ゲスト
(ka0000)
はんたあ倶楽部~渚のかんしいん
マスター:深夜真世

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 1~25人
- サポート
- 0~0人
- 報酬
- 寸志
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/08/14 22:00
- 完成日
- 2017/08/27 19:34
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
「ん……」
ギンギラ太陽とパラソルの作る光と影の中、誰かさんが転がっているようで白い生足がうごめきます。
「やっぱり海は気持ちいいなぁ」
白い砂浜に敷いたレジャーシートの上で水着のままごろ寝していたのは、南那初華(kz0135)さんです。先ほどまで海で戯れていたようで、火照った体に海水の冷たさ、泳いで疲れた後に全身力を抜いて転がる日陰、のどの渇きに染み渡るトロピカルなジュース、軽い眠気に心地よい風など、すべてを満喫して心地よくうたた寝しています。
「春から夏にかけて、依頼頑張ったもんなぁ。たまにこういうご褒美依頼があってもいいよね」
んー、と瞳を閉じて赤いビキニの肢体を伸ばしつつ思い返します。
特に、オフィスの受付に押し付けられるように新人ハンター向け依頼のバックアップを連続でこなしました。
ハンターたちの福利厚生の意味を込め、クッキー作りも催しました。
たまにはそういうのもいいよね、ということで「はんたあ倶楽部」としてレクリエーションをしていくことにしたのですが、クッキーの差し入れをいつもお世話になっている職員に差し入れしたのが良かったですね。
「海行きたいの? んじゃ、この依頼と組み合わせればいいわね。先方、予算ないらしいけど新人ハンター向けにするにはまったく訓練にならない内容だから許可は下りないし」
そう言って職員が見せてくれたのが、
「以前、海辺に出る歪虚を退治してもらったけど、今年も出るんじゃないかと客足が鈍っているからハンターさんたにち遊びに来てもらって安心感を高めたい」
という依頼です。寸志程度は付くみたいですね。
「前はどんな歪虚が出たの?」
「巨大ガニ。というわけで、『この夏はワシのカニ工房で働いてみないか?』」
「ええっと、それって入会金無料で……」
「そうそう。……さん、ハイ♪」
とかなんとか夏はトライな感じで、ハンター同士の日帰り交流旅行にしてしまいました。
で、初華さんは念のために先乗りしたというわけで。
一通り浜辺を見回り、海でも泳いでみて特に異常はありませんでした。監視台の櫓にも登ってみて広くも見回しましたし。
後は皆さんがやって来るのを待つだけです。
それまで、少しだけ休憩。
だって、みんなが来た時に一人だけすでにぐったりとかしてたら楽しめませんものね。
「一休み一休み……」
むにゃ、と脱力。
やがてハンターたちが楽しくやっていれば一般の海水浴客も安心してやって来るでしょう。
そうなると居眠りしようにも、こんな静かな中で居眠りできませんものね。
「今回海の家はちゃんと現地の人がやってくれるし……ハンターがやってもいいけど、私はクレープもお好み焼きも焼かないし……」
初華さん、こういう時はたいてい何かを焼いているのですが、完全にお休みするようですね。
「お昼、何にしようかなぁ~」
うたた寝しつつ、にへ、と表情が緩みます。
やがて、後続のハンターたちもやって来るでしょう。
平和で、にぎやかな一日になりそうです。
ギンギラ太陽とパラソルの作る光と影の中、誰かさんが転がっているようで白い生足がうごめきます。
「やっぱり海は気持ちいいなぁ」
白い砂浜に敷いたレジャーシートの上で水着のままごろ寝していたのは、南那初華(kz0135)さんです。先ほどまで海で戯れていたようで、火照った体に海水の冷たさ、泳いで疲れた後に全身力を抜いて転がる日陰、のどの渇きに染み渡るトロピカルなジュース、軽い眠気に心地よい風など、すべてを満喫して心地よくうたた寝しています。
「春から夏にかけて、依頼頑張ったもんなぁ。たまにこういうご褒美依頼があってもいいよね」
んー、と瞳を閉じて赤いビキニの肢体を伸ばしつつ思い返します。
特に、オフィスの受付に押し付けられるように新人ハンター向け依頼のバックアップを連続でこなしました。
ハンターたちの福利厚生の意味を込め、クッキー作りも催しました。
たまにはそういうのもいいよね、ということで「はんたあ倶楽部」としてレクリエーションをしていくことにしたのですが、クッキーの差し入れをいつもお世話になっている職員に差し入れしたのが良かったですね。
「海行きたいの? んじゃ、この依頼と組み合わせればいいわね。先方、予算ないらしいけど新人ハンター向けにするにはまったく訓練にならない内容だから許可は下りないし」
そう言って職員が見せてくれたのが、
「以前、海辺に出る歪虚を退治してもらったけど、今年も出るんじゃないかと客足が鈍っているからハンターさんたにち遊びに来てもらって安心感を高めたい」
という依頼です。寸志程度は付くみたいですね。
「前はどんな歪虚が出たの?」
「巨大ガニ。というわけで、『この夏はワシのカニ工房で働いてみないか?』」
「ええっと、それって入会金無料で……」
「そうそう。……さん、ハイ♪」
とかなんとか夏はトライな感じで、ハンター同士の日帰り交流旅行にしてしまいました。
で、初華さんは念のために先乗りしたというわけで。
一通り浜辺を見回り、海でも泳いでみて特に異常はありませんでした。監視台の櫓にも登ってみて広くも見回しましたし。
後は皆さんがやって来るのを待つだけです。
それまで、少しだけ休憩。
だって、みんなが来た時に一人だけすでにぐったりとかしてたら楽しめませんものね。
「一休み一休み……」
むにゃ、と脱力。
やがてハンターたちが楽しくやっていれば一般の海水浴客も安心してやって来るでしょう。
そうなると居眠りしようにも、こんな静かな中で居眠りできませんものね。
「今回海の家はちゃんと現地の人がやってくれるし……ハンターがやってもいいけど、私はクレープもお好み焼きも焼かないし……」
初華さん、こういう時はたいてい何かを焼いているのですが、完全にお休みするようですね。
「お昼、何にしようかなぁ~」
うたた寝しつつ、にへ、と表情が緩みます。
やがて、後続のハンターたちもやって来るでしょう。
平和で、にぎやかな一日になりそうです。
リプレイ本文
●
夏の海は広くどこまでも碧く、空もまた高くどこまでも青く――。
「あー、そろそろ人が増えて来たわねー」
潮騒と潮風を感じながら南那初華(kz0135)さんがパラソルの下で身を起こしました。しなだれ座る体には赤いビキニ。身をひねって荷物の無事を確認します。
「初華さーん、来たわよ~」
そこに黒いモノキニ姿のメルクーア(ka4005)さんが手を振りながら走って来ました。
「あ、メルクーアさん。荷物あったらここに預かるからね」
「はいはーい。あたしはクレープ販売することにしたから、Pクレープ号貸してね?」
「私もそっちじゃの」
にこー、とアップで迫るメルクーアさんの後ろからレーヴェ・W・マルバス(ka0276)さんも姿を現します。
「いいけど……」
「ありがとっ。それじゃ行ってくるねー」
嬉しそうに回れ右して駆け出すメルクーアさんです。
「水着、で?」
「なに、普段着と変わらんじゃろ?」
胸を張るレーヴェさんの姿は黒ビキニにホットパンツ、キャスケットとゴーグルです。確かに普段着にほど近いですね。
おや。
メルクーアさんを追ったレーヴェさんと入れ替わりに女の子二人が走り寄って来ます。
「ひさめん、こっちにゃ!」
「ちゃんとパラソルに『はんたあ倶楽部ご一行様』って表札が掛かってますね」
緑のワンピース水着に黄緑のパレオ、そして白い花を髪に飾ったハヒヤ・ベリモル(ka6620)さんがおいでおいでしながらお友達の氷雨 柊(ka6302)さんを呼んでいますね。後ろから来る柊さんは、赤地に花柄のワンピース水着と同柄のロングパレオで、まるで着物を着ているようです。
「初華さん、お久し振りですねぇ」
「うんっ。マシュマロクッキー以来だよね~」
「荷物はここに置いておくのかにゃ?」
「そうそう。最初は私が荷物番してるね」
久々の倶楽部活動です。きょうは思いっきり遊びましょう。
「初華、世話になる」
ここで白山 菊理(ka4305)さんが静かに姿を現しました。
「菊理、荷物はここ?」
「パラソルはここだけかしら?」
時音 ざくろ(ka1250)さんと、サンオイルを手にしたアルラウネ(ka4841)さんも一緒です。
「あ、ごめん。予備はあるけどまだ立ててないの」
ちなみに、このパラソルでは柊さんが座って腕にサンオイルを塗っているところです。
「そういうことならはやてにおまかせですの!」
五人と一緒にいた八劒 颯(ka1804)さんがそれだけ言うと、何と!
「びりびり電撃どりるぅっ!」
手にした魔導ドリル「ドゥンケルハイト」で砂浜をどりどりーっ!
