ゲスト
(ka0000)
【空蒼】鬼影
マスター:電気石八生

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,500
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- ユニット参加人数
- 現在6 / 0~6
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/07/23 07:30
- リプレイ完成予定
- 2018/08/06 07:30
オープニング
●報告
秋葉原で先日起きた強化人間専用CAM“獅子鬼”暴走事件について。
当該パイロットは重度の心神喪失状態にあることが認められた。
現在、当該パイロットの自死衝動を抑制すると共に心身の回復をはかっての入院措置を実施しているが、その中での検査から、左右上肢(手)において不可解な運動神経及び知覚神経の破損が確認された。なお、暴走との関係性については不明である。
また、当該パイロットの見せたCAMへの過度の執着は、過度のストレスから引き起こされた喪失感と推察されるが、他の症例に類似が見られないことから、それだけを根拠に結論づけることは差し控えたい。
「……という感じですね」
担当医は安定剤を大量投与され、ベッドに縛りつけられたまま眠るパイロットから視線を外す。
「アンタの個人的意見っての、オフレコで聞かせてくんない?」
引き締まった体をダークスーツで包んだ禿頭のアフリカンが口の端を歪めて問うた。
担当医は辺りを見回し、たっぷりともったいつけて。
「洗脳って線はありそうな感じです。ただの経験則なんですけど、ちがうんですよね。これまで診てきた患者さんと、目が。信じ込んでるわけじゃなくて、信じ込みたい感じ?」
弱った心に吹き込まれる甘い言葉。それにすがりつきたくなるのは強化人間ばかりではあるまい。あれほど「真のパーフェクション」とやらに拘ったのも、“獅子鬼”に武装を得させるための誘導だったのだとしたら? そもそも武装させることでなにをさせたかった? ただ暴れさせたいだけならもっと簡単なやりかたがあったはずだろうに。
そんな疑問は口にすることなく、アフリカンはうなずいた。
「オッケー、精神医学で云うところの妄想とちがうってことよね。確証が取れるようなら申し送りしとく案件だけど」
「それも彼が回復してからになりますから。しばらくは僕とあなたの胸にしまっておく感じでしょうね」
暴走する強化人間、その手足にくくりつけられた操糸の影――なにがどう繋がるものかはさておき、最悪を想定しておく必要はありそうだ。
●打診
ノアーラ・クンタウの片隅に小さな看板を出すバー『二郎』。
その店主であるゲモ・ママは今、超のけぞっていた。
「だーかーらっ! 大変なんだってばーっ!」
客席側からカウンターにうつ伏せて伸び出し、ママの胸にしがみつくのは天王洲レヲナである。
「ちょ、だからってアタシに言われたって揺らされたってつままれたってぇぇぇえええ!」
落ち着きなさいっ! レヲナの両腕をクリンチの要領で抱え込み、ふんすとひとひねり。
腕を封じられ、ころりと仰向けにされたレヲナだったが、それでも両脚をばたつかせて「こんなことしてる場合じゃないからー!」、大騒ぎである。
「オッケー、ボーイ。クールになんなさい。アタシにちゃんと説明して。なにがどうなってんのか」
「……ドナテロ議長がいなくなった」
びくり。眉根を跳ね上げたママだったが、漏れ出しかけた悲鳴を噛み殺す。
地球統一連合議会議長ドナテロ・バガニーニと連絡がつかない状況にあることは知っていた。しかし、彼にもっとも近い――レヲナがドナテロによってその命を救われた戦災孤児であることは、知る人ぞ知る真実である――はずのレヲナの口から「いなくなった」と語られる衝撃は予想以上のインパクトがあった。
それでも今は驚くより情報収集よね。
先を促されたレヲナがまた語り出す。
「秋葉原支部に密告があったんだよ。議長の行き先を知ってる議員がいるって」
密告ねぇ。
オネェと男の娘ということで親睦を深めた仲ではあるが、ママは彼なりの情報網を使い、レヲナのある程度を知ることとなっていた。
先のドナテロとレヲナの関係もそうだし、そのレヲナが相当な“使い手”であり、ドナテロの護衛を担っていたことも、だ。
だからこそレヲナの言には信憑性がある。実際に密告を受けたにせよ、なんらかの形で探り当てたにせよ。
「で、アタシになにさせてぇわけ?」
答を知りながら、ママはあえて問うた。
「統一連合が動いたらそれだけで騒ぎになっちゃうから……ハンターのみんなに協力してほしいんだよ」
はい、アタシってば正解。ママは重いため息をつく。
リアルブルーは今、地球統一連合議会・VOID・強化人間――三者の関係が何者かによって拡散され、大きく揺れている。そこにドナテロ失踪までもが加わってしまえば、なにが起きるかなど考えるまでもなかろう。
「その議員さんを押さえるだけでいいのね? っていうか、その後はアタシたちがクチバシ突っ込めることじゃねぇし?」
先の秋葉原の事件についても知るところがあり、思うところがある。渦の中心に踏み込むような真似をする気はないが、「無知は罪」だと知っているからこそ、見ないふりもできやしない。
そんなママが見ないふりをするのは、レヲナという存在が抱える真実だけ。
レヲ蔵はアタシのこと、どこまで調べ上げてんのかしらねぇ? こんな場末にこんな事件持ち込んでくれたの、オンナ友だちだからじゃねぇでしょ?
