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【王臨】

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わたくしは……わたくしはっ!
この国の“未来の王”、システィーナ・グラハムです!
いかなる絶望が覆おうとも、わたくしは絶対にこの国を諦めません!
ですからお願いです! どうかわたくしたちに、災厄を退ける力をお貸しください!

グラズヘイム王国王女:システィーナ・グラハム(kz0032

更新情報(5月12日)

ついに、積年の戦いに一時の結末が……グランドシナリオ「【王臨】王の帰還」リプレイ公開!
災厄の十三魔・黒大公ベリアルとの決戦の行方は? その激戦の結果、ぜひともご確認ください!
そして本日5月12日、【王臨】連動シナリオのエピローグとなるノベルを更新しました!
これにて【王臨】の物語は完結となります。
新たなADivのストーリーへと続くノベルをぜひご確認いただき、続報をお待ちください!
▼グランドシナリオ「王の帰還」(4/14?5/9)▼

【王臨】連動シナリオについて

【王臨】とは、グラズヘイム王国の未来を左右する「巨視的重要分岐点」で発生している複数の物語の総称です。
これらは、ハンターオフィスに【王臨】タグが付与されたシナリオ群から形成されます。
各依頼を成功に導く事で本連動全体の成功へ繋がったり、グラズヘイム王国の未来に影響を及ぼすことができます。

たとえば「ある事件を調査するシナリオ」において成功をおさめた場合、次の関連シナリオで有利に物事を勧めることができたり。あるいは、成功をおさめられなかった場合は、手掛かりを失い捜索継続を断念し、別の困難な道を探しなおすことになるなど、結果に応じた様々なストーリー分岐がおこります。
バラバラにハンターオフィスで並んでいる連動シナリオは、現時点ではそれぞれ密接にかかわっていないシナリオも多分にあります。
しかし、すべて「王国の歴史を左右する"今と言う重要分岐点"」で発生している共通点を持ち、そしてそれぞれ大きな実を結んでいくことになるでしょう。
それらがどんな未来を引き寄せるかは、みなさま次第。
一つ一つの依頼を成功に導く事が、状況を変化させ、王国の未来を切り開いていくことに繋がるのです。
 
 

【王臨】エピローグノベル(5月12 日更新)

●戦死者への祈り

ミカ・コバライネン

ボルディア・コンフラムス

ダンテ・バルカザール

「……そりゃ、そうだよな」
 ミカ・コバライネン(ka0340)は小さく、こぼしたのだった。
 此度の戦場で、“ハンターたち”の死者は、無し。それでも、参列者の数と、それぞれの深い哀しみを見るに至っての呟きだった。
 あの場に参戦していた騎士や従騎士だけでは、ない。戦場は拡散し、とくに『古の塔』周辺における戦闘では、指揮官級の騎士も戦死したと風の噂に聞いている。
 それだけの人間が、死んだのだ。
 ――王国も、傷だらけだな。 随分と若い騎士たちの姿が目立つ。激しい戦場の連続に、騎士団の人員は減り続けるばかりなのだろう、と静かに思った。
「――これじゃあ、勝ったって言えねぇよ……」
「…………」
 傍らから、言葉が落ちた。赤髪の剛毅な女――ボルディア・コンフラムス(ka0796)のものだと知って初めて、ミカは驚きを抱いたものだ。付き合いのある女ではあったが、存外湿っぽい声も出るのだなと、場違いな感想を抱く。
「…………知り合いの騎士でも?」
「ああ……」
 惜別の念が滲む声に、ミカはそれ以上の追求を止めた。要らぬことを言わない、というのも男の甲斐性である。
「お。ンだ、テメェらも来てたのか。確か――」
「ミカ・コバライネンと、ボルディア・コンフラムスです。隊長」
「っせェな、解ってたっつーの……ったく」
 方や人目をはばかりもしない赤髪の偉丈夫、ダンテ・バルカザール(kz0153)。方や、小声でそれを諌めるジェフリーであるが、効果は薄いようだった。平素の騎士甲冑ではなく、騎士団の礼服を纏うたダンテは、居並ぶハンターたち……その中でも、沈痛に沈むボルディアの肩を叩き、短く言った。
「……感謝する。“アイツ”も喜ぶだろうぜ」
「…………」
 ボルディアはその言葉に身をこわばらせると、うるせえよ、と小さく零し、
「当たり前だ。……俺たちは、勝ったんだ。アイツが喜ばねえわけがねえよ……」
 力なく、そう応えた。

