ゲスト
(ka0000)
【陶曲】捻子の反乱、余
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/02/13 22:00
- 完成日
- 2018/02/21 23:45
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
ヴァリオスの閑静な住宅街の一角に黄と黒に染めたロープが張られている。
ロープの内側には柱を折って、壁を畳んで、天井から潰れたように崩れた廃屋。
その廃屋を、武装しトランシーバーを構えたハンターオフィスの職員が、日々、昼夜を問わず監視し続けていた。
この廃屋で発生した事件から数日経ったある昼下がり、交代に来た職員がぐるりと一周見回って溜息を零す。
「本当に見落としてないでしょうか……敵はとても小さな捻子だと聞いて来ましたが」
これくらいですよね、と言って指で数センチの幅を作って示す。
幾ら監視していても、そんなに小さな物が相手では。
だが、ここにいれば、逃げ出した捻子に動きがあった場合に、オフィスの初動が遅れることは防げるだろう。
フマーレで起こったような騒ぎを2度と繰り返したくは無い。
捻子は金属とどうやら人の身体も一部操ることが出来るらしく、フマーレの部品工場が荒らされたり、一般人が操られる被害さえも有ったという。
元々、その捻子自体は処分される予定で集められていたもの、集積所は他の場所に比べて負のマテリアルの溜まりやすい立地だったらしいが、平常時なら気にするほどのことでは無い。
しかし、フマーレで発生した大火、出没した強力な歪虚、その影響を受けた集積所の負のマテリアルが増加し、侵蝕が急速に進んでしまった捻子が、騒ぎに便乗するようにフマーレに中心から離れた小さな工業区を荒らしていた。
その捻子が、何者かによってヴァリオスに持ち込まれ、この廃屋で少女を1人殺害した人形の歪虚の手に渡った。
人形の歪虚はハンターとの戦闘に敗れ逃走、嫉妬の歪虚らしく賭の対価に捻子を設定していたらしいが、捻子を投げ捨てた直後、ここに建っていた廃屋を倒壊させて捻子はその下敷きに。
フマーレで起きたことを考えると、このまま放置は出来ないが、小さな捻子の回収には慎重にならざるを得ない。
●
廃屋の片付けと銘打った依頼が掲示された。
倒壊した廃屋の状況を撮した写真を添付され、事件当時のハンターからの報告も要約されている。
捻子が投げられた方向と数、倒壊直前の様子。
倒れたVOIDオートマトン、崩れた鎧。
助け出された少女の亡骸、現れた敵、人形の歪虚。
白い顔は怒りを浮かべて尚、壮絶に美しく、硝子の瞳を濁らせている。
陶器の小さな手が投げた黒い捻子が二つ。黒い靄を纏い床に1度跳ねて転がっていく。
捻子に手を伸ばす時間は与えられず、人形の歪虚が柱を撃って廃屋を倒壊させた。
少女を庇う様に倒れてくる柱や降ってくる天井から逃れて、振り返ると埃を巻き上げて潰れた屋敷があった。
「――――捻子を発見し次第、報告をお願いします。
目視された物は2つ……時間と状況から、増減は無いと思われます。
土地の浄化のため、廃屋を片付けることは勿論ですが、今回は捻子の発見を優先して下さい。
捻子は中央に立って左手、やや後方に寄った所に落ちたそうです。
ですが、倒壊時に移動していることも十分考えられますので、全体の捜索をお願いします」
必要ならばと、人数分の革手袋と安全靴、マスクとタオル、それから見張りに当たっている職員と通信が可能なトランシーバーが貸し出された。
廃屋の周囲の道は魔導トラックが通れる幅が無く、小さな荷車と馬がやっと入れるといったところ。
ロープの外まで運び出された柱や壁板の処分は職員が請け負うと準備が進められていた。
ヴァリオスの閑静な住宅街の一角に黄と黒に染めたロープが張られている。
ロープの内側には柱を折って、壁を畳んで、天井から潰れたように崩れた廃屋。
その廃屋を、武装しトランシーバーを構えたハンターオフィスの職員が、日々、昼夜を問わず監視し続けていた。
この廃屋で発生した事件から数日経ったある昼下がり、交代に来た職員がぐるりと一周見回って溜息を零す。
「本当に見落としてないでしょうか……敵はとても小さな捻子だと聞いて来ましたが」
これくらいですよね、と言って指で数センチの幅を作って示す。
幾ら監視していても、そんなに小さな物が相手では。
だが、ここにいれば、逃げ出した捻子に動きがあった場合に、オフィスの初動が遅れることは防げるだろう。
