ゲスト
(ka0000)
極大トカゲ雑魔の下山
マスター:なちゅい

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/12/18 19:00
- 完成日
- 2017/12/23 08:48
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
グラズヘイム王国。
クリムゾンウェストの半島尖端に位置する国家。王都イルダーナを中心とした千年王国なる名を冠する大国だ。
王国は北西にある北萩の島「イスルダ島」を歪虚から奪還すべく、王国は騎士団を中心に戦力を送り込んでいた。
多くの犠牲を伴い、この度ようやくその奪還に成功した状況ではあるが……、騎士達はかなり疲弊しており、未だに、王国内の中で発生している歪虚、雑魔に対処できないことも多々ある。
国土の大半が平野となだらかな丘陵からなるグラズヘイムにおいて、王国北東部は珍しい山岳地帯である。
その中のとある山に歪虚が住み着き、麓にまで雑魔が勢力を伸ばしてきていた。
現在、山には、大中小のトカゲ雑魔が住み着いている。
山の王都側、南方面の麓にある集落を拠点として、3人のエルフがハンターと共にトカゲ雑魔と小競り合いを行っている。すでにこの地の集落民は古都アークエルスにまで避難しており、この地はちょっとした前線基地の様相を見せ始めている。
先日、裏手にある湖畔の集落まで、ハンター達に調査を依頼した。
山から麓側へと勢力を伸ばそうとする敵をハンター達は牽制しつつ、集落を守ってくれたが、現状、集落民が避難した様子はない。頑なに自分達の居場所を守ろうとしているようだ。
「彼らの為にも、できる限り早く歪虚を倒さねばならないが……」
エルフのリーダー、猟撃士のアルウェスが前方を見つつ、弓の手入れを行う。
現状は麓に降りて来るトカゲ雑魔を討伐、もしくは追い返すのを繰り返し、なんとか集落の防壁を築きつつ……。そういった日々を彼らは過ごす。
ハンター達もいつも詰めてくれるわけではないこと、現状は各地の対応に手一杯の王都の騎士達もすぐにはこちらに兵を回すことができないことなどもあり、エルフ達は常に神経を尖らせている。気の休まる暇もほとんどないのが現状だ。
「おい!」
そこで、山へと偵察に向かっていた同じ猟撃士のルイスがその場に戻ってくる。この場にいた魔術師のドミニクが小さく身を震わせていた。
「奴ら来るぞ。ついにでかいのを従えて降りてきた」
アルウェスは思い出す。
普段、彼らが相手にしているのは、2mサイズと倍の大きさの4mサイズ。後者が大と定めていたものの、実は6mサイズの極大サイズがいたということ。それは先日の調査報告に上がっており、彼らも双眼鏡などで目にしていた。
さすがに、そのサイズであれば、生身よりはユニットの助けを借りたいところ。だが、彼らには生憎と幻獣や大型兵器の力を借りたいところだ。そうなると、ハンターズソサエティに助力を請う必要がある。
「私が行きましょう」
「分かった、頼む」
それならばと、ドミニクがハンターズソサエティ依頼に向かう。アルウェスは頷きつつ、ルイスと共に雑魔の迎撃に向かうのだった。
グラズヘイム王国。
クリムゾンウェストの半島尖端に位置する国家。王都イルダーナを中心とした千年王国なる名を冠する大国だ。
王国は北西にある北萩の島「イスルダ島」を歪虚から奪還すべく、王国は騎士団を中心に戦力を送り込んでいた。
多くの犠牲を伴い、この度ようやくその奪還に成功した状況ではあるが……、騎士達はかなり疲弊しており、未だに、王国内の中で発生している歪虚、雑魔に対処できないことも多々ある。
国土の大半が平野となだらかな丘陵からなるグラズヘイムにおいて、王国北東部は珍しい山岳地帯である。
その中のとある山に歪虚が住み着き、麓にまで雑魔が勢力を伸ばしてきていた。
現在、山には、大中小のトカゲ雑魔が住み着いている。
山の王都側、南方面の麓にある集落を拠点として、3人のエルフがハンターと共にトカゲ雑魔と小競り合いを行っている。すでにこの地の集落民は古都アークエルスにまで避難しており、この地はちょっとした前線基地の様相を見せ始めている。
先日、裏手にある湖畔の集落まで、ハンター達に調査を依頼した。
山から麓側へと勢力を伸ばそうとする敵をハンター達は牽制しつつ、集落を守ってくれたが、現状、集落民が避難した様子はない。頑なに自分達の居場所を守ろうとしているようだ。
「彼らの為にも、できる限り早く歪虚を倒さねばならないが……」
エルフのリーダー、猟撃士のアルウェスが前方を見つつ、弓の手入れを行う。
現状は麓に降りて来るトカゲ雑魔を討伐、もしくは追い返すのを繰り返し、なんとか集落の防壁を築きつつ……。そういった日々を彼らは過ごす。
ハンター達もいつも詰めてくれるわけではないこと、現状は各地の対応に手一杯の王都の騎士達もすぐにはこちらに兵を回すことができないことなどもあり、エルフ達は常に神経を尖らせている。気の休まる暇もほとんどないのが現状だ。
「おい!」
そこで、山へと偵察に向かっていた同じ猟撃士のルイスがその場に戻ってくる。この場にいた魔術師のドミニクが小さく身を震わせていた。
「奴ら来るぞ。ついにでかいのを従えて降りてきた」
アルウェスは思い出す。
普段、彼らが相手にしているのは、2mサイズと倍の大きさの4mサイズ。後者が大と定めていたものの、実は6mサイズの極大サイズがいたということ。それは先日の調査報告に上がっており、彼らも双眼鏡などで目にしていた。
さすがに、そのサイズであれば、生身よりはユニットの助けを借りたいところ。だが、彼らには生憎と幻獣や大型兵器の力を借りたいところだ。そうなると、ハンターズソサエティに助力を請う必要がある。
「私が行きましょう」
「分かった、頼む」
それならばと、ドミニクがハンターズソサエティ依頼に向かう。アルウェスは頷きつつ、ルイスと共に雑魔の迎撃に向かうのだった。
リプレイ本文
●
グラズヘイム王国北東、山岳地帯。
そこにある一つの山の手前の集落へと、ハンターの一団が向かう。
「もう2か月近く経つのかしら?」
再度、この地を訪れたレオナ(ka6158)。歪虚との小さな前線基地となったその地を仰ぎ見る。
「よく来てくれた。歓迎する」
やや疲れた表情で、アルウェスら3人のエルフ達が出迎えてくれた。
「アルウェス、ルイス、ドミニクよろしくなのっ♪」
そこでは、オッドアイの華奢な少女……いや、男の娘の白樺(ka4596)が握手を交わす。
それに応じた彼らがやややつれた様にも見えたレオナは、体調を気遣って。
「私たちが来た時だけでも休めたら良いのだけど、オフィスに交代要員でも頼んでみます?」
