ゲスト
(ka0000)
【RH】その嘆きは誰が為に
マスター:猫又ものと

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/03/07 12:00
- 完成日
- 2018/03/22 13:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●切なる祈り
アスガルドに所属する強化人間達の失踪。
そして突然翻した反旗。
何が原因かも分からず、トモネ・ムーンリーフは決断を迫られた。
強化人間達が説得に応じない今のままでは、蜂起したとみなされる。
そうなれば、何らかの処分は免れない。
トモネの目の前には一枚の写真。
先日、ハンター達がアスガルドに来訪した時に皆で一緒に撮ったものだ。
ハンター達と一緒に零れんばかりの笑顔で写っている子供達。
マルコス、ランディ、杏、ユニス……ニーナにアルノ。
他にも沢山の子供達があそこで暮らしている。
大人に囲まれ、若くして社交界での正しい立ち居振る舞いを求められるトモネにとって、唯一の同年代のトモダチと過ごせる場所だったのに。
「……何故。どうして……」
呟くトモネ。
分かってはいる。分かってはいるのだ。
ムーンリーフ財団の総帥として、正しい判断を下さなくてはいけない。
だけど――。
――この世界に神がいるというのなら。
どうか、あの子達を助けてください……。
今まで神になど縋ったことがない少女は、その時初めて……不確かな存在に奇跡を願った。
●その嘆きは誰が為に
「ダンバーのドゥーン・ヒル近くにある林に、強化人間達が武装して潜んでいます。彼らを制圧しに行きます。ハンターさんも同行してください」
珍しくがっちりと武装したレギ(kz0229)の姿に言葉を失うハンター達。
その格好が、今起きている事態の深刻さを伝えているようで……ハンターがため息をつく。
「……その潜んでいる強化人間というのは、アスガルドの子供達で間違いないのね?」
「はい。ラズモネ・シャングリラからの通信によると、残念ながら間違いないと……」
「一体何だってこんなことになったんだ?」
「分かりません。何度か対話を試みてはいるんですが、一切応じない状態です」
レギの言葉に顔を見合わせるハンター達。
先日、アスガルドで会った子供達は皆元気で素直で、とても子供らしくて……。
アスガルドを管理運営する立場であるトモネとも、施設の職員とも、ハンター達とも友好的に接していた。
だからこそ、反旗を翻したという事実が受け入れ難かった。
「何かに操られているとか、誰かを人質に取られているとか……そういうことはないの?」
「その可能性も十分に考えられますが、それを突き止める為にも、まずは彼らを止めないと……」
そうね、と頷くハンター。
レギはそれから……と続けながらハンター達を見る。
「森山艦長が、強化人間の子供達はなるべく傷つけずに捕らえて欲しいとのことでした」
「ああ。言われなくてもそのつもりだ」
「最悪の場合は……その、始末しても構わないと。宙軍から指示が出ています」
言い淀むレギ。レギにとっても強化人間の子供達は後輩だ。
アスガルドで過ごしたことがあるとも言っていた。
平静を装ってはいるが……この状況は、決して彼の精神衛生上宜しくないだろう。
「その最悪を避ける為に来ているのよ。助け出しましょう」
「……ありがとうございます。皆さんが来てくれて、良かったです」
ずっと厳しいままだったレギの表情が、少し頼りなげな、年相応の顔になって……ハンターは、その背を励ますように叩いた。
ダンバーのドゥーン・ヒル近くにある林。
そこに置かれた鉄の箱……武装トラック『ブロート』から、滑るような動きで強化人間達が出て来る。
彼らはすぐさま武装トラックや、林の木々に隠れるように身を潜めた。
『敵性存在を殲滅せよ。訓練通りにやればすぐに終わる』
与えられたオーダー自体は極簡単なもの。
杏は銃を手にしたまま恐怖に塗りつぶされそうな心を堪えていた。
周囲にいるのは気味の悪い敵性存在。
まるで昔読んだ、怖い絵本に出て来たお化けのような……。
その敵性存在が複数、こちらに迫って来ている。
見たことないけれど、あれはVOIDなのだろうか?
「――。―――? ―――」
何かを言っている? 何を言っているのか分からない。理解できない。
「ユニス……! ユニスどこ……!?」
「――ここ――よ……。杏」
「敵を倒したら、トモネ様褒めてくれるかな……?」
「……うん。――……」
何だか声が聞き取れなくてユニスの手を取る杏。
……お友達の手が震えている。
ユニスも怖いのだ。
他にも、仲間達が銃を――あれ。仲間達はどこだろう?
ああ、とにかく。わたしが、皆を守らなきゃ。
でも……。
――やだ。やだ怖い……! わたし達に近づかないで――! 助けて先生、お兄ちゃん、お姉ちゃん……!
