私の討ち滅ぼすべきものがこんなに沢山いる。
 何ておぞましく、そして何と喜ばしいことか……!
 さあ、死線の上で踊れ。そして散れ。
 どちらがより多く道連れに出来るか、勝負と行こうじゃないか……!
「……ようこそ、歪虚共。私の戦場へ。空虚の永遠よりときめきの刹那を。退屈な日常より躍動の戦場を。貴様らに恨みはないがこいつは私のカルマだ。せいぜい私をときめかせろ……!」
「わあ! シオンさんこわーい!!」
「……お前に言われるとは心外だな、ステラ。お前のその青い機体も飾りではあるまいよ?」
「もっちろん! やるよ!」
 海の神の名を冠する蒼いヘイムダルを駆るステラ。一気に敵の中に滑り込み、巨大な斬魔刀を振り回す。
 応戦しながら走るハンター達。
 中心部へと向かえば向かうほど、壁や地面から歪虚が出現する頻度が増している。
「くらえ! ニンジャういーーーーーーーっぷ!!」
 シートに身を沈めて操縦桿を引くルンルン。一気に方向を変えるヘイムダルの動きに合わせて撓る鞭。狂気の歪虚を絡めとるようにして地に落として行く。
「……敵が増えてますね。ということは、やはりこの先に核があるんでしょうね」
「そうどすなあ。進まれては困る、ちゅうことですやろ」
 その近くでマテリアルを練り上げ、気功波にして飛ばす琉那。ルンルンが討ち漏らした歪虚を次々と沈めて行く。
 ルンルンもニンジャ。琉那もニンジャ。
 ダブルニンジャ、夢の競演! ……という訳で協力し合っている2人だが、ルンルンの操縦が荒い為、生身の琉那を乗せて動くことは残念ながら不可能だった。
「違います! 操縦が荒いんじゃないです! ニンジャアーマーでルンルン忍法を駆使するとどうしてもアクロバティックな動きになっちゃうだけです!」
「……ルンルンはん、誰と話してはりますの?」
「ぬっ。何か電波が飛んで来た気がしたのです!」
「狂気の精神干渉でっしゃろか。あきまへんな」
 そんなことを言い合いながらも次々と敵を叩き伏せる2人。
 真っ白なユキウサギが、青い顔をしたノノトトを心配そうに見上げていた。
「お、お前達なんて全然怖くなんかないんだからな!!」
 自分を奮い立たせるように叫ぶ彼。
 飛来した歪虚の一つしかない目。触手なのか内臓なのか良く分からないが柔らかそうなモノが飛び出した身体……。
 どうしても生理的嫌悪感を呼び起こすその姿に逃げ出したくなるけれど――。
 でも。自分の故郷……辺境の、オイマト族の族長補佐が前に立っている。
 泣き言なんて言っていられない――!
「ノトくんは強いなあ。私も頑張らなきゃ」
 真っ白いイェジドの背の上でぽつりと呟くめい。その言葉に、ノノトトの頬が微かに染まる。
 ――めいのいう通り、自分が強いのだとしたら……それは、この子が隣にいるからだ。
 この子の前で弱音は吐きたくない。
 この子を守りたい……。
 名古屋クラスタでも死ぬような思いをした。
 怖くないと言えば正直嘘になる。
 でも、この子と2人なら…世界を1つ救うどころか、2つ救えるような気がする。
 それくらいの力を与えてくれる存在だから……。
「道を拓こう、めいちゃん。皆を核に進ませよう」
「うん。そうだね。頑張らなきゃ」
「みぞれ! めいちゃんを守ってね!」
「ネーヴェ、ノトくんを守ってね」
 飛び出した言葉に顔を見合わせる2人。現れる歪虚を薙ぎ払い、踏み潰し、叩き伏せて……。
 見えて来たのは一際大きな狂気の歪虚の群れ。それが覆い隠しているのは和風の建物。
 あれが恐らく函館奉行所……!
「目標発見! 私達が敵を引き付けるから一気に進んじゃって!」
「皆はん、ここは私達に任せて先に進んでおくれやす!」
「しかし、この数の敵を皆さんで抑えるのは……!」
 応戦しながら言うステラと琉那に言い淀むカール。
 確かに、露払いと核を叩く人員を分けようとは思っていた。
 それが最短でことが済むはずだし、最善の案。
 ……が、これだけ歪虚の数が多いと、露払い班の負担が大きすぎる――!
「大丈夫だよ! まだスキルいっぱいあるし!」
「皆さんが核を破壊するまで持ち堪えます! 急いでください!」
「ここからが本番だ。楽しくなってきたぞ! ……さあ、さっさと行ってこい。私の分まで核を殴っておいてくれ!」
 ファントムハンドで歪虚CAMを縛り付けながら叫ぶノノトト。
 めいの必死な声と、セツナの笑い声にクローディオはふっと短くため息をついた。
「……分かった。ここは頼む」
「すまんな。死ぬでないぞ!」
 振り返らずに進む紅薔薇。
 クラスタの外で戦っている仲間達、出口を維持している仲間達。そしてそこで敵を引き付けてくれている仲間達の為。
 そして、この世界の為に――彼女達は走る。

