ゲスト
(ka0000)
【CF】はんたあ倶楽部~約30人の回答
マスター:深夜真世

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 1~25人
- サポート
- 0~0人
- 報酬
- 寸志
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/12/27 22:00
- 完成日
- 2018/01/10 00:25
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
「やっぱりクリスマスパーティーはしたいもん」
ハンターオフィスのメガネ受付嬢ちゃんに聞かれたとき、南那初華(kz0135)さんは明るくそう答えたのでした。
どうやら、ハンター間同士の交流や福利厚生を推進する自主グループ「はんたあ倶楽部」でクリスマス会を催すつもりのようです。初華さん、ハンターオフィスの調理室など借りる手続きなどその準備を進めている段階のようです。
この時、眼鏡受付嬢ちゃんがごそごそと何やら用紙を出して目を通しましたよ?
「ほへ? どうしたの」
「あ、いえ。……その日が勤務かどうか確認しただけです」
「ああ」
初華さん、それを聞いて満面の笑みを浮かべます。
「勤務なら一緒に楽しめるもんね!」
「違います!」
即座に否定する受付嬢ちゃん。眼鏡越しに冷ややかな視線を向けてます。
「ほへ? あ、そうか! 勤務じゃなかったら一緒に楽しめるもんね!」
「そうでもありません!」
すぐに言い直してそこに気付くなんて私って頭良い、みたいな満足感を浮かべる初華さんですが、受付嬢ちゃんはまたも間髪入れずに切り捨てます。
「えー。んじゃなによぅ」
初華さん、不満そう。
「勤務日です。勤務で詰めていれば初華さんが何かやらかす前に止めることができますからね」
「えええーっ! それって何よぅ!」
初華さんがさらに不満そうにふくれっ面するのをニヤニヤと楽しむ受付嬢ちゃん。どうやらいつものように意地悪しているだけのようですね。
「で、当日は何かやらかしそうなイベントもするんですか?」
「うーーーん……特に考えてないのよね~」
どうやらまず集まるありきのようです。とはいえ、調理室を借りるのだからクリスマスケーキやらは焼いて作るようですが。初華さん、いつもPクレープで生クリームをがしがし作ってるからそのへんも大丈夫そうです。
「それじゃ、これをお願いします」
「ほへ? なにこれ」
初華さん、束になった書類を受け取り目をまん丸くします。
「実はこちらで登録ハンターさんの意識調査をする予定がありまして、それに協力してくれたら謝礼が出ます」
年末でこの忙しい時に上も余計な仕事を押し付けてくれます、と受付嬢ちゃん。係員は普段の仕事でそれどころではないのでもともと誰かに委託しようとしたようです。ちゃんとやってくれるならその委託金を出すとのことです。
「ほへぇ、どれどれ?」
ぴら、とアンケート用紙に目を通す初華さん。
内容は以下の通りです。
▽▽▽以下、アンケート内容▽▽▽
01)大規模作戦開始! 参加は…
(あ)できるだけ早く
(い)締め切り近くまで待つ
02)この武器持ったら装備力足りない! 鎧か服を外せば装備できるけど…
(う)武器はあきらめる
(え)脱ぐ!
03)あれ? 参加シナリオでMVPついてる!(としたら)…
(お)やったぜ!
(か)意外だけど良かった
04)あ。この依頼、危険フラグシナリオだったの?…
(き)望むところ!
(く)まあ別にいいけど
05)今日のおやつは何にしよう?…
(け)プリン!
(こ)ゼリー♪
06)アイテム強化で連続大成功! でも次から確率が…
(さ)まだまだ行くぜ!
(し)いや次はヤバいだろ
07)ハンターズソサエティの総長、あんなだけど…
(す)若いよね!
(せ)明るい色の服も似合いそう
08)「2016年のお年玉」など、お年玉アイテムをもらうと…
(そ)即!換!金!
(た)記念に残しておく
09)スライムが現れた!…
(ち)即!成!敗!
(つ)まず様子を見てみよう
10)ご注文はカレーですね? 辛さはいかがいたしましょう?…
(て)スパイス芸術の激辛!
(と)まろみの中辛♪
11)最近ちょっと寒いよね。羽織るんだったら…
(な)マントだろ!
(に)コートだね♪
12)アクセサリ、もう一つ装備できるなら…
(ぬ)ネックレス
(ね)指輪
13)ペットを一匹飼おう!…
(の)犬
(は)猫
14)も、もう一匹それ以外で? ええと…
(ひ)パルム
(ふ)乗用馬
15)飲み物はどちらがよろしいですか?…
(へ)珈琲
(ほ)紅茶
16)しまった。雑魚歪虚に囲まれて乱戦になった!…
(ま)ガンガン戦うぜ
(み)分断されないようにしないと
17)ほのぼの依頼。みんなと全体行動もあるけど…
(む)恋人とまったり♪
(め)みんなとわいわい!
18)あれ? 敵ボスが手ごわい?…
(も)手数がモノを言うぜ!(削れば勝ち!)
(や)逃げるんだよぉ、すもぉきぃ!(で、戦略練る)
19)デートと仕事が重なりました。どっち取る?…
(ゆ)恋愛
(よ)仕事
20)ハンターオフィスが雑魚歪虚の大群に囲まれて交戦中!…
(ら)防衛する一員として一歩たりとも入れさせねぇ!
(り)気付くの遅れた。待ってな、今から後詰として駆けつけるぜ!
21)お正月です…
(る)寝正月
(れ)まず初詣に
22)臨時で仕事を任させるならどっちの職場がいい?…
(ろ)錬成工房
(わ)訓練場
△△△以上、アンケート内容△△△
「うん、分かった。それじゃそのままこれを使って、少数回答が多かった人と多数回答が多かった人を表彰するゲームするね」
「ああ、それなら間違いなくアンケートに答えてもらえますね」
ピンときた初華さん。今度ばかりは受付嬢ちゃんも納得です。
というわけで、ハンターオフィス内でクリスマスパーティーしてアンケートに答えてわいわいする人、求ム。
ハンターオフィスのメガネ受付嬢ちゃんに聞かれたとき、南那初華(kz0135)さんは明るくそう答えたのでした。
どうやら、ハンター間同士の交流や福利厚生を推進する自主グループ「はんたあ倶楽部」でクリスマス会を催すつもりのようです。初華さん、ハンターオフィスの調理室など借りる手続きなどその準備を進めている段階のようです。
この時、眼鏡受付嬢ちゃんがごそごそと何やら用紙を出して目を通しましたよ?
「ほへ? どうしたの」
「あ、いえ。……その日が勤務かどうか確認しただけです」
「ああ」
初華さん、それを聞いて満面の笑みを浮かべます。
「勤務なら一緒に楽しめるもんね!」
「違います!」
即座に否定する受付嬢ちゃん。眼鏡越しに冷ややかな視線を向けてます。
「ほへ? あ、そうか! 勤務じゃなかったら一緒に楽しめるもんね!」
「そうでもありません!」
すぐに言い直してそこに気付くなんて私って頭良い、みたいな満足感を浮かべる初華さんですが、受付嬢ちゃんはまたも間髪入れずに切り捨てます。
「えー。んじゃなによぅ」
初華さん、不満そう。
「勤務日です。勤務で詰めていれば初華さんが何かやらかす前に止めることができますからね」
「えええーっ! それって何よぅ!」
初華さんがさらに不満そうにふくれっ面するのをニヤニヤと楽しむ受付嬢ちゃん。どうやらいつものように意地悪しているだけのようですね。
「で、当日は何かやらかしそうなイベントもするんですか?」
「うーーーん……特に考えてないのよね~」
どうやらまず集まるありきのようです。とはいえ、調理室を借りるのだからクリスマスケーキやらは焼いて作るようですが。初華さん、いつもPクレープで生クリームをがしがし作ってるからそのへんも大丈夫そうです。
「それじゃ、これをお願いします」
「ほへ? なにこれ」
初華さん、束になった書類を受け取り目をまん丸くします。
「実はこちらで登録ハンターさんの意識調査をする予定がありまして、それに協力してくれたら謝礼が出ます」
年末でこの忙しい時に上も余計な仕事を押し付けてくれます、と受付嬢ちゃん。係員は普段の仕事でそれどころではないのでもともと誰かに委託しようとしたようです。ちゃんとやってくれるならその委託金を出すとのことです。
「ほへぇ、どれどれ?」
ぴら、とアンケート用紙に目を通す初華さん。
内容は以下の通りです。
▽▽▽以下、アンケート内容▽▽▽
01)大規模作戦開始! 参加は…
(あ)できるだけ早く
(い)締め切り近くまで待つ
02)この武器持ったら装備力足りない! 鎧か服を外せば装備できるけど…
(う)武器はあきらめる
(え)脱ぐ!
03)あれ? 参加シナリオでMVPついてる!(としたら)…
(お)やったぜ!
(か)意外だけど良かった
04)あ。この依頼、危険フラグシナリオだったの?…
(き)望むところ!
(く)まあ別にいいけど
05)今日のおやつは何にしよう?…
(け)プリン!
(こ)ゼリー♪
06)アイテム強化で連続大成功! でも次から確率が…
(さ)まだまだ行くぜ!