「――。―――。―――」
何かを言いながら迫って来る敵性生物に、杏は銃を向けた。
アスガルドに所属する強化人間達の失踪。
そして突然翻した反旗。
何が原因かも分からず、トモネ・ムーンリーフは決断を迫られた。
強化人間達が説得に応じない今のままでは、蜂起したとみなされる。
そうなれば、何らかの処分は免れない。
トモネの目の前には一枚の写真。
先日、ハンター達がアスガルドに来訪した時に皆で一緒に撮ったものだ。
ハンター達と一緒に零れんばかりの笑顔で写っている子供達。
マルコス、ランディ、杏、ユニス……ニーナにアルノ。
他にも沢山の子供達があそこで暮らしている。
大人に囲まれ、若くして社交界での正しい立ち居振る舞いを求められるトモネにとって、唯一の同年代のトモダチと過ごせる場所だったのに。
「……何故。どうして……」
呟くトモネ。
分かってはいる。分かってはいるのだ。
ムーンリーフ財団の総帥として、正しい判断を下さなくてはいけない。
だけど――。
――この世界に神がいるというのなら。
どうか、あの子達を助けてください……。
今まで神になど縋ったことがない少女は、その時初めて……不確かな存在に奇跡を願った。
●その嘆きは誰が為に
「ダンバーのドゥーン・ヒル近くにある林に、強化人間達が武装して潜んでいます。彼らを制圧しに行きます。ハンターさんも同行してください」
珍しくがっちりと武装したレギ(kz0229)の姿に言葉を失うハンター達。
その格好が、今起きている事態の深刻さを伝えているようで……ハンターがため息をつく。
「……その潜んでいる強化人間というのは、アスガルドの子供達で間違いないのね?」
「はい。ラズモネ・シャングリラからの通信によると、残念ながら間違いないと……」
「一体何だってこんなことになったんだ?」
「分かりません。何度か対話を試みてはいるんですが、一切応じない状態です」
レギの言葉に顔を見合わせるハンター達。
先日、アスガルドで会った子供達は皆元気で素直で、とても子供らしくて……。
アスガルドを管理運営する立場であるトモネとも、施設の職員とも、ハンター達とも友好的に接していた。
だからこそ、反旗を翻したという事実が受け入れ難かった。
「何かに操られているとか、誰かを人質に取られているとか……そういうことはないの?」
「その可能性も十分に考えられますが、それを突き止める為にも、まずは彼らを止めないと……」
そうね、と頷くハンター。
レギはそれから……と続けながらハンター達を見る。
「森山艦長が、強化人間の子供達はなるべく傷つけずに捕らえて欲しいとのことでした」
「ああ。言われなくてもそのつもりだ」
「最悪の場合は……その、始末しても構わないと。宙軍から指示が出ています」
言い淀むレギ。レギにとっても強化人間の子供達は後輩だ。
アスガルドで過ごしたことがあるとも言っていた。
平静を装ってはいるが……この状況は、決して彼の精神衛生上宜しくないだろう。
「その最悪を避ける為に来ているのよ。助け出しましょう」
「……ありがとうございます。皆さんが来てくれて、良かったです」
ずっと厳しいままだったレギの表情が、少し頼りなげな、年相応の顔になって……ハンターは、その背を励ますように叩いた。
ダンバーのドゥーン・ヒル近くにある林。
そこに置かれた鉄の箱……武装トラック『ブロート』から、滑るような動きで強化人間達が出て来る。
彼らはすぐさま武装トラックや、林の木々に隠れるように身を潜めた。
『敵性存在を殲滅せよ。訓練通りにやればすぐに終わる』
与えられたオーダー自体は極簡単なもの。
杏は銃を手にしたまま恐怖に塗りつぶされそうな心を堪えていた。
周囲にいるのは気味の悪い敵性存在。
まるで昔読んだ、怖い絵本に出て来たお化けのような……。
その敵性存在が複数、こちらに迫って来ている。
見たことないけれど、あれはVOIDなのだろうか?
「――。―――? ―――」
何かを言っている? 何を言っているのか分からない。理解できない。
「ユニス……! ユニスどこ……!?」
「――ここ――よ……。杏」
「敵を倒したら、トモネ様褒めてくれるかな……?」
「……うん。――……」
何だか声が聞き取れなくてユニスの手を取る杏。
……お友達の手が震えている。
ユニスも怖いのだ。
他にも、仲間達が銃を――あれ。仲間達はどこだろう?
ああ、とにかく。わたしが、皆を守らなきゃ。
でも……。
――やだ。やだ怖い……! わたし達に近づかないで――! 助けて先生、お兄ちゃん、お姉ちゃん……!
