ゲスト
(ka0000)
夜の帳の影隙間
マスター:墨上古流人

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~2人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2014/11/28 19:00
- 完成日
- 2014/12/06 06:06
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
「お花はいりませんか?」
「年中お花畑が何言ってんだ」
「僕は高いよ?」
「何の話だ」
石造りの執務室、救援部隊の役割を担う帝国第九師団、フリデンルーエンの頭脳がここには集約されている。
師団長であるユウが、窓際で煙草を燻らせる副師団長のリベルトへ、白くて小さい花弁の多い花を取って見せる。
「花売りは、花だけじゃ稼げないから自分の体を売ったり、そもそも花が春を売り買いする隠語だったりしたらしいよ」
「つまり、お前は俺に体を買って欲しかったワケか? そうなのか? 事と次第によっては俺しばらく休暇もらってそのままいなくなるぞ」
「やだなぁ、リベルトの御給金じゃ僕なんてローンを組んでも買えないよ」
「どんだけ自信あんだよ、逆に興味沸いてきたわ」
ふふ、と意味があるのかないのかわからない微笑を浮かべてから、
手にしていた花をリベルトの窓から放り投げた。
「いやね、副師団長ともあるお方だし、罪を取り締まるためにも裏の知識に精通してて欲しいなとも思ってさ、知っててよかったよ」
「そりゃ嫌でもわかるさ……こんな街にいたらな」
宙に広がる紫煙は、赤黄色紫、種々の煌びやかな光に染められてから消えていく。
統率などまるでとれていない、下品な夜の花畑が、卑下交じりの苦笑を浮かべるリベルトの視界に飛び込んでいた。
ここは帝国第九師団が詰める街、ラオネン。
帝国海岸部と帝都バルトアンデルスとの中間辺りに位置するこの街は、
人々が己の欲に忠実に生きている賑やかな街で、
喧騒が怪しく豪奢な光(リアルブルー出身の者にはネオンのよう、というとわかりやすいらしい)に照らされて、夜の方が明るいとまで言われる歓楽街だ。
東の門から西の門まで一本太く通っているこの大通りは、街中で一番賑やかなエリアである。
どこの店も客を惹くために目立つ事へ対抗心を燃やし、
機導術を取り入れて大きな看板を動かしていたり、
グロテスクな色のアドバルーンが店を持ち上げんばかりの勢いであげられていたり、
甘美な妄想を誘う目に痛い程の光がそこかしこに立ち並んでいる。
通りを3歩歩けば何かしらの店に勧誘される程で、
甘ったるい女性の声が聞こえたかと思えば路地裏で男の怒号が聞こえてきたりと、
一晩中忙しない様子が窺える。
街で一番目に付くのは夜の店、次いでそれら施設に関連する飲食や高級な服飾、金属、宝石細工等の店が盛んである。
風評的には欲に溺れ、弱みを見せた者を喰らう、そんな治安の悪い街のイメージがあるが、
――実際治安も他の街と比べると良いとは言い切れないが――帝国の強気を重んじる精神は良い意味でも例外ではなく、
その街柄、余所では気が引けるような事でもここなら出来る風潮があるため、
「望めば手に入る」「野望は勝ち取れ」といった構え方の街に、
一攫千金を狙う挑戦者が商売等で街にやってくるものも多い。
闇夜の中、光に向かって羽を毟られないように、夢を見る者たちが集うのがこの~叶える街、ラオネン~である。
「こんな街だけど、何でもしていいって訳ではないよね。実際、人身売買なんかはタブーだし」
落ちてゆく花が、建物の陰に追いやられた闇に消えていくのを見て、ユウが呟く。
「こんな街でも国の決めたルールは絶対だ。たまたまグレーゾーンすれすれをいく環境が、ここにはある」
街自体は自由を尊重する側面が強いが、
強盗、殺人、詐欺等、帝国としてのグランドルールと最低限の決まりを取り締まっているのは
第九師団である。
なぜ歓楽街に救援師団がという所だが、
街の特性上、貧富の差は激しく街の隅にはスラム地区も出来上がってしまっている。
そこは街の南部、数年前に大通りから外れた場所で客を集めようとした者達が、
経営に失敗し寂れたエリアで、古びたエクラの教会がひっそりとあり、
現在は夢に破れた浮浪者や力ある者に様々なものを奪われた者達が、明日を生きる為に、もしくはただ命を繋ぐために、必死に生きている。
