ゲスト
(ka0000)
【虚動】ブリちゃんと同じ釜飯の仲間たち
マスター:朝臣あむ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/12/21 12:00
- リプレイ完成予定
- 2014/12/30 12:00
オープニング
●カールスラーエ要塞
辺境へ向かう準備で慌ただしく動く要塞の一角で、錬魔院から派遣されたブリジッタ・ビットマンは物凄い速さで筆を動かしていた。
「えっと、ここをこーして……ここにもこれを付けてー……」
えへへ、と他人には見せたことのない笑顔を零して書くのは、魔導アーマー『カオルクヴァッペ』の設計図だ。
帝都から帝国第二師団のあるカールスラーエ要塞へ向かう途中に目にしたハンターの闘いが彼女に刺激を与えたらしく、要塞到着後からずっとこんな調子で設計と改造を繰り返している。
「ねえ、ブリ助ちゃん。そろそろ出発しないとダメなんじゃないかなぁ?」
そう零すのは、ブリジッタに傍にいるよう言われたペリドだ。
「うっさいなのー! おめーはあたしの指示でマテリアルを使えばいいのよさ!」
「使えばって……これでも覚醒するの疲れるんだからね」
ペリドは先程から何度も覚醒してはブリジッタの望むスキルを見せている。どうやら設計の関係で必要な事らしいのだが、覚醒回数が多くて疲れて来たらしい。
「ブリ助ちゃんって絶対に友達いないよね」
他人は気にせず自分のしたいことをする。
天才肌の人間にはありがちなことだが、ブリジッタは特に酷い。何が酷いかと言うと、こういう所だ。
「はーあ? 友だちなんていらねーのですよー! そんなの作るくらいならカオルくんと遊んでたほーが何万倍もゆーいぎなのよっ! そもそも友だちがあたしに何をしてくれるのよ? 研究の邪魔になるだけーよ!」
目も向けずに吐き捨てる台詞に口端が下がる。それでもペリドの傍に居続けるのは、リーゼロッテ・クリューガー(kz0037)の言葉があるからだ。
『ブリちゃんはとっても良い子ですよ。だから仲良しになってあげて下さいね♪』
ブリジッタは自分と魔導アーマー以外の世界を好まないコミュ障だ。今まで錬金術に没頭するあまり他人と関わらなかったのが原因かもしれない。
「……先生、キラキラした目で言ってたし……ボクだって仲良くなりたいけど……」
明らかに自分と魔導アーマーへ向ける表情の違いに凹みそうになる。と、そこに助け舟が来た。
「ブリちゃん、ペリド、入りますよ」
部屋をノックして入って来たのはリーゼロッテだ。
彼女は笑顔でブリジッタに歩み寄ると彼女が書く設計図に目を落とした。
「もう少しで完成と言った所でしょうか。とは言え、もう出発しますよ。先にCAMの公開実験に向かったヤンさんから連絡があって、今からだと開始後の到着になりそうと――」
「あたしいーかないっ!」
「え」
リーゼロッテは思わず目を瞬いた。
「ブリちゃん、今なんて……」
「あたし行かないのよ。だいたいなーんであたしが行かなきゃいけないのよさ。あたしはカオルくんの改造で忙しーのよ」
「でも……ブリちゃんの当初の目的は暴走する魔導アーマーの開発者の暴走を止める事ですよね? それを条件にカオルくんと出発できたはずです。なのに放棄するんですか?」
「目的が変わるなんてよくあることなのよー。そもそもあーなバカ共の面倒を、なんで天才のあたしがしなきゃならねーのよさ。それこそオカシな話なのよ。それよりもでかパイに見て欲しい物があるのよさ!」
ブリジッタは言うと、作成途中の設計図を掲げた。そこには一見すれば意味不明な文字と計算が並べてあるのだが、それを目にした瞬間リーゼロッテの表情が曇った。
「まさか……スペルランチャーの設計をしているのですか?」
「そうなのよー♪ このあいだ見た光るたまが、すーごくきれーだったのよ♪ あれをカオルくんに搭載したらぜったいにすごいことになるのよさ!」
スペルランチャーとはマテリアルを燃料に発射するエネルギー弾のようなものだ。色々と複雑な構造を経ないと出来ないため、現在のクリムゾウェストでは不可能と言われている技術だ。
「まえまえから付けたいって思ってたけど、どーもピンッとくる発想がなかったのよ♪ でも覚醒者を媒体とすればもしかしたら――」
「無理ですね」
「え」
今度はブリジッタが目を瞬く番だった。
「正確に言えば、理論的には可能だと思います。でもリスクが大き過ぎます。覚醒者を媒体にして彼等に何かあったらどうするのですか? 人命への危険性の排除、そして作り上げるだけの高度な技術、そのどれもが不足しています」