「――。―――。―――」
何かを言いながら迫って来る敵性生物に、杏は銃を向けた。
リプレイ本文
ダンバーのドゥーン・ヒルは強化人間達の突然の蜂起により戦場と化していた。
遠くから別の部隊が交戦している音が聞こえる。
反して、その近くにある林では不気味なほど静まり返っていた。
この林には最低でも6人の強化人間達がいる筈である。
――こうして身を潜めて気配を殺して、攻撃の機会を伺えと教わったのだろうか……。
……あの子達は戦う為に集められた子達だ。
それは分かっている。
けれど、それは歪虚に対抗する為の力であって……こんな風に敵対する為ではなかったはずだ。
「……ったく、何だってんだよ!」
「こんなのおかしいです……」
唇を噛むラミア・マクトゥーム(ka1720)。
アスガルドで撮った写真。子供達が笑顔が眩しくて、エステル・ソル(ka3983)の心が石のように重くなる。
そして、同じ場所で育った後輩を追わなければいけないレギ(kz0229)の気持ちを考えたら……石が鉛のようになって、痛くて痛くて涙が出そうになった。
「レギさん、皆を取り戻しましょう、絶対に、絶対にです! でも自分も大事にしてください、無茶はだめです」
「僕は大丈夫ですよ。仕事ですし。ありがとうございます」
涙目のエステルに笑みを返すレギ。
余裕があるように見えるが、自分と大して歳が変わらない少年だ。
辛くないはずがない――。
「……なしてこないな事になったんやろ」
呟くレナード=クーク(ka6613)。
アスガルドで一緒に遊んでお菓子を食べたのは、本当についこの間のことなのに――。
いくら考えても答えの出ないものであることも理解しているけれど。
それでも口に出る問いに、アルスレーテ・フュラー(ka6148)は深いため息をつく。
「ちょーっと反抗期にしては急すぎるんじゃないかしら」
「反抗期なんて可愛いもんで済めばいいけどな」
淡々と言うメンカル(ka5338)。
アスガルドの子と仲良くなった……と先日弟から写真を見せられたばかりだった。
年端も行かぬ子供達。正直やりにくい。だが――。
「……だからこそ、手を抜く訳にいかないな」
「そうですね。あの子達の為にも、一刻も早く事態を収束させましょう」
――きっと子供達は苦しんでいるでしょうから。
そう続けたアンネマリー・リースロッド(ka0519)に、仲間達は頷いて……行動を開始する。
「……こちら、エステルです。先日アスガルドでお会いしたハンターの1人です。皆さん聞こえますか?」
「杏ちゃん! ユニスちゃん! おるんやろ? 僕や! レナードや! 迎えに来たで!」
「わたくし達は皆さんを傷つけるつもりはないです。落ち着いて話を聞いてください……!」
「トモネさんも心配してたで! 一緒に帰ろうや!」
トランシーバーを宙軍がよく使う周波数に合わせ、声をかけるエステル。
レナードも林に向かって根気強く呼びかけるが、子供達が反応する様子は見られない。
その様子を見守っていたアルスレーテはちらりとレギを見る。
「……一つ確認するけど。レギは大丈夫なのね?」
「何がです?」
「子供達がどういう経緯でこんな行動を起こしたのか分かってないでしょ。あなたにまで銃を向けられたらたまらないって言ってるのよ」
「あー。なるほど……。確かに疑われても仕方ないですが、ドリスキルさんも問題ないですし。僕も……アルスレーテさんみたいな綺麗な人に銃を向けるような事態になったらアイデンティティの崩壊ですね」
「そこまで言えるなら大丈夫そうだけど、過剰な騎士道精神は改めた方がいいわよ」
真顔で言うレギに苦笑を返すアルスレーテ。
彼のアイデンティティはともかくとして、あれほどハンター達に懐いていた子供達が一切反応しないというのもおかしな話だ。
同じ強化人間であるレギやドリスキルはアスガルドを離れていたから影響を受けなかったと考えれば、アスガルドの中で何かあったのは明らか。
そして、強化人間たちの力の源は、負のマテリアル。
何らかの要因で負のマテリアルを刺激され汚染された状態で、精神汚染を受けたような状態だったりしたら……。
それなら、ハンター達が判別できないのも理解できるし、治療も可能かもしれない――。
仲間達の呼びかけに対し、已然沈黙を守り続けている林。
メンカルは木の上からそれを眺めていた。
――目標が近づくまで狙撃を控える。なかなか良く訓練されているじゃないか。まあ、所詮は子供。完璧には程遠いが……。
「……こちらメンカル。聞こえるか」
「こちらラミア。聞こえてるよ。どうだい首尾は」
「お前達から1時方向に1人。随分前に出てる。2時と11時の方向に1人づつ。後の3人はもうちょっと待ってくれ」
「了解。さっさと見つけておくれよ」
「へいへい。……冷静になれよ」
「ああ、分かってるよ」
この状況に苛立ちを隠さないラミアに忠告するメンカル。
そのまま、滑るように木の上を移動して……アンネマリーはその通信音を聞きながら、林の中を注視する。
林の木の密度、下草から見ても隠れる場所は沢山ありそうだけれど……逆に狙撃するというのは難しいかもしれない。
だからこそ、自分達が近づくまで待っているのだろうか。
それとも、怖くて動けないのか……?
