ゲスト
(ka0000)
依り結んだ祈りの糸は
マスター:秋月雅哉

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在5人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/08/07 19:00
- リプレイ完成予定
- 2018/08/16 19:00
オープニング
●願いを込めた糸は切れてしまった
リアルブルーではプロミスリングやミサンガというものがあるのだという。図案までは手に入らなかったけれど編み方は教わることができた。彼に似合う色を選んで、彼の好きな色を選んで、彼の好きな雪の柄を編むように、無事を祈るように願いを込めて、時間をかけて編みこんだ。
自営団に所属する彼は時折ハンターに頼る時間もないほど急な魔物のように狂暴な野獣の討伐や、村人同士のいさかいの仲裁でけがをするから。無事に、どうか無事にと願いを込めてミサンガを編んだ。
気休めだと人は笑うかもしれない。迷信だと馬鹿にするかもしれない。けれど意識不明の重体の人が大事な人が呼びかけを続けた結果命を取り留めたり、虫の知らせとして確かに何かを感じたり。
この世界には不思議なことなどないという人もいるけれど。今の文化じゃ解明できない不思議なことだってきっとあるって私は思ってる。ううん、知っている。思いの力に人は救われ、思いの強さに時に傷つく。
二十数年の人生で分かり合う難しさと、心が通じ合った時の喜びを何度か経験した。傷つくこともあったし、救われることもあった。
だから願いを込めたミサンガが彼のお守りになるって信じていた。実質的な加護の力はないのだけれど、心が折れそうなときに私のことを思い出して、あと一歩踏ん張る力にはなるかもしれない。
もともとそう危険なことは多くない村だ。自警団はほかの人よりちょっとだけ危険だけれど、ハンターのように歪虚と戦い続ける日々に比べたら穏やかなもの。そんな心守りでお互い安心できる。そんな日々が続くと信じていた。
瘴気に染まって変容した狼が村を襲い始めたのは、ミサンガが完成してからひと月くらいたったころ。彼は毎日ミサンガを大事そうに撫でて、毎日私に心を込めて編んでくれてありがとうとお礼を言ってくれた。
そんな平和な日々が、獣の襲来で終わりを告げた。オフィスに報告するまでに個体数や巣を探っておかないとうち漏らしが報復に来るかもしれない。そういって自警団のみんなは出かけて行った。
――彼は帰ってこなかった。年下の仲間を守って、のどと腹を食いちぎられたのだという。遺体はむごい姿だから見ない方がいい。そういわれて死に目どころか死体に再会することさえできないまま彼は棺に納められ、葬られた。
後には血に染まって、ちぎれたミサンガが残った。
祈りの糸は、断ち切られてしまった。私が生きていく上での希望も、無くなってしまった。
どうして、あぁどうして。私たちはただ平穏でいたかっただけなのに。
自警団のみんなが死に物狂いで集めた情報をもとに、魔獣のような野獣の討伐依頼をオフィスに提出するという。
それで村は救われるのだろう。けれど……彼は帰ってこないのだ。
●明日に託す何かのために
「歪虚の残した瘴気か、自然発生した何かのよくない気配かまではわかっていないけれど、瘴気によって魔獣のようになった六頭の狼が村を襲い、自警団が調査の末に巣を発見した。村人の手に負える相手じゃないから君たちに退治をお願いしたい」
魔獣たちの巣は森の中にあるという。木々の茂み、餌となる草食動物が多く済む豊かなその森は今魔獣の脅威にさらされている。
魔獣たちを支配するのは圧倒的な飢餓感。すべてを食い尽くしてもなお飢えは彼らを襲う。
「一人、調査の最中に命を落としたそうだ。彼には臨月間近の奥さんがいて、食事ものどを通らなければ眠ることもできずにこのままでは母子ともに危ない。彼がかばって命を助けられた後輩の男性は後悔で押しつぶされそうになっている。この二人の心のケアも頼みたいんだ。
先日の老人の心の雨をやませたように、この村の人たちに振る心の雨もやむといいんだけど」
リアルブルーではプロミスリングやミサンガというものがあるのだという。図案までは手に入らなかったけれど編み方は教わることができた。彼に似合う色を選んで、彼の好きな色を選んで、彼の好きな雪の柄を編むように、無事を祈るように願いを込めて、時間をかけて編みこんだ。
自営団に所属する彼は時折ハンターに頼る時間もないほど急な魔物のように狂暴な野獣の討伐や、村人同士のいさかいの仲裁でけがをするから。無事に、どうか無事にと願いを込めてミサンガを編んだ。
気休めだと人は笑うかもしれない。迷信だと馬鹿にするかもしれない。けれど意識不明の重体の人が大事な人が呼びかけを続けた結果命を取り留めたり、虫の知らせとして確かに何かを感じたり。
この世界には不思議なことなどないという人もいるけれど。今の文化じゃ解明できない不思議なことだってきっとあるって私は思ってる。ううん、知っている。思いの力に人は救われ、思いの強さに時に傷つく。
二十数年の人生で分かり合う難しさと、心が通じ合った時の喜びを何度か経験した。傷つくこともあったし、救われることもあった。
だから願いを込めたミサンガが彼のお守りになるって信じていた。実質的な加護の力はないのだけれど、心が折れそうなときに私のことを思い出して、あと一歩踏ん張る力にはなるかもしれない。
もともとそう危険なことは多くない村だ。自警団はほかの人よりちょっとだけ危険だけれど、ハンターのように歪虚と戦い続ける日々に比べたら穏やかなもの。そんな心守りでお互い安心できる。そんな日々が続くと信じていた。
瘴気に染まって変容した狼が村を襲い始めたのは、ミサンガが完成してからひと月くらいたったころ。彼は毎日ミサンガを大事そうに撫でて、毎日私に心を込めて編んでくれてありがとうとお礼を言ってくれた。
