ゲスト
(ka0000)
青竜紅刃流~カジノウエスタン
マスター:深夜真世

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/07/19 22:00
- 完成日
- 2017/07/29 00:34
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
同盟領は農業推進地「ジェオルジ」にて。
「え? 結局カジノやることになった?」
ジェオルジの片田舎、タスカービレの青竜紅刃流道場でのんびりしていたイ寺鑑(kz0175)が眉間にしわを寄せた。
「ええ。結局、住民の一部で流行してしまった闇賭博を取り締まるため、常設型ではなくカジノの日を設定して一か所のみ許可するみたい」
タスカービレ常駐のジェオルジ役人、フィーネ・リスパルミオがため息交じりに説明する。
「あれだけ止めたのに……」
「それだけ闇賭博が村全体の問題になったらしいわ」
鑑、数か月前に相談を受け、道場仲間やハンター仲間とともにやんわりと反対意見を出していた。結果、常設型のカジノ構想は取りやめになったようだが、月に一度の楽しみとしての道を選んだようだ。
「リアルブルーのアメリカ西部劇風まちづくりについては許可が出ていたし、常設型ではなく、村で各問題がコントロールできるなら、ということらしいです。トランプで流行したポーカーについては金銭を賭けない競技ポーカーでしのぐようですね」
ジェオルジ家から即刻止められなかった理由を説明するフィーネ。
「じゃ、タスカービレがリアルブルーの和風賭博を取り入れるのもOKか?」
「住民が賭博依存になる可能性のあるものは今回のようになるので避けるか細心の注意を払うこと、とのことです」
確認する鑑にぴしりと返すフィーネ。つまり軽率に手を出すな。今回はそういう状態に陥っちゃったんだから仕方ない、ただし悪しき前例ができたので当面厳しくいくよ、ということらしい。
ここで鑑、フィーネが何か言い淀んでいる様子に気付いた。
「……あの、まさか?」
「はい、そのまさかです」
鑑、すべてを言わない。
フィーネをすべてを言わず頭を下げた。
「断ることはできなかったんですか?」
「ジェオルジ家のOKが出た以上、どこかの誰かがやる必要のあることです。現に、ハンターを雇おうとしているようです」
眉を捻じ曲げる鑑に、今度は涼やかに言うフィーネ。
瞬間、姿勢を正し頭を下げる。
「すいません……ぜひ、青竜紅刃流にやらせてください」
「くすっ……どうかしら?」
立場逆転に気をよくして微笑するフィーネ。しばらくこの状況を楽しむ。
「もともと、近隣に事があれば駆けつけてという役目もあったはず。……こちらから問題を起こすような事業に手を貸したとあれば信用を失うが、第三者を通しての依頼であれば何の問題もなく……」
「ふふっ。もちろん、あちらの村も不器用なくらい真面目な鑑さんがいた方が安心だからって枠を一つ確保してくださってますよ」
もったいぶって伝えると鑑が顔を上げた。
「良かった……」
青竜紅刃流、立ち上げたからには頼りがいのある流派にしたいという思いがある。ああも反対した鑑だが、先方から恨まれてないことを知ってほっとした笑顔を見せている。
「うふふ、何かいい気分です」
「し、信用第一ですから」
赤くなった鑑を見てもう一度微笑するフィーネだった。
しかし!
「え? 必要なのはブラックジャックとルーレットのディーラー?」
詳しく話を聞いて鑑が愕然としている。
「ええ。ポーカーは参加者任せになってコントロールできないから、主催者側が明確に親になるブラックジャックとポーカーをそのカジノサルーンで催すそうなの」
つまり、護衛兼ディーラー。
「いかさましてるとか食って掛かられたとき、ちゃんとディーラー自身で対応できた方が早いでしょ? ああ、鑑さんは青竜紅風流が用心棒にいることをしっかりと見せるため東方風のいつもの格好でいいそうよ。ほかの客は武器持ち込み禁止。ディーラーも基本的に持参禁止だから、テーブルの下に隠すとかしてほしいんですって」
衣装は自由だけど、一目見て客かどうか判別つかないものは禁止。迷うならタキシードみたいなのがいいんですって、とフィーネ。
「この服装で良かったか」
鑑、ほっ。
「着物とかのほか、こういうのもいいんですって」
フィーネ、いわゆるバニー服をぴらっと広げて見せたりもする。
そんなこんなで、ブラックジャックかルーレットのディーラー、求ム。
「え? 結局カジノやることになった?」