(し)いや次はヤバいだろ
07)ハンターズソサエティの総長、あんなだけど…
(す)若いよね!
(せ)明るい色の服も似合いそう
08)「2016年のお年玉」など、お年玉アイテムをもらうと…
(そ)即!換!金!
(た)記念に残しておく
09)スライムが現れた!…
(ち)即!成!敗!
(つ)まず様子を見てみよう
10)ご注文はカレーですね? 辛さはいかがいたしましょう?…
(て)スパイス芸術の激辛!
(と)まろみの中辛♪
11)最近ちょっと寒いよね。羽織るんだったら…
(な)マントだろ!
(に)コートだね♪
12)アクセサリ、もう一つ装備できるなら…
(ぬ)ネックレス
(ね)指輪
13)ペットを一匹飼おう!…
(の)犬
(は)猫
14)も、もう一匹それ以外で? ええと…
(ひ)パルム
(ふ)乗用馬
15)飲み物はどちらがよろしいですか?…
(へ)珈琲
(ほ)紅茶
16)しまった。雑魚歪虚に囲まれて乱戦になった!…
(ま)ガンガン戦うぜ
(み)分断されないようにしないと
17)ほのぼの依頼。みんなと全体行動もあるけど…
(む)恋人とまったり♪
(め)みんなとわいわい!
18)あれ? 敵ボスが手ごわい?…
(も)手数がモノを言うぜ!(削れば勝ち!)
(や)逃げるんだよぉ、すもぉきぃ!(で、戦略練る)
19)デートと仕事が重なりました。どっち取る?…
(ゆ)恋愛
(よ)仕事
20)ハンターオフィスが雑魚歪虚の大群に囲まれて交戦中!…
(ら)防衛する一員として一歩たりとも入れさせねぇ!
(り)気付くの遅れた。待ってな、今から後詰として駆けつけるぜ!
21)お正月です…
(る)寝正月
(れ)まず初詣に
22)臨時で仕事を任させるならどっちの職場がいい?…
(ろ)錬成工房
(わ)訓練場
△△△以上、アンケート内容△△△
「うん、分かった。それじゃそのままこれを使って、少数回答が多かった人と多数回答が多かった人を表彰するゲームするね」
「ああ、それなら間違いなくアンケートに答えてもらえますね」
ピンときた初華さん。今度ばかりは受付嬢ちゃんも納得です。
というわけで、ハンターオフィス内でクリスマスパーティーしてアンケートに答えてわいわいする人、求ム。
リプレイ本文
●
ハンターオフィスの調理室で何やら大勢の人の気配があります。
「ええと、ええと……オードブルに……飽きた方向けにチーズピッツァ、各種サンドイッチとおにぎり、カレー、大根と鶏の煮物……」
エプロンを着けたルカ(ka0962)さんが楽しそうに食材を仕分けしています。
その横には、ミニスカサンタ服にエプロン付けた南那初華(kz0135)さん。
「えーっ! ここの調理室、オーブンはそんなに数はないよぅ」
手際の良さに感心しつつもその種類と量にががん、となっていたり。
「ええっ!」
ルカさん、びくうっ、て腰を引いちゃいました。
「コンロは複数あるね。わたしの方は大丈夫。一つは油で揚げものするからね!」
そんな姿を尻目に天竜寺 舞(ka0377)さんも持ち込んだ食材を広げています。何やら珍しい食材もあるようです。
とにかく、作る順番が問題になりそうだ。
「ケーキと鳥にパーティ料理が日本のクリスマスの鉄板だと思いますぅ。というわけで、まずはスポンジガンガン焼いて普通のデコレーションケーキやブッシュドノエル作りますよぅ!」
ここでミニスカサンタ服にエプロン姿の星野 ハナ(ka5852)さんが声高に。
「……ハナさん、何かやけくそになってないです?」
「いやですよぅ、初華さん。そんなわけないじゃないですかぁ」
初華さんが不思議そうにするとハナさんたらケーキの型を奪ってその背中をバシバシ。……バシバシ!
「誰が質問考えたんですかねぇ~」
という最後の一言は聞こえないようにつぶやきましたが、その理由はアンケート集計タイムで。
「おっとっと……」
「あ、初華さん、クレープ手伝うわよ」
ふらついた初華さんはメルクーア(ka4005)さんがキャッチ。
「あれ? メルクーアさん、今日は一人?」
初華さん、余計な事ゆった!
「……お姉ちゃんが来れないって言うからあっ!」
メルクーアさん、ショック。泣き泣きばしんと初華さんの肩を叩くのです。
「おっと」
「きゃん! ……なにこの筋肉の壁?」
「……そりゃご挨拶だな、初華」
ふらついた初華さんを受け止めたというか、ぶつかったのはトリプルJ(ka6653)のシックスパックな腹筋でした。
「っていうか、何でこんな服装!」
Jさんたらがっしりした膝丈サンタブーツにサンタ短パン、サンタベストにサンタ帽という、マッチョむき出しの赤白のサンタコスです。
「……初華、お前らだって似たようなもんだろ?」
「ほへ? それ誤解……」
「な、なんですぅ?」
指摘されてびくっとミニスカの裾を抑える初華さ……おっと、ハナさんまで!
さらに!
「やっほー、初華お姉さん。私もせっかくだからサンタになったんだよ♪ この時期しか着れないしね♪」
狐中・小鳥(ka5484)さんがやって来ました。
何と、チューブトップにミニスカのへそ出しサンタ服ではありませんか。白い大きな袋を担いでいるからでしょうか。目の前の食材を入れてあった空箱をよいしょとまたいでやって来ます。
「……下着も白地に赤の縞パンだし」
「はわっ? 見ちゃダメなんだよ!」
そしてさらにッ!
「しっかし、ひっどい質問だったわね~。……あら、ケーキ? ケーキしかないの? 文句は無いけど、どうせならクッキーでも焼きましょうか」
ふらふらっとやって来たのはキーリ(ka4642)さんです。
いきなり皆が注目しました。
その、へそ出し肌出し白赤衣装に!
「何よ。私の普段着がどうしたのよ? これでも緑色がないからクリスマスカラーじゃないのよ?」
「ええと、キーリさん、クッキーだったよね? ハナさん、もうすぐ? ルカさんはチーズピッツァ、かな? 準備しよう!」
まあまあ、と保護者……ではなく、霧雨 悠月(ka4130)さんがやって来てとりなしました。周りに声を掛けてオーブンの順番を確認します。
「クリスマスパーティーといったら鶏の丸焼きという話を聞いたから持ってきたんだよ。……焼く所とかない、かな? だったら外で焼いてくるんだよ!」
小鳥さんは丸焼きするつもりです。なかなかワイルドですね。
「外なら手伝うぜ……おっと、初華。頑張ってるお前にプレゼントだ」
J、初華さんに革紐で鳥の羽たくさんの手作りペンダントを手渡すと小鳥さんを追います。
「あ、ありがと……」
「ピザはこの木皿で……きゃーっ」
受け取った初華さんに、気を利かして木皿を運ぶアシェ-ル(ka2983)さんがどしーん。
「……あの、見てないですから」
皿は木なので無事ですが、初華さんのミニスカは無事ではなかったようです。アシェールさん、目のやり場に困ってますね。ちなみに白地に赤レースだったようで。
●
こちら、外で火を起こしチキンをロースト……というかワイルドに焼き始めた小鳥さんとJさん。
「ほらっ、もう仕事はいいからっ!」
「強引だな、ウーナ」
そこへウーナ(ka1439)さんがイ寺鑑(kz0175)さんをぐいぐい引っ張りつつやって来ました。軽武装しているのは、青竜紅刃流道場として市中警備の仕事にかかわっていたからです。
「よぉ」
「こんにちはだよ~」
知り合いのJさん、小鳥さんが軽く挨拶。
「……手伝います」
アンケート用紙を手にしたキヅカ・リク(ka0038)さんも寄って来ました。火にかけたチキンをくるくる回します。
その様子に、近くを歩いていたテンシ・アガート(ka0589)さんが立ち止まり激しく興味を引かれたり。
「これ何? 新しいアイテム錬成の出張所!?」
「いや……そういえばアンケートでそんな項目ありましたね」
激しく目を輝かせながら聞いてくるテンシさん。
おかげでキヅカさんは汗たら~しながら答えたり。
それはそれとして、アンケート用紙といえば。
「ところで、『逃げるんだよぉ、すもぉきぃ!』のすもぉきぃ、って、誰?」
ウーナさんがアンケートの項目を指差しながら激しく目を輝かせ鑑さんに聞いてます。