そちらへの炊き出しを含めた現状の改善も師団が手を伸ばしている、という所もあるが……
『物の融通が利きやすい』という所が最大の点である。
これは、港湾都市やピース・ホライゾンのようなターミナル都市に関連する『物流』ではなく、
既に物流に乗っているものの『確保』がしやすいという意味合いが強い。
薬品、配給等何かと他師団よりも高頻度で消耗品を必要としており、
それらを師団に流してくれているのは、いわゆる歓楽街等で巨額の富を蓄え、
構えた店や物の取引で夜な夜な利潤を得ている組織的な者達の事である。
彼らは決して自分たちの事をヤクザやマフィアという言葉では呼ばない。
あくまで彼らは経営者、彼らがいるのは『事務所』である。
師団は事務所の経営を容認する代わりに(もちろん行きすぎないよう監視はするが)
事務所は師団へ手に入りにくい物資の工面や街の興隆の支援をしているのだ。
「そこで、最初のお花の話になるんだけど、どうやら最近スラム街から消えた少女と、ある組織の所にいる少女が同一人物らしくてね」
「街で調達して街で売るとは、大胆なんだか命知らずなんだか」
「うん、既に売り先も決まってるっていう裏は取れてる。問題は場所と時間がまだわかってないんだけど……ハンターの皆の力が必要かもね」
一枚の紙を見ながらうーん、と唸るユウ。
吸殻を灰の山に沈めたリベルトが、燻った残り香を漂わせながらユウの紙をひったくり、
ドアの方へと向かう。
「どこいくの?」
「摘んでくるさ、花を」
振り返らずに声をかけていくリベルト。
抑揚の目立つ普段の彼とは違う、静かな声がユウの耳へと届いていた。
「……お手洗いかな?」
リプレイ本文
◆
毒々沼 冥々(ka0696)が訪れたのは、経費の代わりにリベルトに紹介された街で幾番目かに大きいであろうカジノ。
バニーガールが運んでいたケーキをひったくり、教えられた卓の椅子にドカッと腰を掛ける。
「ぴんぽーん、あーっそびーましょー! うひひひひ!」
「……チェンジだ。私はクラップスで負けて気分がよくない」
「冥々たんドキ☆ドキスピリチュアル講座! 次はビッグシックスで勝てるZOY!」
『次はビッグシックスで勝てるぜ』
という冥々カライズされた合言葉をなんとか拾って、吹き抜けの2階、人のいない席へと案内した。
「穴熊はこの街のルールは守ってきた組織だ」
「じゃあさじゃあさ、弱み握って仲間にさせてもらうとかゲロキツいっつーことなん?」
「『所員』は無理だろう、商品として店の斡旋にいくんだな。あんた、素材は良さそうなんだが……」
「いやーん、ソーゾーしたらカネとっちゃうZE! 最後の質問だけど……あんた、この街は好きか?」
「好きか嫌いかで考えたことは無いな。だが、私の場合は……ここにしか居られないんだ」
◆
ブルノ・ロレンソ(ka1124)と月護 幸雪(ka3465)は既に穴熊の事務所にいた。
副所長と名乗るインテリっぽい細身でメガネの男性と、少し若い短髪の男が対応している。
「新しい店を建てたいと思ってな、ついでに新しい店員も補充したいから良いのを紹介してほしい」
副支店長は指をわざとらしく、ひとつずつ挙げながら言葉を並べていく。
「一つ。鉄則としてこの街に『娼館』というものはありません。女性をつける店はありますが、店の感知はそこまで。そこから先は『自由恋愛』となり店の関与する所ではありません。二つ。娼館をやりたい、と言っている方とはうちも関わりを持ちたくありませんし、通報する義務が生まれます。三つ。この街で女性は金になる。それをいきなりどこの誰だか知らない方へ工面するほどうちも余裕ではありません」
幸護が見えないように背中に手を添えなければ、ブルノはひきつる頬を堪えるのにひと苦労だっただろう。
若造にいいように言われるのもいい気分ではないが、ここにはここのルールがある。
この街ではグレーが許されるのではない、許されたければグレーになる必要があるのだ。
娼館のオーナーとして接触したのはストレートすぎたか。
「いや失礼。貴所も『仕事の斡旋事務所』でしたな。うちにも仕事があるので、興味のある子がいれば、というところで……スキルやキャリアはないけど、己を売りこんででもお金を得なきゃ暮らせないって人が多いのかなと思って、そういう人も歓迎しますよ」
柔和な幸雪がなんとか丸めて雰囲気だけでも戻そうとする。
ストレートに『10歳ぐらいの子供が趣味な紳士達』の店を聞くことも警戒されてしまうだろう事はお互い目で認識を合わせ、口をつむぐ。
