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【繭国】未来の英雄達、その回顧録 第五編
マスター:ムジカ・トラス

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~4人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/07/26 12:00
- 完成日
- 2017/08/04 16:27
みんなの思い出
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オープニング
●
『賢明なる読者諸君には既知の事柄に過ぎるため、是より先は全て、自己満足の為の駄文に過ぎぬ。
しばしお付き合い願いたい。
グラムヘイズ王国で、庶民の娯楽として広く愛されているものを一つ挙げるとなると……さて、何を挙げるだろうか。
ある者は、劇場での観劇というかもしれない。またある者は、酒場で耳にする吟遊詩人の詩歌というかもしれない。
文化を愛する心。嗚呼、素晴らしい事だ。文化的素養は人生を豊かにする。
さて。賢明なる読者諸君。あなた方なら、きっとこういうことだろう。
たとえどれだけ下劣でも、どれだけ愚昧でも、どれだけ低俗でも、どれだけ醜穢でも、どれだけ猥雑だとしても。
ヘルメス情報局の『号外』こそが我々の娯楽だ、と。
――勿論、我々の記事が斯様に下劣で愚昧で低俗で醜穢で猥雑であるというのは仮定に過ぎない事もまた、賢明なる読者諸君ならご理解いただける事と思う』
●
昨今、サルヴァトーレ・ロッソなる紅い方舟の出現に呼応するように登録されたハンターの数が激増している。
覚醒者とは、何か。
覚醒者とは一定量以上のマテリアルを保有し、それを任意で行使出来る者を指す。
通常であれば、素養のあるものが覚醒者の高み――それすらも常人には計り知れない程の高みなのだ――に至るためには、筆舌に尽くし難い修練を要する。
そのため、現在は精霊との契約により、短期間で覚醒者に至る方法論が採択されている。
人の身で、精霊に触れる。
――そのことが何を意味するかは、触れた者にしか分かるまい。
読者諸君の中には、その邂逅について既に聞いたことがある者もいるかもしれない。筆者もその一人だ。
「もう一人の自分が、語りかけてきた」
そんな話を耳にした事がある。
今回、当情報局では精霊との接触――即ち契約について取材し、記事にした。
極めて個人的な内容も含まれるため、取材を快く受けてくれたハンター達に敬意を表するためにも、匿名性の高い記事になっている。
それでも、読者諸君らの知的好奇心をくすぐるに違いない。
何より――この世界の守護者であり、反抗の象徴である覚醒者達の物語だ。
未来の英雄達の、始まりの物語。
心行くままにに、お楽しみあれ。
―『未来の英雄達、その回顧録』序文―
●
親愛なる読者諸君。再びこの序文を掲載出来たことを嬉しく思う。
さて。最後にこの記事を上梓したのは、先年の四月――あるいは、昨々年の十二月であろうか。
その間、この記事の公開が止んでいたのは、一重に筆者の多忙によるところである。務め人の常ではあるのだが、ここ数年の王国の事件ぶりといえば過去の比ではないことは、読者諸君であれば了解していただけることだろう。
この度、改めてこの記事を記すに至った経緯は明快で、ひとえに、王国をとりまく事象が一様の安定をみたからである。
目出度きことに、仇敵にして大敵のベリアルを滅することができたことは王国史に残るべき快事。それを受けて、筆者にも創作的自由が訪れたのである。嗚呼。晴れやかなるかな。
勿論、それだけではない。世界もまた、動き続けている。やはりこれも、善き方へと。
たとえば――北方では竜人らとの交流が始まり、更には機人なる妙なるヒトとの出会いもあった。
これからも、斯様にして世界はかわり、巡っていくのだろう。
――けれど。
変わらないものもまた、あることだろう。
故に、改めて、記すとしよう。
この世界の守護者であり、反抗の象徴である覚醒者達の物語。
未来の英雄達の、始まりの物語。
心行くままにに、お楽しみあれ、と。
『賢明なる読者諸君には既知の事柄に過ぎるため、是より先は全て、自己満足の為の駄文に過ぎぬ。
しばしお付き合い願いたい。
グラムヘイズ王国で、庶民の娯楽として広く愛されているものを一つ挙げるとなると……さて、何を挙げるだろうか。