―・―

エリオット・ヴァレンタイン

ソルラ・クート

 葬儀場の片隅で、エリオット・ヴァレンタイン(kz0025)は独り、祈りを捧げていた。
 騎士団長の身を退いた立場である彼にとって、この場は――戦死者のための場は、深い悔恨を伴う。死なずとも済んだ戦死者のひとりひとりの名を呼び、その過去を偲び、彼らの死を自らの心に刻みつける。

 ――そうして、最後のひとりまで、たどり着く。

「…………ソルラ」
 言葉にして、これまでとは比べ物にならないほどの哀しみが去来した。
 ――ソルラ・クート(kz0096)。
 彼女が剣を取る前から、彼女を知っていた。鉄壁の騎士と呼ばれるようになり、それでも職務に励む姿を、知っていた。小隊を率いるようになり、様々な戦場に出て己を磨いてきた姿を、知っていた。弱さを克服しようと足掻く姿を、知っていた。“仲間たち”に囲まれる彼女の姿を――知っていた。

 その彼女が、もう、いない。いないのだ。

 上役として、成長していく彼女の未来に、期待もあった。
 けれど。それ以上に、彼女が喪われたというその事実が、ただひたすらに苦い。

 だから。
「よう、“元”団長サンよ」
 その背に降った言葉に、祈りを捧げるエリオットは気づかなかった。だが、その人物が無遠慮に隣に座り込むに至れば、解ろうものだった。
「ハ、腑抜けたツラしやがって」
「……ダンテか」
「久しぶりだな、エリオット」
 口の端を吊り上げた、獰猛な笑みを向けるダンテ・バルカザールに、エリオットはしばし、何も言えなかった。
 この国を、そして大切なものを守るためであったとしても、周りの人間に何もかもを押し付けて此処まで来た事実に変わりはない。戦友に対して、自らが働いた不義理の重さはエリオット自身が了解している。だから。
「今回も、随分と死んだな」
「――ああ」
 ダンテが水を向けてくれたことは、素直に、ありがたい。
 ――前途ある若者ばかりが死んでいく。生き抜いた者たちは強くなるだろう。
 それでも、喪われた生命を数として捌けるほど器用に生きられない点で、ダンテとエリオットはよく似ていた。
 けれど。
「だが、お前は生きていた」
「…………」
「これもヒカリノオミチビキってヤツかねえ……」
 エリオットは彼ほど、明け透けにはなれない。自らよりも年上の男のどこか何かに疲れたような台詞に、返す言葉が見つからない。
 皮肉や冗句で返すには、喪ったものが大きすぎた。だから、続く言葉には――驚いた。
「ったく、よくも俺を騙してくれやがったな、“元”団長」
「それは……」
 生真面目に経緯を語ろうとでも思ったのか、口を開いたエリオットを見てダンテは片頬を釣り上げてくつくつと笑う。
「アァ?! オイオイ、冗談だよエリオット。朴念仁に磨きがかかったんじゃねえのか、お前?」
「うるさい。……元々俺は“こう”なんだ。あまりからかうな」
 戦友を失うこの過酷の前で、ただただ目を伏せること。
 出来得る全てで戦友に誠実で在りたいという心根を隠しきれないこと。
 そんなエリオットをまっすぐに見据えたまま、ダンテはこう言った。
「ンな有様じゃ“嬢ちゃん”は任せられねえなあ、“ただの”エリオット?」
「何だと……?」
 なにを差し置いても“その件”だけは譲れないとばかりに言い返そうとするエリオットの言葉は、肩を力強く小突かれた衝撃に立ち消える。
「――いいから、こっちは任せろよ。“約束”も、あるしな。だから、お前は、お前が必要だと思うことをすりゃいい。今なら未だ、俺と爺が居る。悪巧みの種が尽きたってえならそれでもいいがな」
 燃えるような髪に比して、酷く落ち着いたブルーグレーの瞳が諭すように言う。
敵わない、この男には。
「なぁ、ダンテ」
「アァ?」
「…………“悪かった”」
「ハ。ありがとう、だろうがよ、そこは」
 言いながら、ダンテは立ち上がり、だらしなく両手をズボンのポケットに突っ込むと、首の動きだけで「往くか?」と尋ねた。意味する所が酒か、はたまた別のものかは知らないが、エリオットが首を横に振ると、ダンテは舌打ちし、片手を上げて背を向けた。
「またな」
「あぁ。また、な」