フマーレで起こったような騒ぎを2度と繰り返したくは無い。
捻子は金属とどうやら人の身体も一部操ることが出来るらしく、フマーレの部品工場が荒らされたり、一般人が操られる被害さえも有ったという。
元々、その捻子自体は処分される予定で集められていたもの、集積所は他の場所に比べて負のマテリアルの溜まりやすい立地だったらしいが、平常時なら気にするほどのことでは無い。
しかし、フマーレで発生した大火、出没した強力な歪虚、その影響を受けた集積所の負のマテリアルが増加し、侵蝕が急速に進んでしまった捻子が、騒ぎに便乗するようにフマーレに中心から離れた小さな工業区を荒らしていた。
その捻子が、何者かによってヴァリオスに持ち込まれ、この廃屋で少女を1人殺害した人形の歪虚の手に渡った。
人形の歪虚はハンターとの戦闘に敗れ逃走、嫉妬の歪虚らしく賭の対価に捻子を設定していたらしいが、捻子を投げ捨てた直後、ここに建っていた廃屋を倒壊させて捻子はその下敷きに。
フマーレで起きたことを考えると、このまま放置は出来ないが、小さな捻子の回収には慎重にならざるを得ない。
●
廃屋の片付けと銘打った依頼が掲示された。
倒壊した廃屋の状況を撮した写真を添付され、事件当時のハンターからの報告も要約されている。
捻子が投げられた方向と数、倒壊直前の様子。
倒れたVOIDオートマトン、崩れた鎧。
助け出された少女の亡骸、現れた敵、人形の歪虚。
白い顔は怒りを浮かべて尚、壮絶に美しく、硝子の瞳を濁らせている。
陶器の小さな手が投げた黒い捻子が二つ。黒い靄を纏い床に1度跳ねて転がっていく。
捻子に手を伸ばす時間は与えられず、人形の歪虚が柱を撃って廃屋を倒壊させた。
少女を庇う様に倒れてくる柱や降ってくる天井から逃れて、振り返ると埃を巻き上げて潰れた屋敷があった。
「――――捻子を発見し次第、報告をお願いします。
目視された物は2つ……時間と状況から、増減は無いと思われます。
土地の浄化のため、廃屋を片付けることは勿論ですが、今回は捻子の発見を優先して下さい。
捻子は中央に立って左手、やや後方に寄った所に落ちたそうです。
ですが、倒壊時に移動していることも十分考えられますので、全体の捜索をお願いします」
必要ならばと、人数分の革手袋と安全靴、マスクとタオル、それから見張りに当たっている職員と通信が可能なトランシーバーが貸し出された。
廃屋の周囲の道は魔導トラックが通れる幅が無く、小さな荷車と馬がやっと入れるといったところ。
ロープの外まで運び出された柱や壁板の処分は職員が請け負うと準備が進められていた。
リプレイ本文
●
「一日仕事になりそうですねぇ」
Gacrux(ka2726)はロープを潜り、崩れた廃屋を眺めて溜息を吐く。今は落ちた屋根に埋もれながら、未だ残っているだろう壁や柱に備えてチェーンソーを担ぐとアリア・セリウス(ka6424)に声を掛けた。
ドラム缶を転がしてきて引き起こす。下に穴を開けて空気を通すと、中に古紙と枯れ木を放り込んでいる。
火を、と申し出たガクルックスに礼を告げてアリアは瓦礫に目を移した。
「火が熾きたら湯を沸かしておいてくれ」
ゴーグルを据えて視界を確かめ、タオルを首に掛けて支度を終えたジャック・エルギン(ka1522)が煎れて飲もうと茶葉を職員に預けた。受け取った職員は頷いて水と薬缶を運んでくる。
支度を進めながらトラウィス(ka7073)は仲間のハンター達を見回した。
「先に伺いたいことがあるのですが」
捜索対象は捻子、実際にそれと対峙したハンターにその特徴を尋ねる。
「ここにまだ捩子歪虚が居るかもしれないなら頑張るの」
ディーナ・フェルミ(ka5843)も頷いて瓦礫をじっと見詰めた。
この場所で起こった事件、気に掛けていたフマーレでの一連の事件。その手掛かりをと思いながら。
連れた水牛を待たせ、ロープを掛けて東條 奏多(ka6425)が振り返る。
「……まだ、終わってないんだよな」
零れた言葉、思い出す事件、被害者となった少女。人形の歪虚が投じた黒い捻子。
始まりは前の春。フマーレの大火の頃。長くあの小さな町に潜み、居座って、住まう人々を混乱させた。
「――見回って終わったと思ったが、まだ残ってやがった」
見目は小さな黒い捻子、これくらいだと指で大きさを示して見せる。
「そんなチンケな捻子が大惨事を起こすんだから、物騒なことこの上ないね」
それを見たアレイダ・リイン(ka6437)が眉根を寄せた。そんなに小さいなら隠れるには便利だろうと思うことは多く有るが。