「いや、そういうわけにもいかぬ」
アルウェスは申し出をありがたいとしながらも、アークエルスまで避難した集落民の為にもこの地を解放してやりたいと告げた。
「はやてにおまかせですの!」
「雑魔め、また巨大化して出てきやがって! 一体残らず叩っ斬ってやる!!」
意気揚々と語る八劒 颯(ka1804)は魔導アーマー量産型の「Gustav」に乗っての参戦。そして、南護 炎(ka6651) もR7エクスシア「FLAME OF MIND」を駆り、依頼に当たる。
「ルンルン忍法とニンタンク『大輪牡丹』ちゃんの力を駆使して、山から集落に迫り来る巨大トカゲ雑魔軍団をみんな纏めてやっつけちゃいます!」
ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)は、長距離用の武装が目を引く砲戦用の刻令ゴーレム「Volcanius」を連れて来ていた。
そのルンルンを含め、今回、トカゲ雑魔と初交戦という者も少なくない。
実戦経験のあるレオナが、過去に大小トカゲと交戦した際の敵の特徴、能力、注意などをできる限り皆に伝達していたようだ。
「ああ、情報屋の姉御から真殿に言伝じゃ」
そこで、小柄な少年のディヤー・A・バトロス(ka5743)が鞍馬 真(ka5819) を見上げて呼びかける。
「『また前衛張るつもりでしょ? 無理だと思わないけど無茶しないで』とのことじゃ」
自分の場合は「アンタには無理」とバッサリ斬られてしまったとディヤーは自虐するも、姉御はよーわかっておるなと得心して。
「臆病ゆえ援護しかできぬが、頼むぞ」
「ああ、よろしく頼む」
真は言葉を返し、イェジドのレグルスへと騎乗するのだった。
●
ハンター達は山を降りてきているトカゲ雑魔に対する為、集落を出る。
集落手前に築かれた防壁。これがエルフ達にとっての最終防衛戦。これと集落を破壊されぬよう、雑魔達を倒すのがハンター達の任務だ。
「Fannan」……そよ風を意味する名を持つワイバーンに騎乗したレオナ。山を見回したいところだが、生憎と飛行するには5分という時間制限がある。
この為、できる限り山に近づいてから、彼女は「Fannan」で飛翔していく。
山頂まで偵察を考えたのだが……。5体いる大小のトカゲ雑魔どもが極大サイズを後ろに従え、ゆっくり移動しているのがわかった。
「大小は素早く動けるはず」
集落の危険を察し、彼女は調査を打ち切って仲間の元へと戻っていく。
レオナが戻ってくるのを、ディヤーはR7エクスシア「ジャウハラ」のコクピットから確認した。
前回この近辺に訪れたメンバーが見たと言う上空の影。それを気にかけていた彼は敵の接近を警戒していたのだ。
とはいえ、今は前方から攻め来るトカゲ雑魔達の対処が優先。
「ダウロキヤを除き、弾に限りがある。上手く使わねば」
敵影を確認したディヤーはそれらが迫ってくる前に、あれこれと戦略を組み立てる。
「突刺したドリルからの電撃で、無防備な敵体内を直接焼いてやりましょう」
むき出しのコクピットに座る颯もまた、臨戦態勢に入る。
彼女の言うドリルは、「Gustav」が担ぐ巨大なアーマードリル「轟旋」。これでトカゲどもを殲滅するのだ。
「あんな大きい奴を、集落に向かわせる訳には行かないな」
「あんな大きいのが集落に雪崩れ込んだら大変だもの……。怪獣退治も正義のニンジャにお任せです!
肉眼で極大トカゲを確認した真が声を上げると、こちらも双眼鏡で敵を捕捉したルンルンが後方から叫ぶ。
「ニンタンクちゃんの砲身も中距離用に取り替えたし、これである程度近づかれても安心です」
トカゲどもはどんどん近づいてくる。すでに、敵はニンタンク『大輪牡丹』の射程内。ここでできる限り、敵の進行を食い止めたいところだ。
「おっきぃトカゲさん! ブルーの絵本で見た怪獣さんみたいなの!!」
こちらは、集落よりに陣取る後方メンバー達。向かい来る敵に白樺は目をキラキラと輝かせる。
その近くにいたエルフ達のそばに、偵察へと出ていたレオナが降り立ち、仲間達へと呼びかける。
「下手に分散されると、防壁の横から集落を襲われませんから、このまま迎え撃ちましょう」
街の一方のみに築かれた防壁は、大と同じ程度の高さまで積まれている。
下手に散開すれば、バラけた敵が防壁の脇から集落に向かうかもしれない。レオナはそう考えたのだ。
「トカゲへの銃撃をお願い」
レオナがさらに呼びかけると、応じたFannanは単騎で舞い上がっていく。彼女はこの場で仲間と共に敵の侵攻を食い止める様子だ。
「さて、前回よりも大きい個体が居るようですが」
一方で、ヴァルナ=エリゴス(ka2651)は、蒼穹を思わせる色の鱗を持つワイバーンのシエルと共に、集落の防衛に当たる様子だ。
「あんなものに集落を襲わせる訳にはいきません。ここで討ちますよ、シエル」
ヴァルナの呼びかけに、シエルは大きく嘶いて見せた。
「町を壊しちゃう悪い子は正義のヒーローがやっつけちゃうのっ♪」
びっと相手を指差した白樺がウインクし、ポーズを決める。
「ツユ君、シロと一緒にがんばるのっ♪」
ぐっと両手を握る白樺のそばには、白と銀灰色の毛並みをしたユキウサギの露草がおり、こちらも臨戦態勢である。
その時、大小のトカゲがにじりよってくるスピードが速くなった。覚醒するハンター達もまた、応戦を開始していくのだった。
●
仲間達が攻撃に出る直前、ルンルンは敵の状況を双眼鏡で覗き込みつつ、ニンタンク『大輪牡丹』へと指示を飛ばす。
「ニンタンクちゃん、簡単に前に出てこれないよう思いっきり撃ち込んじゃってください! たまやー」
主であるルンルンの言葉に応じ、動き出すニンタンク。
ある程度の長距離射程でないと使えないが、今なら絶好のチャンスとルンルンは斜め上空に向けて炸裂弾を発射する。
勢いよく飛ぶマテリアルの弾丸は敵の付近に着弾し、霰玉を撒き散らす。
その威力はかなりのものだが、雑魔達を一撃で吹き飛ばすとは行かない。巻き起こる土埃の中、なおも敵は素早く近寄ってきた。
ディヤーもジャウハラに装備させた魔銃「ダウロキヤ」の引き金を引き、相手を牽制する。
飛来したFannanも、極大トカゲへと炎を吐きかけていく。すでに大小トカゲは加速を始めて逃れていたが、そいつの身体を爆発が襲う。
爆風に煽られる極大トカゲ。その抑えに向かうメンバーの前に、大小トカゲがすでに目前にまで迫る。
「行くぞ。みんな!!」
向かい来る敵を見据えた炎もその1人。
炎は機体背部のマジックエンハンサーを展開してマテリアルを高めてから、試作波動銃「アマテラス」を発射して極大をビームで撃ち貫く。