「で、でも!」
「ダメです」
キッパリ言い放ったリーゼロッテにブリジッタも黙るしかなかった。けれど負けっぱなしでいる訳にもいかない。
設計図を名残惜しげに見つめた後、彼女は設計図の隅に書き綴った文字を指差して言った。
「それならせめて、カオルくんの間接強化と武器を作りたいのよ! それができないなら出発しないし、じょーほなんて絶対しないのよー!」
「ブリちゃん!」
こうしている間にもCAMの公開実験開始は迫っている。このままでは先に向かった魔導アーマーの開発者たちが心配だ。
「……わかりました。物資調達の依頼を出します。ですから必ず完成させてくださいね?」
リーゼロッテはそう言うと、そっぽを向いたままこちらを向いてくれないブリジッタの横顔を見詰めた。
●魔導アーマー『カオルクヴァッペ』
基本操縦系は試作型魔導アーマーと同じ。
少し平べったいボディに丸みを持たせて蛙のような外見を維持している他、カラーは緑と黒になっている。
愛称は「カオルくん」で現在この1機しか存在しない。
またこの魔導アーマーは2足歩行を可能にしているが、重心を上手く取れないため尻尾のような「第3の足」でバランスを取っている。この足は尻尾のように常に揺れており、機体が倒れないように支える棒のような役割を果たしている。
また外見に似合った「両足ジャンプ機能」を搭載しており、垂直跳びの他、前方向にのみ飛躍する事が出来るようになっている。
●
先程目にしたカオルクヴァッペの設計図。それを思い出しながら、リーゼロッテは依頼を出すべく要塞の中を歩いていた。
「どことなく、昔のナサ君に似ていますね……」
思い出してため息が出る。
ナサニエル・カロッサ(kz0028) は幼い頃からずば抜けた頭脳はあったが、どうにも周りと協力すると言う事が苦手だった。と言うよりも、彼の発想に付いていける研究者が居なかった、と言う方が正しいかもしれない。
ブリジッタも正にそう。
けれど彼女の周りには彼女を理解してくれる人たちがいるはず。現に彼女の身元引受人であるヤンは彼女の能力を高く評価している。
「このまま放っておいては、第2のナサ君を作りかねませんね。どうにかして今の状態から引っ張り出さないと……」
そこまで呟いてハッとした。
「そうか、そうですね! ハンターのみなさんにお願いしてみましょう!」
名案を思いついたと言わんばかりの笑顔になったリーゼロッテは、軽い足取りで歩き出すと意気揚々と依頼を出しに行った。
辺境へ向かう準備で慌ただしく動く要塞の一角で、錬魔院から派遣されたブリジッタ・ビットマンは物凄い速さで筆を動かしていた。
「えっと、ここをこーして……ここにもこれを付けてー……」
えへへ、と他人には見せたことのない笑顔を零して書くのは、魔導アーマー『カオルクヴァッペ』の設計図だ。
帝都から帝国第二師団のあるカールスラーエ要塞へ向かう途中に目にしたハンターの闘いが彼女に刺激を与えたらしく、要塞到着後からずっとこんな調子で設計と改造を繰り返している。
「ねえ、ブリ助ちゃん。そろそろ出発しないとダメなんじゃないかなぁ?」
そう零すのは、ブリジッタに傍にいるよう言われたペリドだ。
「うっさいなのー! おめーはあたしの指示でマテリアルを使えばいいのよさ!」
「使えばって……これでも覚醒するの疲れるんだからね」
ペリドは先程から何度も覚醒してはブリジッタの望むスキルを見せている。どうやら設計の関係で必要な事らしいのだが、覚醒回数が多くて疲れて来たらしい。
「ブリ助ちゃんって絶対に友達いないよね」
他人は気にせず自分のしたいことをする。
天才肌の人間にはありがちなことだが、ブリジッタは特に酷い。何が酷いかと言うと、こういう所だ。
「はーあ? 友だちなんていらねーのですよー! そんなの作るくらいならカオルくんと遊んでたほーが何万倍もゆーいぎなのよっ! そもそも友だちがあたしに何をしてくれるのよ? 研究の邪魔になるだけーよ!」
目も向けずに吐き捨てる台詞に口端が下がる。それでもペリドの傍に居続けるのは、リーゼロッテ・クリューガー(kz0037)の言葉があるからだ。
『ブリちゃんはとっても良い子ですよ。だから仲良しになってあげて下さいね♪』
ブリジッタは自分と魔導アーマー以外の世界を好まないコミュ障だ。今まで錬金術に没頭するあまり他人と関わらなかったのが原因かもしれない。
「……先生、キラキラした目で言ってたし……ボクだって仲良くなりたいけど……」