ともあれママはもう一度ため息をつき、レヲナをもう一回転させてカウンターを離れた。
●招集
「ってわけで、地球統一連合議会の甲斐ライ議員のことストーキングしてハグすんのが今回のお仕事よぉ~」
ひととおりの説明をすませたママは、なんともやる気のない声で告げた。
「ただでさえリアルブルーはタイヘンだからねぇ。こっそり熱烈ハグ決めちまいな~。あとはレヲ蔵がなんかするから、アンタたちは見なかったふり、聞かなかったふりでカネだけもらってサヨウナラよ。」
指定日時の甲斐議員の行動予定を示し、ママが皮肉な笑みを閃かせる。
「アタシ、ハンターって正義の子でいいと思ってんのよ。こういうドロっとしたとこに踏み込んじゃうと、足抜けなくなっちまうから! わかったわねぇ?」
と、ママはパンパン。手を打って重苦しい空気を弾き飛ばして。
「コレも正義のためって信じましょ。妄想だって思い込んだらほんとになる。自分にとってだけは、ってのが苦しいとこだけどね」
秋葉原で先日起きた強化人間専用CAM“獅子鬼”暴走事件について。
当該パイロットは重度の心神喪失状態にあることが認められた。
現在、当該パイロットの自死衝動を抑制すると共に心身の回復をはかっての入院措置を実施しているが、その中での検査から、左右上肢(手)において不可解な運動神経及び知覚神経の破損が確認された。なお、暴走との関係性については不明である。
また、当該パイロットの見せたCAMへの過度の執着は、過度のストレスから引き起こされた喪失感と推察されるが、他の症例に類似が見られないことから、それだけを根拠に結論づけることは差し控えたい。
「……という感じですね」
担当医は安定剤を大量投与され、ベッドに縛りつけられたまま眠るパイロットから視線を外す。
「アンタの個人的意見っての、オフレコで聞かせてくんない?」
引き締まった体をダークスーツで包んだ禿頭のアフリカンが口の端を歪めて問うた。
担当医は辺りを見回し、たっぷりともったいつけて。
「洗脳って線はありそうな感じです。ただの経験則なんですけど、ちがうんですよね。これまで診てきた患者さんと、目が。信じ込んでるわけじゃなくて、信じ込みたい感じ?」
弱った心に吹き込まれる甘い言葉。それにすがりつきたくなるのは強化人間ばかりではあるまい。あれほど「真のパーフェクション」とやらに拘ったのも、“獅子鬼”に武装を得させるための誘導だったのだとしたら? そもそも武装させることでなにをさせたかった? ただ暴れさせたいだけならもっと簡単なやりかたがあったはずだろうに。
そんな疑問は口にすることなく、アフリカンはうなずいた。
「オッケー、精神医学で云うところの妄想とちがうってことよね。確証が取れるようなら申し送りしとく案件だけど」
「それも彼が回復してからになりますから。しばらくは僕とあなたの胸にしまっておく感じでしょうね」
暴走する強化人間、その手足にくくりつけられた操糸の影――なにがどう繋がるものかはさておき、最悪を想定しておく必要はありそうだ。
●打診
ノアーラ・クンタウの片隅に小さな看板を出すバー『二郎』。
その店主であるゲモ・ママは今、超のけぞっていた。
「だーかーらっ! 大変なんだってばーっ!」
客席側からカウンターにうつ伏せて伸び出し、ママの胸にしがみつくのは天王洲レヲナである。
「ちょ、だからってアタシに言われたって揺らされたってつままれたってぇぇぇえええ!」
落ち着きなさいっ! レヲナの両腕をクリンチの要領で抱え込み、ふんすとひとひねり。
腕を封じられ、ころりと仰向けにされたレヲナだったが、それでも両脚をばたつかせて「こんなことしてる場合じゃないからー!」、大騒ぎである。
「オッケー、ボーイ。クールになんなさい。アタシにちゃんと説明して。なにがどうなってんのか」
「……ドナテロ議長がいなくなった」
びくり。眉根を跳ね上げたママだったが、漏れ出しかけた悲鳴を噛み殺す。