 その頃。金色に輝くR7エクスシアが、じわじわと塞がろうとする穴めがけて容赦ない攻撃を仕掛け続けていた。
 ……クラスタは生きた要塞だ。
 人が怪我をした部分を血液で塞ぐように。傷が入った壁を、自動的に歪虚で埋めようとする。
 こうしていないと、あっと言う間に穴が塞がってしまうのだ。
 穴を塞がれたら最後、仲間達の脱出が難しくなる。
 ここは、ここだけは何とか維持しないと……!
「こんのクソ歪虚が!! 壁材の分際でわらわら増えやがって!!」
「ジャック。無事かえ?」
「当ったり前だっつーの! 俺様を誰だと思ってやがる!」
 聞こえてきたミグの声。そこに戻って来る緑色のドミニオンを一瞥するジャック。
 古びた騎士甲冑のようなヘイムダルからグリムバルドの声が聞こえた。
「そろそろ仲間達が核に到達する頃合いだから引き上げて来た。こっちはこっちで維持しとかないとなんないしな」
「そーかい。そろそろクライマックスかね。俺様はずーーーーっとクライマックスだけどよ!」
 言いながらハルバードで突破口を削り続けるジャック。
 それが何だか工事の作業にも見えて来て、ミグがくつりと笑う。
「そうか。なれば、ミグもちと気合を入れんとの?」
 核を破壊すれば、クラスタ内部から崩落が始まる。そうなると、撤退の際、立ち向かってくる歪虚達が邪魔になる。
 仲間達が速やかな撤退をする為にも、歪虚の掃討は必要なのだ。
 核を狙われているからか、こちらは手薄になっているようだが……。
 何が障害になるか分からない以上、敵は少しでも減らしておいた方がいい。
「行くぞえ、グリムバルド。ミグに付き合え」
「了解。安全第一、突貫工事といくか!」