杏は元気で活発な子だ。普段からお友達の世話を焼いていたし、こういう場面でも前に出て来る可能性が高い。
ユニスは……どうだろう。無口だが優しい子だ。未知数だが、お友達の為なら動くかもしれない――。
こうしている間も、仲間達による必死の呼びかけが続いている。
それが丁度良く音を隠す効果もあったのか、メンカルは難なくトラックまで到達することが出来ていた。
残り3人の子供達は比較的トラックの近くにいるらしい。
しかし、これだけ離れていればトラックを爆破しても彼らが怪我をすることもないだろう。
残りの子供達の位置を知らせようとトランシーバーを手にした彼は、トラックの様子を伺って……ふと、違和感に気付いた。
「……こちらメンカル。報告事項が2つある」
「こちらアルスレーテよ。どうしたの?」
「残りの子供達の位置を知らせる。あともうひとつ。すまんが計画を一部変更する。……トラックの中に人の気配がする」
「あらあら……伏兵が潜んでいるとはね」
「違う役目を担ってるんだろう。……このままトラックに突入する。通信を切るぞ」
「了解。上手くやってね」
ポケットにトランシーバーを押し込むメンカル。
この状況でトラックに残っている理由があるとすればただ一つ。トラックを運転する役回りの子供だろう。
そうであれば、移動手段を潰すという目的自体は遂行できる――!
マテリアルで自らの気配を消し、忍び寄るメンカル。
運転席には鍵がかかっている。当然か。
鍵開けを試みているような時間はない。
仕方ない。強行突破するか……。
メンカルはトラックの窓を蹴り破ると、一気に中に転がり込んで中にいた子供を取り押さえる。
「……!!?」
「驚かせてすまんな。痛い思いをしたくなければちょっとばかり大人しくしていてくれ」
極力音をさせないようにはしていたが、ガラスの割れた音は響き……トラックでの異変は、すぐに子供達にも伝わった。
「……杏、どうしよう。トラックが……!」
「VOIDのくせに頭が働くわね……! ここはあたしが引き受ける! ユニス、皆を連れて逃げなさい!」
「でも……!」
「ここでじっとしてたら皆共倒れよ!? 戻って援軍を呼んできて! 散れば誰かは逃げられる! 同じ方向に走ってはダメよ!」
的確な杏の指示。次の瞬間、発砲を始める杏。迷っていた子供達が一斉に方々へ走り出す。
「ちょっとーー!? 逃げ出すなんて聞いてないわよ!!」
「精霊さん、ラミアさんを守ってくださいです……!」
「ありがと! 逃がすかああああ!」
短いエステルの詠唱。淡く輝く障壁に包まれたラミアは、一番近くにいた子供に追い縋り……そして幻影の腕が少年を掴み、引き寄せる。
「いやあ! いやああああ!! 離して!!」
「あたしだよ! ラミアだよ! 分かんないの!?」
「ひっ……!? いやあああ!!」
少年に必死に呼びかけるラミア。
……この子は知っている。
先日アスガルドで一緒に追いかけっこをした子だ。
水風船を投げ合って、びしょぬれになりながら大笑いしていた様子を思い出す。
呼びかけても目が合わない。まるで見えない何かに怯えているような……。
次の瞬間、銃弾が肩を掠めて顔を顰めるラミア。
声が届かないと覚ると踏み込み、銃を打ち払う。
「ラミアさん……!」
「あたしは大丈夫! エステル! 他の子は!?」
「一斉に逃げ出しました! 1人はスリープクラウドで眠らせましたが、他の子には届かないです……!」
「仕方ないね……。この子縛るよ! 手伝っておくれ! 回復試す!」
「はい!!」
一方、1人残った杏は滅茶苦茶に銃弾を放ちながらハンター達に突っ込んで来ていた。
その顔は青ざめて、目からは次々と涙が零れている。
内なる恐怖と戦いながら攻撃しているのだと覚って、レナードが思わず声をあげる。
「……杏ちゃん! もう止めーや! 戦わなくてもええ……! 怖がらなくてええんや!」
「引っかかったわね! 残念でした! 私は囮よ!! どこからでもかかってらっしゃい!」
「……泣きながら言う台詞じゃないわね。その勇気は買うけど……!」
刹那、踏み込むアルスレーテ。
彼女に向かって銃弾が降り注ぐが、淡い障壁が弾いて致命傷には至らない。
そのまま少女の腕を引っ張り上げると、一気に地面に引き倒す。