しかし、今はそのお陰で増えた目の前の仕事に集中だ。
トラウィスは仲間の話に頷くと、それならばとトランシーバーを手に取る。
「何かあった際は避難勧告を行いましょう」
近くに詰めている職員達を一瞥する。全員の安全を第一に。
トランシーバーの設定を済ませたユウ(ka6891)が瓦礫を見詰めた。
人形の歪虚の情報は何か得られるだろうか。
それは高望みだろうか。
思い出される人形のあの嗄れた声を払う様に首を振った。
「……んじゃま、始めるとすっか!」
全員が支度を終えるのを見回して、ジャックが声を掛けて瓦礫に手を掛けた。
●
落ちた屋根や剥き出しになる柱を伝って上へ上へ。
ジャックを始め4人のハンターが瓦礫に登った。
捻子の歪虚の情報から金属を優先して検めようとするアレイダとトラウィスだが、見回す視界には一面のテラコッタ。素焼きの屋根瓦の古く煤けた赤茶色が散らかっている。
ロープを担いできたジャックと、長柄とチェーンソーを支度してきたガクルックスも、先ずはそれらを片付けることにした。
割れた瓦を退けると、屋根板が少しずつ顕わになっていく。割れたり拉げたりしたその板に、ガクルックスが柄を引っ掛け、近くで重なる柱を支点にする梃子で剥がす。それを数枚束ねるとジャックがロープで括って下へ下ろした。
一角を空け、瓦礫の選別と搬出の手伝いに残った4人も、それぞれに動いている。
「こちらです」
ジャックを見上げ、ユウが声を張って場所を示す。下ろされた木材に手が届くと、受け取りました、と再度声を掛けてロープを解く。
下ろされた屋根板は、一見何れも板の廃材。
ディーナは目を皿のように隅々まで検分してから運び、東條もそれを手伝いながら歪虚の気配に神経を尖らせる。
荷車までの往復を数度、アリアは屋根を見上げた。
「寒くは無い? 休憩も必要よ」
火から離れた場所での作業が続く屋根の4人に、順に交代をと申し出て瓦礫を登る。
板に手を掛けた時、そこ打ち込まれていた鋲が黒いネジ山に見えて目をしばたたく。
この不安も、あの捻子が残した傷跡なのだろう。
「嫌いなのも、許せないのも変わらない。……だからこそ、それに捕らわれすぎないように」
自らに言い行かせるように呟いて、梁を剥き出しの屋根の上へ。
「今下ろした物は金属部品が多く見えました。……次は柱です、こちらに下ろしますから、お願いします」
搬出と精査を分担するように、トラヴィスが回収した物を下ろす毎に声を掛ける。
負のマテリアルを探って部品を調べるディーナの集中力は切れていない。
しかし、捻子の歪虚も、銃を使っていたVOIDオートマトンと人形の歪虚も、まだ遭遇の気配が無い。
「これは、運ぶにはデカすぎるねえ」
建物を貫いていた柱が元から折れ、壁を割りながらも倒れきらず、斜めに渡って留まっている。丈夫な建材だったのだろうそれを一瞥、大振りの鎌を取り出すと、翠の刃を翻す。
手伝います、と声を向けたトラウィスが魔導機械を仕込むガントレットを付けた手を向け、その刃へエネルギー化したマテリアルを注ぐ。
刃は容易く柱を断ち、その柱に押さえられていた壁が大きな音を立てて倒れた。
壁板を前にしたガクルックスも、得物をチェーンソーに持ち替えてハンドルを握る。起動させればモーターが鎖の繋ぐ刃を回転させ、厚い壁板を両断、束ねて下ろせる大きさに揃えた。
「この屋台骨は危ねえな。先にロープで固定しとくわ」
ジャックは数枚の壁の下で倒れかかった柱にロープを掛け、瓦礫を迂回して未だ自立している柱へその端を括り付ける。重なる壁を先にと声を掛け、ジャックも1枚退かすと、少しずつ日の差してくる廃墟の床を見下ろした。
一所に集められた重い柱を東條はマテリアルを込めて持ち上げて移動させ、その先は牽く力のある水牛に続きを任せる。
捻子の歪虚はまだは見付かっていないが、廃材の片付けも職員達の運搬の作業も滞りなく進んでいるようだ。
分けられた金属部品は何れも鉄の黒か錆びた赤い色をしている。
一定量毎に優先的に運び出しているそれに紛れていたという知らせも無い。
そちらはどう、と下りてきたアリアの声に瓦礫へ視線を向けた。
アリアは負のマテリアルの気配を探りながら、周囲に散らかった木材を束ね始めた。
「逃げるだけなら屋敷を崩す必要はないからな……」
あの歪虚の目的は何だったのだろう。
アリアの目が東條を見詰めた。捕らわれすぎないように、それが目的かも知れないから。
「でも、そう……繰り返さない。絶対」
静かな声が誓うように言った。
上で作業を続ける仲間に声を掛け、下ろされた廃材を分別し。
