ゲスト
(ka0000)
商店街からの依頼 クリスマスモニュメント
マスター:君矢

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2014/12/16 15:00
- 完成日
- 2014/12/24 19:45
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
12月、リアルブルーでは多くの街がどこもかしこもクリスマスに染まるこの時期、クリムゾンウェストでもまた同じようにクリスマスムードに包まれる。
それはここ、崖上都市「ピースホライズン」でも変わらない。
むしろどこもかしこも華やかに、賑やかにクリスマス準備が進められていて。
リアルブルーの街に輝くという電飾の代わりに、ピースホライズンを彩るのは魔導仕掛けのクリスマス・イルミネーション。
立ち並ぶ家や街の飾りつけも、あちらこちらが少しずつクリスマスの色に染まっていく。
特に今年は、去年の秋に漂着したサルヴァトーレ・ロッソによって今までになく大量に訪れたリアルブルーからの転移者たちが、落ち着いて迎えられる初めてのクリスマス。
ハンターとして活躍している者も多い彼らを目当てにしてるのか、少しばかり変わった趣向を凝らす人々もいるようで。
果たして今年はどんなクリスマスになるのか、楽しみにしている人々も多いようだった。
ピースホライズンのとある商店街。商店街のクリスマス実行委員会のメンバー達が頭を抱えて悩んでいた。彼らの目の前には、クリスマスツリーの形に作られたモニュメントの未完成品があった。
「どうするよ」
「どうするって言っても、芸術家さんがいないんだ。オレたちで作るしか……」
「この大きさを今からか!? 自分の店の準備だってあるんだぞ。誰がやるんだ」
「だからってこのままにしておけないだろう。せっかくのクリスマスモニュメントなのに、鉄の木を置くわけにいかないだろう」
彼らの悩みそれは、商店街のクリスマスモニュメントの制作についてだった。毎年この商店街では、趣向を凝らしたクリスマスモニュメントを制作し商店街の中央広場に設置していた。
今年は商店街にアトリエを構えている芸術家に制作をお願いしていたのだ。新進気鋭の女性芸術家も喜んで依頼を受けてくれた。材料を用意し、広場にメインとなるクリスマスツリーをかたどった鉄のモニュメントを立てたのが昨日の話だ。今日は、どんな作業をするのだろうかと実行委員たちは楽しみにしていた。
ところが、肝心の芸術家がいつまでまっても広場に現れない。実行委員達は何かトラブルでもあったのかと彼女を捜したところ、アトリエに一枚のメモが残されていた。
「北の山にすてきな絵のモチーフが眠っていると夢にお告げがあった。これは傑作を作り出せる予感がするぞ。さっそく探しに行かなくては!」
……。彼女はいったい何を見たのだろうか……。とにかく、彼女はピースホライズンから旅だってしまったらしい。
彼女の行方はひとまずおくとして、問題はこの中途半端に残されたクリスマスモニュメントだった。彼女の制作メモが残っていないかとアトリエの捜索をしたが、残されていたのはモニュメントに使う予定だったと思われる材料ばかりで、スケッチの一つも見あたらない。
商店街クリスマス実行委員といっても、それぞれ店を持ち忙しい彼らには一からモニュメントを作るだけの余裕がなかった。
このままでは、鉄パイプとワイヤー、針金で作られたみすぼらしいクリスマスモニュメントが鎮座する寂しいクリスマスになってしまう。どうしたものかと悩んでいる実行委員たちだった。
「そうだ。ハンターオフィスに相談しよう。クリスマスモニュメントの制作を依頼できるかもしれないぞ」
それはここ、崖上都市「ピースホライズン」でも変わらない。
むしろどこもかしこも華やかに、賑やかにクリスマス準備が進められていて。
リアルブルーの街に輝くという電飾の代わりに、ピースホライズンを彩るのは魔導仕掛けのクリスマス・イルミネーション。
立ち並ぶ家や街の飾りつけも、あちらこちらが少しずつクリスマスの色に染まっていく。
特に今年は、去年の秋に漂着したサルヴァトーレ・ロッソによって今までになく大量に訪れたリアルブルーからの転移者たちが、落ち着いて迎えられる初めてのクリスマス。
ハンターとして活躍している者も多い彼らを目当てにしてるのか、少しばかり変わった趣向を凝らす人々もいるようで。
果たして今年はどんなクリスマスになるのか、楽しみにしている人々も多いようだった。