 ――クラスタの外側。エンドレスとハンター達の戦いは、乱戦になっていた。
「ちょっとメル! あんたいくらなんでも無茶だよ! 死にたいの!?」
「その通りです、ドミニオンアンサー! これ以上は機体も貴方の身体も持ちません……!」
「私は大丈夫! ドミニオンアンサーもそこらのCAMよりずっと頑丈だもの! 続けて!」
 ラミアと宙軍のCAM部隊の懇願するような声を振り切り、再び突撃をしていくメル。
 彼女は、シールドで身を守りつつ歪虚CAMの懐に入り、アーマーペンチで挟み込み足止めをし、同時に宙軍のCAM部隊に抑え込んだ敵機をライフルで集中砲火、蜂の巣にしてもらうという作戦を取り続けていた。
 ただこの作戦、CAMの懐に飛び込むとそれ以上何も出来ない為、飛来するドローンと狂気の歪虚までは対応しきれない。
 そして彼女自身の精神干渉対策は仲間に頼る他なかったので……それ故、ラミアと彼女のイェジドの超聴覚と狼嗅覚を使った的確な索敵と支援は助力は本当に助かった。
 メル自身のCAMも集中砲火を受ける結果になるけれど、それでも。この機体は生存性と頑丈さを徹底的に追及して改造を施した。
 そこらのCAMよりはずっと硬いのだ!
「……でも、あと2回が限度かな……」
「そらそうでしょうよ! ったく滅茶苦茶やるね! あとで説教するから覚悟しな!」
 メルの呟きにため息をつくラミア。
 そうは言うが、彼女自身、こういう一生懸命な子は嫌いじゃない。
 シバの為に故郷を飛び出してきたイェルズもそうだ。
 そういう子は、何が何でも助けてやらなきゃいけないと思う。
 まあ、一生懸命と無茶を間違えてる子には拳骨くれてやらなきゃいけない。その為にも無傷で返さなくては……。
 ラミアの乱暴な優しさに笑いを漏らすメル。彼女のドミニオンからは何度かの集中攻撃で装甲から焦げた匂いがするし、関節もミシミシと悲鳴を上げている。
 とにかく、この戦いの最後まで持てばいい……!
 彼女は歪虚CAMを見据えると、操縦桿を握りしめる。
「おい! 俺にも歪虚CAM残しておいてくれ!!」
 聞こえたレイオスの声。メルの視界の隅で燃え上がる炎。
 彼の幾度目かのソウルトーチに、再び狂気の歪虚の流れが変わる。
「狂気の歪虚さん、どんどん引っかかってます! ファイアーボール行きます! 下がってください!」
「あいよ! エステル、どーんと派手に薙ぎ払っておくれよ! レイオス! こんだけ小型歪虚にモテてんだし十分だろ? 歪虚CAMは諦めなー」
 火球を打ち出す為に詠唱を始めたエステルの横でケタケタと笑うリコ。
 敵をおびき寄せるレイオスを庇うように円を組んだ陣営。敵の手数が多すぎて消耗戦になりつつある。
 各員それぞれ精神干渉の対策はしている。仲間の士気は落ちてはいないが、このままでは……。
 矢を放ち、狂気の歪虚の目を撃ち抜いたアルヴィン。
 仲間の攻撃をすり抜けて飛来した狂気の歪虚の直撃を食らって、陽のR7エクスシアが一瞬傾ぐ。
「おう、陽。しっかりしろ! まだおネンネするにゃ早すぎんぞ!」 
「ああ。大丈夫だ! しかし次から次からうじゃうじゃ湧いて来やがるな……!」
「……このまま続けるんダ。リニアカノンは撃っても当たってナイ。確実に攻撃は防げているヨ」
 デスドクロの檄に体勢を立て直して応える陽。アルヴィンは雪のように白いリーリーに攻撃を命じると、癒しの光で仲間達を満たす。
 エンドレスから排出される小型歪虚とドローンは減る様子もないが、仲間達が手分けしてドローンを集中的に狙っているお陰か、初撃以降のリニアカノンは当たらずに空を切り裂いている状態だった。
「エンドレスの砲台から反応! リニアカノン来るぞ!」
「サンキュ、ルシオ! 散会するまでもない! アレは今お飾り状態だ! とにかく撃って撃って撃ちまくれ!!」
 双眼鏡を使ってエンドレスの動きを伺っているルシオ。ラスティの合図と同時に雨のように注がれる砲撃。
 砲撃を運良く避けた歪虚に紅蓮斬を叩き込むセツナ。置き土産と言わんばかりのレーザーを食らい、膝をつく。 
「セツナさん! しっかりして下さい!」
「……大丈夫。まだ戦えます」
 血を滴らせる彼女を助け起こすイェルズ。セツナのイェジドもまた、彼女を守って満身創痍の状態だ。
 幻獣系のユニットは機動力に優れるが、CAM型のユニットに比べて身を護る部分が少ない。
 こうやって前線に立ち続けて攻撃を受け続ければ、消耗は避けられない――。
「これ以上は無理だ。セツナ、こちらへ。イェルズ、エステルを頼むよ」
 ルシオに促されてセツナをイェジドに乗せるイェルズ。
 幾度となく詠唱を繰り返している幼い主人を背に乗せて、漆黒のイェジドが必死に回避を繰り返している。
 イェルズもまた、エステルを守るように大剣を振って……虚空に浮かぶ強襲揚陸艇を睨みつける。
「くそっ。これじゃエンドレスを狙う隙がない……!」
「……イェルズさん。焦っちゃダメです。今回はエンドレスを倒すのが目的じゃないです。ラミアさんも言ってたです。『機会をちゃんと待てるのも大人のひと』って」
「……そっか。そうだよね。エステルちゃんに言われるようじゃ俺もまだまだだなあ」
「子供扱いしないでください! わたくしレディ見習いです! ちゃんと機会も待てるです!!」
 胸を張るエステルに、驚いたような顔をした後笑うイェルズ。デスドクロもCAMのモニタ越しにヴァルハラを睨みつける。
「まーでも、こう手数が多くちゃ狙えないってのは同感だがなあ」
「そろそろ高みの見物決め込んでる親玉にも一撃入れてやりてぇよ、な!!」
 ドリルから光線を放ち、迫り来る歪虚を焼き払うレイオス。
 トランシーバーの通信音に気付き、アルヴィンが応答する。
「……ミンナ。宙軍から通信が入ったヨ。突入部隊が核まで到達したようダネ」
「よっしゃ! ……総員、何としても持ち堪えろ! 最後にデカい花火打ち上げるぞ!!」
「あいよー!!」
 朗報に、一気に士気が上がるハンター達。
 ラスティの指示に、リコが楽し気に応えて――。


 ――クラスタに侵入して、どれくらい進んだだろうか。
 見えてきた和風の建物。その周囲に、狂気の歪虚が群がっている。
 リューがマテリアルライフルで建物の壁を吹き飛ばすと、そこにはドクリドクリと脈打つ異形のモノが見えた。
「ビンゴ! 核発見だ! ここが中心地で間違いないな!」
「おーおー。お邪魔なお客がいっぱいのようだな。いや、向こうからしたらこっちが招待されてない客かねぇ」
「ふむ。面倒じゃ。核ごと取り巻きを排除するぞえ」
 魔導アーマーの上で肩を竦めるアルト。淡々と言う紅薔薇に、カールがふむ、と考え込む。
「若干乱暴さは否めませんが……時間をかけている場合でもありませんしね。それで行きましょう」
「援護する。歪虚が密集している分、精神干渉の度合いも強い。少数精鋭のこの状況で同志討ちは笑えない。気を付けて対応に当たってくれ」
 続いたクローディオに頷く総員。
 5人は速やかに散開し、行動を開始する……!