ある者は、劇場での観劇というかもしれない。またある者は、酒場で耳にする吟遊詩人の詩歌というかもしれない。
文化を愛する心。嗚呼、素晴らしい事だ。文化的素養は人生を豊かにする。
さて。賢明なる読者諸君。あなた方なら、きっとこういうことだろう。
たとえどれだけ下劣でも、どれだけ愚昧でも、どれだけ低俗でも、どれだけ醜穢でも、どれだけ猥雑だとしても。
ヘルメス情報局の『号外』こそが我々の娯楽だ、と。
――勿論、我々の記事が斯様に下劣で愚昧で低俗で醜穢で猥雑であるというのは仮定に過ぎない事もまた、賢明なる読者諸君ならご理解いただける事と思う』
●
昨今、サルヴァトーレ・ロッソなる紅い方舟の出現に呼応するように登録されたハンターの数が激増している。
覚醒者とは、何か。
覚醒者とは一定量以上のマテリアルを保有し、それを任意で行使出来る者を指す。
通常であれば、素養のあるものが覚醒者の高み――それすらも常人には計り知れない程の高みなのだ――に至るためには、筆舌に尽くし難い修練を要する。
そのため、現在は精霊との契約により、短期間で覚醒者に至る方法論が採択されている。
人の身で、精霊に触れる。
――そのことが何を意味するかは、触れた者にしか分かるまい。
読者諸君の中には、その邂逅について既に聞いたことがある者もいるかもしれない。筆者もその一人だ。
「もう一人の自分が、語りかけてきた」
そんな話を耳にした事がある。
今回、当情報局では精霊との接触――即ち契約について取材し、記事にした。
極めて個人的な内容も含まれるため、取材を快く受けてくれたハンター達に敬意を表するためにも、匿名性の高い記事になっている。
それでも、読者諸君らの知的好奇心をくすぐるに違いない。
何より――この世界の守護者であり、反抗の象徴である覚醒者達の物語だ。
未来の英雄達の、始まりの物語。
心行くままにに、お楽しみあれ。
―『未来の英雄達、その回顧録』序文―
●
親愛なる読者諸君。再びこの序文を掲載出来たことを嬉しく思う。
さて。最後にこの記事を上梓したのは、先年の四月――あるいは、昨々年の十二月であろうか。
その間、この記事の公開が止んでいたのは、一重に筆者の多忙によるところである。務め人の常ではあるのだが、ここ数年の王国の事件ぶりといえば過去の比ではないことは、読者諸君であれば了解していただけることだろう。
この度、改めてこの記事を記すに至った経緯は明快で、ひとえに、王国をとりまく事象が一様の安定をみたからである。
目出度きことに、仇敵にして大敵のベリアルを滅することができたことは王国史に残るべき快事。それを受けて、筆者にも創作的自由が訪れたのである。嗚呼。晴れやかなるかな。
勿論、それだけではない。世界もまた、動き続けている。やはりこれも、善き方へと。
たとえば――北方では竜人らとの交流が始まり、更には機人なる妙なるヒトとの出会いもあった。
これからも、斯様にして世界はかわり、巡っていくのだろう。
――けれど。
変わらないものもまた、あることだろう。
故に、改めて、記すとしよう。
この世界の守護者であり、反抗の象徴である覚醒者達の物語。
未来の英雄達の、始まりの物語。
心行くままにに、お楽しみあれ、と。
リプレイ本文
●柏木 千春(ka3061)
「今日は、よろしくお願いします」
少女の声色は、柔らかいものだった。
のみならず、その表情、所作、いずれもが――こう評しては失礼にあたるかもしれないが――洗練されたそれとは異なる、暖かさに満ちた、王国では見慣れた仕草である。
一見すると普通の少女だ。ただ、そのかんばせは、王国人とは少しばかり異なる。筆者の疑問に先回りするように少女は苦笑した。
「リアルブルー出身、なんです」
聞けば、物心も定かでないころに転移してきたという。幸運なことに、敬虔なるエクラ教徒である老夫婦に拾われ、王国辺境の小村で育てられた。
成る程。思えば、少女の物腰は老夫婦のそれに近しいのかもしれない。その傾聴は、何よりも時間への姿勢によって現れるものだ。
そんな彼女の起りを、聞いてみた。
―・―
十歳ぐらいのころ、教会でお祈りをしていた時でした。
静かで、いつもどおりの時間。目を瞑り、祈りを捧げていただけ。
――声が、聞こえたんです。
小さかったけれど、確かに、聞こえたんです。
……『たすけて』って。
―・―
ただの、呟き。囁きのような、掠れた声。