「いまですのっ!」
颯さん、叫ぶと同時に黒ビキニに包まれた胸を揺らしながらバックステップ。
「よし、颯。任せてっ!」
入れかわりにざくろさんがパラソルの柄の先をドリルで開けた穴に。
「アデリシア、行きますよ!」
「ええ、巴さん」
間髪入れず舞桜守 巴(ka0036)さんとアデリシア=R=エルミナゥ(ka0746)さんが砂をかけパラソル固定します。
「では、ここを借りる」
菊理さん、シースルーのラッシュガードをばさっと脱ぎシンプルイズベストの真っ赤なビキニ姿でそちらに行くのです。
「私はちょっと布面積控えめのこれで」
アルラウネさんも上着を脱ぎ、フリルやドット模様で可愛いピンク色のビキニ姿になりました。……覆う個所以外全部紐ですが。
「いや、別の意味でまったく控えてないし……」
初華さんが突っ込みますが、無視されました。
その横では柊さんの準備が完了したようです。
「ひさめん! 準備はおーけーかにゃ!? 準備体操も忘れちゃ駄目にゃんだからにゃ!」
「はい。こうしてちゃんと忘れずに」
ハヒヤさんにせかされる柊さん、手首足首ぶらぶらしてます。
「それじゃ、行くにゃ~」
パレオを脱いで預け二人手を取り、さざめく渚に突撃です。
●
さて、こちらは監視台。
「麦わら帽子がなかったらここ、悲惨な暑さだったな」
イ寺鑑(kz0175)さんが櫓のてっぺんに座っています。
「あー、イ寺さん発見なの!」
監視台の下から可愛らしい声が。
見ると、ディーナ・フェルミ(ka5843)さんが見上げているではありませんか。手にしたお菓子をもぐもぐ。
「やあ、ディーナ」
「……ということは美味しい物がここにもなの?」
え、と固まる鑑さん。
どうやらこれまでの依頼の経緯から、鑑さんが絡めば美味しい物がある、と刷り込みされているようですね。
「いや、きょうはチクワも白茶もないよ」
「残念ですのー。とりあえず屋台を全制覇したいの、一緒に食べ歩きしましょうなの」
「そりゃいいが、交代時間がまだ先だよ」
「じゃ、待ってるのー」
ディーナさん、買ってきたオヤツを抱え込んで監視櫓の柱に背中を預けて座り込みなした。
で、もぐもぐやりながら待ってると。
「おぉい、そろそろ交代じゃねぇの?」
鵤(ka3319)さんがやってきました。どんどんと櫓の柱を叩きます。これが深夜の自宅前なら、はしご酒して午前様で帰宅したぐうたらおっさんが鍵を閉められた自宅の扉を叩くの図そのものですが、いまは海。鵤さんも丈長のサーフパンツに白シャツをだらりーんと羽織っている姿です。
「え? 早くないか?」
「ま、いいんじゃねぇの」
驚く鑑さんですが、ディーナさんもいるからと素直に櫓から下ります。麦わら帽子は鵤さんにパス。
「じゃ、早速行くのー」
ディーナさん、笑顔で立ち上がり鑑さんの手を引きます。
無事に交代。それにしても鵤さん、とってもやる気満々ですよね。
「よいしょ、っと」
麦わら帽子をかぶって監視台に座った時でした。
「お。鵤のおっちゃん、もう来てたんや」
冬樹 文太(ka0124)さんがやってきました。缶ビールを抱えてますね。監視の仕事をするなら鵤さんと一緒に、ということのようです。
「文太君はビール運んでこなくちゃならないでしょー? はい、ありがとさん」
「なんや、調子ええなぁ」
とかなんとか言いますが文太さん、下からちゃんと冷やしたビールを渡すのです。
「ぷっはー……ん? 文太君、あそこで泣いてる子がいるよ~」
「おっさん、俺まだビールも開けてへんのに……くそっ。大声で泣いとるわ、ホンマ」
一口飲んだ鵤さん、早速仕事をします。文太さんは一息つく間もなく、ビールを鵤さんに渡し持ってもらってから泣く子の元に走るのです。
その近くにはフラ・キャンディ(kz0121)さんがいました。文太さんが来たので安心してその場を去ります。
でもって、初華さんたちの陣取るパラソルへ。
「初華さん。この子、預かってもらってもいい?」
フラさん、虎猫さんを抱いていました。
「いいけど……いなくならない?」
「なあ」
初華さんが不安そうにしたところに、カイン・シュミート(ka6967)さんがやってきました。両肩にはモフロウが二匹いて、足元にはユグディラのブルーメ(ka6967unit001)さんがいます。
「この猫の好物は持ってるか? 持ってたら渡しておけばいいだろ?」
「あ、そうだね」
フラさん、カインさんに言われてチーズ入りカマボコみたいなものを渡します。きらん、と瞳を輝かせるフラさんの虎猫さん。
「この虎猫、名前なんてーんだ?」
「チェスだよ」
「そうか。よく懐いてるな。子猫のころから飼ってるのか?」
あらら。
カインさんてば猫好きさんのようで、熱心にフラさんとお話を……というか、初華さんからチェスを受け取って抱いて可愛がってますね。
――げしっ!
「お?」
あれ。ブルーメさん、カインさんの向う脛を思いっきり蹴りましたよ?
――ばさばさ、ばさっ!
「お? おい!」
今度はブルーメさんの両肩に止まるモフロウ、「アントス」と「ルルディ」が自己顕示するように羽を広げています。
「……もしかしてカインさん、この三匹の子たちって、全部メス?」
「なんで分かるんだ?」
フラさんの虎猫さんを可愛がるカインさん、きょとんとしています。
「あー、やきもち……」
初華さんは分かったようですね。
ここで新たに走り寄る人影が。
「初華さん、久し振り~」
天竜寺 舞(ka0377)さんです。ユグディラのにゃん五郎(ka0377unit002)さんも一緒です。
「うーん、やっぱり夏は海だね!」
「きょうも舞さん元気だね~」
虎柄ビキニを健康的に着こなし、腰に手を当て海を見回す舞さん。初華さんはそんな様子に微笑してます。
でもその足元では……。
――つんつん。
「ん? どうしたの、にゃん五……」
舞さん、下を見て固まりました。
なんとにゃん五郎さんてば、ぐいーんと釣竿を引き上げリールを回す身振り手振りをしているではありませんか。
「ダメ」
びくっ、となるにゃん五郎さん。
「ほらほら、あんたもハンターの相棒なんだから、泳げないと困るでしょ?」
まったく、とかなんとか言いつつにゃん五郎さんに手招き……あらら。いやいやしてるので首根っこひっつかんで波打ち際へ連れて行きましたよ。
これを見たカインさん。
「泳ぐのか……」
呟いたところで目ざとく足元の様子に気付きます。
そこではブルーメさんが×マーク作ってますね。真顔です。無視したらまた脛を蹴られそうです。
「ま、やめとくけどよ……大丈夫だって、俺だけで泳ぎにいかねぇから」
膝を付いてブルーメさんを撫でるのです。
が。
――つんつん、つんっ!
「って、痛ぇ、アントスとルルディ、ダブルでつつくな」
モフロウたちにやきもちを焼かれてしまいツナ缶で機嫌を取るカインさんです。
大変そうですよね。
●
そのころ、波打ち際。
「ひさめん、思いっきり泳ぐにゃ! あの見えている岩礁に先に付いた方が勝ちにゃ!」
腰まで海に浸かり水をばしゃばしゃやっていたハヒヤさんが浜の端にある岩を指差しました。
「つ、冷たいですねぇ……え?」
水を掛けられ手をかざし身をひねっていた柊さん、改めて岩の方まで見ます。
「え、あの、とっても本気ですねぇ…?」
「勝った方がゆーこと聞いてもらえるにゃ!」
ハヒヤさん、キラキラして勝利条件を出します。とっても本気なのです。
柊さん、これを聞いて尻込み……。
「……ふふ、これは私も負けられませんねぇ。岩礁までですねー? わかりましたぁっ」
「よーい、どんにゃ!」
ああっ。
勝負が始まってしまいました。
バシャバシャ長い足を使い息を継ぎながら並んで泳ぐ姿はとってもキラキラしているのです。
場面は戻って、パラソルの下。
「今年も水着良く似合ってて……もっと良く見せてほしいな」
ざくろさんが頬を染めて菊理さんの水着姿を見詰めていました。
「ありがとう。では、日焼け止めのサンオイルを塗ってもらおう」
菊理さんはマットに寝そべりビキニの紐を解くのです。ざくろさんの目の前に、むにゅりと潰されたDカップの胸としなやかな肢体、真っ白な背中が無防備にさらされます。
「うっ、うん……」
ざくろさん、むにゅ、な所に目を奪われながらオイルを手にたらします。……垂らしすぎですね。
「ん?」
「はわわわ、ごめん」
どうやら垂らしすぎたオイルで、太腿の下というか股下の内側に手が滑ったようです。
「ふうん? では折角だから、お尻と……前も、お願いしようかな」
菊理さん、腰を浮かせて腰骨の位置にある水着の結び目を揺らします。頬を染めてますね。
「そ、そこは日に焼けないから……」
「ふふ、冗談だよ」
してやったりの菊理さん。ざくろさんは他の仲間に呼ばれたのをいいことにすごすごと退散します。
「じゃ、ざくんろん。お願いするわ」
呼んだのはアルラウネさんです。
「アルラ、なんで仰向け……」
ざくろさんの目の前で、アルラウネさんは鳩尾や胸の谷間に自分でオイルを垂らしています。それでもざくろさんは塗ってあげようと手を伸ばした時でした!
「あら、うつぶせの方がいいの?」
「はわっ!」
身を起こしたアルラウネさんの肌に手が当たるざくろさん。でもって、オイルが滑って「ちょっと布面積控えめ」の布の内側に、するっ。やんわりした部分を掌で包んでしまうのでした。
それはともかく。
「日焼け止めは必須ですね。そのためには水着に……」
アデリシアさんが黒い守護聖の法衣の裾から覗く太腿を擦り合わせつつ、脱ごうとしていました。
その時です!