ジェオルジの片田舎、タスカービレの青竜紅刃流道場でのんびりしていたイ寺鑑(kz0175)が眉間にしわを寄せた。
「ええ。結局、住民の一部で流行してしまった闇賭博を取り締まるため、常設型ではなくカジノの日を設定して一か所のみ許可するみたい」
タスカービレ常駐のジェオルジ役人、フィーネ・リスパルミオがため息交じりに説明する。
「あれだけ止めたのに……」
「それだけ闇賭博が村全体の問題になったらしいわ」
鑑、数か月前に相談を受け、道場仲間やハンター仲間とともにやんわりと反対意見を出していた。結果、常設型のカジノ構想は取りやめになったようだが、月に一度の楽しみとしての道を選んだようだ。
「リアルブルーのアメリカ西部劇風まちづくりについては許可が出ていたし、常設型ではなく、村で各問題がコントロールできるなら、ということらしいです。トランプで流行したポーカーについては金銭を賭けない競技ポーカーでしのぐようですね」
ジェオルジ家から即刻止められなかった理由を説明するフィーネ。
「じゃ、タスカービレがリアルブルーの和風賭博を取り入れるのもOKか?」
「住民が賭博依存になる可能性のあるものは今回のようになるので避けるか細心の注意を払うこと、とのことです」
確認する鑑にぴしりと返すフィーネ。つまり軽率に手を出すな。今回はそういう状態に陥っちゃったんだから仕方ない、ただし悪しき前例ができたので当面厳しくいくよ、ということらしい。
ここで鑑、フィーネが何か言い淀んでいる様子に気付いた。
「……あの、まさか?」
「はい、そのまさかです」
鑑、すべてを言わない。
フィーネをすべてを言わず頭を下げた。
「断ることはできなかったんですか?」
「ジェオルジ家のOKが出た以上、どこかの誰かがやる必要のあることです。現に、ハンターを雇おうとしているようです」
眉を捻じ曲げる鑑に、今度は涼やかに言うフィーネ。
瞬間、姿勢を正し頭を下げる。
「すいません……ぜひ、青竜紅刃流にやらせてください」
「くすっ……どうかしら?」
立場逆転に気をよくして微笑するフィーネ。しばらくこの状況を楽しむ。
「もともと、近隣に事があれば駆けつけてという役目もあったはず。……こちらから問題を起こすような事業に手を貸したとあれば信用を失うが、第三者を通しての依頼であれば何の問題もなく……」
「ふふっ。もちろん、あちらの村も不器用なくらい真面目な鑑さんがいた方が安心だからって枠を一つ確保してくださってますよ」
もったいぶって伝えると鑑が顔を上げた。
「良かった……」
青竜紅刃流、立ち上げたからには頼りがいのある流派にしたいという思いがある。ああも反対した鑑だが、先方から恨まれてないことを知ってほっとした笑顔を見せている。
「うふふ、何かいい気分です」
「し、信用第一ですから」
赤くなった鑑を見てもう一度微笑するフィーネだった。
しかし!
「え? 必要なのはブラックジャックとルーレットのディーラー?」
詳しく話を聞いて鑑が愕然としている。
「ええ。ポーカーは参加者任せになってコントロールできないから、主催者側が明確に親になるブラックジャックとポーカーをそのカジノサルーンで催すそうなの」
つまり、護衛兼ディーラー。
「いかさましてるとか食って掛かられたとき、ちゃんとディーラー自身で対応できた方が早いでしょ? ああ、鑑さんは青竜紅風流が用心棒にいることをしっかりと見せるため東方風のいつもの格好でいいそうよ。ほかの客は武器持ち込み禁止。ディーラーも基本的に持参禁止だから、テーブルの下に隠すとかしてほしいんですって」
衣装は自由だけど、一目見て客かどうか判別つかないものは禁止。迷うならタキシードみたいなのがいいんですって、とフィーネ。
「この服装で良かったか」
鑑、ほっ。
「着物とかのほか、こういうのもいいんですって」
フィーネ、いわゆるバニー服をぴらっと広げて見せたりもする。
そんなこんなで、ブラックジャックかルーレットのディーラー、求ム。
リプレイ本文
●
「それじゃ頼みましたよ」
このウエスタン風の村の顔役はそう言って控室を辞した。
「ま、カジノは常設じゃないんだし青龍紅刃流の顔を立ててまず声を掛けてくれたんだから……」
部屋に残されたイ寺鑑(kz0175)が一人呟く。
「鑑さん、早速来たんだよ」
そこへ狐中・小鳥(ka5484)が到着した。
「小鳥……。こんな仕事にすまないな」
「賭け事はアレだけど、身を持ち崩さない程度なら気分転換にちょうどいいのかな」
小鳥自体、カジノ反対派だった鑑に優しく声掛け。
が、穏健な雰囲気もここまで。
――ばーん!