「貰った! レナードさん! 武器取り上げて!!」
「了解や!!」
杏の小さな手から銃を奪い取るレナード。
アルスレーテの怪力に押さえつけられて、逃げ出すことなど不可能なのに杏は諦めることなくもがき続けていた。
「このVOIDめ……! 私を捕まえていい気になるな! 全部倒してやる!!」
「……VOID? この綺麗なお姉さんがそんなものに見えてるの?」
杏の言葉に目を丸くするアルスレーテ。
良く見れば、杏と目が合わない。どこを見ているのか分からないと言うべきか――。
原因は分からないが、何らかの影響を受けて周囲を正しく認識出来ていないのだろう。
もしかしたら、ハンターの声も正しく届いていないのかもしれない。
親しかったハンター達をVOIDと認識しているならば。反旗を翻した原因はこれなのだろうか……。
アンネマリーは青い目を悲しみで揺らすと、静かに歌い出す。
――それはアスガルドで。何度も杏にせがまれて歌った紅の世界の英雄譚。
歌うことが大好きな彼女が、一生懸命覚えて。一緒に歌った歌……。
その歌声が届いたのか。殺気に満ちていた杏の目が驚きの色に変わる。
「あ、あ……先生……? 先生いるの? どこ……?」
「私はここにいますよ。杏、分かる……?」
「先生……? 先生……気持ちの悪いVOIDが襲って来たの……! それで、戦ってて……怖くて……おねがい。皆を助けて……」
「……そうだったの。良く頑張りましたね。もう大丈夫ですよ」
「やだ。やだ。先生どこ? 怖い……!」
ぼろぼろと涙を零しながら、誰かを探すように手を伸ばす杏。
この状況でも。声が分かっても正しく認識できないのか。
せめて温かさが伝わればいいと、怯えて震えるこの少女を、アンネマリーは必死に抱きとめる。
――もしこの状況を誰かが引き起こしたというのなら。許せない。許すことなどできない……!
レナードは拳を握りしめると、アンネマリーとアルスレーテに目線を移す。
「……このままじゃ可哀想や。杏を眠らせたい。スリープクラウド使うけど構わへん?」
「そうね……。この状態が解除できない以上、そうした方がショックが少ないでしょうね」
「私が抱えています。巻き込んで貰って大丈夫です」
「うん。分かった。……杏ちゃん。僕や。聞こえる?」
「……レナードお兄ちゃん? いるの……?」
「うん。ここにおるで。ずっと君の傍におる。これは、全部悪い夢や。せやから、もう怖がらなくても……大丈夫やんね」
杏の髪をそっと撫でるレナード。煌く彼のワンド。あたりが青白い雲に包まれる。
アンネマリーの腕の中で、杏はすうっと眠りに落ちて行った。
「メンカル、無事?」
「ああ。子供に後れを取るようなことはない。何しろ俺は狡い生き物なんでね」
アルスレーテに頷くメンカル。
彼の腕の中では少年が1人眠っている。
――正確に言えば鳩尾に一撃入れて強制的に眠らせたのだが。
「わー。やだ。メンカルこわーい」
「お仕置きする気満々だったお前に言われたくないぞ!? ……エステルとラミアが捕獲したのは2人か」
「ごめんなさい。逃げられてしまいました……。皆助けたかったです」
確認するメンカルにしょんぼりするエステル。そんな彼女をアンネマリーが宥める。
「皆一斉に逃げ出しましたし、仕方ないですよ。やれることはやったと思います」
「せやね。杏ちゃんの指示が的確やったから。……起きたら、褒めてあげなきゃいけへんね」
アンネマリーの腕の中で眠る杏に優しい目線を送るレナード。
ラミアも腕の中で眠る少年を抱え直して仲間達を見る。
「……どうやらこの子達、周囲を正しく認識出来てないみたい。トランスキュアと祓いしものを試してみたけど、治る気配はなかったよ」
「杏も私のことをVOIDだって言ったし、その見解で合っているでしょうね。ただ、スキルで回復しないとなると精神汚染じゃないということになるけれど……」
アルスレーテの言葉に無言を返す仲間達。
何が原因なのか分からなければ、また同じようなことが起きるかもしれない……。
沈黙を破ったのはレギだった。
「子供達が保護出来ましたし、宙軍が解析を進めると思います。突き止められれば、残りの子供達も救えるかもしれません」
――それ、本当ですか?