「副所長ー、俺んとこ最近ロースキルな娘ばっかいるんすよ、その売り先にさせてくれないっすかね」
「それならあなたが面倒みなさい。頂いた話を無碍にするのも義理に欠けます」
「ほぅ……『事務所』は外でいうヤクザみたいな義理人情には疎い物だと思っていたがな」
「一般的な人付き合いの話ですよミスターロレンソ。利率はミニマムで10%頂きますが、本当に未経験の娘でもよければね」
ロレンソオーナー、とまでは言わせなかったが、少しばかりの信頼は掴めたようだ。
引き際が肝心、少しの信頼でも得られたところでブルノと月護は穴熊の事務所を後にした。
◆
「……おい、おっさん!」
オスワルド・フレサン(ka1295)がいたのはスラム街の橋の下で、声をかけてきた少年の方を振り向いた。
「いや、すまないね。歳を取ると考え事が多くなってな」
老獪がスラム街の少年にへりくだっているのには訳がある。
彼は今まさに『雀蜂』への潜入捜査をしているところだった。
雀蜂を名乗るメンバーは15人程、年端もいかない幼子から、上は15、6ぐらいだろうか。
それはとても『事務所』とは言い難い集まりだった。
『騎士団と言ってもゴロツキとそう変わらない。力を振るう相手が悪人かそれ以外か、という違いだけだよ』
彼はそう言って少年達の用心棒を買って出ていた。
何故、一見スラム街で生きている彼らを雀蜂と判別できたか。
それはオスワルドの隣を歩いているイスフェリア(ka2088)のおかげだ。
「いやしかし……実際に身を置いてみると、過酷なものだな」
「例えダメだと言われても、わかっていても、スラム育ちは、盗みを働いたり、身体を売ったりしないと生きていけない。誰も気にも止めないし、居なくなっても実害はないから」
イスフェリアは新しくスラムに流れて来ていた孤児として、スラムで生活をしていたら雀蜂の方から接触してきた。
「仲間になるか? それとも同じクソなら明るい方へいってみるか?」
イスフェリアの答えは後者だった。元々、食べる為に仕事が欲しいというつもりだったし、
自分も『売り物』になれば、取引先の情報まで掴めるかもしれなかったからだ。
「あんたら何仲良ししてんだよ。おら、仕事だ」
オスワルドが幸雪にもらった絆創膏をポケットの上から確認する。
彼らの前に立っていたのは、ヴァージル・チェンバレン(ka1989)だった。
「この街には来たばかりだが、俺も一攫千金、風俗でも始めようかと思ってね」
彼は雀蜂の情報が今回のハンター達に共有されて接触を図ったというところだ。
「人が欲しいってか? ちょうどここに上玉がいるが……幾らだせる?」
だが、師団への経費請求は出来なかった手前、手持ちしか用意がない。
懐を見せるが、話にはならなかったようだ。
「おっさん、お客さんがお帰りだとよ」
少年が背を向けると同時に、脳を揺さぶる衝撃がヴァ―ジルを襲う。
口の中に広がる鉄の味を噛みしめながら、地面から見上げた先には拳を振り切ったオスワルドが立っていた。
(今は引け、ここは大丈夫だ)
口だけ動かし、すぐに少年の背をゆっくりと追いかけ始める。
仲間とはいえ、力を抜いては今度は雀蜂に怪しまれる。悪いが、我慢してくれ――
静かに背中で語りながら、イスフェリアと共に喧騒の場を後にした。
「酒、金、薬、女…こういう欲望にまみれた街は好きだぜ。人間の業が剥き出しで、ギラギラしていて……生きてるって感じがするからな」
明るい喧噪の方へと向き直り、ヴァージルが立ち上がる。殴られた頬を撫で、溜まった血反吐を吐き捨ててからふらりと歩き出していった。
◆
(こりゃあまた…油断したら呑まれそうな街だ)
エアルドフリス(ka1856)がいるのはラオネンの大通りにあるキャバレー【ドランクベアー】
リベルトから穴熊の影響力が一番強い店を聞き、穴熊の仲介で入った女が多いとの事だった。
「お客様。コンパニオンに手を出してはいけませんよ」
エアルドフリスの代わりに嬢が卓に手を伸ばす。
渡されたものは、小さなリングに細長い棒と細いスプーンがついた喫煙器具。
パイプを嗜む際に使うこの『コンパニオン』というものだ。
「酒は駄目なんだが、こんな見事な花園なら、香りだけで酔っちまいそうだな」
「あら、私たちは夜の蝶。お花は貴方様ですよ」
燻る煙と香りを挟んで、男と女が言葉を交わす。
紫煙を潜り抜けてしなだれかかる。たおやかに言葉を紡ぐ妖艶な嬢。
この女ならば、穴熊についてより深く聞き出せるかもしれない。
言葉遊びをを楽しんでいた節は否めないが、それでも彼は最後まで『演じ』なければならないのだ。