「それは『このすとれいつぉ、ようしゃせん!』が分かるか、にかかるんじゃないか?」
「質問に質問で返すなーっ!」
その気持ちは分かるがだが断る、とかなんとか盛り上がっていたり。
ここで新たに、たたたーっと無邪気に走る寄る足音が。
「イ寺さーん」
「ごふっ……」
白い無邪気な人影は、ディーナ・フェルミ(ka5843)さん。走って来た勢いのままハグしてぎゅうなので鑑さんたらげふげふ。
「今日の美味しいものは何ですかなの」
キラッキラした目で見上げる視線に、まるで悪意はありません。天使のような瞳です。
「そりゃいいけど、赤が足りなくない?」
横からウーナさんが冷静に突っ込むのは、ディーナさんが白い服で白い袋を持っていたから。白い服は普段着ですが。
「美味しいものはみんなで分けると美味しいの」
どうやら同盟領であった郷祭で日持ちがする食料を爆買いしたので今回皆さんに食べてもらおうということのようです。つまり白い袋の中身はプレゼント。
「やっぱり服装に赤が足りないじゃない」
サンタコスしても良かったんじゃない、なウーナさん。
そこに赤い人影が新たにやって来ました。
「そっちは白が足りない!」
ウーナ、びしっ。
「……別にオレはいつもこんな格好だよ」
レイオス・アクアウォーカー(ka1990)さんです。赤い服装ですが、ディーナさんと同じく普段着です。
「しかし、クリスマスパーティーならオレも一品くらい提供するかと思ったんだが……」
レイオスさん、ローストチキンの差し入れを持ってきたようですね。
「食う奴はたくさんいるだろ?」
「きっと心配いらないんだよー」
Jさんも小鳥さんも焼けた分以上必要と思っていたようで、歓迎なのです。
「ま、ダブったり他の料理が足りないならスープやサンドイッチの具にして出せばいいさ。じゃ、行こうぜ?」
というわけで皆さんで会場に移動します。
●
♪
み~はは~のむ~ねに~、ね~むり~ぃ~た~も~
♪
「もうやってる! 何とか間に合ったな!」
テンシさんの言う通り会場の調理室では飾り付けも終わり、アリア(ka2394)さんが聖歌を独唱していました。
アカペラでのびやかな歌声を披露していたアリアさん、やがて歌い終えるとぺこりと一礼。拍手が巻き起こります。
「アリアさん、お疲れ様です」
「まあ、ユッキーの元気丸出しソングだと聖歌にちょっと合わなかったわね」
戻ってきたアリアさんを出迎える悠月さんにキーリさんです。
「キーリの歌声は合うし、悠月の歌声ならカッコよく歌えたよー」
アリアさんの言う通り、歌い方一つなのです。
「あ。小鳥さんたちも帰って来たし、それじゃ本格的に始めま~す。みんなシャンパン持って持って~。ノンアルコールだからみんな乾杯してね~」
というわけで、初華さんがグラスに入れつつ皆さんが回し全員の手元に。
「じゃ、メリー・クリスマ~ス!」
「メリークリスマ~ス」
初華さんの掛け声に、皆さんが声を合わせ杯を掲げ乾杯です。
わあっ、と盛り上がったところで出入り口に立つ姿が。
「あ、ええと……はんたあ倶楽部、ですか?」
高野信実(ka7065)さんです。
手にはアンケート用紙がありますね。
「これ、回答してくれた?」
「あ、はい。ばっちりっすよ!」
聞いた初華さんに、にっこり信実さん。
「はぁい。一名さまごあんな~い。もう一回、かんぱ~い!」
「かんぱ~い!」
改めてわあっと盛り上がるのです。
「ケーキの方も手伝うんだよ」
「……はあっ」
小鳥さんはなぜかテンション下がってるメルクーアさんとケーキの切り分けです。
「ってちょっと、この体勢は何かな?」
「……お姉ちゃんがいれば二人でケーキにナイフを入れてたのに」
メルクーアさん、ウエディングケーキの入刀じゃないですよ?
そしてこっちでは。
「空腹にこの匂いは堪らないな。まずはクレープからいってみるか」
「レイオスさん、どーぞですぅ」
「アシェール? きょうはどうした。口調がいつもと違うよな?」
くるっとエプロンドレスの裾を翻してクレープを載せた木皿を差し出すアシェールさんは楽しそう。普段を知ってるレイオスさんがびくっとなるのは無理もありません。
「だってこの皿、落としても割れないんですよぉ~」
うふふドジ踏んでも大丈夫、とか言い出しそうなアシェールさんなのです。
「お、オードブルなんかもあります」
その横からルカさんがお腹の膨れそうなものを差し出します。
で、チキンが多めなのに気付きましたよ?
「ああ、量が多くなってしまったんだ」
「じゃ、じゃあサンドイッチにしますね、キヅカさん」
キヅカさんの言葉にピンときたルカさん、さっきまでびくびくしていたようですが親しい人からの言葉に安心した笑顔を見せるのです。そしてキヅカさん、ぽそりとつぶやきました。
「……もしかして、味噌汁なんかも作ろうとしてたんだろうか?」
ルカさんのエプロンのポッケに入っていたものを見ての推察。
大当たりです。さらにカレーとか普通の家庭料理まで作ろうとしていました。これで「なんでクリスマスにこんな料理が!」な事態は避けられました。
「もうこうなったら食べるしかないですよぅ~」
ハナさんはガンガン食べてます。まるでやけくそみたいですが、何があったかはアンケート以下略。
「まあ、ガンガン作ってたからねー。……はい、これも食べてね!」
そう言ってハナさんを擁護する舞さんもガンガン作ってましたよね。
というわけで、舞さんの特別料理の登場です。
「え? なにこれ。見たことないんだけど!」
好奇心旺盛なテンシさんもつられてやって来ました。チキンにかぶりついたままなのが何というか元気いっぱいですよね。
「へえっ、変わってるな。……おーい初華、こっちきてみろ!」
Jさんも寄ってきました。こういうの好きそうな初華さんを呼びます。
「ほへ? メルクーアさん、小鳥さん、行ってみよ!」
初華さんが両手で二人を連れて来てみると、テーブルの皿には毛羽立った丸い揚げ物が並んでいました。
「クリスマスと言えばチキンて事で鶏の挽肉と白菜、人参、春雨を混ぜて餡を作り最初に作った生地で包んで油で揚げたんだ」
舞さんの説明。蜂巣芋角(フォンチャオユィジャオ)っていうようですね。
「皮が弾けて蜂の巣みたいになるんだよね。油の温度が高すぎても低すぎても駄目だからちょっと大変だけどね」
「おいしいの! おいしいの?」
アリアさんたちもやって来ましたよ。
「あ、これは……外がさっくり軽くて中のお肉がジューシーだね」
悠月さん、もぐもぐやってます。
「ホントだ、美味しい! 舞さん、見直した~」
「ふん、こう見えてもそこそこ料理は出来るんだよ!」
初華さんもきゃいきゃい。舞さんは得意満面です。
「蜂巣芋角? 美味しいですの~。……鑑さんもウーナさんもどうぞなの。食べ時にみんなで食べるのは正義なの、むふふ」
たたたーっ、とやって来てもふもふ食べるディーナさん。すぐに鑑さんとウーナさんも手招きします。もちろん、自分の持参したソーセージなどの乾物のおすそ分けは忘れません。ジャム類はクレープようにと初華さんに渡してます。
「小さいけど食いでがあるね!」
「食ってばっかで悪いな……」
早速食べたウーナさん。横で食べた鑑さんの余計な一言にぴぴんと反応します。
「……あたしも色々作るから。チクワでしょ、チクワでしょ…あ、ケーキも作っ…手伝えるよ!」
「分かった分かった。……チクワでケーキは作らないこと」
がうっ、と主張するウーナさんにはいはいな感じの鑑さんです。
あれ?
キーリさんが初華さんをじっと見てますよ?
「ほへ? 何?」
「ほかにやらなくちゃならないこと、あるんじゃないの?」
「あ、そうだ。すみませーん、皆さん注目してくださ~い」
●
というわけで、アンケートの集計タイムです。
テンシさんがケーキをもぐもぐやってたりディーナさんが蜂巣芋角をもきゅもきゅやってる横でアシェールさんがポットを傾けて給仕してますが、基本的に初華さんの進行には注目してますね。わき目も振らずがつがつ食べてる舞さんとかガツガツ食べてるハナさんもいますが……きっと始まれば注目してくれるはず!