ただ、大小トカゲ雑魔の接近を受け、炎は一旦近接攻撃に切り替える。
操縦するジャウハラの機動性を上昇させたディヤーはできる限り敵の歩みに足並みを合わせ、試作錬機剣「NOWBLADE」で小トカゲ2体を薙ぎ払う。
「ここは請け負った! ゆけい!」
呼びかけに応じた真がそこで、騎乗するレグルスに前方へと駆け出させる。
(……目の前で誰かが傷付いたり、何かが壊されるのは嫌だ)
そう考える真は、だからこそ、集落に向かう敵を止める為に多少の無茶だってする。極大トカゲだって、例え1人であっても止めてみせると気合を入れて。
「……足止めが目的だけど、別に倒してしまっても構わないよな?」
仲間に一言言い残し、真はレグルスで颯爽と駆けていく。
大小トカゲとすれ違いざまに、彼は手にした魔導剣「カオスウィース」と試作振動刀「オートMURAMASA」で大トカゲへと斬りかかってから敵陣を抜け、爆発に耐えた後方の極大トカゲを目指す。
「俺は南護炎、歪虚を断つ剣なり!」
近づいてくるトカゲへ、炎も「獄門刀」を抜刀して切りかかった。
スキルトレースもあり、「FLAME OF MIND」は滑らかな動きでトカゲどもに斬撃を浴びせる。
「歪虚め、一匹残らず叩き切ってやる」
炎も極大トカゲを抑えるべきと判断したのか、大小雑魔を相手にしながら、徐々に近づく極大雑魔に視線をやっていたようだ。
集落へと侵攻する大小のトカゲ雑魔に相対するメンバー達、あるいはその機体。「Gustav」に乗る颯は自身のマテリアルを彼らへと流し込み、強化を施していく。
さすがに今回は数も多く颯の負担も大きくなってしまうが、そうも言ってはいられない。少しでも状況を有利にせねばならないのだ。
「集落を壊される訳にはいきません」
体内のマテリアルを燃え上がらせたヴァルナは、炎のようなオーラを纏う。
それによって、うまくトカゲ雑魔どもの注意を引いた彼女は、ワイバーンのシエルによる急降下攻撃で奇襲を図る。
何せ、今回は敵に集落へ至らぬよう抑えねばならない。集落を破壊されてしまうと、小規模とはいえ前線基地を失うこととなるのだ。
そうなれば、この後の雑魔達との戦いが苦しくなるだけでなく、南西にある古都アークエルスにまで被害が及ぶ危険性すら出て来てしまう。それだけは避けたい。
「小トカゲを一体ずつ、確実に仕留めてって欲しいの」
「分かった」
白樺はそうエルフ達に願うと、アルウェスが頷く。他2人もこの場は歴戦のハンター達の判断に任せるようで、自身は向かい来る小トカゲの相手に回る。
小トカゲとはいえ、自分達よりも一回り大きな相手。油断すれば、大怪我どころではすまない。
「無理はしないで、お怪我したらシロを呼んでね?」
傷つくならば、聖導士の白樺が全力で回復に当たるが、仲間の傷が少ない序盤は彼女、もとい、彼も攻撃に出る。
「えっへへっ♪ 悪い子さんはシロがオシオキしてあげちゃうのっ☆」
伸びてくる舌をシールド「セラフィム・テフィラ」で防いだ白樺は、星剣「アルマス・ノヴァ」でその舌を断ち切ろうとする。
そばの露草も、可愛らしく跳躍しながら攻撃を行う。
白樺も小柄だが、ユキウサギは彼の半分ほどの体躯しかない。
しかしながら、その見た目に反してパワーファイターだ。主人を襲うトカゲ目掛けて露草は刀「鶴丸」で切りかかり、しっかりと痛打を与えてくれていた。
「ジュゲームリリカルクルクルマジカル……ルンルン忍法土蜘蛛の術! カードを場に伏せて、ターンエンドです」
ルンルンはトカゲ雑魔の侵攻経路を予測し、不可視の結界を展開する。これで固まってかかってくれれば儲けものだ。
戦いが始まる中、レオナは改めて集落防壁を見つめる。
小トカゲくらいなら多少は防げるだろうが、同じ程度の体躯をした大トカゲだと、それほどもたないと思うべきだろう。
レオナはその防壁に対し、守護の力を持った符を貼り付ける。
続いて、彼女は符を地面に張って陣を敷く。これで、しばらく周囲の仲間達やエルフ達の守りを高めてくれるはずだ。
レオナのワイバーン、Fannanは集落の守りの為こちらに戻ってきており、大小雑魔目掛けて獣機銃「テメリダーV3」の弾丸を発射してくれている。
後は戦線を持たせながら、トカゲ雑魔を撃破していきたいところ。一行はこの場を死守すべく、戦場を立ち回っていく。
●
炎、真はゆっくりやってきている極大を迎え撃つ。
再び、炎はアマテラスの銃弾を使い、敵にダメージを与えていたが、真がその射線を切らずに相手に向かっていく。
敵に近づく間に、彼は静かに歌って自らのマテリアルを高め、それを両手の武器にも伝達し、接敵してカオスウィースを振り下ろす。
見舞った渾身の一撃は、真自身にヘイトを稼ぐには十分。極大トカゲは炎を真とレグルスに吐きかけてくる。
現状、歩みを止めてこちらに対している極大トカゲだが、また集落に動き出すと厄介だ。
真は積極的に攻撃を仕掛けて、敵が歩き出さぬようにと気を引く。足止めなどとは言わず、彼は率先して攻撃を仕掛ける。
(例え1人でも、極大トカゲを押し切る)
その気概を持ち、彼は全力を尽くす。
さらに、極大と戦う2人を遊撃に当たっていた颯が援護する。
「このはやて、伊達や酔狂で四脚アーマーに乗り続けている訳ではないのですよ」
徐々に集落へと動いていた極大トカゲへと颯もドリルを突き入れてはいたが、やはり、気になるのは集落に向かう大小トカゲだ。
颯はそちらにも向かってドリルを叩き込む。高い移動力こそが魔導アーマーの長所。これを活かして颯は仲間の援護を行う。
また、ディヤーもスキルを最大限に使いこなし、仲間を支援する。まずは自分の周囲広範囲にイニシャライズフィールドを展開していた。
まれに、極大トカゲは真や炎を睨みつけ、石にしようとしてくるという。ディヤーはその対策に当たっていたのだ。
その上で、ディヤーは群がる大小のトカゲどもからの舌や尻尾の攻撃をできるだけ回避するが、同時にマテリアルによるバリアやカーテンを展開させ、複数雑魔を相手にしてみせる。
「自身の臆病など、誰かの勇を見れば忘れるわ」
前線で極大雑魔と戦う2人。そして、戦力乏しい状況で戦うエルフ達。もちろん、この場の仲間達もまた、死力を尽くして雑魔と対している。
ディヤーは錬機剣で小トカゲを切りつけ、ついにその身体を両断した。
大小の雑魔どもに立ち向かうハンター達。
だが、思った以上にしぶといトカゲどもはなおも突撃し、長い舌を伸ばしてくる。あっという間に距離を詰めて繰り出される攻撃は脅威だ。
しかしながら、敵は思わぬものに足を止めることとなる。泥状に固まった足元……それは、ルンルンの張った地縛符だ。
「ルンルン忍法火炎封鎖作戦! そしてここで、トラップカード発動です」
彼女の結界は見事に機能し、小トカゲ2体と大トカゲ1体を縛りつけたのだ。