「早く脱ぐべきですわ!」
ばさー、と巴さんがアデリシアさんの法衣を脱がしてしまいました。
「きゃ! 巴さん、何を!」
「長い服なのに太腿はしっかり出してますから恥じらうこともありません……わ?」
巴さん、紐の結び目があるせくしーな黒ビキニ姿で堂々言い放ちます。
ちなみにアデリシアさんは、紫のチューブトップとえぐれるようなVビキニ。
「……アデリシア、少しは恥じらいというものを持つといいですわ」
「巴さんに言われたくありません!」
「あ。オイルだよね、二人とも?」
ざくろさん、見かねて仲裁に入ります。
「もちろんですわ。でも、変なとこ触っては駄目……」
「勿論全員にいしていただきませんと」
すんなり大人しくなる巴さんにアデリシアさんです。
「……とは思いましたがざくろならいいですね」
「ご、ごめんっ。巴の背筋がきれいだったから!」
「全員にしたのですか?」
「え!? も、もちろんだよ、アデリシア」
ざくろさん、大変です。
これを見ていた颯さん、体育座りをしていましたがおもむろにざくろさんの方に向き直って、膝頭を立てたまま股を開きます。
そして、黒ビキニの切れ込みと内股の間にオイルを垂らし、口元に拳を添え横を向いてまつ毛を震わせるのです。
「お時ちゃんが全員にするのなら……」
「いや、そこじゃないから、颯!」
その頃、文太さん。
「おーい、そっちは遊泳禁止区域やで!」
波打ち際に出て沖に出た人に大声で伝えた後、監視台まで引き上げます。
「文太君、お疲れ~」
「…おっちゃんも真面目に働けやッ」
何本目かのビール片手に上から労う鵤さんに、ついにブチ切れました。どかっと櫓に蹴りを入れます。
「おいおーいおっさんちゃあんと働いてるっつーのぉ」
「もうえぇから代われや!」
それでも揺らす文太さん。ついに鵤さんも櫓を慮って下りて来ました。もちろん、麦藁帽は奪い取ります。
「しかたないねぇ文太君は。美人が倒れてたら背負って救護所に連れて行くって役得譲ったっつーのに」
「そんな役得あらへんやんか。こっちはあちこち走って疲れとんねや。まったく」
そうして監視台に収まった時でした。
ざっ、と長袖のパーカーに長ズボンの男が近付いてきたのです。
「交代の時間だ」
鞍馬 真(ka5819)さんとユグディラのシトロン(ka5819unit004)さんです。グレーの毛並みのシトロンさんたら、真さんの右手に抱えられてご満悦。胸に頬をすりすりして居心地良さそうですね。
「いや、俺いまここ交代したばかりやん……」
「後よろしくぅ。文太君~そんじゃいこうかねぇ」
愕然とする文太さんに、悠々とその場を後にする鵤さんなのです。
●
水際では、白い足が控えめに前に出て寄せる波に洗われました。
「うん……これだけいい天気だと、冷たくない」
そう呟いて髪を撫で上げるのは、雪継・紅葉(ka5188)さんです。セパレートのビキニはピンク色で、長めのパレオでくるりん。少し顔を傾げたたたずまいが穏やかです。
そこへ、じゃぶじゃぶと元気な姿がどんどん水に入ります。
「ひさしぶりの海ー! 紅葉! 目いっぱい遊びましょ♪」
膝下まで水に浸かって振り返ったのは七夜・真夕(ka3977)さん。腰に手を当て振り返る姿は、紅のビキニで決めてとても堂に入っています。
にこっ、と微笑みかけて手を伸ばし沖へと行こうとしたのですが……。
「あ、待って」
「え?! きゃっ!」
ばっしゃーん。
真夕さん、紅葉さんに止められてばっしゃーん。
「準備運動……大事」
「だったら今ここですればいいじゃない。それーっ!」
ばしゃ、と水を掛けたり。
一方、濡れた紅葉さん。
「これ……準備運動だったんだね」
「そうよ。だからみんなやってるでしょ?」
というわけで、ばしゃばしゃ掛け合い。
「それじゃ体も温まったことだし、思いっきり泳ぎましょ♪」
「あ、こっちがあまり深くなさそう」
「ちょっとー!」
再び手を取り駆け出す真夕さんですが、紅葉さんが別の方を指差して引っ張るものだからまたしても一人でばしゃーっとなってたり。
一方、海の家の周辺では。
――ぶろん……ききっ。
一台の魔道トラックが止まりました。
「青い海、白い雲。これぞ夏。まったく素晴らしい限りですね!」
運転席から下りて来たのは、鳳城 錬介(ka6053)さんです。魔道トラックは猫正宗(ka6053unit001)と名付けられています。
「監視台に人は……いるみたいですね。だったら…焼きましょう」
言うが早いか、後ろの荷台に入り横の外壁を内側から外に思いっきりオープン。
あらあら。
屋台に早変わりです。
「あら、似たようなことする人がいるのね」
おや。メルクーアさんの声です。
その横には初華さんの魔道トラック「Pクレープ号」がいました。
「お邪魔しますよ」
「おお、丁度よいのぅ。客席を用意しすぎたところじゃ」
錬介さんがあいさつしたところで、Pクレープの前で座席とパラソルを設置していたレーヴェさんが微笑みます。
「そちらは何を売るの?」
「トウモロコシやイカ、それと肉……とにかく焼きます。客席は考えてなかったから、ご一緒させてもらえるなら助かります。暑い中、ありがとうございます」
「暑さ? 工房にくらぶれば大したことなかろう。私、ドワーフじゃし」
身を乗り出して聞くメルクーアさんにこたえ、レーヴェさんに感謝する錬介さん。レーヴェさんは力仕事はまかせろーとばかりに木箱や樽を並べてテーブルや椅子にしています。バリバリ働いてますね。
「あたしたちはクレープだからバッティングはしないわねー」
「そうはいってもおぬし、肉のクレープをやくつもりじゃったろ?」
「じゃ、トウモロコシとイカを中心にしましょう。ほかの屋台にもケバブがあるようだし」
というわけで、Pクレープと屋台『猫正宗』、並んで開店です。
ちなみに海の家には売店もあります。
ちょっと売り場を覗いてみましょう。
「これなんかどうかな?」
クウ(ka3730)さんが紫の水着を手にして体に当ててみて、アルバ・ソル(ka4189)さんに無邪気な笑みを浮かべています。
「それはちょっと冒険しすぎじゃないか?」
「じょーだん冗談。じゃ、待っててね」
こっそり隣の水着を持って会計を済ませると、試着室へ逃げ込みます。
しばらくのち。
「どう、アルバ?」
レースっぽい飾りのついたビキニにビーチドレスを着て姿を現しました。
「ゆっくりと二人で浜辺の散歩とか、してみたいな?」
で、砂浜へ。
日傘を差し並んで歩きつつも、隣が気になるアルバさん。
それに気付いたクウさんが、にこり。
「髪もサイドに流して纏めてみたんだ」
(海に来れば走り出したくなったりするはずだけれど……)
「いつもと違った趣だな、って?」
心の中の呟きをまるで聞いていたかのようなクウさん。きょうは本当にしとやかです。
「どう? ちょっと惚れ直したりした? ん?」
「綺麗だよ。惚れ直した」
「!」
クウさん、赤くなりましたね。
「……あ、いや、具体的な感想は……なんかちょっと……」
もじもじクウさんに、どうしたのとアルバさん。
次の瞬間。
「……はずい!」
「あ!」
クウさん、日傘をぽーんと投げてアルバさんの手を取ったまま走り、ドレス姿のまま海に飛び込むのでした。二人一緒に、ざぱーん。
●
場面は変わり、監視台。
「ん?」
真さん、椅子から少し身を乗り出すとすぐに飛び降りて浜を走ります。
「大丈夫か?」
どうやら熱中症で女性が倒れたようです。
「あ、監視員さん」
「水を飲ませて……よし。救護所に連れて行くぞ」
水着女性を背負って急ぐ後ろで、ユグディラのシトロンさんもぴょんぴょん急ぎます。
「頼む」
「あら、熱中症? ……このくらいなら大丈夫」
救護所には日下 菜摘(ka0881)さんが詰めていました。ワンピース水着に白衣を羽織っています。前を止めてないのは、やはり暑いから。
「間に合った良かったな」
真さんは再び監視台へ。
――ぴょん、すりすり……。
椅子に収まるとシトロンさんが膝に収まり喉を鳴らしながら擦り寄ってきます。真さん、仕方ないな、と言う感じにシトロンさんを撫でてあげています。雌なので、女性にするように手つきは優しく、優しく。
おや。
撫でられ満足そうだったシトロンさんの緑色の目が何かに気付きました。
通り掛かった水着女性が見上げてますね。
「わー、あの監視員。ちょっといい感じ?」
「ねー?」
これを聞いたシトロンさん、ひげをぴくっと立ててさらにすりすり。誰にも渡さないとか、そんな感じですかね。
「どうしたんだ、シトロン?」
真さんは事情に気付かなかったですが、ここで来訪者が。
「来たぜ。交代だ」
榊 兵庫(ka0010)さんです。
「ああ、頼む」
もう時間か、とシトロンを抱いて交代します。
この少し前のことです。
「ふぅ、ずっと暑かったですし海に入ったら気持ちよさそうですぅ」
弓月・小太(ka4679)さんが水際を歩いていると、フリルビキニの女の子を見つけました。
「はや? あ、あれは…フラさん!? ふ、フラさん、来てたのですねぇ。一緒に遊びませんかぁ?」
「え? 小太さん!」
恋人を見つけ駆け寄って喜び合って。
でもって、一緒に海水浴。
「あっはは。気持ちいい♪」
「キラキラしててきれいですよねぇ」
小太さん、潜ってからぷはーっと浮かんで来たフラさんに思いっきり水を掛けてますね。気持ちよさそうな表情や慌てた表情とかをたっぷり楽しんでます。
「わ。やったねっ」
フラさんが反撃しようとした時でした。
『にゃー! にゃーっ!』
何か悲鳴が聞こえますね。
「はいはい。バタ足、息継ぎ、しっかりねー」
舞さんです。
ユグディラのにゃん五郎さんの両前肢を持って、水泳の特訓中です。
「……ええと、助けを求めてるようなぁ」
「このにゃーにゃーは、きっとそうだよね?」
小太さんとフラさん、舞さんの特訓を心配しています。
「ダメ。心を鬼にして特訓してるんだから! でも、お手本があればねぇ」
「あ、それなら!」
「ふえ?」
うーんと考える舞さん。フラさんはひらめくと、小太さんの手を取り隣でバタ足してもらうことにしました。
「にゃん五郎、いい? 隣をよく見てマネするんだよ!」
「小太さん、頑張って。……あは。お尻が可愛い♪」
「は、はうぅ……」
小太さん、褌姿なのでほぼTバック。お尻が水から顔を出してますね。
ともかく、にゃん五郎さんは小太さんのバタ足、息継ぎを横で見ながらマネして何とか形になりました。
「よーしよし、よく頑張ったね。それじゃお腹も空いたしお前の好きなお魚を取りにいこう!」
「フラさん、僕たちも海の家に行ってみましょう」
というわけで、水から上がります。
さて、屋台では。
「ふぅん、クレープね」
白衣に水着の菜摘さんがPクレープにいます。
「肉類メインのガッツリ系とフルーツたっぷりの南国系に二種類ですよん♪ 肉系はバーベキューっぽくてソースは甘口と辛口。フルーツはカットフルーツにチーズも合わせてま~す」
メルクーアさん、この日のために用意した特別品を売り込みます。
「じゃ、肉系の辛口とフルーツを一つずつ」
「ミックスジュースも作ってあるぞ?」
レーヴェさんがメルクーアさんの背後から顔を覗かせてます。
「それもいただくわ」
菜摘さん、いろいろとお買い上げです。
隣の屋台『猫正宗』では。
「ボク、せっかくだから海の幸がいいな」
「そ、それじゃイカ焼きと焼きトウモロコシを」
フラさんと小太さんがいました。
「どうぞ。……監視台のほうはどうですか?」
錬介さん、二人に商品を手渡しつつ聞いてみます。
「私が様子を見に行くところ」
菜摘さん、それだけ伝えて早速そちらへ。
「そうですか。じゃ、パンも使って焼いた肉や野菜を挟んだものでも作っていましょう」
「ハハハッ。いい匂いがするじゃないか」
錬介さんが屋台に集中しようとしたところで、ルベーノ・バルバライン(ka6752)さんがやってきました。手にはお酒があります。すでに飲んでますね。
でもって、浴衣姿で水着は褌「水祝」。真っ白だけど透けない布地の秀逸な一品です。
「小太さんと一緒だね」
「何?」
フラさんの声とびくっと身構える小太さんにルベーノさんが鋭く反応。
小太さんの褌姿を見て、一瞬その見事な褌っぷりに感心しますが……。
――ばさーっ!