「それじゃまとまりました。皆さんの回答は、これ!」
ばばん、と初華さんの張り出した大きな紙は以下の通りです(※質問内容はOP参照のこと)。
【あえおきけしすそちてにねのひへみむもゆられわ】…キヅカ・リク
【いえかきけしすたちとにぬはひほまめもゆらるわ】…天竜寺 舞
【いえおくこしすたつとにぬのふほみめやよりるわ】…テンシ・アガート
【いえかくこしせたつとにぬはひほみめやよられわ】…ルカ
【いえおきけさすたちとなねのふほまむもゆりれろ】…ウーナ
【あえおきこさすたちてなねはひへまめもよりるわ】…レイオス・アクアウォーカー
【いえおきけさせそちとにぬはひへまめもゆられわ】…アリア
【いうかくこしすそつとにねはひほまむもよりるわ】…アシェ-ル
【いえおきけしせたつてにねはふほみめやよりれろ】…メルクーア
【いえかきけさせたつとにぬのふへみめもゆられわ】…霧雨 悠月
【いえおくけさせたつとなねのひほみめやよらるろ】…キーリ
【いえかくけさせたつとなぬはふほみめもよりれわ】…狐中・小鳥
【いうおきけさすたつとにぬはふほみめやよられろ】…ディーナ・フェルミ
【いえおきこさせそちとねのひほまむもゆりれわ】…星野 ハナ
【いうおきけしすそつとなぬのふへまめもよられろ】…トリプルJ
【あうかくけさすたつとにぬのふほまめもよられよ】…高野信実
【いうかくけしすたつとにぬはふへみめやよられろ】…南那初華
【いうかくけしせたつとにぬのふほみめやよられろ】…マーガレット・ミケーリ(kz0215)
「鑑さんの分、ないの?」
「ウーナがいきなりここに連れて来たんじゃないか」
ウーナさんと鑑さんのやり取り。
逆にマーガレットさんは管理MSが違……こほん。大人の事情で欠席で、アンケート結果のみです。
「ええと。最初の質問、何だっけ?」
「たしか大規模作戦の参加タイミング、だったかな? 悠月さんはどう?」
用紙を確認する舞さん。小鳥さんも確認してから悠月さんに話を振ってみます。
「僕は結構悩むタイプだよ。ギリギリまで待つかな?」
「急がなくちゃならないってわけでもないしね」
「だよねー」
悠月さんの言葉に舞さんと小鳥さんもおおむね頷きます。
そこへ、眉の根を寄せたキヅカさんがやって来ましたよ?
「これな、結構キツイんだよ」
何やら苦労性モード全開のようです。
「一日目には行先決めなきゃなんだよ、隊長として」
で、二日目と三日目に小隊で作戦会議だろ、場合に寄っちゃほかの小隊と連携協議で調整、四日目の午前中には小隊としてのプレイングを提示してその晩にようやく自分のプレイングなんだよ、とか滔々と説明します。横ではルカさんがこくこく頷きながら無言で応援していたり。
「……だから『あ』のできるだけ早く」
集まった人は小隊長とかではない人がほとんどで、「おー」という賞賛と拍手が巻き起こります。
でもって、二問目の時でしたッ!
「……まぁ脱ぐわよね。重量調整なら」
「えええっ!」
キーリさんの言葉に初華さんが過剰反応してしまいました。でもって、キーリさんの肌色率の高い服装に視線をやりました。
途端に鋭くなるキーリさんの目つき。
「どこを脱ぐかは気にしちゃいけないわ。露出狂でも無いわよ……って、それじゃあんたのこれは何なのよ」
「やぁん、やめてやめて~。……み、みんなもそうなの?」
キーリさん、生足出しまくりの初華さんのミニスカをぐいぐい引っ張ってみたり。
で、助けを求めるべく周りを見る初華さんですが……。
「ええと……別に重量調整じゃないんだけどさり気に寒いんだよ」
脱いでいるわけじゃないけどなぜか肌色率の高い小鳥さん。
「いや、どうせ仮装するならこの方がインパクトあるだろ」
普段より寒々しく筋肉見せまくりなサンタコスのJさんは、むきぃ……とナイスポーズ。
ちなみに小鳥さんは「脱ぐ!」でJさんは「武器はあきらめる」。
……意見は分かれてるけど結局似たようなのは何なのだろう。
それはともかく、そっぽ向いてる人が多い!
初華さん、ががん!
「あら。ユッキーも脱ぐの?」
「て、程度はあるけど……脱ぐかナ?」
キーリさんの確認に頬ぽりぽりする悠月さん。
「そんなの気にするわけないじゃないですかぁ、武器、武器ですよぉ!」
ハナさんの主張がより伝わりやすいですね。攻撃は!最大の!防御なのですっ!
「ハナさんここで脱ごうとしちゃダメーっ!」
どこぞでやった、華麗な白鳥の舞をほうふつとさせる足先の振り上げ方です。両手は自らの服に。まさか本当に脱ぐのか、というところで初華さんが抱き着き止めました。もっとも、ハナさんの方はそのつもりは全くなかったような感じですね。
「……」
それはそれとして、この展開に赤面してもぐもぐケーキ食べてる信実さんのような人もいるのです。もっとも、攻撃的な人がそろったのか少数派ですが。
さて、ここまでは明確に意見に差が出ましたが……。
「参加シナリオでMVP? 素直にうれしい」
「僕で良かったら……うれしいけどっ」
うんと頷き言い切るキヅカさんと、それはまあと控えめな悠月さん。
全体としても十対八で拮抗気味です。
ここでテンシさんの一言。
「うれしいけど何が良かったんだろう!? ってなる!」
意外な活躍もうれしいけど、理由ははっきり分かった方が良さそうですね。
ちなみに、意外と差がついたのが、コレ。
「どっちも好きだけど……冬はプリン派」
「ゼリーの方が色々な味あるからお得!」
以上、悠月さんとテンシさんの、なかなか心動かされるような意見でした。
ついでに食べ物に好き嫌いのなさそうな人にも意見を。
「プリンですの!」
ディーナさん、クレープをもしゃもしゃしつつ意外と言い切りました。
「確かに清涼感とかよりどっしり食べ応えありそうな方が好きそうな気はする」
鑑さんの見立てです。これまでディーナさんのワイルドな食べっぷりは見てきているのですから。
とにかくプリンの圧勝でした。
●
さて、どんどんいきましょう。
「甘口! あれ? 甘口が選択肢にないんだけど!?」
「え?! ええと、カレー作るの止められた、から?」
テンシさんの突然の主張にルカさんがびくっ、としてます。勘違いですが。
「中辛が激辛に圧勝してる中、甘口を支持する人がいるとは……」
汗たら~する初華さんですが、二択ですのでテンシさんは中辛を選んでますね。
でもって、マントかコートか問う質問で。
「これはマントだな。男はマントに憧れるもんだぜ」
おっと。
レイオスさんがこれ見よがしに立ち上がりました。
でもって、自ら羽織ったマントをばさーっと操って見せます。ひらめく裾が生き物のようにレイオスさんの操るように動く様子はとってもカッコいいですね。
「どうだ! 愛用してればこのくらいわけないぜ!」
「おおーっ」
皆さんも思わずこの芸当に拍手なのです。
「……確かに舞台にいいかも……」
アリアさんはコート派でしたが目を引くパフォーマンスに心揺らぐあたり、やっぱりアイドルさんですよね。
そしてそして、ペットは犬派と猫派に綺麗に分かれ……。
「パルム。高く売れるからな」
「はい。キヅカさんの暴言は聞き流してくださいね~」
初華さん、無視して次に。
ここでちょっとした問題が。
「……なあ。温かい飲み物があるのは分かるが、どうして紅茶なんだ?」
Jさんがティーカップに口を付けて冷静に指摘しました。
「言われてみれば……」
「そう言われればそうだよね?」
キヅカさんと悠月さんもはたと自らのティーカップを省みます。
「え? ケーキだし紅茶でおかしいことはないっすよ?」
信実さんは目を丸めてますね。なお、手にした用紙には「紅茶」に丸してあります。
「アンケートで珈琲って答えた人に珈琲はないのかな?」
アリアさんも素朴な疑問を口にします。もちろん、アリアさんは珈琲を選んでいます。
皆さんが「そう言えばそうだよね」とか「なぜ?」と自らのカップを見た時でした。
「え?!」
ただ一人、メイド服を着たアシェールさんがびくっとしてます。
皆がその様子に気付きました。さらにぎくぎく、っとするアシェールさん。
「なあ、アシェールはどう答えたんだ?」
レイオスさんが優しく声を掛けました。
「ど、どうって……しょ、正直に答えましたよ!」
アシェールさんの差し出した用紙を確認すると、「紅茶」に丸してありました。
「なあ、アシェールはまさか自分が紅茶好きだからみんなにも紅茶を出したってことは……」
「み、みんな紅茶がいいって言ってましたし!」
なお、少数ながら六人珈琲派がいた模様。
やらかしたな、という視線が集まりはわわと慌ててごまかそうとしてさらなるドジを踏みそうなアシェールさん……あれ?
「なんでお酒がないのよう!」
さっきまでぶつぶつ何か言ってたメルクーアさんが立ち上がりました。
「お姉ちゃんはいないしお酒は選択肢にないし……」
「そういや飲み物の質問ってほとんど珈琲か紅茶の二択だよな? ……酒が選択肢にあったら迷わず選ぶのに」
あ、レイオスさんも同調した。くっ、とか言って本音がにじみ出てるし。
「っていうか、一応ここハンターオフィスだし真昼間から飲んだくれるわけには……」
たちまちざわめきが起こります。初華さん、汗たら~。
それはそれとして、もしかしたらここで微妙にテンション上がったのがポイントだったのかもしれません。
まさか、次にあのようなことになるとは誰が予想したでしょうツ!
「まあそれはいいとして、次は……」
初華さんのんびりと進行した、その時でした!
「……おかしいですぅ、この質問目から汗が出そうですぅ」
ハナさんがアンケート用紙を手に目をゴシゴシやって何度も確認してます。
「恋人とまったり? 仕事より恋人優先しますか? ……何これ、何で恋人いる事前提なのよ」
顔を上げたキーリさん、ジト目。
――恋人前提、恋人前提……。
この響きが皆の脳裏にごーんごーんと除夜の鐘のように響くのです。
「なんで、お姉ちゃんとイチャイチャという選択肢がないのよお」
ああっ! メルクーアさん再び起立ッ!