地球統一連合議会議長ドナテロ・バガニーニと連絡がつかない状況にあることは知っていた。しかし、彼にもっとも近い――レヲナがドナテロによってその命を救われた戦災孤児であることは、知る人ぞ知る真実である――はずのレヲナの口から「いなくなった」と語られる衝撃は予想以上のインパクトがあった。
それでも今は驚くより情報収集よね。
先を促されたレヲナがまた語り出す。
「秋葉原支部に密告があったんだよ。議長の行き先を知ってる議員がいるって」
密告ねぇ。
オネェと男の娘ということで親睦を深めた仲ではあるが、ママは彼なりの情報網を使い、レヲナのある程度を知ることとなっていた。
先のドナテロとレヲナの関係もそうだし、そのレヲナが相当な“使い手”であり、ドナテロの護衛を担っていたことも、だ。
だからこそレヲナの言には信憑性がある。実際に密告を受けたにせよ、なんらかの形で探り当てたにせよ。
「で、アタシになにさせてぇわけ?」
答を知りながら、ママはあえて問うた。
「統一連合が動いたらそれだけで騒ぎになっちゃうから……ハンターのみんなに協力してほしいんだよ」
はい、アタシってば正解。ママは重いため息をつく。
リアルブルーは今、地球統一連合議会・VOID・強化人間――三者の関係が何者かによって拡散され、大きく揺れている。そこにドナテロ失踪までもが加わってしまえば、なにが起きるかなど考えるまでもなかろう。
「その議員さんを押さえるだけでいいのね? っていうか、その後はアタシたちがクチバシ突っ込めることじゃねぇし?」
先の秋葉原の事件についても知るところがあり、思うところがある。渦の中心に踏み込むような真似をする気はないが、「無知は罪」だと知っているからこそ、見ないふりもできやしない。
そんなママが見ないふりをするのは、レヲナという存在が抱える真実だけ。
レヲ蔵はアタシのこと、どこまで調べ上げてんのかしらねぇ? こんな場末にこんな事件持ち込んでくれたの、オンナ友だちだからじゃねぇでしょ?
ともあれママはもう一度ため息をつき、レヲナをもう一回転させてカウンターを離れた。
●招集
「ってわけで、地球統一連合議会の甲斐ライ議員のことストーキングしてハグすんのが今回のお仕事よぉ~」
ひととおりの説明をすませたママは、なんともやる気のない声で告げた。
「ただでさえリアルブルーはタイヘンだからねぇ。こっそり熱烈ハグ決めちまいな~。あとはレヲ蔵がなんかするから、アンタたちは見なかったふり、聞かなかったふりでカネだけもらってサヨウナラよ。」
指定日時の甲斐議員の行動予定を示し、ママが皮肉な笑みを閃かせる。
「アタシ、ハンターって正義の子でいいと思ってんのよ。こういうドロっとしたとこに踏み込んじゃうと、足抜けなくなっちまうから! わかったわねぇ?」
と、ママはパンパン。手を打って重苦しい空気を弾き飛ばして。
「コレも正義のためって信じましょ。妄想だって思い込んだらほんとになる。自分にとってだけは、ってのが苦しいとこだけどね」
解説
●依頼
・甲斐ライ議員の移動を追跡し、拘束してください。
・“獅子鬼・高機動仕様”を撃退してください。
●状況
・甲斐議員はセダンで街を移動します。スキルや連携を使ってこっそり追跡してください。
・議員は最終的に海沿いの船舶整備ドックへ入ります。
・ドックの中には鉱石の依代を持つ怠惰と“獅子鬼”が待っています。
・甲斐議員自身は普通の人間ですが、この事件における重要な情報を持っています(それを聞くには条件がありますが、聞けなくとも依頼成功度は下がりません)。
●ドック
・床は凹型で、大型クレーンや工作機械があります。
・CAM等が展開するのに充分な広さと高さがあります。ただし室内であり、床の形状の問題もあるため、トラックと馬車の移動及びグリフォン、ワイバーン、リーリー、ヘリの飛行は不可能です。
●“獅子鬼・高機動仕様”
・軽量化装甲に換装された“獅子鬼”です。
・超々高密度合成ダイヤモンド製の鬣で、高い放熱効果と熱耐久性能を実現しました。
・足首の脆弱性は健在。装甲が薄くなったので防御力は大幅ダウン。
・単分子ブレード(射程1/物理)、ガトリングマシンガン(射程30/物理)で武装しています。