「あんたを摘むには幾ら積めばいい?」
肩に感じる嬢の首へ自身の首を傾げて近づけ、髪から耳へ滑り落ちるように言葉を囁く。
首だけ動かし見上げた彼女は、きょとんとした顔だった。
「……すまん、無粋だった。それ程参ってる」
「ふふ……この街では、そんなお金の使い方をしてはダメ」
頬を伝う絹のような手、その手は彼が咥えていたパイプをくいっと下げる。
そして、自身の咥えていたシガレットを、パイプの中へとゆっくり沈めていく。
嗜めるように煙を吹きかける嬢は体を起こして席を立つ。
彼の手を取ったままで。
「どこへ?」
「もう仕事は終わりなの。満足した熊が帰る場所はひとつでしょう……?」
不規則な波状を描く白砂のようなシーツが蠢いて顔を出し、体にこもった熱を冷たい空気と入れ替えるのはウォルター・ヨー(ka2967)
彼はエアルドフリスと店に入るまで行動を共にしていた。が、嬢と宿を取っていた。目的は、同じく情報収集。
「いま何時ー……?」
「おや、予定でもありましたかい?」
「時間を忘れる程だっただ、け」
飛び込んでくる蝶を花弁のように優しく抱き留めるウォルター。
「お兄さん、そういえば穴熊の事が気になるの?」
「いんや。ただ、あんだけ可憐で、そして強い夜の御嬢さん方が、良いようにされたままでいいのかなと……」
言い終わるか否かのところで額に軽い衝撃。
少しむすっとした嬢が、ウォルターにでこピンを放っていたのだ。
「良いようにされてるワケじゃないよ。頭のいい人が研究室に入ったり、体の丈夫な人が兵隊さんを目指すのと同じ。出来る事で輝きたいと思ったからここにいる人も多いの」
真っ直ぐな声と曇りない瞳、ウォルターの太腿に乗せた手に籠る力、これ以上彼女にかける言葉は、今のウォルターにはなかった。
「やけにお楽しみだったみたいじゃないですかい」
「そっちこそ、壁が壊れるかと思っぞ」
部屋から出た瞬間、目があったウォルターとエアルドフリス。
宿の入り口を見上げれば、そこには【le trou de l'ours】と店名が書かれていた。
◆
「ジョナサン=リヴィングストン様ですね、501号室へどうぞ」
アルヴィン = オールドリッチが偽名で用意した部屋にリベルトが入ると、
情報を持ち寄ったメンバーの考察と穴熊事務所の見張りとが詰めていた。
「le trou de l'ours……熊の寝床、ッテ意味ラシイネ?」
「いや、これは一本取られたね」
「自分達は金を受け取らず、穴熊の売り上げに貢献したという事か……そういうのが全部とも限らないだろうが」
アルヴィンの読み上げる資料へ、幸雪とブルノが耳を傾ける。
「『自由恋愛』ってなんでやしたかね……」
「やっぱりオイタはイケナイネ?」
「やかましい」
ウォルターとエアルドフリスへこれでもかとにっこり微笑むアルヴィン。
「後は取引先か、雀蜂の方が掴めれば……」
「ソレナラ……」
「……ここ?」
「いやはや、まさかこんなところに来るとはね」
イスフェリアが自身の犬に匂いをかがせて、オスワルドはその護衛として。
雀蜂のリーダー格の少年の足取りをたどってみるとついた先は、第九師団の拠点……国営の病院だった。
◆
国営病院第6診察室の描写。
診察室のベッドでは腰が痛いという壮齢の男性が、白衣を着た男により触診を受けているところだった。
「次の方ー?」
細身で眼鏡をかけた少年が、外に向けて患者を呼ぶ。入ってきたのは、10歳ぐらいの少女と、みすぼらしい少年。
「そんな事して胸は痛まないかい? 先生」
低い声にハッとして振り返ろうとするが、冷たい感触が喉を捕えられる。
先ほどまでベッドに寝ていたブルノが声をかけてから、医者の横を通り過ぎて少年の肩に重く手を置き、
逆サイドでは白衣を着たエアルドフリスが首筋にメイルブレイカーを当てていた。
「諦めろ、部屋一円、俺達で取り囲んでるぜ。大人しくしといた方が罪が軽くなるんじゃないか?」
奥の方、医療関係者側からヴァ―ジルとリベルトが入ってきた。
「ちょーっち待ったリベリベ」
続いて冥々が部屋に入ってくると、ずかっと少女の前にしゃがみこんで口を開く。
「なァ、あんた無理矢理売られそうになったのか?」
じっと覗きこんでくる目を前に少女は、逸らさず、だが首も動かさずのままでいた。
「ざけんなトゲトゲババァ! 俺が仲間を進んで売るわけねーだろ!」
「もういいよお兄ちゃん……もういいの……」
おもむろに立ち上がり冥々に掴みかかる少年を、慌てて抑えようとする少女。