「いえーい、大勝利! 鑑センセ息してるー? 用心棒家業も武術の華だよねー♪」
「だーかーらー俺様ちゃんが言った通りになったじゃーん」
遠慮会釈もなく扉が全壊もとい全開となり、ウエスタン衣装のウーナ(ka1439)といつものへそ出しギリギリ衣装のゾファル・G・初火(ka4407)がなだれ込んで来た。
そればかりではない。
ウーナは鑑の右に回って肩に肘を置いてふんぞり返り、ゾファルは鑑の左に回り言わんこっちゃないって表情を顔を一杯に浮かべ右肘でうりうりしたり。
そこへハンス・ラインフェルト(ka6750)が入って来た。
で、一言。
「ほう。これはまた両手に花ですね」
「これが花なら棘だらけの花か毒草だろ」
ソファに押し倒されしつこく両側からうりうりぐりぐりされつつぼやく鑑。ひどい弄られようだ。
「まあカジノっていっても臨時だし、自分達もお客さん達も楽しくやりましょーね♪」
ハンスの後から入って来たメルクーア(ka4005)、この惨状を見てにこぱと笑顔で前向きに。
そのメルクーアの背後に、さらに人影。
「カジノ……むむ…これはすばら……」
多由羅(ka6167)である。
「……多由羅?」
鑑、聞きとがめてジト目。
「こほん。……皆様、お久しゅうございます」
「とにかく着替えるんだよー」
小鳥はそんなやり取りを受け流し、早速奥の更衣室を目指すのだった。
で、更衣室で。
「バニーさんね。バニーさん」
メルクーアがウサギ耳カチューシャを付けてなぜかご機嫌。
すでにハイレグワンピース水着のような衣装をまといソファに座って伸ばした脚にニーハイソックスを通して指ぐにぐに。
隣には、小鳥。
「まさかこれをまた着ることになるとは……だよ」
バニーガール姿となり身をひねり指先を衣装の間に挟んでヒップの包み具合を調整。「この格好二度目だし頑張るしかないんだよっ」とか健気なことを言ってたり。
「せっかくウエスタン衣装で来たのになー」
ウーナも足をレの字に上げてバニー衣装に着替え。水着風衣装なのには変わりないが。
一方、元の部屋。
「…しかし…西洋博打ですか…。営業時間外にやっては駄目でしょうかね?」
多由羅、そわそわしつつ控えめに聞いてみた。
「ああ、最後に一発勝負をさせてくれるらしい」
「え?!」
それとなく応じた鑑、うれしさを押し隠した多由羅の様子に汗たら~。
「……多由羅、賭博で身を亡ぼすタイプだろ?」
そんな二人をよそにハンスが立ち上がる。
「さて、ルーレットのディーラーをさせていただきますよ。胴元がイカサマをしない限り、ルーレットはイカサマが成立しにくいですから」
着物「荒魂」を纏う腰に黒漆太刀「血桜」を帯びている。
「いや、ハンスさん」
「確か着物でもよかったんですよね?」
鑑に止められ振り返る。
「いや、用心棒ならそれでいいけど、ディーラーなら武器は隠密武器で」
「……しょうがありませんね。本当なら久しぶりに獄門刀を背負いたかったんですよ?」
ハンス、渋々漆黒太刀を腰から抜いて布に包んだ。テーブルの下に隠すつもりだ。
「それより、ゾファルは?」
「先に出て行きましたよ?」
「……まさか」
鑑、ものすごい勢いで出て行った。
で、賭場の裏でゾファル発見。
「いいかー、今日は実地研修。警備しながら場数踏んでまずは雰囲気つかんどくじゃん?」
何と青竜紅刃流の門下生を連れて来ていた!
「ゾファル……何やってんだ?」
鑑、背後からごごご……。
「これまで門徒に仕込んどいた喧嘩殺法を生かす時じゃん。……まあ、いきなりは無理だから何かあれば客に偽装してギャンブルで遊んでる俺様ちゃんが駆けつけてシメるじゃん?」
「ま、確かに客側に紛れるのは手だけど……」
ここでゾファル、手のひらを出した。鑑、何事かと首を傾げる。
「……そこまで理解してるなら分かるだろう? 種銭だよ、種銭。マニー、分かる?」
「お前……」
全く気が利かねぇジャン、な態度にイラつく鑑だったり。
●
とりあえず、賭場が開場した。
いつものサルーンには、ブラックジャックのテーブルにルーレットのテーブルなどが並んでいた。
なだれ込んだ客は早速、上限金額までチップに交換して各テーブルに散る。
「い、いらっしゃいませ、だよ」
ブラックジャックの卓の一つに、バニー姿の小鳥がいた。
「うひょー、ヒット!」
「うへへ、こっちもヒット!」
「わ、分かったんだよ……」
何か熱を帯びている理由は、小鳥の衣裳にあった。
(さ、流石に恥ずかしいんだよ、これ)
実際に卓に出て思い知る悲劇。
(胸元が何かこう……不安だし…)
肩紐がないので、前屈みになってカードを配るとき、客目線がとっても気になるのだ。いつぽろりしてもおかしくない。
「さ、早く。もう一枚」
「俺ももう一枚行くぞ!」
男性客が総じて鼻息荒くバーストも恐れないのは、小鳥の胸元が目当てでもあるのだ!