「ちょ……って、メルクーアさんなんで飲んでもないのに酔っ払いみたいに絡んでくるのよぅ。しかもキーリさんまで」
初華さんの言う通り、メルクーアさんは普段酒に酔わないんですけどね~。
「…私? いないわよ。燃やされたいの?」
「くぅぅ、この悔しさを料理にぶつけるですぅ! 来年…いや今から全力投球ですぅ!胃袋掴みますよぅ!」
「恋人いなーい! エビフライから錬成しなきゃ……」
「キーリさん、そんなこと聞いてないから。火をつけるならケーキのロウソクに……ああっ。ハナさん料理は余ってるくらいだからっ! って、テンシさんまでっ!」
たちまち巻き起こる騒ぎに初華さんてんてこ舞いです。
「……冗談よ、冗談。次行きましょうか……『デートと仕事が重なりました。どっち取る?』」
通常モードに戻ったキーリさんですが、ここでまたぴきっ、と何かが鳴ったような感じに!
「だから何で恋人いる前提なのよっ!」
「えーと……さすがにこれは秘密、カナ?」
再点火するキーリさんの横で、先の質問には「一緒なら、皆と楽しもう!」とかぽそっとつぶやいていた悠月さんまで赤くなっている始末。
「恋愛……小説の中のことっすよね?」
その横では信実さんが赤くなって……って、ちょっと。何か期待しているような笑顔なのは何で?!
「恋の歌ならうたえるよっ!」
ここでアリアさんが前に。なし崩し的にオンステージに突入です!
「なんかみんな体を動かしたいんじゃないかな?」
「ま、しこたま食ったしな」
「んじゃ、職員さんにもおすそ分けに行く?」
悠月さん、Jさん、舞さんがそんな相談を。
「ちょうどサンタの格好もしてるしね!」
「サンドイッチの差し入れなんかは喜んでもらえるだろ」
小鳥さんとレイオスさんもその気です。
「分かりました。ワゴンを押してついて行きます」
ルカさん、ゴロゴロと給仕セットを押して登場です。
「私も行かなきゃならんのか?」
「もちろん! クリスマスは家族で過ごすもんなんだから、鑑センセも来なきゃねっ」
もういいだろ、な鑑さんはウーナさんが引き止めです。
鑑さん、少し不満そうですが……。
「……あたし、家族いないもん。鑑センセくらいかな、家族っぽいの」
「分かった。……そう言えばタスカービレもしばらく留守をしてたな」
ウーナさんの素直な笑顔に、鑑さんも穏やかな笑みを見せるのです。
「女の子はキラキラした物好きなの蜂蜜やジャムもタスカービレで作りましょうなの」
その横からディーナさんが。鑑さんの左手を両手で握りしめ力説です。
そんな背後に、信実さんがばばん!
「本当のサンタクロースになった気分っす!」
どうやらサンタ服を借りて羽織ったようです。
「元配達員の腕を見せるっすよ~」
サンタ帽をかぶって本領発揮する気満々!
「……ええと、皆さんにお土産を」
会場の隅では、「流れ解散」を感じたアシェールさんが皆へのお土産を準備中。素晴らしい気遣いですよね。先のドジを挽回すべく頑張……。
って、ちょっと、アシェールさん?
「持ち帰りやすいもの……あ、紅茶なんかいいですよね」
またそれですか!
「あ。そんじゃ結果は張り出しとくね。多数派の女王はディーナさんで、少数派は同点が二人いたから男女別で。少数派の帝王がレイオスさん、少数派の女帝がアシェ-ルさん。それぞれおめでとうございまーす! そんじゃ、配達にしゅっぱ~つ!」
以下、初華さんの掲示した集計用紙です。
◆少数派は★(※…無回答&判別不能は○印)
【★えおきけしす★★★に★の★★み★も★られわ】…キヅカ・リク★=9
【いえ★きけしすた★とにぬは★ほ★めも★ら★わ】…天竜寺 舞★=6
【いえお★★しすたつとにぬのふほみめ★よ★★わ】…テンシ・アガート★=5
【いえ★★★し★たつとにぬは★ほみめ★よられわ】…ルカ★=6
【いえおきけさすた★と★★のふほ★★も★★れ★】…ウーナ★=8
【★えおき★さすた★★★★は★★★めもよ★★わ】…レイオス・アクアウォーカー★=11
【いえおきけさ★★★とにぬは★★★めも★られわ】…アリア★=7
【い★★★★しす★つとに★は★ほ★★もよ★★わ】…アシェ-ル★=11
【いえおきけし★たつ★に★はふほみめ★よ★れ★】…メルクーア★=6
【いえ★きけさ★たつとにぬのふ★みめも★られわ】…霧雨 悠月★=4
【いえお★けさ★たつと★★の★ほみめ★よら★★】…キーリ★=8
【いえ★★けさ★たつと★ぬはふほみめもよ★れわ】…狐中・小鳥★=5
【い★おきけさすたつとにぬはふほみめ★よられ★】…ディーナ・フェルミ★=3
【いえおき★さ★★★と○★の★ほ★★も★★れわ】…星野 ハナ★=10※
【い★おきけしす★つと★ぬのふ★★めもよられ★】…トリプルJ★=6
【★★★★けさすたつとにぬのふほ★めもよられ○】…高野信実★=5※
【い★★★けしすたつとにぬはふ★みめ★よられ★】…南那初華★=6
【い★★★けし★たつとにぬのふほみめ★よられ★】…マーガレット・ミケーリ★=6
【3688508563570868476757】…少数派の数(0は拮抗)
そしてみんなどやどやと出発。
最後に、悠月さんが振り返りました。
「今年も楽しかった……友達もそうだと良いな。皆、新年を無事に迎えられますように」
ウインクして、皆を追うのです。
ハンターオフィスの調理室で何やら大勢の人の気配があります。
「ええと、ええと……オードブルに……飽きた方向けにチーズピッツァ、各種サンドイッチとおにぎり、カレー、大根と鶏の煮物……」
エプロンを着けたルカ(ka0962)さんが楽しそうに食材を仕分けしています。
その横には、ミニスカサンタ服にエプロン付けた南那初華(kz0135)さん。
「えーっ! ここの調理室、オーブンはそんなに数はないよぅ」
手際の良さに感心しつつもその種類と量にががん、となっていたり。
「ええっ!」
ルカさん、びくうっ、て腰を引いちゃいました。
「コンロは複数あるね。わたしの方は大丈夫。一つは油で揚げものするからね!」
そんな姿を尻目に天竜寺 舞(ka0377)さんも持ち込んだ食材を広げています。何やら珍しい食材もあるようです。
とにかく、作る順番が問題になりそうだ。
「ケーキと鳥にパーティ料理が日本のクリスマスの鉄板だと思いますぅ。というわけで、まずはスポンジガンガン焼いて普通のデコレーションケーキやブッシュドノエル作りますよぅ!」
ここでミニスカサンタ服にエプロン姿の星野 ハナ(ka5852)さんが声高に。
「……ハナさん、何かやけくそになってないです?」
「いやですよぅ、初華さん。そんなわけないじゃないですかぁ」
初華さんが不思議そうにするとハナさんたらケーキの型を奪ってその背中をバシバシ。……バシバシ!
「誰が質問考えたんですかねぇ~」
という最後の一言は聞こえないようにつぶやきましたが、その理由はアンケート集計タイムで。
「おっとっと……」
「あ、初華さん、クレープ手伝うわよ」
ふらついた初華さんはメルクーア(ka4005)さんがキャッチ。
「あれ? メルクーアさん、今日は一人?」
初華さん、余計な事ゆった!
「……お姉ちゃんが来れないって言うからあっ!」
メルクーアさん、ショック。泣き泣きばしんと初華さんの肩を叩くのです。
「おっと」
「きゃん! ……なにこの筋肉の壁?」
「……そりゃご挨拶だな、初華」
ふらついた初華さんを受け止めたというか、ぶつかったのはトリプルJ(ka6653)のシックスパックな腹筋でした。
「っていうか、何でこんな服装!」
Jさんたらがっしりした膝丈サンタブーツにサンタ短パン、サンタベストにサンタ帽という、マッチョむき出しの赤白のサンタコスです。
「……初華、お前らだって似たようなもんだろ?」
「ほへ? それ誤解……」
「な、なんですぅ?」
指摘されてびくっとミニスカの裾を抑える初華さ……おっと、ハナさんまで!
さらに!
「やっほー、初華お姉さん。私もせっかくだからサンタになったんだよ♪ この時期しか着れないしね♪」
狐中・小鳥(ka5484)さんがやって来ました。
何と、チューブトップにミニスカのへそ出しサンタ服ではありませんか。白い大きな袋を担いでいるからでしょうか。目の前の食材を入れてあった空箱をよいしょとまたいでやって来ます。
「……下着も白地に赤の縞パンだし」
「はわっ? 見ちゃダメなんだよ!」
そしてさらにッ!