また、逃れた大トカゲ1体はヴァルナが気を引いてくれており、メンバー達とエルフ達は縛りつけられた敵に攻撃を集中させていた。
「冬の備えに食らうがよいわ!」
ディヤーはプラズマボム「ネブリーナ」を投げつけ、ルンルンの符で動けぬトカゲどもの周囲を爆発させていた。
「今だ!」
足を封じられた敵へはエルフ達が攻撃を行い、殲滅に当たる。
レオナもまた複数の符をトカゲ雑魔達の周囲に飛ばし、張り巡らした結界内を光で包むことで敵を焼き払わんとする。
もちろん、陣を張ったルンルンもまた、ニンタンクに火炎弾を発射させて攻撃を行う。
燃え広がる炎が町に近づくことを懸念したレオナは、手投げ弾「Iron mango」を爆発させ、鎮火を試みる。
飛翔するFannanも、トカゲ雑魔どもへと獣機銃を撃ち込み続けていく。
だが、しぶとく敵は舌を伸ばし、あるいは尻尾を振り回して応戦を続けてきていた。
「あぁん、こんなの汚いの~! 気持ち悪いの~!」
白樺はなんとか伸びてくる舌を盾で防ぎ、そのまま相手に向かって剣を振り下ろす。
そして、露草もまたくるりと横に回転し、遠心力を乗せた強烈な一撃を「鶴丸」で浴びせかけ、小トカゲの体を断ち切る。
「ツユ君かっこい~っ♪ 王子様みたいなのっ♪」
義理堅い彼の援護に、傷つくエルフ達の手当てに転じた白樺は感激していたようだ。
「集落にいかせるわけにはいきませんからね」
位置取りも確認しながら、ヴァルナは鎧受けでうまく敵の尻尾をいなす。
彼女が大トカゲ1体を抑える脇から、ルンルンの地縛符から逃れた大1体と小1体がなりふり構わず集落へと走り始める。
そこは再び、ルンルンが敵の足止めに動いて。
「ルンルン忍法畳返し……。更にルンルン忍法ニンジャ力バリアー」
彼女はそこで、『通行止め』と描かれた土壁を現して敵の行く手を遮る。
また、ニンタンクの足元から美しい光を発して防御を高めて、こちらも壁として立ちはだからせていた。
敵の侵攻を阻止すべく颯が飛び込み、動きを鈍らせていた小トカゲを狙い撃つ。
巨大ドリルの威力はまさに一撃必殺。その身体を見事に粉砕して見せた。
そして、大トカゲはルンルンの築いた土壁を食らい付いて破壊し、さらに前方に駆け出す。全身が傷ついてきていたこともあり、そいつは無我夢中で走る。
「こちらに来ます」
集落の防壁付近にいたレオナが通信機で大トカゲの襲来を伝える。彼女は符を投げ飛ばして雷を落として阻止に当たっていく。
呼びかけに応じたエルフ達が弓矢や氷の矢を飛ばし、そいつの体を射抜いて追いつめる。
数で勝るハンター達。大トカゲは尻尾で薙ぎ払おうとするが、ディヤーがしっかりとそれを受け止めて。
「防衛には数、機動で勝れば負けぬ」
ディヤーが再びプラズマボムを投げ飛ばし、爆風で大トカゲの表皮を焼き払う。
そいつは完全に目から光を失い、爆ぜ飛ぶように消えたのである。
敵を抑え続けているヴァルナ。
迅速な殲滅を求められ、相手の巨躯を剣で受けるにはむかないと判断した彼女は、ワイバーンのシエルに騎乗のまま戦う。
シエルに回避、防御を任せてはいたが、結果的に彼女は大トカゲ1体を単騎で抑える状況となっており、自らも敵の攻撃を受けてダメージを重ねてしまっていた。
「ファイアブレスを使います」
ヴァルナは仲間を巻き添えにしないようにと気遣いながら、シエルの火炎で雑魔を焼き払おうとする。
他の雑魔を引きつけ、撃破した仲間達のお陰で彼女は敵に包囲されることなく、大トカゲ1体のみを牽制し続けていた。
相手を抑えるのも長くは持たない。ヴァルナがそう感じ始めていた頃、その手前にディヤーが飛び込み、大トカゲによるのしかかりを受け止めた。
他の大小雑魔を倒したメンバーが駆けつけてきたことで、彼女もホッと一息つく。
「いっぱいお怪我しちゃったね……。痛いの痛いの飛んでけ~! なのっ!」
精霊に祈りを捧げた白樺が彼女とシエルを治癒の光で包む。力を取り戻したヴァルナは仲間の援護攻撃を受け、急加速して突撃していく。
「終わりです」
風を纏うシエルの獣刃「アイレイール」。切り裂かれた大トカゲは叫びを上げながら、消え去っていった。
「次の支援に回るぞ!」
大小のトカゲ雑魔を全て倒したのを確認したディヤーが呼びかけると、一行は極大を相手にするメンバーの元へと向かうのである。
●
ハンター達は幻獣や大型兵器を力を借りて雑魔の数を減らしていたが、極大相手だとなかなかそういうわけにも行かない。
極大トカゲが吐きかけてくる炎の吐息。それを、ハンター炎が大壁盾「庇護者の光翼」で受け止める。
幾度目かの攻撃で、「FLAME OF MIND」の各部位も破損で出していたが、炎はこれしきでは諦めない。
「死にフラグは折るためにある!」
炎はスキルトレースで「FLAME OF MIND」を操縦し、己の肉体でたたかうのと同様に呼吸を整え、機体の全身にマテリアルを充満させてから獄門刀で切りかかる。
駆る真も疲弊は激しくなって来ている様子。アイデアルソングを響かせていた彼だったが、運悪くレグルスが敵の視線に射抜かれて左前脚を石と化していたのだ。
ただ、彼は大小雑魔を倒した仲間を確認しており、その表情に悲壮感はない。
ここでも、マテリアルカーテンを展開したディヤーが介入し、大きな口を上げて食らいつくそうとする極大トカゲを押さえつける。
「今のうちに立て直すんじゃ!」
ディヤーの言葉を受け、仲間と連携をとり、真、炎は一旦下がることにする。
その2人の癒しに当たる白樺が彼らの傷を癒し、石となったレグルスの脚も元に戻す。
「治療が必要なら一度後退してね? シロがキュアで治してあげちゃうのっ♪」
彼は極大トカゲの石化睨みを懸念し、極大トカゲに立ち向かう仲間達へと告げる。
誰かに投げられ、地面に当たって割れちゃう前に治すと、彼は小さな拳をぐっと握っていた。
とはいえ、白樺は相棒である露草はこの場を赤い光で覆わせ、極大トカゲの視線……石化にらみを遮断させるなど、対策もしっかりと講じていく。
また、ディヤーが再度イニシャライズフィールドを展開していた。
彼の発する結界は仲間達全員をカバーする。極大の視線もそうだが、大小の舌、のしかかりからもうまくすり抜ける効果が働き、ハンター達へと有利に働く。この戦いの影の功労者といって問題ないだろう。
そのディヤーは、マテリアルの力で飛距離を伸ばした氷の矢を相手にぶつけていく。
氷に右前脚を覆われ、脚を止めた極大トカゲへ、レオナがリボルバー「ガンスリンガー」の引き金をひく。
飛来するFannanはレオナの指示を受け、魔竜牙「エルプシオン」の力を使って威力を高めた竜の吐息を、彼女の弾丸に続いて極大トカゲに浴びせかけていた。