筆者には知る由もないが、かつて彼女が聞いた声が、"そのようなもの"で在ったのだろうと思わせるに足る声で――儚く、寂しげな色をしていた。
その声を聞いた彼女の眼前に、同じような年の頃の少女がいたのだという。
見れば、声の少女は依然として彼女に向かって何かを語りかけていた。しかし、どうにも聞こえない。音が、絶えている。
ただ――その表情が、彼女の胸に響いた。
何か、してあげられることは、無いか。実在すらもあやふやな少女に向かって、彼女にできることを探すが、幼い彼女には何一つ見つからなかった。
だが、彼女は敬虔だった。
彼女はごくごく自然に、眼前の少女の手をとったという。包み込むような仕草のまま、自然と目を閉じた。
「……ただ、『たすけたい』と。女の子の手を取って、必死に祈ったんです」
―・―
そしたら、辺りが急にまぶしくなったんです。
私は、彼女の手を握り続けていた。けれど、不意にそれが軽くなって――目を、開けたんです。
あんなにまぶしかった光は、消えていました。
あの少女の姿も、また。
ただ、残っているものもあったんです。
小さな、光の球。
やわらかな光を放つ球は、私の周囲をひとまわりした後――私の中に消えていきました。
―・―
その光――精霊は、"あの少女"であったのだろうと、彼女は語る。
かつて彼女が見たという、少女の、囁き。それを思わせる、どこか柔和で――寂しげな、光。
――精霊との邂逅。その時の言葉の意味は未だ、解らないままだという。
ただ、この世界を覆う脅威から『護る』。
時経た彼女は、抗うための戦い方は様々だと知っていた。育ての親である祖父母への恩もあったが、それでも。
そのための力を、あの時の『少女』から受け取った彼女は、そのためにハンターの道を選んだと、語った。
以上が、癒やし手にして守り手である彼女の救恤の証――その起りの物語だ。
にしても、嗚呼、些か、骨が折れる取材であった。
何ごとにおいても真に重要なものは語られた言葉そのものではなく、その意味や意図にある。
解らないと、彼女自身の口から語られたもの。
かつて精霊は『助けて』と告げた。それは、彼女を決定づけた言葉であったはずだ。
であるのにも関わらず、彼女は核心に至らぬままに、今のように在る。
――あの時精霊は、何を助けてと願ったのか。
だからこそ彼女は、救恤の意と共に今も在るのだろう、と。
そう思わせる言葉であった。
●イッカク(ka5625)
巨大な男であった。見上げる程の体躯は鍛え込まれ、戦場――否、闘争の香りが濃い。
特徴的なのは、その一本角であろう。彼は東方に在りし、鬼であった。羽織には、悪の一文字。
「ハッ、他人をネタにして金を稼ぐたぁ良い根性してるじゃねぇか」
開口一番にそう言った彼の眉間には、深い皺。しかし、僅かに愉快さを滲ませて口の端が釣り上がる。そういう為人なのであろう。
形相こそ恐ろしいが、威圧的な気配は無い。
―・―
いざ、俺は力を求めて精霊との契約に臨んだワケだ。
何が来るのかと身構えてたらよ、わーぎゃーと泣いてるガキが出たんだよ。目の前にな。
女々しい泣き方だったぜ。見てるコッチが腹立つくらいだ。
――ああ。今思い返しゃァ、ありゃあガキだった自分の俺にそっくりだったな。
鏡なんざ縁が無かったが、そんな気がするぜ。
兎角、俺ぁそいつをみてな。
無性に、腹が立った。
―・―
――弱かったガキの自分がいりゃ腹も立つだろ? お前だってそう思わねぇか?
成る程。在りし日の姿には、頭を抱えたくなることも多々あろう。それが、今の有り様大きく異ろうものならなおのこと。
鬼である彼は、状況が良からざるころの東方に居たのだろう。なればこそ、その半生の苛烈さは想像に難くない。
気づけば、幼き時分の自身と対峙した彼の手元には使い古した刀が在ったという。
何故、と。彼は疑念を抱きすらしなかった。憤懣が、彼の心を焼いていたのだ。
わあわあと泣いていた小僧は、いつしか、はたはたと涙を零すようになっていた。
涙の向こうに、滲んで見える疲弊と――その、感情の色が見えるよう。
それが、男の心火に薪をくべる。
男は、刃を振り上げた。
―・―
――斬らなかったよ。
あ? あぁいや、違ぇな。斬れなかった、だ。
金の為なら、生きる為なら、どんな悪事もこなしてきた俺が、だ。
……俺みてぇな悪が、今更覆るわけがねえ。だから今も俺は悪の字を『背負って』んだ
だが、斬れなかったのさ。笑えるだろ?