その合間に、抱えられる物は荷車までは混んで、職員の様子も気に掛けながらユウは忙しなく動いている。
まだ何れの歪虚の情報も得られていない事に焦りを感じるが、分別の作業は慎重に、見落とさないように集中して続ける。
休憩を挟みながら、冬晴れの眩しい太陽が空の天辺を越えた頃に、屋根と2階部分の床と壁だろう板が取り除かれ、柱が束ねられて搬出を待つ状態になると、華やかさの面影が殆ど残っていない家具や、先日の事件で動いていた鎧も見かけられるようになった。
鎧は動く気配こそ無いが、戦闘で与えた傷はそのまま、しかし、錆や割れが酷く潰れた家屋に押し潰されて拉げている。
負のマテリアルの影響を受けていたためだろう、所々に歪な欠けもあり、それらも回収して浄化の作業の為に、廃材とは分けて並べていく。
事件に関わったハンター達が庭を見るが、針も同様に、錆びて折れて、拾えば砕けるほど傷んでいた。黒ずみ歪に膨れた跡はただの劣化による物では無い。
その歪んだ痕跡に眉を寄せた。
鎧を見付けるところまで廃屋を開けたことで、籠もっていた負のマテリアルの気配が敷地を満たすほど広がっていく。
廃材の撤去に当たっていたハンター達も、分別と運搬の作業に合流した。
ガクルックスはそこに残った最後の鎧を運びながら、あの日のことを思い出す。
こちらに向いた銃口。放たれた弾丸。人形の歪虚が柱を撃ったあの銃は何処に有る。VOIDオートマトンの銃は消えた、ならば、あれは人形の歪虚の手掛かりたり得るのでは無いだろうか。
しかし、記憶の最後は倒れてくる柱、落ちてくる屋根。
「……だれか、銃は見てませんかねえ?」
手掛かりになるかも知れないのですが。見回すがそれらしい物の影はなく、仲間も皆見ていないという。
●
1階の壁だったのだろうその板は、日焼けと埃にまみれて色を変えているが花をあしらう壁紙の部分が残っている。打ち込まれている鋲は取り除かなくてはと思いながらアレイダが手を伸ばすと、下敷きになったチェスト戸の隙間で何かが動いた。
咄嗟に身構えて得物を握るが、もそりと動いたそれが身を翻すと細い尻尾が覗く。
鼠。こんな状態では棲み着いて仕舞ったのも無理は無い。改めて壁板に手を掛けると冷ややかで重苦しい気配を強く感じた。
板を退けると、きいきいと鳴きながら鼠が逃げ出し、隣に転がっていた発条の飛び出したマットレスに飛び込んだ。
チェストの引き出しが2つ砕けていた。
1つは鼠の巣に。もう1つは。
「捻子が出たよ! こっちに来て」
中で黒い捻子が黒い靄を纏って独楽のように回っていた。
駆けつけるジャックの翻った髪が焼けた鉄の赤に染まる。その色を宿す瞳で見下ろすように敵に得物を向けた。
同じく駆けつけたガクルックスは黒い双眸の周囲を鮮やかに彩り、燃え立たせるマテリアルで捻子の注意を誘う。
トランシーバーを取ると職員へ発見の連絡を入れ、すぐにその手は得物に持ち替える。
自身よりも後方へ被害が到らぬように、トラヴィスも盾を構えてマテリアルを巡らせる。
チェストから飛び出した黒い捻子はその先端をガクルックスに向ける。
瞬間強くなった負のマテリアルの気配に、ジャックは糸の動きを探ってガクルックスへ視線を向ける。
ガクルックスはマテリアルの光りを纏いながら、今まで廃材の撤去に使っていた長柄の斧を取り回す。
両手で長柄を握る様子にジャックは視線を捻子に据え、その動きを遮って矢を降らせた。
矢の雨に囲まれた捻子へ、旋回した斧の重い刃が叩き付けられ、続いてアレイダが精霊の力を借りた力強い拳を叩き付けた。
「銃だったな。見付けたら声をかけるようにする」
ガクルックスに声を掛け、ジャックは作業を再開させる。
砕けた捻子の黒い粒子はどこへともなく舞い上がって消えていった。
一つ目の捻子は見付かった。その安堵と、もう1つが見付からない不安にディーナが焦りを見せる。
「おかしいの出てこないの……?」
影になっているような場所も、もう少ない。
焦りを振り払って、目の前の金属部品の確認に向き合い続け、それを終えると次の廃材に手を伸ばす。
鋲の打たれた柱だった。
それ程大きな物では無いが、妙に重く感じる。疲れだろうかと重いながら、一つ一つ引き抜いて検めていく。
数本抜いたところで、背筋に寒気が走った。
顕わになった負のマテリアルは、近くで作業していた仲間にも届いたらしい。
白雪の淡い光りを纏うアリアが銀水晶の剣を抜いて構え、ユウと東條は振り返って職員の配置を確かめる。
ユウは数歩を駆って、白い角を伸ばしながら鎮魂歌を歌い上げる。サークレットを介して増幅するマテリアルの込められた歌声が、柱に潜む捻子の動きを緩ませた。