「フッ、俺はTPOを弁えた紳士なのでな。いくら海といえ我が筋肉に魅了される相手は少ない方が良かろう」
浴衣を激情のアクションまで脱いで叫び、魂のマッスルトーチ&ポージングっ!
「言ってることとやってることが反対だ」
ここで鑑さん登場。横ではディーナさんがケバブをもぐもぐ。
「まあ、勢いだ。それよりつまみだな。イカ焼きと焼きトウモロコシを」
「あっ、美味しそうなの。いただくの」
浴衣を再び羽織ったルベーノさん。その横でディーナさんが錬介さんに注文。
「ディーナ、よく食べるな」
「美味しいものは大好きなの、だからタスカービレもイ寺さんも大好きなの」
その胃袋に感心した鑑さん。ディーナさんは見上げて可愛らしいにへら笑いでこたえるのです。
「そりゃ嬉しいな。私は食べても美味しくないが」
「タスカービレでもお祭りやったらいいと思うの、白茶もチクワも温泉も大アピールなの。屋台もきっと来てくれるの……うふふ」
鑑さんの心配をよそに、ディーナさんたら自ら言ったことを想像してよだれうじゅり。
一方、錬介さん。
「……酒のつまみにパン系は合わないですね」
イカなど串焼きばかり売れる状況で、横に作りおいているホットサンドを残念そうに見つめています。
「お、旨い! 酒が進むじゃねぇか」
「おいしいのー」
でも、ルベーノさんとディーナさんの嬉しそうな声で笑顔で気を取り直します。ほかのお客さんのためにも、どんどん焼きます。
「あ。メルクーアさん、フルーツ系のクレープ作ってるの? ほしいほしい~」
Pクレープには初華さんも来たようですね。
「あらん♪ ダイエットでもしてるの、初華さん?」
「初華、そこに飾ったサボテンには気を付けろー」
「え? あ、あっぶな~」
メルククーアさん、レーヴェさんと楽しそうにやってます。
「あれ、アルバさん?」
「こんちにはー♪」
「やあ、初華。僕の彼女だよ」
クウさんとアルバさんもやって来たようですね。
●
こちら、監視台。
「おやおや、青春をしているようだね。結構、結構。短い夏だ、存分に楽しむが良い」
トランクス水着にTシャツ、麦わら帽子姿の兵庫さんが双眼鏡でしっかり監視しています。
――ぎしっ。
「なんだ?」
兵庫さん、突然の揺れに慌てます。
「ここは見晴らしが良いんですね」
すると、目の前に白衣の間から引き締まってワンピース水着に包まれたボディがばばんとドアップに。
「おい、菜摘?」
「あら、兵庫、どうかしました?」
誰か分かり名を呼んだ時には狭い空間にぐいぐいっとお尻を入れ座っていました。
「狭いって」
「はい、差し入れ」
不満を口にしますが、クレープを差し出されてはがぶっと食いつくしかなく。
「味付け、辛いな」
「甘いのはあるから」
菜摘さん、兵庫さんの方に身をひねります。胸がむにゅりと以下略。
「いや、喉がだな?」
「飲み物、ここに置くわね?」
兵庫さんの太腿と股で三点支持されるように紙コップを置きます。身動きしたらこぼれそうですね。
「麦わら帽子、もらうわ」
動けないことをいいことに、うんしょと身を寄せ帽子を取ったり。菜摘さん、くすくす笑ってます。絶対わざとです。
浜辺ではバレーコートができていました。
「じゃ、ビーチバレーで勝負」
「ざくろのご褒美はいただきましたわっ!」
アルラウネさんと巴さんが堂々、宣言します。
「え? ざくろがご褒美?」
へそ出しセーラー服風ビキニのざくろさん、二人に挟まれ愕然としています。
「まさか、これがチーム分けか?」
反対のコートの菊理さん、取り残され感満載で不平を。
「でもまあ……」
「あ……勝ったらいいんですよね。これはれっきとした戦いです。勝たねば」
菊理さんのコートに移った颯さん、言葉少なです。こちらに取り残されていたアデリシアさんもピンと来てごごごと断固たる決意。
で、試合開始。
「はいっ」
颯さんのアンダーサーブ。
「ざくろん」
「巴、オープン!」
「勝負は勝負ですの!」
びしっと決まります。
が、しかし。
「二度は通じん!」
「アデリシア!」
「信仰なさい!」
菊理、颯と渡ってシスターがとある場所を狙います!
「はわっ!」
――どっしーん。
三人の中間を狙ったため、ざくろさんが巴さんとアルラウネさんの胸にサンドイッチになってます。ポールはもちろん転々と。
「でも負けない! 一人時間差!」
次のゲーム。ざくろさん、フェイントを狙いますがこれは拾われます。
「何の、移動攻撃!」
なんと、菊理さんが敵陣に高くボールを返すと、三人全員が……。
「しかも立体ですの!」
「三位一体ですわね!」
ネット下をくぐってざくろさんチームのコートに移動してきました!
そしてボールの下でざくろさんの目の前でジャンプ。
「させないわよ」
「絶対守りますの!」
あっと。残りの二人も対面に並んで、ジャーンプ!
集まって並んだ胸が弾み、揺れ、そして――。
「はわわ、一体何?」
――ばしっ、どたばたむにゅぐにゅ!