―・―
理由なんざわかってる、と男は自嘲した。
自らの手を見つめる両の目は、枯木のような静けさがある。
彼はその手に、何を見たのだろうか。暫し、静寂が落ちた。
「けどよ」
言葉が、落ちた。
「悪を為すのはいつだって生きる為だった。……てめぇの感情だけで人を斬った事はなかったんだよ」
ああ。その言葉で、腑に落ちた。
悪を背負う。確かに、それに相応しい様相に、言動に――心根であろう。
そして――それに足る過去であったのだ。故に彼は悪を為すのではなく、背負っていると言っていた。
――斬る理由が、無かったのだ。
そのことを解っているからこそ、彼の表情は、斯様のように苦く――どこか、清らかなのだろう。
結果として、男は刀を降ろした。
そして――仰天することになる。
泣いていた小僧が、その小さな手を差し出したのだ。
―・―
ああ、取っちまったよ。
……ぼんやり、してたからよ。
そしたら、そのガキはにっこり笑って……消えちまった。
……多分そのガキが、俺と契約した精霊だったんだろうよ。
―・―
なんであんなもん見せたのかは解んねぇがな、と。男は疲れたように零し、ついでに解ったことがあると神妙な顔で呟いた。
「……俺ぁガキが苦手だ」
心底から唾棄するような声を――それが冗句であったかはさておき――筆者は、笑うことはできなかった。
過去の自分との邂逅が、彼にとってどのような意味を持っていたのかを思えば、当然のことであろう。
ただ。
彼はいつから、悪を背負うようになったのだろうか、と。
そんなことを、思ったのだ。
●愛梨(ka5827)
最初に印象に残ったのは、その涼やかな声であった。
少女である。年の頃は二十を少し下回る程度。艶やかな黒髪に、茶目っ気を感じる瞳。
大人びた空気は、彼女が実戦経験を積んだ証、だろうか。
少女の生家は、豊かな自然に囲まれていたという。その中に横たわる時間が、そうさせたのかもしれない。
「――キッカケは、唐突だったわ」
静かに。端的に、少女は語りだした。
―・―
知らない景色の中に居た。
今も、似たような風景は見たことがないけど……そこで、"ソレ"に出会ったの。
ヒトに似た形。五体があって――息遣いがあって。確かに、その存在を感じたわ。
ボンヤリとしていて、顔は分からなかった。けれど、ソレは私を見ていた。
嫌な感じは、しなかったけれど。
「貴女は見たい?」
ソレは、そう聞いた。
今思えば、その声は……聞き覚えが、あったかもしれない。よく、覚えていないのだけれど。
もちろん、何を、って聞いたわ。だって、何も分からなかったもの。
答えは、無かった。ただ――代わりに、景色が激変した。
―・―
少女が出会ったそれは、縁ある精霊であったのだろうか。
それ、と呼ばれた何者かは、少女にある光景を見せた。
またしても見慣れぬ景色。少女の後方には、彼女自身が見たことも――あるいは聞いたことも――ない程の、街があった。
濃密な人の気配も、彼女にとっては馴染みがないものであった。
そう。彼女は、"知らない"光景を目の当たりにしていた。それは、単なる白昼夢とは異なる――精霊との出会いとして刻まれるに足るもので。
その光景には、続きがあった。
そこには、見知った者たちも居たのだ。
一人は、彼女の父親。矢を番え、彼女が見たこともない程の険しい表情をしていた。
もう一人は――彼女の、母親であった。父の傍らで、柔らかな光に包まれた手を、添えていた。
あるいは、支えるように。
その二人の姿を認めた瞬間――世界が、弾けた。
―・―
最初の光景に戻った時――ソレは、こう言ったの。
「望むなら受け取りなさい」
その手には、弓と、光があったわ。
父さんが使っていた弓に似たそれと、母さんが浮かべていた、優しい光。
――そこで、目が覚めた。
―・―
生来の素直さ、故にだろう。彼女は自らが体験したことを詳らかに両親に語ったという。
両親はそれを、静かな表情で聞いた後、彼女たちが覚醒者であること、覚醒者についてを、初めて少女に告げた。
父が、闘う力を有していることは知っていたという。その村は、父が護っていた村であった。
ただ、力の用い方について考えたことは、ただの一度も無かった。当然だろう。彼女は、護られてきたのだから。
そして――此処でも、母親は少女を慮った。
彼女は、少女自身が覚醒者に至ったことを了解したうえで、こう言ったのだ。
―・―
「好きな様にしなさい」
どんな力を持っていようと、それを理由にしなければならない事は無いから……って。母さんは言ったの。
――優しい言葉だった。
……結局、私はハンターになったわ。
故郷は、何もないって言われそうな場所だけれど、不満は無かった。
大切な家族も、いた。
けれど――あの光景が、多分、決め手だった。
私は村を出ることに選んだのは……父さんと母さんが見たものを――世界を見たかったから。
―・―
少女が外の世界を選んだのは、憧憬であったかもしれない。
彼女の生き方と言葉には、両親の教えが滲んでいたことからも、それは伺えた。
では、今の世界は、彼女にとってどう見えているのだろうか。
精霊が押し開いた、新しい世界の形は。
その答えに、彼女は微笑みを浮かべた。
「――楽しいわ、とても」
●ユキトラ(ka5846)
珍しいことである。同日の取材に、二人目の――鬼。
こちらは少年の鬼である。豊かな毛髪は目が覺めるほどの、美しい白。同色の角に、色白な少年の容姿もあいまって、どこか清らかな印象を与える少年であった。
尤も。
「オイラの話したことが文字になって、大勢の目に留まるってことか。すっげーな!」
目を輝かせる少年は、溢れる活気のほうが眩いもの。東方出身の彼にとって、語られること、伝えられることが如何様なものになるかは筆者も知らぬが、並外れた期待の眼差しに、筆者も身が引き締まる想いである。
――ここで、少年の言葉を再び引こう。
「白鬼の語り、とくとご照覧あれってんだ!」
―・―
いざ精霊とあうっつー段になっても、最初はなんにも居なかったんだ。
誰も居なくてさ。拍子抜けしてたんだよな。
んで。
ド――――ン! ってな、油断した所を横っ腹にキツイ一撃をお見舞いされたんだ!
