• 初心

【初心】雨漏り店舗解体

マスター:三田村 薫

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
LV1~LV20
参加人数
3~4人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2018/04/21 09:00
完成日
2018/04/26 00:35

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●建物の解体と町の記憶
 その老朽化した古い建物は取り壊しを待っていた。個人商店だったのだが、最近は雨漏りが酷く、風が吹く度にみしみしと鳴るので、町の人間が店主の身を案じて建て替えを勧めた。三代目の店主は苦笑しながら、
「ここももうそれくらいになるのか」
 と言って建て替えを決めた。一時閉店のしらせも出し、取り壊しの手配を進めようとしたが、この町で建築関係のことをしようとすると、よその町から大工を呼んでこないといけなくなる。そして、近場の町の大工は、みんな忙しくてすぐには行かれない、ということだった。
 普通なら、待てば良いだけの話だ。それまでは仮の店舗としてどこかに間借りすればいい。三代この町で続いた店だ。場所を貸そうとするところはいくらでもある。あるのだが……。
「空き家をそのままにしておくのはちょっと……」
 老人たちが少し不安そうな顔で言う。何でも、二十年ほど前、同じように取り壊しを控えた建物があった。今回と同じように、やはり近くの町の大工たちが忙しく、すぐに来られないと言うことだったので置いてあったそうだ。
「そうしたら、そこの空き家に根無し草が間借りしちまってな」
 そういうことで、老人たちはあまり長いこと空き家をそのままにしたくないのであった。
「俺たちが費用を出すから、ハンターに頼んで、早めに壊してもらうわけにはいかねぇかな?」

●ハンターオフィスにて
「そういうわけで、廃屋の解体作業がメイン。それとちょっと町の周辺も見て欲しいってさ。廃屋狙いのゴロツキがいないか不安なんだって」
 ハンターオフィスにて、ラフな格好をした青年職員が、依頼書を配りながら言う。
「覚醒者の身体能力があればそう難しい作業じゃない。新人の君たちでも大丈夫だと思う。念のため、新人の面倒を見るのが大好きな先輩ハンターを同行させる。わからないことがあったら聞くと良いよ。優しい人だから安心して」
 それから、彼は少し考えて、口を開く。
「悪いことがあったところに寄ってくる雑魔じゃないけど、前に一度でも悪党どもに目を付けられた所って、時間が経っても、理由が違っても、似たようなのが寄ってくるからね。解体したらそれで一安心ってわけでもないんだ。警戒の方もちょっと念を入れて欲しい。解体が前提だからみんな戦える装備で行くとは思うけど、一応戦闘も視野に入れて」

●先輩ハンター
「お前たちが引き受けてくれる新人たちか」
 待ち合わせ場所には、ライフルを背負った五十歳前後の男性がいて、明るい笑顔でハンターたちに手を振る。
「彼から聞いてるな? 俺が今回お前たちに同行するハンターだ。シルヴェスターって言う。よろしくな」
 彼はそう言って、一人一人に握手を求めた。
「いくら新人って言っても、お前たちは依頼を受けられるハンターだ。働きに期待している。働くには協力せにゃならん。何か俺にできることがあったら、遠慮なく言ってくれ。俺もお前たちを遠慮なく頼らせてもらうぜ」

●ビジネスチャンス
 ゴロツキの根城にしたくないから費用を出すことになったのだが、皮肉にもその話が風に乗って当のゴロツキに聞こえてしまったのだから世の中は因果なものだ。ハンターを雇って建物を解体する。そのために資金を町の人間たちが出し合う。結構な額が町役場に集まる。泥棒のビジネスチャンス(?)である。
 隣町の酒場で、その二人はほくそ笑んでいる。
「アニキ、その費用、いっそ頂いちまいましょう!」
「げっへっへ……その町の奴ら、防犯の為の費用が逆に泥棒を呼んだなんて知ったら、どんな顔するかな……にっちにもさっちにも行かなくなった連中の顔が目に浮かぶようだぜ」
「あと何人くらいいりますかね」
「連中が呼んだハンターとかち合うとやべぇな……こっそり行くにしても、もう少し人数が欲しい……ま、あと三人いりゃあどうにかなるだろうよ」