明らかに自分と魔導アーマーへ向ける表情の違いに凹みそうになる。と、そこに助け舟が来た。
「ブリちゃん、ペリド、入りますよ」
部屋をノックして入って来たのはリーゼロッテだ。
彼女は笑顔でブリジッタに歩み寄ると彼女が書く設計図に目を落とした。
「もう少しで完成と言った所でしょうか。とは言え、もう出発しますよ。先にCAMの公開実験に向かったヤンさんから連絡があって、今からだと開始後の到着になりそうと――」
「あたしいーかないっ!」
「え」
リーゼロッテは思わず目を瞬いた。
「ブリちゃん、今なんて……」
「あたし行かないのよ。だいたいなーんであたしが行かなきゃいけないのよさ。あたしはカオルくんの改造で忙しーのよ」
「でも……ブリちゃんの当初の目的は暴走する魔導アーマーの開発者の暴走を止める事ですよね? それを条件にカオルくんと出発できたはずです。なのに放棄するんですか?」
「目的が変わるなんてよくあることなのよー。そもそもあーなバカ共の面倒を、なんで天才のあたしがしなきゃならねーのよさ。それこそオカシな話なのよ。それよりもでかパイに見て欲しい物があるのよさ!」
ブリジッタは言うと、作成途中の設計図を掲げた。そこには一見すれば意味不明な文字と計算が並べてあるのだが、それを目にした瞬間リーゼロッテの表情が曇った。
「まさか……スペルランチャーの設計をしているのですか?」
「そうなのよー♪ このあいだ見た光るたまが、すーごくきれーだったのよ♪ あれをカオルくんに搭載したらぜったいにすごいことになるのよさ!」
スペルランチャーとはマテリアルを燃料に発射するエネルギー弾のようなものだ。色々と複雑な構造を経ないと出来ないため、現在のクリムゾウェストでは不可能と言われている技術だ。
「まえまえから付けたいって思ってたけど、どーもピンッとくる発想がなかったのよ♪ でも覚醒者を媒体とすればもしかしたら――」
「無理ですね」
「え」
今度はブリジッタが目を瞬く番だった。
「正確に言えば、理論的には可能だと思います。でもリスクが大き過ぎます。覚醒者を媒体にして彼等に何かあったらどうするのですか? 人命への危険性の排除、そして作り上げるだけの高度な技術、そのどれもが不足しています」
「で、でも!」
「ダメです」
キッパリ言い放ったリーゼロッテにブリジッタも黙るしかなかった。けれど負けっぱなしでいる訳にもいかない。
設計図を名残惜しげに見つめた後、彼女は設計図の隅に書き綴った文字を指差して言った。
「それならせめて、カオルくんの間接強化と武器を作りたいのよ! それができないなら出発しないし、じょーほなんて絶対しないのよー!」
「ブリちゃん!」
こうしている間にもCAMの公開実験開始は迫っている。このままでは先に向かった魔導アーマーの開発者たちが心配だ。
「……わかりました。物資調達の依頼を出します。ですから必ず完成させてくださいね?」
リーゼロッテはそう言うと、そっぽを向いたままこちらを向いてくれないブリジッタの横顔を見詰めた。
●魔導アーマー『カオルクヴァッペ』
基本操縦系は試作型魔導アーマーと同じ。
少し平べったいボディに丸みを持たせて蛙のような外見を維持している他、カラーは緑と黒になっている。
愛称は「カオルくん」で現在この1機しか存在しない。
またこの魔導アーマーは2足歩行を可能にしているが、重心を上手く取れないため尻尾のような「第3の足」でバランスを取っている。この足は尻尾のように常に揺れており、機体が倒れないように支える棒のような役割を果たしている。
また外見に似合った「両足ジャンプ機能」を搭載しており、垂直跳びの他、前方向にのみ飛躍する事が出来るようになっている。
●
先程目にしたカオルクヴァッペの設計図。それを思い出しながら、リーゼロッテは依頼を出すべく要塞の中を歩いていた。
「どことなく、昔のナサ君に似ていますね……」
思い出してため息が出る。
ナサニエル・カロッサ(kz0028) は幼い頃からずば抜けた頭脳はあったが、どうにも周りと協力すると言う事が苦手だった。と言うよりも、彼の発想に付いていける研究者が居なかった、と言う方が正しいかもしれない。
ブリジッタも正にそう。
けれど彼女の周りには彼女を理解してくれる人たちがいるはず。現に彼女の身元引受人であるヤンは彼女の能力を高く評価している。
「このまま放っておいては、第2のナサ君を作りかねませんね。どうにかして今の状態から引っ張り出さないと……」