「しっかし、ひっどい質問だったわね~。……あら、ケーキ? ケーキしかないの? 文句は無いけど、どうせならクッキーでも焼きましょうか」
ふらふらっとやって来たのはキーリ(ka4642)さんです。
いきなり皆が注目しました。
その、へそ出し肌出し白赤衣装に!
「何よ。私の普段着がどうしたのよ? これでも緑色がないからクリスマスカラーじゃないのよ?」
「ええと、キーリさん、クッキーだったよね? ハナさん、もうすぐ? ルカさんはチーズピッツァ、かな? 準備しよう!」
まあまあ、と保護者……ではなく、霧雨 悠月(ka4130)さんがやって来てとりなしました。周りに声を掛けてオーブンの順番を確認します。
「クリスマスパーティーといったら鶏の丸焼きという話を聞いたから持ってきたんだよ。……焼く所とかない、かな? だったら外で焼いてくるんだよ!」
小鳥さんは丸焼きするつもりです。なかなかワイルドですね。
「外なら手伝うぜ……おっと、初華。頑張ってるお前にプレゼントだ」
J、初華さんに革紐で鳥の羽たくさんの手作りペンダントを手渡すと小鳥さんを追います。
「あ、ありがと……」
「ピザはこの木皿で……きゃーっ」
受け取った初華さんに、気を利かして木皿を運ぶアシェ-ル(ka2983)さんがどしーん。
「……あの、見てないですから」
皿は木なので無事ですが、初華さんのミニスカは無事ではなかったようです。アシェールさん、目のやり場に困ってますね。ちなみに白地に赤レースだったようで。
●
こちら、外で火を起こしチキンをロースト……というかワイルドに焼き始めた小鳥さんとJさん。
「ほらっ、もう仕事はいいからっ!」
「強引だな、ウーナ」
そこへウーナ(ka1439)さんがイ寺鑑(kz0175)さんをぐいぐい引っ張りつつやって来ました。軽武装しているのは、青竜紅刃流道場として市中警備の仕事にかかわっていたからです。
「よぉ」
「こんにちはだよ~」
知り合いのJさん、小鳥さんが軽く挨拶。
「……手伝います」
アンケート用紙を手にしたキヅカ・リク(ka0038)さんも寄って来ました。火にかけたチキンをくるくる回します。
その様子に、近くを歩いていたテンシ・アガート(ka0589)さんが立ち止まり激しく興味を引かれたり。
「これ何? 新しいアイテム錬成の出張所!?」
「いや……そういえばアンケートでそんな項目ありましたね」
激しく目を輝かせながら聞いてくるテンシさん。
おかげでキヅカさんは汗たら~しながら答えたり。
それはそれとして、アンケート用紙といえば。
「ところで、『逃げるんだよぉ、すもぉきぃ!』のすもぉきぃ、って、誰?」
ウーナさんがアンケートの項目を指差しながら激しく目を輝かせ鑑さんに聞いてます。
「それは『このすとれいつぉ、ようしゃせん!』が分かるか、にかかるんじゃないか?」
「質問に質問で返すなーっ!」
その気持ちは分かるがだが断る、とかなんとか盛り上がっていたり。
ここで新たに、たたたーっと無邪気に走る寄る足音が。
「イ寺さーん」
「ごふっ……」
白い無邪気な人影は、ディーナ・フェルミ(ka5843)さん。走って来た勢いのままハグしてぎゅうなので鑑さんたらげふげふ。
「今日の美味しいものは何ですかなの」
キラッキラした目で見上げる視線に、まるで悪意はありません。天使のような瞳です。
「そりゃいいけど、赤が足りなくない?」
横からウーナさんが冷静に突っ込むのは、ディーナさんが白い服で白い袋を持っていたから。白い服は普段着ですが。
「美味しいものはみんなで分けると美味しいの」
どうやら同盟領であった郷祭で日持ちがする食料を爆買いしたので今回皆さんに食べてもらおうということのようです。つまり白い袋の中身はプレゼント。
「やっぱり服装に赤が足りないじゃない」
サンタコスしても良かったんじゃない、なウーナさん。
そこに赤い人影が新たにやって来ました。
「そっちは白が足りない!」
ウーナ、びしっ。
「……別にオレはいつもこんな格好だよ」
レイオス・アクアウォーカー(ka1990)さんです。赤い服装ですが、ディーナさんと同じく普段着です。
「しかし、クリスマスパーティーならオレも一品くらい提供するかと思ったんだが……」
レイオスさん、ローストチキンの差し入れを持ってきたようですね。
「食う奴はたくさんいるだろ?」
「きっと心配いらないんだよー」
Jさんも小鳥さんも焼けた分以上必要と思っていたようで、歓迎なのです。
「ま、ダブったり他の料理が足りないならスープやサンドイッチの具にして出せばいいさ。じゃ、行こうぜ?」
というわけで皆さんで会場に移動します。
●
♪
み~はは~のむ~ねに~、ね~むり~ぃ~た~も~
♪
「もうやってる! 何とか間に合ったな!」
テンシさんの言う通り会場の調理室では飾り付けも終わり、アリア(ka2394)さんが聖歌を独唱していました。
アカペラでのびやかな歌声を披露していたアリアさん、やがて歌い終えるとぺこりと一礼。拍手が巻き起こります。
「アリアさん、お疲れ様です」
「まあ、ユッキーの元気丸出しソングだと聖歌にちょっと合わなかったわね」
戻ってきたアリアさんを出迎える悠月さんにキーリさんです。
「キーリの歌声は合うし、悠月の歌声ならカッコよく歌えたよー」
アリアさんの言う通り、歌い方一つなのです。
「あ。小鳥さんたちも帰って来たし、それじゃ本格的に始めま~す。みんなシャンパン持って持って~。ノンアルコールだからみんな乾杯してね~」
というわけで、初華さんがグラスに入れつつ皆さんが回し全員の手元に。
「じゃ、メリー・クリスマ~ス!」
「メリークリスマ~ス」
初華さんの掛け声に、皆さんが声を合わせ杯を掲げ乾杯です。
わあっ、と盛り上がったところで出入り口に立つ姿が。
「あ、ええと……はんたあ倶楽部、ですか?」
高野信実(ka7065)さんです。
手にはアンケート用紙がありますね。
「これ、回答してくれた?」
「あ、はい。ばっちりっすよ!」
聞いた初華さんに、にっこり信実さん。
「はぁい。一名さまごあんな~い。もう一回、かんぱ~い!」
「かんぱ~い!」
改めてわあっと盛り上がるのです。
「ケーキの方も手伝うんだよ」
「……はあっ」
小鳥さんはなぜかテンション下がってるメルクーアさんとケーキの切り分けです。
「ってちょっと、この体勢は何かな?」
「……お姉ちゃんがいれば二人でケーキにナイフを入れてたのに」
メルクーアさん、ウエディングケーキの入刀じゃないですよ?
そしてこっちでは。
「空腹にこの匂いは堪らないな。まずはクレープからいってみるか」
「レイオスさん、どーぞですぅ」
「アシェール? きょうはどうした。口調がいつもと違うよな?」
くるっとエプロンドレスの裾を翻してクレープを載せた木皿を差し出すアシェールさんは楽しそう。普段を知ってるレイオスさんがびくっとなるのは無理もありません。
「だってこの皿、落としても割れないんですよぉ~」
うふふドジ踏んでも大丈夫、とか言い出しそうなアシェールさんなのです。
「お、オードブルなんかもあります」
その横からルカさんがお腹の膨れそうなものを差し出します。
で、チキンが多めなのに気付きましたよ?
「ああ、量が多くなってしまったんだ」
「じゃ、じゃあサンドイッチにしますね、キヅカさん」
キヅカさんの言葉にピンときたルカさん、さっきまでびくびくしていたようですが親しい人からの言葉に安心した笑顔を見せるのです。そしてキヅカさん、ぽそりとつぶやきました。
「……もしかして、味噌汁なんかも作ろうとしてたんだろうか?」
ルカさんのエプロンのポッケに入っていたものを見ての推察。
大当たりです。さらにカレーとか普通の家庭料理まで作ろうとしていました。これで「なんでクリスマスにこんな料理が!」な事態は避けられました。
「もうこうなったら食べるしかないですよぅ~」
ハナさんはガンガン食べてます。まるでやけくそみたいですが、何があったかはアンケート以下略。
「まあ、ガンガン作ってたからねー。……はい、これも食べてね!」
そう言ってハナさんを擁護する舞さんもガンガン作ってましたよね。
というわけで、舞さんの特別料理の登場です。
「え? なにこれ。見たことないんだけど!」
好奇心旺盛なテンシさんもつられてやって来ました。チキンにかぶりついたままなのが何というか元気いっぱいですよね。
「へえっ、変わってるな。……おーい初華、こっちきてみろ!」
Jさんも寄ってきました。こういうの好きそうな初華さんを呼びます。
「ほへ? メルクーアさん、小鳥さん、行ってみよ!」
初華さんが両手で二人を連れて来てみると、テーブルの皿には毛羽立った丸い揚げ物が並んでいました。
「クリスマスと言えばチキンて事で鶏の挽肉と白菜、人参、春雨を混ぜて餡を作り最初に作った生地で包んで油で揚げたんだ」
舞さんの説明。蜂巣芋角(フォンチャオユィジャオ)っていうようですね。
「皮が弾けて蜂の巣みたいになるんだよね。油の温度が高すぎても低すぎても駄目だからちょっと大変だけどね」
「おいしいの! おいしいの?」
アリアさんたちもやって来ましたよ。
「あ、これは……外がさっくり軽くて中のお肉がジューシーだね」
悠月さん、もぐもぐやってます。
「ホントだ、美味しい! 舞さん、見直した~」
「ふん、こう見えてもそこそこ料理は出来るんだよ!」
初華さんもきゃいきゃい。舞さんは得意満面です。
「蜂巣芋角? 美味しいですの~。……鑑さんもウーナさんもどうぞなの。食べ時にみんなで食べるのは正義なの、むふふ」
たたたーっ、とやって来てもふもふ食べるディーナさん。すぐに鑑さんとウーナさんも手招きします。もちろん、自分の持参したソーセージなどの乾物のおすそ分けは忘れません。ジャム類はクレープようにと初華さんに渡してます。
「小さいけど食いでがあるね!」
「食ってばっかで悪いな……」
早速食べたウーナさん。横で食べた鑑さんの余計な一言にぴぴんと反応します。
「……あたしも色々作るから。チクワでしょ、チクワでしょ…あ、ケーキも作っ…手伝えるよ!」
「分かった分かった。……チクワでケーキは作らないこと」
がうっ、と主張するウーナさんにはいはいな感じの鑑さんです。
あれ?