ざくろさんを下敷きに五人が折り重なってしまいます。
ボールはコートから出たので、アウト。
ころ、とボールが転がる近くで。
「覇道の日々にもたまには休息が必要だ」
ルベーノさんが、Pクレープで買った肉系クレープをかじりながら歩いています。
「……フッ、こういう1日も悪くない。そのうちミモザやシルヴァも誘ってみるか…」
高く空を仰いできらっといい顔をした時でした。
「よお。監視台の方で交代が来ないって困ってたぜ?」
カインさんがやって来てそれだけ告げます。
「そうだったな。感謝する。名前は?」
「カインだ」
「俺は『覇道への第一歩』、ルベーノだ。感謝する」
ハハハ、と走るルベーノさんです。
「やれやれ」
カインさんはケバブを買い食いしながらそのまま岩場の方へ。
「ん?」
おや。
岩場の方で誰かが釣り竿を垂らしてますね。
「あたしの方はあまり当りがこないけど……」
舞さんです。横ではにゃん五郎さんが嬉々として小魚を釣り上げています。
で、早速魚を外すと……。
「いやいや全部食べたらあたしの分が無くなるでしょ!」
止めます。
だってにゃん五郎さん、魚籠に入れずに食べようとするんですから。
「釣り、上手いんだな」
そこにカインさんが声を掛けます。
カインさんの背後では、ブルーメさんとアントスさんとルルディさんが喧嘩してましたが、また主人がユグディラに浮気したと思って一斉に駆け寄ります。
が、にゃん五郎は雄なのでセーフ。
ここで、何やら音楽が聞こえてきました。
そちらに注目すると、フルートを吹く真さんとリュートを構えたシトロンさんがいます。
涼しい木陰で水の音に耳を傾けながら、ゆっくりと。
「っかー、今日も元気だビールが美味いってかぁ? 肴も中々いいモン揃ってんでないの。最高だねぇ」
「このまま穏やかに過ごしたいもんやな」
鵤さんと文太さんがここで飲んでます。
「あー疲れたにゃー…ひさめんの持久力はすごいにゃ」
「ベリモルさんの方が速かったですけど……」
ハヒヤさんと柊さんもここでゆっくりしています。なお、泳ぎの勝負はハヒヤさんのふらふらする癖が柊さんの勝ちでした。
「そうにゃ! 我、初めて見たけばぶが気ににゃるにゃ!」
「あっ、ケバブは私も気になりましたぁ。一緒に買って半分こして食べましょうー? 」
というわけで、お二人は海の家へ。
入れ替わりに、「猫正宗」の肉サンドを手にした二人が来ます。
「偶にはこういうのもいい、ね?」
「紅葉がいればどこでも楽しいわ」
紅葉さんと真夕さんです。店のメニューを堪能したのですが、貝探しをする舞さんと釣りをするにゃん五郎さんの姿が目に入りました。
「……ひっこくりでマガニ、採れるかも」
「いいわ、釣りでもしましょ」
こくこくと頷く紅葉さんに理解を示す真夕さんなのです。偶と先に言ったのはこういう理由だったり。
ちなみに、岩場の裏では。
「ここらで食べましょうかぁ?」
「うんっ」
小太さんがフラさんと一緒に手をつないで歩いていました。
で、腰掛けて食事です。小太さんは焼きトウモロコシを食べてますが……。
「フラさんのも美味しそうですねぇ。少し交換しあいませんかぁ?」
「それじゃ、ここどーぞ♪」
フラさん、イカ焼きを差し出します。
「ふぇっ!? あ、あーん……」
無防備にあーんする小太さんににこにこ。で、イカ焼きをぱくっと食べると。
「あは。タレがほっぺについてるよ?」
フラさんの顔がアップになって……指ですくってペロリ。
これに気付いたシトロンさん。甘い愛の曲を奏で始めます。
「ロマンチックな曲をやるなあ。誰か好きな人…猫? でもいるのか?」
思わずつぶやく真さんですが、シトロンさんはうっとりと演奏にのめり込んでます。秘密ですが、主に対する彼女なりの愛情表現なのでそりゃ一生懸命ですよね。
「ま、いいか。合わせよう」
いつものように周囲に合わせる真さんです。
「あ、文太君次のビール貰ってきてぇー」
「おっちゃんもたまには酒持ってこいやマジでしばくで」
岩場の反対側ではロマンチック何それな展開ですが。
とにかく、はんたあ倶楽部は充実した一日を過ごしましたとさ。
●おまけ
「監視員さーん。おぼれた人がいますー!」
「何?!」
ルベーノさん、出動です。
そこには美形青年が倒れていました。美女が取り巻いてますが……。
「どけっ!」
「あーっ!」
周囲の美女から悲鳴が上がる中、ルベーノさんは見事心肺蘇生をして見せます。
「はっ! ……ふぅ」
「きゃーっ!」
美形青年、状況を把握して気を失いました。美女たちは人工呼吸を誰がやるかでもめていたようですね。
「そうか、この男のファーストキスだったか…溺れた奴が悪い、諦めろ」
きょうもルベーノさんの覇道が炸裂なのです。
「……次はしっかり準備して商売したいところです」
その横。もぐもぐしつつ錬介さんが通り過ぎます。
焼きすぎた商品を食べているようですね。
世の中うまくいかないものです。
夏の海は広くどこまでも碧く、空もまた高くどこまでも青く――。
「あー、そろそろ人が増えて来たわねー」
潮騒と潮風を感じながら南那初華(kz0135)さんがパラソルの下で身を起こしました。しなだれ座る体には赤いビキニ。身をひねって荷物の無事を確認します。
「初華さーん、来たわよ~」
そこに黒いモノキニ姿のメルクーア(ka4005)さんが手を振りながら走って来ました。
「あ、メルクーアさん。荷物あったらここに預かるからね」
「はいはーい。あたしはクレープ販売することにしたから、Pクレープ号貸してね?」
「私もそっちじゃの」
にこー、とアップで迫るメルクーアさんの後ろからレーヴェ・W・マルバス(ka0276)さんも姿を現します。
「いいけど……」
「ありがとっ。それじゃ行ってくるねー」
嬉しそうに回れ右して駆け出すメルクーアさんです。
「水着、で?」
「なに、普段着と変わらんじゃろ?」
胸を張るレーヴェさんの姿は黒ビキニにホットパンツ、キャスケットとゴーグルです。確かに普段着にほど近いですね。
おや。
メルクーアさんを追ったレーヴェさんと入れ替わりに女の子二人が走り寄って来ます。
「ひさめん、こっちにゃ!」
「ちゃんとパラソルに『はんたあ倶楽部ご一行様』って表札が掛かってますね」
緑のワンピース水着に黄緑のパレオ、そして白い花を髪に飾ったハヒヤ・ベリモル(ka6620)さんがおいでおいでしながらお友達の氷雨 柊(ka6302)さんを呼んでいますね。後ろから来る柊さんは、赤地に花柄のワンピース水着と同柄のロングパレオで、まるで着物を着ているようです。
「初華さん、お久し振りですねぇ」
「うんっ。マシュマロクッキー以来だよね~」
「荷物はここに置いておくのかにゃ?」
「そうそう。最初は私が荷物番してるね」
久々の倶楽部活動です。きょうは思いっきり遊びましょう。
「初華、世話になる」
ここで白山 菊理(ka4305)さんが静かに姿を現しました。
「菊理、荷物はここ?」
「パラソルはここだけかしら?」
時音 ざくろ(ka1250)さんと、サンオイルを手にしたアルラウネ(ka4841)さんも一緒です。
「あ、ごめん。予備はあるけどまだ立ててないの」
ちなみに、このパラソルでは柊さんが座って腕にサンオイルを塗っているところです。
「そういうことならはやてにおまかせですの!」
五人と一緒にいた八劒 颯(ka1804)さんがそれだけ言うと、何と!
「びりびり電撃どりるぅっ!」
手にした魔導ドリル「ドゥンケルハイト」で砂浜をどりどりーっ!
「いまですのっ!」
颯さん、叫ぶと同時に黒ビキニに包まれた胸を揺らしながらバックステップ。
「よし、颯。任せてっ!」
入れかわりにざくろさんがパラソルの柄の先をドリルで開けた穴に。
「アデリシア、行きますよ!」
「ええ、巴さん」
間髪入れず舞桜守 巴(ka0036)さんとアデリシア=R=エルミナゥ(ka0746)さんが砂をかけパラソル固定します。
「では、ここを借りる」
菊理さん、シースルーのラッシュガードをばさっと脱ぎシンプルイズベストの真っ赤なビキニ姿でそちらに行くのです。
「私はちょっと布面積控えめのこれで」
アルラウネさんも上着を脱ぎ、フリルやドット模様で可愛いピンク色のビキニ姿になりました。……覆う個所以外全部紐ですが。
「いや、別の意味でまったく控えてないし……」
初華さんが突っ込みますが、無視されました。
その横では柊さんの準備が完了したようです。
「ひさめん! 準備はおーけーかにゃ!? 準備体操も忘れちゃ駄目にゃんだからにゃ!」
「はい。こうしてちゃんと忘れずに」
ハヒヤさんにせかされる柊さん、手首足首ぶらぶらしてます。
「それじゃ、行くにゃ~」
パレオを脱いで預け二人手を取り、さざめく渚に突撃です。
●
さて、こちらは監視台。
「麦わら帽子がなかったらここ、悲惨な暑さだったな」
イ寺鑑(kz0175)さんが櫓のてっぺんに座っています。
「あー、イ寺さん発見なの!」
監視台の下から可愛らしい声が。
見ると、ディーナ・フェルミ(ka5843)さんが見上げているではありませんか。手にしたお菓子をもぐもぐ。
「やあ、ディーナ」
「……ということは美味しい物がここにもなの?」
え、と固まる鑑さん。
どうやらこれまでの依頼の経緯から、鑑さんが絡めば美味しい物がある、と刷り込みされているようですね。
「いや、きょうはチクワも白茶もないよ」
「残念ですのー。とりあえず屋台を全制覇したいの、一緒に食べ歩きしましょうなの」
「そりゃいいが、交代時間がまだ先だよ」
「じゃ、待ってるのー」
ディーナさん、買ってきたオヤツを抱え込んで監視櫓の柱に背中を預けて座り込みなした。
で、もぐもぐやりながら待ってると。
「おぉい、そろそろ交代じゃねぇの?」
鵤(ka3319)さんがやってきました。どんどんと櫓の柱を叩きます。これが深夜の自宅前なら、はしご酒して午前様で帰宅したぐうたらおっさんが鍵を閉められた自宅の扉を叩くの図そのものですが、いまは海。鵤さんも丈長のサーフパンツに白シャツをだらりーんと羽織っている姿です。
「え? 早くないか?」
「ま、いいんじゃねぇの」
驚く鑑さんですが、ディーナさんもいるからと素直に櫓から下ります。麦わら帽子は鵤さんにパス。
「じゃ、早速行くのー」
ディーナさん、笑顔で立ち上がり鑑さんの手を引きます。
無事に交代。それにしても鵤さん、とってもやる気満々ですよね。
「よいしょ、っと」
麦わら帽子をかぶって監視台に座った時でした。
「お。鵤のおっちゃん、もう来てたんや」
冬樹 文太(ka0124)さんがやってきました。缶ビールを抱えてますね。監視の仕事をするなら鵤さんと一緒に、ということのようです。
「文太君はビール運んでこなくちゃならないでしょー? はい、ありがとさん」
「なんや、調子ええなぁ」
とかなんとか言いますが文太さん、下からちゃんと冷やしたビールを渡すのです。
「ぷっはー……ん? 文太君、あそこで泣いてる子がいるよ~」
「おっさん、俺まだビールも開けてへんのに……くそっ。大声で泣いとるわ、ホンマ」
一口飲んだ鵤さん、早速仕事をします。文太さんは一息つく間もなく、ビールを鵤さんに渡し持ってもらってから泣く子の元に走るのです。
その近くにはフラ・キャンディ(kz0121)さんがいました。文太さんが来たので安心してその場を去ります。
でもって、初華さんたちの陣取るパラソルへ。
「初華さん。この子、預かってもらってもいい?」
フラさん、虎猫さんを抱いていました。
「いいけど……いなくならない?」
「なあ」
初華さんが不安そうにしたところに、カイン・シュミート(ka6967)さんがやってきました。両肩にはモフロウが二匹いて、足元にはユグディラのブルーメ(ka6967unit001)さんがいます。
「この猫の好物は持ってるか? 持ってたら渡しておけばいいだろ?」
「あ、そうだね」
フラさん、カインさんに言われてチーズ入りカマボコみたいなものを渡します。きらん、と瞳を輝かせるフラさんの虎猫さん。
「この虎猫、名前なんてーんだ?」
「チェスだよ」
「そうか。よく懐いてるな。子猫のころから飼ってるのか?」
あらら。
カインさんてば猫好きさんのようで、熱心にフラさんとお話を……というか、初華さんからチェスを受け取って抱いて可愛がってますね。
――げしっ!