その視線も恥ずかしい。
「そ、それじゃもう一枚……」
親の小鳥、客につられてついつい引いてしまう。
が。
「あれ……2が来て……20なのかな?」
「負けた。胸もギリギリなら勝負もギリギリだな」
「よし、ギリギリ姉ちゃん、次の勝負だ!」
とりあえず激しく盛り上がっている。
こちら、ハンス。
「いらっしゃいませ。こちらはルーレットの卓になります。ルーレットのルールは御存じですか?」
村ではカードが流行っていると聞いたのでルーレットは初心者が多いと判断。敬遠気味で不人気だったルーレットに人が集まりだした。
「ルーレットは比較的安心して遊ぶことができます。2倍賭けから36倍賭けまでそろい、長く遊ぶことや一発逆転も狙えますし……」
ここでハンス、たもとを束ねてたすき掛けをした。
「ディーラーも球を操作などできません……では」
軽く身の潔白を事前に示し、ルーレットを回し球を入れる。
「球が止まる数字か色に賭けてください。賭けるタイミングは……」
「ほう……」
「こうか」
まずは赤と黒に客たちは賭けた。こつんと玉が入ったのは赤。
「大体分かった」
「優雅に遊べますわね」
「ギャンブルの女王と呼ばれています」
ハンスの説明。この雰囲気は女性を中心に喜ばれた。
おや。
ゲームが進むうちに、近くに座る客がルーレットに脇にパイプ煙草の箱を置いたぞ?
――きらん、ざすっ!
「ひっ!」
密かに置いた客、短い悲鳴を上げた。
「……手癖の悪い方に多少のお仕置きは必要でしょうか?」
ハンス、帯に隠した手裏剣「旋風」を投じ箱をぶっ刺した。カツン、と硬質な音がする。
「す、すまない……もう……ひっ」
「事情を伺いましょう?」
鑑、男の肩に手を置き退出させる。
「ルーレットの球は磁石に影響されませんが……次は命をいただきますよ?」
おお、とハンスに拍手が送られる。
さて、客を連れて行ったん外に出ようとする鑑。
「鑑様、ちょっと」
多由羅が広間の隅で手招きしている。
「どうした、多由羅?」
「今回我々は店員兼用心棒となるわけですね」
鑑、そうだけど、と首を傾げる。
「ならばうさぎでは迫力不足ですね?」
ばばん、と物陰から姿を現す多由羅。バニー姿である。
いや、それにしても小鳥らと比較して肌色率が高い!
しかも胸がおっきい。でもって腰に手を当て堂々と立っているのでそりゃもう、ばーん、という感じ。
「いや、十分迫力あるから……」
「私も威嚇牽制するような出で立ちでいなくてはなりますまい」
多由羅、まったく聞く耳持たない。いや、うさ耳カチューシャの耳を持った!
「威嚇というか、ずいぶん挑発的というか……」
「……そうだ、狼の耳をつけましょう!」
うさ耳外してしゃきーん、とウルフ耳のカチューシャをセット。三角の耳がつんと立って凛々しい感じ。
多由羅、腰に手を当てドヤ顔。
「いやそれ肉食系……」
「そうですね。客を脅し過ぎないよう注意が必要です」
ここでくねっと身をひねり視線も柔らかく。
「バニーなんかよりずっと妖艶になってるし……」
では、と見回りに行く多由羅をそう呟いて見送る鑑。
その直後。
「わ、私に手を出すとは……さては狼藉者ですね? ……はっ、大太刀「鬼霧雨」を帯びてない……鑑様、ちょっと来てくださらぬか?」
いきなり遠くでトラブルを呼び込んでいるというか、トラブル起こしそうな客を引き付けをわが身を持って未然に防ぐ活躍をしてたりする。
●
ちなみにゾファル。
「なんだ、これっぽっちかよー」
結局、種銭は身銭を切った。
別に依頼をこなして豪遊しているわけではなく食っちゃ寝生活なので金銭的余裕はあるが、依存対策と破産対策で持ち金の上限が決められているのだ。
まあそれはそれとして、ブラックジャックの卓へ。
「はい、じゃあ次の勝負いくよ」
そこのディーラーは、ウーナ。バニー姿でちゃきちゃき仕切っている。
「畜生、バーストだ」
「……このディーラー、意外と慎重じゃねぇか?」
客はコテンパンになりつつ、そんな言葉を交わしている。ウーナがバーストしない戦法を取ってるかと思いきや、意外とギリギリまでひくときもあるのだ。
で、ゾファルも加わって次の勝負。
親のオープンカードは5。15の可能性が高い。
子の4人のオープンはすべて絵札。3割比率のカードがオープンで8割を占めた。
「ヒット」
「ヒット」
つまり、クローズは5以下が多数、というところか。
「バースト? 残念だねー」
というか、ウーナも札を配ると前屈みになって胸元が以下略なので客は札を配らせたがっているのもある。自業自得というか、お得感のある納得のバーストなのだったり。うりうり、と胸を揺らしたりするのでウーナもそれを狙っている。
「スタンドじゃん」
おっと、ゾファルはそのまま勝負した。
「どうしようかな?」
ウーナ、暗記力に頼る。ゾファルは20の可能性が高い。そしてバーストした客は絵札を追加で食らっていた。絵札がくる可能性は少ない。