・攻撃回避中、自動でガトリングを撃ち返します。
・防御力は全体的に低く、代わりに回避力と移動力が高くなっています。
・一定のダメージを受けると“獅子鬼”は逃走します。
●怠惰(個体名:ゴヴニア)
・鬣の制作担当。能力等は不明。合成ダイヤモンドの依代に意識だけを乗り移らせています。
・攻撃をしかけなければ反撃してくることもありません(ゴヴニア撃破は依頼の成功度に関係しません)。
・会話は自由。ただし地球統一連合議会との関係についてははぐらかします。
・“獅子鬼”逃走に合わせ、姿を消します。
●レヲナ
・現場の隅にいます。連絡、通信等は問題なく行えます。
・甲斐ライ議員の移動を追跡し、拘束してください。
・“獅子鬼・高機動仕様”を撃退してください。
●状況
・甲斐議員はセダンで街を移動します。スキルや連携を使ってこっそり追跡してください。
・議員は最終的に海沿いの船舶整備ドックへ入ります。
・ドックの中には鉱石の依代を持つ怠惰と“獅子鬼”が待っています。
・甲斐議員自身は普通の人間ですが、この事件における重要な情報を持っています(それを聞くには条件がありますが、聞けなくとも依頼成功度は下がりません)。
●ドック
・床は凹型で、大型クレーンや工作機械があります。
・CAM等が展開するのに充分な広さと高さがあります。ただし室内であり、床の形状の問題もあるため、トラックと馬車の移動及びグリフォン、ワイバーン、リーリー、ヘリの飛行は不可能です。
●“獅子鬼・高機動仕様”
・軽量化装甲に換装された“獅子鬼”です。
・超々高密度合成ダイヤモンド製の鬣で、高い放熱効果と熱耐久性能を実現しました。
・足首の脆弱性は健在。装甲が薄くなったので防御力は大幅ダウン。
・単分子ブレード(射程1/物理)、ガトリングマシンガン(射程30/物理)で武装しています。
・攻撃回避中、自動でガトリングを撃ち返します。
・防御力は全体的に低く、代わりに回避力と移動力が高くなっています。
・一定のダメージを受けると“獅子鬼”は逃走します。
●怠惰(個体名:ゴヴニア)
・鬣の制作担当。能力等は不明。合成ダイヤモンドの依代に意識だけを乗り移らせています。
・攻撃をしかけなければ反撃してくることもありません(ゴヴニア撃破は依頼の成功度に関係しません)。
・会話は自由。ただし地球統一連合議会との関係についてははぐらかします。
・“獅子鬼”逃走に合わせ、姿を消します。
●レヲナ
・現場の隅にいます。連絡、通信等は問題なく行えます。
マスターより
みなさまお疲れさまです。電気石八生と申します。
こちら、前回に続く【空蒼】連動第2幕となっておりますが、今回は依頼の脇に「含み」を織り込んだ内容とさせていただいております(依頼達成とは切り離してのギミックとなっておりますのでご安心を!)。
それではよろしくお願いいたします。
こちら、前回に続く【空蒼】連動第2幕となっておりますが、今回は依頼の脇に「含み」を織り込んだ内容とさせていただいております(依頼達成とは切り離してのギミックとなっておりますのでご安心を!)。
それではよろしくお願いいたします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/08/01 10:27
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 桜崎 幸(ka7161) 人間(リアルブルー)|16才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2018/07/22 18:47:25 |
|
![]() |
質問卓 ボルディア・コンフラムス(ka0796) 人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2018/07/21 18:47:58 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/07/21 09:31:27 |