「歌を続けます……先に避難を」
職員への連絡にあたった東條は、全員の退避を確認し、マテリアルを纏って駆け戻る。
「敵の退路は俺が塞ぐ」
「花のように残す、なんてして欲しくないけれど」
動きを遮られた捻子へ、東條とアリアの得物が向けられる。
ディーナも鎚矛を握り、マテリアルの刃を無数に降らせた。
歌の中に降り注ぐその刃に完全に射止められた捻子へ、剣と刀が叩き付けられた。
2つの捻子の破壊を職員に伝える。
そのまま作業を続けると言うハンター達に礼を告げて、職員も近くでの作業に加わることになった。
日の落ちるまでにそれらを終えると、熱い紅茶を配りながら労いの言葉が掛けられた。
●
片付いた。東條は更地になった瓦礫の跡を眺めて一歩踏み出す。
その足取りは一歩一歩真剣に、踏み締めて地下の有無を探りながら丁寧に歩いて行く。端から端へ、隅々まで探りながら歩き続ける。
その中心へ進み、ディーナは鎚矛の聖印を掲げるように浄化の魔法を発動させる。
この場に残った汚染をディーナのマテリアルが取り除いていく。
「――私達にとって歪虚が悪夢なように、歪虚にとっても私達が悪夢であればいいと思うの」
掲げて居た得物を下ろして静かな声が紡ぐ。
人は一方的に蹂躙されるぞんざいでは無い。そう証明するために歪虚と戦う。
「……ここの歪虚が次の舞台を整えきる前に会えればいいと、本気で思うの」
妙に物語ということを強調している印象を受けた。人形の歪虚に付いてガクルックスはそう思い出していた。
その歪虚が、次の物語の舞台を整えてしまう前にとディーナは誓いのように瞼を伏せた。
アリアが全てを終えた敷地の隅に白い花のブーケを置いた。
枯れてしまっているが、庭に植えられていた花の花言葉は孤独。
針に絡め取られて同じ物を重ねないように、幸せな言葉を束ねた花を供える。
酒が欲しいところだと顔の汗と砂埃を拭って、火に当たりながらジャックが空を見上げる。
作業を終えて増やしたドラム缶には職員達も集まっていた。
廃材の処分から最後の職員が戻り、彼等にも煎れ立ての熱い紅茶を渡す。
ハンター達が揃うと、アレイダが声を掛けた。
「少しは心構えが遭ったほうがいいだろう?」
同じような事件のために。
どんな事件だったか聞いておきたい。あの小さな捻子のこと、それが起こした被害のことを。
それぞれの記憶で話しが盛り上がる一方、人形の歪虚の手掛かりは、最後まで見付からなかったと全てを片付け終えた職員がハンター達に言う。
「推測に過ぎませんが」
職員の1人がハンター達を見回して話し始めた。
目的は恐らく、ハンターの目をここへ留めること。
それを可能な限り長く。それならば、一日で全てが完了したことは僥倖だろう。
或いは、本当に捻子をヴァリオスに解き放すつもりだった。
この場所自体が人形の歪虚の支配下だった。そこに、負のマテリアルに侵蝕された物を長期間放置した結果は想像に難くない。
そうならなかったのだから、こちらの目的も失敗だろう。
あの歪虚に関する情報は乏しいけれど、他の嫉妬の歪虚と同様、遊びを好む性質が強く発現しているように見える。恐らく、また何か仕掛けてくるだろう。
溜息を吐いてそう話し終え、空に浮かぶ月を見上げると火を落として解散を促した。
「一日仕事になりそうですねぇ」
Gacrux(ka2726)はロープを潜り、崩れた廃屋を眺めて溜息を吐く。今は落ちた屋根に埋もれながら、未だ残っているだろう壁や柱に備えてチェーンソーを担ぐとアリア・セリウス(ka6424)に声を掛けた。
ドラム缶を転がしてきて引き起こす。下に穴を開けて空気を通すと、中に古紙と枯れ木を放り込んでいる。
火を、と申し出たガクルックスに礼を告げてアリアは瓦礫に目を移した。
「火が熾きたら湯を沸かしておいてくれ」
ゴーグルを据えて視界を確かめ、タオルを首に掛けて支度を終えたジャック・エルギン(ka1522)が煎れて飲もうと茶葉を職員に預けた。受け取った職員は頷いて水と薬缶を運んでくる。
支度を進めながらトラウィス(ka7073)は仲間のハンター達を見回した。
「先に伺いたいことがあるのですが」
捜索対象は捻子、実際にそれと対峙したハンターにその特徴を尋ねる。
「ここにまだ捩子歪虚が居るかもしれないなら頑張るの」
ディーナ・フェルミ(ka5843)も頷いて瓦礫をじっと見詰めた。
この場所で起こった事件、気に掛けていたフマーレでの一連の事件。その手掛かりをと思いながら。