そんな平和な日々が、獣の襲来で終わりを告げた。オフィスに報告するまでに個体数や巣を探っておかないとうち漏らしが報復に来るかもしれない。そういって自警団のみんなは出かけて行った。
――彼は帰ってこなかった。年下の仲間を守って、のどと腹を食いちぎられたのだという。遺体はむごい姿だから見ない方がいい。そういわれて死に目どころか死体に再会することさえできないまま彼は棺に納められ、葬られた。
後には血に染まって、ちぎれたミサンガが残った。
祈りの糸は、断ち切られてしまった。私が生きていく上での希望も、無くなってしまった。
どうして、あぁどうして。私たちはただ平穏でいたかっただけなのに。
自警団のみんなが死に物狂いで集めた情報をもとに、魔獣のような野獣の討伐依頼をオフィスに提出するという。
それで村は救われるのだろう。けれど……彼は帰ってこないのだ。
●明日に託す何かのために
「歪虚の残した瘴気か、自然発生した何かのよくない気配かまではわかっていないけれど、瘴気によって魔獣のようになった六頭の狼が村を襲い、自警団が調査の末に巣を発見した。村人の手に負える相手じゃないから君たちに退治をお願いしたい」
魔獣たちの巣は森の中にあるという。木々の茂み、餌となる草食動物が多く済む豊かなその森は今魔獣の脅威にさらされている。
魔獣たちを支配するのは圧倒的な飢餓感。すべてを食い尽くしてもなお飢えは彼らを襲う。
「一人、調査の最中に命を落としたそうだ。彼には臨月間近の奥さんがいて、食事ものどを通らなければ眠ることもできずにこのままでは母子ともに危ない。彼がかばって命を助けられた後輩の男性は後悔で押しつぶされそうになっている。この二人の心のケアも頼みたいんだ。
先日の老人の心の雨をやませたように、この村の人たちに振る心の雨もやむといいんだけど」
解説
成功条件
魔獣の撃破・心のケア
失敗条件
撃破やケアの失敗
狼
魔獣と化した六体の狼。個体が普通の狼より一回り大きく、リーダーはさらに一回り大きいです。
爪と牙が鋭く毒をもちます。
樹木の虚に穴を掘って深くした場所に巣を構えています。
一般人では手に負えない強さですがハンターであれば問題なく倒せます。
心のケアのほうが重要な依頼となります。
身重の女性
臨月も近いのに身も心も休まらず、食事はのどを通らず、睡眠をとることもできていないためこのままでは母子ともに危険です。
夫の仕事を楽観視していた自分を責めるように血に染まりちぎれたミサンガを昼夜問わずじっと見つめています。
心を閉ざしており外の世界への反応が鈍いです。
誰かを失った時の実体験とそこから立ち直った時のきっかけや自分を支えているのは夫だけではないことを気づかせてあげるといいかもしれません。
後輩の男性
これからが大変な妻を持つ先輩が自分のせいで死んだことを深く悔やんでいます。自分のせいでと思い詰め、どうすれば責任をとれるか思い悩む日々です。
生真面目で物事を思い詰める傾向の性格。
具体的に自分が何ができるか、これからどうすれば助けになれるかなどを示すといいかもしれません。
この二人の心のケアがキーになる依頼です。
配分的には戦闘3:心情7くらいの心情依頼。
PC様らしい言葉で彼らと向き合ってください。
魔獣の撃破・心のケア
失敗条件
撃破やケアの失敗
狼
魔獣と化した六体の狼。個体が普通の狼より一回り大きく、リーダーはさらに一回り大きいです。
爪と牙が鋭く毒をもちます。
樹木の虚に穴を掘って深くした場所に巣を構えています。
一般人では手に負えない強さですがハンターであれば問題なく倒せます。
心のケアのほうが重要な依頼となります。
身重の女性
臨月も近いのに身も心も休まらず、食事はのどを通らず、睡眠をとることもできていないためこのままでは母子ともに危険です。
夫の仕事を楽観視していた自分を責めるように血に染まりちぎれたミサンガを昼夜問わずじっと見つめています。
心を閉ざしており外の世界への反応が鈍いです。
誰かを失った時の実体験とそこから立ち直った時のきっかけや自分を支えているのは夫だけではないことを気づかせてあげるといいかもしれません。
後輩の男性
これからが大変な妻を持つ先輩が自分のせいで死んだことを深く悔やんでいます。自分のせいでと思い詰め、どうすれば責任をとれるか思い悩む日々です。
生真面目で物事を思い詰める傾向の性格。
具体的に自分が何ができるか、これからどうすれば助けになれるかなどを示すといいかもしれません。
この二人の心のケアがキーになる依頼です。
配分的には戦闘3:心情7くらいの心情依頼。
PC様らしい言葉で彼らと向き合ってください。
マスターより
秋月雅哉です。プロミスリングを昔作ったり花見の時に露店でミサンガを買ったりしたなぁと思い返しました。
支えとするより糸が切れてしまって、明日への希望も持てなくて絶望しか見えていない二人の心に灯りをともしてあげてください。
切れた糸は戻らなくても、亡くなった人は帰らなくても、かれらにはまだ明日があるのですあから。
支えとするより糸が切れてしまって、明日への希望も持てなくて絶望しか見えていない二人の心に灯りをともしてあげてください。
切れた糸は戻らなくても、亡くなった人は帰らなくても、かれらにはまだ明日があるのですあから。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/08/08 09:54
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/08/07 10:18:46 |
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【相談卓】雨が止むためには アルト・ヴァレンティーニ(ka3109) 人間(クリムゾンウェスト)|21才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2018/08/07 10:35:41 |