ピースホライズンのとある商店街。商店街のクリスマス実行委員会のメンバー達が頭を抱えて悩んでいた。彼らの目の前には、クリスマスツリーの形に作られたモニュメントの未完成品があった。
「どうするよ」
「どうするって言っても、芸術家さんがいないんだ。オレたちで作るしか……」
「この大きさを今からか!? 自分の店の準備だってあるんだぞ。誰がやるんだ」
「だからってこのままにしておけないだろう。せっかくのクリスマスモニュメントなのに、鉄の木を置くわけにいかないだろう」
彼らの悩みそれは、商店街のクリスマスモニュメントの制作についてだった。毎年この商店街では、趣向を凝らしたクリスマスモニュメントを制作し商店街の中央広場に設置していた。
今年は商店街にアトリエを構えている芸術家に制作をお願いしていたのだ。新進気鋭の女性芸術家も喜んで依頼を受けてくれた。材料を用意し、広場にメインとなるクリスマスツリーをかたどった鉄のモニュメントを立てたのが昨日の話だ。今日は、どんな作業をするのだろうかと実行委員たちは楽しみにしていた。
ところが、肝心の芸術家がいつまでまっても広場に現れない。実行委員達は何かトラブルでもあったのかと彼女を捜したところ、アトリエに一枚のメモが残されていた。
「北の山にすてきな絵のモチーフが眠っていると夢にお告げがあった。これは傑作を作り出せる予感がするぞ。さっそく探しに行かなくては!」
……。彼女はいったい何を見たのだろうか……。とにかく、彼女はピースホライズンから旅だってしまったらしい。
彼女の行方はひとまずおくとして、問題はこの中途半端に残されたクリスマスモニュメントだった。彼女の制作メモが残っていないかとアトリエの捜索をしたが、残されていたのはモニュメントに使う予定だったと思われる材料ばかりで、スケッチの一つも見あたらない。
商店街クリスマス実行委員といっても、それぞれ店を持ち忙しい彼らには一からモニュメントを作るだけの余裕がなかった。
このままでは、鉄パイプとワイヤー、針金で作られたみすぼらしいクリスマスモニュメントが鎮座する寂しいクリスマスになってしまう。どうしたものかと悩んでいる実行委員たちだった。
「そうだ。ハンターオフィスに相談しよう。クリスマスモニュメントの制作を依頼できるかもしれないぞ」
リプレイ本文
エヴァ・A・カルブンクルス(ka0029)は馬車を操りながらピースホライズンの商店街を目指していた。荷台には、クリスマスの飾り付けに使う材料が乗せてある。材料を運ぶ用にと商店街の人たちが荷馬車を貸してくれたのだった。
商店街近くは人通りが多く馬車で進むのは大変だった。買い物客にぶつからないように馬を操るのはとても疲れる。と、腕組みをしたカエデ・グリーンフィールド(ka3568)がリアカーを傍らに置きエヴァを待っていた。
「ここから先は、馬車では危ないからのう。積み替えることにしようぞ」
エヴァは、笑顔でうなずく。二人で、資材を荷馬車からリアカーへと移した。
「これは妾が運んでおくかの」
エヴァは『大丈夫?』が書かれた単語帳を見せる。
「大丈夫じゃ。それよりも早く馬車を置いてくるがよいぞ」
『ありがとう』
礼を伝えるとエヴァは荷馬車を慎重に操り、人波の向こうへ戻っていった。
カエデもまた、人にぶつからないようにリアカーを引き歩いた。荷台の資材が煩く音を立てる。何かの弾みで資材が落ちてしまわないように慎重に進むので歩みは遅かった。
広場では、モニュメント制作のために確保した場所で仲間達が未完成のツリーを見ながら、これからの作業について打ち合わせをしていた。
カエデは制作場所の端にリアカーを止め、荷台から材料を下ろす。
「おぬし達、材料が届いたぞえ」
仲間達が集まってくる。馬車を置いてきたエヴァも到着した。体格の良い武神 守悟(ka3517)が資材を手に取りながら言った。
「久しぶりに大工仕事できるってーのが嬉しいねー。そうだ。作業時間は、モニュメント組立は人通りが少ない夜を、他の細かい飾りつけは昼でも危険がないだろうからそーいう感じでどうだい」
『商店街ですからね。安全第一です』
と、エヴァが応じた。
優しい雰囲気の柏木 千春(ka3061)が次に発言する。
「テーマは、ホワイトクリスマスに決定です! あと、ツリーを作るだけでは寂しいですから広場の入り口にアーチを設置して、そこからツリーまで光の道を造りましょう」
常に笑顔を浮かべている青年、ジュード・エアハート(ka0410)が発言した。