「お?」
あれ。ブルーメさん、カインさんの向う脛を思いっきり蹴りましたよ?
――ばさばさ、ばさっ!
「お? おい!」
今度はブルーメさんの両肩に止まるモフロウ、「アントス」と「ルルディ」が自己顕示するように羽を広げています。
「……もしかしてカインさん、この三匹の子たちって、全部メス?」
「なんで分かるんだ?」
フラさんの虎猫さんを可愛がるカインさん、きょとんとしています。
「あー、やきもち……」
初華さんは分かったようですね。
ここで新たに走り寄る人影が。
「初華さん、久し振り~」
天竜寺 舞(ka0377)さんです。ユグディラのにゃん五郎(ka0377unit002)さんも一緒です。
「うーん、やっぱり夏は海だね!」
「きょうも舞さん元気だね~」
虎柄ビキニを健康的に着こなし、腰に手を当て海を見回す舞さん。初華さんはそんな様子に微笑してます。
でもその足元では……。
――つんつん。
「ん? どうしたの、にゃん五……」
舞さん、下を見て固まりました。
なんとにゃん五郎さんてば、ぐいーんと釣竿を引き上げリールを回す身振り手振りをしているではありませんか。
「ダメ」
びくっ、となるにゃん五郎さん。
「ほらほら、あんたもハンターの相棒なんだから、泳げないと困るでしょ?」
まったく、とかなんとか言いつつにゃん五郎さんに手招き……あらら。いやいやしてるので首根っこひっつかんで波打ち際へ連れて行きましたよ。
これを見たカインさん。
「泳ぐのか……」
呟いたところで目ざとく足元の様子に気付きます。
そこではブルーメさんが×マーク作ってますね。真顔です。無視したらまた脛を蹴られそうです。
「ま、やめとくけどよ……大丈夫だって、俺だけで泳ぎにいかねぇから」
膝を付いてブルーメさんを撫でるのです。
が。
――つんつん、つんっ!
「って、痛ぇ、アントスとルルディ、ダブルでつつくな」
モフロウたちにやきもちを焼かれてしまいツナ缶で機嫌を取るカインさんです。
大変そうですよね。
●
そのころ、波打ち際。
「ひさめん、思いっきり泳ぐにゃ! あの見えている岩礁に先に付いた方が勝ちにゃ!」
腰まで海に浸かり水をばしゃばしゃやっていたハヒヤさんが浜の端にある岩を指差しました。
「つ、冷たいですねぇ……え?」
水を掛けられ手をかざし身をひねっていた柊さん、改めて岩の方まで見ます。
「え、あの、とっても本気ですねぇ…?」
「勝った方がゆーこと聞いてもらえるにゃ!」
ハヒヤさん、キラキラして勝利条件を出します。とっても本気なのです。
柊さん、これを聞いて尻込み……。
「……ふふ、これは私も負けられませんねぇ。岩礁までですねー? わかりましたぁっ」
「よーい、どんにゃ!」
ああっ。
勝負が始まってしまいました。
バシャバシャ長い足を使い息を継ぎながら並んで泳ぐ姿はとってもキラキラしているのです。
場面は戻って、パラソルの下。
「今年も水着良く似合ってて……もっと良く見せてほしいな」
ざくろさんが頬を染めて菊理さんの水着姿を見詰めていました。
「ありがとう。では、日焼け止めのサンオイルを塗ってもらおう」
菊理さんはマットに寝そべりビキニの紐を解くのです。ざくろさんの目の前に、むにゅりと潰されたDカップの胸としなやかな肢体、真っ白な背中が無防備にさらされます。
「うっ、うん……」
ざくろさん、むにゅ、な所に目を奪われながらオイルを手にたらします。……垂らしすぎですね。
「ん?」
「はわわわ、ごめん」
どうやら垂らしすぎたオイルで、太腿の下というか股下の内側に手が滑ったようです。
「ふうん? では折角だから、お尻と……前も、お願いしようかな」
菊理さん、腰を浮かせて腰骨の位置にある水着の結び目を揺らします。頬を染めてますね。
「そ、そこは日に焼けないから……」
「ふふ、冗談だよ」
してやったりの菊理さん。ざくろさんは他の仲間に呼ばれたのをいいことにすごすごと退散します。
「じゃ、ざくんろん。お願いするわ」
呼んだのはアルラウネさんです。
「アルラ、なんで仰向け……」
ざくろさんの目の前で、アルラウネさんは鳩尾や胸の谷間に自分でオイルを垂らしています。それでもざくろさんは塗ってあげようと手を伸ばした時でした!
「あら、うつぶせの方がいいの?」
「はわっ!」
身を起こしたアルラウネさんの肌に手が当たるざくろさん。でもって、オイルが滑って「ちょっと布面積控えめ」の布の内側に、するっ。やんわりした部分を掌で包んでしまうのでした。
それはともかく。
「日焼け止めは必須ですね。そのためには水着に……」
アデリシアさんが黒い守護聖の法衣の裾から覗く太腿を擦り合わせつつ、脱ごうとしていました。
その時です!
「早く脱ぐべきですわ!」
ばさー、と巴さんがアデリシアさんの法衣を脱がしてしまいました。
「きゃ! 巴さん、何を!」
「長い服なのに太腿はしっかり出してますから恥じらうこともありません……わ?」
巴さん、紐の結び目があるせくしーな黒ビキニ姿で堂々言い放ちます。
ちなみにアデリシアさんは、紫のチューブトップとえぐれるようなVビキニ。
「……アデリシア、少しは恥じらいというものを持つといいですわ」
「巴さんに言われたくありません!」
「あ。オイルだよね、二人とも?」
ざくろさん、見かねて仲裁に入ります。
「もちろんですわ。でも、変なとこ触っては駄目……」
「勿論全員にいしていただきませんと」
すんなり大人しくなる巴さんにアデリシアさんです。
「……とは思いましたがざくろならいいですね」
「ご、ごめんっ。巴の背筋がきれいだったから!」
「全員にしたのですか?」
「え!? も、もちろんだよ、アデリシア」
ざくろさん、大変です。
これを見ていた颯さん、体育座りをしていましたがおもむろにざくろさんの方に向き直って、膝頭を立てたまま股を開きます。
そして、黒ビキニの切れ込みと内股の間にオイルを垂らし、口元に拳を添え横を向いてまつ毛を震わせるのです。
「お時ちゃんが全員にするのなら……」
「いや、そこじゃないから、颯!」
その頃、文太さん。
「おーい、そっちは遊泳禁止区域やで!」
波打ち際に出て沖に出た人に大声で伝えた後、監視台まで引き上げます。
「文太君、お疲れ~」
「…おっちゃんも真面目に働けやッ」
何本目かのビール片手に上から労う鵤さんに、ついにブチ切れました。どかっと櫓に蹴りを入れます。
「おいおーいおっさんちゃあんと働いてるっつーのぉ」
「もうえぇから代われや!」
それでも揺らす文太さん。ついに鵤さんも櫓を慮って下りて来ました。もちろん、麦藁帽は奪い取ります。
「しかたないねぇ文太君は。美人が倒れてたら背負って救護所に連れて行くって役得譲ったっつーのに」
「そんな役得あらへんやんか。こっちはあちこち走って疲れとんねや。まったく」
そうして監視台に収まった時でした。
ざっ、と長袖のパーカーに長ズボンの男が近付いてきたのです。
「交代の時間だ」
鞍馬 真(ka5819)さんとユグディラのシトロン(ka5819unit004)さんです。グレーの毛並みのシトロンさんたら、真さんの右手に抱えられてご満悦。胸に頬をすりすりして居心地良さそうですね。
「いや、俺いまここ交代したばかりやん……」
「後よろしくぅ。文太君~そんじゃいこうかねぇ」
愕然とする文太さんに、悠々とその場を後にする鵤さんなのです。
●
水際では、白い足が控えめに前に出て寄せる波に洗われました。
「うん……これだけいい天気だと、冷たくない」
そう呟いて髪を撫で上げるのは、雪継・紅葉(ka5188)さんです。セパレートのビキニはピンク色で、長めのパレオでくるりん。少し顔を傾げたたたずまいが穏やかです。
そこへ、じゃぶじゃぶと元気な姿がどんどん水に入ります。
「ひさしぶりの海ー! 紅葉! 目いっぱい遊びましょ♪」
膝下まで水に浸かって振り返ったのは七夜・真夕(ka3977)さん。腰に手を当て振り返る姿は、紅のビキニで決めてとても堂に入っています。
にこっ、と微笑みかけて手を伸ばし沖へと行こうとしたのですが……。
「あ、待って」
「え?! きゃっ!」
ばっしゃーん。
真夕さん、紅葉さんに止められてばっしゃーん。
「準備運動……大事」
「だったら今ここですればいいじゃない。それーっ!」
ばしゃ、と水を掛けたり。
一方、濡れた紅葉さん。
「これ……準備運動だったんだね」
「そうよ。だからみんなやってるでしょ?」
というわけで、ばしゃばしゃ掛け合い。
「それじゃ体も温まったことだし、思いっきり泳ぎましょ♪」
「あ、こっちがあまり深くなさそう」