リプレイ本文

●手を取り合って手分けして
「ところで、シルヴェスター、あんたトランシーバーは持ってるか?」
 玄武坂 コウ(ka5750)が、持参した予備のトランシーバーを出して見せると、シルヴェスターは考えてから答えた。
「一応持ってはいるが、お前さんのを使えば、チャンネルが合ってないことはないな。ありがたく拝借したい。構わないか?」
「ああ、構わない」
 コウは笑顔でシルヴェスターに応じた。それから、仲間を示して言う。
「あんたと警備に行くのは、俺とイリエスカだ。解体は、ユイと金寺がやってくれる」
「おっ、良い感じに別れた。さてはお前さんたち優秀だな?」
 シルヴェスターが冗談めかして言う。そうして、五人は町に向かった。

 相談した結果の作戦はこうだ。建物の解体はユイ・エーテリウム(ka3102)と金寺・緋色(ka6369)が、警備の方は、シルヴェスター、コウ、イリエスカ(ka6885)がそれぞれ担当をする。ユイと緋色は解体が終わり次第警備に合流する。警備の三人は、別れて町の中を歩いて回る。解体が無事に終われば、警戒を解き次第片付けに回る、というわけだ。
 全員がトランシーバーを所持しているため、何かが起こった場合はこれで連絡を取り合う。
「それじゃあ始めるとすっか」
 シルヴェスターが合図をすると、各々は持ち場に向かって行った。

●雨漏り店舗解体
「あなたたちがハンターさんかな? 私がこの店の店主です。どうぞよろしくお願いします」
 店舗に到着すると、中年の男性が、二人を前にして頭を下げた。二人もそれに挨拶を返す。緋色は魔導カメラを取り出すと、
「うん、こんなにながーく建っていたお店なんてすごいと思います! 写真を撮って飾りませんか?」
 そう提案する。店主は目をぱちくりさせていたが、やがて代々継いできた店を褒められたことに思い至って、照れた様に顔を掻く。
「はは……嬉しいな。若い人に古いものを褒めてもらえるなんてね。それじゃあお願いしようかな」
 ハンターが建物を解体すると言うことで、店の周りには野次馬が集まっている。売り子まで出てきて、ちょっとした祭状態だ。緋色は、ユイに向かって、
「むむ、ユイさん、ちょっと待っててもらって良いですか?」
「うん。大丈夫だよ。ひーちゃん。綺麗に撮ってあげて」
「もちろんです!」
 緋色は笑顔を見せると、ファインダーを覗く。建物の全景が収まる位置に移動して、シャッターを切る。魔導カメラから、すぐにその写真は印刷された。店主に差し出すと、彼は写真と、これからお別れする建物を見比べる。嬉しそうに頷いた。
「ああ……とても素敵な写真だ……ありがとうハンターさん。新しい店が建ったら、その時は飾らせてもらおう」
「是非そうしてください。ユイさんお待たせしました」
「じゃあ、やろうか」
「はい! まずはこの100tハンマーにお任せを!」
 まずは、対角線上にある二本の柱を、緋色がそのハンマーでへし折る。もう一方の対角線の二本を残してバランスを取り、その残った柱を、ユイと一本ずつ同時に折る。これが二人の作戦だった。
 緋色の髪の色が変わった。覚醒状態に移行したのだ。灰色だった髪の毛は青く、腰まで伸び、黒い瞳は赤くなる。まるで別人のようで、人垣もどよめいた。ハンターの中には、覚醒すると全くの別人になってしまう者もある。しかし、緋色はハンマーを持ち上げて、住人たちを振り返ると、言った。
「それじゃあ始めますね! 皆さんは危ないのでもう少し下がっていてください!」
 彼女は、性格までは変わらないようだった。