言いかけて止めたエステル。
宙軍は強化人間の子供達を使い捨てにしようとした。
そんな彼らが、子供達を救うとは……とても思えなくて。
漠然とした不安を抱えて、彼女は目を伏せた。
逃亡者を3名出したものの、4人を保護することに成功した。
逃亡したものの中にはユニスという名の少女が含まれており、ハンター達は引き続きの調査を強く願い出た。
なお、保護された4名については、アスガルドに収容された後も衰弱を見せ、意識の回復には至っていない。
一体何故。どうして子供達がこんなことになったのか――。
謎を多く残したまま、アスガルドは新たな局面を迎えることとなる。
遠くから別の部隊が交戦している音が聞こえる。
反して、その近くにある林では不気味なほど静まり返っていた。
この林には最低でも6人の強化人間達がいる筈である。
――こうして身を潜めて気配を殺して、攻撃の機会を伺えと教わったのだろうか……。
……あの子達は戦う為に集められた子達だ。
それは分かっている。
けれど、それは歪虚に対抗する為の力であって……こんな風に敵対する為ではなかったはずだ。
「……ったく、何だってんだよ!」
「こんなのおかしいです……」
唇を噛むラミア・マクトゥーム(ka1720)。
アスガルドで撮った写真。子供達が笑顔が眩しくて、エステル・ソル(ka3983)の心が石のように重くなる。
そして、同じ場所で育った後輩を追わなければいけないレギ(kz0229)の気持ちを考えたら……石が鉛のようになって、痛くて痛くて涙が出そうになった。
「レギさん、皆を取り戻しましょう、絶対に、絶対にです! でも自分も大事にしてください、無茶はだめです」
「僕は大丈夫ですよ。仕事ですし。ありがとうございます」
涙目のエステルに笑みを返すレギ。
余裕があるように見えるが、自分と大して歳が変わらない少年だ。
辛くないはずがない――。
「……なしてこないな事になったんやろ」
呟くレナード=クーク(ka6613)。
アスガルドで一緒に遊んでお菓子を食べたのは、本当についこの間のことなのに――。
いくら考えても答えの出ないものであることも理解しているけれど。
それでも口に出る問いに、アルスレーテ・フュラー(ka6148)は深いため息をつく。
「ちょーっと反抗期にしては急すぎるんじゃないかしら」
「反抗期なんて可愛いもんで済めばいいけどな」
淡々と言うメンカル(ka5338)。
アスガルドの子と仲良くなった……と先日弟から写真を見せられたばかりだった。
年端も行かぬ子供達。正直やりにくい。だが――。
「……だからこそ、手を抜く訳にいかないな」
「そうですね。あの子達の為にも、一刻も早く事態を収束させましょう」
――きっと子供達は苦しんでいるでしょうから。
そう続けたアンネマリー・リースロッド(ka0519)に、仲間達は頷いて……行動を開始する。
「……こちら、エステルです。先日アスガルドでお会いしたハンターの1人です。皆さん聞こえますか?」
「杏ちゃん! ユニスちゃん! おるんやろ? 僕や! レナードや! 迎えに来たで!」
「わたくし達は皆さんを傷つけるつもりはないです。落ち着いて話を聞いてください……!」
「トモネさんも心配してたで! 一緒に帰ろうや!」
トランシーバーを宙軍がよく使う周波数に合わせ、声をかけるエステル。
レナードも林に向かって根気強く呼びかけるが、子供達が反応する様子は見られない。
その様子を見守っていたアルスレーテはちらりとレギを見る。
「……一つ確認するけど。レギは大丈夫なのね?」
「何がです?」
「子供達がどういう経緯でこんな行動を起こしたのか分かってないでしょ。あなたにまで銃を向けられたらたまらないって言ってるのよ」
「あー。なるほど……。確かに疑われても仕方ないですが、ドリスキルさんも問題ないですし。僕も……アルスレーテさんみたいな綺麗な人に銃を向けるような事態になったらアイデンティティの崩壊ですね」
「そこまで言えるなら大丈夫そうだけど、過剰な騎士道精神は改めた方がいいわよ」
真顔で言うレギに苦笑を返すアルスレーテ。
彼のアイデンティティはともかくとして、あれほどハンター達に懐いていた子供達が一切反応しないというのもおかしな話だ。
同じ強化人間であるレギやドリスキルはアスガルドを離れていたから影響を受けなかったと考えれば、アスガルドの中で何かあったのは明らか。
そして、強化人間たちの力の源は、負のマテリアル。
何らかの要因で負のマテリアルを刺激され汚染された状態で、精神汚染を受けたような状態だったりしたら……。
それなら、ハンター達が判別できないのも理解できるし、治療も可能かもしれない――。
仲間達の呼びかけに対し、已然沈黙を守り続けている林。
メンカルは木の上からそれを眺めていた。
――目標が近づくまで狙撃を控える。なかなか良く訓練されているじゃないか。まあ、所詮は子供。完璧には程遠いが……。
「……こちらメンカル。聞こえるか」
「こちらラミア。聞こえてるよ。どうだい首尾は」
「お前達から1時方向に1人。随分前に出てる。2時と11時の方向に1人づつ。後の3人はもうちょっと待ってくれ」
「了解。さっさと見つけておくれよ」
「へいへい。……冷静になれよ」
「ああ、分かってるよ」
この状況に苛立ちを隠さないラミアに忠告するメンカル。
そのまま、滑るように木の上を移動して……アンネマリーはその通信音を聞きながら、林の中を注視する。
林の木の密度、下草から見ても隠れる場所は沢山ありそうだけれど……逆に狙撃するというのは難しいかもしれない。
だからこそ、自分達が近づくまで待っているのだろうか。
それとも、怖くて動けないのか……?