「あれだけの巨体だと、脚か尻尾を断てれば二足歩行は維持出来ないはず……」
すでに、真、炎の2人がかなりの手傷を負わせているはず。
ヴァルナは極大相手には聖罰刃「ターミナー・レイ」を握って対し、彼らが傷つけていた前脚をメインに切りかかっていく。
ただ、ぼやぼやしていれば、食らいつくされる危険がある。
「シエル」
ヴァルナの呼びかけに応じ、シエルはすぐさまその場から離脱を図っていた。
「バラ撒けニンジャ礫! からの……ルンルン忍法三雷神の術!」
こちらもニンタンクと合わせた連撃を行うルンルン。
ニンタンクが近距離戦ようのキャニスター弾を打ち込む直後に、ルンルン自身が符を投げつけて稲妻を落とす。
痺れといえば、颯も魔力による雷を帯びた巨大ドリルを敵へと突き入れていく。
「びりびり電撃どりる!」
腹に突き刺さる一撃。極大トカゲは全身を痺れさせ、動きを止めてしまう。
そのタイミング、猛攻撃を仕掛けたのは炎だ。
「うおおおおおおっ!!」
怒号を上げた炎は二連撃を浴びせ、敵の巨体を傷つける。
巨大に残る大きな斬撃痕。致命傷には違いないが、それでも極大トカゲは倒れない。
ただ、真も敵の背後に迫っていた。彼は2つの刃で敵の体を切りつけ、さらに追加の斬撃で敵の首を大きく掻き切ってしまう。
「終わりだ」
真がそう一言発した直後、極大トカゲは大きな音を立てて地面に果て、徐々にその姿を消していったのだった。
●
トカゲ達を討伐した一行は集落へと戻り、一息つく。
「しばらくはゆっくりできるの」
「そうだな、助かった。恩に着る」
白樺の言葉に、アルウェスらエルフ達が丁寧に頭を下げる。ハンター達はそれぞれ、エルフ達の労っていた様子だ。
「お疲れ様、いつもありがとなのっ♪」
そこに同席していた、ユキウサギの露草に対しても、白樺はにこっと笑顔を浮かべて優しく声をかけると、露草は白樺に頬を寄せていたようだ。
仲間達の無事を確認した真はすぐに、レグルスに乗って周囲の警戒を始めていた。
(一応、かなりの大物を倒したことになるのだろうが、まだ大物がいるかもしれんしな……)
極大サイズのトカゲ雑魔を叩いたことで、相手を十分に牽制できたはずだが、これで終わりとはいかないと真は考える。
(やはり……な)
山を見上げた彼は、斜面の物陰に隠れる影をいくつか発見した。
今のところせめて来る様子はないが、ディヤーが示唆した上空の影の話も気になるところ。
「敵の戦力が分からぬ以上、迂闊に攻め入ることもできないな」
一通り山の状況を確認した真はレグルスを反転させ、集落へと戻っていくのだった。
グラズヘイム王国北東、山岳地帯。
そこにある一つの山の手前の集落へと、ハンターの一団が向かう。
「もう2か月近く経つのかしら?」
再度、この地を訪れたレオナ(ka6158)。歪虚との小さな前線基地となったその地を仰ぎ見る。
「よく来てくれた。歓迎する」
やや疲れた表情で、アルウェスら3人のエルフ達が出迎えてくれた。
「アルウェス、ルイス、ドミニクよろしくなのっ♪」
そこでは、オッドアイの華奢な少女……いや、男の娘の白樺(ka4596)が握手を交わす。
それに応じた彼らがやややつれた様にも見えたレオナは、体調を気遣って。
「私たちが来た時だけでも休めたら良いのだけど、オフィスに交代要員でも頼んでみます?」
「いや、そういうわけにもいかぬ」
アルウェスは申し出をありがたいとしながらも、アークエルスまで避難した集落民の為にもこの地を解放してやりたいと告げた。
「はやてにおまかせですの!」
「雑魔め、また巨大化して出てきやがって! 一体残らず叩っ斬ってやる!!」
意気揚々と語る八劒 颯(ka1804)は魔導アーマー量産型の「Gustav」に乗っての参戦。そして、南護 炎(ka6651) もR7エクスシア「FLAME OF MIND」を駆り、依頼に当たる。
「ルンルン忍法とニンタンク『大輪牡丹』ちゃんの力を駆使して、山から集落に迫り来る巨大トカゲ雑魔軍団をみんな纏めてやっつけちゃいます!」
ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)は、長距離用の武装が目を引く砲戦用の刻令ゴーレム「Volcanius」を連れて来ていた。
そのルンルンを含め、今回、トカゲ雑魔と初交戦という者も少なくない。
実戦経験のあるレオナが、過去に大小トカゲと交戦した際の敵の特徴、能力、注意などをできる限り皆に伝達していたようだ。
「ああ、情報屋の姉御から真殿に言伝じゃ」
そこで、小柄な少年のディヤー・A・バトロス(ka5743)が鞍馬 真(ka5819) を見上げて呼びかける。
「『また前衛張るつもりでしょ? 無理だと思わないけど無茶しないで』とのことじゃ」
自分の場合は「アンタには無理」とバッサリ斬られてしまったとディヤーは自虐するも、姉御はよーわかっておるなと得心して。
「臆病ゆえ援護しかできぬが、頼むぞ」
「ああ、よろしく頼む」
真は言葉を返し、イェジドのレグルスへと騎乗するのだった。
●
ハンター達は山を降りてきているトカゲ雑魔に対する為、集落を出る。
集落手前に築かれた防壁。これがエルフ達にとっての最終防衛戦。これと集落を破壊されぬよう、雑魔達を倒すのがハンター達の任務だ。
「Fannan」……そよ風を意味する名を持つワイバーンに騎乗したレオナ。山を見回したいところだが、生憎と飛行するには5分という時間制限がある。
この為、できる限り山に近づいてから、彼女は「Fannan」で飛翔していく。
山頂まで偵察を考えたのだが……。5体いる大小のトカゲ雑魔どもが極大サイズを後ろに従え、ゆっくり移動しているのがわかった。
「大小は素早く動けるはず」
集落の危険を察し、彼女は調査を打ち切って仲間の元へと戻っていく。
レオナが戻ってくるのを、ディヤーはR7エクスシア「ジャウハラ」のコクピットから確認した。
前回この近辺に訪れたメンバーが見たと言う上空の影。それを気にかけていた彼は敵の接近を警戒していたのだ。
とはいえ、今は前方から攻め来るトカゲ雑魔達の対処が優先。
「ダウロキヤを除き、弾に限りがある。上手く使わねば」
敵影を確認したディヤーはそれらが迫ってくる前に、あれこれと戦略を組み立てる。
「突刺したドリルからの電撃で、無防備な敵体内を直接焼いてやりましょう」
むき出しのコクピットに座る颯もまた、臨戦態勢に入る。
彼女の言うドリルは、「Gustav」が担ぐ巨大なアーマードリル「轟旋」。これでトカゲどもを殲滅するのだ。
「あんな大きい奴を、集落に向かわせる訳には行かないな」
「あんな大きいのが集落に雪崩れ込んだら大変だもの……。怪獣退治も正義のニンジャにお任せです!