●ゴロツキたちの真の狙い
 一方、コウたちは町の中を見回っていた。馬に乗ったコウは北側から、徒歩のイリエスカは西に向かって、シルヴェスターは南だ。
 お馬さんだー! と歓声を上げる子どもたちに手を振りながら、コウは油断なく辺りに目を配る。見たところ、武装した様子の人間は見当たらない。町の住人らしい。みんな、ユイと緋色の解体を楽しみに見に来ている様だ。
(解体現場で作業阻止には来ないのか?)
 もし、二十年前と同じように、根城にしたいなら、解体されては困るはずだ。しかしあの衆人環視で建物の破壊を阻止できるだろうか……? 覚醒者なら可能か。作業中に襲われたら厄介ではある。
「こちら玄武坂。今解体現場周辺に来ている。異常なし。どうぞ」
「こちらシルヴェスター。こちらも異常なし……いや、人が出払ってるのが異常か? まあ仕方ないんだが」
「こちらユイ。今ひーちゃんが作業を始めたよ。こっちは今のところ異常なし」
「こちらイリエスカ。こちらも異常ないよ。聞き込みしてみたけど、不審人物は目撃されていないみたい」
「なあ、何て言って聞き込みしてるんだ?」
 コウが聞くと、イリエスカはあっけらかんと、
「危なそうな人見かけてないかな? こう、オラオラ~ッて感じの、って」
「わかりやすい」
 シルヴェスターが無線の向こうで感嘆した。
「ありがとう。あ、また町の人がいたから聞いてみるね。また連絡するよ。すみません、ちょっとお話……」
 通信が切れた。コウは馬を歩かせ続ける。やがて、役場の北にたどり着いて、彼はそのまま南下した。
「こちらイリエスカ」
「どうした?」
「今聞いた町の人、ちょうどボクたちを探してたみたいなんだ。不審な人物を役場の方で見たって」
「役場か……」
 一同は思案する。やがて、シルヴェスターが言った。
「金か」
 ハンターへの依頼資金、コウとイリエスカも、すぐにその可能性に思い至る。コウは馬の手綱を引いた。
「すぐ向かう」
「こちらユイ。ボクたちは解体が終わり次第向かうね。今ひーちゃんが二本折ったから、残りを二人で折るだけなんだ」
 ユイの声がする。トランシーバーからも、コウの後ろからも、町の人たちの歓声が轟いていた。彼女の言うとおり、緋色は的確に、二本の柱をへし折ったらしい。
「ああ、ユイ頼む。そちらは解体に集中してくれ。町の人も盛り上がってるようだからな。俺は念のため、北側の様子を見ながら合流する。コウ、一人で手を出すなよ」
「ああ、了解した」
「ボクもすぐ向かうね。二人いればなんとかなるかな」
「じゃあ、役場で」

●解体作業
 青い髪をなびかせながら、緋色は最初の二本を折るために柱の前に立つ。彼女は、住人たちの方を向くと、そのハンマーを高く掲げて見せる。人だかりも歓声で応えた。
「行きまーす!」
「こちら玄武坂。今解体現場周辺に来ている。異常なし。どうぞ」
 トランシーバーから、コウの声がした。近くにいるらしい。振り返ると、馬に乗ってトランシーバーに向かって喋りかける彼が見えた。
「こちらユイ。今ひーちゃんが作業を始めたよ。こっちは今のところ異常なし」
「こちらイリエスカ。こちらも異常ないよ。聞き込みしてみたけど、不審人物は目撃されていないみたい」
 大きなハンマーが、マテリアルの力で振るわれる。小柄な少女が振るうその槌が、古いとは言え、一つの建物を支える柱を、豪快にへし折る様を見て、町の人たちは歓声を上げた。その様子に同じように盛り上がりながらも、ユイは警戒を怠らない。
(ボクの大切なひーちゃんがケガとかしない様に守ってあげないと!)
 熱い友情を胸に、ユイは解体を見守る。特に大きなトラブルを起こすことなく、無事に二本をへし折った。
「こちらイリエスカ」
 その時、イリエスカからの声をトランシーバーが受信した。
「どうした?」
 コウが尋ねる。
「今聞いた町の人、ちょうどボクたちを探してたみたいなんだ。不審な人物を役場の方で見たって」
 どうやら、ゴロツキたちはハンターに支払われる報酬を狙っていたらしい。
「こちらユイ。ボクたちは解体が終わり次第向かうね。今ひーちゃんが二本折ったから、残りを二人で折るだけなんだ」
「ああ、ユイ頼む。そちらは解体に集中してくれ。町の人も盛り上がってるようだからな」
 それから警備組の簡単な打ち合わせの後、通信が切れた。ユイはトランシーバーをしまうと、自らも覚醒した。髪の毛は白く、瞳は赤く。突然覚醒した彼女に、町の人たちの熱気も高まった。
 二人は、対角線上に残った二本の柱の前にそれぞれ立つと、準備をする。緋色はハンマーにマテリアルを込め、ユイは集中して魔法の威力を高める。目を閉じて、マテリアルを感じた。
「ひーちゃん、ボクは良いよ」
「私も準備できました。皆さん! 下がってください!」
 緋色が声をかけると、観客たちの熱気が少し動いた。ユイは目を開く。向かい側の柱の傍に、緋色が立っている。
「ユイさん、行きますよ!」
「うん」
 緋色がハンマーを振りかぶる。ユイもマジックアローの発動を開始した。
「せーのっ!」
 友人の音頭で、ユイはマジックアローを放った。緋色も、ハンマーを振り下ろす。ハンマーは素早く、的確に、柱を切るように折り、それと同時に、マジックアローも柱を貫いた。
 建物が崩れる様が、スローモーションの様に見えた。それくらい、綺麗に、眠るように落ちて行く。二人は建物から距離を取った。破片と土埃が飛び散る。ギャラリーはどよめきながら、埃をよけて後退した。
 しばらくは静まり返っていた。やがて、元の持ち主が手を叩く。他の住人たちも、それを聞いて一人、また一人と拍手する。やがてそれは喝采になって、賞賛が二人に降り注いだ。