「大兄ちゃんは、頭がよくて、熊さんにスカウトされて、お医者さんにもなって……でも、大兄ちゃんだけじゃ、みんなの生活、変わらなかった。だから、だからね、女の子の私が、頑張るしかないと思って……」
悲壮が言葉に絡みつき、嗚咽となって少女の小さな口から零れていく。
「なーあーリベリベー、もう一つお願い聞いて欲しいにゃーん?」
「経費は落ちないって言ったけどな、なんだ?」
「このゲロッゲロにガッツのある未来のスーパーガールは、進んで商品になったらしい。もう同じ事になンねェよう、あんたの『手元』で『監視』しとくってメロディは、どうだい?」
「あぁ、もし、よければ僕も身寄りに名乗り出よう。花の世話をしたり、土を弄くったり……僕みたいな老いぼれには少し重労働でね、もし良かったら協力してほしいんだけど……どうかな?」
「……今回は、一度師団で保護しよう。今後もし彼女が望むなら、その時は幸雪を頼らせてもらう」
「うん、それでいい」
引き取りの申し出をした幸雪が頷き、ヴァ―チルが抵抗しない医者を椅子から立たせて連行しようとする。
「いやー、何とか抑えることが出来てよかったでやすよ」
「随分と夜を駆け回ったそうだな。今回の仕事は役得だったか?」
「……彼女は僕だ。だから、僕にはさせたくないんだよ」
リベルトが前をゆくウォルターの顔を見ようとした刹那、
さぁさ、帰りやしょ。とけろっとした顔で振り向いて彼は先を歩いていった。
◆
「スラム出身の若者が、年若い兄弟を喰わせる為に穴熊に入った。
彼は頭がよかった。だから、穴熊は第九師団への援助のひとつとして、うちの病院に医者として彼を派遣した。
だが穴熊だって若造にそうぽんぽん大盤振る舞いはしない。その足しになるようにと、少女の強い思いもあってこの病院を使って、
兄弟から高値になりそうな幼い子供を『入院』と称して預かり独自のツテで売ろうとした。別に春じゃなくても体は売れるしね」
「……ユウ」
「ゴメンゴメン。で、『穴熊』とはいえそのうちの一人が勝手にやったこと……これが事件の顛末なんだね」
「そうだ。トップが心変わりしたなら、『俺達』の方で『制裁』が必要かとも思ったが」
「リベルト。僕達は救援部隊なのに……こういう悲しい事件がこの街では起きる……力不足を痛感させられるね」
「いつか、なんて言い訳はしたくねーけど、それでも俺は続ける。お前についてな。俺みてぇに汚れきらないうちに、あの子のように救ってみせる」
期待してるよ、と優しいユウの声を聴きながら、リベルトは気色の悪い光で彩られた街を見て窓から唾を吐き捨てた。
毒々沼 冥々(ka0696)が訪れたのは、経費の代わりにリベルトに紹介された街で幾番目かに大きいであろうカジノ。
バニーガールが運んでいたケーキをひったくり、教えられた卓の椅子にドカッと腰を掛ける。
「ぴんぽーん、あーっそびーましょー! うひひひひ!」
「……チェンジだ。私はクラップスで負けて気分がよくない」
「冥々たんドキ☆ドキスピリチュアル講座! 次はビッグシックスで勝てるZOY!」
『次はビッグシックスで勝てるぜ』
という冥々カライズされた合言葉をなんとか拾って、吹き抜けの2階、人のいない席へと案内した。
「穴熊はこの街のルールは守ってきた組織だ」
「じゃあさじゃあさ、弱み握って仲間にさせてもらうとかゲロキツいっつーことなん?」
「『所員』は無理だろう、商品として店の斡旋にいくんだな。あんた、素材は良さそうなんだが……」
「いやーん、ソーゾーしたらカネとっちゃうZE! 最後の質問だけど……あんた、この街は好きか?」
「好きか嫌いかで考えたことは無いな。だが、私の場合は……ここにしか居られないんだ」
◆
ブルノ・ロレンソ(ka1124)と月護 幸雪(ka3465)は既に穴熊の事務所にいた。
副所長と名乗るインテリっぽい細身でメガネの男性と、少し若い短髪の男が対応している。
「新しい店を建てたいと思ってな、ついでに新しい店員も補充したいから良いのを紹介してほしい」
副支店長は指をわざとらしく、ひとつずつ挙げながら言葉を並べていく。
「一つ。鉄則としてこの街に『娼館』というものはありません。女性をつける店はありますが、店の感知はそこまで。そこから先は『自由恋愛』となり店の関与する所ではありません。二つ。娼館をやりたい、と言っている方とはうちも関わりを持ちたくありませんし、通報する義務が生まれます。三つ。この街で女性は金になる。それをいきなりどこの誰だか知らない方へ工面するほどうちも余裕ではありません」