「ちょっとー!」
再び手を取り駆け出す真夕さんですが、紅葉さんが別の方を指差して引っ張るものだからまたしても一人でばしゃーっとなってたり。
一方、海の家の周辺では。
――ぶろん……ききっ。
一台の魔道トラックが止まりました。
「青い海、白い雲。これぞ夏。まったく素晴らしい限りですね!」
運転席から下りて来たのは、鳳城 錬介(ka6053)さんです。魔道トラックは猫正宗(ka6053unit001)と名付けられています。
「監視台に人は……いるみたいですね。だったら…焼きましょう」
言うが早いか、後ろの荷台に入り横の外壁を内側から外に思いっきりオープン。
あらあら。
屋台に早変わりです。
「あら、似たようなことする人がいるのね」
おや。メルクーアさんの声です。
その横には初華さんの魔道トラック「Pクレープ号」がいました。
「お邪魔しますよ」
「おお、丁度よいのぅ。客席を用意しすぎたところじゃ」
錬介さんがあいさつしたところで、Pクレープの前で座席とパラソルを設置していたレーヴェさんが微笑みます。
「そちらは何を売るの?」
「トウモロコシやイカ、それと肉……とにかく焼きます。客席は考えてなかったから、ご一緒させてもらえるなら助かります。暑い中、ありがとうございます」
「暑さ? 工房にくらぶれば大したことなかろう。私、ドワーフじゃし」
身を乗り出して聞くメルクーアさんにこたえ、レーヴェさんに感謝する錬介さん。レーヴェさんは力仕事はまかせろーとばかりに木箱や樽を並べてテーブルや椅子にしています。バリバリ働いてますね。
「あたしたちはクレープだからバッティングはしないわねー」
「そうはいってもおぬし、肉のクレープをやくつもりじゃったろ?」
「じゃ、トウモロコシとイカを中心にしましょう。ほかの屋台にもケバブがあるようだし」
というわけで、Pクレープと屋台『猫正宗』、並んで開店です。
ちなみに海の家には売店もあります。
ちょっと売り場を覗いてみましょう。
「これなんかどうかな?」
クウ(ka3730)さんが紫の水着を手にして体に当ててみて、アルバ・ソル(ka4189)さんに無邪気な笑みを浮かべています。
「それはちょっと冒険しすぎじゃないか?」
「じょーだん冗談。じゃ、待っててね」
こっそり隣の水着を持って会計を済ませると、試着室へ逃げ込みます。
しばらくのち。
「どう、アルバ?」
レースっぽい飾りのついたビキニにビーチドレスを着て姿を現しました。
「ゆっくりと二人で浜辺の散歩とか、してみたいな?」
で、砂浜へ。
日傘を差し並んで歩きつつも、隣が気になるアルバさん。
それに気付いたクウさんが、にこり。
「髪もサイドに流して纏めてみたんだ」
(海に来れば走り出したくなったりするはずだけれど……)
「いつもと違った趣だな、って?」
心の中の呟きをまるで聞いていたかのようなクウさん。きょうは本当にしとやかです。
「どう? ちょっと惚れ直したりした? ん?」
「綺麗だよ。惚れ直した」
「!」
クウさん、赤くなりましたね。
「……あ、いや、具体的な感想は……なんかちょっと……」
もじもじクウさんに、どうしたのとアルバさん。
次の瞬間。
「……はずい!」
「あ!」
クウさん、日傘をぽーんと投げてアルバさんの手を取ったまま走り、ドレス姿のまま海に飛び込むのでした。二人一緒に、ざぱーん。
●
場面は変わり、監視台。
「ん?」
真さん、椅子から少し身を乗り出すとすぐに飛び降りて浜を走ります。
「大丈夫か?」
どうやら熱中症で女性が倒れたようです。
「あ、監視員さん」
「水を飲ませて……よし。救護所に連れて行くぞ」
水着女性を背負って急ぐ後ろで、ユグディラのシトロンさんもぴょんぴょん急ぎます。
「頼む」
「あら、熱中症? ……このくらいなら大丈夫」
救護所には日下 菜摘(ka0881)さんが詰めていました。ワンピース水着に白衣を羽織っています。前を止めてないのは、やはり暑いから。
「間に合った良かったな」
真さんは再び監視台へ。
――ぴょん、すりすり……。
椅子に収まるとシトロンさんが膝に収まり喉を鳴らしながら擦り寄ってきます。真さん、仕方ないな、と言う感じにシトロンさんを撫でてあげています。雌なので、女性にするように手つきは優しく、優しく。
おや。
撫でられ満足そうだったシトロンさんの緑色の目が何かに気付きました。
通り掛かった水着女性が見上げてますね。
「わー、あの監視員。ちょっといい感じ?」
「ねー?」
これを聞いたシトロンさん、ひげをぴくっと立ててさらにすりすり。誰にも渡さないとか、そんな感じですかね。
「どうしたんだ、シトロン?」
真さんは事情に気付かなかったですが、ここで来訪者が。
「来たぜ。交代だ」
榊 兵庫(ka0010)さんです。
「ああ、頼む」
もう時間か、とシトロンを抱いて交代します。
この少し前のことです。
「ふぅ、ずっと暑かったですし海に入ったら気持ちよさそうですぅ」
弓月・小太(ka4679)さんが水際を歩いていると、フリルビキニの女の子を見つけました。
「はや? あ、あれは…フラさん!? ふ、フラさん、来てたのですねぇ。一緒に遊びませんかぁ?」
「え? 小太さん!」
恋人を見つけ駆け寄って喜び合って。
でもって、一緒に海水浴。
「あっはは。気持ちいい♪」
「キラキラしててきれいですよねぇ」
小太さん、潜ってからぷはーっと浮かんで来たフラさんに思いっきり水を掛けてますね。気持ちよさそうな表情や慌てた表情とかをたっぷり楽しんでます。
「わ。やったねっ」
フラさんが反撃しようとした時でした。
『にゃー! にゃーっ!』
何か悲鳴が聞こえますね。
「はいはい。バタ足、息継ぎ、しっかりねー」
舞さんです。
ユグディラのにゃん五郎さんの両前肢を持って、水泳の特訓中です。
「……ええと、助けを求めてるようなぁ」
「このにゃーにゃーは、きっとそうだよね?」
小太さんとフラさん、舞さんの特訓を心配しています。
「ダメ。心を鬼にして特訓してるんだから! でも、お手本があればねぇ」
「あ、それなら!」
「ふえ?」
うーんと考える舞さん。フラさんはひらめくと、小太さんの手を取り隣でバタ足してもらうことにしました。
「にゃん五郎、いい? 隣をよく見てマネするんだよ!」
「小太さん、頑張って。……あは。お尻が可愛い♪」
「は、はうぅ……」
小太さん、褌姿なのでほぼTバック。お尻が水から顔を出してますね。
ともかく、にゃん五郎さんは小太さんのバタ足、息継ぎを横で見ながらマネして何とか形になりました。
「よーしよし、よく頑張ったね。それじゃお腹も空いたしお前の好きなお魚を取りにいこう!」
「フラさん、僕たちも海の家に行ってみましょう」
というわけで、水から上がります。
さて、屋台では。
「ふぅん、クレープね」
白衣に水着の菜摘さんがPクレープにいます。
「肉類メインのガッツリ系とフルーツたっぷりの南国系に二種類ですよん♪ 肉系はバーベキューっぽくてソースは甘口と辛口。フルーツはカットフルーツにチーズも合わせてま~す」
メルクーアさん、この日のために用意した特別品を売り込みます。
「じゃ、肉系の辛口とフルーツを一つずつ」
「ミックスジュースも作ってあるぞ?」
レーヴェさんがメルクーアさんの背後から顔を覗かせてます。
「それもいただくわ」
菜摘さん、いろいろとお買い上げです。
隣の屋台『猫正宗』では。
「ボク、せっかくだから海の幸がいいな」
「そ、それじゃイカ焼きと焼きトウモロコシを」
フラさんと小太さんがいました。
「どうぞ。……監視台のほうはどうですか?」
錬介さん、二人に商品を手渡しつつ聞いてみます。
「私が様子を見に行くところ」
菜摘さん、それだけ伝えて早速そちらへ。
「そうですか。じゃ、パンも使って焼いた肉や野菜を挟んだものでも作っていましょう」
「ハハハッ。いい匂いがするじゃないか」
錬介さんが屋台に集中しようとしたところで、ルベーノ・バルバライン(ka6752)さんがやってきました。手にはお酒があります。すでに飲んでますね。
でもって、浴衣姿で水着は褌「水祝」。真っ白だけど透けない布地の秀逸な一品です。
「小太さんと一緒だね」
「何?」
フラさんの声とびくっと身構える小太さんにルベーノさんが鋭く反応。
小太さんの褌姿を見て、一瞬その見事な褌っぷりに感心しますが……。
――ばさーっ!
「フッ、俺はTPOを弁えた紳士なのでな。いくら海といえ我が筋肉に魅了される相手は少ない方が良かろう」
浴衣を激情のアクションまで脱いで叫び、魂のマッスルトーチ&ポージングっ!