●対決! 役場の激闘
 イリエスカが役場に到着すると、コウが馬を待たせて様子を窺っているのが見える。彼の視線を辿ると、柄の悪い、彼女の言う「オラオラ~ッて感じの」人間が五人いた。役場の窓を割って侵入を図ろうとしているらしい。その時、解体現場の方から歓声が上がる。ユイと緋色の方は順調の様だ。
 コウと目が合った。シルヴェスターは見当たらない。
「こちら玄武坂。役場で不審者を発見した。イリエスカも合流。どうぞ」
「こちらシルヴェスター。やっちまえ」
「了解」
 その会話は、自分のトランシーバーでイリエスカも聞いている。コウが大股で歩み寄った。イリエスカもそれに続く。
「おい、何してる」
「おん? 何だぁ? ガキか?」
 一人がコウとイリエスカを見て、馬鹿にするような笑みを浮かべる。言われたハンター二人はさりげなく構えた。
「おい、ガキの相手は任せるぞ」
 リーダー格の男が言った。
「ガキなんだ。一人でどうにかなるだろ」
「そりゃあもちろん」
 男が動いた。つかみかかってくる。その懐に、コウが飛び込み、下から顎に拳を当てた。
「ぐお!」
 男はそのままひっくり返った。頭の上で星とひよこが回っているらしい。大の字になって伸びている。
 一方のイリエスカは、残りのゴロツキに向かって行った。クローズコンバットの構えを用いて相対する。
「まさか……ハンターか!?」
 ゴロツキたちの間に動揺が走るが、リーダーが叱咤する。
「ば、馬鹿野郎! びびってんじゃねぇ! たかだかガキ二人じゃねえか! やっちまえ!」
「おおー!」
 一人がイリエスカに、もう一人がコウに向かって行く。イリエスカは腰を落とすと、掛かってきた男に正面から拳を叩き込んだ。機械の体重を乗せたその重い一撃は、綺麗に腹に決まる。
「ごはっ!」
 男は腹を押さえて悶絶した。げーげーとえずいているが、吐くものはないらしい。
「き、昨日から何も食ってねぇんだよぉ……今日のこの金で飯にありつこうと思ったのによぉ……」
 気絶はしていないが、動く気力はなさそうだ。
「うーん、気持ちはよくわかるなぁ」
 コウは、自分に向かってきた、やや体格の良い男のつかみかかりを柔能制剛で受けた。襟を掴んで、体を捻る。元々の相手の体重と、その勢いがすべてゴロツキに返った。放物線を描いて飛んで行く。
「おわー!」
 土煙を当てて派手に転倒すると、男は動かなくなった。背中は上下しているから、死んではいない。
 これで三人が無力化した。リーダーと、もう一人はナイフを構えている。イリエスカも銃剣を構えた。
 その時、ゴロツキたちの足下に、どこからともなく弾丸が飛んできた。シルヴェスターだ。どこかの物陰から威嚇射撃をしている。
「ま、まだ仲間がいやがるのか!?」
「当たり前だろう」
 コウが呆れたように言う。
「そうだよ。あの解体現場に誰がいると思ってるのかな?」
 イリエスカが言うと、ゴロツキ二人は顔を見合わせた。
「ずらかるぞ」
「ヘイ、アニキ!」
「ふふー、逃がさなーい逃がさなーい♪」
 イリエスカも威嚇射撃を試みる。的確に放たれたそれは、方向転換したゴロツキの足下に着弾した。
「ひょんっ!」
「うへぇ!」
 その時だった。ゴロツキたちが向いている方の、役場の影から、二人の人影が現れる。増援か。コウとイリエスカが構えたその瞬間、
「お待たせしました!」
 ハンマーを持った緋色が朗らかに言う。100t。存在感たっぷりのその文字に、ゴロツキたちは震え上がる。ハンターが持つことで、その文字は説得力を増した。
「暴れる人は寝かしつけちゃうよー」
 ユイが言う。この二人もハンターであることを悟ったらしい。男たちはじりじりと後ずさった。
「それでも退路を探すって言うのは見上げた根性だ」
 シルヴェスターが現れる。彼は油断なく銃を構えている。今にも射殺しそうな勢いだ。
「シルヴェスターさん、こ、殺さないですよね?」
 緋色がその剣呑な様子を見て、慌てて言うと、彼ははっと我に返った様に顔を上げる。
「すまんすまん! つい癖で」
「癖で殺すなよぉ!」
 ゴロツキが情けなく叫ぶ。その二人の肩を、後ろからコウが叩いた。
「言っておくが、俺達はこれでもまだ新人ハンターだ。騒動が大きくなれば熟練のハンターが出向くだろう。その時は……わかるよな?」
「あ、あい……」
 ゴロツキたちはうなだれた。戦意は完全に喪失している。コウたちはロープを取り出した。縛り上げると、役場の職員に引き渡した。その道中で、ゴロツキたちがユイと緋色からしこたま説教されたと言うことは記しておかなくてはならない。