幸護が見えないように背中に手を添えなければ、ブルノはひきつる頬を堪えるのにひと苦労だっただろう。
若造にいいように言われるのもいい気分ではないが、ここにはここのルールがある。
この街ではグレーが許されるのではない、許されたければグレーになる必要があるのだ。
娼館のオーナーとして接触したのはストレートすぎたか。
「いや失礼。貴所も『仕事の斡旋事務所』でしたな。うちにも仕事があるので、興味のある子がいれば、というところで……スキルやキャリアはないけど、己を売りこんででもお金を得なきゃ暮らせないって人が多いのかなと思って、そういう人も歓迎しますよ」
柔和な幸雪がなんとか丸めて雰囲気だけでも戻そうとする。
ストレートに『10歳ぐらいの子供が趣味な紳士達』の店を聞くことも警戒されてしまうだろう事はお互い目で認識を合わせ、口をつむぐ。
「副所長ー、俺んとこ最近ロースキルな娘ばっかいるんすよ、その売り先にさせてくれないっすかね」
「それならあなたが面倒みなさい。頂いた話を無碍にするのも義理に欠けます」
「ほぅ……『事務所』は外でいうヤクザみたいな義理人情には疎い物だと思っていたがな」
「一般的な人付き合いの話ですよミスターロレンソ。利率はミニマムで10%頂きますが、本当に未経験の娘でもよければね」
ロレンソオーナー、とまでは言わせなかったが、少しばかりの信頼は掴めたようだ。
引き際が肝心、少しの信頼でも得られたところでブルノと月護は穴熊の事務所を後にした。
◆
「……おい、おっさん!」
オスワルド・フレサン(ka1295)がいたのはスラム街の橋の下で、声をかけてきた少年の方を振り向いた。
「いや、すまないね。歳を取ると考え事が多くなってな」
老獪がスラム街の少年にへりくだっているのには訳がある。
彼は今まさに『雀蜂』への潜入捜査をしているところだった。
雀蜂を名乗るメンバーは15人程、年端もいかない幼子から、上は15、6ぐらいだろうか。
それはとても『事務所』とは言い難い集まりだった。
『騎士団と言ってもゴロツキとそう変わらない。力を振るう相手が悪人かそれ以外か、という違いだけだよ』
彼はそう言って少年達の用心棒を買って出ていた。
何故、一見スラム街で生きている彼らを雀蜂と判別できたか。
それはオスワルドの隣を歩いているイスフェリア(ka2088)のおかげだ。
「いやしかし……実際に身を置いてみると、過酷なものだな」
「例えダメだと言われても、わかっていても、スラム育ちは、盗みを働いたり、身体を売ったりしないと生きていけない。誰も気にも止めないし、居なくなっても実害はないから」
イスフェリアは新しくスラムに流れて来ていた孤児として、スラムで生活をしていたら雀蜂の方から接触してきた。
「仲間になるか? それとも同じクソなら明るい方へいってみるか?」
イスフェリアの答えは後者だった。元々、食べる為に仕事が欲しいというつもりだったし、
自分も『売り物』になれば、取引先の情報まで掴めるかもしれなかったからだ。
「あんたら何仲良ししてんだよ。おら、仕事だ」
オスワルドが幸雪にもらった絆創膏をポケットの上から確認する。
彼らの前に立っていたのは、ヴァージル・チェンバレン(ka1989)だった。
「この街には来たばかりだが、俺も一攫千金、風俗でも始めようかと思ってね」
彼は雀蜂の情報が今回のハンター達に共有されて接触を図ったというところだ。
「人が欲しいってか? ちょうどここに上玉がいるが……幾らだせる?」
だが、師団への経費請求は出来なかった手前、手持ちしか用意がない。
懐を見せるが、話にはならなかったようだ。
「おっさん、お客さんがお帰りだとよ」
少年が背を向けると同時に、脳を揺さぶる衝撃がヴァ―ジルを襲う。
口の中に広がる鉄の味を噛みしめながら、地面から見上げた先には拳を振り切ったオスワルドが立っていた。
(今は引け、ここは大丈夫だ)
口だけ動かし、すぐに少年の背をゆっくりと追いかけ始める。
仲間とはいえ、力を抜いては今度は雀蜂に怪しまれる。悪いが、我慢してくれ――
静かに背中で語りながら、イスフェリアと共に喧騒の場を後にした。
「酒、金、薬、女…こういう欲望にまみれた街は好きだぜ。人間の業が剥き出しで、ギラギラしていて……生きてるって感じがするからな」
明るい喧噪の方へと向き直り、ヴァージルが立ち上がる。殴られた頬を撫で、溜まった血反吐を吐き捨ててからふらりと歩き出していった。
◆
(こりゃあまた…油断したら呑まれそうな街だ)