 その頃、クラスタ内で露払いを担当している面々もまた、激しい戦いを繰り広げていた。
「この月光の輝きを恐れぬならかかって来るのです! ……って無視ですか!!?」
 歪虚にスルーされて情けない声をあげるルンルン。
 彼女のヘイムダルに取りつけられたおでこぺっかりん☆は何を隠そう強化こそしてあるがただの魔導ライトである。
 仄暗いクラスタ内部を照らすのには大変役に立っているが、敵を引き付けられるかというとまた別問題な訳で。
「わかってたけどやっぱり多い……!」
 愛機のヘイムダルで次々と敵を叩き伏せるステラ。
 ここからでも核を狙えるなら狙おうと思っていたけれど、歪虚を足止めしておくのだけで精一杯だ。
 幾度とない攻撃で、装甲が悲鳴を上げている。
 ステラの危機を感じて、癒しの光を灯しためい。
 その瞬間、飛来する歪虚が視界に入った。
「グオオオ!!」
「しまっ……!」
 聞こえたネーヴェの咆哮。ダメだ。間に合わない……!
 思わずぎゅっと目を閉じためい。
 いつまで経っても来ない衝撃。恐る恐る目を開けると……腹を貫かれながら、歪虚を抑え込んでいるノノトトがいた。
「……っ! めいちゃん! ノノトト君連れて下がって!!」
 ノノトトを貫いていた歪虚を始末しながら叫ぶステラ。めいが慌てて彼に駆け寄る。
「ノトくん……!」
「めいちゃん、大丈夫? 怪我はない……?」
「どうしてこんなこと……!」
「……めいちゃんを守るって決めてたから。ボクだって男だし、ちょっとくらいいいトコ見せたいじゃない」
 泣きそうになるのをぐっと堪えるめい。
 ここに来たのも、守りたいと思ったからだった。
 歪虚が現れて、命が奪われたり、誰かが傷ついて悲しんで……そんなの、どうしたって認めることが出来なかった。
 紅の世界、蒼の世界。どちらの世界でだって、そんな悲しいことが起きたら駄目だと思ったから。
 だから……。
 ――泣くのなんて後から出来る。
 身体を張って守ってくれたノノトトの為にも、立ち向かわなきゃ……!
 そして琉那とイェジドを従えたシオンもまた、歪虚からの集中砲火を食らい怪我を負いながらも戦い続けていた。
「シオンはん無茶や! 治療を……!」
「治療が必要なのはお前の方だろう。この痛みも私のカルマだ! 1匹でも多く敵を薙ぎ払う!」
 制止しようとする琉那を一喝するシオン。
 ルンルンはぷんすこしながら、巨大なハルバードを1回転させてわきの下で固定する。
「大事な仲間をよくも……! 私、もう怒りました! ニンジャ大筒食らいなさい!」
「私も行きますえ……!」
 痛みに耐えながら、大手裏剣を構える琉那。
 仲間達が核破壊に集中できるように。ここを維持する! 絶対に!!