「俺がアーチを担当しようかな」
「よろしくお願いします。私は光の道を担当します。ふふー。テンション上がりますっ! 楽しく飾り付けが出来たらいいな!」
エルフの姉妹、星輝 Amhran(ka0724)とUisca Amhran(ka0754)は、集められた様々な資材を吟味していた。
「さんたくろうすはどんな姿であるとかしっかりと覚えてきておるぞ。ワシは、針金を山ほど頂こうかのう? それと燭台、アロマキャンドルとか言うのも面白そうじゃ。これらをもらっていこうかの」
「くりすますはサンタさんがプレゼントをくれる日なんだね。さっそく靴下を用意しなくちゃ。白い布を一杯もらっていって、ナイフも何本か使いますね」
猫耳メイドのミィリア(ka2689)が続ける。
「ミィリアもワイヤーに針金、ラッピング素材もらっていくでござる。それとゆっくり出来る物をって思ったので、ベンチを作るでござるよ」
守悟が言う。
「それじゃぁ、でかいツリーとミィリア嬢の作るってー言うベンチの手伝いかね」
「みんなで協力すれば、絶対に素敵な物が出来上がると思うでござる!」
とミィリアが発言をすると、続けて千春が宣言する。
「綺麗で幻想的に! かつ可愛く! 力を合わせて頑張りましょう! おーっ!」
千春が拳を振り上げると、仲間達も一緒に声を上げた。
まず、エヴァがそれぞれの作業場所にロープを張った。すでに買い物客が何か始まったのかと見物し始めていた。
カエデがロープよりも外側にチョークで線を引き、見物客達に白線よりも内側に入らないように誘導していた。
「そこの。見物しても良いがそれ以上入ってはならぬぞ。危ないからの」
子供達が置いてある資材で遊ぼうとこっそり近づいてきた。
「コラッ! 危ないから近づいてはならぬと言っておろう。全く、どこの子供じゃ」
「見つかったー」
「見つかったではないわ。まったく」
カエデは、子供達を捕まえると親の元へ連行していった。
ミィリアは、緑色の包装紙と赤いリボンを手に取り組み合わせる。他に白の包装紙に青いリボン。ピンクに紫、金や銀などを使いカラフルな組み合わせを作っていく。
ミィリアが作っているのはプレゼントボックスのオブジェだ。ワイヤーで色々な形の箱を作り、包装紙とリボンでラッピングをしていく。このオブジェをツリーの下に設置して、プレゼントを待っているワクワク感を出そうと考えたのだ。
このままでは、夜には見えないので中に簡単な魔導式ランプを入れぼんやり光らせようと思っている。
完成したオブジェをツリーの下に配置していく。全体のバランスを見ながら位置を微調整してプレゼントボックスは完成した。
星輝は、大量の針金を使って立体的な人形を作っていた。小人の様な大きさのサンタ人形と同じ大きさのトナカイの人形をたくさん作る。箱の上やベンチなど様々な場所に飾っていく。
一緒に作業をしているUiscaが話しかける。
「可愛いサンタさんね。あれ? 姉さま、この人形中に何か入っているけど……」
Uiscaが針金アートの人形の中心を指さした。
「燭台にアロマキャンドルじゃ。中心にキャンドルが立てられるように燭台を巻き込んであるのじゃ。暗くなったらこの仕掛けがいきてくるぞよ。ゆるりと待っておるがよい」
「楽しみにしてるね」
Uiscaの方はというと器用に針金を操り大きな雪だるまをの型を作った。丸く立体的に作られた雪だるまをに白い布を丁寧に巻いていく。巻き終わって、隙間が無いことを確かめると絵の具で目玉や口を描き入れる。
「ようし。これで雪だるまの完成です。あとはサンタさんがプレゼントを入れてくれるっていう大きい靴下。用意しなくちゃ」
Uiscaは、大きな白い布を靴下の形に切り抜くとチクチクと縫い始めたのだった。
靴下が縫い終わるとUiscaは、鉄パイプを手に取った。長さを調整する事で音階を作り鉄琴を作ろうと考えたのだった。
「難しいです……」
「しょうがないのぅ。どこで切るのじゃ?」
Uiscaが鉄パイプ切断に苦戦しているのを見かねて、星輝が助け船を出す。
「初めはここかな」
Uiscaが切る箇所を指さし、星輝が綺麗に切断した。Uiscaが叩いて音を確認する。次の鉄パイプもまた同じようにUiscaの指示した場所を星輝が切断しUiscaが音を確認していった。そうして三十本の鉄パイプを切り出し鉄琴のパーツを作る。
「ありがとう、姉さま」
「他にも困ったことがあれば言うのじゃぞ」
「うん。がんばるね」
カエデは、実行委員に昼食を用意してもらうと作業を頑張っている仲間たちに差し入れた。