肉眼で極大トカゲを確認した真が声を上げると、こちらも双眼鏡で敵を捕捉したルンルンが後方から叫ぶ。
「ニンタンクちゃんの砲身も中距離用に取り替えたし、これである程度近づかれても安心です」
トカゲどもはどんどん近づいてくる。すでに、敵はニンタンク『大輪牡丹』の射程内。ここでできる限り、敵の進行を食い止めたいところだ。
「おっきぃトカゲさん! ブルーの絵本で見た怪獣さんみたいなの!!」
こちらは、集落よりに陣取る後方メンバー達。向かい来る敵に白樺は目をキラキラと輝かせる。
その近くにいたエルフ達のそばに、偵察へと出ていたレオナが降り立ち、仲間達へと呼びかける。
「下手に分散されると、防壁の横から集落を襲われませんから、このまま迎え撃ちましょう」
街の一方のみに築かれた防壁は、大と同じ程度の高さまで積まれている。
下手に散開すれば、バラけた敵が防壁の脇から集落に向かうかもしれない。レオナはそう考えたのだ。
「トカゲへの銃撃をお願い」
レオナがさらに呼びかけると、応じたFannanは単騎で舞い上がっていく。彼女はこの場で仲間と共に敵の侵攻を食い止める様子だ。
「さて、前回よりも大きい個体が居るようですが」
一方で、ヴァルナ=エリゴス(ka2651)は、蒼穹を思わせる色の鱗を持つワイバーンのシエルと共に、集落の防衛に当たる様子だ。
「あんなものに集落を襲わせる訳にはいきません。ここで討ちますよ、シエル」
ヴァルナの呼びかけに、シエルは大きく嘶いて見せた。
「町を壊しちゃう悪い子は正義のヒーローがやっつけちゃうのっ♪」
びっと相手を指差した白樺がウインクし、ポーズを決める。
「ツユ君、シロと一緒にがんばるのっ♪」
ぐっと両手を握る白樺のそばには、白と銀灰色の毛並みをしたユキウサギの露草がおり、こちらも臨戦態勢である。
その時、大小のトカゲがにじりよってくるスピードが速くなった。覚醒するハンター達もまた、応戦を開始していくのだった。
●
仲間達が攻撃に出る直前、ルンルンは敵の状況を双眼鏡で覗き込みつつ、ニンタンク『大輪牡丹』へと指示を飛ばす。
「ニンタンクちゃん、簡単に前に出てこれないよう思いっきり撃ち込んじゃってください! たまやー」
主であるルンルンの言葉に応じ、動き出すニンタンク。
ある程度の長距離射程でないと使えないが、今なら絶好のチャンスとルンルンは斜め上空に向けて炸裂弾を発射する。
勢いよく飛ぶマテリアルの弾丸は敵の付近に着弾し、霰玉を撒き散らす。
その威力はかなりのものだが、雑魔達を一撃で吹き飛ばすとは行かない。巻き起こる土埃の中、なおも敵は素早く近寄ってきた。
ディヤーもジャウハラに装備させた魔銃「ダウロキヤ」の引き金を引き、相手を牽制する。
飛来したFannanも、極大トカゲへと炎を吐きかけていく。すでに大小トカゲは加速を始めて逃れていたが、そいつの身体を爆発が襲う。
爆風に煽られる極大トカゲ。その抑えに向かうメンバーの前に、大小トカゲがすでに目前にまで迫る。
「行くぞ。みんな!!」
向かい来る敵を見据えた炎もその1人。
炎は機体背部のマジックエンハンサーを展開してマテリアルを高めてから、試作波動銃「アマテラス」を発射して極大をビームで撃ち貫く。
ただ、大小トカゲ雑魔の接近を受け、炎は一旦近接攻撃に切り替える。
操縦するジャウハラの機動性を上昇させたディヤーはできる限り敵の歩みに足並みを合わせ、試作錬機剣「NOWBLADE」で小トカゲ2体を薙ぎ払う。
「ここは請け負った! ゆけい!」
呼びかけに応じた真がそこで、騎乗するレグルスに前方へと駆け出させる。
(……目の前で誰かが傷付いたり、何かが壊されるのは嫌だ)
そう考える真は、だからこそ、集落に向かう敵を止める為に多少の無茶だってする。極大トカゲだって、例え1人であっても止めてみせると気合を入れて。
「……足止めが目的だけど、別に倒してしまっても構わないよな?」
仲間に一言言い残し、真はレグルスで颯爽と駆けていく。
大小トカゲとすれ違いざまに、彼は手にした魔導剣「カオスウィース」と試作振動刀「オートMURAMASA」で大トカゲへと斬りかかってから敵陣を抜け、爆発に耐えた後方の極大トカゲを目指す。
「俺は南護炎、歪虚を断つ剣なり!」
近づいてくるトカゲへ、炎も「獄門刀」を抜刀して切りかかった。
スキルトレースもあり、「FLAME OF MIND」は滑らかな動きでトカゲどもに斬撃を浴びせる。
「歪虚め、一匹残らず叩き切ってやる」
炎も極大トカゲを抑えるべきと判断したのか、大小雑魔を相手にしながら、徐々に近づく極大雑魔に視線をやっていたようだ。
集落へと侵攻する大小のトカゲ雑魔に相対するメンバー達、あるいはその機体。「Gustav」に乗る颯は自身のマテリアルを彼らへと流し込み、強化を施していく。
さすがに今回は数も多く颯の負担も大きくなってしまうが、そうも言ってはいられない。少しでも状況を有利にせねばならないのだ。
「集落を壊される訳にはいきません」
体内のマテリアルを燃え上がらせたヴァルナは、炎のようなオーラを纏う。
それによって、うまくトカゲ雑魔どもの注意を引いた彼女は、ワイバーンのシエルによる急降下攻撃で奇襲を図る。
何せ、今回は敵に集落へ至らぬよう抑えねばならない。集落を破壊されてしまうと、小規模とはいえ前線基地を失うこととなるのだ。
そうなれば、この後の雑魔達との戦いが苦しくなるだけでなく、南西にある古都アークエルスにまで被害が及ぶ危険性すら出て来てしまう。それだけは避けたい。
「小トカゲを一体ずつ、確実に仕留めてって欲しいの」
「分かった」
白樺はそうエルフ達に願うと、アルウェスが頷く。他2人もこの場は歴戦のハンター達の判断に任せるようで、自身は向かい来る小トカゲの相手に回る。
小トカゲとはいえ、自分達よりも一回り大きな相手。油断すれば、大怪我どころではすまない。
「無理はしないで、お怪我したらシロを呼んでね?」
傷つくならば、聖導士の白樺が全力で回復に当たるが、仲間の傷が少ない序盤は彼女、もとい、彼も攻撃に出る。
「えっへへっ♪ 悪い子さんはシロがオシオキしてあげちゃうのっ☆」
伸びてくる舌をシールド「セラフィム・テフィラ」で防いだ白樺は、星剣「アルマス・ノヴァ」でその舌を断ち切ろうとする。
そばの露草も、可愛らしく跳躍しながら攻撃を行う。
白樺も小柄だが、ユキウサギは彼の半分ほどの体躯しかない。
しかしながら、その見た目に反してパワーファイターだ。主人を襲うトカゲ目掛けて露草は刀「鶴丸」で切りかかり、しっかりと痛打を与えてくれていた。
「ジュゲームリリカルクルクルマジカル……ルンルン忍法土蜘蛛の術! カードを場に伏せて、ターンエンドです」