そこまで呟いてハッとした。
「そうか、そうですね! ハンターのみなさんにお願いしてみましょう!」
名案を思いついたと言わんばかりの笑顔になったリーゼロッテは、軽い足取りで歩き出すと意気揚々と依頼を出しに行った。
解説
●リーゼロッテのお願い
はじめまして、もしくはこんにちは。錬金術師組合のリーゼロッテです。
実は今回、ハンターの皆さんに折り入ってお願いしたいことがあります。
錬魔院から派遣されてきた魔導アーマーの開発者「ブリジッタ・ビットマン」の魔導アーマー開発に手を貸して欲しいんです。
具体的には魔導アーマーの足関節部の補強と、搭載武器の作成で、材料はこちらで用意します。
ふふ、本当は材料確保も皆さんにお願いするつもりだったんですけど、他にもお願いしたいことが出来たのでオマケです♪
それで、その追加してお願いしたいことですが、これは絶対じゃないです。でもぜひお願いしたいです。
あの……もし出来るなら、ブリちゃんの心を開いてあげて下さい。
題して「同じ釜飯を食べる仲間作戦!」。
リアルブルーの格言でしたよね。一緒に作業して心を開く……素晴らしい言葉です♪
ではよろしくお願いしますね!
●同行NPC
・リーゼロッテ‥‥錬金術師組合組合長
・ブリジッタ‥‥生意気天才少女
・ペリド‥‥おっちょこちょいアルケミスト
●追記
ブリジッタが搭載しようとしている武器は「ドリルアーム」と「パイルバンカー」で、ほぼ完成しています。
後は動作確認が必要な状態なので、さほど大掛かりな作業は必要ありません。
※何かあればリーゼロッテがお答えしますが、出発24時間を切った場合の返答は保証できません
※白紙防止に「がんばる」だけでも先に書いておきましょう
はじめまして、もしくはこんにちは。錬金術師組合のリーゼロッテです。
実は今回、ハンターの皆さんに折り入ってお願いしたいことがあります。
錬魔院から派遣されてきた魔導アーマーの開発者「ブリジッタ・ビットマン」の魔導アーマー開発に手を貸して欲しいんです。
具体的には魔導アーマーの足関節部の補強と、搭載武器の作成で、材料はこちらで用意します。
ふふ、本当は材料確保も皆さんにお願いするつもりだったんですけど、他にもお願いしたいことが出来たのでオマケです♪
それで、その追加してお願いしたいことですが、これは絶対じゃないです。でもぜひお願いしたいです。
あの……もし出来るなら、ブリちゃんの心を開いてあげて下さい。
題して「同じ釜飯を食べる仲間作戦!」。
リアルブルーの格言でしたよね。一緒に作業して心を開く……素晴らしい言葉です♪
ではよろしくお願いしますね!
●同行NPC
・リーゼロッテ‥‥錬金術師組合組合長
・ブリジッタ‥‥生意気天才少女
・ペリド‥‥おっちょこちょいアルケミスト
●追記
ブリジッタが搭載しようとしている武器は「ドリルアーム」と「パイルバンカー」で、ほぼ完成しています。
後は動作確認が必要な状態なので、さほど大掛かりな作業は必要ありません。
※何かあればリーゼロッテがお答えしますが、出発24時間を切った場合の返答は保証できません
※白紙防止に「がんばる」だけでも先に書いておきましょう
マスターより
こんにちは、朝臣あむです。
今回はブリちゃんシナリオ第2弾をお届け致します。
だいぶ自由奔放でどうしようもないお嬢さんですが、どうにかして心を開かせてあげて下さい。
若干リーゼロッテの知識が間違ってるのもご愛嬌! よろしくお願いします!!
ではみなさまのご参加とプレイングをお待ちしております。
今回はブリちゃんシナリオ第2弾をお届け致します。
だいぶ自由奔放でどうしようもないお嬢さんですが、どうにかして心を開かせてあげて下さい。
若干リーゼロッテの知識が間違ってるのもご愛嬌! よろしくお願いします!!
ではみなさまのご参加とプレイングをお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/12/29 05:06
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/12/19 06:16:14 |
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相談卓だよ 天竜寺 詩(ka0396) 人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2014/12/21 08:41:56 |