「精を出すのもよいが、きちんと食べるのも仕事のうちじゃぞ」
ミィリアは、資材置き場で木材を選んでいた。せっかく綺麗なツリーを作るのだから、ゆっくりと眺めることが出来るようにベンチを設置する計画だった。守悟が隣にいて、アドバイスを送っている。
あらかじめ商店街の実行委員に使えそうな物があったら分けて欲しいとお願いしたところ、古い木製ベンチや割れの入った木の看板などを提供してもらった。
ベッドの様にくつろげるベンチなので、古いベンチにベッドの雰囲気が出来るようにパーツをたしていく。ヘッドボードを可愛らしく切り抜き、床板も普通のベンチよりも長くする。強度のために、足の数も増やした。
足の部分を確認していた守悟がミィリアに指摘した。
「ここんとこに、横の補強入れてやらねぇと危ないぞ」
そこは新しく足した足の部分で、横からの力に弱かった。
「本当でござるな。これは危ない……」
「横に一本、足せば大丈夫だ」
守悟は、太めの角材をミィリアに手渡す。
「ありがとうでござるっ!」
ミィリアは、角材を足と足の間に渡し釘を使って打ち付ける。
「色を塗るでござるよっ!」
ペンキを塗って、布団とシーツ、枕を表現した。最後に枕元に大きな靴下を飾って完成だ。
完成したベッドをツリーが綺麗に見える位置に設置した。
冬の昼間は短い。日が陰り暗くなってくると、商店街の人通りも少なくなってきた。
千春は昼間、作業の邪魔にならない隅の方で魔導イルミネーションの光や色の種類を確認し、光の道で使う組み合わせのパターンを思案していた。
「本番でどんな風に見えるのか不安ですが……。何度も繰り返し確認しましたし。バリエーションも色々試しました。大丈夫です!」
アーチの下から、クリスマスツリーの間に魔導イルミネーションで光の道を造る計画だ。千春のイメージでは月明かりが雪に反射するように淡く優しい表現しようと思っている。
白には、青白い白やオレンジがかった白、黄色っぽい白など様々な種類がある。それぞれの光の色を調節し、白でも単調にならないように工夫した。
光の道を並んで歩けるように通路の幅を取る。魔導イルミネーションを雪の結晶の形に作ると、通路の両側に設置した。最後に全体のチェックして、光の道は完成だ。
「俺もがんばろう」
ジュードは守悟とカエデに手伝ってもらい、昼間のうちに作っておいたアーチの本体を広場入り口に立てることにした。
アーチの本体は、ワイヤーに針金で大枠を作り補強のためも暖かみを感じさせる蔓状の葉を巻き付けてある。
「それじゃ、呼吸を合わせて立たせるからな」
守悟がジュードとカエデに声をかける。
「いち、に、さんで持ち上げるのじゃな」
「いち、に、さんっ!」
「よっ!」
息をあわせて、三人でアーチを立てる。守悟とカエデがアーチを支えている間に、ジュードがアーチの足下を煉瓦でしっかりと固定した。これで倒れることはまずないだろう。
次にジュードは、霧吹きを手に取るとアーチに吹きかけ始めた。
「それは何なのじゃ? 何やら白いが……」
カエデが質問をする。
「これはね。肥料と水、洗濯糊で雪の結晶液だよ。吹きかけると、ほら、雪が積もったみたいに見えるんだ」
「おお、凄いの!」
ジュードは雪の結晶液を吹き付けた後、次にアーチの中央に持参したクリスマスリースを据え付けた。リースには、天使の人形が飾り付けられていた。このアーチをくぐる人々を見守ってくれるようにと思いを込めて。
「千春さん。アーチのイルミネーションお願いします」
「はい! おまかせあれ!」
千春は、アーチに取り付ける魔導イルミネーションを持ってくる。アーチはキラキラと雪が舞い落ちる様なイメージにするつもりなので、アーチから流れ落ちるように魔導イルミネーションを設置した。光も不規則に明滅させ雰囲気を出すようにした。
次は、クリスマスツリーを仕上げる番だ。幹と枝だけのツリーに本物のモミの木の葉をのせる番だ。
「守悟さん。高い所に葉をのせてもらえますか」
「おう。いいぜ」
「高いから気を付けてください」
「何、俺にとっちゃ地面みたいなもんさ」
守悟は高い梯子をスルスルと上っていき、鉄パイプで作られたクリスマスツリーにモミの木の葉をのせ、温もりと暖かさを吹き込んでいった。カエデは下から葉を守悟に渡したり、下の枝に葉をのせたりしていた。
「おう、カエデ。上の方やってみるか? 上がってこいよ」
頭上から守悟が声をかけた。
「い、いや。結構じゃ。わ、妾は高いところは苦手じゃ」
「カエデさん。低いところの飾り付けお願いしますね」