 ――核との戦いは、苛烈を極めた。
 狂気の歪虚に覆われた核は攻撃が到達しにくく、上手いこと歪虚を避けて核に攻撃が到達しても、その度に核が轟き、周囲が激しく揺れて……それにつられるかのように、歪虚達の動きが激しくなるからだ。
「これは予想以上に手間かかるな、オイ……!」
「少しづつですがダメージは通っています。このまま続けるしかありません」
 歪虚達の攻撃を避けながら、歪虚を巻き込み核に攻撃を仕掛けるリューとカール。
 ここに至るまでに、スキルは可能な限り温存してきた。
 後はもう、持ちうる力を全て叩き込むのみだ……!!
 そして紅薔薇は、歪虚の攻撃を避けることを一切放棄した。
 避けるという無駄な動きをすれば、核への攻撃にブレが出る。
 最大級の火力を叩き込み続ける為の究極の選択とも言える。
 核が倒れるのが早いか、己が倒れるのが早いか……時間がかかればかかるほど己が不利ではあるが、こちらには支援を一手に担うクローディオがいる。
 今も銃撃で雑魚を一掃してくれていることだし、これなら多少なりとも持ち堪えることが出来るだろう――。
「見ろ! この使い込まれた立派なキヅカキャノンを!」
「……妙なものを見せるでないわ。興が削がれるじゃろうが!」
 胸を張るアルトに核を見据えたまま顔を顰める紅薔薇。
 巨大な埴輪の中心部。ロマンチックな部位にそそり立つ、大きく立派でたくましい黒光りするキャノンに黄金の光が集まる。
「埴輪のキャノンをぶち込んでやるぞ、と。大地のパワーを吸収……するわけではないが、喰らえ!」
 アルトの咆哮。同時に発射される光線。
 それは歪虚を巻き込み、核に当たって……一際大きく周囲が揺れた。
「こいつはヤベェぞ! 踏ん張れ!!」
「はいっ! でもこれ、チャンスです……」
 R7エクスシアの腰を低く落として、均衡を保つリュー。
 先ほどのアルトの砲撃で、核の周囲の歪虚が薄くなっている。
 その分、揺れが激しかったということなのか。
 カールは紅薔薇とリューに己のマテリアルを流入させ、攻撃力を高める。
「ほう。キヅカキャノンもなかなか役に立つではないか」
 手薄になった部分を覆うかのように押し寄せる歪虚。
 問題ない。あれが到達する前に、次元斬を叩き込めばいい――!
「……紅薔薇ッ!」
 紅薔薇の頭上に咲く黒い薔薇。核へと吸い込まれた攻撃。
 聞こえたピキ……という音。
 押し寄せる歪虚の前を過る白い影――。
 次の瞬間、紅薔薇の視界を支配したのは一面の赤……。
 歪虚のレーザーを一身に受け止めたクローディオから噴き出しているそれに、彼女は目を見開く。
「クローディオ!? 何をしておるか……!! 誰も庇えなどと頼んでおらぬ!!」
「……勘違いするな。現状、お前の攻撃が一番通り易かった。私なりの攻撃を通す努力をしたまでだ。分かったら続けろ……!」
「……すまん。ニャー子、クローディオを頼む」
「にゃっ!」
 血を吐き、膝をつくクローディオ。紅薔薇は己のユグディラに命じると、ゆっくりと核へと向き直る。
「ここはお前らが我が物顔していていいところじゃねえんだよ!! とっとと消えろォ!!」
 リューの咆哮と同時に繰り出される心の刃。
 再び聞こえるピキ……という軽い音。
 間違いない。核にヒビが入りつつある……!
 狂ったように暴れ出す小型歪虚達。
 カールとアルトはそれらを叩き伏せて、リューと紅薔薇に叫ぶ。
「今です!」
「渾身の力叩き込んでやれ!!」
「これで仕舞いじゃ!!」
「うけとれええええ!!」
 核へ向かって飛び込む紅薔薇とリュー。
 自分達が巻き込まれることも構わず、次元の断層を生み出し……そして、紫の光線が貫く。

 パキィィィィィン……!!

 ガラスが割れるようなあまりにも軽い音。
 核が砕け散り……そして、轟音と共にクラスタ全体が揺れ出した。

「……クラスタの崩落が始まりました! 急いで下さい!」
「くそ、のんびりしてる暇もねえな……!」
 緊迫したカールの声。統率を失って散って行く歪虚を見送ってアルトが呟く。
 クローディオはゆっくりと立ち上がると、口の端から滲んだ血を拭う。
「……カール、アルト。紅薔薇とリューを頼む。2人とも深手を追っている。思うように動けまい」
「そーいうあんたも大分酷いように見えるけど?」
「私はまだ大丈夫だ。自力で動ける」
「無理は止めてください。僕達で手分けすれば3人とも運べます」
「にゃーーーー!!」
「おっと悪ィ。お前さんもいたなぁ」
 カールとクローディオに抗議するように暴れる紅薔薇のユグディラ。
 詫びながら、アルトが彼女を抱え上げる。
「良かった……無事破壊できたんだね」
「うん。ノノトト君、行こう!」
「ごめん、迷惑かけて……」
「何言ってんの、もう……!」
 青い顔をしたノノトトを己のイェジドに乗せて出口に向かうめい。
 統率を失った歪虚達。ハンター達を無視して逃げて行くものもいれば、八つ当たりするかのように襲いかかって来るものもいる。
 皆満身創痍で応戦もやっとという状況。
 そこに現れた緑色の一陣の風。
 ミグのドミニオンが軽々と歪虚の攻撃を受け止めると、ミサイルランチャーで敵を掃射していく。
「効かぬ、効かぬわ! そのような蚊トンボのような攻撃では我がハリケーン・バウの装甲を抜く事などできぬ!」
「おー。怖い。どんだけ強化したんだか……」
 続いて現れたグリムバルドのぼやき。迎えに来た2人に、ステラは笑顔を返す。
「ミグさん……! グリムバルドさんもありがと!!」
「何、構わぬ。出口はもうすぐじゃ! 殿はミグが務めよう。行け!」
「怪我人は俺のヘイムダルに乗れ! 一気に脱出するぞ!!」