●イスルダを見据えて

 黒大公討伐戦終結より数日後のグラズヘイム王国、王城。

システィーナ・グラハム

誠堂 匠

アイシュリング

セドリック・マクファーソン

 その一室には、王国の首脳陣の依頼であるハンターたちが招かれていた。
「匠さん、アイシュリングさん、お久しぶりですね。お二人がわたくしの依頼を受けてくださったのは、もう何年前になるでしょう」
「大変ご無沙汰しております、王女殿下。恐らく、約3年ほど前かと。……その、本日は」
グラズヘイム王国第一王女システィーナ・グラハム(kz0020)の眼前で恭しく礼をしながら、誠堂 匠(ka2876)は僅かに言い淀んだ。
 少女の双眸、そのエメラルドグリーン強い既視感を覚える。いや、既視感どころの話ではない。記憶が正しければ、まるきり同じ色をしているのだ。先日相対した傲慢の歪虚騎士軍指揮官である先王アレクシウス・グラハムの瞳と。
「お気遣い、ありがとうございます。けれど不要ですよ。話は既に聞いております」
 務めて冷静な応対には、匠だけでなく、アイシュリング(ka2787)も内心驚きを禁じ得なかった。約3年前に会った時のシスティーナとは、随分雰囲気が違う。
 ここ最近、何度か大司教セドリック・マクファーソン(kz0026)直下の依頼を請け負っていたアイシュリングは、ついでとばかりに王女の傍に控えている彼にちらりと視線を流すも、男は素知らぬ顔をしている。スタンスを理解したアイシュリングも、セドリックのことなど気に留めず、改めて王女に首肯した。
「そう、既に話はあがっているのね。なのに聞き取り調査が必要なの? “彼”が報告を上げている以上のことで私から話せることはないわ」
 話すことは構わないけれど、と前置きをしてエルフの少女は言う。すると“彼”と呼ばれた男──元王国騎士団長エリオット・ヴァレンタインがようやく口を開いた。
「手間をとらせるようで悪いが、改めて報告を頼めるか。……それと、匠」
 エリオットの無言の催促を理解し、匠が懐からあるものを取り出した。
 それは、不思議な文様が刻まれた石だった。その文様の“雰囲気”にはシスティーナも見覚えがある。
「これが……古の塔から発見されたという“畜音石”ですか」
「はい。試作型ですが、半径2mのあらゆる音を保存することが出来るものです」
「そうですか。では……わたくしに”それ”を、聞かせて頂けますか」
 真っ直ぐな眼で依頼する少女の表情から、その固い決意が伺える。今の彼女ならば、聞こえてくる音声にも気丈に振る舞ってくれるのではないか──そんな思いで、匠は蓄音石を握りしめた。刹那、王女の目の前で“石”が輝きを放った。同時に、蓄えられた“音声”が鮮明に流れ出したのだ。

『貴方は……8年前のホロウレイドで王国を守り、命を落としたグラズヘイムの先王。アレクシウス・グラハム“元”陛下で間違いありませんね』
『如何にも』
『何故……ホロウレイドの英雄が、王国を……』
『“英雄”? それは“英霊”という意味か?』
『……ッ、それは』
『死した余を、余の騎士たちを“英雄扱い”すれば気が済むか? なんとも傲慢なことだ。だが余は、余と盟友たちは英霊になど成り得ぬ。……“死の先”があるのだよ。ここに、な』