「じゃ、もう1枚」
引いた札は、6。
「おお、21?」
「いや……これで勝負!」
野次馬の期待をいなし、A+5+6の12で勝負した。
「俺様ちゃんは15じゃん?」
ゾファル、ウーナのバーストと読んで勝負していた。
「やるじゃない」
「俺様ちゃんの読み負けジャン」
二人とも楽しそうだ。
一方で、楽しめない人々もいる。
「ちっくしょう。何で俺だけ勝てねぇんだ……」
負けが込んでイライラが募っているようだ。
そこに横から、すっとバニーガールが顔を出す。
「一息いれてはどうですかぁ?」
メルクーアである。にこぱ顔の横にはトレイに乗ったグラス各種。
「ホットカクテルに普通のココアもあるわよん♪」
「ホットばかりだな?」
「心はホットに。頭はクールに、ね?」
「なるほどな、ちょっと休憩しよう」
お買い上げ、だ。
さらにほかのテーブルに目を配るメルクーア。
先の男は足で床をせわしなくタップしていたが、今度はテーブルの下で拳を振るわせている男を発見。
「ウサギ通りまーす」
人波をかき分け移動するのも楽しい雰囲気を心掛けて。目当ての場所に行き、ドリンクを勧める。
「分かった、休憩する」
こちらもうまく一呼吸入れさせた。のめり込みすぎを防ぎ、そういった一過性の感情で発生するトラブルの芽を摘んでいく。
「身長が低いと目線が低くて隠れたところがよく見えるのよねー」
そして、別の男にも気付いた。
「ぎゃっ!」
「どうしたの?」
ディーラーをしていたウーナ、突然客が痺れたように硬直したのでびっくりした。
「気分がすぐれないようなのでウサギがお連れしまーす♪」
ウインクするメルクーア。
実は、テーブル下でカードのすり替えを画策していたのを発見し、エレキトリックショックをかましたのだ。
「そういや、ディーラーはハンターさんだろ? どんな依頼受けてんの?」
「あたし? CAMパイロットだよ?」
ウーナにそんな質問が来るのは、本日最後の勝負にディーラー対決があるからだったりする。
別の卓でも。
「あんたは?」
「あははは、Pクレープの依頼が多かったけど……そうそう、今みたいに見られちゃったりとか…って、ふぇ? みゃぁ!?」
小鳥はそんな感じ。手で素早く隠しぎりぎり見せない技術からして、経験は多そうだ。
●
そして、盛況のうちに閉店時間が迫る。
「それでは最後の運試し。ディーラーによるルーレット勝負です」
待ってました、と観客。
実は当日の上限チップとは別枠で、この勝負用にチップが購入できるのだ。時間前にすって不満を溜め込ませない工夫でもある。
「人の賭けるのか、面白いな」
「なあ、あんたはツキがあるほうか?」
中には直接聞いてくる者もいる。
「あたし? いやあ、お酒は強いんだけど運はどうかなあ」
メルクーアはそう言って照れたり。
「さあ、これが予想だよ」
情報屋が予報紙を張りだしたりも。
本命:博徒ゾファル
対抗:剣客ハンス
堅実:操縦者ウーナ
運気:ポロリ小鳥
一発:酒豪メルクーア
大穴:ウルフ多由羅
勝ちまくっていたゾファルが好感、手慣れたハンスが対抗、CAM乗りウーナが手堅く、お色気小鳥は運が付きそう、酒飲みは意外な一撃あるかも、そして読めないダークホース、という構図だ。客からはゾファルと初心者人気のハンス、感謝の意味を込めて小鳥に人気が集中する。
「いきます」
鑑が投じた球は……。
【18】に入った。
「きゃー、やったわ」
「素敵素敵!」
初心者のご婦人から絶大な支持のあったハンスの勝利だ。
「いや、これは存外」
最後の賭けに勝ったご婦人方に囲まれちょっと困るハンスだったり。36倍の追加報酬ゲットである。
とにかく、問題もなく盛況のうちに幕を閉じ次回開催も決まるのだった。
●おまけ
「そういやゾファル、かなり勝ってたよね?」
「わたしの所でも勝ってたかな?」
ウーナと小鳥の追求。
「それがねぇ、あれから無茶してたのよ」
横からメルクーアがごにょごにょ教える。
「私のところで一点賭けを繰り返してましたね」
ハンスも呆れたように。
「あー。俺様ちゃん、宵越しの金は持たねぇ主義じゃん?」
ゾファルはどこ吹く風。少々勝つくらいならスッても同じ、な感じ。
「一点賭けを…繰り返し…」
「はい、マネしないようにね」
それはすごそうですね、と引き付けられた多由羅を止める鑑だったり。
「それじゃ頼みましたよ」
このウエスタン風の村の顔役はそう言って控室を辞した。
「ま、カジノは常設じゃないんだし青龍紅刃流の顔を立ててまず声を掛けてくれたんだから……」
部屋に残されたイ寺鑑(kz0175)が一人呟く。
「鑑さん、早速来たんだよ」
そこへ狐中・小鳥(ka5484)が到着した。
「小鳥……。こんな仕事にすまないな」
「賭け事はアレだけど、身を持ち崩さない程度なら気分転換にちょうどいいのかな」
小鳥自体、カジノ反対派だった鑑に優しく声掛け。
が、穏健な雰囲気もここまで。
――ばーん!