「まかせるのじゃ」
三人は分担してツリーを飾り付けていく。オーナメントは昼間、雪だるまや雪の結晶をモチーフに、毛糸やビーズを編んで作った物だ。ビーズは魔導イルミネーションの光に反射しキラキラ輝いて見えた。
さらには、ジュードはアーチに使用した雪の結晶液をツリーにも使用する。
「みなさん、私にも手伝わせてください」
とUiscaが寄ってきた。
「もちろんですよ」
ジュードがUiscaをツリーへと招いた。
「これをどこかに設置したいと思いまして」
Uiscaは、自作した大きな白い靴下を手にもっている。クリスマスはサンタがプレゼントをくれる日なので、靴下を用意したのだ。輝くナイフを飾りたかったが、試したところ無理だったので靴下の飾りだけお願いすることにした。
「それでは、ツリー上の方に置きましょうか。あ、危ないですから設置は守悟さんお願いします」
「まかせな。てっぺんだな」
「はい。よろしくお願いします」
Uiscaがにこりと守悟に頼んだ。
守悟は作業の終わった広場を見て回っていた。作ったオブジェの強度など最終チェックをして回っていた。
「お、ここはちっとあぶねーな」
ワイヤーで作ったオブジェから、ほんの少し飛び出ていた部分をヤスリをかけて丸くし、内側に隠す。
他にも魔導イルミネーションの点灯具合を確認したり、ベンチやアーチの強度を確認して回った。
エヴァはイーゼルと紙を出しポスターの下書きを描き始めた。みんなで作ったモニュメントをデフォルメし、道行く人々の興味を引くようにメリハリのきいた絵にするつもりだ。
昼間、商店街のクリスマス実行委員にポスターをする道具がないかと相談したところ、商店街の印刷所を紹介してもらうことが出来た。
『大きいポスターを作りたいんです』
スケッチブックを使って筆談をする。
「ああ、出来るよ。フルカラーは厳しいんだが四色刷りくらいなら可能だよ」
『ありがとうございます。下絵、持ってきますね』
「まってるよ」
また、実行委員との話し合いで、ツリーやオブジェを描いたポストカードをお店のノベルティとして配ることも決まった。この時、実行委員に自分の存在をアピールするのも忘れない。『芸術家がみんな仕事を放りだすと思われたくないです。次は御贔屓に!』と名刺を渡していた。
エヴァのポスターやポストカードも完成し商店街で使われている。
ライトアップされ、幻想的な雰囲気の中、老若男女様々な人々が広場にやってきてクリスマスを楽しんでいた。
モニュメントを作った仲間達もその光景を見て喜びを感じていた。
千春は、完成を手放しで喜んだ。
「大変だったけど楽しかったです。……無事にできてよかった!」
そんな中、Uiscaが光の道を通りツリーの下に置かれた鉄琴に歩み寄りクリスマスソングを演奏し始めた。一緒にUiscaの歌声が広場に響きわたる。鉄パイプを切って作った物なので、普通の鉄琴とはまた違った味わいのある音色だった。
曲にあわせ星輝が舞い踊る。アロマキャンドルの香りの漂う中、神楽鈴をリズムよく鳴らしキャンドルや魔導イルミネーションの光に包まれた姿は神秘的だった。星輝はクリスマスモニュメントの周囲にいる見物人達に一緒に踊ろうと誘う。
「皆の衆も一緒に楽しもうではないか」
商店街近くは人通りが多く馬車で進むのは大変だった。買い物客にぶつからないように馬を操るのはとても疲れる。と、腕組みをしたカエデ・グリーンフィールド(ka3568)がリアカーを傍らに置きエヴァを待っていた。
「ここから先は、馬車では危ないからのう。積み替えることにしようぞ」
エヴァは、笑顔でうなずく。二人で、資材を荷馬車からリアカーへと移した。
「これは妾が運んでおくかの」
エヴァは『大丈夫?』が書かれた単語帳を見せる。
「大丈夫じゃ。それよりも早く馬車を置いてくるがよいぞ」
『ありがとう』
礼を伝えるとエヴァは荷馬車を慎重に操り、人波の向こうへ戻っていった。
カエデもまた、人にぶつからないようにリアカーを引き歩いた。荷台の資材が煩く音を立てる。何かの弾みで資材が落ちてしまわないように慎重に進むので歩みは遅かった。
広場では、モニュメント制作のために確保した場所で仲間達が未完成のツリーを見ながら、これからの作業について打ち合わせをしていた。
カエデは制作場所の端にリアカーを止め、荷台から材料を下ろす。
「おぬし達、材料が届いたぞえ」
仲間達が集まってくる。馬車を置いてきたエヴァも到着した。体格の良い武神 守悟(ka3517)が資材を手に取りながら言った。