 ――核破壊成功。
 その報せは宙軍を通じて対エンドレス班にもすぐに届けられた。
「……報告は以上です。まもなく函館クラスタの崩落が始まるかと思われます。我々も撤退しますか?」
「バッカ野郎! あいつに一撃も入れないでおめおめ帰れるかっつーの!!」
 宙軍の通信に大声で返答したリコ。恐らく向こうの通信兵は今頃耳の痛みに苦しんでいることだろう。
 ラスティは通信兵に同情しつつ、仲間達に声をかける。
「……そろそろ俺達も仕上げと行こう。陽、デスドクロ! まだ弾数残ってるか?」
「ああ! この時の為に温存してた!」
「おうよ。このデスドクロ様の暗黒奥義たるビッグバンブラスターを使ってもいいが……函館自体が消滅しちまうからなあ。普通の砲撃で勘弁してくれや」
「エステルは?」
「わたくしもあと2発打てます!」
「レイオスとリコももうちょい行けるか?」
「任せとけ!」
「当ったり前だっつーの!」
 敵を攻撃しながら答える仲間達に、ラスティは少し笑って……戻って来たメルが慌てて声をかける。
「ちょっと! 私忘れてない!?」
「忘れてねえよ! メルはちょっと機体の損傷が酷いから休んでろ! ラミア、頼めるか?」
「あいよ! ほら、メル。こっちおいで。がっつり説教してやるよ!」
「ええええええええ」
「ラスティ。ボクとルシオはヴァルハラの観察に回っていいカナ? ちょっと気になることがあってネ」
「ああ。頼む。攻撃してるとどうしても見落とすからな」
「ありがとう。気づいたことがあればすぐに知らせる」
 アルヴィンとルシオに頷き返すラスティ。
 彼はそのまま向かい来る歪虚と……その奥のヴァルハラを見据える。
「いいか! 他の面子は俺とタイミング合わせて一斉掃射! 陽! 歪虚の軍勢が晴れたらヴァルハラ狙ってくれ!」
「了解。狙いはあいつの装甲でいいかな」
「おう。一体何を搭載したのかついでに調べたい」
「オールオッケー。やってやる」
 ラスティの指示に薄く笑う陽。
 黒い雲のようにも見える狂気の歪虚。
 ギリギリまで引きつけて――ラスティが叫ぶ。
「総員! 一斉掃射!!」
 続く砲撃。歪虚の大群に降り注ぐ砲弾の嵐。
 落ちていく歪虚。雲に空いた穴。その先に見えるは巨大な船――。
「いけえええええ!!!」
 良く狙いを定め、打ち込まれる陽のレールガン。
 真っ直ぐに飛ぶ電撃を纏った弾丸。高速で飛来したそれは――確かにヴァルハラの装甲へと着弾した。

「……! 当たった! けどあまりダメージが行ったように見えないな」
「……装甲が硬いのか、それとも属性が合わなかったのかどちらだろうネ」
「ここから見てる限りどちらかは分からないな……」
 双眼鏡でヴァルハラを見つめているルシオ。アルヴィンは腕を組んで考え込む。
「アルヴィン、どうかしたのかい?」
「イヤ、やっぱり遠くから狙い撃ちは効率が悪いよねえとおもってサ。何とか近くに寄って殴れないものカナ」
「殴るって……あのヴァルハラを?」
「そうだヨ?」
「無暗に近づいたらリニアカノンで……ああ、ドローンを無効化できれば何とかなるだろうけど……そもそも近づいて来ないんじゃないかな」
「そこだよネ。どうやって近づいて来て貰うか。どうやって近づくか……。今後の課題かナァ」
 呟くアルヴィン。ルシオはもう一度、双眼鏡を覗いて巨大な船を見つめて、その目に焼き付ける。
 前回との装備の違い。動作の違い――。些細な差も次回へ繋ぐ為に必要なはずだから。


 崩落が続くクラスタ。内部こそおぞましいものだったが、こうして崩れて行く様はなかなかに美しい。
 痛む身体を抱えて、そんなことをぼんやりと考えていたクローディオ。
 頭上から、聞きなれた声が聞こえてきた。
「クローディオ!!! てめぇそんなとこでボサっとしてんじゃねえ! 死にてぇのか!!?」
「……ジャックか。この光景を眺めているのも悪くないと思ってな」
「バッカ言ってんじゃねえよ! いいから手伸ばせ!!」
「怪我人に無茶を言うな」
「アァ!? ったく世話が焼ける奴だな……!」
「お前の腕はサオリたん専用ではなかったのか?」
「親友抱えて帰るくらいサオリたんは怒りゃしねえよ! なんてったって女神レベルに心が広い子だからな!」
 相変わらずのジャックに、くつりと笑うクローディオ。
 ……何となくであるが。この男なら何だかんだ迎えに来てくれるのではないかと思っていた。
「あ、そうだ。ジャック」
「何だよ」
「銃というのはなかなか悪くないな。今回結構役に立った」
「あぁ、そうかよ。……ったく、1人黙々と出口維持してた俺様の身にもなれっつの」
 軽口を叩き合う2人。彼らが外に出てまもなく、函館クラスタは完全に崩壊し、塵となって消滅した。