エアルドフリス(ka1856)がいるのはラオネンの大通りにあるキャバレー【ドランクベアー】
リベルトから穴熊の影響力が一番強い店を聞き、穴熊の仲介で入った女が多いとの事だった。
「お客様。コンパニオンに手を出してはいけませんよ」
エアルドフリスの代わりに嬢が卓に手を伸ばす。
渡されたものは、小さなリングに細長い棒と細いスプーンがついた喫煙器具。
パイプを嗜む際に使うこの『コンパニオン』というものだ。
「酒は駄目なんだが、こんな見事な花園なら、香りだけで酔っちまいそうだな」
「あら、私たちは夜の蝶。お花は貴方様ですよ」
燻る煙と香りを挟んで、男と女が言葉を交わす。
紫煙を潜り抜けてしなだれかかる。たおやかに言葉を紡ぐ妖艶な嬢。
この女ならば、穴熊についてより深く聞き出せるかもしれない。
言葉遊びをを楽しんでいた節は否めないが、それでも彼は最後まで『演じ』なければならないのだ。
「あんたを摘むには幾ら積めばいい?」
肩に感じる嬢の首へ自身の首を傾げて近づけ、髪から耳へ滑り落ちるように言葉を囁く。
首だけ動かし見上げた彼女は、きょとんとした顔だった。
「……すまん、無粋だった。それ程参ってる」
「ふふ……この街では、そんなお金の使い方をしてはダメ」
頬を伝う絹のような手、その手は彼が咥えていたパイプをくいっと下げる。
そして、自身の咥えていたシガレットを、パイプの中へとゆっくり沈めていく。
嗜めるように煙を吹きかける嬢は体を起こして席を立つ。
彼の手を取ったままで。
「どこへ?」
「もう仕事は終わりなの。満足した熊が帰る場所はひとつでしょう……?」
不規則な波状を描く白砂のようなシーツが蠢いて顔を出し、体にこもった熱を冷たい空気と入れ替えるのはウォルター・ヨー(ka2967)
彼はエアルドフリスと店に入るまで行動を共にしていた。が、嬢と宿を取っていた。目的は、同じく情報収集。
「いま何時ー……?」
「おや、予定でもありましたかい?」
「時間を忘れる程だっただ、け」
飛び込んでくる蝶を花弁のように優しく抱き留めるウォルター。
「お兄さん、そういえば穴熊の事が気になるの?」
「いんや。ただ、あんだけ可憐で、そして強い夜の御嬢さん方が、良いようにされたままでいいのかなと……」
言い終わるか否かのところで額に軽い衝撃。
少しむすっとした嬢が、ウォルターにでこピンを放っていたのだ。
「良いようにされてるワケじゃないよ。頭のいい人が研究室に入ったり、体の丈夫な人が兵隊さんを目指すのと同じ。出来る事で輝きたいと思ったからここにいる人も多いの」
真っ直ぐな声と曇りない瞳、ウォルターの太腿に乗せた手に籠る力、これ以上彼女にかける言葉は、今のウォルターにはなかった。
「やけにお楽しみだったみたいじゃないですかい」
「そっちこそ、壁が壊れるかと思っぞ」
部屋から出た瞬間、目があったウォルターとエアルドフリス。
宿の入り口を見上げれば、そこには【le trou de l'ours】と店名が書かれていた。
◆
「ジョナサン=リヴィングストン様ですね、501号室へどうぞ」
アルヴィン = オールドリッチが偽名で用意した部屋にリベルトが入ると、
情報を持ち寄ったメンバーの考察と穴熊事務所の見張りとが詰めていた。
「le trou de l'ours……熊の寝床、ッテ意味ラシイネ?」
「いや、これは一本取られたね」
「自分達は金を受け取らず、穴熊の売り上げに貢献したという事か……そういうのが全部とも限らないだろうが」
アルヴィンの読み上げる資料へ、幸雪とブルノが耳を傾ける。
「『自由恋愛』ってなんでやしたかね……」
「やっぱりオイタはイケナイネ?」
「やかましい」
ウォルターとエアルドフリスへこれでもかとにっこり微笑むアルヴィン。
「後は取引先か、雀蜂の方が掴めれば……」
「ソレナラ……」
「……ここ?」
「いやはや、まさかこんなところに来るとはね」
イスフェリアが自身の犬に匂いをかがせて、オスワルドはその護衛として。
雀蜂のリーダー格の少年の足取りをたどってみるとついた先は、第九師団の拠点……国営の病院だった。
◆
国営病院第6診察室の描写。
診察室のベッドでは腰が痛いという壮齢の男性が、白衣を着た男により触診を受けているところだった。
「次の方ー?」
細身で眼鏡をかけた少年が、外に向けて患者を呼ぶ。入ってきたのは、10歳ぐらいの少女と、みすぼらしい少年。
「そんな事して胸は痛まないかい? 先生」
低い声にハッとして振り返ろうとするが、冷たい感触が喉を捕えられる。