「久しぶりに大工仕事できるってーのが嬉しいねー。そうだ。作業時間は、モニュメント組立は人通りが少ない夜を、他の細かい飾りつけは昼でも危険がないだろうからそーいう感じでどうだい」
『商店街ですからね。安全第一です』
と、エヴァが応じた。
優しい雰囲気の柏木 千春(ka3061)が次に発言する。
「テーマは、ホワイトクリスマスに決定です! あと、ツリーを作るだけでは寂しいですから広場の入り口にアーチを設置して、そこからツリーまで光の道を造りましょう」
常に笑顔を浮かべている青年、ジュード・エアハート(ka0410)が発言した。
「俺がアーチを担当しようかな」
「よろしくお願いします。私は光の道を担当します。ふふー。テンション上がりますっ! 楽しく飾り付けが出来たらいいな!」
エルフの姉妹、星輝 Amhran(ka0724)とUisca Amhran(ka0754)は、集められた様々な資材を吟味していた。
「さんたくろうすはどんな姿であるとかしっかりと覚えてきておるぞ。ワシは、針金を山ほど頂こうかのう? それと燭台、アロマキャンドルとか言うのも面白そうじゃ。これらをもらっていこうかの」
「くりすますはサンタさんがプレゼントをくれる日なんだね。さっそく靴下を用意しなくちゃ。白い布を一杯もらっていって、ナイフも何本か使いますね」
猫耳メイドのミィリア(ka2689)が続ける。
「ミィリアもワイヤーに針金、ラッピング素材もらっていくでござる。それとゆっくり出来る物をって思ったので、ベンチを作るでござるよ」
守悟が言う。
「それじゃぁ、でかいツリーとミィリア嬢の作るってー言うベンチの手伝いかね」
「みんなで協力すれば、絶対に素敵な物が出来上がると思うでござる!」
とミィリアが発言をすると、続けて千春が宣言する。
「綺麗で幻想的に! かつ可愛く! 力を合わせて頑張りましょう! おーっ!」
千春が拳を振り上げると、仲間達も一緒に声を上げた。
まず、エヴァがそれぞれの作業場所にロープを張った。すでに買い物客が何か始まったのかと見物し始めていた。
カエデがロープよりも外側にチョークで線を引き、見物客達に白線よりも内側に入らないように誘導していた。
「そこの。見物しても良いがそれ以上入ってはならぬぞ。危ないからの」
子供達が置いてある資材で遊ぼうとこっそり近づいてきた。
「コラッ! 危ないから近づいてはならぬと言っておろう。全く、どこの子供じゃ」
「見つかったー」
「見つかったではないわ。まったく」
カエデは、子供達を捕まえると親の元へ連行していった。
ミィリアは、緑色の包装紙と赤いリボンを手に取り組み合わせる。他に白の包装紙に青いリボン。ピンクに紫、金や銀などを使いカラフルな組み合わせを作っていく。
ミィリアが作っているのはプレゼントボックスのオブジェだ。ワイヤーで色々な形の箱を作り、包装紙とリボンでラッピングをしていく。このオブジェをツリーの下に設置して、プレゼントを待っているワクワク感を出そうと考えたのだ。
このままでは、夜には見えないので中に簡単な魔導式ランプを入れぼんやり光らせようと思っている。
完成したオブジェをツリーの下に配置していく。全体のバランスを見ながら位置を微調整してプレゼントボックスは完成した。
星輝は、大量の針金を使って立体的な人形を作っていた。小人の様な大きさのサンタ人形と同じ大きさのトナカイの人形をたくさん作る。箱の上やベンチなど様々な場所に飾っていく。
一緒に作業をしているUiscaが話しかける。
「可愛いサンタさんね。あれ? 姉さま、この人形中に何か入っているけど……」
Uiscaが針金アートの人形の中心を指さした。
「燭台にアロマキャンドルじゃ。中心にキャンドルが立てられるように燭台を巻き込んであるのじゃ。暗くなったらこの仕掛けがいきてくるぞよ。ゆるりと待っておるがよい」
「楽しみにしてるね」
Uiscaの方はというと器用に針金を操り大きな雪だるまをの型を作った。丸く立体的に作られた雪だるまをに白い布を丁寧に巻いていく。巻き終わって、隙間が無いことを確かめると絵の具で目玉や口を描き入れる。
「ようし。これで雪だるまの完成です。あとはサンタさんがプレゼントを入れてくれるっていう大きい靴下。用意しなくちゃ」
Uiscaは、大きな白い布を靴下の形に切り抜くとチクチクと縫い始めたのだった。
靴下が縫い終わるとUiscaは、鉄パイプを手に取った。長さを調整する事で音階を作り鉄琴を作ろうと考えたのだった。
「難しいです……」