軽く畳一枚分くらい吹っ飛ばされたんじゃねーかな、オイラ。すげー勢いだった。
何事かと思って、ふりかえるだろ。
そしたら――
―・―
少年が目にしたものは、狼であった。
白毛の狼だ。
その狼に、あろうことか、頭突きをされたのだという。その爪牙に頼らない一撃に、狼の――精霊の心持ちが知れようものであるが、さて。少年はどうしたであろう。
眼前にあるのは、精霊であり、そこは契約の場であった。
そう。賢明なる読者なら、お分かりいただけることであろう。
――そのまま、取っ組み合いになったのだ。
―・―
売られた喧嘩は言い値で買わなきゃ男が廃るってもんでさ!
いやー、まー、強い強い。結局……(ここで、ひ、ふ、み、と数え)……一勝三敗二引き分けぐらいだったんかなー。
強かった。けど、毛並みは、こう、絹みたいでさ。吠えたりもしないし、体温も息遣いも殆ど、無くて。
ああ、コイツ、普通の獣とは違うなって思った。
ホントは、契約ってもっと、堅苦しかったり厳かなモンだと思ってたんだけど……全然違ったなあ。
色々言いたいことあったんだ。
父ちゃんより強くなりたい――とか。生き残った一族を──家族を護りたい――とか。
そんなもん、吹っ飛んでた。
とにかく負けたくねェ! って思った。まあ、負け越したけどなっ!!
―・―
彼は、東方の鬼だ。幼い身でありながら、西方に出て、ハンターになった。
……かつての東方の非業ぶりはよく知られるところである。親は既に無い。最後に残った父親も少年と共に身を寄せた傭兵団で死別した。
そういう生き方を、してきたのだ。
――だからこそ、勝負を終えた後の"狼"の言葉には、意味がある。
白き狼はこう告げたと。
『オ前ノ魂 確ト見タリ』
『共ニ駆ケ 共ニ屠リ 共ニ生キヨフ 兄弟』
そうして、"契約"は終わりを迎えた。
覚醒者に成ったという手応えよりも先に、少年はあるものを思い出していた。
「――オイラの父ちゃんも狼の精霊と契約してたんだ。あっちは真っ黒い毛並みって言ってたけど」
父ちゃん、黒髪だったしな、と。少年は自らの白い髪をつまみ上げた。白髪に白狼。黒髪の父に、黒い狼。
精霊とのめぐり合わせをこう称してよいものかはさておき――合縁奇縁。しかし、こうも深い縁であれば、ただの偶然と呼ぶのも偲びない。
真相は、定かではない。それを語れる者もいはしないだろう。
しかし、だ。
狼は古来より、"群れ"るもの。
家族と呼ぶべき社会性を示す彼らの生き様は、少年の想いに近しいものがある。
――あるいは。かの少年の父親も、そのように在ったのでは、と。
そう感じさせる、白鬼の語りであった。
「今日は、よろしくお願いします」
少女の声色は、柔らかいものだった。
のみならず、その表情、所作、いずれもが――こう評しては失礼にあたるかもしれないが――洗練されたそれとは異なる、暖かさに満ちた、王国では見慣れた仕草である。
一見すると普通の少女だ。ただ、そのかんばせは、王国人とは少しばかり異なる。筆者の疑問に先回りするように少女は苦笑した。
「リアルブルー出身、なんです」
聞けば、物心も定かでないころに転移してきたという。幸運なことに、敬虔なるエクラ教徒である老夫婦に拾われ、王国辺境の小村で育てられた。
成る程。思えば、少女の物腰は老夫婦のそれに近しいのかもしれない。その傾聴は、何よりも時間への姿勢によって現れるものだ。
そんな彼女の起りを、聞いてみた。
―・―
十歳ぐらいのころ、教会でお祈りをしていた時でした。
静かで、いつもどおりの時間。目を瞑り、祈りを捧げていただけ。
――声が、聞こえたんです。
小さかったけれど、確かに、聞こえたんです。
……『たすけて』って。
―・―
ただの、呟き。囁きのような、掠れた声。
筆者には知る由もないが、かつて彼女が聞いた声が、"そのようなもの"で在ったのだろうと思わせるに足る声で――儚く、寂しげな色をしていた。
その声を聞いた彼女の眼前に、同じような年の頃の少女がいたのだという。
見れば、声の少女は依然として彼女に向かって何かを語りかけていた。しかし、どうにも聞こえない。音が、絶えている。