「いえーい、大勝利! 鑑センセ息してるー? 用心棒家業も武術の華だよねー♪」
「だーかーらー俺様ちゃんが言った通りになったじゃーん」
遠慮会釈もなく扉が全壊もとい全開となり、ウエスタン衣装のウーナ(ka1439)といつものへそ出しギリギリ衣装のゾファル・G・初火(ka4407)がなだれ込んで来た。
そればかりではない。
ウーナは鑑の右に回って肩に肘を置いてふんぞり返り、ゾファルは鑑の左に回り言わんこっちゃないって表情を顔を一杯に浮かべ右肘でうりうりしたり。
そこへハンス・ラインフェルト(ka6750)が入って来た。
で、一言。
「ほう。これはまた両手に花ですね」
「これが花なら棘だらけの花か毒草だろ」
ソファに押し倒されしつこく両側からうりうりぐりぐりされつつぼやく鑑。ひどい弄られようだ。
「まあカジノっていっても臨時だし、自分達もお客さん達も楽しくやりましょーね♪」
ハンスの後から入って来たメルクーア(ka4005)、この惨状を見てにこぱと笑顔で前向きに。
そのメルクーアの背後に、さらに人影。
「カジノ……むむ…これはすばら……」
多由羅(ka6167)である。
「……多由羅?」
鑑、聞きとがめてジト目。
「こほん。……皆様、お久しゅうございます」
「とにかく着替えるんだよー」
小鳥はそんなやり取りを受け流し、早速奥の更衣室を目指すのだった。
で、更衣室で。
「バニーさんね。バニーさん」
メルクーアがウサギ耳カチューシャを付けてなぜかご機嫌。
すでにハイレグワンピース水着のような衣装をまといソファに座って伸ばした脚にニーハイソックスを通して指ぐにぐに。
隣には、小鳥。
「まさかこれをまた着ることになるとは……だよ」
バニーガール姿となり身をひねり指先を衣装の間に挟んでヒップの包み具合を調整。「この格好二度目だし頑張るしかないんだよっ」とか健気なことを言ってたり。
「せっかくウエスタン衣装で来たのになー」
ウーナも足をレの字に上げてバニー衣装に着替え。水着風衣装なのには変わりないが。
一方、元の部屋。
「…しかし…西洋博打ですか…。営業時間外にやっては駄目でしょうかね?」
多由羅、そわそわしつつ控えめに聞いてみた。
「ああ、最後に一発勝負をさせてくれるらしい」
「え?!」
それとなく応じた鑑、うれしさを押し隠した多由羅の様子に汗たら~。
「……多由羅、賭博で身を亡ぼすタイプだろ?」
そんな二人をよそにハンスが立ち上がる。
「さて、ルーレットのディーラーをさせていただきますよ。胴元がイカサマをしない限り、ルーレットはイカサマが成立しにくいですから」
着物「荒魂」を纏う腰に黒漆太刀「血桜」を帯びている。
「いや、ハンスさん」
「確か着物でもよかったんですよね?」
鑑に止められ振り返る。
「いや、用心棒ならそれでいいけど、ディーラーなら武器は隠密武器で」
「……しょうがありませんね。本当なら久しぶりに獄門刀を背負いたかったんですよ?」
ハンス、渋々漆黒太刀を腰から抜いて布に包んだ。テーブルの下に隠すつもりだ。
「それより、ゾファルは?」
「先に出て行きましたよ?」
「……まさか」
鑑、ものすごい勢いで出て行った。
で、賭場の裏でゾファル発見。
「いいかー、今日は実地研修。警備しながら場数踏んでまずは雰囲気つかんどくじゃん?」
何と青竜紅刃流の門下生を連れて来ていた!
「ゾファル……何やってんだ?」
鑑、背後からごごご……。
「これまで門徒に仕込んどいた喧嘩殺法を生かす時じゃん。……まあ、いきなりは無理だから何かあれば客に偽装してギャンブルで遊んでる俺様ちゃんが駆けつけてシメるじゃん?」
「ま、確かに客側に紛れるのは手だけど……」
ここでゾファル、手のひらを出した。鑑、何事かと首を傾げる。
「……そこまで理解してるなら分かるだろう? 種銭だよ、種銭。マニー、分かる?」
「お前……」
全く気が利かねぇジャン、な態度にイラつく鑑だったり。
●
とりあえず、賭場が開場した。
いつものサルーンには、ブラックジャックのテーブルにルーレットのテーブルなどが並んでいた。
なだれ込んだ客は早速、上限金額までチップに交換して各テーブルに散る。
「い、いらっしゃいませ、だよ」
ブラックジャックの卓の一つに、バニー姿の小鳥がいた。
「うひょー、ヒット!」
「うへへ、こっちもヒット!」
「わ、分かったんだよ……」
何か熱を帯びている理由は、小鳥の衣裳にあった。
(さ、流石に恥ずかしいんだよ、これ)
実際に卓に出て思い知る悲劇。
(胸元が何かこう……不安だし…)
肩紐がないので、前屈みになってカードを配るとき、客目線がとっても気になるのだ。いつぽろりしてもおかしくない。
「さ、早く。もう一枚」
「俺ももう一枚行くぞ!」
男性客が総じて鼻息荒くバーストも恐れないのは、小鳥の胸元が目当てでもあるのだ!