「しょうがないのぅ。どこで切るのじゃ?」
Uiscaが鉄パイプ切断に苦戦しているのを見かねて、星輝が助け船を出す。
「初めはここかな」
Uiscaが切る箇所を指さし、星輝が綺麗に切断した。Uiscaが叩いて音を確認する。次の鉄パイプもまた同じようにUiscaの指示した場所を星輝が切断しUiscaが音を確認していった。そうして三十本の鉄パイプを切り出し鉄琴のパーツを作る。
「ありがとう、姉さま」
「他にも困ったことがあれば言うのじゃぞ」
「うん。がんばるね」
カエデは、実行委員に昼食を用意してもらうと作業を頑張っている仲間たちに差し入れた。
「精を出すのもよいが、きちんと食べるのも仕事のうちじゃぞ」
ミィリアは、資材置き場で木材を選んでいた。せっかく綺麗なツリーを作るのだから、ゆっくりと眺めることが出来るようにベンチを設置する計画だった。守悟が隣にいて、アドバイスを送っている。
あらかじめ商店街の実行委員に使えそうな物があったら分けて欲しいとお願いしたところ、古い木製ベンチや割れの入った木の看板などを提供してもらった。
ベッドの様にくつろげるベンチなので、古いベンチにベッドの雰囲気が出来るようにパーツをたしていく。ヘッドボードを可愛らしく切り抜き、床板も普通のベンチよりも長くする。強度のために、足の数も増やした。
足の部分を確認していた守悟がミィリアに指摘した。
「ここんとこに、横の補強入れてやらねぇと危ないぞ」
そこは新しく足した足の部分で、横からの力に弱かった。
「本当でござるな。これは危ない……」
「横に一本、足せば大丈夫だ」
守悟は、太めの角材をミィリアに手渡す。
「ありがとうでござるっ!」
ミィリアは、角材を足と足の間に渡し釘を使って打ち付ける。
「色を塗るでござるよっ!」
ペンキを塗って、布団とシーツ、枕を表現した。最後に枕元に大きな靴下を飾って完成だ。
完成したベッドをツリーが綺麗に見える位置に設置した。
冬の昼間は短い。日が陰り暗くなってくると、商店街の人通りも少なくなってきた。
千春は昼間、作業の邪魔にならない隅の方で魔導イルミネーションの光や色の種類を確認し、光の道で使う組み合わせのパターンを思案していた。
「本番でどんな風に見えるのか不安ですが……。何度も繰り返し確認しましたし。バリエーションも色々試しました。大丈夫です!」
アーチの下から、クリスマスツリーの間に魔導イルミネーションで光の道を造る計画だ。千春のイメージでは月明かりが雪に反射するように淡く優しい表現しようと思っている。
白には、青白い白やオレンジがかった白、黄色っぽい白など様々な種類がある。それぞれの光の色を調節し、白でも単調にならないように工夫した。
光の道を並んで歩けるように通路の幅を取る。魔導イルミネーションを雪の結晶の形に作ると、通路の両側に設置した。最後に全体のチェックして、光の道は完成だ。
「俺もがんばろう」
ジュードは守悟とカエデに手伝ってもらい、昼間のうちに作っておいたアーチの本体を広場入り口に立てることにした。
アーチの本体は、ワイヤーに針金で大枠を作り補強のためも暖かみを感じさせる蔓状の葉を巻き付けてある。
「それじゃ、呼吸を合わせて立たせるからな」
守悟がジュードとカエデに声をかける。
「いち、に、さんで持ち上げるのじゃな」
「いち、に、さんっ!」
「よっ!」
息をあわせて、三人でアーチを立てる。守悟とカエデがアーチを支えている間に、ジュードがアーチの足下を煉瓦でしっかりと固定した。これで倒れることはまずないだろう。
次にジュードは、霧吹きを手に取るとアーチに吹きかけ始めた。
「それは何なのじゃ? 何やら白いが……」
カエデが質問をする。
「これはね。肥料と水、洗濯糊で雪の結晶液だよ。吹きかけると、ほら、雪が積もったみたいに見えるんだ」
「おお、凄いの!」
ジュードは雪の結晶液を吹き付けた後、次にアーチの中央に持参したクリスマスリースを据え付けた。リースには、天使の人形が飾り付けられていた。このアーチをくぐる人々を見守ってくれるようにと思いを込めて。
「千春さん。アーチのイルミネーションお願いします」
「はい! おまかせあれ!」
千春は、アーチに取り付ける魔導イルミネーションを持ってくる。アーチはキラキラと雪が舞い落ちる様なイメージにするつもりなので、アーチから流れ落ちるように魔導イルミネーションを設置した。光も不規則に明滅させ雰囲気を出すようにした。
次は、クリスマスツリーを仕上げる番だ。幹と枝だけのツリーに本物のモミの木の葉をのせる番だ。