●名物料理で締めくくり
 後片付けまで全て終えて、ようやく五人は一息吐いた。互いに依頼の達成を喜び合い、ねぎらい合う。イリエスカが伸びをした。
「何か美味しいものが食べたいなー。結構動き回ったから、体が食べ物を要求してくるよ。この村の名物料理とかないかな?」
「そういえば売り子が出てたね」
 ユイが言った。
「もしかしたら名物かもしれない。探してみようか」
「行く。皆も食べるよね?」
「食べます!」
「俺も食べてみたいなー。胃にはちょっと自信あるんだ」
「俺も。胃には自信ねぇが食いたい」
 シルヴェスターの言葉に、微笑みながらハンターたちは売り子を探す。
「あっ、すみませーん! その売ってるのって……」
 やがて、イリエスカが売り子を見付けた声が、日常の戻った町の空に響いた。

依頼結果

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MVP一覧

  • お前はもう食っている
    玄武坂 コウka5750

重体一覧

参加者一覧

  • 制服魔法使い
    ユイ・エーテリウム(ka3102
    人間(蒼)|15才|女性|魔術師
  • お前はもう食っている
    玄武坂 コウ(ka5750
    人間(紅)|17才|男性|格闘士
  • 制服鎧女子
    金寺・緋色(ka6369
    人間(蒼)|13才|女性|闘狩人
  • 食事は別腹
    イリエスカ(ka6885
    オートマトン|16才|女性|猟撃士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/04/18 21:05:49
アイコン 解体作業と警護と
玄武坂 コウ(ka5750
人間(クリムゾンウェスト)|17才|男性|格闘士(マスターアームズ)
最終発言
2018/04/21 01:11:07