その視線も恥ずかしい。
「そ、それじゃもう一枚……」
親の小鳥、客につられてついつい引いてしまう。
が。
「あれ……2が来て……20なのかな?」
「負けた。胸もギリギリなら勝負もギリギリだな」
「よし、ギリギリ姉ちゃん、次の勝負だ!」
とりあえず激しく盛り上がっている。
こちら、ハンス。
「いらっしゃいませ。こちらはルーレットの卓になります。ルーレットのルールは御存じですか?」
村ではカードが流行っていると聞いたのでルーレットは初心者が多いと判断。敬遠気味で不人気だったルーレットに人が集まりだした。
「ルーレットは比較的安心して遊ぶことができます。2倍賭けから36倍賭けまでそろい、長く遊ぶことや一発逆転も狙えますし……」
ここでハンス、たもとを束ねてたすき掛けをした。
「ディーラーも球を操作などできません……では」
軽く身の潔白を事前に示し、ルーレットを回し球を入れる。
「球が止まる数字か色に賭けてください。賭けるタイミングは……」
「ほう……」
「こうか」
まずは赤と黒に客たちは賭けた。こつんと玉が入ったのは赤。
「大体分かった」
「優雅に遊べますわね」
「ギャンブルの女王と呼ばれています」
ハンスの説明。この雰囲気は女性を中心に喜ばれた。
おや。
ゲームが進むうちに、近くに座る客がルーレットに脇にパイプ煙草の箱を置いたぞ?
――きらん、ざすっ!
「ひっ!」
密かに置いた客、短い悲鳴を上げた。
「……手癖の悪い方に多少のお仕置きは必要でしょうか?」
ハンス、帯に隠した手裏剣「旋風」を投じ箱をぶっ刺した。カツン、と硬質な音がする。
「す、すまない……もう……ひっ」
「事情を伺いましょう?」
鑑、男の肩に手を置き退出させる。
「ルーレットの球は磁石に影響されませんが……次は命をいただきますよ?」
おお、とハンスに拍手が送られる。
さて、客を連れて行ったん外に出ようとする鑑。
「鑑様、ちょっと」
多由羅が広間の隅で手招きしている。
「どうした、多由羅?」
「今回我々は店員兼用心棒となるわけですね」
鑑、そうだけど、と首を傾げる。
「ならばうさぎでは迫力不足ですね?」
ばばん、と物陰から姿を現す多由羅。バニー姿である。
いや、それにしても小鳥らと比較して肌色率が高い!
しかも胸がおっきい。でもって腰に手を当て堂々と立っているのでそりゃもう、ばーん、という感じ。
「いや、十分迫力あるから……」
「私も威嚇牽制するような出で立ちでいなくてはなりますまい」
多由羅、まったく聞く耳持たない。いや、うさ耳カチューシャの耳を持った!
「威嚇というか、ずいぶん挑発的というか……」
「……そうだ、狼の耳をつけましょう!」
うさ耳外してしゃきーん、とウルフ耳のカチューシャをセット。三角の耳がつんと立って凛々しい感じ。
多由羅、腰に手を当てドヤ顔。
「いやそれ肉食系……」
「そうですね。客を脅し過ぎないよう注意が必要です」
ここでくねっと身をひねり視線も柔らかく。
「バニーなんかよりずっと妖艶になってるし……」
では、と見回りに行く多由羅をそう呟いて見送る鑑。
その直後。
「わ、私に手を出すとは……さては狼藉者ですね? ……はっ、大太刀「鬼霧雨」を帯びてない……鑑様、ちょっと来てくださらぬか?」
いきなり遠くでトラブルを呼び込んでいるというか、トラブル起こしそうな客を引き付けをわが身を持って未然に防ぐ活躍をしてたりする。
●
ちなみにゾファル。
「なんだ、これっぽっちかよー」
結局、種銭は身銭を切った。
別に依頼をこなして豪遊しているわけではなく食っちゃ寝生活なので金銭的余裕はあるが、依存対策と破産対策で持ち金の上限が決められているのだ。
まあそれはそれとして、ブラックジャックの卓へ。
「はい、じゃあ次の勝負いくよ」
そこのディーラーは、ウーナ。バニー姿でちゃきちゃき仕切っている。
「畜生、バーストだ」
「……このディーラー、意外と慎重じゃねぇか?」
客はコテンパンになりつつ、そんな言葉を交わしている。ウーナがバーストしない戦法を取ってるかと思いきや、意外とギリギリまでひくときもあるのだ。
で、ゾファルも加わって次の勝負。
親のオープンカードは5。15の可能性が高い。
子の4人のオープンはすべて絵札。3割比率のカードがオープンで8割を占めた。
「ヒット」
「ヒット」
つまり、クローズは5以下が多数、というところか。
「バースト? 残念だねー」
というか、ウーナも札を配ると前屈みになって胸元が以下略なので客は札を配らせたがっているのもある。自業自得というか、お得感のある納得のバーストなのだったり。うりうり、と胸を揺らしたりするのでウーナもそれを狙っている。
「スタンドじゃん」
おっと、ゾファルはそのまま勝負した。
「どうしようかな?」
ウーナ、暗記力に頼る。ゾファルは20の可能性が高い。そしてバーストした客は絵札を追加で食らっていた。絵札がくる可能性は少ない。
「じゃ、もう1枚」
引いた札は、6。
「おお、21?」
「いや……これで勝負!」