「守悟さん。高い所に葉をのせてもらえますか」
「おう。いいぜ」
「高いから気を付けてください」
「何、俺にとっちゃ地面みたいなもんさ」
守悟は高い梯子をスルスルと上っていき、鉄パイプで作られたクリスマスツリーにモミの木の葉をのせ、温もりと暖かさを吹き込んでいった。カエデは下から葉を守悟に渡したり、下の枝に葉をのせたりしていた。
「おう、カエデ。上の方やってみるか? 上がってこいよ」
頭上から守悟が声をかけた。
「い、いや。結構じゃ。わ、妾は高いところは苦手じゃ」
「カエデさん。低いところの飾り付けお願いしますね」
「まかせるのじゃ」
三人は分担してツリーを飾り付けていく。オーナメントは昼間、雪だるまや雪の結晶をモチーフに、毛糸やビーズを編んで作った物だ。ビーズは魔導イルミネーションの光に反射しキラキラ輝いて見えた。
さらには、ジュードはアーチに使用した雪の結晶液をツリーにも使用する。
「みなさん、私にも手伝わせてください」
とUiscaが寄ってきた。
「もちろんですよ」
ジュードがUiscaをツリーへと招いた。
「これをどこかに設置したいと思いまして」
Uiscaは、自作した大きな白い靴下を手にもっている。クリスマスはサンタがプレゼントをくれる日なので、靴下を用意したのだ。輝くナイフを飾りたかったが、試したところ無理だったので靴下の飾りだけお願いすることにした。
「それでは、ツリー上の方に置きましょうか。あ、危ないですから設置は守悟さんお願いします」
「まかせな。てっぺんだな」
「はい。よろしくお願いします」
Uiscaがにこりと守悟に頼んだ。
守悟は作業の終わった広場を見て回っていた。作ったオブジェの強度など最終チェックをして回っていた。
「お、ここはちっとあぶねーな」
ワイヤーで作ったオブジェから、ほんの少し飛び出ていた部分をヤスリをかけて丸くし、内側に隠す。
他にも魔導イルミネーションの点灯具合を確認したり、ベンチやアーチの強度を確認して回った。
エヴァはイーゼルと紙を出しポスターの下書きを描き始めた。みんなで作ったモニュメントをデフォルメし、道行く人々の興味を引くようにメリハリのきいた絵にするつもりだ。
昼間、商店街のクリスマス実行委員にポスターをする道具がないかと相談したところ、商店街の印刷所を紹介してもらうことが出来た。
『大きいポスターを作りたいんです』
スケッチブックを使って筆談をする。
「ああ、出来るよ。フルカラーは厳しいんだが四色刷りくらいなら可能だよ」
『ありがとうございます。下絵、持ってきますね』
「まってるよ」
また、実行委員との話し合いで、ツリーやオブジェを描いたポストカードをお店のノベルティとして配ることも決まった。この時、実行委員に自分の存在をアピールするのも忘れない。『芸術家がみんな仕事を放りだすと思われたくないです。次は御贔屓に!』と名刺を渡していた。
エヴァのポスターやポストカードも完成し商店街で使われている。
ライトアップされ、幻想的な雰囲気の中、老若男女様々な人々が広場にやってきてクリスマスを楽しんでいた。
モニュメントを作った仲間達もその光景を見て喜びを感じていた。
千春は、完成を手放しで喜んだ。
「大変だったけど楽しかったです。……無事にできてよかった!」
そんな中、Uiscaが光の道を通りツリーの下に置かれた鉄琴に歩み寄りクリスマスソングを演奏し始めた。一緒にUiscaの歌声が広場に響きわたる。鉄パイプを切って作った物なので、普通の鉄琴とはまた違った味わいのある音色だった。
曲にあわせ星輝が舞い踊る。アロマキャンドルの香りの漂う中、神楽鈴をリズムよく鳴らしキャンドルや魔導イルミネーションの光に包まれた姿は神秘的だった。星輝はクリスマスモニュメントの周囲にいる見物人達に一緒に踊ろうと誘う。
「皆の衆も一緒に楽しもうではないか」
依頼結果
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マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 ジュード・エアハート(ka0410) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2014/12/16 09:45:35 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/12/16 09:40:40 |