杏は元気で活発な子だ。普段からお友達の世話を焼いていたし、こういう場面でも前に出て来る可能性が高い。
ユニスは……どうだろう。無口だが優しい子だ。未知数だが、お友達の為なら動くかもしれない――。
こうしている間も、仲間達による必死の呼びかけが続いている。
それが丁度良く音を隠す効果もあったのか、メンカルは難なくトラックまで到達することが出来ていた。
残り3人の子供達は比較的トラックの近くにいるらしい。
しかし、これだけ離れていればトラックを爆破しても彼らが怪我をすることもないだろう。
残りの子供達の位置を知らせようとトランシーバーを手にした彼は、トラックの様子を伺って……ふと、違和感に気付いた。
「……こちらメンカル。報告事項が2つある」
「こちらアルスレーテよ。どうしたの?」
「残りの子供達の位置を知らせる。あともうひとつ。すまんが計画を一部変更する。……トラックの中に人の気配がする」
「あらあら……伏兵が潜んでいるとはね」
「違う役目を担ってるんだろう。……このままトラックに突入する。通信を切るぞ」
「了解。上手くやってね」
ポケットにトランシーバーを押し込むメンカル。
この状況でトラックに残っている理由があるとすればただ一つ。トラックを運転する役回りの子供だろう。
そうであれば、移動手段を潰すという目的自体は遂行できる――!
マテリアルで自らの気配を消し、忍び寄るメンカル。
運転席には鍵がかかっている。当然か。
鍵開けを試みているような時間はない。
仕方ない。強行突破するか……。
メンカルはトラックの窓を蹴り破ると、一気に中に転がり込んで中にいた子供を取り押さえる。
「……!!?」
「驚かせてすまんな。痛い思いをしたくなければちょっとばかり大人しくしていてくれ」
極力音をさせないようにはしていたが、ガラスの割れた音は響き……トラックでの異変は、すぐに子供達にも伝わった。
「……杏、どうしよう。トラックが……!」
「VOIDのくせに頭が働くわね……! ここはあたしが引き受ける! ユニス、皆を連れて逃げなさい!」
「でも……!」
「ここでじっとしてたら皆共倒れよ!? 戻って援軍を呼んできて! 散れば誰かは逃げられる! 同じ方向に走ってはダメよ!」
的確な杏の指示。次の瞬間、発砲を始める杏。迷っていた子供達が一斉に方々へ走り出す。
「ちょっとーー!? 逃げ出すなんて聞いてないわよ!!」
「精霊さん、ラミアさんを守ってくださいです……!」
「ありがと! 逃がすかああああ!」
短いエステルの詠唱。淡く輝く障壁に包まれたラミアは、一番近くにいた子供に追い縋り……そして幻影の腕が少年を掴み、引き寄せる。
「いやあ! いやああああ!! 離して!!」
「あたしだよ! ラミアだよ! 分かんないの!?」
「ひっ……!? いやあああ!!」
少年に必死に呼びかけるラミア。
……この子は知っている。
先日アスガルドで一緒に追いかけっこをした子だ。
水風船を投げ合って、びしょぬれになりながら大笑いしていた様子を思い出す。
呼びかけても目が合わない。まるで見えない何かに怯えているような……。
次の瞬間、銃弾が肩を掠めて顔を顰めるラミア。
声が届かないと覚ると踏み込み、銃を打ち払う。
「ラミアさん……!」
「あたしは大丈夫! エステル! 他の子は!?」
「一斉に逃げ出しました! 1人はスリープクラウドで眠らせましたが、他の子には届かないです……!」
「仕方ないね……。この子縛るよ! 手伝っておくれ! 回復試す!」
「はい!!」
一方、1人残った杏は滅茶苦茶に銃弾を放ちながらハンター達に突っ込んで来ていた。
その顔は青ざめて、目からは次々と涙が零れている。
内なる恐怖と戦いながら攻撃しているのだと覚って、レナードが思わず声をあげる。
「……杏ちゃん! もう止めーや! 戦わなくてもええ……! 怖がらなくてええんや!」
「引っかかったわね! 残念でした! 私は囮よ!! どこからでもかかってらっしゃい!」
「……泣きながら言う台詞じゃないわね。その勇気は買うけど……!」
刹那、踏み込むアルスレーテ。
彼女に向かって銃弾が降り注ぐが、淡い障壁が弾いて致命傷には至らない。
そのまま少女の腕を引っ張り上げると、一気に地面に引き倒す。
「貰った! レナードさん! 武器取り上げて!!」
「了解や!!」
杏の小さな手から銃を奪い取るレナード。
アルスレーテの怪力に押さえつけられて、逃げ出すことなど不可能なのに杏は諦めることなくもがき続けていた。
「このVOIDめ……! 私を捕まえていい気になるな! 全部倒してやる!!」
「……VOID? この綺麗なお姉さんがそんなものに見えてるの?」
杏の言葉に目を丸くするアルスレーテ。
良く見れば、杏と目が合わない。どこを見ているのか分からないと言うべきか――。
原因は分からないが、何らかの影響を受けて周囲を正しく認識出来ていないのだろう。
もしかしたら、ハンターの声も正しく届いていないのかもしれない。
親しかったハンター達をVOIDと認識しているならば。反旗を翻した原因はこれなのだろうか……。