『交信開始。照合要請。ハロー、エンドレス。私はエンドレスです』
『――――』
『……照合要請。ハロー、エンドレス。私はエンドレスです』
『――――』
『エンドレスより応答なし。出力低下を確認。……交信開始。照合要請。ハロー、AP-S。私はエンドレスです』
『……あ。………の』
『区分デルタ緊急報告。函館クラスタ損傷甚大。戦闘の継続を審議。高度情報対処マニュアルに基づき、対処要請』
『……う。………ま…………よ』
『計画変更を審議。承認。ヴァルハラは撤退します』
『……おつ……ま、エン…………ね』
『ありがとう、AP-S。交信終了』


 こうして、ハンター達と統一連合宙軍は函館クラスタを無に還し、長らく歪虚に占拠されていた函館の地を奪還することに成功した。
 宙軍に被害や死傷者は出たが、これは想定内であり――この戦いは、良くも悪くも統一連合宙軍など、リアルブルーに拠点を置く組織におけるハンターの評価を高める結果となった。

「結局エンドレスの装甲の性能は分からなかったな……」
「ドローンのジャミング電波については、宙軍に調査を依頼したよ。今回でデータが採れたようだし解析が進むといいね」
「そうだネ。それから……さっきの通信、聞いてたカイ?」
「通信? そういや今回、ヴァルハラの声しか聞こえなかったな」
「ウン。エンドレスじゃないモノと通信してたみたいダ。……こちら側に、協力者がいるのかもしれないヨ」
「……そうか。あいつ元々クリムゾンウェストにいたんだもんな」
「ああ、こっちにきた何かしらの『理由』があるのだろう」
「そういうコト。クラスタを守るような動きを何度もしてル。それを命じている者がいると思っていいんじゃないカナ」
 ラスティとルシオの言葉に頷くアルヴィン。
 そういうことであれば、再戦の機会はまたあるだろう――。
「おい、お前ら! 長居は無用だ! 帰るぞ!」
 そこに聞こえてきたリコの声。3人は、ヴァルハラが消えていった空を見上げた。

依頼結果

依頼成功度成功
面白かった! 20
ポイントがありませんので、拍手できません

現在のあなたのポイント:-753 ※拍手1回につき1ポイントを消費します。
あなたの拍手がマスターの活力につながります。
このリプレイが面白かったと感じた人は拍手してみましょう!

MVP一覧

  • フューネラルナイト
    クローディオ・シャールka0030
  • all-rounder
    ラスティka1400
  • 真実を見通す瞳
    八島 陽ka1442
  • 嗤ウ観察者
    アルヴィン = オールドリッチka2378
  • 巡るスズラン
    リュー・グランフェストka2419
  • 不破の剣聖
    紅薔薇ka4766

重体一覧

  • フューネラルナイト
    クローディオ・シャールka0030

  • ノノトトka0553
  • 巡るスズラン
    リュー・グランフェストka2419
  • 不破の剣聖
    紅薔薇ka4766
  • 飢力
    不動 シオンka5395
  • 洗斬の閃き
    セツナ・ウリヤノヴァka5645
  • 忍者(自称)
    琴吹 琉那ka6082

参加者一覧

  • 完璧魔黒暗黒皇帝
    デスドクロ・ザ・ブラックホール(ka0013
    人間(蒼)|34才|男性|機導師
  • ユニットアイコン
    プルートー
    閻王の盃(ka0013unit001
    ユニット|CAM
  • フューネラルナイト
    クローディオ・シャール(ka0030
    人間(紅)|30才|男性|聖導士
  • ヌリエのセンセ―
    アルト・ハーニー(ka0113
    人間(蒼)|25才|男性|闘狩人
  • ユニットアイコン
    ハニワイチゴウ
    埴輪1号(ka0113unit001
    ユニット|魔導アーマー
  • 「ししょー」
    岩井崎 メル(ka0520
    人間(蒼)|17才|女性|機導師
  • ユニットアイコン
    ドミニオンアンサー
    DMk4(m)Answer(ka0520unit003
    ユニット|CAM