ただ――その表情が、彼女の胸に響いた。
何か、してあげられることは、無いか。実在すらもあやふやな少女に向かって、彼女にできることを探すが、幼い彼女には何一つ見つからなかった。
だが、彼女は敬虔だった。
彼女はごくごく自然に、眼前の少女の手をとったという。包み込むような仕草のまま、自然と目を閉じた。
「……ただ、『たすけたい』と。女の子の手を取って、必死に祈ったんです」
―・―
そしたら、辺りが急にまぶしくなったんです。
私は、彼女の手を握り続けていた。けれど、不意にそれが軽くなって――目を、開けたんです。
あんなにまぶしかった光は、消えていました。
あの少女の姿も、また。
ただ、残っているものもあったんです。
小さな、光の球。
やわらかな光を放つ球は、私の周囲をひとまわりした後――私の中に消えていきました。
―・―
その光――精霊は、"あの少女"であったのだろうと、彼女は語る。
かつて彼女が見たという、少女の、囁き。それを思わせる、どこか柔和で――寂しげな、光。
――精霊との邂逅。その時の言葉の意味は未だ、解らないままだという。
ただ、この世界を覆う脅威から『護る』。
時経た彼女は、抗うための戦い方は様々だと知っていた。育ての親である祖父母への恩もあったが、それでも。
そのための力を、あの時の『少女』から受け取った彼女は、そのためにハンターの道を選んだと、語った。
以上が、癒やし手にして守り手である彼女の救恤の証――その起りの物語だ。
にしても、嗚呼、些か、骨が折れる取材であった。
何ごとにおいても真に重要なものは語られた言葉そのものではなく、その意味や意図にある。
解らないと、彼女自身の口から語られたもの。
かつて精霊は『助けて』と告げた。それは、彼女を決定づけた言葉であったはずだ。
であるのにも関わらず、彼女は核心に至らぬままに、今のように在る。
――あの時精霊は、何を助けてと願ったのか。
だからこそ彼女は、救恤の意と共に今も在るのだろう、と。
そう思わせる言葉であった。
●イッカク(ka5625)
巨大な男であった。見上げる程の体躯は鍛え込まれ、戦場――否、闘争の香りが濃い。
特徴的なのは、その一本角であろう。彼は東方に在りし、鬼であった。羽織には、悪の一文字。
「ハッ、他人をネタにして金を稼ぐたぁ良い根性してるじゃねぇか」
開口一番にそう言った彼の眉間には、深い皺。しかし、僅かに愉快さを滲ませて口の端が釣り上がる。そういう為人なのであろう。
形相こそ恐ろしいが、威圧的な気配は無い。
―・―
いざ、俺は力を求めて精霊との契約に臨んだワケだ。
何が来るのかと身構えてたらよ、わーぎゃーと泣いてるガキが出たんだよ。目の前にな。
女々しい泣き方だったぜ。見てるコッチが腹立つくらいだ。
――ああ。今思い返しゃァ、ありゃあガキだった自分の俺にそっくりだったな。
鏡なんざ縁が無かったが、そんな気がするぜ。
兎角、俺ぁそいつをみてな。
無性に、腹が立った。
―・―
――弱かったガキの自分がいりゃ腹も立つだろ? お前だってそう思わねぇか?
成る程。在りし日の姿には、頭を抱えたくなることも多々あろう。それが、今の有り様大きく異ろうものならなおのこと。
鬼である彼は、状況が良からざるころの東方に居たのだろう。なればこそ、その半生の苛烈さは想像に難くない。
気づけば、幼き時分の自身と対峙した彼の手元には使い古した刀が在ったという。
何故、と。彼は疑念を抱きすらしなかった。憤懣が、彼の心を焼いていたのだ。
わあわあと泣いていた小僧は、いつしか、はたはたと涙を零すようになっていた。
涙の向こうに、滲んで見える疲弊と――その、感情の色が見えるよう。
それが、男の心火に薪をくべる。
男は、刃を振り上げた。
―・―
――斬らなかったよ。
あ? あぁいや、違ぇな。斬れなかった、だ。
金の為なら、生きる為なら、どんな悪事もこなしてきた俺が、だ。
……俺みてぇな悪が、今更覆るわけがねえ。だから今も俺は悪の字を『背負って』んだ
だが、斬れなかったのさ。笑えるだろ?