ルンルンはトカゲ雑魔の侵攻経路を予測し、不可視の結界を展開する。これで固まってかかってくれれば儲けものだ。
戦いが始まる中、レオナは改めて集落防壁を見つめる。
小トカゲくらいなら多少は防げるだろうが、同じ程度の体躯をした大トカゲだと、それほどもたないと思うべきだろう。
レオナはその防壁に対し、守護の力を持った符を貼り付ける。
続いて、彼女は符を地面に張って陣を敷く。これで、しばらく周囲の仲間達やエルフ達の守りを高めてくれるはずだ。
レオナのワイバーン、Fannanは集落の守りの為こちらに戻ってきており、大小雑魔目掛けて獣機銃「テメリダーV3」の弾丸を発射してくれている。
後は戦線を持たせながら、トカゲ雑魔を撃破していきたいところ。一行はこの場を死守すべく、戦場を立ち回っていく。
●
炎、真はゆっくりやってきている極大を迎え撃つ。
再び、炎はアマテラスの銃弾を使い、敵にダメージを与えていたが、真がその射線を切らずに相手に向かっていく。
敵に近づく間に、彼は静かに歌って自らのマテリアルを高め、それを両手の武器にも伝達し、接敵してカオスウィースを振り下ろす。
見舞った渾身の一撃は、真自身にヘイトを稼ぐには十分。極大トカゲは炎を真とレグルスに吐きかけてくる。
現状、歩みを止めてこちらに対している極大トカゲだが、また集落に動き出すと厄介だ。
真は積極的に攻撃を仕掛けて、敵が歩き出さぬようにと気を引く。足止めなどとは言わず、彼は率先して攻撃を仕掛ける。
(例え1人でも、極大トカゲを押し切る)
その気概を持ち、彼は全力を尽くす。
さらに、極大と戦う2人を遊撃に当たっていた颯が援護する。
「このはやて、伊達や酔狂で四脚アーマーに乗り続けている訳ではないのですよ」
徐々に集落へと動いていた極大トカゲへと颯もドリルを突き入れてはいたが、やはり、気になるのは集落に向かう大小トカゲだ。
颯はそちらにも向かってドリルを叩き込む。高い移動力こそが魔導アーマーの長所。これを活かして颯は仲間の援護を行う。
また、ディヤーもスキルを最大限に使いこなし、仲間を支援する。まずは自分の周囲広範囲にイニシャライズフィールドを展開していた。
まれに、極大トカゲは真や炎を睨みつけ、石にしようとしてくるという。ディヤーはその対策に当たっていたのだ。
その上で、ディヤーは群がる大小のトカゲどもからの舌や尻尾の攻撃をできるだけ回避するが、同時にマテリアルによるバリアやカーテンを展開させ、複数雑魔を相手にしてみせる。
「自身の臆病など、誰かの勇を見れば忘れるわ」
前線で極大雑魔と戦う2人。そして、戦力乏しい状況で戦うエルフ達。もちろん、この場の仲間達もまた、死力を尽くして雑魔と対している。
ディヤーは錬機剣で小トカゲを切りつけ、ついにその身体を両断した。
大小の雑魔どもに立ち向かうハンター達。
だが、思った以上にしぶといトカゲどもはなおも突撃し、長い舌を伸ばしてくる。あっという間に距離を詰めて繰り出される攻撃は脅威だ。
しかしながら、敵は思わぬものに足を止めることとなる。泥状に固まった足元……それは、ルンルンの張った地縛符だ。
「ルンルン忍法火炎封鎖作戦! そしてここで、トラップカード発動です」
彼女の結界は見事に機能し、小トカゲ2体と大トカゲ1体を縛りつけたのだ。
また、逃れた大トカゲ1体はヴァルナが気を引いてくれており、メンバー達とエルフ達は縛りつけられた敵に攻撃を集中させていた。
「冬の備えに食らうがよいわ!」
ディヤーはプラズマボム「ネブリーナ」を投げつけ、ルンルンの符で動けぬトカゲどもの周囲を爆発させていた。
「今だ!」
足を封じられた敵へはエルフ達が攻撃を行い、殲滅に当たる。
レオナもまた複数の符をトカゲ雑魔達の周囲に飛ばし、張り巡らした結界内を光で包むことで敵を焼き払わんとする。
もちろん、陣を張ったルンルンもまた、ニンタンクに火炎弾を発射させて攻撃を行う。
燃え広がる炎が町に近づくことを懸念したレオナは、手投げ弾「Iron mango」を爆発させ、鎮火を試みる。
飛翔するFannanも、トカゲ雑魔どもへと獣機銃を撃ち込み続けていく。
だが、しぶとく敵は舌を伸ばし、あるいは尻尾を振り回して応戦を続けてきていた。
「あぁん、こんなの汚いの~! 気持ち悪いの~!」
白樺はなんとか伸びてくる舌を盾で防ぎ、そのまま相手に向かって剣を振り下ろす。
そして、露草もまたくるりと横に回転し、遠心力を乗せた強烈な一撃を「鶴丸」で浴びせかけ、小トカゲの体を断ち切る。
「ツユ君かっこい~っ♪ 王子様みたいなのっ♪」
義理堅い彼の援護に、傷つくエルフ達の手当てに転じた白樺は感激していたようだ。
「集落にいかせるわけにはいきませんからね」
位置取りも確認しながら、ヴァルナは鎧受けでうまく敵の尻尾をいなす。
彼女が大トカゲ1体を抑える脇から、ルンルンの地縛符から逃れた大1体と小1体がなりふり構わず集落へと走り始める。
そこは再び、ルンルンが敵の足止めに動いて。
「ルンルン忍法畳返し……。更にルンルン忍法ニンジャ力バリアー」
彼女はそこで、『通行止め』と描かれた土壁を現して敵の行く手を遮る。
また、ニンタンクの足元から美しい光を発して防御を高めて、こちらも壁として立ちはだからせていた。
敵の侵攻を阻止すべく颯が飛び込み、動きを鈍らせていた小トカゲを狙い撃つ。
巨大ドリルの威力はまさに一撃必殺。その身体を見事に粉砕して見せた。
そして、大トカゲはルンルンの築いた土壁を食らい付いて破壊し、さらに前方に駆け出す。全身が傷ついてきていたこともあり、そいつは無我夢中で走る。
「こちらに来ます」
集落の防壁付近にいたレオナが通信機で大トカゲの襲来を伝える。彼女は符を投げ飛ばして雷を落として阻止に当たっていく。
呼びかけに応じたエルフ達が弓矢や氷の矢を飛ばし、そいつの体を射抜いて追いつめる。
数で勝るハンター達。大トカゲは尻尾で薙ぎ払おうとするが、ディヤーがしっかりとそれを受け止めて。
「防衛には数、機動で勝れば負けぬ」
ディヤーが再びプラズマボムを投げ飛ばし、爆風で大トカゲの表皮を焼き払う。
そいつは完全に目から光を失い、爆ぜ飛ぶように消えたのである。
敵を抑え続けているヴァルナ。
迅速な殲滅を求められ、相手の巨躯を剣で受けるにはむかないと判断した彼女は、ワイバーンのシエルに騎乗のまま戦う。
シエルに回避、防御を任せてはいたが、結果的に彼女は大トカゲ1体を単騎で抑える状況となっており、自らも敵の攻撃を受けてダメージを重ねてしまっていた。
「ファイアブレスを使います」
ヴァルナは仲間を巻き添えにしないようにと気遣いながら、シエルの火炎で雑魔を焼き払おうとする。
他の雑魔を引きつけ、撃破した仲間達のお陰で彼女は敵に包囲されることなく、大トカゲ1体のみを牽制し続けていた。