  • ノノトト(ka0553
    ドワーフ|10才|男性|霊闘士
  • ユニットアイコン
    ミゾレ
    みぞれ(ka0553unit002
    ユニット|幻獣
  • 伝説の砲撃機乗り
    ミグ・ロマイヤー(ka0665
    ドワーフ|13才|女性|機導師
  • ユニットアイコン
    ハリケーンバウユーエスエフシー
    ハリケーン・バウ・USFC(ka0665unit002
    ユニット|CAM
  • Sanctuary
    羊谷 めい(ka0669
    人間(蒼)|15才|女性|聖導士
  • ユニットアイコン
    ネーヴェ
    ネーヴェ(ka0669unit001
    ユニット|幻獣
  • 杏とユニスの先生
    ルシオ・セレステ(ka0673
    エルフ|21才|女性|聖導士
  • ユニットアイコン
    レオーネ
    レオーネ(ka0673unit001
    ユニット|幻獣
  • ノブレス・オブリージュ
    ジャック・J・グリーヴ(ka1305
    人間(紅)|24才|男性|闘狩人
  • ユニットアイコン
    ヘクトル
    ヘクトル(ka1305unit002
    ユニット|CAM
  • all-rounder
    ラスティ(ka1400
    人間(蒼)|20才|男性|機導師
  • ユニットアイコン
    ウィリアム
    ウィル・O・ウィスプ改(ka1400unit001
    ユニット|CAM
  • 真実を見通す瞳
    八島 陽(ka1442
    人間(蒼)|20才|男性|機導師
  • ユニットアイコン
    シュネルギア
    シュネルギア(ka1442unit003
    ユニット|CAM
  • ずっとあなたの隣で
    ラミア・マクトゥーム(ka1720
    人間(紅)|15才|女性|霊闘士
  • ユニットアイコン
    フレイ
    フレイ(ka1720unit001
    ユニット|幻獣
  • 王国騎士団“黒の騎士”
    レイオス・アクアウォーカー(ka1990
    人間(蒼)|20才|男性|闘狩人
  • ユニットアイコン
    トライアンフ
    トライアンフ(ka1990unit003
    ユニット|CAM
  • 嗤ウ観察者
    アルヴィン = オールドリッチ(ka2378
    エルフ|26才|男性|聖導士
  • ユニットアイコン
    ディー・ディー
    D・D(ka2378unit001
    ユニット|幻獣
  • 巡るスズラン
    リュー・グランフェスト(ka2419
    人間(紅)|18才|男性|闘狩人
  • ユニットアイコン
    ロート
    紅龍(ka2419unit003
    ユニット|CAM
  • はじめての友達
    カール・フォルシアン(ka3702
    人間(蒼)|13才|男性|機導師
  • ユニットアイコン
    マーナガルム
    月狼(ka3702unit002
    ユニット|CAM
  • 部族なき部族
    エステル・ソル(ka3983
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • ユニットアイコン
    アレキサンドライト
    アレク(ka3983unit001
    ユニット|幻獣
  • 友と、龍と、翔る
    グリムバルド・グリーンウッド(ka4409
    人間(蒼)|24才|男性|機導師
  • ユニットアイコン
    ヴェルガンド
    ヴェルガンド(ka4409unit001
    ユニット|魔導アーマー
  • 不破の剣聖
    紅薔薇(ka4766
    人間(紅)|14才|女性|舞刀士
  • ユニットアイコン
    ニャーコ
    ニャー子(ka4766unit004
    ユニット|幻獣
  • 甘苦スレイヴ
    葛音 ステラ(ka5122
    人間(蒼)|19才|女性|舞刀士
  • ユニットアイコン
    ワタツミ
    ワタツミ弐式(ka5122unit001
    ユニット|魔導アーマー
  • 飢力
    不動 シオン(ka5395
    人間(蒼)|27才|女性|闘狩人
  • ユニットアイコン
    カムイ
    神威(ka5395unit001
    ユニット|幻獣
  • 洗斬の閃き
    セツナ・ウリヤノヴァ(ka5645
    人間(紅)|24才|女性|舞刀士
  • ユニットアイコン
    ヒョウ
    雹(ka5645unit001
    ユニット|幻獣
  • 忍軍創設者
    ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784
    人間(蒼)|17才|女性|符術師
  • ユニットアイコン
    カチョウフウゲツハナ
    ニンジャアーマー『花鳥風月』(ka5784unit001
    ユニット|魔導アーマー
  • 忍者(自称)
    琴吹 琉那(ka6082
    人間(蒼)|16才|女性|格闘士
  • 《キルアイス》
    リコ・ブジャルド(ka6450
    人間(蒼)|20才|女性|機導師
  • ユニットアイコン
    トラバント・ツヴァイ
    トラバントII(ka6450unit001
    ユニット|CAM

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 全体相談卓
リコ・ブジャルド(ka6450
人間(リアルブルー)|20才|女性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2017/05/19 16:43:56
アイコン 1.函館クラスタ殲滅
岩井崎 メル(ka0520
人間(リアルブルー)|17才|女性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2017/05/22 18:10:26
アイコン 2.エンドレス対応
岩井崎 メル(ka0520
人間(リアルブルー)|17才|女性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2017/05/22 18:58:50
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/05/20 22:12:51