―・―
理由なんざわかってる、と男は自嘲した。
自らの手を見つめる両の目は、枯木のような静けさがある。
彼はその手に、何を見たのだろうか。暫し、静寂が落ちた。
「けどよ」
言葉が、落ちた。
「悪を為すのはいつだって生きる為だった。……てめぇの感情だけで人を斬った事はなかったんだよ」
ああ。その言葉で、腑に落ちた。
悪を背負う。確かに、それに相応しい様相に、言動に――心根であろう。
そして――それに足る過去であったのだ。故に彼は悪を為すのではなく、背負っていると言っていた。
――斬る理由が、無かったのだ。
そのことを解っているからこそ、彼の表情は、斯様のように苦く――どこか、清らかなのだろう。
結果として、男は刀を降ろした。
そして――仰天することになる。
泣いていた小僧が、その小さな手を差し出したのだ。
―・―
ああ、取っちまったよ。
……ぼんやり、してたからよ。
そしたら、そのガキはにっこり笑って……消えちまった。
……多分そのガキが、俺と契約した精霊だったんだろうよ。
―・―
なんであんなもん見せたのかは解んねぇがな、と。男は疲れたように零し、ついでに解ったことがあると神妙な顔で呟いた。
「……俺ぁガキが苦手だ」
心底から唾棄するような声を――それが冗句であったかはさておき――筆者は、笑うことはできなかった。
過去の自分との邂逅が、彼にとってどのような意味を持っていたのかを思えば、当然のことであろう。
ただ。
彼はいつから、悪を背負うようになったのだろうか、と。
そんなことを、思ったのだ。
●愛梨(ka5827)
最初に印象に残ったのは、その涼やかな声であった。
少女である。年の頃は二十を少し下回る程度。艶やかな黒髪に、茶目っ気を感じる瞳。
大人びた空気は、彼女が実戦経験を積んだ証、だろうか。
少女の生家は、豊かな自然に囲まれていたという。その中に横たわる時間が、そうさせたのかもしれない。
「――キッカケは、唐突だったわ」
静かに。端的に、少女は語りだした。
―・―
知らない景色の中に居た。
今も、似たような風景は見たことがないけど……そこで、"ソレ"に出会ったの。
ヒトに似た形。五体があって――息遣いがあって。確かに、その存在を感じたわ。
ボンヤリとしていて、顔は分からなかった。けれど、ソレは私を見ていた。
嫌な感じは、しなかったけれど。
「貴女は見たい?」
ソレは、そう聞いた。
今思えば、その声は……聞き覚えが、あったかもしれない。よく、覚えていないのだけれど。
もちろん、何を、って聞いたわ。だって、何も分からなかったもの。
答えは、無かった。ただ――代わりに、景色が激変した。
―・―
少女が出会ったそれは、縁ある精霊であったのだろうか。
それ、と呼ばれた何者かは、少女にある光景を見せた。
またしても見慣れぬ景色。少女の後方には、彼女自身が見たことも――あるいは聞いたことも――ない程の、街があった。
濃密な人の気配も、彼女にとっては馴染みがないものであった。
そう。彼女は、"知らない"光景を目の当たりにしていた。それは、単なる白昼夢とは異なる――精霊との出会いとして刻まれるに足るもので。
その光景には、続きがあった。
そこには、見知った者たちも居たのだ。
一人は、彼女の父親。矢を番え、彼女が見たこともない程の険しい表情をしていた。
もう一人は――彼女の、母親であった。父の傍らで、柔らかな光に包まれた手を、添えていた。
あるいは、支えるように。
その二人の姿を認めた瞬間――世界が、弾けた。
―・―
最初の光景に戻った時――ソレは、こう言ったの。
「望むなら受け取りなさい」
その手には、弓と、光があったわ。
父さんが使っていた弓に似たそれと、母さんが浮かべていた、優しい光。
――そこで、目が覚めた。
―・―
生来の素直さ、故にだろう。彼女は自らが体験したことを詳らかに両親に語ったという。
両親はそれを、静かな表情で聞いた後、彼女たちが覚醒者であること、覚醒者についてを、初めて少女に告げた。
父が、闘う力を有していることは知っていたという。その村は、父が護っていた村であった。
ただ、力の用い方について考えたことは、ただの一度も無かった。当然だろう。彼女は、護られてきたのだから。
そして――此処でも、母親は少女を慮った。
彼女は、少女自身が覚醒者に至ったことを了解したうえで、こう言ったのだ。
―・―
「好きな様にしなさい」
どんな力を持っていようと、それを理由にしなければならない事は無いから……って。母さんは言ったの。