相手を抑えるのも長くは持たない。ヴァルナがそう感じ始めていた頃、その手前にディヤーが飛び込み、大トカゲによるのしかかりを受け止めた。
他の大小雑魔を倒したメンバーが駆けつけてきたことで、彼女もホッと一息つく。
「いっぱいお怪我しちゃったね……。痛いの痛いの飛んでけ~! なのっ!」
精霊に祈りを捧げた白樺が彼女とシエルを治癒の光で包む。力を取り戻したヴァルナは仲間の援護攻撃を受け、急加速して突撃していく。
「終わりです」
風を纏うシエルの獣刃「アイレイール」。切り裂かれた大トカゲは叫びを上げながら、消え去っていった。
「次の支援に回るぞ!」
大小のトカゲ雑魔を全て倒したのを確認したディヤーが呼びかけると、一行は極大を相手にするメンバーの元へと向かうのである。
●
ハンター達は幻獣や大型兵器を力を借りて雑魔の数を減らしていたが、極大相手だとなかなかそういうわけにも行かない。
極大トカゲが吐きかけてくる炎の吐息。それを、ハンター炎が大壁盾「庇護者の光翼」で受け止める。
幾度目かの攻撃で、「FLAME OF MIND」の各部位も破損で出していたが、炎はこれしきでは諦めない。
「死にフラグは折るためにある!」
炎はスキルトレースで「FLAME OF MIND」を操縦し、己の肉体でたたかうのと同様に呼吸を整え、機体の全身にマテリアルを充満させてから獄門刀で切りかかる。
駆る真も疲弊は激しくなって来ている様子。アイデアルソングを響かせていた彼だったが、運悪くレグルスが敵の視線に射抜かれて左前脚を石と化していたのだ。
ただ、彼は大小雑魔を倒した仲間を確認しており、その表情に悲壮感はない。
ここでも、マテリアルカーテンを展開したディヤーが介入し、大きな口を上げて食らいつくそうとする極大トカゲを押さえつける。
「今のうちに立て直すんじゃ!」
ディヤーの言葉を受け、仲間と連携をとり、真、炎は一旦下がることにする。
その2人の癒しに当たる白樺が彼らの傷を癒し、石となったレグルスの脚も元に戻す。
「治療が必要なら一度後退してね? シロがキュアで治してあげちゃうのっ♪」
彼は極大トカゲの石化睨みを懸念し、極大トカゲに立ち向かう仲間達へと告げる。
誰かに投げられ、地面に当たって割れちゃう前に治すと、彼は小さな拳をぐっと握っていた。
とはいえ、白樺は相棒である露草はこの場を赤い光で覆わせ、極大トカゲの視線……石化にらみを遮断させるなど、対策もしっかりと講じていく。
また、ディヤーが再度イニシャライズフィールドを展開していた。
彼の発する結界は仲間達全員をカバーする。極大の視線もそうだが、大小の舌、のしかかりからもうまくすり抜ける効果が働き、ハンター達へと有利に働く。この戦いの影の功労者といって問題ないだろう。
そのディヤーは、マテリアルの力で飛距離を伸ばした氷の矢を相手にぶつけていく。
氷に右前脚を覆われ、脚を止めた極大トカゲへ、レオナがリボルバー「ガンスリンガー」の引き金をひく。
飛来するFannanはレオナの指示を受け、魔竜牙「エルプシオン」の力を使って威力を高めた竜の吐息を、彼女の弾丸に続いて極大トカゲに浴びせかけていた。
「あれだけの巨体だと、脚か尻尾を断てれば二足歩行は維持出来ないはず……」
すでに、真、炎の2人がかなりの手傷を負わせているはず。
ヴァルナは極大相手には聖罰刃「ターミナー・レイ」を握って対し、彼らが傷つけていた前脚をメインに切りかかっていく。
ただ、ぼやぼやしていれば、食らいつくされる危険がある。
「シエル」
ヴァルナの呼びかけに応じ、シエルはすぐさまその場から離脱を図っていた。
「バラ撒けニンジャ礫! からの……ルンルン忍法三雷神の術!」
こちらもニンタンクと合わせた連撃を行うルンルン。
ニンタンクが近距離戦ようのキャニスター弾を打ち込む直後に、ルンルン自身が符を投げつけて稲妻を落とす。
痺れといえば、颯も魔力による雷を帯びた巨大ドリルを敵へと突き入れていく。
「びりびり電撃どりる!」
腹に突き刺さる一撃。極大トカゲは全身を痺れさせ、動きを止めてしまう。
そのタイミング、猛攻撃を仕掛けたのは炎だ。
「うおおおおおおっ!!」
怒号を上げた炎は二連撃を浴びせ、敵の巨体を傷つける。
巨大に残る大きな斬撃痕。致命傷には違いないが、それでも極大トカゲは倒れない。
ただ、真も敵の背後に迫っていた。彼は2つの刃で敵の体を切りつけ、さらに追加の斬撃で敵の首を大きく掻き切ってしまう。
「終わりだ」
真がそう一言発した直後、極大トカゲは大きな音を立てて地面に果て、徐々にその姿を消していったのだった。
●
トカゲ達を討伐した一行は集落へと戻り、一息つく。
「しばらくはゆっくりできるの」
「そうだな、助かった。恩に着る」
白樺の言葉に、アルウェスらエルフ達が丁寧に頭を下げる。ハンター達はそれぞれ、エルフ達の労っていた様子だ。
「お疲れ様、いつもありがとなのっ♪」
そこに同席していた、ユキウサギの露草に対しても、白樺はにこっと笑顔を浮かべて優しく声をかけると、露草は白樺に頬を寄せていたようだ。
仲間達の無事を確認した真はすぐに、レグルスに乗って周囲の警戒を始めていた。
(一応、かなりの大物を倒したことになるのだろうが、まだ大物がいるかもしれんしな……)
極大サイズのトカゲ雑魔を叩いたことで、相手を十分に牽制できたはずだが、これで終わりとはいかないと真は考える。
(やはり……な)
山を見上げた彼は、斜面の物陰に隠れる影をいくつか発見した。
今のところせめて来る様子はないが、ディヤーが示唆した上空の影の話も気になるところ。
「敵の戦力が分からぬ以上、迂闊に攻め入ることもできないな」
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- 鉄壁の機兵操者
ディヤー・A・バトロス(ka5743)
重体一覧
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依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/12/14 20:55:47 |
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【相談卓】怪獣大戦争??? 白樺(ka4596) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|男性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2017/12/18 14:26:19 |