アンネマリーは青い目を悲しみで揺らすと、静かに歌い出す。
――それはアスガルドで。何度も杏にせがまれて歌った紅の世界の英雄譚。
歌うことが大好きな彼女が、一生懸命覚えて。一緒に歌った歌……。
その歌声が届いたのか。殺気に満ちていた杏の目が驚きの色に変わる。
「あ、あ……先生……? 先生いるの? どこ……?」
「私はここにいますよ。杏、分かる……?」
「先生……? 先生……気持ちの悪いVOIDが襲って来たの……! それで、戦ってて……怖くて……おねがい。皆を助けて……」
「……そうだったの。良く頑張りましたね。もう大丈夫ですよ」
「やだ。やだ。先生どこ? 怖い……!」
ぼろぼろと涙を零しながら、誰かを探すように手を伸ばす杏。
この状況でも。声が分かっても正しく認識できないのか。
せめて温かさが伝わればいいと、怯えて震えるこの少女を、アンネマリーは必死に抱きとめる。
――もしこの状況を誰かが引き起こしたというのなら。許せない。許すことなどできない……!
レナードは拳を握りしめると、アンネマリーとアルスレーテに目線を移す。
「……このままじゃ可哀想や。杏を眠らせたい。スリープクラウド使うけど構わへん?」
「そうね……。この状態が解除できない以上、そうした方がショックが少ないでしょうね」
「私が抱えています。巻き込んで貰って大丈夫です」
「うん。分かった。……杏ちゃん。僕や。聞こえる?」
「……レナードお兄ちゃん? いるの……?」
「うん。ここにおるで。ずっと君の傍におる。これは、全部悪い夢や。せやから、もう怖がらなくても……大丈夫やんね」
杏の髪をそっと撫でるレナード。煌く彼のワンド。あたりが青白い雲に包まれる。
アンネマリーの腕の中で、杏はすうっと眠りに落ちて行った。
「メンカル、無事?」
「ああ。子供に後れを取るようなことはない。何しろ俺は狡い生き物なんでね」
アルスレーテに頷くメンカル。
彼の腕の中では少年が1人眠っている。
――正確に言えば鳩尾に一撃入れて強制的に眠らせたのだが。
「わー。やだ。メンカルこわーい」
「お仕置きする気満々だったお前に言われたくないぞ!? ……エステルとラミアが捕獲したのは2人か」
「ごめんなさい。逃げられてしまいました……。皆助けたかったです」
確認するメンカルにしょんぼりするエステル。そんな彼女をアンネマリーが宥める。
「皆一斉に逃げ出しましたし、仕方ないですよ。やれることはやったと思います」
「せやね。杏ちゃんの指示が的確やったから。……起きたら、褒めてあげなきゃいけへんね」
アンネマリーの腕の中で眠る杏に優しい目線を送るレナード。
ラミアも腕の中で眠る少年を抱え直して仲間達を見る。
「……どうやらこの子達、周囲を正しく認識出来てないみたい。トランスキュアと祓いしものを試してみたけど、治る気配はなかったよ」
「杏も私のことをVOIDだって言ったし、その見解で合っているでしょうね。ただ、スキルで回復しないとなると精神汚染じゃないということになるけれど……」
アルスレーテの言葉に無言を返す仲間達。
何が原因なのか分からなければ、また同じようなことが起きるかもしれない……。
沈黙を破ったのはレギだった。
「子供達が保護出来ましたし、宙軍が解析を進めると思います。突き止められれば、残りの子供達も救えるかもしれません」
――それ、本当ですか?
言いかけて止めたエステル。
宙軍は強化人間の子供達を使い捨てにしようとした。
そんな彼らが、子供達を救うとは……とても思えなくて。
漠然とした不安を抱えて、彼女は目を伏せた。
逃亡者を3名出したものの、4人を保護することに成功した。
逃亡したものの中にはユニスという名の少女が含まれており、ハンター達は引き続きの調査を強く願い出た。
なお、保護された4名については、アスガルドに収容された後も衰弱を見せ、意識の回復には至っていない。
一体何故。どうして子供達がこんなことになったのか――。
謎を多く残したまま、アスガルドは新たな局面を迎えることとなる。
依頼結果
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/03/02 22:07:52 |
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質問卓 アルスレーテ・フュラー(ka6148) エルフ|27才|女性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2018/03/05 08:37:57 |
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相談卓 アルスレーテ・フュラー(ka6148) エルフ|27才|女性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2018/03/06 19:22:33 |