キーリさんが初華さんをじっと見てますよ?
「ほへ? 何?」
「ほかにやらなくちゃならないこと、あるんじゃないの?」
「あ、そうだ。すみませーん、皆さん注目してくださ~い」
●
というわけで、アンケートの集計タイムです。
テンシさんがケーキをもぐもぐやってたりディーナさんが蜂巣芋角をもきゅもきゅやってる横でアシェールさんがポットを傾けて給仕してますが、基本的に初華さんの進行には注目してますね。わき目も振らずがつがつ食べてる舞さんとかガツガツ食べてるハナさんもいますが……きっと始まれば注目してくれるはず!
「それじゃまとまりました。皆さんの回答は、これ!」
ばばん、と初華さんの張り出した大きな紙は以下の通りです(※質問内容はOP参照のこと)。
【あえおきけしすそちてにねのひへみむもゆられわ】…キヅカ・リク
【いえかきけしすたちとにぬはひほまめもゆらるわ】…天竜寺 舞
【いえおくこしすたつとにぬのふほみめやよりるわ】…テンシ・アガート
【いえかくこしせたつとにぬはひほみめやよられわ】…ルカ
【いえおきけさすたちとなねのふほまむもゆりれろ】…ウーナ
【あえおきこさすたちてなねはひへまめもよりるわ】…レイオス・アクアウォーカー
【いえおきけさせそちとにぬはひへまめもゆられわ】…アリア
【いうかくこしすそつとにねはひほまむもよりるわ】…アシェ-ル
【いえおきけしせたつてにねはふほみめやよりれろ】…メルクーア
【いえかきけさせたつとにぬのふへみめもゆられわ】…霧雨 悠月
【いえおくけさせたつとなねのひほみめやよらるろ】…キーリ
【いえかくけさせたつとなぬはふほみめもよりれわ】…狐中・小鳥
【いうおきけさすたつとにぬはふほみめやよられろ】…ディーナ・フェルミ
【いえおきこさせそちとねのひほまむもゆりれわ】…星野 ハナ
【いうおきけしすそつとなぬのふへまめもよられろ】…トリプルJ
【あうかくけさすたつとにぬのふほまめもよられよ】…高野信実
【いうかくけしすたつとにぬはふへみめやよられろ】…南那初華
【いうかくけしせたつとにぬのふほみめやよられろ】…マーガレット・ミケーリ(kz0215)
「鑑さんの分、ないの?」
「ウーナがいきなりここに連れて来たんじゃないか」
ウーナさんと鑑さんのやり取り。
逆にマーガレットさんは管理MSが違……こほん。大人の事情で欠席で、アンケート結果のみです。
「ええと。最初の質問、何だっけ?」
「たしか大規模作戦の参加タイミング、だったかな? 悠月さんはどう?」
用紙を確認する舞さん。小鳥さんも確認してから悠月さんに話を振ってみます。
「僕は結構悩むタイプだよ。ギリギリまで待つかな?」
「急がなくちゃならないってわけでもないしね」
「だよねー」
悠月さんの言葉に舞さんと小鳥さんもおおむね頷きます。
そこへ、眉の根を寄せたキヅカさんがやって来ましたよ?
「これな、結構キツイんだよ」
何やら苦労性モード全開のようです。
「一日目には行先決めなきゃなんだよ、隊長として」
で、二日目と三日目に小隊で作戦会議だろ、場合に寄っちゃほかの小隊と連携協議で調整、四日目の午前中には小隊としてのプレイングを提示してその晩にようやく自分のプレイングなんだよ、とか滔々と説明します。横ではルカさんがこくこく頷きながら無言で応援していたり。
「……だから『あ』のできるだけ早く」
集まった人は小隊長とかではない人がほとんどで、「おー」という賞賛と拍手が巻き起こります。
でもって、二問目の時でしたッ!
「……まぁ脱ぐわよね。重量調整なら」
「えええっ!」
キーリさんの言葉に初華さんが過剰反応してしまいました。でもって、キーリさんの肌色率の高い服装に視線をやりました。
途端に鋭くなるキーリさんの目つき。
「どこを脱ぐかは気にしちゃいけないわ。露出狂でも無いわよ……って、それじゃあんたのこれは何なのよ」
「やぁん、やめてやめて~。……み、みんなもそうなの?」
キーリさん、生足出しまくりの初華さんのミニスカをぐいぐい引っ張ってみたり。
で、助けを求めるべく周りを見る初華さんですが……。
「ええと……別に重量調整じゃないんだけどさり気に寒いんだよ」
脱いでいるわけじゃないけどなぜか肌色率の高い小鳥さん。
「いや、どうせ仮装するならこの方がインパクトあるだろ」
普段より寒々しく筋肉見せまくりなサンタコスのJさんは、むきぃ……とナイスポーズ。
ちなみに小鳥さんは「脱ぐ!」でJさんは「武器はあきらめる」。
……意見は分かれてるけど結局似たようなのは何なのだろう。
それはともかく、そっぽ向いてる人が多い!
初華さん、ががん!
「あら。ユッキーも脱ぐの?」
「て、程度はあるけど……脱ぐかナ?」
キーリさんの確認に頬ぽりぽりする悠月さん。
「そんなの気にするわけないじゃないですかぁ、武器、武器ですよぉ!」
ハナさんの主張がより伝わりやすいですね。攻撃は!最大の!防御なのですっ!
「ハナさんここで脱ごうとしちゃダメーっ!」
どこぞでやった、華麗な白鳥の舞をほうふつとさせる足先の振り上げ方です。両手は自らの服に。まさか本当に脱ぐのか、というところで初華さんが抱き着き止めました。もっとも、ハナさんの方はそのつもりは全くなかったような感じですね。
「……」
それはそれとして、この展開に赤面してもぐもぐケーキ食べてる信実さんのような人もいるのです。もっとも、攻撃的な人がそろったのか少数派ですが。
さて、ここまでは明確に意見に差が出ましたが……。
「参加シナリオでMVP? 素直にうれしい」
「僕で良かったら……うれしいけどっ」
うんと頷き言い切るキヅカさんと、それはまあと控えめな悠月さん。
全体としても十対八で拮抗気味です。
ここでテンシさんの一言。
「うれしいけど何が良かったんだろう!? ってなる!」
意外な活躍もうれしいけど、理由ははっきり分かった方が良さそうですね。
ちなみに、意外と差がついたのが、コレ。
「どっちも好きだけど……冬はプリン派」
「ゼリーの方が色々な味あるからお得!」
以上、悠月さんとテンシさんの、なかなか心動かされるような意見でした。
ついでに食べ物に好き嫌いのなさそうな人にも意見を。
「プリンですの!」
ディーナさん、クレープをもしゃもしゃしつつ意外と言い切りました。
「確かに清涼感とかよりどっしり食べ応えありそうな方が好きそうな気はする」
鑑さんの見立てです。これまでディーナさんのワイルドな食べっぷりは見てきているのですから。
とにかくプリンの圧勝でした。
●
さて、どんどんいきましょう。
「甘口! あれ? 甘口が選択肢にないんだけど!?」
「え?! ええと、カレー作るの止められた、から?」
テンシさんの突然の主張にルカさんがびくっ、としてます。勘違いですが。
「中辛が激辛に圧勝してる中、甘口を支持する人がいるとは……」
汗たら~する初華さんですが、二択ですのでテンシさんは中辛を選んでますね。
でもって、マントかコートか問う質問で。
「これはマントだな。男はマントに憧れるもんだぜ」
おっと。
レイオスさんがこれ見よがしに立ち上がりました。
でもって、自ら羽織ったマントをばさーっと操って見せます。ひらめく裾が生き物のようにレイオスさんの操るように動く様子はとってもカッコいいですね。
「どうだ! 愛用してればこのくらいわけないぜ!」
「おおーっ」
皆さんも思わずこの芸当に拍手なのです。
「……確かに舞台にいいかも……」
アリアさんはコート派でしたが目を引くパフォーマンスに心揺らぐあたり、やっぱりアイドルさんですよね。
そしてそして、ペットは犬派と猫派に綺麗に分かれ……。
「パルム。高く売れるからな」
「はい。キヅカさんの暴言は聞き流してくださいね~」
初華さん、無視して次に。
ここでちょっとした問題が。
「……なあ。温かい飲み物があるのは分かるが、どうして紅茶なんだ?」
Jさんがティーカップに口を付けて冷静に指摘しました。
「言われてみれば……」
「そう言われればそうだよね?」
キヅカさんと悠月さんもはたと自らのティーカップを省みます。
「え? ケーキだし紅茶でおかしいことはないっすよ?」
信実さんは目を丸めてますね。なお、手にした用紙には「紅茶」に丸してあります。
「アンケートで珈琲って答えた人に珈琲はないのかな?」
アリアさんも素朴な疑問を口にします。もちろん、アリアさんは珈琲を選んでいます。
皆さんが「そう言えばそうだよね」とか「なぜ?」と自らのカップを見た時でした。
「え?!」
ただ一人、メイド服を着たアシェールさんがびくっとしてます。
皆がその様子に気付きました。さらにぎくぎく、っとするアシェールさん。
「なあ、アシェールはどう答えたんだ?」
レイオスさんが優しく声を掛けました。
「ど、どうって……しょ、正直に答えましたよ!」
アシェールさんの差し出した用紙を確認すると、「紅茶」に丸してありました。
「なあ、アシェールはまさか自分が紅茶好きだからみんなにも紅茶を出したってことは……」
「み、みんな紅茶がいいって言ってましたし!」
なお、少数ながら六人珈琲派がいた模様。
やらかしたな、という視線が集まりはわわと慌ててごまかそうとしてさらなるドジを踏みそうなアシェールさん……あれ?