連れた水牛を待たせ、ロープを掛けて東條 奏多(ka6425)が振り返る。
「……まだ、終わってないんだよな」
零れた言葉、思い出す事件、被害者となった少女。人形の歪虚が投じた黒い捻子。
始まりは前の春。フマーレの大火の頃。長くあの小さな町に潜み、居座って、住まう人々を混乱させた。
「――見回って終わったと思ったが、まだ残ってやがった」
見目は小さな黒い捻子、これくらいだと指で大きさを示して見せる。
「そんなチンケな捻子が大惨事を起こすんだから、物騒なことこの上ないね」
それを見たアレイダ・リイン(ka6437)が眉根を寄せた。そんなに小さいなら隠れるには便利だろうと思うことは多く有るが。
しかし、今はそのお陰で増えた目の前の仕事に集中だ。
トラウィスは仲間の話に頷くと、それならばとトランシーバーを手に取る。
「何かあった際は避難勧告を行いましょう」
近くに詰めている職員達を一瞥する。全員の安全を第一に。
トランシーバーの設定を済ませたユウ(ka6891)が瓦礫を見詰めた。
人形の歪虚の情報は何か得られるだろうか。
それは高望みだろうか。
思い出される人形のあの嗄れた声を払う様に首を振った。
「……んじゃま、始めるとすっか!」
全員が支度を終えるのを見回して、ジャックが声を掛けて瓦礫に手を掛けた。
●
落ちた屋根や剥き出しになる柱を伝って上へ上へ。
ジャックを始め4人のハンターが瓦礫に登った。
捻子の歪虚の情報から金属を優先して検めようとするアレイダとトラウィスだが、見回す視界には一面のテラコッタ。素焼きの屋根瓦の古く煤けた赤茶色が散らかっている。
ロープを担いできたジャックと、長柄とチェーンソーを支度してきたガクルックスも、先ずはそれらを片付けることにした。
割れた瓦を退けると、屋根板が少しずつ顕わになっていく。割れたり拉げたりしたその板に、ガクルックスが柄を引っ掛け、近くで重なる柱を支点にする梃子で剥がす。それを数枚束ねるとジャックがロープで括って下へ下ろした。
一角を空け、瓦礫の選別と搬出の手伝いに残った4人も、それぞれに動いている。
「こちらです」
ジャックを見上げ、ユウが声を張って場所を示す。下ろされた木材に手が届くと、受け取りました、と再度声を掛けてロープを解く。
下ろされた屋根板は、一見何れも板の廃材。
ディーナは目を皿のように隅々まで検分してから運び、東條もそれを手伝いながら歪虚の気配に神経を尖らせる。
荷車までの往復を数度、アリアは屋根を見上げた。
「寒くは無い? 休憩も必要よ」
火から離れた場所での作業が続く屋根の4人に、順に交代をと申し出て瓦礫を登る。
板に手を掛けた時、そこ打ち込まれていた鋲が黒いネジ山に見えて目をしばたたく。
この不安も、あの捻子が残した傷跡なのだろう。
「嫌いなのも、許せないのも変わらない。……だからこそ、それに捕らわれすぎないように」
自らに言い行かせるように呟いて、梁を剥き出しの屋根の上へ。
「今下ろした物は金属部品が多く見えました。……次は柱です、こちらに下ろしますから、お願いします」
搬出と精査を分担するように、トラヴィスが回収した物を下ろす毎に声を掛ける。
負のマテリアルを探って部品を調べるディーナの集中力は切れていない。
しかし、捻子の歪虚も、銃を使っていたVOIDオートマトンと人形の歪虚も、まだ遭遇の気配が無い。
「これは、運ぶにはデカすぎるねえ」
建物を貫いていた柱が元から折れ、壁を割りながらも倒れきらず、斜めに渡って留まっている。丈夫な建材だったのだろうそれを一瞥、大振りの鎌を取り出すと、翠の刃を翻す。
手伝います、と声を向けたトラウィスが魔導機械を仕込むガントレットを付けた手を向け、その刃へエネルギー化したマテリアルを注ぐ。
刃は容易く柱を断ち、その柱に押さえられていた壁が大きな音を立てて倒れた。
壁板を前にしたガクルックスも、得物をチェーンソーに持ち替えてハンドルを握る。起動させればモーターが鎖の繋ぐ刃を回転させ、厚い壁板を両断、束ねて下ろせる大きさに揃えた。
「この屋台骨は危ねえな。先にロープで固定しとくわ」
ジャックは数枚の壁の下で倒れかかった柱にロープを掛け、瓦礫を迂回して未だ自立している柱へその端を括り付ける。重なる壁を先にと声を掛け、ジャックも1枚退かすと、少しずつ日の差してくる廃墟の床を見下ろした。
一所に集められた重い柱を東條はマテリアルを込めて持ち上げて移動させ、その先は牽く力のある水牛に続きを任せる。
捻子の歪虚はまだは見付かっていないが、廃材の片付けも職員達の運搬の作業も滞りなく進んでいるようだ。