野次馬の期待をいなし、A+5+6の12で勝負した。
「俺様ちゃんは15じゃん?」
ゾファル、ウーナのバーストと読んで勝負していた。
「やるじゃない」
「俺様ちゃんの読み負けジャン」
二人とも楽しそうだ。
一方で、楽しめない人々もいる。
「ちっくしょう。何で俺だけ勝てねぇんだ……」
負けが込んでイライラが募っているようだ。
そこに横から、すっとバニーガールが顔を出す。
「一息いれてはどうですかぁ?」
メルクーアである。にこぱ顔の横にはトレイに乗ったグラス各種。
「ホットカクテルに普通のココアもあるわよん♪」
「ホットばかりだな?」
「心はホットに。頭はクールに、ね?」
「なるほどな、ちょっと休憩しよう」
お買い上げ、だ。
さらにほかのテーブルに目を配るメルクーア。
先の男は足で床をせわしなくタップしていたが、今度はテーブルの下で拳を振るわせている男を発見。
「ウサギ通りまーす」
人波をかき分け移動するのも楽しい雰囲気を心掛けて。目当ての場所に行き、ドリンクを勧める。
「分かった、休憩する」
こちらもうまく一呼吸入れさせた。のめり込みすぎを防ぎ、そういった一過性の感情で発生するトラブルの芽を摘んでいく。
「身長が低いと目線が低くて隠れたところがよく見えるのよねー」
そして、別の男にも気付いた。
「ぎゃっ!」
「どうしたの?」
ディーラーをしていたウーナ、突然客が痺れたように硬直したのでびっくりした。
「気分がすぐれないようなのでウサギがお連れしまーす♪」
ウインクするメルクーア。
実は、テーブル下でカードのすり替えを画策していたのを発見し、エレキトリックショックをかましたのだ。
「そういや、ディーラーはハンターさんだろ? どんな依頼受けてんの?」
「あたし? CAMパイロットだよ?」
ウーナにそんな質問が来るのは、本日最後の勝負にディーラー対決があるからだったりする。
別の卓でも。
「あんたは?」
「あははは、Pクレープの依頼が多かったけど……そうそう、今みたいに見られちゃったりとか…って、ふぇ? みゃぁ!?」
小鳥はそんな感じ。手で素早く隠しぎりぎり見せない技術からして、経験は多そうだ。
●
そして、盛況のうちに閉店時間が迫る。
「それでは最後の運試し。ディーラーによるルーレット勝負です」
待ってました、と観客。
実は当日の上限チップとは別枠で、この勝負用にチップが購入できるのだ。時間前にすって不満を溜め込ませない工夫でもある。
「人の賭けるのか、面白いな」
「なあ、あんたはツキがあるほうか?」
中には直接聞いてくる者もいる。
「あたし? いやあ、お酒は強いんだけど運はどうかなあ」
メルクーアはそう言って照れたり。
「さあ、これが予想だよ」
情報屋が予報紙を張りだしたりも。
本命:博徒ゾファル
対抗:剣客ハンス
堅実:操縦者ウーナ
運気:ポロリ小鳥
一発:酒豪メルクーア
大穴:ウルフ多由羅
勝ちまくっていたゾファルが好感、手慣れたハンスが対抗、CAM乗りウーナが手堅く、お色気小鳥は運が付きそう、酒飲みは意外な一撃あるかも、そして読めないダークホース、という構図だ。客からはゾファルと初心者人気のハンス、感謝の意味を込めて小鳥に人気が集中する。
「いきます」
鑑が投じた球は……。
【18】に入った。
「きゃー、やったわ」
「素敵素敵!」
初心者のご婦人から絶大な支持のあったハンスの勝利だ。
「いや、これは存外」
最後の賭けに勝ったご婦人方に囲まれちょっと困るハンスだったり。36倍の追加報酬ゲットである。
とにかく、問題もなく盛況のうちに幕を閉じ次回開催も決まるのだった。
●おまけ
「そういやゾファル、かなり勝ってたよね?」
「わたしの所でも勝ってたかな?」
ウーナと小鳥の追求。
「それがねぇ、あれから無茶してたのよ」
横からメルクーアがごにょごにょ教える。
「私のところで一点賭けを繰り返してましたね」
ハンスも呆れたように。
「あー。俺様ちゃん、宵越しの金は持たねぇ主義じゃん?」
ゾファルはどこ吹く風。少々勝つくらいならスッても同じ、な感じ。
「一点賭けを…繰り返し…」
「はい、マネしないようにね」
それはすごそうですね、と引き付けられた多由羅を止める鑑だったり。
依頼結果
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MVP一覧
- Pクレープ店員
メルクーア(ka4005)
重体一覧
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/07/17 08:46:04 |
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相談だよー 狐中・小鳥(ka5484) 人間(クリムゾンウェスト)|12才|女性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2017/07/19 22:01:14 |