「なんでお酒がないのよう!」
さっきまでぶつぶつ何か言ってたメルクーアさんが立ち上がりました。
「お姉ちゃんはいないしお酒は選択肢にないし……」
「そういや飲み物の質問ってほとんど珈琲か紅茶の二択だよな? ……酒が選択肢にあったら迷わず選ぶのに」
あ、レイオスさんも同調した。くっ、とか言って本音がにじみ出てるし。
「っていうか、一応ここハンターオフィスだし真昼間から飲んだくれるわけには……」
たちまちざわめきが起こります。初華さん、汗たら~。
それはそれとして、もしかしたらここで微妙にテンション上がったのがポイントだったのかもしれません。
まさか、次にあのようなことになるとは誰が予想したでしょうツ!
「まあそれはいいとして、次は……」
初華さんのんびりと進行した、その時でした!
「……おかしいですぅ、この質問目から汗が出そうですぅ」
ハナさんがアンケート用紙を手に目をゴシゴシやって何度も確認してます。
「恋人とまったり? 仕事より恋人優先しますか? ……何これ、何で恋人いる事前提なのよ」
顔を上げたキーリさん、ジト目。
――恋人前提、恋人前提……。
この響きが皆の脳裏にごーんごーんと除夜の鐘のように響くのです。
「なんで、お姉ちゃんとイチャイチャという選択肢がないのよお」
ああっ! メルクーアさん再び起立ッ!
「ちょ……って、メルクーアさんなんで飲んでもないのに酔っ払いみたいに絡んでくるのよぅ。しかもキーリさんまで」
初華さんの言う通り、メルクーアさんは普段酒に酔わないんですけどね~。
「…私? いないわよ。燃やされたいの?」
「くぅぅ、この悔しさを料理にぶつけるですぅ! 来年…いや今から全力投球ですぅ!胃袋掴みますよぅ!」
「恋人いなーい! エビフライから錬成しなきゃ……」
「キーリさん、そんなこと聞いてないから。火をつけるならケーキのロウソクに……ああっ。ハナさん料理は余ってるくらいだからっ! って、テンシさんまでっ!」
たちまち巻き起こる騒ぎに初華さんてんてこ舞いです。
「……冗談よ、冗談。次行きましょうか……『デートと仕事が重なりました。どっち取る?』」
通常モードに戻ったキーリさんですが、ここでまたぴきっ、と何かが鳴ったような感じに!
「だから何で恋人いる前提なのよっ!」
「えーと……さすがにこれは秘密、カナ?」
再点火するキーリさんの横で、先の質問には「一緒なら、皆と楽しもう!」とかぽそっとつぶやいていた悠月さんまで赤くなっている始末。
「恋愛……小説の中のことっすよね?」
その横では信実さんが赤くなって……って、ちょっと。何か期待しているような笑顔なのは何で?!
「恋の歌ならうたえるよっ!」
ここでアリアさんが前に。なし崩し的にオンステージに突入です!
「なんかみんな体を動かしたいんじゃないかな?」
「ま、しこたま食ったしな」
「んじゃ、職員さんにもおすそ分けに行く?」
悠月さん、Jさん、舞さんがそんな相談を。
「ちょうどサンタの格好もしてるしね!」
「サンドイッチの差し入れなんかは喜んでもらえるだろ」
小鳥さんとレイオスさんもその気です。
「分かりました。ワゴンを押してついて行きます」
ルカさん、ゴロゴロと給仕セットを押して登場です。
「私も行かなきゃならんのか?」
「もちろん! クリスマスは家族で過ごすもんなんだから、鑑センセも来なきゃねっ」
もういいだろ、な鑑さんはウーナさんが引き止めです。
鑑さん、少し不満そうですが……。
「……あたし、家族いないもん。鑑センセくらいかな、家族っぽいの」
「分かった。……そう言えばタスカービレもしばらく留守をしてたな」
ウーナさんの素直な笑顔に、鑑さんも穏やかな笑みを見せるのです。
「女の子はキラキラした物好きなの蜂蜜やジャムもタスカービレで作りましょうなの」
その横からディーナさんが。鑑さんの左手を両手で握りしめ力説です。
そんな背後に、信実さんがばばん!
「本当のサンタクロースになった気分っす!」
どうやらサンタ服を借りて羽織ったようです。
「元配達員の腕を見せるっすよ~」
サンタ帽をかぶって本領発揮する気満々!
「……ええと、皆さんにお土産を」
会場の隅では、「流れ解散」を感じたアシェールさんが皆へのお土産を準備中。素晴らしい気遣いですよね。先のドジを挽回すべく頑張……。
って、ちょっと、アシェールさん?
「持ち帰りやすいもの……あ、紅茶なんかいいですよね」
またそれですか!
「あ。そんじゃ結果は張り出しとくね。多数派の女王はディーナさんで、少数派は同点が二人いたから男女別で。少数派の帝王がレイオスさん、少数派の女帝がアシェ-ルさん。それぞれおめでとうございまーす! そんじゃ、配達にしゅっぱ~つ!」
以下、初華さんの掲示した集計用紙です。
◆少数派は★(※…無回答&判別不能は○印)
【★えおきけしす★★★に★の★★み★も★られわ】…キヅカ・リク★=9
【いえ★きけしすた★とにぬは★ほ★めも★ら★わ】…天竜寺 舞★=6
【いえお★★しすたつとにぬのふほみめ★よ★★わ】…テンシ・アガート★=5
【いえ★★★し★たつとにぬは★ほみめ★よられわ】…ルカ★=6
【いえおきけさすた★と★★のふほ★★も★★れ★】…ウーナ★=8
【★えおき★さすた★★★★は★★★めもよ★★わ】…レイオス・アクアウォーカー★=11
【いえおきけさ★★★とにぬは★★★めも★られわ】…アリア★=7
【い★★★★しす★つとに★は★ほ★★もよ★★わ】…アシェ-ル★=11
【いえおきけし★たつ★に★はふほみめ★よ★れ★】…メルクーア★=6
【いえ★きけさ★たつとにぬのふ★みめも★られわ】…霧雨 悠月★=4
【いえお★けさ★たつと★★の★ほみめ★よら★★】…キーリ★=8
【いえ★★けさ★たつと★ぬはふほみめもよ★れわ】…狐中・小鳥★=5
【い★おきけさすたつとにぬはふほみめ★よられ★】…ディーナ・フェルミ★=3
【いえおき★さ★★★と○★の★ほ★★も★★れわ】…星野 ハナ★=10※
【い★おきけしす★つと★ぬのふ★★めもよられ★】…トリプルJ★=6
【★★★★けさすたつとにぬのふほ★めもよられ○】…高野信実★=5※
【い★★★けしすたつとにぬはふ★みめ★よられ★】…南那初華★=6
【い★★★けし★たつとにぬのふほみめ★よられ★】…マーガレット・ミケーリ★=6
【3688508563570868476757】…少数派の数(0は拮抗)
そしてみんなどやどやと出発。
最後に、悠月さんが振り返りました。
「今年も楽しかった……友達もそうだと良いな。皆、新年を無事に迎えられますように」
ウインクして、皆を追うのです。
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/12/26 22:57:50 |