分けられた金属部品は何れも鉄の黒か錆びた赤い色をしている。
一定量毎に優先的に運び出しているそれに紛れていたという知らせも無い。
そちらはどう、と下りてきたアリアの声に瓦礫へ視線を向けた。
アリアは負のマテリアルの気配を探りながら、周囲に散らかった木材を束ね始めた。
「逃げるだけなら屋敷を崩す必要はないからな……」
あの歪虚の目的は何だったのだろう。
アリアの目が東條を見詰めた。捕らわれすぎないように、それが目的かも知れないから。
「でも、そう……繰り返さない。絶対」
静かな声が誓うように言った。
上で作業を続ける仲間に声を掛け、下ろされた廃材を分別し。
その合間に、抱えられる物は荷車までは混んで、職員の様子も気に掛けながらユウは忙しなく動いている。
まだ何れの歪虚の情報も得られていない事に焦りを感じるが、分別の作業は慎重に、見落とさないように集中して続ける。
休憩を挟みながら、冬晴れの眩しい太陽が空の天辺を越えた頃に、屋根と2階部分の床と壁だろう板が取り除かれ、柱が束ねられて搬出を待つ状態になると、華やかさの面影が殆ど残っていない家具や、先日の事件で動いていた鎧も見かけられるようになった。
鎧は動く気配こそ無いが、戦闘で与えた傷はそのまま、しかし、錆や割れが酷く潰れた家屋に押し潰されて拉げている。
負のマテリアルの影響を受けていたためだろう、所々に歪な欠けもあり、それらも回収して浄化の作業の為に、廃材とは分けて並べていく。
事件に関わったハンター達が庭を見るが、針も同様に、錆びて折れて、拾えば砕けるほど傷んでいた。黒ずみ歪に膨れた跡はただの劣化による物では無い。
その歪んだ痕跡に眉を寄せた。
鎧を見付けるところまで廃屋を開けたことで、籠もっていた負のマテリアルの気配が敷地を満たすほど広がっていく。
廃材の撤去に当たっていたハンター達も、分別と運搬の作業に合流した。
ガクルックスはそこに残った最後の鎧を運びながら、あの日のことを思い出す。
こちらに向いた銃口。放たれた弾丸。人形の歪虚が柱を撃ったあの銃は何処に有る。VOIDオートマトンの銃は消えた、ならば、あれは人形の歪虚の手掛かりたり得るのでは無いだろうか。
しかし、記憶の最後は倒れてくる柱、落ちてくる屋根。
「……だれか、銃は見てませんかねえ?」
手掛かりになるかも知れないのですが。見回すがそれらしい物の影はなく、仲間も皆見ていないという。
●
1階の壁だったのだろうその板は、日焼けと埃にまみれて色を変えているが花をあしらう壁紙の部分が残っている。打ち込まれている鋲は取り除かなくてはと思いながらアレイダが手を伸ばすと、下敷きになったチェスト戸の隙間で何かが動いた。
咄嗟に身構えて得物を握るが、もそりと動いたそれが身を翻すと細い尻尾が覗く。
鼠。こんな状態では棲み着いて仕舞ったのも無理は無い。改めて壁板に手を掛けると冷ややかで重苦しい気配を強く感じた。
板を退けると、きいきいと鳴きながら鼠が逃げ出し、隣に転がっていた発条の飛び出したマットレスに飛び込んだ。
チェストの引き出しが2つ砕けていた。
1つは鼠の巣に。もう1つは。
「捻子が出たよ! こっちに来て」
中で黒い捻子が黒い靄を纏って独楽のように回っていた。
駆けつけるジャックの翻った髪が焼けた鉄の赤に染まる。その色を宿す瞳で見下ろすように敵に得物を向けた。
同じく駆けつけたガクルックスは黒い双眸の周囲を鮮やかに彩り、燃え立たせるマテリアルで捻子の注意を誘う。
トランシーバーを取ると職員へ発見の連絡を入れ、すぐにその手は得物に持ち替える。
自身よりも後方へ被害が到らぬように、トラヴィスも盾を構えてマテリアルを巡らせる。
チェストから飛び出した黒い捻子はその先端をガクルックスに向ける。
瞬間強くなった負のマテリアルの気配に、ジャックは糸の動きを探ってガクルックスへ視線を向ける。
ガクルックスはマテリアルの光りを纏いながら、今まで廃材の撤去に使っていた長柄の斧を取り回す。
両手で長柄を握る様子にジャックは視線を捻子に据え、その動きを遮って矢を降らせた。
矢の雨に囲まれた捻子へ、旋回した斧の重い刃が叩き付けられ、続いてアレイダが精霊の力を借りた力強い拳を叩き付けた。
「銃だったな。見付けたら声をかけるようにする」
ガクルックスに声を掛け、ジャックは作業を再開させる。
砕けた捻子の黒い粒子はどこへともなく舞い上がって消えていった。
一つ目の捻子は見付かった。その安堵と、もう1つが見付からない不安にディーナが焦りを見せる。
「おかしいの出てこないの……?」