――優しい言葉だった。
……結局、私はハンターになったわ。
故郷は、何もないって言われそうな場所だけれど、不満は無かった。
大切な家族も、いた。
けれど――あの光景が、多分、決め手だった。
私は村を出ることに選んだのは……父さんと母さんが見たものを――世界を見たかったから。
―・―
少女が外の世界を選んだのは、憧憬であったかもしれない。
彼女の生き方と言葉には、両親の教えが滲んでいたことからも、それは伺えた。
では、今の世界は、彼女にとってどう見えているのだろうか。
精霊が押し開いた、新しい世界の形は。
その答えに、彼女は微笑みを浮かべた。
「――楽しいわ、とても」
●ユキトラ(ka5846)
珍しいことである。同日の取材に、二人目の――鬼。
こちらは少年の鬼である。豊かな毛髪は目が覺めるほどの、美しい白。同色の角に、色白な少年の容姿もあいまって、どこか清らかな印象を与える少年であった。
尤も。
「オイラの話したことが文字になって、大勢の目に留まるってことか。すっげーな!」
目を輝かせる少年は、溢れる活気のほうが眩いもの。東方出身の彼にとって、語られること、伝えられることが如何様なものになるかは筆者も知らぬが、並外れた期待の眼差しに、筆者も身が引き締まる想いである。
――ここで、少年の言葉を再び引こう。
「白鬼の語り、とくとご照覧あれってんだ!」
―・―
いざ精霊とあうっつー段になっても、最初はなんにも居なかったんだ。
誰も居なくてさ。拍子抜けしてたんだよな。
んで。
ド――――ン! ってな、油断した所を横っ腹にキツイ一撃をお見舞いされたんだ!
軽く畳一枚分くらい吹っ飛ばされたんじゃねーかな、オイラ。すげー勢いだった。
何事かと思って、ふりかえるだろ。
そしたら――
―・―
少年が目にしたものは、狼であった。
白毛の狼だ。
その狼に、あろうことか、頭突きをされたのだという。その爪牙に頼らない一撃に、狼の――精霊の心持ちが知れようものであるが、さて。少年はどうしたであろう。
眼前にあるのは、精霊であり、そこは契約の場であった。
そう。賢明なる読者なら、お分かりいただけることであろう。
――そのまま、取っ組み合いになったのだ。
―・―
売られた喧嘩は言い値で買わなきゃ男が廃るってもんでさ!
いやー、まー、強い強い。結局……(ここで、ひ、ふ、み、と数え)……一勝三敗二引き分けぐらいだったんかなー。
強かった。けど、毛並みは、こう、絹みたいでさ。吠えたりもしないし、体温も息遣いも殆ど、無くて。
ああ、コイツ、普通の獣とは違うなって思った。
ホントは、契約ってもっと、堅苦しかったり厳かなモンだと思ってたんだけど……全然違ったなあ。
色々言いたいことあったんだ。
父ちゃんより強くなりたい――とか。生き残った一族を──家族を護りたい――とか。
そんなもん、吹っ飛んでた。
とにかく負けたくねェ! って思った。まあ、負け越したけどなっ!!
―・―
彼は、東方の鬼だ。幼い身でありながら、西方に出て、ハンターになった。
……かつての東方の非業ぶりはよく知られるところである。親は既に無い。最後に残った父親も少年と共に身を寄せた傭兵団で死別した。
そういう生き方を、してきたのだ。
――だからこそ、勝負を終えた後の"狼"の言葉には、意味がある。
白き狼はこう告げたと。
『オ前ノ魂 確ト見タリ』
『共ニ駆ケ 共ニ屠リ 共ニ生キヨフ 兄弟』
そうして、"契約"は終わりを迎えた。
覚醒者に成ったという手応えよりも先に、少年はあるものを思い出していた。
「――オイラの父ちゃんも狼の精霊と契約してたんだ。あっちは真っ黒い毛並みって言ってたけど」
父ちゃん、黒髪だったしな、と。少年は自らの白い髪をつまみ上げた。白髪に白狼。黒髪の父に、黒い狼。
精霊とのめぐり合わせをこう称してよいものかはさておき――合縁奇縁。しかし、こうも深い縁であれば、ただの偶然と呼ぶのも偲びない。
真相は、定かではない。それを語れる者もいはしないだろう。
しかし、だ。
狼は古来より、"群れ"るもの。
家族と呼ぶべき社会性を示す彼らの生き様は、少年の想いに近しいものがある。
――あるいは。かの少年の父親も、そのように在ったのでは、と。
そう感じさせる、白鬼の語りであった。
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/07/24 00:28:15 |