「言ってることとやってることが反対だ」
ここで鑑さん登場。横ではディーナさんがケバブをもぐもぐ。
「まあ、勢いだ。それよりつまみだな。イカ焼きと焼きトウモロコシを」
「あっ、美味しそうなの。いただくの」
浴衣を再び羽織ったルベーノさん。その横でディーナさんが錬介さんに注文。
「ディーナ、よく食べるな」
「美味しいものは大好きなの、だからタスカービレもイ寺さんも大好きなの」
その胃袋に感心した鑑さん。ディーナさんは見上げて可愛らしいにへら笑いでこたえるのです。
「そりゃ嬉しいな。私は食べても美味しくないが」
「タスカービレでもお祭りやったらいいと思うの、白茶もチクワも温泉も大アピールなの。屋台もきっと来てくれるの……うふふ」
鑑さんの心配をよそに、ディーナさんたら自ら言ったことを想像してよだれうじゅり。
一方、錬介さん。
「……酒のつまみにパン系は合わないですね」
イカなど串焼きばかり売れる状況で、横に作りおいているホットサンドを残念そうに見つめています。
「お、旨い! 酒が進むじゃねぇか」
「おいしいのー」
でも、ルベーノさんとディーナさんの嬉しそうな声で笑顔で気を取り直します。ほかのお客さんのためにも、どんどん焼きます。
「あ。メルクーアさん、フルーツ系のクレープ作ってるの? ほしいほしい~」
Pクレープには初華さんも来たようですね。
「あらん♪ ダイエットでもしてるの、初華さん?」
「初華、そこに飾ったサボテンには気を付けろー」
「え? あ、あっぶな~」
メルククーアさん、レーヴェさんと楽しそうにやってます。
「あれ、アルバさん?」
「こんちにはー♪」
「やあ、初華。僕の彼女だよ」
クウさんとアルバさんもやって来たようですね。
●
こちら、監視台。
「おやおや、青春をしているようだね。結構、結構。短い夏だ、存分に楽しむが良い」
トランクス水着にTシャツ、麦わら帽子姿の兵庫さんが双眼鏡でしっかり監視しています。
――ぎしっ。
「なんだ?」
兵庫さん、突然の揺れに慌てます。
「ここは見晴らしが良いんですね」
すると、目の前に白衣の間から引き締まってワンピース水着に包まれたボディがばばんとドアップに。
「おい、菜摘?」
「あら、兵庫、どうかしました?」
誰か分かり名を呼んだ時には狭い空間にぐいぐいっとお尻を入れ座っていました。
「狭いって」
「はい、差し入れ」
不満を口にしますが、クレープを差し出されてはがぶっと食いつくしかなく。
「味付け、辛いな」
「甘いのはあるから」
菜摘さん、兵庫さんの方に身をひねります。胸がむにゅりと以下略。
「いや、喉がだな?」
「飲み物、ここに置くわね?」
兵庫さんの太腿と股で三点支持されるように紙コップを置きます。身動きしたらこぼれそうですね。
「麦わら帽子、もらうわ」
動けないことをいいことに、うんしょと身を寄せ帽子を取ったり。菜摘さん、くすくす笑ってます。絶対わざとです。
浜辺ではバレーコートができていました。
「じゃ、ビーチバレーで勝負」
「ざくろのご褒美はいただきましたわっ!」
アルラウネさんと巴さんが堂々、宣言します。
「え? ざくろがご褒美?」
へそ出しセーラー服風ビキニのざくろさん、二人に挟まれ愕然としています。
「まさか、これがチーム分けか?」
反対のコートの菊理さん、取り残され感満載で不平を。
「でもまあ……」
「あ……勝ったらいいんですよね。これはれっきとした戦いです。勝たねば」
菊理さんのコートに移った颯さん、言葉少なです。こちらに取り残されていたアデリシアさんもピンと来てごごごと断固たる決意。
で、試合開始。
「はいっ」
颯さんのアンダーサーブ。
「ざくろん」
「巴、オープン!」
「勝負は勝負ですの!」
びしっと決まります。
が、しかし。
「二度は通じん!」
「アデリシア!」
「信仰なさい!」
菊理、颯と渡ってシスターがとある場所を狙います!
「はわっ!」
――どっしーん。
三人の中間を狙ったため、ざくろさんが巴さんとアルラウネさんの胸にサンドイッチになってます。ポールはもちろん転々と。
「でも負けない! 一人時間差!」
次のゲーム。ざくろさん、フェイントを狙いますがこれは拾われます。
「何の、移動攻撃!」
なんと、菊理さんが敵陣に高くボールを返すと、三人全員が……。
「しかも立体ですの!」
「三位一体ですわね!」
ネット下をくぐってざくろさんチームのコートに移動してきました!
そしてボールの下でざくろさんの目の前でジャンプ。
「させないわよ」
「絶対守りますの!」
あっと。残りの二人も対面に並んで、ジャーンプ!
集まって並んだ胸が弾み、揺れ、そして――。
「はわわ、一体何?」
――ばしっ、どたばたむにゅぐにゅ!
ざくろさんを下敷きに五人が折り重なってしまいます。
ボールはコートから出たので、アウト。
ころ、とボールが転がる近くで。
「覇道の日々にもたまには休息が必要だ」
ルベーノさんが、Pクレープで買った肉系クレープをかじりながら歩いています。
「……フッ、こういう1日も悪くない。そのうちミモザやシルヴァも誘ってみるか…」
高く空を仰いできらっといい顔をした時でした。
「よお。監視台の方で交代が来ないって困ってたぜ?」
カインさんがやって来てそれだけ告げます。
「そうだったな。感謝する。名前は?」
「カインだ」
「俺は『覇道への第一歩』、ルベーノだ。感謝する」
ハハハ、と走るルベーノさんです。
「やれやれ」
カインさんはケバブを買い食いしながらそのまま岩場の方へ。
「ん?」
おや。
岩場の方で誰かが釣り竿を垂らしてますね。
「あたしの方はあまり当りがこないけど……」
舞さんです。横ではにゃん五郎さんが嬉々として小魚を釣り上げています。
で、早速魚を外すと……。
「いやいや全部食べたらあたしの分が無くなるでしょ!」
止めます。
だってにゃん五郎さん、魚籠に入れずに食べようとするんですから。
「釣り、上手いんだな」
そこにカインさんが声を掛けます。
カインさんの背後では、ブルーメさんとアントスさんとルルディさんが喧嘩してましたが、また主人がユグディラに浮気したと思って一斉に駆け寄ります。
が、にゃん五郎は雄なのでセーフ。
ここで、何やら音楽が聞こえてきました。
そちらに注目すると、フルートを吹く真さんとリュートを構えたシトロンさんがいます。
涼しい木陰で水の音に耳を傾けながら、ゆっくりと。
「っかー、今日も元気だビールが美味いってかぁ? 肴も中々いいモン揃ってんでないの。最高だねぇ」
「このまま穏やかに過ごしたいもんやな」
鵤さんと文太さんがここで飲んでます。
「あー疲れたにゃー…ひさめんの持久力はすごいにゃ」
「ベリモルさんの方が速かったですけど……」
ハヒヤさんと柊さんもここでゆっくりしています。なお、泳ぎの勝負はハヒヤさんのふらふらする癖が柊さんの勝ちでした。
「そうにゃ! 我、初めて見たけばぶが気ににゃるにゃ!」
「あっ、ケバブは私も気になりましたぁ。一緒に買って半分こして食べましょうー? 」
というわけで、お二人は海の家へ。
入れ替わりに、「猫正宗」の肉サンドを手にした二人が来ます。
「偶にはこういうのもいい、ね?」
「紅葉がいればどこでも楽しいわ」
紅葉さんと真夕さんです。店のメニューを堪能したのですが、貝探しをする舞さんと釣りをするにゃん五郎さんの姿が目に入りました。
「……ひっこくりでマガニ、採れるかも」
「いいわ、釣りでもしましょ」
こくこくと頷く紅葉さんに理解を示す真夕さんなのです。偶と先に言ったのはこういう理由だったり。
ちなみに、岩場の裏では。
「ここらで食べましょうかぁ?」
「うんっ」
小太さんがフラさんと一緒に手をつないで歩いていました。
で、腰掛けて食事です。小太さんは焼きトウモロコシを食べてますが……。
「フラさんのも美味しそうですねぇ。少し交換しあいませんかぁ?」
「それじゃ、ここどーぞ♪」
フラさん、イカ焼きを差し出します。
「ふぇっ!? あ、あーん……」
無防備にあーんする小太さんににこにこ。で、イカ焼きをぱくっと食べると。
「あは。タレがほっぺについてるよ?」
フラさんの顔がアップになって……指ですくってペロリ。
これに気付いたシトロンさん。甘い愛の曲を奏で始めます。
「ロマンチックな曲をやるなあ。誰か好きな人…猫? でもいるのか?」
思わずつぶやく真さんですが、シトロンさんはうっとりと演奏にのめり込んでます。秘密ですが、主に対する彼女なりの愛情表現なのでそりゃ一生懸命ですよね。
「ま、いいか。合わせよう」
いつものように周囲に合わせる真さんです。
「あ、文太君次のビール貰ってきてぇー」
「おっちゃんもたまには酒持ってこいやマジでしばくで」
岩場の反対側ではロマンチック何それな展開ですが。
とにかく、はんたあ倶楽部は充実した一日を過ごしましたとさ。
●おまけ
「監視員さーん。おぼれた人がいますー!」
「何?!」
ルベーノさん、出動です。
そこには美形青年が倒れていました。美女が取り巻いてますが……。
「どけっ!」
「あーっ!」
周囲の美女から悲鳴が上がる中、ルベーノさんは見事心肺蘇生をして見せます。
「はっ! ……ふぅ」
「きゃーっ!」
美形青年、状況を把握して気を失いました。美女たちは人工呼吸を誰がやるかでもめていたようですね。
「そうか、この男のファーストキスだったか…溺れた奴が悪い、諦めろ」
きょうもルベーノさんの覇道が炸裂なのです。
「……次はしっかり準備して商売したいところです」
その横。もぐもぐしつつ錬介さんが通り過ぎます。
焼きすぎた商品を食べているようですね。
世の中うまくいかないものです。
依頼結果
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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はんたあ倶楽部・部室(相談卓) 鞍馬 真(ka5819) 人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2017/08/14 20:48:31 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/08/14 20:41:32 |