影になっているような場所も、もう少ない。
焦りを振り払って、目の前の金属部品の確認に向き合い続け、それを終えると次の廃材に手を伸ばす。
鋲の打たれた柱だった。
それ程大きな物では無いが、妙に重く感じる。疲れだろうかと重いながら、一つ一つ引き抜いて検めていく。
数本抜いたところで、背筋に寒気が走った。
顕わになった負のマテリアルは、近くで作業していた仲間にも届いたらしい。
白雪の淡い光りを纏うアリアが銀水晶の剣を抜いて構え、ユウと東條は振り返って職員の配置を確かめる。
ユウは数歩を駆って、白い角を伸ばしながら鎮魂歌を歌い上げる。サークレットを介して増幅するマテリアルの込められた歌声が、柱に潜む捻子の動きを緩ませた。
「歌を続けます……先に避難を」
職員への連絡にあたった東條は、全員の退避を確認し、マテリアルを纏って駆け戻る。
「敵の退路は俺が塞ぐ」
「花のように残す、なんてして欲しくないけれど」
動きを遮られた捻子へ、東條とアリアの得物が向けられる。
ディーナも鎚矛を握り、マテリアルの刃を無数に降らせた。
歌の中に降り注ぐその刃に完全に射止められた捻子へ、剣と刀が叩き付けられた。
2つの捻子の破壊を職員に伝える。
そのまま作業を続けると言うハンター達に礼を告げて、職員も近くでの作業に加わることになった。
日の落ちるまでにそれらを終えると、熱い紅茶を配りながら労いの言葉が掛けられた。
●
片付いた。東條は更地になった瓦礫の跡を眺めて一歩踏み出す。
その足取りは一歩一歩真剣に、踏み締めて地下の有無を探りながら丁寧に歩いて行く。端から端へ、隅々まで探りながら歩き続ける。
その中心へ進み、ディーナは鎚矛の聖印を掲げるように浄化の魔法を発動させる。
この場に残った汚染をディーナのマテリアルが取り除いていく。
「――私達にとって歪虚が悪夢なように、歪虚にとっても私達が悪夢であればいいと思うの」
掲げて居た得物を下ろして静かな声が紡ぐ。
人は一方的に蹂躙されるぞんざいでは無い。そう証明するために歪虚と戦う。
「……ここの歪虚が次の舞台を整えきる前に会えればいいと、本気で思うの」
妙に物語ということを強調している印象を受けた。人形の歪虚に付いてガクルックスはそう思い出していた。
その歪虚が、次の物語の舞台を整えてしまう前にとディーナは誓いのように瞼を伏せた。
アリアが全てを終えた敷地の隅に白い花のブーケを置いた。
枯れてしまっているが、庭に植えられていた花の花言葉は孤独。
針に絡め取られて同じ物を重ねないように、幸せな言葉を束ねた花を供える。
酒が欲しいところだと顔の汗と砂埃を拭って、火に当たりながらジャックが空を見上げる。
作業を終えて増やしたドラム缶には職員達も集まっていた。
廃材の処分から最後の職員が戻り、彼等にも煎れ立ての熱い紅茶を渡す。
ハンター達が揃うと、アレイダが声を掛けた。
「少しは心構えが遭ったほうがいいだろう?」
同じような事件のために。
どんな事件だったか聞いておきたい。あの小さな捻子のこと、それが起こした被害のことを。
それぞれの記憶で話しが盛り上がる一方、人形の歪虚の手掛かりは、最後まで見付からなかったと全てを片付け終えた職員がハンター達に言う。
「推測に過ぎませんが」
職員の1人がハンター達を見回して話し始めた。
目的は恐らく、ハンターの目をここへ留めること。
それを可能な限り長く。それならば、一日で全てが完了したことは僥倖だろう。
或いは、本当に捻子をヴァリオスに解き放すつもりだった。
この場所自体が人形の歪虚の支配下だった。そこに、負のマテリアルに侵蝕された物を長期間放置した結果は想像に難くない。
そうならなかったのだから、こちらの目的も失敗だろう。
あの歪虚に関する情報は乏しいけれど、他の嫉妬の歪虚と同様、遊びを好む性質が強く発現しているように見える。恐らく、また何か仕掛けてくるだろう。
溜息を吐いてそう話し終え、空に浮かぶ月を見上げると火を落として解散を促した。
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/02/12 07:59:07 |
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作戦相談 東條 奏多(ka6425) 人間(リアルブルー)|18才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2018/02/13 13:05:50 |