先ほどまでベッドに寝ていたブルノが声をかけてから、医者の横を通り過ぎて少年の肩に重く手を置き、
逆サイドでは白衣を着たエアルドフリスが首筋にメイルブレイカーを当てていた。
「諦めろ、部屋一円、俺達で取り囲んでるぜ。大人しくしといた方が罪が軽くなるんじゃないか?」
奥の方、医療関係者側からヴァ―ジルとリベルトが入ってきた。
「ちょーっち待ったリベリベ」
続いて冥々が部屋に入ってくると、ずかっと少女の前にしゃがみこんで口を開く。
「なァ、あんた無理矢理売られそうになったのか?」
じっと覗きこんでくる目を前に少女は、逸らさず、だが首も動かさずのままでいた。
「ざけんなトゲトゲババァ! 俺が仲間を進んで売るわけねーだろ!」
「もういいよお兄ちゃん……もういいの……」
おもむろに立ち上がり冥々に掴みかかる少年を、慌てて抑えようとする少女。
「大兄ちゃんは、頭がよくて、熊さんにスカウトされて、お医者さんにもなって……でも、大兄ちゃんだけじゃ、みんなの生活、変わらなかった。だから、だからね、女の子の私が、頑張るしかないと思って……」
悲壮が言葉に絡みつき、嗚咽となって少女の小さな口から零れていく。
「なーあーリベリベー、もう一つお願い聞いて欲しいにゃーん?」
「経費は落ちないって言ったけどな、なんだ?」
「このゲロッゲロにガッツのある未来のスーパーガールは、進んで商品になったらしい。もう同じ事になンねェよう、あんたの『手元』で『監視』しとくってメロディは、どうだい?」
「あぁ、もし、よければ僕も身寄りに名乗り出よう。花の世話をしたり、土を弄くったり……僕みたいな老いぼれには少し重労働でね、もし良かったら協力してほしいんだけど……どうかな?」
「……今回は、一度師団で保護しよう。今後もし彼女が望むなら、その時は幸雪を頼らせてもらう」
「うん、それでいい」
引き取りの申し出をした幸雪が頷き、ヴァ―チルが抵抗しない医者を椅子から立たせて連行しようとする。
「いやー、何とか抑えることが出来てよかったでやすよ」
「随分と夜を駆け回ったそうだな。今回の仕事は役得だったか?」
「……彼女は僕だ。だから、僕にはさせたくないんだよ」
リベルトが前をゆくウォルターの顔を見ようとした刹那、
さぁさ、帰りやしょ。とけろっとした顔で振り向いて彼は先を歩いていった。
◆
「スラム出身の若者が、年若い兄弟を喰わせる為に穴熊に入った。
彼は頭がよかった。だから、穴熊は第九師団への援助のひとつとして、うちの病院に医者として彼を派遣した。
だが穴熊だって若造にそうぽんぽん大盤振る舞いはしない。その足しになるようにと、少女の強い思いもあってこの病院を使って、
兄弟から高値になりそうな幼い子供を『入院』と称して預かり独自のツテで売ろうとした。別に春じゃなくても体は売れるしね」
「……ユウ」
「ゴメンゴメン。で、『穴熊』とはいえそのうちの一人が勝手にやったこと……これが事件の顛末なんだね」
「そうだ。トップが心変わりしたなら、『俺達』の方で『制裁』が必要かとも思ったが」
「リベルト。僕達は救援部隊なのに……こういう悲しい事件がこの街では起きる……力不足を痛感させられるね」
「いつか、なんて言い訳はしたくねーけど、それでも俺は続ける。お前についてな。俺みてぇに汚れきらないうちに、あの子のように救ってみせる」
期待してるよ、と優しいユウの声を聴きながら、リベルトは気色の悪い光で彩られた街を見て窓から唾を吐き捨てた。
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叶える街にて【相談卓】 エアルドフリス(ka1856) 人間(クリムゾンウェスト)|30才|男性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2014/11/28 18:36:57 |
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クヴァール師団長に質問 エアルドフリス(ka1856) 人間(クリムゾンウェスト)|30才|男性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2014/11/28 01:57:23 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/11/24 15:25:34 |