 そこで、畜音石は輝きと共に音声をフェードアウトした。
 気付けば、部屋の中は静まり返っている。誰もが次に発すべき言葉を探しあぐねていた。
 大切な情報を持ちかえった匠は、今日の召喚の理由は理解していたし、だからこそ事前に「何を言うべきか」を考えてみてはいたのだ。
 だが、駄目だった。少女の心情を慮れば慮るほど、自分の言葉など溶けてなくなってゆく。
 ──そんな時だった。
「ありがとう、ございます」
 その声の主に誰もが視線を送る。
「これでようやく、“先王の死”を乗り越えるための道筋を、見つけることができました」
 システィーナが、そう言って微笑んで見せたのだ。その瞳は、どう見ても先ほどよりずっと潤んで見えるのだが、少女は決して涙をこぼしたりはしなかった。彼女は、懸命に自らの言葉で“国の行く末”を導こうとしている。その思いが痛いほど伝わってきた。
「あの戦いに参戦された皆様には、ホロウレイドがどんな結末を迎えていたか既に察していらっしゃると思いますけれど……先王をはじめとした少なくない数の遺体を、わたくしたちは回収することができませんでした。その事実はある危険性を示唆します」
「……それが、歪虚化ね」
 アイシュリングの指摘を濁さず肯定し、システィーナは続ける。
「けれどそれはあくまで未来に起こり得る危険性の示唆に留まっていました。“イスルダ”という箱の蓋を開いて確認できなかったわたくしたちにとって“先王は歪虚になった”のか“歪虚になっていない”のか、ずっと不確定のままでした」 「“シュレディンガーの猫”、か」
 ぽつりとつぶやく匠の言葉にシスティーナは首を傾げると、慌てて青年は「失礼しました」と非礼を詫びる。
「わたくしは……娘ですから。わかります。あの声は、確かに“わたくしの父であった人のもの”でした」
 そういって、システィーナはまた”笑ってみせようとした”。泣いているのか、笑っているのか、判然としない表情で。
「……わたくしたちは……歩き出さなければならない……、いいえ、違う。これで、歩き出せるのですね」
 王女システィーナ・グラハムは腰かけていた拵えの良い椅子からゆっくり立ち上がると、一つ息をつき、宮廷人にとっての武器――全てを覆い隠す微笑を湛えた。
「王国は人々にとっての揺り籠でなくてはなりません。そして籠におイタをする不届き者を、歪虚というものの存在を、決して認めません」
 零さぬままの涙をのみ込む。自分を奮い立たせるように、胸に手を当てる王女。
 その場の全ての者が、“未来の王”の姿を静かに見守り、そして“宣言”を待った。
「黒大公に奪われ、未だ歪虚に支配され続ける“彼の地”──イスルダを、取り戻しましょう」

(執筆:ムジカ・トラス藤山なないろ
(監修:神宮寺飛鳥
(文責:フロンティアワークス)

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関連NPC

ダンテ・バルカザール(kz0153
グラズヘイム王国騎士団の副団長であり、赤の隊の隊長を務める。
剣に関しては騎士団長エリオットと互角の腕前を持つ実力者。
細かいことには拘らない豪快な性分で、 「規格外」という言葉が適切な男。
  • 王国騎士団副団長
イラスト:藤井ルマンダー

エリオット・ヴァレンタイン(kz0015
グラズヘイム王国が誇る最強の王国騎士団を率いる青年。
類稀な戦闘能力と生来の生真面目さや忠誠心から、先の大戦で戦力を欠いた王国より若くして騎士団長に抜擢された。
  • 我が身は王の為に
イラスト:鈴木クルート
システィーナ・グラハム(kz0025
グラズヘイム王国の王女。
若くして両親を失い、国を背負わなければならない立場となったが、年齢や能力不足を理由にまだ女王として即位はしていない。
現在は勉学に励み、国の為に自分ができる事を模索している。
  • グラズヘイム王国王女
イラスト:miru

セドリック・マクファーソン(kz0026
44歳にして聖堂教会の大司教に上り詰めたカリスマ。
普段は言葉少なで朴訥とした人間だが、仕事の最中は時に熱の篭った演説まで始める情熱家でもある。
多少過激とまで言える程の改革派で、王国貴族には敵も多い。
  • 聖堂教会大司教
イラスト:影由

 
 

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